タイトル: | 特許公報(B2)_カチオン性界面活性剤を含有する頭髪トリートメント組成物 |
出願番号: | 2001544658 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 8/41,A61K 8/45,A61K 8/42,A61K 8/34,A61Q 5/02,A61Q 5/12 |
ジヤイルズ,コリン・デイビツド・クリストフアー JP 4815086 特許公報(B2) 20110902 2001544658 20001114 カチオン性界面活性剤を含有する頭髪トリートメント組成物 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 590003065 川口 義雄 100062007 井上 満 100105131 一入 章夫 100113332 大崎 勝真 100103920 相馬 貴昌 100117053 ジヤイルズ,コリン・デイビツド・クリストフアー GB 9929972.9 19991217 20111116 A61K 8/41 20060101AFI20111027BHJP A61K 8/45 20060101ALI20111027BHJP A61K 8/42 20060101ALI20111027BHJP A61K 8/34 20060101ALI20111027BHJP A61Q 5/02 20060101ALI20111027BHJP A61Q 5/12 20060101ALI20111027BHJP JPA61K8/41A61K8/45A61K8/42A61K8/34A61Q5/02A61Q5/12 A61K 8/00- 8/99 A61Q 1/00-90/00 CAplus/REGISTRY(STN) 特開2000−327544(JP,A) 特開平04−139113(JP,A) 特開昭56−034613(JP,A) 特開平03−157316(JP,A) 特開昭63−006168(JP,A) 5 EP2000011391 20001114 WO2001043719 20010621 2003516956 20030520 14 20070914 川島 明子 【0001】(技術分野)本発明は、頭髪トリートメント組成物、より特定的には洗浄効果及びコンディショニング効果を有している頭髪コンディショニングリンスに関する。【0002】(発明の背景)殆どの洗浄製品において主成分の1つは界面活性剤である。界面活性剤は、ゴミや汚れを除去するため、また、製品が洗浄剤として機能していることを認知できる指標を消費者に与える泡立ち性を洗浄製品に付与するために使用されている。【0003】従来の洗浄組成物で頭髪を洗浄すると、正常な油分が汚れや不要な油分と共に除去される。例えば、特に頻繁な洗髪によって正常な油分が過度に除去されると、髪を梳いたり髪形を整えたりすることが難しくなり、静電気によって髪が“舞い上がったり”する。更に、パーマをかける、髪を染める、逆毛を立てる、髪を脱色するなどのような頭髪処理は、髪の物理的状態に日光のような環境条件と同様の有害効果を与える。日光は髪の光触媒酸化を生じさせる。これらの要因によって、髪の質(texture)が悪化し、乾いているときも湿っているときも髪が扱い難くまた梳き難くなる。【0004】髪の状態を回復させるために頭髪コンディショナーが開発された。これらの組成物は通常はシャンプー後の髪に塗布し、暫くの間は髪に塗布しておき、濯ぎ落とす。髪の外観、手触り及び扱い易さを改善する製品が消費者の支持及び人気をより多く獲得するようになっている。【0005】従って、頭髪を“コンディショニングする”組成物は一般に、乾いた髪の静電気を減らし、乾いた髪及び湿った髪の梳き易さを増すことによって頭髪の扱い易さ、外観及び手触りを改善する。このようなコンディショニング製品は公知である。【0006】多くのコンディショニング製品は、長鎖第四アンモニウム化合物を脂肪アルコールのような脂質材料と組合せて含有している。このような製品は化粧品として特に優れた使用特性及びレオロジー特性を有しているが、頭髪を脂性または油性にし、汚れや皮脂が再付着し易い。【0007】近年には、二重機能をもつ便利な製品、例えば、シャンプー兼コンディショナーを消費者に提供するために洗浄用界面活性剤を主成分とする製品配合物により高いレベルの頭髪コンディショニング有効物質を含有させることも試行された。このような“ツー・イン・ワン”製品の目的は、配合物の洗浄特性及び泡立ち特性の双方をできるだけ維持しながら、頭髪コンディショニング有効物質を髪表面に最適に付着させることである。【0008】洗浄用界面活性剤を主成分とする配合物に頭髪コンディショニング剤を組合せるときには、双方の成分の競合作用に起因する問題が生じる。例えば、配合物中に1種または複数のコンディショニング剤を使用すると、界面活性剤の泡立ち特性が抑制される。また、界面活性剤とコンディショニング剤との反応または錯体形成によって有効に作用する界面活性剤の量が減少する。【0009】例えば、シリコーンまたは鉱油もしくは植物油のようなコンディショニング剤を配合物中に使用するときは、消費者に支持されるレベルの泡立ち及び洗浄効果をもつ配合物を提供するために通常は配合物中の界面活性剤の量を増加させる。しかしながら、配合物中の界面活性剤の使用量を増加すると、髪表面に付着するコンディショニング剤の量は減少する。即ち、高レベルの洗浄用界面活性剤はコンディショニング剤の有益な効果を失わせる。逆に、界面活性剤のレベルを変えないときは、コンディショニング剤のレベルを低下させる必要があり、この場合にもコンディショニング剤の有益な効果が失われる。【0010】特定の組合せのカチオン性界面活性剤を含有する頭髪コンディショニング配合物が優れた使用特性を維持しつつ頭髪保護効果を改善することがここに知見された。【0011】意外にも、本発明の配合物は、カチオン性界面活性剤を主成分としており通常はアニオン性または両性の界面活性剤を含有していないにもかかわらず、適格なレベルの洗浄及び泡立ちを生じることができ、しかも、従来の頭髪コンディショナーに対する消費者の要望に応えて湿った髪に滑らかな手触りを与えることが可能である。本発明の配合物は更に、髪のスタイリング適性を改善するという利点を提供する。【0012】(発明の概要)本発明は、洗浄特性及びコンディショニング特性を有している頭髪トリートメント組成物を提供する。本発明組成物は、水性媒体中の、(i)一般式(I):〔N(R1)(R2)(R3)(R4)〕+(X)−〔式中、R1は、16個以上の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖を表し、R2、R3及びR4は1−約30個の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖から独立に選択され、Xは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩及びアルキル硫酸塩ラジカルから選択されるアニオンのような塩形成アニオンを表す〕に対応する第一のカチオン性界面活性剤と、(ii)一般式(II):〔N(R1)(R2)(R3)(R4)〕+(X)−〔式中、R1は、8−20個、好ましくは8−18個、より好ましくは8−14個の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖を表し、R2、R3及びR4は、(a)1−約30個の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖、または、(b)1−約30個の炭素原子を有しており置換基として存在するかまたはラジカル連鎖中の結合として存在する1個または複数の芳香族、エーテル、エステル、アミドまたはアミノ部分を含有する官能化ヒドロカルビル鎖、から独立に選択され、Xは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩及びアルキル硫酸塩ラジカルから選択されるアニオンのような塩形成アニオンを表し、基R1−R4の少なくとも1つが、アルコキシ(好ましくはC1−C3アルコキシ)、ポリオキシアルキレン(好ましくはC1−C3ポリオキシアルキレン)、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アルキルエステル及びそれらの組合せから選択された1つまたは複数の親水性部分を含有する〕に対応するか、または、一般式(III):〔N(R1)(R2)(R3)(R4)〕+(X)−〔式中、R1は、5−30個の炭素原子を有している直鎖状または分枝状、好ましくは直鎖状の飽和または不飽和のヒドロカルビル鎖を表し、該鎖は直接にまたはアルキルエステル、アルキルアミドもしくはアルコキシもしくはそれらの組合せのような官能化リンク部分を介して第四窒素原子に結合されており、R2は、1−30個の炭素原子を有しており1個または複数のヒドロキシ基で置換されていてもよい直鎖状または分枝状、好ましくは直鎖状の飽和または不飽和のヒドロカルビル鎖を表し、R3は、1−30個の炭素原子を有しており、場合によっては、ヒドロキシ、アルコキシ及びポリオキシアルキレン基及びそれらの組合せから選択されヒドロカルビル鎖に置換基としてまたはヒドロカルビル鎖中の結合として適宜存在する1個または複数の基を含む直鎖状または分枝状、好ましくは直鎖状の飽和または不飽和のヒドロカルビル鎖を表し、R4は、1−30個の炭素原子を有しており、ヒドロキシ、芳香族、エーテル、エステル、アミド及びアミノ基及びそれらの組合せから選択されヒドロカルビル鎖に置換基としてまたはヒドロカルビル鎖中の結合として適宜存在する1個または複数の基を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和のヒドロカルビル鎖を表し、Xは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩及びアルキル硫酸塩ラジカルから選択されるアニオンのような塩形成アニオンを表す〕に対応する第二のカチオン性界面活性剤と、(iii)少なくとも12個の炭素原子から成る鎖長をもつ少なくとも1個の炭素鎖を有する脂質材料と、から成り、第一のカチオン性界面活性剤(i)と第二のカチオン性界面活性剤(ii)とを合わせた量が頭髪トリートメント組成物の2重量%を上回る量であることを特徴とする。【0013】(詳細な説明)本文中で使用されたヒドロカルビル鎖なる用語はアルキル鎖またはアルケニル鎖を意味する。【0014】一般式(II)−(VI)で使用されたヒドロカルビル鎖中の炭素原子の数は炭素原子の総数を意味しており、ヒドロカルビル鎖の置換基及びヒドロカルビル鎖中の結合基に炭素原子が存在するときはそれらも含めた炭素原子の総数を意味する。この定義から明らかなように、炭素原子を含む置換基はヒドロカルビル鎖の分枝であると考えてもよく、従ってヒドロカルビル鎖の結合であると考えてもよい。これはヒドロカルビル鎖の炭素原子の総数の計算には影響しない。【0015】疑問が生じないように、モノマー性第四アンモニウム化合物だけが、即ち、単一の第四窒素原子を含有する化合物だけがカチオン性界面活性剤(ii)となることを明記しておく。【0016】カチオン性界面活性剤(i)本発明の頭髪トリートメント組成物は第一必須成分として上記の一般式(I)に対応するカチオン性界面活性剤(i)を含有している。【0017】2個の長いアルキル鎖と2個の短いアルキル鎖とを含有するカチオン性界面活性剤が好ましく、または、1個の長いアルキル鎖と3個の短いアルキル鎖とを含むカチオン性界面活性剤が特に好ましい。このような化合物中の長いアルキル鎖は16個以上の炭素原子、好ましくは16−22個の炭素原子を有しており、対応する短いアルキル鎖は一般に1−3個の炭素原子、好ましくは1−2個の炭素原子を有している。【0018】本発明の組成物に最も好ましいカチオン性界面活性剤(i)は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド及びベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドから選択されたものである。上記のカチオン界面活性剤(i)の任意の混合物も適当である。【0019】本発明の組成物中で、カチオン性界面活性剤(i)のレベルは組成物の全重量を基準として好ましくは0.01−10重量%、より好ましくは0.1−7.5重量%、最も好ましくは0.2−5重量%である。【0020】カチオン性界面活性剤(ii)本発明の頭髪トリートメント組成物は第二必須成分として、上記の一般式(II)または(III)に対応するカチオン性界面活性剤(iii)を含有している。【0021】一般式(III)のカチオン性界面活性剤(ii)の好ましいサブセットは、式中の、R1が、8−20個、好ましくは8−18個、より好ましくは8−14個、いっそう好ましくは8−12個の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖を表し、ヒドロカルビル鎖を第四窒素原子に結合している官能価リンク部分が存在する場合、該リンク部分はC1−C3アルキルエステル、C1−C3アルキルアミドまたはC1−C3アルコキシであり、R2が、1−20個、好ましくは1−10個の炭素原子、より好ましくは1−4個の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖を表し、R3が、1−20個、好ましくは1−10個の炭素原子、より好ましくは1−4個の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖を表し、アルコキシもしくはポリオキシアルキレン置換基または結合基が存在する場合、これらの基はC1−C3の基であり、R4が、1−20個、好ましくは1−10個の炭素原子、より好ましくは1−4個の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖を表し、アルコキシもしくはポリオキシアルキレン置換基または結合基が存在する場合、これらの基がC1−C3の基であるような式(III)のカチオン性界面活性剤である。【0022】好ましい実施態様では、カチオン性界面活性剤(ii)は、一般式(IV):R〔C(O)−NH−(CH2)m〕n−N+(R1)(R2)−(CH2)p−C(O)−N(R3)(R4)(X−)〔式中の、Rは、5−30個、好ましくは8−20個、より好ましくは8−18個、いっそう好ましくは8−14個の炭素原子を有している直鎖状または分枝状のアルキルまたはアルケニル基であり、mは2または3に等しい整数であり、nは0または1に等しい整数であり、R1及びR2は独立に、1−4個の炭素原子を有するアルキル基、または、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルもしくはヒドロキシプロピル基であり、pは1−3の整数であり、R3は、基−(CH2)q−(O)y−(CH2−CH(R5)−O)r−Hを表し、ここに、qは1−5の整数であり、yは0または1に等しい整数であり、R5は水素原子またはメチル基であり、及び、rは0−10の整数であり、但し、rとyとが同時に0にはならないという条件付きであるか、または、基−(CH2)s−(CHOH)t−(CH2)u−CH3を表し、ここに、sは0−2の整数であり、tは0−6の整数であり、uは0−5の整数であるか、または、基−(CH2)v−(CHOH)w−CH2OHを表し、ここに、vは0または1に等しい整数であり、wは1−6の整数であり、R4は水素原子を表すかまたはR3と同義であり、Xは、水溶性塩形成アニオン、好ましくは塩化物、臭化物または水酸化物イオンを表す〕に対応するカチオン性界面活性剤である。【0023】この定義中、“R4はR3と同義である”という表現は、R3とR4とが必ずしも同じでなくてもよいがR4によって表され得る基がR3によって表され得る基と同じであることを意味する。【0024】一般式(IV)のカチオン性界面活性剤(ii)及びそれらの製造方法は米国特許第5,508,454号(SEPPIC)に記載されており、適当な実例はコカミドプロピル−N−2−ヒドロキシエチルカルバモイルメチルジメチルアンモニウムクロリドであり、MONTALINEC40(SEPPIC UK製)として市販されている。【0025】別の好ましい実施態様では、カチオン性界面活性剤(ii)が一般式(V):〔N(R1)(R2)((CH2CH2O)mH)((CH2CH2O)nH)〕+(X)−を有しており、式中の、R1は、5−30個、好ましくは8−20個、より好ましくは8−14個、いっそう好ましくは12−14個の炭素原子を有している直鎖状または分枝状のアルキルまたはアルケニル基を表し、R2はC1−C3アルキル基、好ましくはメチルであり、m及びnは各々独立に、1−15、好ましくは1−10、より好ましくは1−6、いっそう好ましくは1−3の整数であり、また、m+nが好ましくは2−20、より好ましくは2−10、いっそう好ましくは2−4の整数であり、Xは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩及びアルキル硫酸塩ラジカルから選択されるアニオンのような塩形成アニオンである。【0026】一般式(V)の好ましいサブセットでは、m及びnの少なくとも1つが1に等しく、好ましくは双方が1に等しい。【0027】一般式(V)の組成物の適例は、PEG−nアルキルアンモニウムクロリド(ここにnはPEG鎖長)であり、例えば、商標Ethoquad C/12(Akzo Nobel製)のPEG−2ココモニウムクロリド及び商標Berol 556(Akzo Nobel製)のPEG−15ココモニウムクロリドがある。【0028】また別の好ましい実施態様では、カチオン製界面活性剤(ii)が一般式(VI):〔N(R1)(R2)(R3)(CH2CH2O)mH)〕+(X)−を有しており、式中の、R1は、5−30個、好ましくは8−20個、より好ましくは8−14個、いっそう好ましくは12−14個の炭素原子を有している直鎖状または分枝状のアルキルまたはアルケニル基を表し、R2及びR3はC1−C3アルキル基から独立に選択され、好ましくはメチルであり、mは、1−15、好ましくは1−10、より好ましくは1−6、いっそう好ましくは1−3の整数であり、最も好ましくはmが1に等しく、Xは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩及びアルキル硫酸塩ラジカルから選択されるアニオンのような塩形成アニオンである。【0029】適例は商標HOE S3996(Clariant製)のココヤシアルキルジメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリドである。【0030】本発明組成物中のカチオン性界面活性剤(ii)の総量は、組成物の全重量を基準として適正には1−40重量%の範囲、好ましくは2−30重量%、最も好ましくは5−15重量%の範囲である。【0031】本発明組成物中に組合せたカチオン性界面活性剤(i)とカチオン性界面活性剤(ii)との総量は組成物の全重量を基準として2重量を上回る量、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%である。【0032】本発明組成物は、好ましくは1重量%を上回る量、より好ましくは少なくとも2重量%、いっそう好ましくは少なくとも5重量%の(1種または複数の)水溶性界面活性剤を含有している。好ましくは、本発明組成物が、1重量%を上回る量、より好ましくは少なくとも2重量%、いっそう好ましくは少なくとも5重量%の水溶性カチオン性界面活性剤(i)及び/またはカチオン性界面活性剤(ii)を組成物中に含有している。水不溶性という用語は、25℃で0.2重量%を上回る濃度で水に溶解したときに透明な等方性溶液を形成しない界面活性物質を意味すると理解されたい。【0033】脂質材料本発明の頭髪トリートメント組成物は、第三必須成分として、少なくとも16個の炭素原子から成る鎖長をもつ少なくとも1個の炭素鎖を有している脂質材料を含有する。【0034】このような材料が混在されるとカチオン性界面活性剤(i)が組成物中で単純水溶液中のようなミセル形態でなく分散ラメラ相として存在し得ると考えられる。【0035】脂質材料は、本質的に水不溶性であり、疎水性部分及び親水性部分を含有しており、天然のまたは合成によって誘導された酸、酸誘導体、アルコール、エステル、エーテル、ケトン及びアミドであり、これらは、少なくとも12個、好ましくは少なくとも14個、より好ましくは16−22個の炭素原子から成る鎖長をもつ炭素鎖を有している。脂肪アルコール及び脂肪エステルが好ましい。脂肪アルコールが特に好ましい。【0036】本発明組成物中に使用し得る好ましい脂肪エステルとしてはパルミチン酸セチル及びモノステアリン酸グリセロールがある。適当な脂肪アルコールの例は、少なくとも12個、好ましくは少なくとも16−22個の炭素原子を有している脂肪アルコール、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール及びそれらの混合物であり、これらのアルコール自体が組成物の全体的コンディショニング特性の要因となる。【0037】本発明組成物中の脂質材料の総量は組成物の全重量を基準として適正には1−30重量%、好ましくは2−20重量%、最も好ましくは5−15重量%である。この量は、カチオン性界面活性剤(i)をラメラ液晶相に変換するために十分な量である。カチオン性界面活性剤(i)対脂質材料の重量比は適正には10:1−1:10、好ましくは4:1−1:8、最適には1:1−1:7である。【0038】組成物の泡立ち特性本発明組成物は典型的にはカチオン性界面活性剤を主成分としているが、それらの泡立ち力は従来のリンスオフ型頭髪コンディショニング組成物に比べて優れている。【0039】本発明組成物の泡立ち力を評価するために使用できる試験方法はASTM D 1173−53テストであり、これはRoss−Milesテストとも呼ばれており、J Ross and G D Miles,American Society for Testing Materials,1953,ページ644−646に記載されている。【0040】本発明組成物は一般に、上記テストで泡の高さを測定したときに20mm、好ましくは50mm、より好ましくは60mm、最も好ましくは80mmを上回る泡の高さを有している。【0041】製品形態本発明組成物の適当な形態としてはリンスオフコンディショナー、リーブオンコンディショナーまたはコンディショニングムースがある。【0042】任意成分アニオン性または両性の界面活性剤のような別の界面活性剤を任意成分として本発明組成物に添加してもよい。しかしながら好ましくは、アニオン性及び/または両性界面活性剤の総量は組成物の全重量を基準として6重量%以下、好ましくは4.5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。【0043】本発明組成物は場合によっては追加の頭髪コンディショニング剤、例えばシリコーンを含有し得る。【0044】シリコーンは特に好ましい頭髪コンディショニング剤である。代表的なシリコーンとしては揮発性及び不揮発性のシリコーン、例えば、ポリアルキルシロキサン(場合によっては末端に1個または複数のヒドロキシル基が付加されている)、ポリアルキルアリールシロキサン、シロキサンガム及び樹脂、シクロメチコーン、アミノ官能性シリコーン、第四シリコーン及びそれらの混合物がある。【0045】好ましいシリコーンは、ポリジメチルシロキサン(CTFA名称ジメチコーン)、シロキサンガム、アミノ官能性シリコーン(CTFA名称アモジメチコーン)及びヒドロキシル化ポリジメチルシロキサン(CFTA名称ジメチコノール)である。【0046】シリコーン粒子エマルジョンの調製には種々の方法を利用でき、これらの方法は当業界で公知であり文献にも記載されている。【0047】適当なシリコーンエマルジョンはプレ乳化形態で市販されている。プレ形成エマルジョンは単なる混合によって組成物に混和できるのでこの形態が特に好ましい。【0048】適当なプレ形成エマルジョンの例は、Dow Corningから入手可能なエマルジョンDC2−1310、DC2−1865、DC2−1870、DC2−1766及びDC2−1784である。これらはジメチコノールのエマルジョンである。シロキサンガムもプレ乳化形態で入手できる。この形態は、配合容易という利点を有している。好ましい例は、Dow CorningからDC X2−1787として入手可能な材料であり、これは架橋したジメチコノールガムのエマルジョンである。【0049】本発明に従って使用される組成物に混和させるシリコーンの量は所望のコンディショニングレベル及び使用材料に左右される。好ましい量は組成物の全重量の0.01−約10重量%であるが、これらの範囲は絶対ではない。下限はコンディショニングを果たす最小レベルによって決定され、上限は頭髪及び/または頭皮が許容できない脂性になることを防ぐ最大レベルによって決定される。全組成物の0.5−1.5重量%のシリコーンの量が特に好適なレベルであることが知見された。【0050】本発明組成物はまた場合によっては、粘度増強剤を含有し得る。【0051】粘度増強剤の例は:セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース;ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びナトリウムカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースのようなセルロースエーテルの水溶性塩;カラゲナン、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム及びグアーガムのような天然ガム、並びに、ヒドロキシプロピルグアー及びグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドのようなそれらの誘導体;無機増粘剤、例えば、コロイド状マグネシウムアルミニウムシリケート(Veegum)、微粉砕シリカ、ベントナイトのような天然クレー、ラポナイト(Laporte Industries Ltd製)として入手可能な合成ヘクトライトのような合成クレー;ビニル型ポリマー増粘剤、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム/ビニルアルコールコポリマー及びカルボキシビニルポリマー、例えば、B.F.Goodrichから商標Carbopolで入手できるような約0.75%−2.0%のポリアリルスクロースまたはポリアリルペンタエリトリトールで架橋されたアクリル酸ポリマー。【0052】粘度増強剤としてはセルロース誘導体、特にヒドロキシエチルセルロースが特に好ましい。【0053】コンディショニングムースの形態の本発明組成物は一般にエアゾール噴射剤を含有するであろう。この物質は、他の成分を容器から吐出させる機能、及び、ムースを形成させる機能を果たす。【0054】噴射ガスはエアゾール容器に従来から使用されている任意の液化性ガスでよい。適当な噴射剤の例は、ジメチルエーテル、プロパン、n−ブタン及びイソブタンであり、単独使用または混用される。適当な噴射剤の別の例は、窒素、二酸化炭素及び圧縮空気である。【0055】噴射ガスの量はエアゾール業界で周知の通常の要因に左右される。ムースの場合、噴射剤のレベルは組成物の全重量を基準として一般には約2−約15重量%、最適には約4−約10重量%である。【0056】本発明の組成物に包含させる別の任意成分としては化粧組成物に使用し得る以下のような慣用の添加物、例えば、乳化剤、保湿剤、懸濁化剤、レオロジー調節剤、真珠光沢付与剤、乳白剤、塩、香料、緩衝剤、着色剤、皮膚緩和剤、皮膚湿潤剤、泡安定化剤、日光遮断剤、殺菌剤、保存剤、抗酸化剤、並びに、天然の油及びエキスがある。【0057】次に、以下の非限定実施例によって本発明を更に詳細に説明する。実施例に使用されたパーセンテージはすべて、他に記述がない限りは全重量を基準とした重量%である。【0058】実施例以下の配合物を調製した:実施例1成分 重量%セチルトリメチルアンモニウムクロリド 2.0ベヘニルアルコール 9.8Natrosol HHXR,Aqualon製 0.8MONTALINERTM C40,Seppic製 10.0水、微量成分 必要十分量【0059】実施例2成分 重量%セチルトリメチルアンモニウムクロリド 2.0ベヘニルアルコール 9.8Natrosol HHXR,Aqualon製 0.5MONTALINERTM C40,Seppic製 10.0シリコーンDC2 1310,Dow Corning製 0.5水、微量成分 必要十分量【0060】比較実施例A−ツー・イン・ワン型シャンプー成分 重量%ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES) 14.0コカミドプロピルベタイン(CAPB) 2.0CARBOPOLRTM980,BF Goodrich製 0.2エチレングリコールジステアレート(EGDS) 1.5シリコーンX2 1766,Dow Corning製 1.5水、微量成分 必要十分量【0061】比較実施例B−(i)シャンプー+(ii)コンディショナー(順次に塗布)(i)シャンプー−成分 重量% SLES 14CAPB 2EGDS 1.5塩 0.6(ii)コンディショナー−成分 重量%セチルトリメチルアンモニウムクロリド 1.0セチルアルコール 3.0水、微量成分 0.5【0062】試験方法片頭実験(half head experiments)(テストあたり36人)では専門美容師によって標本の塗布及び評価を行った。一定量の各標本を頭の片側ずつに塗布した。その後は製品を正常手順で使用した。美容師はパネリストの頭髪を多くの特性について評価し、各特性の効果が大きい側を選択するかまたは選択できないと評価した。トリートメントの終了後、頭髪の幾つかの重要な特性に関してはパネリストも評価に参加した。【0063】評価の結果美容室で行った片頭実験における特性に関する投票結果を以下の表に示す。【0064】【表1】【0065】泡試験次表に示す配合物の泡の高さをRoss Milesテストを使用して以下の手順で評価した。【0066】室温で測定を行った。1部の被験配合物と9部の水との割合で溶液を調製し、液体表面の泡を完全に除去した。200mlの液を上室及び下室の双方に配置した。液を上室から下室の液体の表面中央に流下させた。液が完全に流出してから5分後に、室の周囲の4点で泡の高さ(及び平均)を記録した。装置を洗浄し、各被験溶液で測定を更に2回繰り返した。全部で3つの値の平均値を算出した。【0067】試験の結果を表の最下欄に示す。【0068】【表2】 水性媒体中に、(i)一般式(I):〔N(R1)(R2)(R3)(R4)〕+(X)− 〔式中、R1は、16個以上の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖であり、R2、R3及びR4は1−30個の炭素原子を有しているヒドロカルビル鎖から独立に選択され;Xは塩形成アニオンである〕に対応する第一のカチオン性界面活性剤と、(ii)一般式(IV): R〔C(O)−NH−(CH2)m〕n−N+(R1)(R2)−(CH2)p−C(O)−N(R3)(R4)(X−) 〔式中、 Rは5−30個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキルまたはアルケニル基であり、 mは2または3に等しい整数であり、 nは0または1に等しい整数であり、 R1及びR2は独立に、1−4個の炭素原子を有するアルキル基、または、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルもしくはヒドロキシプロピル基であり、 pは1−3の整数であり、 R3は、 基−(CH2)q−(O)y−(CH2−CH(R5)−O)r−Hを表し、ここに、 qは1−5の整数であり、 yは0または1に等しい整数であり、 R5は水素原子またはメチル基であり、及び、 rは0−10の整数であり、但し、rとyとが同時に0にはならないことを条件としているか、または、 基−(CH2)s−(CHOH)t−(CH2)u−CH3を表し、ここに、 sは0−2の整数であり、 tは0−6の整数であり、 uは0−5の整数であるか、または、 基−(CH2)v−(CHOH)w−CH2OHを表し、ここに、 vは0または1に等しい整数であり、 wは1−6の整数であり、 R4は水素原子であるか又はR3と同義であり、 Xは、水溶性塩形成アニオンである〕に対応する第二のカチオン性界面活性剤と、(iii)少なくとも12個の炭素原子の長さを有する少なくとも1個の炭素鎖を有している脂質材料 を含む頭髪トリートメント組成物であって、 第一のカチオン性界面活性剤(i)と第二のカチオン性界面活性剤(ii)とを合わせた量が頭髪トリートメント組成物の10重量%超の量であり、カチオン性界面活性剤(ii)の量が組成物の全重量を基準として1−40重量%であることを特徴とする、洗浄特性及びコンディショニング特性を有する、前記頭髪トリートメント組成物。 一般式(IV)中のRが8−18個の炭素原子を有している直鎖状または分枝状のアルキルまたはアルケニル基であり、mが3に等しい数であり、nが1に等しい数であり、R1及びR2がメチル基であり、R3が2−ヒドロキシエチル基であり、R4が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の頭髪トリートメント組成物。 Ross−Milesテストによって測定したとき、20mm超の泡の高さを有することを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。 カチオン性界面活性剤(i)が、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。 リンスオフコンディショナー、リーブオンコンディショナーまたはコンディショニングムースの形態であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。