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タイトル:特許公報(B2)_着色担体を用いたアッセイ装置及びその作製方法
出願番号:2002053372
年次:2008
IPC分類:G01N 33/531,G01N 33/543,C07K 17/02


特許情報キャッシュ

加藤 大介 鎌田 公仁夫 JP 4112243 特許公報(B2) 20080418 2002053372 20020228 着色担体を用いたアッセイ装置及びその作製方法 デンカ生研株式会社 591125371 中村 稔 100059959 大塚 文昭 100067013 熊倉 禎男 100082005 宍戸 嘉一 100065189 竹内 英人 100096194 今城 俊夫 100074228 小川 信夫 100084009 村社 厚夫 100082821 西島 孝喜 100086771 箱田 篤 100084663 加藤 大介 鎌田 公仁夫 20080702 G01N 33/531 20060101AFI20080612BHJP G01N 33/543 20060101ALI20080612BHJP C07K 17/02 20060101ALN20080612BHJP JPG01N33/531 ZG01N33/543C07K17/02 G01N 33/48-33/98 特開2000−235036(JP,A) 特開平02−500861(JP,A) 特開昭62−265566(JP,A) 特開昭57−067860(JP,A) 特開昭62−144070(JP,A) 特開平02−157658(JP,A) 10 2003254974 20030910 7 20050228 白形 由美子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は免疫測定法に使用するアッセイ装置及びその作製方法に関するものであり、リガンドが固定化されている担体において、固定化されている部分が着色されていることを特徴とするアッセイ装置及びその作製方法に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、メンブランを用いたフロースルー型イムノアッセイ装置に代表される臨床診断用免疫測定装置において、その製造工程において担体にリガンドを固定化する際には、固定化に最適な無色な溶液にリガンドを溶解して、これをメンブレン上にスポットすることにより固定化を行っていた。従って、リガンド固定化後の確認が困難であり、固定化し忘れたり、重複して固定化するという操作ミスを招くという欠点があった。また、従来法では固定化するリガンドが複数種であった場合でも、無色の溶液で固定化を行っていたため、固定化後や免疫測定法における使用時において各リガンドの固定化状況の確認が困難であるという欠点があった。【0003】【発明が解決しようとする課題】本発明は担体のリガンドへの固定化において、目視による担体へのリガンドの固定化の確認が出来ないという欠点を克服する、アッセイ装置及びその作製方法を提供することを目的とする。また本発明は、アッセイ装置を製造する場合、リガンドを固定化し忘れたり、重複して固定化したりする操作ミスを無くし、大量に生産する際に有用な方法を提供することを目的とする。また、本発明は、使用する際に、リガンドが固定化されている担体に、検体を入れたか容易に判断でき、検体の入れ忘れを軽減させることが可能となるアッセイ装置を提供することを目的とする。【0004】【課題を解決するための手段】本発明は、リガンドが固定化されている担体を含むアッセイ装置において、固定化されている部分が着色されていることを特徴とするアッセイ装置に関する。また本発明は、固定化しようとするリガンド液を着色剤で着色し、前記リガンド液を担体に固定化する上記アッセイ装置の作製方法に関する。また本発明はリガンドが抗原又は抗体であることを特徴とする上記装置または方法に関する。また本発明は担体が膜又はフィルターであることを特徴とする上記装置または方法に関する。また本発明は、リガンドが複数存在し、担体の各々のリガンドが固定化されている各部分がリガンドの種類に応じて互いに異なる色で着色されているアッセイ装置に関する。また本発明は、免疫測定法において使用される上記アッセイ装置に関する。また本発明は、固定化しようとするリガンド液を着色剤で着色し、前記リガンド液を担体に固定化する上記記載のアッセイ装置の作製方法に関する。また本発明は、上記方法において、リガンドが抗原又は抗体であることを特徴とする方法に関する。また本発明は、上記方法において担体が膜又はフィルターであることを特徴とする方法に関する。【0005】【発明の実施の形態】(アッセイ装置)本発明のアッセイ装置は、リガンドが固定化されている担体を含み、前記担体の固定化されている部分が着色されていることを特徴とするアッセイ装置である。本発明のアッセイ装置は、フロースルー型またはラテラルフロー型イムノアッセイ等の免疫測定法において使用することができる。本明細書においてリガンドとは、分析対象物を捕捉するための受容体であって、担体に固定化されるものを意味する。具体例としては、抗ウイルス抗体、ウイルス抗原、遺伝子組換えウイルス中空粒子、遺伝子組換え大腸菌発現タンパク質等が挙げられる。またこれらのポリクローナル抗体、モノクローナル抗体が挙げられる。【0006】担体は、リガンドを固定化するために用いる水に不溶性の支持体である。好ましい例としては膜またはフィルターが挙げられる。より具体的には、例えばニトロセルロースメンブレン、ナイロンメンブレン、PVDF(ポリビニリデンジフルオライド)メンブレンが挙げられる。リガンドの担体への固定化方法は、例えば、膜またはフィルターに、リガンドを物理的に吸着または化学的に結合させ、乾燥させる方法が用いられる。着色剤は、好ましくは固定化するリガンドの種類に応じて増やし、着色が明瞭であり、各々の着色と区別が容易なもの用いる。但し、着色剤は固定化および、リガンドの反応を阻害しないものが望ましく、また着色剤の濃度は反応後に判定に影響しない濃度が望ましい。具体的には、0.01〜0.5%(w/v)の範囲が好ましい。また、着色リガンド液を作製する際の溶媒としては、水、クエン酸緩衝液(pH4.5〜5.5)等の緩衝液が挙げられる。例えば着色剤には、合成色素、天然色素、pH指示薬等が挙げられる。より具体的には以下に示すものが挙げられる。【0007】合成色素合成色素の例としては、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用青色1号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号等が挙げられる。【0008】天然色素天然色素の例としては、クチナシ黄色素、ベニバナ黄色素、ウコン色素、ベニコウジ黄色素、ベニコウジ色素、クチナシ赤色素、ベニバナ赤色素、ビートレッド、コチニール色素、ラック色素、アカネ色素、シソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ブドウ果皮色素、エルダーベリー色素、トウガラシ色素、アナトー色素、クロロフィル、クチナシ青色素、スピルリナ色素、カカオ色素、タマリンド色素、カキ色素、コウリャン色素、植物炭末色素等挙げられる。【0009】pH指示薬pH指示薬の例としては、アリザリンイエロー(Alizarin Yellow)、アニリンブルー(Aniline Blue)、ブリリアントイエロー(Brilliant Yellow)、ブロモクレゾールパープル(Bromocresol Purple)、クロロフェノールレッド(Chlorophenol Red)、コンゴーレッド(Congo Red)、m−クレゾールパープル(m-Cresol Purple)、クレゾールレッド(Cresol Red)、デキストランレッド(Dextran Red)、ローズアニリン(Rosanilline)、ヘマトキシリン(Hematoxylin)、インジゴカルミン(Indigo Carmine)、メタニルイエロー(Metanil Yellow)、メチルグリーン 塩化亜鉛複塩(Methyl Green Zinc Chloride Double Salt)、ニュートラルレッド(Neutral Red)、フェノールレッド(Phenol Red)、フェノールバイオレット(Phenol Violet)、カルボシアニンDBTC(Carbocyanin DBTC)等が挙げられる。【0010】(アッセイ装置の作製方法)上記アッセイ装置は、固定化しようとするリガンド液を上記着色剤で着色し、前記リガンド液を担体に上述した方法で固定化することにより製造することができる。【0011】【実施例】以下の試薬及び装置を用いた。抗体固定化用溶液抗A型インフルエンザ抗体希釈液食用色素赤色102号(株式会社三幸製)0.05%(w/v)を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)【0012】抗B型インフルエンザ抗体希釈液食用色素緑色(食用青色1号(3%)と食用黄色4号(7%)の混合物)を0.05%(w/v)を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)【0013】測定用溶液酵素標識抗体A型アルカリフォスファターゼ標識抗A型インフルエンザモノクローナル抗体、及びアジ化ナトリウム(保存剤)を0.08%(w/v)を含む溶液【0014】酵素標識抗体B型アルカリフォスファターゼ標識抗B型インフルエンザモノクローナル抗体、及びアジ化ナトリウム(保存剤)を0.08%(w/v)を含む溶液【0015】洗浄液保存剤としてアジ化ナトリウムを0.08%(w/v)含む、トリス塩酸緩衝塩化ナトリウム液(pH7.0)【0016】基質液5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(150μg/ml)、及びニトロテトラゾリウムブルー(300μg/ml)を含む溶液(SIGMA社製)反応停止液クエン酸水溶液(21mg/ml)【0017】アッセイ装置アッセイに使用した装置の模式図を図1および図2に示す。図1は装置の平面図であり、図2は、図1のII’切断端面図である。図1及び2において、aは調製した試料を滴下する開口部を有し、底面部に試料が通過するための穴(Aホール及びBホール)を備えたアダプターである。bはリガンドが固定化された担体であり、cは液体を吸収する部材である。【0018】固定化は、2種の抗体溶液をニトロセルロースメンブレンへ適量をスポットして行った。装置のAホールには抗A型インフルエンザモノクローナル抗体(10μg)溶液、Bホールには抗B型インフルエンザモノクローナル抗体(5μg)溶液をそれぞれスポットし、その際の抗原及び抗体希釈液は着色剤を含む物と、含まない物を用意し、比較を行った。スポット後、45℃の乾燥室で40分間乾燥を行い、測定に用いた。固定化後、着色剤により鮮やかな着色が確認された。一方、着色剤未添加の物は、目視での識別は不可能であった。【0019】測定は、固定化されたデバイスに対して、陽性検体として希釈したインフルエンザA型及びB型ウイルス、陰性検体としてPBS(−)を使用して行った。試料をAホール、Bホールに150μlずつ気泡を入れないように滴下し、メンブレン上に液がなくなるまで常温に静置した。その後Aホールに酵素標識抗体A型、Bホールに酵素標識抗体B型を150μl滴下しメンブレン上に液がなくなるまで常温に静置した。Aホール、Bホールのアダプターを取り外した。その後、Aホール、Bホールそれぞれに洗浄液を150μl滴下し、メンブレン上に液がなくなるまで常温に静置した。Aホール、Bホールそれぞれに基質液を150μl滴下し、常温に10分間静置した。Aホール、Bホールそれぞれに反応停止液を150μl滴下しメンブレン上に液がなくなるまで常温に静置した。反応停止後、目視で判定した。【0020】判定の結果、着色の有無による抗体及び抗原固定相への影響及び、抗原抗体反応への影響は見られなかった。【0021】【発明の効果】本発明のアッセイ装置の作製方法により、アッセイ装置の製造時において、固定化工程の操作ミスを軽減することができる。また、固定化の確認工程における確認作業の効率を上げることができる。また、本発明のアッセイ装置により、検体の入れ忘れなど検体取り扱い時の操作ミスを軽減することができる。特に迅速簡便な試薬、例えば臨床診断用フロースルー型及びラテラルフロー型免疫測定装置の場合、操作ミスを起こすと、迅速簡便の意味が失われてしまうので、操作ミスを減らすことができることは、非常に有利である。【図面の簡単な説明】【図1】本発明のアッセイ装置の一例の平面図である。【図2】図1のII’切断端面図である。【符号の説明】A:穴B:穴a:アダプターb:担体c:液体吸収部材 リガンド液を着色剤で着色する工程、前記リガンド液を用いて担体にリガンドを固定化する工程、及び前記担体上の着色を確認することにより担体へのリガンドの固定化を確認する工程、を含む、フロースルー型またはラテラルフロー型イムノアッセイ装置の作製方法。 リガンドが抗原又は抗体であることを特徴とする請求項1に記載のアッセイ装置の作製方法。 担体が膜又はフィルターであることを特徴とする請求項1または2に記載のアッセイ装置の作製方法。 前記担体上の着色の確認を目視により行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアッセイ装置の作製方法。 リガンド液中の着色剤の濃度が、0.01〜0.5%(w/v)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアッセイ装置の作製方法。 着色剤が、合成色素、天然色素、pH指示薬からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアッセイ装置の作製方法。 複数のリガンドが固定化されている担体を含み、前記担体の各々のリガンドが固定化されている各部分が、リガンドの種類に応じて互いに異なる色でかつ目視によって識別可能な着色剤により着色されていることを特徴とするフロースルー型またはラテラルフロー型イムノアッセイ装置。 リガンドが抗原又は抗体であることを特徴とする請求項7に記載のアッセイ装置。 担体が膜又はフィルターであることを特徴とする請求項7または8に記載のアッセイ装置。 着色剤が、合成色素、天然色素、pH指示薬からなる群より選択される、請求項7〜9のいずれか一項に記載のアッセイ装置。


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