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タイトル:特許公報(B2)_新規スカベンジャーレセプター
出願番号:2001558245
年次:2011
IPC分類:C12N 15/09,C07K 14/705,C12N 1/15,C12N 1/19,C12N 1/21,C12N 5/10,C12P 21/02,A01K 67/027,C07K 16/28,C12P 21/08,G01N 33/53,G01N 33/15,A61K 45/00,A61P 3/00,A61P 3/06,A61P 3/10,A61P 9/10,A61P 25/28,A61P 31/04


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若宮 伸隆 JP 4685315 特許公報(B2) 20110218 2001558245 20010208 新規スカベンジャーレセプター 扶桑薬品工業株式会社 000238201 角田 嘉宏 100065868 若宮 伸隆 JP 2000035155 20000214 JP 2000309068 20001010 20110518 C12N 15/09 20060101AFI20110421BHJP C07K 14/705 20060101ALI20110421BHJP C12N 1/15 20060101ALI20110421BHJP C12N 1/19 20060101ALI20110421BHJP C12N 1/21 20060101ALI20110421BHJP C12N 5/10 20060101ALI20110421BHJP C12P 21/02 20060101ALI20110421BHJP A01K 67/027 20060101ALI20110421BHJP C07K 16/28 20060101ALI20110421BHJP C12P 21/08 20060101ALI20110421BHJP G01N 33/53 20060101ALI20110421BHJP G01N 33/15 20060101ALI20110421BHJP A61K 45/00 20060101ALI20110421BHJP A61P 3/00 20060101ALI20110421BHJP A61P 3/06 20060101ALI20110421BHJP A61P 3/10 20060101ALI20110421BHJP A61P 9/10 20060101ALI20110421BHJP A61P 25/28 20060101ALI20110421BHJP A61P 31/04 20060101ALI20110421BHJP JPC12N15/00 AC07K14/705C12N1/15C12N1/19C12N1/21C12N5/00 101C12P21/02 CA01K67/027C07K16/28C12P21/08G01N33/53 DG01N33/15 ZA61K45/00A61P3/00A61P3/06A61P3/10A61P9/10A61P9/10 101A61P25/28A61P31/04 C12N 15/09 - 15/90 C07K 14/47 - 14/825 BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq UniProt/GeneSeq 国際公開第98/055614(WO,A1) 国際公開第00/011161(WO,A1) Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1990年,Vol.87,p.9133-9137 25 JP2001000874 20010208 WO2001059107 20010816 71 20080108 飯室 里美 〔技術分野〕本発明は単離されたヒトおよびマウスの新規スカベンジャーレセプター(本明細書において各々「hSRCL−P1」および「mSRCL−P1」と称し、両者を区別しない場合は単に「SRCL−P1」と称する。)遺伝子およびタンパク質、それらの相同体、変異体、修飾体および多形性変種(これらを総じて「誘導体」と称する)、それらの断片(以下、それら全てを「SRCL−P1s」と称する)ならびにそれらの検出に関する。また、SRCL−P1sを含む医薬用、診断用、研究用組成物、それらの製造方法および使用に関する。更には、SRCL−P1sタンパク質のアゴニストおよびアンタゴニスト、SRCL−P1sを用いた薬物のスクリーニング方法に関する。更には、SRCL−P1s遺伝子を含む発現ベクター、該発現ベクターによって形質転換された形質転換細胞、SRCL−P1タンパク質に対する抗体および該抗体を産生する細胞に関する。〔背景技術〕アテローム性動脈硬化症の初期病変における病理学的な特徴は、泡沫細胞が動脈壁において増加する現象である。マクロファージの細胞膜上に存在するスカベンジャー受容体(以下、SRと称する)(Krieger,M.et al.;Annu.Rev.Biochem.,63,601−637,1994)は、LDL受容体とは異なりコレステロールによる負のフィードバック調節を欠き、変性されたLDL(コレステロールとリポ蛋白質との複合体である低比重リポ蛋白質)を積極的に細胞内へ取り込むことにより自身は泡沫細胞へと変化し血管内皮細胞下に蓄積する。ゆえに、マクロファージおよびそのSRはアテローム性動脈硬化の病態形成に重要な役割を果たすと考えられている(Brown,M.S.et al;Nature,343,508−509,1990、Kurihara,Y.A.et al.;Current Opinion in Lipidology,2,295−300,1991、Krieger,M.;TIBS,17,141−146,1992、Krieger,M.et al.;J.Biol.Chem.,268(7),4569−4572,1993)。糖尿病により生ずる生体内での持続的な高血糖は、種々の蛋白の非酵素的糖化を引き起こし、シッフ塩基・アマドリ化合物を経て糖化過程における最終産物であるメイラード反応後期生成物(AGE:advanced glycation end products)を産生させる。細胞障害作用を有するAGEはAGE受容体を介してマクロファージ、血管内皮細胞、肝細胞、腎メサンギウム細胞等に結合し生体に悪影響を与える。例えば、AGEがマクロファージに結合すると、TNF(Tumor Necrosis Factor)、IL−1(Interleukine−1)および血小板由来増殖因子(PDGF)等のサイトカインの分泌を促進し、糖尿病性合併症に特徴的な細胞障害を惹起させることが知られている。SRがAGEの取り込み・分解に関与する受容体の一つであること(Araki,N.et al.;Eur.J.Biochem.,230,408−415,1995、Suzuki,H.et al.;Circulation,92,1−428,1995)、SRダブルノックアウトマウスではAGEの分解活性が1/3に低下していることから、SRは糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害等の糖尿病性合併症にも深く関与していると考えられている。また、ラットにAGEアルブミンを過剰に投与すると腎にAGEが沈着し、糸球体硬化症を惹起することから(Vlassara,H.et al.;Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91,11704−11708,1994)、AGEを認識するSRが糸球体硬化症に深く関与すると予想される。さらに、SRはアルツハイマー病にも関与していると考えられている。アルツハイマー病の病理学的特徴はβアミロイドが沈着した老人斑である。βアミロイドは小膠細胞上に発現しているSRを介して小膠細胞を活性化し活性酸素を発生させ、神経毒性を発現することが報告されている(Nature,382,716−719,1996)。SRのリガンドとしては、SR分子種の違いにより特異性に差異が存在するものの、陰性電荷を有するリガンド、例えばアセチル化LDL(AcLDL)、酸化LDL(OxLDL)などの変性LDL、マレイル化BSA等の変性蛋白質、ポリイノシン酸等の四重らせん核酸、デキストラン硫酸およびフコイダン等の多糖類、フォスファチジルセリンおよびフォスファチジルイノシトール等の酸性リン脂質、エンドトキシン(LPS)、AGE、老化細胞およびアポトーシス細胞等が挙げられる。またSRは生体内で種々の変性物、ウィルス等の異物等を広く認識することから異物および老廃物の除去等に重要な役割を担っていると考えられている(Hampton,R.Y.et al.;Nature,352,342−344,1991、Tokuda,H.et al.;Biochem.Biophys.Res.Commun.,196(1),8−24,1993、Pearson,A.M.et al.;J.Biol.Chem.,268,3546−3554,1993、Dunne,D.W.et al.;Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91,1863−1867,1994、Freeman,M.W.;Current Opinion in Lipidology,5,143−148,1994)。SRは、マクロファージの他に肝類洞内皮細胞(Eskild,W.et al.;Elsevier Biomedical N.Y.,255−262,1982)、血管内皮細胞(Baker,D.P.et al.;Arteriosclerosis,4,248−255,1984、Bickel,P.E.et al.;J.Clin.Invest.,90,1450−1457,1992)、血管平滑筋細胞(Pitas,R.E.et al.;J.Biol.Chem.,265,12722−12727,1990、Bickel,P.E.et al.;J.Clin.Invest.,90,1450−1457,1992)、繊維芽細胞(Pitas,R.E.et al.;J.Biol.Chem.,265,12722−12727,1990)等に発現している。また、SRはSRA、SRB、SRC(Peason,A.et al.;Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92,4056−4060,1995)、FcγRIIB2(Stanton,L.W.et al.;J.Biol.Chem.,270,22446−22451,1992)およびmacrosialin(CD68)(Ramprasad,M.P.et al.;Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92,9580−9584,1995)、ヒト血管内皮OxLDL受容体(LOX−1:lectin−like oxidized LDL receptor)(Sawamura,T.et al.;Nature,386,73,1997)に分類され、さらにSRAはSR−AIおよびSR−AII(Kodama,T.et al.;Nature,343,531−535,1990)ならびにMARCO(a novel macrophage receptor with collagenous structure)(Elomaa,O.et al.;Cell,80,603−609,1995)、SRBはCD36(Endemann,G.et al.;J.Biol.Chem.,268,11811−11816,1993)およびSR−BI(Acton,S.L.et al.;J.Biol.Chem.,269,21003−21009,1994)に分類される。SR−AIおよびSR−AIIはホモトリマーであり、N末端側を細胞内に有するinside−out型の膜貫通蛋白質である。該蛋白質の細胞外には、コラーゲン様ドメイン、α−helical coiled coilドメインおよびシステインリッチドメイン等の構造上数個のドメインが認められる(Rohrer,L.et al.;Nature,343,570,1990、Matsumoto,A.et al.;Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,9133,1990)。コラーゲン様ドメインはコラーゲンに特有な(Gly−Xaa−Yaa)n構造(XaaおよびYaaはいかなるアミノ酸残基であってもよい)を有しており、該ドメインはリガンド結合部位として機能している。α−helical coiled coilドメインは7アミノ酸ごとに2回転する右巻のヘプテッドリピート、すなわちα−helical coiled coil構造をとり、3本のポリペプチドは7アミノ酸ごとに存在するロイシンやイソロイシン等の疎水性アミノ酸を内側に向け、極性アミノ酸や糖鎖結合部位を外側にして(ロイシンジッパー)ホモトリマーを形成している。該ドメインが有する役割として、ホモトリマー構造の維持、また、変性LDL等のリガンドと結合し細胞内に入れ、エンドソーム内のpHの低下に依存して受容体の3次構造を変化させ、リガンドを解離させる役割を有する。該タンパク質の細胞質内ドメインはLDL受容体やインスリン受容体に見られるNPXY配列およびトランスフェリン受容体に見られるYXRF配列と同様のエンドサイトーシスシグナルに見られる特徴的なタイトターン構造を有し、これらの配列を欠損させるとエンドサイトーシスが抑制されることが示されている。 SR−A1およびSR−A2は、システインリッチドメインをコードするmRNAのオルターナティブスプライシングにより生じ、SR−AIは該ドメインが110個のアミノ酸から成り、SR−AIIは17個のアミノ酸から成る。SR−AIおよびSR−AIIは、少なくとも末梢単球由来マクロファージ、肺胞マクロファージおよび肝Kupffer細胞に発現しており、生体防御・動脈硬化・Caイオン非依存性の細胞接着等に関わることが明らかとなっている(Krieger,M.et al.;Annu.Rev.Biochem.,63,601−637,1994、Wada,Y et al.;Ann.N.Y.Acad.Sci.,748,226−239,1995、Fraser,I.P.et al.;Nature,364,343,1993)。さらに、OxLDLは動脈硬化巣のマクロファージ細胞内に存在し、該マクロファージの細胞膜上にはSR−AIおよびSR−AIIが強く発現すること、SR−AIのトランスジェニックマウスにおいては脂質負荷による血中リポ蛋白質の上昇が抑えられること、OxLDLの取り込みにはSR−AIおよびSR−AIIの役割が重要であると考えられる。一方、SRAに分類されるMACROはSR−AIと類似の構造を有しているが、α−helical coiled coilドメインは存在せず、長いコラーゲン様ドメインを有することを特徴とする。MACROは脾臓マクロファージやリンパ節マクロファージ等において発現しており、そのリガンドの特異性から細菌感染に対する生体防御機構として機能していると考えられる。鈴木らは、SR−AIおよびSR−AIIの共通部分である第4エクソンをネオマイシン耐性遺伝子に置換し、SRAノックアウトマウスの作製に成功している(Suzuki,H.et al.;Nature,386,292−296,1997)。SRAノックアウトマウスは野生型と比較して免疫障害が認められ、リステリアおよび単純ヘルペスウィルスの感染率が高い。また、アポトーシスを起こしたT細胞の貧食にはSRAが関与し、SRAノックアウトマウスにおいては野生型と比較してその貧食能が低下することが示されている(Platt,N.et al.;Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93,12456,1996)。さらに、SRAノックアウトマウスと動脈硬化の動物モデルであるアポE欠損マウス(Plump,A.S.et al.;Cell,71,343,1992、Zhag,S.H.et al.;J.Clin.Invest.,94,937,1994)とを交配することにより得られるダブルノックアウトマウスでは、動脈硬化巣の面積がアポE欠損マウスのそれよりも有意に小さいことが示されている(Suzuki,H.et al.;Nature,386,292−296、1997)。この様に、SRはマクロファージの機能の解明、動脈硬化、糖尿病性合併症およびAD、高βリポ蛋白血症、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症、低αリポ蛋白血症、移植、アテレクトミーおよび血管形成後再狭窄等を始めとする各種疾患等の発症機構の解明、さらにその診断、予防および治療法、ならびにそれらのための試薬や医薬の開発に利用できるものであり、このファミリーに属する新規分子種の発見は、上記課題を解決する手段となり得る。一方、生体防御に重要な役割を担っている補体系は免疫グロブリンを認識分子とし、補体第一成分であるC1が活性化される古典的経路および細菌等の異物に補体第三成分であるC3が直接結合する第二経路が知られている。近年これらの補体活性化経路に加えて、血清レクチンであるマンノース結合蛋白質(以下、MBPと称する)が異物表面の糖鎖を直接認識し結合することにより補体系を活性化させるレクチン経路が明らかにされた(Sato,T.et al.;Int.Immunol.,6,665−669,1994)。MBPはCaイオン存在下、マンノースやN−アセチルグルコサミン等に特異的に結合するC型レクチンであり、その構造は少なくとも(Gly−Xaa−Yaa)nから成るコラーゲン様領域、糖鎖認識領域(CRD)を含んでいる。MBPと同様にコラーゲン様領域およびCRDを有するレクチンはコレクチンと総称され(Malhotora,R.et al.;Eur.J.Immunol.,22,1437−1445,1992)、MBP以外にコレクチン−43(CL−43)、サーファクタント蛋白質A(SP−A)、サーファクタント蛋白質D(SP−D)およびウシコングルチニン(BKg)等を挙げることができる。コレクチンはオプソニン活性を有し、細菌、ウィルスを始めとする様々な微生物に対する基礎免疫に関与していると考えられている(Kawasaki,N.et al.;J.Biochem.,106,483−489,1989、Ikeda,K.et al.;J.Biol.Chem.,262,7451−7454,1987、Ohta,M.et al.;J.Biol.Chem.,265,1980−1984,1990、Summerfield,J.A.et al.;Lancet,345,886,1995)。これらのコレクチンは、図1(a)に示すような、(1)CRDおよび(2)コラーゲン様領域等の特徴的な領域を含む基本構造から構成されていることが知られており(Malhortra et al.;Eur.J.Immunol.,22,1437−1445,1992)、この基本構造がコラーゲン様領域においてトリプルヘリックスを構成することによりサブユニットを形成し、さらにこのサブユニットが3量体、4量体、6量体等のオリゴマー構造を形成している。最近、コレクチンによる非特異的な免疫応答への関与が示唆され、例えば、母親の移行抗体や特異的防御システムが十分に発達していない小児に対し、種々の微生物の中和作用や排除に重要な役割を果たしているとの報告がなされている(Super et al.;Lancet,2,1236−1239,1989)。さらに、宿主の生体防御におけるこれらのコレクチンの役割について、例えば、MBPの遺伝子上の変異に起因したMBPの血中濃度の低下によって、宿主が感染を受けやすくなるという研究結果が報告されている(Sumiya et al.;Lancet,337,1569−1570,1991)。また、オプソニン化不全の血清中MBP含量は低値を示し(Madsen,H.O.et al.;Immuno genetics,40,37−44,1994)細菌感染を起こしやすいという報告があり(Garred,P.et al.;Lancet,346,941−943,1995)、MBPは免疫機構において重要な役割を担っていると考えることができる。本発明者らは、以前にBKgおよびMBPがH1およびH3タイプのインフルエンザA型ウィルスの感染や赤血球凝集活性を阻害することを見出した(Wakamiya et al.;Glycoconjugate J.,8,235,1991、Wakamiya et al.;Biochem.Biophys.Res.Comm.,187,1270−1278,1992)。その後さらに、BKgをコードするcDNAクローンを取得し、BKgとSP−D等との関連性も見出されている(Suzuki et al.;Biochem.Biophys.Res.Comm.,191,335−342,1993)。このように、コレクチンは、生体防御機構の解明における有用性および生理活性物質としての有用性等が期待される物質であり、このファミリーに属する新規分子種の発見は、感染症の治療の他、種々の医療分野そして生物学の分野にも寄与するところ大である。〔発明の開示〕本発明は、マクロファージおよび基礎免疫の機能の解明、動脈硬化、糖尿病性合併症およびアルツハイマー病、高βリポ蛋白血症、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症、低αリポ蛋白血症、移植、アテレクトミーおよび血管形成後再狭窄、細菌感染症等を始めとする各種疾患等の発症機構の解明、さらにその診断、予防および治療法、ならびにそれらのための試薬や医薬の開発に利用できる新規スカベンジャーレセプターを提供することを目的とする。すなわち、本発明は、(1)配列番号2のアミノ酸番号1〜742に示すアミノ酸742個から成るアミノ酸配列を有するタンパク質、または配列番号2に示すアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ配列番号2のアミノ酸番号1〜742に示すアミノ酸配列を有するタンパク質と同等の性質を有するタンパク質、または、これらの誘導体もしくは断片、(2)配列番号1の塩基番号74〜2299に示す塩基配列、配列番号2のアミノ酸番号1〜742に示すアミノ酸配列またはその断片をコードする塩基配列、または、これら塩基配列もしくはこれら塩基配列と相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号2のアミノ酸番号1〜742に示すアミノ酸配列を有するタンパク質と同等の性質を有するタンパク質をコードする塩基配列を含む単離されたポリヌクレオチド、(3)配列番号24のアミノ酸番号1〜618に示すアミノ酸から成るアミノ酸配列を有するタンパク質、または配列番号24に示すアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ配列番号24のアミノ酸番号1〜618に示すアミノ酸配列を有するタンパク質と同等の性質を有するタンパク質、または、これらの誘導体もしくは断片、(4)配列番号23の塩基番号74〜1933に示す塩基配列、配列番号24のアミノ酸番号1〜618に示すアミノ酸配列またはその断片をコードする塩基配列、または、これら塩基配列もしくはこれら塩基配列と相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号24のアミノ酸番号1〜618に示すアミノ酸配列を有するタンパク質と同等の性質を有するタンパク質をコードする塩基配列を含む単離されたポリヌクレオチド、(5)配列番号4のアミノ酸番号1〜742に示すアミノ酸742個から成るアミノ酸配列を有するタンパク質、または配列番号2に示すアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ配列番号2のアミノ酸番号1〜742に示すアミノ酸配列を有するタンパク質と同等の性質を有するタンパク質、または、これらの誘導体もしくは断片、(6)配列番号3の塩基番号74〜2299に示す塩基配列、配列配列番号2のアミノ酸番号1〜742に示すアミノ酸配列またはその断片をコードする塩基配列、または、これら塩基配列もしくはこれら塩基配列と相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号2のアミノ酸番号1〜742に示すアミノ酸配列を有するタンパク質と同等の性質を有するタンパク質をコードする塩基配列を含む単離されたポリヌクレオチド、(7)(2)、(4)または(6)に記載のポリヌクレオチドを含むことを特徴とするベクター、(8)(2)、(4)または(6)に記載のポリヌクレオチドを発現可能に保持する形質転換細胞、(9)(2)または(4)記載のポリヌクレオチドで形質転換した細胞を培養し、産生されたhSRCL−P1タンパク質を採取する工程を含むことを特徴とするタンパク質の製造法、(10)(6)に記載の塩基配列で形質転換した細胞を培養し、産生されたmSRCL−P1タンパク質を採取する工程を含むことを特徴とするタンパク質の製造法、(11)細胞が大腸菌、動物細胞または昆虫細胞である、(9)または(10)に記載の製造法、(12)SRCL−P1遺伝子の発現レベルを変化させたトランスジェニック非ヒト動物、(13)SRCL−P1遺伝子がSRCL−P1をコードするcDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAである(12)記載のトランスジェニック非ヒト動物。(14)遺伝子発現調節部位に変異を起こさせることにより発現レベルを変化させた(13)記載のトランスジェニック非ヒト動物、(15)mSRCL−P1遺伝子の機能を欠損させたノックアウトマウス、(16)(1)、(3)または(5)に記載のタンパク質またはその断片に対する抗体、(17)ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体またはペプチド抗体である(16)に記載の抗体、(18)ヒト以外の温血動物に(1)、(3)または(5)に記載のタンパク質またはその断片を投与し、抗体価の認められる該動物を選択し、脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することを含む、(1)、(3)または(5)に記載のタンパク質またはその断片に対するモノクローナル抗体の製造方法、(19)(16)または(17)に記載の抗体とSRCL−P1タンパク質またはその断片との免疫学的な結合に基づいて、該タンパク質またはその断片を定量する方法、(20)(16)または(17)に記載の抗体とSRCL−P1タンパク質またはその断片との免疫学的な結合に基づいて、該タンパク質またはその断片を検出する方法、(21)(1)、(3)または(5)に記載のタンパク質の活性を刺激するアゴニスト、(22)(1)、(3)または(5)に記載のタンパク質の活性または活性化を阻害するアンタゴニスト、(23)(1)、(3)または(5)に記載のタンパク質を用いることを特徴とする薬物のスクリーニング方法、(24)(23)に記載のスクリーニング方法によって得られた薬物、(25)酸化LDL蓄積に関わる病態を処置するための薬物のスクリーニング方法であって、(1)、(3)または(5)に記載のタンパク質と酸化LDLとの結合量を、候補薬物の存在下および非存在下で比較することにより評価される、当該のタンパク質と酸化LDLとの結合に対する候補薬物の阻害能によって、酸化LDL蓄積に関わる病態を処置するための薬物を同定する工程を含むことを特徴とする薬物のスクリーニング方法、(26)(25)に記載のスクリーニング方法によって得られた薬物、(27)酸化LDL蓄積に関わる病態を処置する方法であって、(26)に記載の薬物を用いて、SRCL−P1タンパク質またはその断片と酸化LDLとの結合を阻害する工程を含むことを特徴とする方法、(28)酸化LDL蓄積に関わる病態を処置するための医薬組成物であって、(26)に記載の薬物を含む医薬組成物、(29)細胞へのAGEの結合に関わる病態を処置するための薬物のスクリーニング方法であって、(1)、(3)または(5)に記載のタンパク質とAGEとの結合量を、候補薬物の存在下および非存在下で比較することにより評価される、当該タンパク質とAGEとの結合に対する候補薬物の阻害能によって、細胞へのAGEの結合に関わる病態を処置するための薬物を同定する工程を含むことを特徴とする薬物のスクリーニング方法、(30)(29)に記載のスクリーニング方法によって得られた薬物、(31)細胞へのAGEの結合に関わる病態を処置する方法であって、(30)に記載の薬物を用いて、SRCL−P1タンパク質またはその断片とAGEとの結合を阻害する工程を含むことを特徴とする方法、ならびに(32)AGEの細胞への結合に関わる病態を処置するための医薬組成物であって、(30)に記載の薬物を含む医薬組成物を提供する。〔発明を実施するための最良の形態〕本願発明者は、ヒトおよびマウスの新規SRのクローニングに成功した。新規SR(SRCL−P1)のC末端側には、基礎免疫に関与すると考えられるCRD含有のコレクチンドメインが存在し、さらにその全体構造はSRA、特にSR−AIに類似していた。具体的にはN末端側より、ロイシン単位が4回繰り返されるロイシンジッパー構造を含む膜貫通ドメイン、α−helical coiled coilドメイン、コラーゲン様ドメイン、ネックドメイン、CRDドメインから少なくとも構成されるものであった。前記特徴を有する3分子が、coiled coilドメインでαヘリックスを形成し、コラーゲン様ドメインにてトリプルヘリックスを形成することによりホモトリマーを形成していると考えられる。また、コラーゲン様ドメインは生理的pHの条件下では正の電荷を帯びていると推測される。さらにSRCL−P1タンパク質は多くの糖鎖結合部位を有していた。本明細書において使用するhSRCL−P1遺伝子およびmSRCL−P1遺伝子とは、特記しない限り、配列番号1または3に示す核酸配列を含むポリヌクレオチド、それらの誘導体(相同体、変異体、修飾体および多形性変種)、ならびにそれらの断片を含むものとする。また、本明細書において使用するhSRCL−P1タンパク質およびmSRCL−P1タンパク質とは、特記しない限り、配列番号2または4に示すアミノ酸配列(ポリペプチド)、それらの誘導体、それらの断片を含むものとする。これらは天然または人工的作製を問わない。本発明には前記記載の全てが包含される。hSRCL−P1の例として、配列番号24に示すアミノ酸を有するタンパク質(配列番号1に示すタンパク質において、コラーゲン領域の一部とネック領域すなわち、第483〜606番目のアミノ酸残基が欠失した変異体)を挙げることができ、配列番号1に示すポリヌクレオチドの変異体の例として、配列番号24のタンパク質をコードする、配列番号23に示すポリヌクレオチドを挙げることができる。また、本発明には、実質的に配列番号2または4に示すアミノ酸配列に類似するアミノ酸配列および実質的に配列番号2または4に示すアミノ酸配列に類似するアミノ酸配列をコードする塩基配列も含まれる。さらにこれらのアミノ酸配列を有するタンパク質も含まれる。配列番号2または4に示すアミノ酸配列に実質的に類似するアミノ酸配列とは、配列番号2または4に示すアミノ酸配列を含むタンパク質と同等の性質すなわち、SRに特徴的な、ロイシンジッパー構造を含む膜貫通ドメイン、α−helical coiled coilドメイン、コラーゲン様ドメインを有することによる活性、機能および3次構造等を有する範囲内で、1もしくは数個のアミノ酸の置換、欠失、付加および/または挿入等の改変を有するアミノ酸配列をいう。これらは天然または人工的作製を問わない。さらに、本発明には、配列番号1または3のいずれかに記載の核酸配列またはその断片を含む核酸配列、またはこれらに相補的な核酸配列(以下、特定配列と称する)とストリンジェントな条件下ハイブリダイズすることができる核酸配列も含まれる。本発明におけるストリンジェントな条件とは、例えば、5×SSC、5%デンハート溶液(0.1%BSA、0.1%Ficoll400、0.1%PVP)、0.5%SDSおよび20μg/ml変性サケ精子DNAを含有する溶液中で、37℃にて一夜インキュベートし、ついで室温にて0.1%SDS含有2×SSCで洗浄する条件である。SSCの代わりに適宜SSPEを使用してもよい。この様にして得られた核酸配列は、少なくとも特定配列と50%以上のホモロジーを有すると考えられる。特定配列とストリンジェントな条件下ハイブリダイズすることができる核酸配列によってコードされるタンパク質は、SRCL−P1タンパク質と同等の性質を持つものが多いと考えられ、SRCL−P1タンパク質と同等の性質を有する限り、該タンパク質も本発明に含まれる。特に、配列番号2に示すhSRCL−P1(アミノ酸番号1〜742)のアミノ酸配列はアミノ酸742個から成るタンパク質であり、それをコードする塩基配列は塩基数2226個から成る。該配列にはロイシンジッパードメイン、α−helical coiled coilドメイン、コラーゲン様ドメイン、ネックドメイン、CRDドメイン等の特徴的なアミノ酸配列が存在していた。すなわち、アミノ酸番号36〜57に示すロイシンジッパードメイン、アミノ酸番号72〜426(COILS Program)または81〜431(MultiCoil Program)に示すα−helical coiled coilドメイン、アミノ酸番号443〜589に示すコラーゲン様ドメイン、アミノ酸番号590〜606に示すネックドメイン、アミノ酸番号607〜742に示すCRDドメイン等が存在していた。その他のドメインとしては、例えばアミノ酸番号63〜742(TMHMM1.0 program)または58〜742(TMpred program)に示す細胞外ドメイン、アミノ酸番号1〜39(TMHMM1.0 program)または1〜37(TMpred program)に示す細胞内ドメイン、アミノ酸番号40〜62(TMHMM1.0 program)または38〜57(TMpred program)に示す膜貫通ドメイン、アミノ酸番号443〜742に示すコレクチン様ドメイン等が挙げられる。さらに、C型レクチンモチーフであるアミノ酸番号708〜730が含まれていた。このタンパク質をコードする塩基配列を配列番号1に示した。また、配列番号4に示すmSRCL−P1(アミノ酸番号1〜742)のアミノ酸配列はアミノ酸742個から成るタンパク質であり、それをコードする塩基配列は塩基数2226個から成る。該配列には配列番号2に示したhSRCL−P1と同じく、ロイシンジッパードメイン、α−helical coiled coilドメイン、コラーゲン様ドメイン、ネックドメイン、CRDドメイン、C型レクチンモチーフ等の特徴的なアミノ酸配列が存在していた。このタンパク質をコードする塩基配列を配列番号3に示した。本明細書中で使用する相同体とは、相同性(ホモロジー)が高い核酸配列またはアミノ酸配列であり、ホモロジーが少なくとも50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上のものをいう。配列中に欠失や挿入が存在する場合には、ギャップ結合を許した相同性検索を行うと良い。例えば、マルチプル・アライメント(商品名:SODHO、富士通)の手法を用いて検索することができる。また、相同性検索のアルゴリズムには、最も厳密なSmith−Watermanアルゴリズムを用いることができる。その他、FASTAやBLAST等のインターネットを通じて利用することができる。本明細書中で使用する変異体とは、例えば、対立遺伝子(アレル)、Single Nucleotide Polymorphism(SNP)等を挙げることができる。また、核酸配列の変異はコドンの縮重の範囲内で変化したものも本発明の核酸配列に含まれる。核酸配列のコドンの一部改変は、常法に従い、所望の改変をコードする合成オリゴヌクレオチドから成るプライマーを利用した部位特異的変異導入法(Mark,D.F.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,81,5662,1984)等に従って行うことができる、得られた人工的遺伝子変異体も本発明の核酸配列に含まれる。また、コドンの縮重の範囲を超えた場合であっても、変異したコドンによって翻訳された変異アミノ酸が、正常アミノ酸と類似の性質であることが好ましい。例えば、脂肪族アミノ酸であるアラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン間での変異、中性アミノ酸であるグリシン、アラニン、セリン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、トリプトファン、アスパラギンおよびグルタミン間での変異、酸性アミノ酸であるアスパラギン酸およびグルタミン酸間での変異、塩基性アミノ酸であるアルギニン、リジンおよびヒスチジン間での変異、水酸基を有するセリンおよびトレオニン間での変異、芳香環を有するフェニルアラニンおよびチロシン間での変異等、アミノ酸の性質・機能・特性等が類似のものであるのが好ましい。これら人工的または天然に変異したタンパク質も本発明のタンパク質の含まれる、人工的には、PCR法を用いて部位特異的変異を起こすことができ、その他公知の方法を用いて任意の場所に変異を起こさせることができる。本明細書中で使用する修飾体とは、例えば、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、ミリストイル化、グリコシル化、水酸化、リン酸化、硫酸化、ホルミル化、メチル化、ポリエチレングリコール化、脂質結合、ヌクレオチド結合、金属結合(カルシウム付加体等)、多のタンパク質(アルブミン等)との融合体、二量体等の改変を通常の技術を用いて施すことができる。例えば、グリコシル化は宿主が大腸菌では起こらないため、グリコシル化を企図する場合には、真核細胞に発現すると良い。昆虫細胞も哺乳細胞と同様に翻訳後にグリコシル化を行うため使用することができる。本明細書中で使用する多型性変種とは、例えば、染色体DNAの構造や形態の差異により生じる多型性、ある遺伝子が対立遺伝子に変化したために生じる多型性等をいう。一般に真核生物の遺伝子は多形現象を示すことが多く、この現象によって1個あるいはそれ以上のアミノ酸が置換される場合もあり、また、その場合であってもタンパク質の活性が保持される場合もある。ゆえに、配列番号2または4のいずれかに示されるアミノ酸配列をコードする遺伝子を人工的に改変したものを用いて得られたタンパク質をコードする遺伝子は、該タンパク質が本発明の遺伝子の特徴的な機能を有する限り全て本発明に含まれる。さらに、配列番号2または4のいずれかに示されるアミノ酸配列を人工的に改変したタンパク質は、本発明のタンパク質の特徴を有する限り全て本発明に含有される。改変とは、置換、欠失、付加および/または挿入を含むと解する。本明細書中で使用する断片とは、例えば、上述したSRCL−P1が有するアミノ酸配列中の任意の断片を意味し、例えば、細胞外ドメイン、細胞内ドメイン、膜貫通ドメイン、ロイシンジッパードメイン、α−helical coiled coilドメイン、コラーゲン様ドメイン、ネックドメイン、CRDドメイン、コレクチン様ドメイン、疎水性ドメイン(ネックドメイン、膜貫通ドメイン等)、親水性ドメイン(疎水性ドメイン以外)等を挙げることができ、またこれら断片を融合させた断片挙げることができる。例えば、配列番号2に示すhSRCL−P1アミノ酸配列において、膜貫通ドメインを欠き可溶性受容体を形成する58乃至63番目から742番目のアミノ酸を有する断片、CRDドメインを欠き膜貫通型スカベンジャーレセプターを形成する約1〜606番目のアミノ酸を有する断片、ロイシンジッパードメインとα−helical coiled coilドメインから成る可溶性スカベンジャーレセプターを形成する約36番目から426乃至431番目のアミノ酸を有する断片、ならびにCRDドメインとネックドメインを除く第1〜589番目のアミノ酸を有する断片等を挙げることができる。SRCL−P1遺伝子取得方法本発明のSRCL−P1遺伝子はいかなる方法で得られるものであっても良い。例えば、本発明のSRCL−P1をコードする塩基配列は、該タンパク質を発現している細胞からmRNAを調製して、常法により二本鎖DNAに変換して得ることができる。mRNAの調製にはグアニジンイソチオシアネート・塩化カルシウム法(Chirwin,et al.,Biochemistry,18,5294,1979)等を用いることができる。全RNAからのポリ(A)+RNAの調製はオリゴ(dT)を結合した担体、例えばセファロースあるいはラテックス粒子等を用いたアフィニティークロマトグラフィー等を用いて行うことができる。上記のごとくして得られたRNAを鋳型にして、3’末端に存在するポリ(A)鎖に相補的なオリゴ(dT)またはランダムプライマーあるいはSRCL−P1のアミノ酸配列の一部に相応する合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして逆転写酵素で処理し(Mol.Cell Biol.,2,161,1982、Mol.Cell Biol.,3,280,1983、Gene,25,263,1983)、この様にして得られたcDNA鎖を、例えばE.coli RNaseH、E.coli DNA polymerase 1、E.coli DNA ligaseで処理し、DNA鎖に変換することにより、二本鎖cDNAを得ることができる。このcDNAをプラスミドベクター、ファージベクター、コスミドベクターに組み込み、大腸菌を形質転換して、あるいはインビトロパッケージングを施した後、大腸菌にトランスフェクトすることによりcDNAライブラリーを作製することができる。ここで用いることができるプラスミドベクターとしては、宿主内で複製保持されるものであれば特に制限されなく、ファージベクターについても宿主内で増殖できるものであれば特に制限されない。クローニング用ベクターとして、例えば、pBR322、pUC19、λgt10、λgt11等が挙げられる。また、免疫学的スクリーニングに供する場合には、宿主内でSRCL−P1遺伝子を発現させることができるプロモーターを有するベクターであることが好ましい。プラスミドにcDNAを組み込む方法としては、Maniatisらの方法(Molecular Cloning,A Laboratory Manual,second edition)等を参考にすることができる。また、ファージベクターにcDNAを組み込む方法としては、Hyunhらの方法(DNA cloning,a practical approach,1,49,1985)等を参考にすることができる。上記発現ベクターの宿主細胞への導入法としては、例えば、リポポリアミン法、DEAE−デキストラン法、ハナハン法、リポフェクチン法、リン酸カルシウム法によるトランスフェクション、マイクロインジェクションおよびエレクトロポーレーション等の方法(Molecular Cloning,A Laboratory Manual,second edition)がある。インビトロパッケージングは、市販のキット(Stratagene社製、Amersham社製)を用いることによって簡便に行うことができる。上記方法によって作製されたcDNAライブラリーから、SRCL−P1タンパク質をコードするcDNAを単離する方法は、一般的なcDNAスクリーニング方法を組み合わせて行うことができる。例えば、32Pで標識したプローブを作製し、コロニーハイブリダイゼーション法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,72,3961,1975)、プラークハイブリダイゼーション法(Molecular Cloning,A Laboratory Manual,second edition、Cold Spring Harbor Laboratory,2,108,1989)により目的のcDNAを含有するクローンをスクリーニングすることができる。また、PCR法によりクローンを選択することもできる。さらに、cDNAを発現しうるベクターを用いてcDNAライブラリーを作製した場合には、SRCL−P1を認識する抗体を用いることにより目的のクローンを選択することができる。また、SRCL−P1遺伝子を発現する細胞よりSRCL−P1遺伝子を単離する際には、例えば、該発現細胞をSDSまたはプロテナーゼKを用いて溶解し、フェノール処理を行う。不用のRNAをリボヌクレアーゼにより消化する。得られるDNAを制限酵素により消化し、得られるDNA断片をファージまたはコスミドで増幅してライブラリーを作製する。その後、目的のクローンを選択し、SRCL−P1遺伝子を取得することができる。この様にして得られたDNAの塩基配列はマキサム・ギルバート法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,560,1977)またはサンガー法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,5463,1977)によって決定することができる。SRCL−P1遺伝子は、上記得られたクローンから制限酵素等によって切り出すことにより得ることができる。SRCL−P1塩基配列をもとに合成したプライマーを用いて、SRCL−P1発現細胞ポリ(A)+RNAを鋳型にしてRT−PCR法によりクローニングすることも可能である。また、PCRによらず、SRCL−P1塩基配列をもとにプローブを作製・合成し、直接cDNAライブラリーをスクリーニングし、目的とするcDNAを得ることもできる。本発明の遺伝子を、これらの方法により得られた遺伝子の中から、その遺伝子の塩基配列を確認することにより選択することができる。本発明の遺伝子は、例えばホスホイミダイト法(Mattencci,M.D.et al.,J.Am.Chem.Soc.,130,3185,1981)等の核酸化学合成を用いる常法に従って製造することもできる。発現ベクターの作製方法本発明はまた、SRCL−P1s核酸配列を含むことを特徴とするベクターにも関する。ベクターは例えば、SRCL−P1sタンパク質を発現することができるものであれば特に制限されないが、プラスミドベクター、RNAベクター、DNAベクター、ウィルスベクター、ファージベクター等を用いることができる。具体的には、Invitrogen社製のpBAD/His、pRSETA、pcDNA2.1、pTrcHis2A、pYES2、pBlueBac4.5、pcDNA3.1、pSecTag2、Novagen社製のpET、pBAC、Promega社製のpGEM、Stratagene社製のpBluescriptII、pBS、Phagescript、pSG、pSV2CATもしくはPharmacia社製のpGEX、pUC18/19、pBPV、pSVK3、pSVL等が挙げられる。発現ベクターにライゲーションしたSRCL−P1scDNA配列は、プロモーターに機能的に連結させる。プロモーターは例えば、ファージλPLプロモーター、E.coli lac、trp、tacプロモーター、SV40初期および後期プロモーター、T7およびT3プロモーター、レトロウィルスLTRプロモーターが挙げられる。特に、真核細胞に使用するプロモーターとしては、CMVプロモーター、HSVプロモーター、SV40初期および後期プロモーター、レトロウィルスLTRプロモーター、RSVプロモーター、メタロチオネインプロモーターがある。また、発現ベクターは、形質転換した宿主を選択可能にすべきマーカーおよびエンハンサーを含有しても良い。マーカーには、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子等がある。エンハンサーには、SV40エンハンサー、サイトメガロウィルス初期エンハンサープロモーター、アデノウィルスエンハンサー等がある。形質転換細胞の作製方法さらに、本発明は上記したようなベクターによりこれらが保持する本発明の塩基配列を発現可能に保持する形質転換細胞を提供する。本明細書における形質転換細胞に用いる宿主細胞としては、好ましくは動物細胞および昆虫細胞であるが、本発明の発現ベクター中のSRCL−P1sタンパク質を発現すうことが可能な全ての細胞(微生物を含む)が挙げられる。本明細書における動物細胞もしくは昆虫細胞としては、それぞれヒト由来の細胞、ハエもしくはカイコ由来の細胞が挙げられる。例えば、CHO細胞、COS細胞、BHK細胞、Vero細胞、ミエローマ細胞、HEK293細胞、HeLa細胞、Jurkat細胞、マウスL細胞、マウスC127細胞、マウスFM3A細胞、マウス繊維芽細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、S2、Sf9、Sf21、High FiveTM(登録商標)細胞等がある。本明細書における微生物とは、大腸菌もしくは酵母等が含まれる。これら宿主への導入は上記記載した方法を用いることができる。本発明のSR発現細胞は、動脈硬化発症等に関わるSR経路について、この経路から細胞へ取り込まれる修飾されたLDLの特異性を解析するために用いることができる。また、物質の受容体を介した細胞への取り込み解析のためのモデルとして有用である。さらに、本発明の細胞は動脈硬化症の治療薬、例えばLDL変性の抑制剤、アシルCo−Aコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)活性阻害剤等の開発過程における薬剤のスクリーニングに用いることができる。また、糖鎖のあるヒトSR蛋白質の製造に用いることができる。また、SRを介する異物もしくは変性物の処理の過程の実験系、または変性アルブミンに伴って感染を起こすB型ウィルス等の感染実験系として用いることができる。タンパク質取得方法本発明は、上記したような本発明の塩基配列で形質転換した細胞を培養し、産生されたSRCL−P1を採取する、SRCL−P1の製造法にも関する。細胞の培養、タンパク質の分離、精製も、自体公知の方法によって行うことができる。本発明のタンパク質は、それ自体、単離・精製・認識しやすいように組換え融合タンパク質として発現させることができる。組換え融合タンパク質とは目的タンパク質をコードする核酸配列により発現されたタンパク質のN末端側または/およびC末端側に適当なペプチド鎖を付加して発現させたタンパク質である。発現したタンパク質の精製を容易にする目的で、細胞外分泌シグナルを有する融合タンパク質として発現させても良い。また、タンパク質は、各種原料、例えば培養細胞、培養組織、形質転換細胞等のタンパク質産生原料から従来公知の方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿法等の塩析、セファデックス等によるゲル濾過法、イオン交換クロマトグラフィー法、疎水性クロマトグラフィー法、色素ゲルクロマトグラフィー法、電気泳動法、透析、限外濾過法、アフィニティークロマトグラフィー法および高速液体クロマトグラフィー法等の公知の精製方法を用いて得ることができる。遺伝子利用方法配列番号1または3のいずれかに記載の塩基配列に基づいて、SRCL−P1遺伝子を検出するためのプローブを設定することができる。あるいは、これらの塩基配列を含むDNAやRNAを増幅するためのプライマーを設定することができる。与えられた配列をもとにプローブやプライマーを設定することは当業者が日常的に行っている。設定された塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを化学合成によって得ることができる。そしてそのオリゴヌクレオチドに適当な標識を付加すれば、様々な形式のハイブリダイゼーションアッセイに利用することができる。あるいはPCRの様な核酸の合成反応に利用することができる。プライマーに利用するオリゴヌクレオチドは少なくとも10塩基、好適には15〜50塩基の長さとするのが望ましく、プローブに利用するオリゴヌクレオチドは100塩基から全長の長さであることが望ましい。また、SRCL−P1タンパク質をコードする遺伝子変異の検出およびSNPの検出等にも用いることができことから、SRCL−P1遺伝子変異によって生ずる疾患の診断に用いることができる。例えば、動脈硬化、糖尿病性合併症およびアルツハイマー病、高βリポ蛋白血症、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症、低αリポ蛋白血症、移植、アテレクトミーおよび血管形成後再狭窄、細菌感染症等を始めとする各種疾患等の診断に利用できるものと予想される。また、SRCL−P1遺伝子を生体内に導入し発現させることによる遺伝子治療にも有用である。さらに、本発明が提供するSRCL−P1のcDNA塩基配列に基づいて、ゲノム中に存在するSRCL−P1遺伝子のプロモーター領域、エンハンサー領域を取得することも可能である。具体的には特開平6−181767号、J.Immunol.,155,2477,1995、Proc.Natl.Acad.Sci,USA.,92,3561,1995)等と同様の方法でこれらの制御領域の取得が可能である。本明細書中で言うプロモーター領域とは転写開始部位の上流に存在する遺伝子の発現を制御するDNA領域を、エンハンサー領域とはイントロン、5’非翻訳領域、または3’非翻訳領域に存在する遺伝子の発現を増強するDNA領域を言う。タンパク質利用方法本発明のSRCL−P1sタンパク質は、マクロファージおよび基礎免疫の機能の解明、動脈硬化、糖尿病性合併症およびアルツハイマー病、高βリポ蛋白血症、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症、低αリポ蛋白血症、移植、アテレクトミーおよび血管形成後再狭窄、細菌感染症等を始めとする各種疾患等の発症機構の解明、さらにその診断、予防および治療法、ならびにそれらのための試薬や医薬の開発に利用できる可能性がある。また、SRCL−P1sに対する抗体を作製する際の抗原として用いることができる。さらに、アゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法にも利用できる。アゴニストおよびアンタゴニスト本発明は、また、本発明のSRCL−P1の活性または活性化を刺激するアゴニストにも関する。本発明は、また、本発明のSRCL−P1の活性または活性化を阻害するアンタゴニストにも関する。アンタゴニストのスクリーニングは、例えば、SRCL−P1タンパク質を発現させた細胞に候補阻害剤とOxLDLまたは抗体を作用させる競合的実験系を用いることができ、OxLDLの結合割合から候補阻害剤をスクリーニングすることができる。その他、自体公知の方法により行うことができる。また、アンタゴニストにはSRCL−P1遺伝子の発現を阻害するアンチセンス核酸も含まれる。他のスクリーニング方法として、受容体の活性化によって生じる細胞外pHの変化を測定する方法(Science,246,181−296,1989)がある。こうしてスクリーニングしたアンタゴニストは、酸化LDL蓄積や、細胞へのAGEの結合に関わる病態について、治療、予防等の処置を行うための薬物としても利用できる。そのスクリーニング方法は、本発明のSRCL−P1と酸化LDLまたはAGEとの結合量を、候補薬物の存在下および非存在下で比較し、この候補薬物が両者の結合を阻害する能力によって、目的とする病態を処置するための薬物を同定する工程を含むことを特徴とするものである。トランスジェニック非ヒト動物本発明は、SRCL−P1遺伝子の発現レベルを変化させたトランスジェニック非ヒト動物に関する。ここで、SRCL−P1遺伝子とは、hSRCL−P14もしくはSRCL−P1をコードするcDNA、ゲノムDNAあるいは合成DNAを含む。また、遺伝子の発現には転写と翻訳のいずれのステップも含まれる。本発明によるトランスジェニック非ヒト動物は、SRCL−P1の機能あるいは発現調節の研究、SRCL−P1が関与すると予想される疾患のメカニズム解明、医薬品のスクリーニング・安全性試験に用いる疾患モデル動物の開発に有用である。本発明においては、遺伝子の発現を正常に調節しているいくつかの重要な部位(エンハンサー、プロモーター、イントロン等)の一部に欠失、置換、付加および/または挿入などの変異を起こさせることにより、本来の遺伝子の発現レベルと比較して上昇または下降するように人工的に修飾することができる。この変異の導入は、公知の方法により行うことができ、トランスジェニック動物を得ることができる。トランスジェニック動物とは狭義には遺伝子組換えにより、外来遺伝子が生殖細胞に人為的に導入された動物のことをいい、広義にはアンチセンスRNAを用いて特定の遺伝子の機能を抑えたアンチセンス・トランスジェニック動物や、胚性幹細胞(ES細胞)を用いて特定の遺伝子をノックアウトした動物、点突然変異DNAを導入した動物を含み、個体発生の初期に外来遺伝子が安定して染色体に導入され、その子孫に遺伝形質として伝達され得る動物のことをいう。本明細書中でいうトランスジェニック動物とはヒト以外のすべての脊椎動物を含む広義の意味に解する。本発明におけるトランスジェニック動物は、SRCL−P1の機能あるいは発現調節の研究、ヒトにおいて発現している細胞に関連する疾患のメカニズムの解明、医薬品のスクリーニング・安全性試験に用いる疾患モデル動物の開発に有用である。トランスジェニック動物の作製方法は、位相差顕微鏡下で前核期卵子の核に、微小ピペットで遺伝子を直接導入する方法(マイクロインジェクション法、米国特許第4873191号)、胚性幹細胞(ES細胞)を使用する方法などがある。その他、レトロウィルスベクターまたはアデノウイルスベクターに遺伝子を挿入し、卵子に感染させる方法、また、精子を介して遺伝子を卵子に導入する精子ベクター法等が開発されている。精子ベクター法とは、精子に外来遺伝子を付着またはエレクトロポレーション等の方法で精子細胞内に取り込ませた後に、卵子に受精させることにより、外来遺伝子を導入する遺伝子組換え法である(M.Lavitranoetら、Cell,57,717,1989)。あるいはバクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系やサッカロマイセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)のFLPリコンビナーゼ系等によるin vivoにおける部位特異的遺伝子組換えを用いることもできる。また、レトロウィルスを使用して、非ヒト動物へ目的タンパク質のトランスジーンを導入する方法も報告されている。マイクロインジェクション法によるトランスジェニック動物作製方法は、例えば、以下に示すようにして行われる。まず、発現制御に関わるプロモーター、特定のタンパク質をコードする遺伝子、ポリAシグナルから基本的に構成されるトランスジーンが必要である。プロモーター活性により特定分子の発現様式や発現量が左右され、また、導入トランスジーンのコピー数や染色体上の導入部位により作製されたトランスジェニック動物が系統間で異なるため、各系統間で発現様式・発現量を確認する。非翻訳領域やスプライシングにより発現量が変化することが判明しているため、予めポリAシグナルの前にスプライシングされるイントロン配列を導入してもよい。受精卵に導入する遺伝子はできるだけ純度の高いものを使用することが重要である。使用する動物としては、受精卵採取用マウス(5〜6週齢)、交配用雄マウス、偽妊娠雌マウス、輸精管結紮雄マウス等が用いられる。効率よく受精卵を得るために、ゴナドトロビン等により排卵を誘発してもよい。受精卵を回収し、マイクロインジェクション法にて卵子の雄性前核にインジェクションピペット中の遺伝子を注入する。注入した卵子を輸卵管に戻すための動物(偽妊娠雌マウス等)を用意し、一匹に対して約10〜15個を移植する。その後、誕生したマウスにトランスジーンが導入されているか否かを、尾の先端部からゲノムDNAを抽出し、サザン法あるいはPCR法によりトランスジーンを検出するか、あるいは相同組み換えが起こったときのみに活性化するマーカー遺伝子を挿入したポジティブクローニング法により確認することができる。さらに、トランスジーンの発現を確認するため、ノザン法もしくはRT−PCR法によりトランスジーン由来転写産物を検出する。または、タンパク質またはその断片に対する特異的抗体によって、ウェスタンブロッティングを行ってもよい。ノックアウトマウス本発明のノックアウトマウスは、SRCL−P1遺伝子の機能が失われるように処理されたものである。ノックアウトマウスとは相同組換え技術により任意の遺伝子を破壊し、機能を欠損させたトランスジェニックマウスをいう。ES細胞を用いて相同組換えを行い、一方の対立遺伝子を改変・破壊した胚性幹細胞を選別し、ノックアウトマウスを作製することができる。例えば、受精卵の胚盤胞や桑実胚期に遺伝子を操作した胚性幹細胞を注入して、胚性幹細胞由来の細胞と胚由来の細胞が混ざったキメラマウスを得る。このキメラマウス(キメラとは、2個以上の受精卵に基づいた体細胞で形成される単一個体をいう)と正常マウスを交配すると、一方の対立遺伝子の全てが改変・破壊されたヘテロ接合体マウスを作製することができる。さらに、ヘテロ接合体マウス同士を交配することで、ホモ接合体マウスが作製できる。相同組換えとは、遺伝子組換え機構で塩基配列が同じ、または非常に類似している2つの遺伝子間で起こる組換えのことをいう。相同組換えを起こした細胞の選別にはPCRを使用することができる。挿入遺伝子の一部と挿入が期待される領域の一部をプライマーとして用いるPCR反応を行い、増幅産物ができた細胞で相同組換えを起こしていることが判明できる。また、胚幹細胞で発現している遺伝子に相同組み換えを起こさせる場合には、導入遺云子にネオマイシン耐性遺伝子を結合させておき、導入後に細胞をネオマイシン耐性にさせることにより選択することができる等、公知の方法およびそれらの変法を用いて容易に選択することができる。抗体の作製方法本発明はまた、SRCL−P1またはその断片を認識する抗体を提供する。本発明の抗体には例えば、配列番号2または4のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するタンパク質またはその断片に対する抗体が含まれる。SRCL−P1またはそのの断片に対する抗体(例えばポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ペプチド抗体)または抗血清は、本発明のSRCL−P1またはの断片等を抗原として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。特に、SRCL−P1の機能を制御できる抗体(例えばCRD、コラーゲン様ドメインおよびα−helic al coiled coilドメイン等を認識する抗体)は抗体含有医薬品として有用である。本発明のSRCL−P1またはその断片は、投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体または希釈剤、担体と共に温血動物に対して投与される。投与に際して抗体産生を高めるために、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与しても良い。投与は通常1〜6週毎に1回づつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血動物としては、例えばサル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ等が挙げられるが、マウスおよびラットが好ましくは用いられる。ラットにはWistarおよびSD系ラット等が好ましく、マウスにはBALB/c、C57BL/6およびICR系マウス等が好ましく用いられる。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められる個体を選択し、最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば後記の標識化SRCL−P1と抗血清とを反応させた後、抗体に結合した標識剤の活性を測定することによりなされる。融合操作は既知の方法、例えばケーラーとミルスタインの方法(Nature,256,495,1975)やその変法(J.Immunol.Method,39,285,1980、Eur.J.Biochem.,118,437,1981、Nature,285,446,1980)に従い実施できる。融合促進剤としてはポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルス等が挙げられるが、好ましくはPEGが用いられる。さらに融合効率を高めるために、適宜レクチン、ポリ−L−リジンもしくはDMSOを添加することもできる。骨髄腫細胞としては、例えばX−63Ag8、NS−1、P3U1、SP2/0、AP−1等が挙げられるが、好ましくはSP2/0が用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:20〜20:1であり、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)を10〜80%程度の濃度で添加し、20〜40℃、好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。抗SRCL−P1抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、例えば、SRCL−P1抗原を直接または担体と共に吸着させた固相(例えば、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合した抗SRCL−P1抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素等で標識したSRCL−P1を加え、固相に結合した抗SRCL−P1モノクローナル抗体を検出する方法等が挙げられる。抗SRCL−P1モノクローナル抗体の選別およびクローニングは、自体公知またはそれに準じる方法に従って行うことができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行われる。選別、クローニングおよび育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地、またはハイブリドーマ培養用無血清培地等を用いることができる。培養温度は、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行われる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗SRCL−P1抗体価の測定と同様にして測定できる。すなわち、測定方法としてはラジオイムノアッセイ(RIA)法、酵素免疫測定法(ELISA)法、FIA(蛍光イムノアッセイ)法、プラーク測定法、凝集反応法等を用いることができるが、以下に示すようなELISA法が好ましい。ELISA法によるスクリーニングは以下の方法に準じて行うことができる。免疫抗原と同様の操作で調製したタンパク質をELISAプレートの各ウェルの表面に固定化する。次に、非特異的吸着を防止する目的で、BSA、MSA、OVA、KLH、ゼラチンもしくはスキムミルク等を各ウェルに固定化する。この各ウェルにハイブリドーマ培養上清液を添加し、一定時間放置し免疫反応を行わせる。PBS等を洗浄液として各ウェルを洗浄する。この洗浄液中には界面活性剤を添加することが好ましい。酵素標識二次抗体を添加し一定時間放置する。標識酵素としては、β−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼ等を用いることができる。同じ洗浄液で各ウェルを洗浄後、使用した標識酵素の基質溶液を添加し酵素反応を行わせる。添加したハイブリドーマ培養上清液中に目的とする抗体が存在する場合は酵素反応が進行し基質溶液の色が変化する。クローニングは、通常半固体アガー法や限界希釈法等のそれ自体公知の方法で行うことができ、具体的には前記の方法で目的とする抗体を産生するウェルを確認した後、クローニングを行いシングルクローンを得る。クローニング法としては、培養プレート1ウェル当たりに1個のコロニーが形成するようにハイブリドーマ細胞を希釈して培養する限界希釈法等を用いると良い。限界希釈法によるクローニングには、コロニー形成能と高めるために支持細胞を用いるか、インターロイキン6などの細胞増殖因子を添加しても良い。その他、FACSおよびシングルセルマニプレーション法を用いてクローニングすることができる。クローン化されたハイブリドーマを、好ましくは無血清培地中で培養し、至適量の抗体をその上清に加える。この様にして得られた単一のハイブリドーマは、フラスコや細胞培養装置を用いて大量培養を行うか、動物の腹腔内で培養する(J.Immunol.Meth.,53,313,1982)ことにより、モノクローナル抗体を得ることができる。フラスコ内で培養を行う場合は、0〜20%のFCSを含む細胞培養用培地(IMDM、DMEM、RPMI 1640およびMEM等)を用いて行うことができる。動物の腹腔内で培養する場合は、細胞融合に使用した骨髄腫細胞の由来となった動物と同種、同系統の動物または胸腺欠損ヌードマウス等を使用することが好ましく、予めプリスタン等の鉱物油を投与してからハイブリドーマを移植する。1〜2週間後腹腔内に骨髄腫細胞が増殖し、モノクローナル抗体を含む腹水を得ることができる。本発明によるモノクローナル抗体は、SRCL−P1に特異的なエピトープを認識するものを選択することによって、他のタンパク質と交差しないものとすることができる。一般的にそのタンパク質を構成するアミノ酸配列の中から、連続する少なくとも5以上のアミノ酸残基、望ましくは7〜20アミノ酸のアミノ酸配列によって提示されるエピトープは、そのタンパク質に固有のエピトープを示すと言われている。従って、配列番号2および4のいずれかに記載されたアミノ酸から選択され、かつ連続する少なくとも5アミノ酸残基から成るアミノ酸配列を持つペプチドによって構成されるエピトープを認識するモノクローナル抗体は、本発明におけるhSRCL−P1もしくはmSRCL−P1特異的なモノクローナル抗体といえる。配列番号2および4に記載されたアミノ酸配列の間で保存されたアミノ酸配列を選べば、SRCL−P1に共通のエピトープを選択することができる。あるいは各配列に特異的なアミノ酸配列を含む領域であれば、それぞれのタンパク質の識別が可能なモノクローナル抗体を選択することができる。抗SRCL−P1モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法に従って行うことができる。公知の精製法としては、例えば、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、硫安沈殿法、イオン交換体(例えばDEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲル濾過法、抗原結合固相またはプロテインAもしくはプロテインG等の活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法のような手法を施すことができる。精製過程において凝集物の形成や抗体価の低下を防止する目的で、例えばヒト血清アルブミンを0.05〜2%の濃度で添加する。その他、グリシン、α−アラニン等のアミノ酸類、特にリジン、アルギニンおよびヒスチジン等の塩基性アミノ酸、グルコースやマンニトール等の糖類または塩化ナトリウム等の塩類を添加しても良い。IgM抗体の場合、特に凝集しやすいことが知られているため、β−プロピオノラクトンおよび無水酢酸で処理しても良い。本発明のポリクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。例えば、免疫抗原(タンパク質抗原)自体、あるいはそれとキャリアータンパク質との複合体を作り、上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に温血動物に免疫を行い、該免疫動物から本発明のタンパク質またはその断片に対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行うことにより製造することができる。温血動物を免役するために用いられる免疫抗原とキャリアータンパク質との複合体に関し、キャリアータンパク質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋させて免役したハプテンに対して抗体が効率よくできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させても良いが、例えばウシ血清アルブミンやウシサイログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカップリングさせる方法が用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカップリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオピリジル基を含有する活性エステル試薬などが用いられる。縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と共に投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与しても良い。投与は、通常2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行われる。ポリクローナル抗体は上記の方法で免役された温血動物の血液、腹水等、好ましくは血液から採取することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行うことができる。抗体の利用方法SRCL−P1またはその断片に対するモノクローナル抗体ならびにポリクローナル抗体は、SRCL−P1を発現している細胞に関連する疾病の診断や治療に利用することが可能である。これらの抗体を用いて、本発明のSRCL−P1またはその断片との免疫学的な結合に基づき、SRCL−P1またはその断片を測定することができる。具体的にこれらの抗体を用いてSRCL−P1またはその断片を測定する方法としては、例えば、不溶性担体に結合させた抗体と標識化抗体とによりSRCL−P1またはその断片を反応させて生成したサンドイッチ錯体を検出するサンドイッチ法、また、標識化SRCL−P1と検体中のSRCL−P1またはその断片を抗体と競合的に反応させ、抗体と反応した標識抗原量から検体中のSRCL−P1またはその断片を測定する競合法を利用して検体中のSRCL−P1またはその断片を測定する方法が挙げられる。サンドイッチ法によるSRCL−P1またはその断片の測定においては、まず、固定化抗体とSRCL−P1またはその断片とを反応させた後、未反応物を洗浄によって完全に除去し、標識化抗体を添加して固定化抗体−SRCL−P1標識化抗体を形成させる2ステップ法もしくは固定化抗体、標識化抗体およびSRCL−P1またはその断片を同時に混合する1ステップ法などを用いることができる。測定に使用される不溶性担体は、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、ナイロン、ポリアセタール、フッ素樹脂等の合成樹脂、セルロース、アガロース等の多糖類、ガラス、金属等が挙げられる。不溶性担体の形状としては、例えばトレイ状、球状、繊維状、棒状、盤状、容器状、セル、試験管等の種々の形状を用いることができる。抗体を吸着した担体は、適宜アジ化ナトリウム等の防腐剤の存在下、冷所に保存する。抗体の固層化には、公知の化学的結合法または物理的吸着法を用いることができる。化学的結合法としては例えばグルタルアルデヒドを用いる方法、N−スクシニイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレートおよびN−スクシニイミジル−2−マレイミドアセテートなどを用いるマレイミド法、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸などを用いるカルボジイミド法が挙げられる。その他、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシサクシニミドエステル法、N−サクシミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸法、ビスジアゾ化ベンジジン法、ジパルミチルリジン法が挙げられる。あるいは、先に被検出物質とエピトープの異なる2種類の抗体を反応させて形成させた複合体を、抗体に対する第3の抗体を上記の方法で固層化させておいて捕捉することも可能である。標識物質としては、酵素、蛍光物質、発光物質、放射性物質および金属キレート等を使用するのが好ましい。酵素としては、例えばペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ−5−ステロイドイソメラーゼ、α−グリセロールホスフェートデヒドロゲナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、西洋わさびパーオキシダーゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ等が挙げられ、蛍光物質としては、例えばフルオレセインイソチアネート、フィコビリプロテイン、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、オルトフタルアルデヒド等が挙げられ、発光物質としてはイソルミノール、ルシゲニン、ルミノール、芳香族アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩およびその修飾エステル、ルシフェリン、ルシフェラーゼ、エ使用することができるものであれば特に限定されない。さらに、抗体にビオチン、ジニトロフェニル、ピリドキサールまたはフルオレサミンの様な低分子ハプテンを結合させても良い。好ましくは西洋わさびペルオキシダーゼを標識化酵素として用いる。本酵素は多くの基質と反応することができ、過ヨウ素酸法によって容易に抗体に結合させることができる。標識化剤が酵素である場合には、その活性を測定するために基質、必要により発色剤を用いる。酵素としてペルオキシダーゼを用いる場合には、基質溶液としてH2O2を用い、発色剤として2,2’−アジノ−ジ−[3−エチルベンズチアゾリンスルホン酸]アンモニウム塩(ABTS)、5−アミノサリチル酸、オルトフェニレンジアミン、4−アミノアンチピリン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン等を使用することができ、酵素にアルカリフォスファターゼを用いる場合は基質としてオルトニトロフェニルフォスフェート、パラニトロフェニルリン酸等を使用することができ、酵素にβ−D−ガラクトシダーゼを用いる場合は基質としてフルオレセイン−ジ−(β−D−ガラクトピラノシド)、4−メチルウンベリフェニル−β−D−ガラクトピラノシド等を使用することができる。本発明には、また、前述のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体および試薬類をキット化したのものも含まれる。架橋剤としては、N,N’−オルトフェニレンジマレイミド、4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン酸・N−スクシンイミドエステル、6−マレイミドヘキサン酸・N−スクシンイミドエステル、4,4’−ジチオピリジン、その他公知の架橋剤が利用可能である。これらの架橋剤と酵素および抗体との反応は、それぞれの架橋剤の性質に応じて既知の方法に従って行えばよい。また、抗体としては、場合によっては、そのフラグメント、例えばFab’、Fab、F(ab’)2を用いる。また、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体にかかわらず同様の処理により酵素標識体を得ることができる。上記架橋剤を用いて得られる酵素標識体をアフィニティークロマトグラフィー等の公知の方法にて精製すれば、更に感度の高い免疫測定系が可能となる。精製した酵素標識化抗体は、安定剤としてチメロサールもしくはグリセリン等を加えて、あるいは凍結乾燥して冷暗所に保存する。測定対象は、血漿、血清、血液、尿、組織液、脳脊髄液等の体液、各種細胞、組織等、SRCL−P1を含む試料であれば限定されない。ヒト化抗体の作製方法ヒトに任意の抗原を免疫して抗体を製造することは倫理上不可能である。また、マウスモノクローナル抗体をヒトの体内に投与すると、ヒトにとっては異種タンパクであるので種々の副作用が起こる危険性がある。そこで、ヒトに抗体を投与する場合にはヒトに対し抗原性を低くした抗体が好ましい。ヒトモノクローナル抗体の作製方法には細胞融合法以外にも、エプスタイン・バール(Epstein−Barr)ウィルス(EBV)で形質転換する方法、さらにはその形質転換した細胞を親細胞と融合させる方法、遺伝子工学を利用しキメラ抗体、ヒト化抗体を作製する方法などがある。キメラ抗体とは異種の動物の免疫グロブリン遺伝子断片をつなげて作製された抗体であり、ヒト化抗体とはマウスなどにヒトにとって異種の抗体を改変して、H鎖とL鎖の相補性決定部(CDR)以外の一次構造をヒトの抗体の対応する一次構造に置換した抗体をいう。キメラ抗体の作製方法として、まずマウスに免疫し、そのマウスモノクローナル抗体の遺伝子から抗原と結合する抗体可変部(V領域)を切り出し、ヒト骨髄腫由来の抗体定常部(C領域)遺伝子と結合してキメラ遺伝子を作製する。このキメラ遺伝子を宿主細胞で発現させれば、ヒト・マウス・モノクローナル抗体が産生できる。キメラ抗体はヒトに対する抗原性が少ないため、ヒト体内に投与する治療用や画像診断用モノクローナル抗体等として利用できる。公知のキメラ抗体の関連技術として、特開平05−304989号、特開平04−330295号、WO9106649、特開昭63−036786号、特公平06−98021号等がある。また、最近キメラ抗体よりも有用であるといわれるヒト化抗体が開発された。ヒト化抗体とは抗体分子の抗原結合部位(CDR:Complementary determining reagion、相補性決定領域)の遺伝子配列のみをヒト抗体遺伝子に移植(CDRグラフティング)し、抗体分子のCDRを除いた全分子をヒト化した抗体である。本抗体はヒト・マウス・キメラ抗体より、マウスの抗体部分が少ないため、抗原性が少なく安全性が高いと言われている。ヒトモノクローナル抗体作製用の親細胞は、ヒト/マウスのヘテロミエローマであるSHM−D 33株(ATCC CRL 1668)またはRF−S1株を用いるとマウスの親細胞と同等の高い融合効率が得られる。これらの親細胞を用いて得られたハイブリドーマはフィーダー細胞なしでクローニングが可能であり、IgGタイプの抗体を比較的安定にしかも大量に産生することができる。親細胞の培養には、15%FCSを加えたERDF培地を用い、その他の操作はマウスの場合と同様である。また、TgGタイプのヒトモノクローナル抗体を作製するには抗原で充分に感作されたヒトリンパ球を末梢血から採取して用いるのが好ましい。充分に抗原で感作されたリンパ球の取得が困難な場合にはin vitroで抗原感作を行うこともできる。我が国では現在、成人性T細胞白血病に対するヒト化抗体の臨床試験が行われている。ヒト化抗体の製造方法およびその関連技術については、例えば、米国Genentech社(WO9222653、WO9845332、WO9404679、WO9837200、WO9404679、)および英国Celltech社(WO9429451、WO9429351、WO9413805、WO9306231、WO9201059、WO9116927、WO9116928、WO9109967、WO8901974、WO8901783)等に開示された技術を利用することができる。上記示した方法等を用いることにより、本発明の抗体をヒト化することができ、ヒトに投与する場合には非常に有用である。組成物SRCL−P1ポリヌクレオチドまたはタンパク質、および抗体物質、そしてSRCL−P1のアンタゴニスト等は、酸化LDL(変性LDL)蓄積に関わる病態、例えば、アテローム性動脈硬化症等の動脈硬化をはじめ、細胞へのAGEの結合に関わる糸球体硬化症などの障害、糖尿病性合併症およびAD、高βリポ蛋白血症、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症、低αリポ蛋白血症、移植、アテレクトミーおよび血管形成後再狭窄、細菌感染症等を始めとする各種疾患等の診断、予防および治療法、ならびにそれらのための試薬や医薬の開発に利用できる可能性がある。また、これら公知の医薬との併用または配合もできる。例えば、アテローム性動脈硬化症の治療薬、例えば、ACATインヒビター、HMG−CoA還元酵素阻害剤、脂質調節剤、胆汁酸調節剤と併用または配合することができる。本発明の医薬組成物はSRCL−P1ポリヌクレオチドおよびタンパク質、SRCL−P1タンパク質の活性または活性化を刺激する物質または阻害する物資、SRCL−P1タンパク質に対する抗体等の物質(以下、SRCL−P1関連物質)が含まれる。SRCL−P1関連物質は、そのままあるいは水に希釈する等の各種処理を施して使用することができるが、医薬品、医薬部外品等に配合して使用することができる。この場合、該物質の配合量は製品に応じて適宜選択されるところではあるが、通常全身投与製剤の場合には、0.001〜50重量%、特に0.01〜10重量%とすることができ、0.001%より少ないと満足する涙液分泌促進作用が認められない可能性があり、また、50%を越えると製品そのものの安定性や香味等の特性が損なわれる可能性がある。投与経路は前記示した経口投与および静脈内投与以外に、経粘膜投与、経皮投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸内投与、眼局所投与等が適宜選択できる。本発明のSRCL−P1関連物質は塩として製剤中に含有されていてもよい。薬剤学的に許容される塩としては、例えば無機塩基、有機塩基等の塩基との塩、無機酸、有機酸、塩基性または酸性アミノ酸などの酸付加塩等が挙げられる。無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、アンモニウム等が挙げられる。有機塩基としては、例えば、エタノールアミン等の第一級アミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等の第二級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、トリエタノールアミン等の第三級アミン等が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、安息香酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。塩基性アミノ酸としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等が挙げられる。酸性アミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。経口投与を行う場合の剤型として、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤およびシロップ剤等があり、適宜選択することができる。また、それら製剤について徐放化、安定化、易崩壊化、難崩壊化、腸溶性化、易吸収化等の修飾を施すことができる。また、口腔内局所投与を行う場合の剤型として、咀嚼剤、舌下剤、バッカル剤、トローチ剤、軟膏剤、貼布剤、液剤等があり、適宜選択することができる。また、それら製剤について徐放化、安定化、易崩壊化、難崩壊化、腸溶性化、易吸収化等の修飾を施すことができる。前記示した剤型について、公知のドラッグデリバリーシステム(DDS)の技術を採用することができる。本明細書に言うDDS製剤とは、除法化製剤、局所適用製剤(トローチ、バッカル錠、舌下錠等)、薬物放出制御製剤、腸溶性製剤および胃溶性製剤等、投与経路、バイオアベイラビリティー、副作用等を勘案した上で、最適の製剤形態にした製剤を言う。DDSの構成要素には基本的に薬物、薬物放出モジュール、おおいおよび治療プログラムから成り、各々の構成要素について、特に放出を停止させた時に速やかに血中濃度が低下する半減期の短い薬物が好ましく、投与部位の生体組織と反応しないおおいが好ましく、さらに、設定された期間において最良の薬物濃度を維持する治療プログラムを有するのが好ましい。薬物放出モジュールは基本的に薬物貯蔵庫、放出制御部、エネルギー源および放出孔または放出表面を有している。これら基本的構成要素は全て揃っている必要はなく、適宜追加あるいは削除等を行い、最良の形態を選択することができる。DDSに使用できる材料としては、高分子、シクロデキストリン誘導体、レシチン等がある。高分子には不溶性高分子(シリコーン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチルセルロース、セルロースアセテート等)、水溶性高分子およびヒドロキシルゲル形成高分子(ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタクリレート架橋体、ポリアクリル架橋体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、水溶性セルロース誘導体、架橋ポロキサマー、キチン、キトサン等)、徐溶解性高分子(エチルセルロース、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体の部分エステル等)、胃溶性高分子(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウム、マクロゴール、ポリビニルピロリドン、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマー等)、腸溶性高分子(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸フタルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、アクリル酸系ポリマー等)、生分解性高分子(熱凝固または架橋アルブミン、架橋ゼラチン、コラーゲン、フィブリン、ポリシアノアクリレート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリβヒドロキシ酢酸、ポリカプロラクトン等)があり、剤型によって適宜選択することができる。特に、シリコーン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、メチルビニルエーテル・無水マレインサン共重合体の部分エステルは薬物の放出制御に使用でき、セルロースアセテートは浸透圧ポンプの材料として使用でき、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースは徐放性製剤の膜素材として使用でき、ポリアクリル架橋体は口腔粘膜あるいは眼粘膜付着剤として使用できる。また、製剤中にはその剤形(経口投与剤、注射剤、座剤等の公知の剤形)に応じて、溶剤、賦形剤、コーティング剤、基剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、溶解補助剤、懸濁化剤、粘稠剤、乳化剤、安定剤、緩衝剤、等張化剤、無痛化剤、保存剤、矯味剤、芳香剤、着色剤等の添加剤を加えて製造することができる。それぞれ具体例を挙げて例示するが、本願発明はこれらに特に限定されるものではない。〔溶剤〕精製水、注射用水、生理食塩水、ラッカセイ油、エタノール、グリセリン、〔賦形剤〕デンプン類、乳糖、ブドウ糖、白糖、結晶セルロース、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、トレハロース、キシリトール、〔コーティング剤〕白糖、ゼラチン、酢酸フタル酸セルロースおよび上記記載した高分子、〔基剤〕ワセリン、植物油、マクロゴール、水中油型乳剤性基剤、油中水型乳剤性基剤、〔結合剤〕デンプンおよびその誘導体、セルロースおよびその誘導体、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、トラガント、アラビアゴム等の天然高分子化合物、ポリビニルピロリドン等の合成高分子化合物、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、〔滑沢剤〕ステアリン酸およびその塩類、タルク、ワックス類、コムギデンプン、マクロゴール、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、〔崩壊剤〕デンプンおよびその誘導体、寒天、ゼラチン末、炭酸水素ナトリウム、セルロースおよびその誘導体、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースおよびその塩類ならびにその架橋体、低置換型ヒドロキシプロピルセルロース、〔溶解補助剤〕シクロデキストリン、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、〔懸濁化剤〕アラビアゴム、トラガント、アルギン酸ナトリウム、モノステアリン酸アルミニウム、クエン酸、各種界面活性剤、〔粘稠剤〕カルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ホドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、トラガント、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、〔乳化剤〕アラビアゴム、コレステロール、トラガント、メチルセルロース、各種界面活性剤、レシチン、〔安定剤〕亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、トコフェロール、キレート剤、不活性ガス、還元性物質、〔緩衝剤〕リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸、〔等張化剤〕塩化ナトリウム、ブドウ糖、〔無痛化剤〕塩酸プロカイン、リドカイン、ベンジルアルコール、〔保存剤〕安息香酸およびその塩類、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、逆性石けん、ベンジルアルコール、フェノール、チロメサール、〔矯味剤〕白糖、サッカリン、カンゾウエキス、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、〔芳香剤〕トウヒチンキ、ローズ油、〔着色剤〕水溶性食用色素、レーキ色素。〔実施例〕以下に、本発明の新規スカベンジャーレセプターに関して、実施例に沿って詳細に説明するが、これら実施例の開示によって、本発明が限定的に解釈されるべきでないことは勿論である。すなわち、ESTデータベースの検索(実施例1)、スクリーニング用プローブの作製(実施例2)、ヒト胎盤由来cDNAライブラリーのスクリーニング(実施例3)、新規ヒトスカベンジャーレセプターの塩基配列の決定(実施例4)、ならびに新規マウススカベンジャーレセプターのcDNAの取得(実施例5)、さらに、新規ヒトスカベンジャーレセプターを一過性に発現するトランスフェクタントの作製方法(実施例6および7)、新規ヒトスカベンジャーレセプターを安定に発現するトランスフェクタントの作製方法(実施例8および9)、新規ヒトスカベンジャーレセプターの結合特異性の検証(実施例10)、貧食能の証明(実施例11)、そして血管内皮細胞での発現の証明(実施例12)を例証したので以下に説明する。実施例1:ESTデータベースの検索既知のコレクチンすなわち、ヒトMBP、ヒトSP−AおよびヒトSP−Dのアミノ酸配列(図2および3参照、図中、相同と認められるアミノ酸残基部分に囲みを付した)を比較することにより、分子間に保存性の高い領域の検索を行った。この結果、ヒトMBPのアミノ酸配列における第220番目から246番目までの27アミノ酸(図3、白抜文字部分、配列番号5)に保存性が高いことが明かとなったので、この領域に相当するコンセンサス配列をいくつか作成し、EST(Expressed Sequence Tags)データベースの検索を行った。FSTデータベースは、1996年10月11日に、676750件の配列を含むものを使用した。その結果、上記27アミノ酸の配列と相同性の高いアミノ酸配列を含むデータがいくつか得られた。得られたデータのアミノ酸配列についてGenBank/ESTデータベースの検索を行い、既知または未知物質のいずれであるかを判定した結果、コンセンサス配列として、Glu−Lys−Cys−Val−Glu−Met−Tyr−Thr−Asp−Gly−Lys−Trp−Asn−Asp−Arg−Asn−Cys−Leu−Gln−Ser−Arg−Leu−Ala−Ile−Cys−Glu−Phe(配列番号6)で示されるアミノ酸配列を用いて検索したときに得られたデータの中に、相同性は高いが未知の塩基配列を含む2種のデータ(登録番号:W72977およびR74387)を得ることができた。これらは、それぞれ、胎盤由来および胎児心臓由来であり、新規コレクチンの塩基配列の一部を示すクローンであった。そこで、このうち、胎児心臓由来のクローン(I.M.A.G.E.Consortium Clone ID 34472)をATCC(American Type Culture Collection)より購入して、以下の新規スカベンジャーレセプター取得のためのスクリーニング用プローブ作製に利用した。実施例2:スクリーニング用プローブの作製上記クローンのインサートDNAの塩基配列を、プライマー(ファルマシア社製、M13 Universal Primer(配列番号7、5’−フルオレセイン−cgacgttgtaaaacgacggccagt−3’)およびM13 Reverse Primer(配列番号8、5’−フルオレセイン−caggaaacagctatgac−3’))で決定した。この塩基配列から読取枠をコレクチンのアミノ酸配列に合わせて、そこから読み取ることができるアミノ酸配列に相当する塩基配列を抽出し、この一部分に相当するジゴキシゲニン(DIG)ラベルcDNAプローブ用プライマー(Reverseプライマー、caatctgatgagaaggtgatg(配列番号9)およびForwardプライマー、acgaggggctggatgggacat(配列番号10)を、アプライドバイオシステムズ社製392A DNA/RNAシンセサイザーを用いて作製した。DIGラベルは、PCR DIGプローブ合成キット(ベーリンガー・マンハイム社製)を用いて行った。反応組成は以下のとおりである(プラスミドDNA(クローンW72977、50ng/μl):2μl(100ng)、10x緩衝液:5μl、25mM MgCl2:5μl、dNTP(PCRラベリングミックス):5μl、20μM Reverseプライマー:2.5μl、20μM Forwardプライマー:5μl、H2O:28μl、Taqポリメラーゼ:0.5μl)。PCR反応は、アトー社製ザイモリアクターを用いて、92℃1分、55℃1分、72℃2分のサイクルを35回行った。実施例3:ヒト胎盤由来cDNAライブラリーのスクリーニング先ず、以下のようにヒト胎盤由来ファージcDNAライブラリーのタイトレーションを行った。mLB培地(10mM MgSO4および0.2%マルトースを含むLB培地(1gトリプトン、0.5gイーストエキストラクト、0.5g NaCl/100ml)で37℃にて16時間培養したEscherichia coli Y1090r−0.2mlと、SM緩衝液(5.8g NaCl、2g MgSO4・7H2O、2M Tris−HCl(pH7.5)25ml、5ml 2%ゼラチン/L)で段階希釈したcDNAライブラリー0.1mlを37℃15分インキュベートし、その後2.5mlのLB−TOPアガロース(0.75%アガロース/LB培地)に加え均一とし、90mmφ LB培地プレート(岩城硝子社製)(1.5%アガー/LB培地)にまいた。15分間室温で固化させ、42℃にて5時間インキュベーションした。各プレートのプラークを計数後、ファージのタイターを計算により求めた。その結果、タイターは2.1x1010pfu/mlであった。このようにタイトレーションを行ったcDNAライブラリーにつき、実施例2で作製したプローブを用いて以下の通りにスクリーニングを行った。mLB培地で37℃にて16時間培養したEscherichia coli Y1090r−0.6mlとSM緩衝液で希釈したcDNAライブラリー1x 105pfuを、37℃にて15分間インキュベートし、その後7.5ml LB−TOPアガロース(0.75%アガロース)に加えて均一とした。これを140mm2のLB培地角プレート(日水製薬社製)にまいたものを10枚作製し、15分間室温で固化させ、42℃にて5時間インキュベーションした。プラーク形成を確認後、次に、ナイロンメンブレンへの転写を行った。転写は、ナイトラン(Nytran)13N(シュライヒャーアンドシュウェル社製(Schleicher and Schuell Co.))を用いて行った。12.5cm x 9.0cmのフィルターを蒸留水に浸けて10分間湿らせた後、ワットマン3MM紙上において余分な水分を除去し、プラークを形成したプレート上にフィルターを置いた。2分間放置した後、フィルターを剥がし、10分間風乾させた。0.2M NaOH/1.5M NaClにより2分間ファージDNAを変性させ、0.4M Tris−HCl(pH7.6)/2x SSCで2分間中和し、2x SSCで2分間洗浄を行った。その後、GS GENE LINKER(バイオラッド社製)で紫外線照射することによりファージDNAをメンブレンに固定した。ハイブリダイゼーションおよびシグナルの検出は以下の様に行った。フィルターを2x SSCで湿らせ、余分な水分をワットマン3MM紙で除去し、ハイブリダイゼーションバックに移しハイブリダイゼーション溶液(5x SSC、1%ブロッキング剤、0.1% N−ラウロイルサルコシン、0.02%SDS)と68℃にて1時間プレハイブリダイゼーションを行った。続いて、バックからハイブリダイゼーション溶液を除き、そこへDIGでラベルしたcDNAプローブを10ng/mlになるように調製したハイブリダイゼーション溶液を加え、55℃にて16時間ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション終了後、フィルターは室温にて2x SSC/0.1%SDS溶液で5分間、2回洗浄し、55℃にて、0.5x SSC/0.1%SDS溶液で15分間2回洗浄した次にDIG緩衝液I(100mM Tris−HCl、150mM NaCl(pH7.5))で1分間、SDSを除去し、DIG緩衝液II(1%ブロッキング剤、DIG緩衝液I)で30分間、フィルターのブロッキングを行った。DIG緩衝液Iで1分間洗浄し、次いでDIG緩衝液IIで抗DIGアルカリフォスファターゼ標識抗体(ベーリンガー・マンハイム社製)を5000倍希釈した溶液を加えて、30分間抗体反応を室温で行った後、室温でDIG緩衝液Iで15分間2回洗浄した。DIG緩衝液III(100mM Tris−HCl、100mM NaCl(pH9.5)、50mM MgCl2)で3分間処理することによりMg2+の濃度を高め、NBT/BCIP(和光純薬社製)をDIG緩衝液IIIに加えた溶液で発色させたところ、10個の陽性クローンが得られた。これらのクローンに相当するプラークをプレートから切り出し、SM緩衝液1mlを入れたチューブに加え、10分間撹拌した後SM緩衝液で段階希釈し、この希釈液0.1mlとmLB培地で37℃16時間培養したEscherichia coli Y1090r−0.2mlを混ぜ、37℃にて15分間インキュベートした。その後、混合液を2.5ml LB−TOPアガロースに加えて均一とし、90mmφLB培地プレートにまいたものを10枚作製し、15分間室温で固化させ、42℃にて5時間インキュベーションし、いくつかのプラークを得、一次スクリーニングと同様にして二次スクリーニングを行った。実施例4:新規ヒトスカベンジャーレセプターの塩基配列の決定二次スクリーニングで得られた陽性クローンのうち適切と考えられるクローンのプラークをプレートから切り出し、蒸留水200μlを入れたチューブに加えて30分間室温で撹拌した後、15,000rpmで5分間遠心分離し、上清を得た。得られた上清を鋳型とし、TaKaRa LA PCR Kit Ver.2(宝酒造社製)を用い、PCRによりインサートDNAを増幅させた。PCRの反応組成は以下のとおりである(上清:27μl、10x LA PCR緩衝液II(Mg2+不含):5μl、25mM MgCl2:5μl、dNTPミックス:8μl、20μM λgt11 Reverseプライマー(配列番号11、5’−ttgacaccagaccaactggtaatg−3’):2.5μl、20μM λgt11 Forwardプライマー(配列番号12、5’−ggtggcgacgactcctggagcccg−3’):2.5μl、LA taqポリメラーゼ:0.5μl、H2O:全容量50μlになるように添加)。PCR反応は、アプライドバイオシステムズ社製ジーンAmp PCRシステム9600を用いて、98℃20秒、68℃5分のサイクルを30回行った。PCR産物は、1%アガロースゲル電気泳動にて確認後、ゲルからの切り出しにより精製した。精製には、ファルマシア社製Sephaglas BandPrep Kitを用いた。切り出したDNA断片は、インビトロジェン社製TAクローニングキットのpCR2.1ベクターに組み込んだ。組換えたベクターは、インビトロジェン社製TAクローニングキットに含まれるTOP10F’細胞に形質転換した。形質転換体をLB培地(100μg/mlアンピシリン)で培養し、アルカリSDS法により各クローンにつき3種類のプラスミドDNAを抽出した。得られたDNAを適当と考えられる制限酵素で切断し、各DNA断片をpUC18ベクターに組込み、XL1−Blue cellに形質転換した。形質転換体をLB培地(100μg/mlアンピシリン)で培養し、アルカリSDS法によりプラスミドを抽出した。CL−P1−2−1からは、EcoR I−Hind IIIフラグメント、Hind III−EcoR Iフラグメントを含むプラスミド、CL−P1−3−4からは、EcoR I−BamH Iフラグメント、BamH I−Sma Iフラグメント、Sma I−Hind IIIフラグメント、Kpn I−Sau3A Iフラグメント、Sau3A I−EcoR Iフラグメント、EcoR I−Kpn Iフラグメント、EcoR I−Sma Iフラグメントを含むプラスミド、CL−P1−3−7からは、EcoR I−BamH Iフラグメント、BamH I−Sma Iラグメント、Sma I−Hind IIIフラグメント、Kpn I−Sau3A Iフラグメント、Sau3A I−EcoR Iフラグメント、EcoR I−Kpn Iフラグメント、Kpn I−EcoR Iフラグメントを含むプラスミドを得た。プライマーはAutoRead Sequencing Kit(ファルマシア社製)添付のM13 Universal Primer(配列番号7)、M13 Reverse Primer(配列番号8)およびFITC(ファルマシア社製FluorePrime)にてラベルした以下のプライマーをDNA/RNAシンセサイザーを用いて作成し、ファルマシア社製オートリード・シークエンシング・キットおよびA.L.F.オートシーケンサーで全領域の塩基配列を決定した。以上実施した塩基配列決定における概略は、図4に示す通りである。図4(a)に、得られたスカベンジャーレセプターのコレクチン構造部分のORFが示され、この中のG−X−Y(Gはグリシンを示し、XおよびYはいかなるアミノ酸残基であってもよい)はコラーゲン様領域を表すものである。また、図4(b)に、上記各プライマー名、シーケンサーにより読み取られた塩基配列(矢印により表される)ならびにM13 Universal Primer(Uで表される)およびM13 Reverse Primer(Rで表される)を示す。さらにCap site cDNAを用いて、この配列の転写開始点を含む5’末端領域の塩基配列を決定した。Cap Site cDNA,Human Liver(NIPPON GENE社製)により、添付の1RC2 Primer(5’−caaggtacgccacagcgtatg−3’(配列番号17))およびApplied Biosystems社製392A DNA/RNAシンセサイザーにより合成したTGP1 Primer(5’−tcttcagtttccctaatccc−3’(配列番号18))を用いて第1回PCRを行った。反応混液は、総液量50μlにて、LA PCR Buffer II(Mg2+不含)、2.5mM MgCl2、それぞれ200μMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP(以上宝酒造社製)を1μl:Cap Site cDNA Human Liver,0.5μM 1RC2 Primer(以上NIPPON GENE社製)、ならびに0.5μM TGP1 Primerを含むものとした。PCRは、熱変性95℃にて20秒、アニーリング60℃にて20秒、伸長反応72℃にて20秒を35サイクル、また繰り返し反応前に熱変性95℃にて5分、最後に伸長反応72℃にて10分を含むプログラムで行った。第1回PCR終了後、nested PCRを行った。第1回PCR産物1μlを鋳型とし、プライマーは添付の2RC2 Primer(5’−gtacgccacagcgtatgatgc−3’(配列番号19))および合成TGP2 Primer(5’−cattcttgacaaacttcatag−3’(配列番号20))(TGP1 Primerと同様にして合成したもの)を用い、第1回PCRと同様の反応組成、プログラム(但し、サイクル数は25サイクル)で行った。以上のPCR反応は宝酒造社製TaKaRa PCR Thermal Cycler480により行った。得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動により確認後、バンドをゲルより切り出し、−80℃,10min.凍結し、15000rpm,10min.遠心分離後、上清をエタノール沈澱することにより精製した。精製したDNA断片は、Novagen社製pT7Blue Vectorに組み込み、このベクターをコンピテントセルXL1−Blue細胞に形質転換した。形質転換体をLB培地(100μg/mlアンピシリン)で培養し、アルカリSDS法によりプラスミドを抽出し、Pharmacia社製AutoRead Sequencing KitおよびA.L.F.DNA Sequencerで塩基配列の決定を行った。プライマーはAutoRead Sequencing Kit添付のM13 Universal Primer(配列番号7)およびM13 Reverse Primer(配列番号8)を用いた。さらに、N末端の確認のために得られたcDNAクローンのN末端部分のシークエンスから上流方向のプライマー:5’−atcttgctgcagattcgtgac−3’(配列番号21)を合成し、胎盤由来cDNAライブラリー(クローンテック社製)のスクリーニングを行った。 スクリーニングは合成した上流方向のプライマー:5’−atcttgctgcagattcgtgac−3’(配列番号21)とベクターに含まれる一部分のプライマーλgt11 5’Sequencing Primer:5’−gactcctggagcccg−3’(配列番号22)を用いてPCRにより行った。2.5mM MgCl2、1x LA PCR Buffer II(Mg2+不含)、2U TaKaRa LA Taq、プライマー2種(5’−atcttgctgcagattcgtgac−3’(配列番号21)、λgt11 5’Sequencing Primer:5’−gactcctggagcccg−3’(配列番号22))をそれぞれ0.2μM、胎盤由来cDNAライブラリー1μl、水を全量50μlとなるように加え反応液を調製し、94℃で2分間を1サイクル、94℃で30秒間、60℃で30秒間、72℃で1分30秒間を50サイクル行った。得られたcDNAをアガロースゲル電気泳動により分離し、エチジウムブロマイド溶液(0.1μg/ml)で染色を行い、トランスイルミネーターで泳動パターンを確認したところ、約600bp相当のインサートが増幅されていることがわかった。そこで、この増幅された部分をアガロースゲルより切り出し、−80℃、10min.凍結し、15000rpm,10min.遠心分離後、上清を取り、エタノール沈殿することにより精製した。精製したDNA断片を、Novagen社製 pT7BlueVectorに組み込み、このベクターを大腸菌XLI−Blueのコンピテントセルに形質転換した。形質転換体は、LB培地(50μg/mlアンピシリン)にて培養し、アルカリSDS法にて、プラスミドを抽出し、PE Applied Biosystems社製DNA Sequencing KitおよびシークエンサーABI PRISM 377で塩基配列の決定を行った。プライマーはPharmacia社製AutoRead Sequencing kit添付のM13 Universal Primer(配列番号7)およびM13 Reverse Primer(配列番号8)を用いた。この結果、得られた塩基配列からN末端側に604塩基さらに長い配列であることが明らかとなった。以上のことから、ここで得られたhSRCL−P1のcDNAは2628塩基を含み、2226塩基のORF(転写解読枠)を有し(配列番号1)、配列番号2に示される742のアミノ酸をアミノ酸をコードしていることが確認できた。次いで、GenBankデータベースでDNAおよびアミノ酸についての相同性の検索を行った結果、得られたアミノ酸配列は、従来見出されているコレクチン/スカベンジャーレセプターのいずれとも異なる新規タンパク質の配列であることが明らかとなった。また、配列番号2に示すアミノ酸配列の第483〜606番目のアミノ酸が欠失した、配列番号23に示す塩基配列の第74〜1933番目によってコードされる変異体(配列番号24)が得られた。実施例5:新規マウススカベンジャーレセプターのcDNAの取得hSRCL−P1と同様の方法により、マウス肝臓cDNAライブラリーのスクリーニングを行うことによりmSRCL−P1遺伝子を得ることができた。得られたmSRCL−P1のcDNAクローンは2637塩基を含み、2226塩基のORF(転写解読枠)を有し(配列番号3)、配列番号4に示される742のアミノ酸をアミノ酸をコードしていることが確認できた。実施例6:hSRCL−P1の一過性発現ベクターpEGEP−N1−hSRCL−P1の構築まず、配列番号1に示すhSRCL−P1の開始コドンから終止コドンまでをccgctcgagcggtcaccatgaaagacgactの塩基配列(配列番号25)からなるプライマーとtccccgcggtaatgcagatgacagtactgtの塩基配列(配列番号26)からなるプライマーを用いて、ヒト胎盤由来cDNAライブラリーを鋳型として、PCR(タカラ社製:Takara Thermal Cycler MP)により増幅させた。得られたhSRCL−P1 cDNAをpT7Blue T−Vector(Novagen社製)にライゲーションし、大腸菌XLI−Blueにトランスフォメーションを行った。得られたクローンからhSRCL−P1 cDNAを含むプラスミドを精製した。シークエンサーにより得られたプラスミドの塩基配列を確認した後、誤りのないプラスミドを制限酵素Xho IとSac IIで消化して、同様の酵素で消化し精製したpEGFP−N1ベクター(クローンテック社製)にライゲーションを行った。ライゲーションしたプラスミドは、大腸菌XLI−Blueにトランスフォメーション後、得られたクローンを培養し、プラスミドを精製し、一過性発現ベクターpEGFP−N1−hSRCL−P1とした。実施例7:一過性発現システムを用いたhSRCL−P1の発現実施例6で得られた発現ベクターpEGFP−N1−hSRCL−P1とLIPOFECTAMINE2000(LF2000)Reagent(GIBCOBRL社製)を用いて、CHO細胞における一過性発現を試みた。まず、LF2000 Reagent溶液(LF2000 Reagent 12μl、Nutrient Mixture F−12 Ham(Ham’s F−12培地、(シグマ社製)))0.2mlを準備し、5分間室温でインキュベートした後、ベクター溶液0.2ml(pEGFP−N1−hSRCL−P1ベクター4μg、Ham’s F−12培地)と混和し、20分間インキュベートした。その後、35mmシャーレにて2ml Ham’s F−12培地(5%FCS含む)で高密度にまで培養したCHO細胞に添加した。4時間、37℃、5%CO2下で培養を行った後、新しい培地と交換し、さらに続けて20時間、37℃、5%CO2下で培養を行った。発現の有無に関しては、オリンパス社製倒立型システム顕微鏡IX70の蛍光観察システムにより、GFPの蛍光像の観察を行うことにより確認できた。このようにして得られた細胞を、一過性にhSRCL−P1を発現した細胞とした。実施例8:hSRCL−P1の安定発現細胞株作成用ベクターpcDNA3.1/Myc−His A−hSRCL−P1の構築まず、配列番号1に示すhSRCL−P1の開始コドンから終止コドンまでをaatgcggccgcaccatgaaagacgacttcgcagagの塩基配列(配列番号27)からなるプライマーとgctctagaccgcggtaatgcagatgacagtacの塩基配列(配列番号28)からなるプライマーを用いて、ヒト胎盤由来cDNAライブラリーを鋳型として、PCR(タカラ社製:Takara Thermal Cycler MP)により増幅させた。得られたhSRCL−P1 cDNAをpT7Blue T−Vector(Novagen社製)にライゲーションし、大腸菌XLI−Blueへのトランスフォメーションを行った。得られたクローンからhSRCL−P1 cDNAを含むプラスミドを精製し、シークエンサーにより塩基配列を確認後、誤りのないプラスミドを制限酵素Not IとSac IIで消化して、同様の酵素で消化し精製したpcDNA3.1/Myc−His Aベクター(Invitorogen社製)にライゲーションを行った。ライゲーションしたプラスミドは大腸菌XLI−Blueにトランスフォメーションした後、得られたクローンを培養し、プラスミドを精製して、安定細胞株作成用ベクターpcDNA3.1/Myc−His A−hSRCL−P1とした。実施例9:hSRCL−P1の安定発現細胞株の作成実施例8で得られた発現ベクターpcDNA3.1/Myc−His A−hSRCL−P1とLIPOFECTAMINE 2000(LF2000)Reagent(GIBCOBRL社製)を用いて、hSRCL−P1の安定発現を試みた。まず、LF2000 Reagent溶液0.5ml(LF2000 Reagent 30μl、Ham’s F−12培地)を準備し、5分間室温でインキュベートした後、ベクター溶液0.5ml(ベクター10μg、Nutrient Mixture F−12 Ham(Ham’s F−12培地)(シグマ社製))と混和し、20分間インキュベートした。その後、25cm2フラスコにて5ml Ham’s F−12培地(5%FCS含む)で高密度にまで培養したCHO細胞に添加した。4時間、37℃、5%CO2下で培養を行った後、新しい培地と交換し、さらに続けて20時間、37℃、5%CO2下で培養を行った。次に、培地をHam’s F−12培地(5%FCS、0.4mg/ml Geneticin(GIBCOBRL社製)含む)に交換し、さらに、10日間培養を行った。途中一度培地交換を行った。この10日間の薬剤セレクションにより、形質転換細胞のみが生存し増殖したが、形質転換されなかった細胞は死滅した。得られた形質転換細胞から高発現な細胞を得るために、セルソーター(Becton Dickinson社製)によりソーティングを行った。まず細胞表面に発現させたhSRCL−P1の染色を行った。形質転換した25cm2フラスコの細胞を5ml PBS(−)で2回洗浄した後、EDTA solution 0.02%(ナカライテスク社製)0.3mlで細胞をはがし、10ml PBS(−)に懸濁した後、200x g、7分間、4℃で遠心後、上清を除去した。残った細胞に抗myc抗体(Invitorogen社製)を2% FCS/PBS(−)で10倍希釈した溶液を50μl添加し、よく細胞を懸濁した後、4℃で20分間インキュベーションした。その後、2% FCS/PBS(−)を10ml添加し懸濁した後、200x g、7分間、4℃で遠心後、上清を除去することにより洗浄を行った。残った細胞に、2% FCS/PBS(−)で10倍希釈した二次抗体Alexa488標識抗マウスIgG(H+L)溶液を50μl添加し、よく細胞を懸濁した後、4℃で20分間インキュベーションを行った。その後、2% FCS/PBS(−)を10ml添加し懸濁した後、200x g、7分間、4℃で遠心後、上清を除去することにより洗浄を行った。残った細胞を2% FCS/PBS(−)を0.5mlに懸濁し、ソーティングサンプルとした。サンプルはセルストレーナーキャップ付き5mlチューブ(Becton Dickinson社製)を通した後にセルソーターにかけた。同様に処理した形質転換していないCHO細胞をコントロールとして、蛍光強度が10倍以上コントールよりも高いものをセレクションした。これらの細胞を、あらかじめ、Ham’s F−12培地(5%FCS、0.4mg/ml Geneticin含む)を100μlずつ入れておいた96穴細胞培養用プレートに1穴あたり1細胞ずつ分配した。37℃、5%CO2下で培養を行い、1週間培養後、さらに、100μlずつ培養液を加え、さらに1週間培養を行った。Geneticinによる薬剤セレクションにより増殖してきたクローンを2分割して、12穴および24穴細胞培養用プレートに継代した。このとき、1穴に2細胞以上から増殖してきているようなクローンは除外し、12穴および24穴細胞培養用プレートには9:1の細胞比で細胞を播いた。37℃、5%CO2下で培養を行い、12穴のプレートの細胞が高密度にまで達した時、再び個々のクローンをソーティングにかける際と同様に染色後、FACSCalibur(Becton Dickinson社製)にかけて、発現量の確認を行った。発現量の高いクローンを確認した後、それぞれ対応する24穴のプレートの細胞を、安定発現細胞株(CHO/hSRCL−P1)とした。実施例10:hSRCL−P1の結合特異性実施例9で得られた安定発現細胞株CHO/hSRCL−P1を用いて(1)酵母(Zymosan A Bioparticles、Molecular Probes社製)、グラム陰性細菌(Escherichia coli Bioparticles、Molecular Probes社製)もしくはグラム陽性細菌(Staphylococcus aureus Bioparticles、Molecular Probes社製)、(2)酸化LDL(2.0mg/ml LDLに50μMのCuSO4を添加し21時間反応させたものをPBS(−)に透析したものである。)、(3)AGE−HSA(AGE−ヒト血清アルブミン、Ikeda,K.et al.,Biochemistry 35(24),8075−8083(1996)に従って調製)、または(4)マンノース(α−D−Mannose BP−Probe、生化学工業社製)もしくはフコース(α−L−Fucose BP−Probe、生化学工業社製)に対するhSRCL−P1の結合特異性を調べた。先ず、CHO/hSRCL−P1を35mmボトムディシュ(松浪ガラス社製)に1x 105細胞播き、3日間37℃、5%CO2下で培養を行った。培養はHam’s F−12培地(5%FCS、0.4mg/ml Geneticin含む)2mlで行った。3日後、2%FCSを含むMinimum Essential Medium Alpha Medium(αMEM/2%FCS)1mlで2回洗浄後、25μg/ml酵母、25μg/mlグラム陰性細菌、25μg/mlグラム陽性細菌、5μg/ml酸化LDL、10μg/ml AGE、または10μg/mlマンノースもしくは、10μg/mlフコースを含むαMEM/2%FCSをそれぞれ1ml添加し、4℃で3時間反応させ、その後1ml αMEM/2%FCSで5回洗浄した。結合は以下のようにして確認した。先ず(2)、(3)および(4)に関しては、それぞれ、抗酸化フォスファチジルコリン抗体(2)、抗HSA抗体(BIOSYS社製)(3)、streptavidin,Alexa594 conjugate (Molecular Probes社製)(4)をそれぞれαMEM/2%FCSで100倍希釈して1ml添加し、さらに4℃で30分間インキュベーションし、その後、1ml αMEM/2%FCSで3回洗浄した。次に、(1)から(4)すべてについて、4%パラホルムアルデヒド/PBS(−)溶液0.2mlを添加し、室温で20分間インキュベーションすることにより固定を行い、1ml TBSC(宝酒造社製TBS(Tris−Buffered Saline)Powderを規定量に滅菌蒸留水で調整したものに最終濃度5mMになるようにCaCl2を添加した緩衝液)で3回洗浄した。次に(2)および(3)に関しては、二次抗体との反応を行った。すなわち、それぞれローダミン標識抗マウスIgM Mu Chain(Chemicon International社製)(2)およびAlexa 594抗ヤギIgG(H+L)(Molecular Probes社製)(3)を25%BlockAce(大日本製薬社製)/TBSCで200倍希釈して1ml添加し、さらに室温で30分間インキュベーションし、その後、1ml TBSCで3回洗浄した。次いで、(1)から(4)についてSlowFade Light Antifade Kit(Molecular Probes社製)を用いてマウントし、蛍光顕微鏡での観察サンプルとした。各サンプルについて、オリンパス社製倒立型システム顕微鏡IX70の蛍光観察システムにより蛍光像の観察を行った。その結果を、(1)については図5(A:酵母、B:グラム陰性細菌(Escherichia coli)、およびC:グラム陽性細菌(Staphylococcus aureus))に、(2)〜(4)については図6(A:酸化LDL、B:マンノース、およびC:AGE)にそれぞれ示す。これらの図面より明らかなとおり、(1)から(4)全てにおいて、hSRCL−P1を安定に発現しているCHO細胞に、特異的な結合像を観察することができ、微生物を用いた図5A〜Cに示す結果では、それぞれhSRCL−P1の染色箇所(各左図、緑色染色)と各微生物の存在箇所(各中央図、赤色染色)とが重複(Overlap、各右図)しており、各微生物はhSRCL−P1に特異的に結合していることが明示された。なお、一過性にhSRCL−P1を発現させた細胞(実施例7参照)においても同様に、特異的結合を示す結果が得られた。実施例11:hSRCL−P1のファゴサイトーシスによる結合物の細胞内取り込み実施例7および9で得られたhSRCL−P1の一過性発現細胞および安定発現細胞株を用いて、実施例10に用いた各結合物の細胞内取り込みを観察した。実施例10に記載した方法を改良して、結合物との反応温度を37℃として行うことにより、結合物の取り込みを確認した。染色後、細胞内への取り込みの状態は、オリンパス社製共焦点レーザー顕微鏡を用いた三次元画像処理によって観察した。一過性発現細胞を用いた場合の結果を、酵母に対して得られたものについて図7に示すが、酵母(赤色染色)がhSRCL−P1(緑色発色)を発現している細胞内に取り込まれていること明らかとなった。また、安定発現細胞株を用いても同様の結果が得られた。実施例12:血管内皮細胞でのSRCL−P1発現の証明hSRCL−P1の組織での発現・局在を確認するため、健常人およびマウス由来心臓のパラフィン包埋切片(Novagen社製)を用い、以下の操作により、蛍光免疫染色を実施した。パラフィン包埋切片のスライドを染色バット中で、キシレンに室温で10分間、3回浸し、脱パラフィン処理を行った。その後100%−90%−80%−70%エタノールに室温で10分間ずつ、PBS(−)溶液に10分間順次浸し、ハイドレーション処理を行った。次に組織切片上の内因性のペルオキシダーゼ活性を抑制するため、スライドを3%過酸化水素含有PBS(−)溶液に室温で10分間浸した後、ブロックエース(大日本製薬社製)に室温で1時間浸し、ブロッキング処理を行った。次いで湿潤箱中で一次抗体として抗hSRCL−P1ラビットポリクローナル抗体(IgGフラクション、100μg/ml)100μlを組織切片に塗布し、室温で30分間反応させた。一次抗体を染色バット中で、洗浄液(Tris−HCl:pH7.5,0.15M NaCl,0.05%Tween20)に浸し、室温で10分間緩やかに振とうしながら3回洗浄した後、二次抗体としてPOD(ペルオキシダーゼ)標識抗ラビットIgGヒツジ抗体(Boehringer Mannheim社製)を5U/mlの濃度で一次抗体の時と同様に反応させ、洗浄した。その後Biotinyl Tyramide Amplification Reagent(NEN(商標名)、Life Science Products社製)をスライドに塗布し、室温で10分間反応させ、一次抗体の時と同様に洗浄した。Avidin Alexa Fluor(商標名)488 conjugate(Molecular Probes社製)1mg/mlをPBS(−)溶液にて100倍に希釈し、その100μlを湿潤箱中でスライド上の組織切片に塗布し、室温で30分間反応させ、一次抗体の時と同様に洗浄した後、SlowFade Light Antifade Kit(Molecular Probes社製)を用いてマウントし、蛍光顕微鏡(ニコン社製)での観察サンプルとした。また一次抗体のかわりに正常ウサギ血清を反応させ、同様の処理を行ったスライドを陰性コントロールとした。その結果、図8に示すように、A:健常人およびB:マウスともに、心臓の血管内皮細胞に染色像が観察され(各左図)、かかる染色像は陰性コントロール(各右図)にはまったく認められなかった。従って、SRCL−P1は、心臓では血管内皮細胞に発現していることが明らかになり、ここで血管壁への酸化LDLやAGEなどの結合に関与している可能性が示唆された。【発明の効果】本発明のSRCL−P1タンパク質は、SR構造およびコレクチン構造を有していることから、それらに特有の効果を示す物質と考えられ、マクロファージおよび基礎免疫の機能の解明、動脈硬化、糖尿病性合併症およびアルツハイマー病、高βリポ蛋白血症、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症、低αリポ蛋白血症、移植、アテレクトミーおよび血管形成後再狭窄、細菌感染症等を始めとする各種疾患等の発症機構の解明、さらにその診断、予防および治療法、ならびにそれらのための試薬や医薬の開発に利用できるものである。【配列表】【図面の簡単な説明】図1は、従来報告されている主なコレクチンの基本構造およびタンパク質の概観を示す図である。図2は、従来報告されている3種のコレクチンのアミノ酸配列のアラインメントの前半部分を示す図である。図3は、図2と同様のアラインメントの後半部分を示す図である。図4(b)は、本発明の新規スカベンジャーレセプターの塩基配列を決定するために使用した各プライマーの名称と、シーケンサーにより読み取られた塩基配列を示す図であり、図4(a)は、得られた新規コレクチンのORFを示す図である。図5は、A:酵母、B:グラム陰性細菌(Escherichia coli)、およびC:グラム陽性細菌(Staphylococcus aureus)が、hSRCL−P1を発現している細胞に特異的に結合する様子を示す図である。図6は、A:酸化LDL、B:マンノース、およびC:AGEが、hSRCL−P1を発現している細胞に特異的に結合する様子を示す図である。図7は、酵母がhSRCL−P1を発現している細胞内に取り込まれている様子を示す図である。図8は、A:健常人およびB:マウスの心臓の血管内皮細胞に、hSRCL−P1が発現されている様子を示す図である。 配列番号:2に記載の742個のアミノ酸からなる精製および単離されたタンパク質。 請求項1に記載のタンパク質をコードする精製および単離されたポリヌクレオチド。 配列番号:1に記載の塩基配列の第74位〜第2299位の連続する塩基からなる請求項2に記載のポリヌクレオチド。 配列番号:24に記載の618個のアミノ酸からなる精製および単離されたタンパク質。 請求項4に記載のタンパク質をコードする精製および単離されたポリヌクレオチド。 配列番号:23に記載の塩基配列の第74位〜第1933位の連続する塩基からなる請求項5に記載のポリヌクレオチド。 配列番号:4に記載の742個のアミノ酸からなる精製および単離されたタンパク質。 請求項7に記載のタンパク質をコードする精製および単離されたポリヌクレオチド。 配列番号:3に記載の塩基配列の第92位〜第2317位の連続する塩基からなる請求項8に記載のポリヌクレオチド。 請求項2、3、5、6、8および9のいずれかに記載のポリヌクレオチドが組み込まれたベクター。 請求項2、3、5、6、8および9のいずれかに記載のポリヌクレオチドを導入して形質転換された宿主細胞。 請求項2、3、5および6のいずれかに記載のポリヌクレオチドで形質転換した宿主細胞を栄養培地で培養し、および、産生された請求項1または4に記載のタンパク質を当該宿主細胞または当該栄養培地から回収する、工程を含むタンパク質の製造方法。 請求項8または9に記載のポリヌクレオチドで形質転換した宿主細胞を栄養培地で培養し、および、産生された請求項7に記載のタンパク質を当該宿主細胞または当該栄養培地から回収する、工程を含むタンパク質の製造方法。 前記宿主細胞が、大腸菌、動物細胞または昆虫細胞である請求項12に記載の製造方法。 前記宿主細胞が、大腸菌、動物細胞または昆虫細胞である請求項13に記載の製造方法。 請求項1、4および7のいずれかに記載のタンパク質の発現をコードするcDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAからなる遺伝子を保有するトランスジェニック非ヒト動物。 前記遺伝子が、遺伝子発現調節部位が変異した改変遺伝子である請求項16に記載のトランスジェニック非ヒト動物。 請求項7に記載のタンパク質の発現をコードする遺伝子を欠いたノックアウトマウス。 請求項1、4および7のいずれかに記載のタンパク質に対して特異的なモノクローナル抗体。 以下の工程(a)〜(d)、すなわち;(a) ヒト以外の哺乳動物に、請求項1、4および7のいずれかに記載のタンパク質を投与し、(b) 抗体価を示した哺乳動物を選択し、(c) 選択した動物から脾臓またはリンパ節を摘出し、および(d) 摘出した脾臓またはリンパ節に含まれる抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製する、 工程を含む、ことを特徴とするモノクローナル抗体の製造方法。 請求項19に記載のモノクローナル抗体と請求項1、4および7のいずれかに記載のタンパク質との免疫学的結合性に基づいて、当該タンパク質を定量する方法。 請求項19に記載のモノクローナル抗体と請求項1、4および7のいずれかに記載のタンパク質との免疫学的結合性に基づいて、当該タンパク質を検出する方法。 動脈硬化症、糖尿病合併症、アルツハイマー病、高βリポ蛋白血症、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症、低αリポ蛋白血症、移植、アテレクトミー、血管形成後再狭窄および細菌感染症からなるグループから選択される疾病のための治療薬を、請求項1、4および7のいずれかに記載のタンパク質を用いてスクリーニングする方法。 酸化低密度リポタンパク質(酸化LDL)の蓄積に関与する疾病であって、かつ動脈硬化症、糖尿病合併症、アルツハイマー病、高βリポ蛋白血症、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症、低αリポ蛋白血症、移植、アテレクトミー、血管形成後再狭窄および細菌感染症からなるグループから選択される疾病のための治療薬をスクリーニングする方法であって、請求項1、4および7のいずれかに記載のタンパク質と当該酸化LDLとの結合量を、候補薬物の存在下および非存在下で比較して決定した、当該タンパク質と当該酸化LDLとの結合に対する当該候補薬物の阻害能力によって、当該治療薬を同定する工程を含む、ことを特徴とする治療薬のスクリーニング方法。 動物細胞に対する終末糖化産物(AGE)の結合が関与する疾病であって、かつ動脈硬化症、糖尿病合併症、アルツハイマー病、高βリポ蛋白血症、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症、低αリポ蛋白血症、移植、アテレクトミー、血管形成後再狭窄および細菌感染症からなるグループから選択される疾病のための治療薬をスクリーニングする方法であって、請求項1、4および7のいずれかに記載のタンパク質と当該AGEとの間の結合量を、候補薬物の存在下および非存在下で比較して決定した、当該タンパク質と当該AGEとの結合に対する当該候補薬物の阻害能力によって、当該治療薬を同定する工程を含む、ことを特徴とする治療薬のスクリーニング方法。


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