生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_脂肪族アミンエトキシレート組成物の製造法
出願番号:2002038636
年次:2009
IPC分類:C07C 213/04,C07C 215/08,C07C 217/08,C07C 217/28,C08K 5/17,C08L 101/00,C09K 3/16


特許情報キャッシュ

田中 俊伯 大前 薫 福島 哲朗 JP 4255641 特許公報(B2) 20090206 2002038636 20020215 脂肪族アミンエトキシレート組成物の製造法 花王株式会社 000000918 古谷 聡 100087642 古谷 馨 100063897 溝部 孝彦 100076680 持田 信二 100091845 義経 和昌 100098408 田中 俊伯 大前 薫 福島 哲朗 20090415 C07C 213/04 20060101AFI20090326BHJP C07C 215/08 20060101ALI20090326BHJP C07C 217/08 20060101ALI20090326BHJP C07C 217/28 20060101ALI20090326BHJP C08K 5/17 20060101ALI20090326BHJP C08L 101/00 20060101ALI20090326BHJP C09K 3/16 20060101ALI20090326BHJP JPC07C213/04C07C215/08C07C217/08C07C217/28C08K5/17C08L101/00C09K3/16 103AC09K3/16 106B C07C 213/04 C07C 215/08 C07C 217/08 C07C 217/28 C08K 5/17 C08L 101/00 C09K 3/16 特開平11−228509(JP,A) 改訂新版・プラスチックス配合剤−基礎と応用,日本,(株)大成社,1996年11月30日,p167−180 2 2003238503 20030827 8 20050112 山田 泰之 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族第1級アミンのエチレンオキシド(以下EOという)2モル付加物の含有量が高く、着色や臭気の問題がなく、品質の良好な脂肪族アミンエトキシレート組成物及びその製造法、並びにこの組成物からなる帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物に関する。【0002】【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】脂肪族第1級アミンのEO2モル付加物は、式(I)【0003】【化1】【0004】(式中、Rは炭素数4〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基を示す)で表わされる第3級アミンであり、この第3級アミンは帯電防止剤等の用途に使用される有用な化合物である。【0005】脂肪族第1級アミンのEO2モル付加物を製造する方法としては、通常脂肪族第1級アミンに対して、無触媒下に直接EOを反応させる方法が知られている(科学と工業、1970、44(3)、p120−130)。【0006】この無触媒反応は、1段階で行う方法あるいは2段階で行う方法があるが、いずれの場合でも、まず最初に得られるのは、脂肪族第1級アミンのEO1モル付加物である、式(II)R−NH−CH2CH2OH (II)(式中、Rは前記の意味を示す。)で表わされる2級アミンであり、この2級アミンに対して、さらに1モルのEOが付加すると、主生成物として前記式(I)で表される第3級アミンが得られるが、副生成物として、式(III)で表わされ2級アミンが生成する。【0007】R−NH−CH2CH2O−CH2CH2OH (III)(式中、Rは前記の意味を示す。)このような2級アミン類の含有量が多くなると、臭いの問題が発生することから、これらの含有量を低減することが望まれている。【0008】また、上記以外の副生成物として、式(I)又は(III)で表される脂肪族アミンのEO2モル付加物に、さらにEOが付加した、式(IV)又は(V)で表わされるEO3モル付加物、4モル付加物等のEO多付加物が生成する。【0009】【化2】【0010】(式中、Rは前記の意味を示し、p及びqはそれぞれ1以上の数で、p+qは3以上の数である。rは3以上の数である。)すなわち、無触媒下、脂肪族第1級アミンのEO2モル付加物を製造すると、得られる脂肪族アミンエトキシレートは、目的物である式(I)で表される第3級アミン以外に、2級アミンやEOが3モル以上付加したEO多付加物との混合組成物となり、脂肪族第1級アミンにEOが2モル付加した第3級アミンを高含量で含有する脂肪族アミンエトキシレートの製造法が望まれている。【0011】また、従来の方法では、高温で脂肪族第1級アミンに対して2モルのEOを仕込み、付加反応して脂肪族アミンエトキシレートを製造しているが、この方法では得られた生成物に着色が生じやすいという問題があり、品質の良好な製品を安定に製造する方法が望まれている。【0012】本発明の課題は、目的物である脂肪族第1級アミンのEO2モル付加物を高い含有量で含有し、着色や臭気の問題がなく、品質の良好な脂肪族アミンエトキシレート組成物、及びその工業的に安定な製造法、並びにこの組成物からなる帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物を提供することにある。【0013】【課題を解決するための手段】本発明者らは、脂肪族第1級アミンに対する理論EO付加モル数よりわずかに少ないEOを用いて、一定の温度範囲内で付加反応させることにより、意外にも、EO2モル付加物の含有量を下げることなく、かつ着色や臭気等による品質悪化のない工業的に安定な脂肪族アミンエトキシレートが得られることを見出した。【0014】本発明は、脂肪族第1級アミンのEO2モル付加物を主成分とする脂肪族アミンエトキシレート組成物を製造するに際し、140〜180℃の温度で、脂肪族第1級アミン1モルに対して、1.85〜1.99モルのEOを付加反応させる、脂肪族アミンエトキシレート組成物の製造法、並びに脂肪族第1級アミンのEO2モル付加物を85〜100重量%含有し、脂肪族第1級アミンの含有量が2重量%以下、脂肪族第1級アミンのEO1モル付加物の含有量が6重量%以下、脂肪族第1級アミンのEO3モル以上付加物の含有量が4重量%以下であり、2級アミン価が10mgKOH/g以下である脂肪族アミンエトキシレート組成物を提供する。【0015】また本発明は、この脂肪族アミンエトキシレート組成物からなる帯電防止剤、この帯電防止剤を熱可塑性樹脂に配合してなる帯電防止性樹脂組成物を提供する。【0016】【発明の実施の形態】本発明に用いられる脂肪族第1級アミンとしては、炭素数4〜22のアルキル基またはアルケニル基を有する第1級アミンが好ましい。具体的には、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ヤシ油アルキルアミン、牛脂アルキルアミン、水添牛脂アルキルアミン等が挙げられる。【0017】脂肪族第1級アミンとEOを反応させる方法は、脂肪族第1級アミンをオートクレーブに仕込み、釜内を窒素で置換した後,攪拌しながら所定温度に昇温して、EOを徐々に仕込みながら常圧または加圧下(たとえば0〜0.6MPa)で反応させる。【0018】反応温度は、目的物であるEO2モル付加物の含有量を高め、また着色や臭気等による品質への悪影響を防止する観点から、140〜180℃であり、好ましくは150〜160℃である。また、反応中の温度変化は少ない方が好ましく、±5℃の範囲内の温度変化が好ましい。反応時間は通常1〜8時間が好ましい。【0019】EOの仕込み量は、目的物であるEO2モル付加物の含有量を高め、副生成物であるEO3モル付加物、4モル付加物等の多付加物の生成を抑え、また着色や臭気等による品質への悪影響を防止して、品質の良好な目的物を安定に製造する観点から、脂肪族第1級アミン1モルに対して、1.85〜1.99モルであり、好ましくは1.85〜1.95モルである。【0020】得られた生成物は通常、そのまま帯電防止剤等の製品とすることができるが、ろ過を行っても良い。【0021】本発明の脂肪族アミンエトキシレート組成物は、着色や臭気等がない良好な品質を付与し、また粉末化した際にケーキングを起こしにくくするために、脂肪族第1級アミンのEO2モル付加物の含有量は85〜100重量%、好ましくは88〜100重量%である。また、脂肪族第1級アミンの含有量は2重量%以下、好ましくは1重量%以下、脂肪族第1級アミンのEO1モル付加物の含有量は6重量%以下、好ましくは4重量%以下、脂肪族第1級アミンのEO3モル以上付加物の含有量は4重量%以下、好ましくは2重量%以下である。【0022】また、本発明の脂肪族アミンエトキシレート組成物は、臭気等を防止する観点から、2級アミン価が10mgKOH/g以下、好ましくは9mgKOH/g以下である。【0023】本発明の脂肪族アミンエトキシレート組成物は帯電防止性に優れ、各種熱可塑性樹脂の帯電防止剤として有用である。【0024】本発明の脂肪族アミンエトキシレート組成物からなる帯電防止剤は、各種の熱可塑性樹脂に配合して、その帯電性を防止した帯電防止性樹脂組成物を得ることができる。本発明に用いられる樹脂は、各種の熱可塑性樹脂であり、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィンの単独重合体又は共重合体、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられ、ポリエチレン、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。【0025】本発明の樹脂組成物中の帯電防止剤の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜1重量部が特に好ましい。【0026】本発明の樹脂組成物中には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の添加剤を配合することができる。具体的にはエチレン−プロピレン系ゴム、エチレン−ブテン系ゴム等のオレフィン系ゴム;タルク等の無機フィラー;有機系、無機系の顔料;フェノール系、リン系等の酸化防止剤;アミン系、トリアゾール系等の光安定剤;有機系、無機系の造核剤;滑剤;金属不活性化剤;分子量調整剤;抗菌剤;ブロッキング防止剤等が挙げられる。【0027】本発明の樹脂組成物を成形体とする場合は、通常の方法によって製造することができる。例えば粉末の熱可塑性樹脂に、帯電防止剤と必要により添加される他の機能付与剤等とをヘンシェルミキサー等で混合後、一軸又は二軸押出機にてペレット化する。このようにして得られたペレットを射出成形や、シート成形を行い、目的の成形物を得ることができる。また、帯電防止剤の樹脂への添加方法に制限はなく、あらかじめ作成したマスターバッチにより添加しても同様の優れた効果を得ることができる。【0028】【実施例】実施例1内容積3.5Lのオートクレーブに、ステアリルアミン(ファーミン80、花王(株)製、平均分子量266.3)800g(3.0モル)を仕込み、窒素置換後、155℃まで昇温した。その後、同温度でEO251g(5.7モル、原料アミンに対して1.9モル倍)を圧力0.3〜0.5MPaに保ちながら導入し、反応を行った。EOの導入終了後、同温度で0.5〜2時間熟成した後、80℃に冷却し、67kPaで減圧処理することで未反応のEOを除去し、ステアリルアミンのEO付加物を得た。【0029】実施例2反応温度を165℃とした以外は実施例1と同様にEO付加反応を行い、ステアリルアミンのEO付加物を得た。【0030】比較例1反応温度を135℃とした以外は実施例1と同様にEO付加反応を行い、ステアリルアミンのEO付加物を得た。【0031】比較例2反応温度を165℃とし、EOの仕込量を238g(5.4モル、原料アミンに対して1.8モル倍)とした以外は実施例1と同様にEO付加反応を行い、ステアリルアミンのEO付加物を得た。【0032】比較例3反応温度を165℃とし、EOの仕込量を264g(6.0モル、原料アミンに対して2.0モル倍)とした以外は実施例1と同様にEO付加反応を行い、ステアリルアミンのEO付加物を得た。【0033】実施例1〜2及び比較例1〜3で得られた生成物の色相をAPHA比色管で測定した。また、生成物の組成を、下記に示すガスクロマトグラフィ分析の面積%で求めた。また、生成物中の2級アミン価(mgKOH/g)を下記に示す式により算出した。これらの結果をまとめて表1に示す。【0034】<ガスクロマトグラフィー分析>試料0.02gをトリメチルシリル化剤1.0mLで処理した後、以下のガスクロマトグラフィー測定条件で測定した。尚、このガスクロマトグラフィー分析では条件により多少異なるが、未反応の脂肪族第1級アミンに続き、EO1モル付加物、EO2モル付加物及びEO3モル付加物のピークが検出される。そして、それらのピークの間に帰属することのできないアルキル基のEO付加物や副生物等のその他成分が検出される。機器:HP6890(ヒューレットパッカード社製)カラム:J&W DB5(60m)注入口温度:300℃、検出器(FID)温度:300℃オーブン:初期温度60℃、初期時間2分、昇温速度8℃/分、最終温度300℃。【0035】<2級アミン価>[2級アミン価(mgKOH/g)]=[部分アミン価(mgKOH/g)]−[3級アミン価(mgKOH/g)]ここで、部分アミン価とは試料1g中の2級、3級アミンの総量を中和するのに要する塩酸の量を水酸化カリウムのmgに換算した値であり、アミン類をアルコール溶剤中でサリチルアルデヒドと反応させ、1級アミンをシッフ塩基とし、残りの2級、3級アミンを塩酸により滴定して求める。また、3級アミン価とは、試料1g中の3級アミンを中和するのに要する過塩素酸の量を水酸化カリウムのmgに換算した値であり、試料中の1級,2級アミンを無水酢酸でアセチル化し、残りの3級アミンを酢酸溶媒中で過塩素酸滴定して求める。【0036】【表1】【0037】実施例3及び比較例4本発明の帯電防止剤として実施例1で得られたステアリルアミンのEO付加物、比較の帯電防止剤としてエレストES(花王(株)製)を用い、帯電防止剤と高級アルコール(花王(株)製カルコール8688)とを、1:1(重量比)で混合したものを、ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム(株)製、BL03B)に、0.4phr又は0.6phrの割合で練り混み、ロール成形を行った。得られたシートをフレーム処理(炎で表面を酸化)し、25℃、50%RHの恒温恒湿室内に保管し、1日後、3日後及び7日後に、横河ヒューレットパッカード社製、型番4329Aの高絶縁抵抗計により表面固有抵抗値(logΩ)を測定した(表面固有抵抗値が小さいほど帯電防止性能が良好であることを示す)。結果を表2に示す。【0038】【表2】【0039】表2から明らかなように、本発明の脂肪族アミンエトキシレート組成物は、従来品と同等以上の帯電防止性能を発現した。【0040】【発明の効果】本発明の製造法は、目的物であるEO2モル付加物を高い含有量で製造することが可能であり、また、着色や臭気の問題がなく、品質の良好な脂肪族アミンエトキシレート組成物を工業的に安定に製造することができる。更に、本発明の脂肪族アミンエトキシレート組成物を帯電防止剤として用いると、帯電防止性能を損なうことなく、ケーキング等の問題も抑制することができる。 脂肪族第1級アミンのエチレンオキシド(以下EOという)2モル付加物を主成分とする脂肪族アミンエトキシレート組成物を製造するに際し、140〜180℃の温度で、脂肪族第1級アミン1モルに対して、1.85〜1.99モルのEOを付加反応させる、脂肪族アミンエトキシレート組成物の製造法。 140〜180℃の温度で、脂肪族第1級アミン1モルに対して、1.85〜1.99モルのEOを付加反応させて得られた脂肪族アミンエトキシレート組成物であって、脂肪族第1級アミンのEO2モル付加物を85〜100重量%含有し、脂肪族第1級アミンの含有量が2重量%以下、脂肪族第1級アミンのEO1モル付加物の含有量が6重量%以下、脂肪族第1級アミンのEO3モル以上付加物の含有量が4重量%以下であり、2級アミン価が10mgKOH/g以下である脂肪族アミンエトキシレート組成物。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る