タイトル: | 特許公報(B2)_結核菌と非結核マイコバクテリア菌種の同定方法 |
出願番号: | 2001533196 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C12N 15/09,C12Q 1/68,G01N 27/26,G01N 27/447,G01N 33/48,G01N 33/483 |
リー ヘイヤン パク ヤンキル バイ ギルハン キム サンジャ チョ サンナエ キム エン パク ヘイヨン JP 4637430 特許公報(B2) 20101203 2001533196 20001027 結核菌と非結核マイコバクテリア菌種の同定方法 チョ サンナエ 504020658 Sang−Nae CHO リー ヘイヤン 504020670 Hyeyoung LEE 成瀬 勝夫 100082739 リー ヘイヤン パク ヤンキル バイ ギルハン キム サンジャ チョ サンナエ キム エン パク ヘイヨン KR 1999/46795 19991027 20110223 C12N 15/09 20060101AFI20110203BHJP C12Q 1/68 20060101ALI20110203BHJP G01N 27/26 20060101ALN20110203BHJP G01N 27/447 20060101ALN20110203BHJP G01N 33/48 20060101ALN20110203BHJP G01N 33/483 20060101ALN20110203BHJP JPC12N15/00 AC12Q1/68 AG01N27/26 UG01N27/26 315GG01N33/48 MG01N33/483 F C12N 15/00-15/90 C12Q 1/68 PubMed JSTPlus/JMEDPlus(JDreamII) SwissProt/PIR/GeneSeq GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq 特開平09−103300(JP,A) 特表平10−500857(JP,A) Journal of clinical microbiology. 1999 Jun, Vol.37, No.6, p.1714-1720 Journal of clinical microbiology. 1999 Jan, Vol.37, No.1, p.49-55 Genome research. 1998, Vol.8, No.5, p.435-448 Journal of biotechnology. 1996, Vol.47, No.1, p.3-38 3 KR2000001223 20001027 WO2001031061 20010503 2003512084 20030402 28 20070618 清水 晋治 【0001】【技術分野】 本発明は、rpoB遺伝子断片を用いた結核菌(M.tuberculosis)と非結核マイコバクテリア菌種の同定方法に関する。【0002】(背景技術)1980年代初期以後、結核菌とM.leprae以外のマイコバクテリア(MOTT)を総称して非結核マイコバクテリア(NTM)と呼ばれる有機体により誘発される疾患が増加してきた。これらは、免疫力の強い(immune-competent)人と免疫力の弱い(immune-compromised)人の両者に侵犯し、特にヒト免疫不全ウイルス(HIV)の保菌者に露出しやすいと知られている。疾病に関連して最も検出頻度が高いNTMには、M.avium、M.intracellulare、M.scrofulaceum、M.kansasii、M.fortuitumcomplex、M.chelonae、M.abscessus、M.szulgai、M.malmoense、M.marinum、M.ulcerans、M.africanum、M.bovisなどが知られている(28)。非結核マイコバクテリア感染の臨床診断及び治療について臨床医学者の関心が増大している。【0003】現在、菌種レベルでのマイコバクテリアの臨床診断は、一次的に菌種による培養学的、生化学的検査に基づく。このような従来の検査は、数週がかかり、正確な同定に失敗することもある。このような検査方法は、複雑で、かつ、手間が取り、マイコバクテリアの遅い成長によって臨床検査時間が遅滞する。高性能の液体クロマトグラフィー、ガス液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(5、21、36)及びDNA配列分析(3、4、15、16、17、19、26、31、32)などのいろいろな方法が菌種レベルで区別してマイコバクテリアを同定できるけれど、これらは、相当な労働力を要し、数多くの臨床試料に対して同一に適用することが困難である。【0004】前記で言及した技術とは異なって、最近、容易で、早くて、かつ、低コストの方法として、PCR-増幅産物を用いた分子生物学的技術が発展し、単一の実験でいろいろなマイコバクテリア菌種を同定することが可能になった。PCR-制限酵素断片長多型分析法(PCR-restriction fragment length polymorphism analysis;PRA)は、hsp65(7、11、25、29、30、34、35)、16S rRNA(2、14、37)及びdanJ(33)などのあらゆるマイコバクテリアに存在するマイコバクテリア遺伝子を標的にして開発された。しかし、このような技術は、菌同定にいろいろな制限酵素を要し、切断後DNA断片の制限されたサイズ多様性により菌同定のための解析が容易でないので、相変らず使用が困難である。【0005】一方、臨床標本のDNAとオリゴ-プローブのハイブリッド形成を用したプローブ-ハイブリッド形成技術は、直接的で、かつ早いNTM菌種の同定に有用な技術である。しかし、現在市場で商業的に利用可能なキットは、非常に高価で、ただ5種のマイコバクテリア菌種にのみ制限され、一つの菌種同定ごとに独立した実験の遂行を要する。【0006】【発明の開示】 本発明は、配列番号1乃至4及び6乃至24の配列を含むDNA断片を用いて結核菌(M.tuberculosis)と非結核マイコバクテリア菌株の同定を行う同定方法を提供する。【0007】 より詳しくは、本発明は、次の段階:(1)配列番号1乃至24に示される塩基配列のうちいずれか一つからなるDNA断片を、MspI、HaeIII、Sau3A1及びBstEIIから構成された群から選択される少なくとも1種以上の制限酵素で切断し、DNA断片長多型(DNA fragment length polymorphism)パターンを得る段階;(2)同定しようとする微生物からDNA断片を得る段階;(3)配列番号25及び26で示される配列からなるプライマーを用いてPCR増幅することにより、前記段階(2)のDNAからrpoB遺伝子断片を増幅する段階;(4)前記増幅されたDNA断片を、前記段階(1)と同様な制限酵素で切断する段階;(5)前記段階(4)で得られたDNA断片からDNA断片長多型パターンを得る段階;及び(6)前記段階(5)で得られたDNA断片長多型パターンと、前記段階(1)で得られたDNA断片長多型パターンとを比較する段階を含むマイコバクテリア菌株の同定方法を提供する。【0008】前記制限酵素は、HaeIII、MspI、Sau3A1またはBstEII酵素であることが好ましい。【0009】前記段階(1)及び(5)で得られたDNA断片長多型パターンは、電気泳動(electrophoresis)により得られることが好ましい。【0010】また、本発明の方法により同定されるマイコバクテリア菌株は、M.tuberculosis、M.avium、M.abscessus、M.flavescence、M.africanum、M.bovis、M.chelonae、M.celatum、M.fortuitum、M.gordonae、M.gastri、M.haemophilum、M.intraecllulare、M.kansasii、M.malmoense、M.marinum、M.szulgai、M.terrae、M.scrofulaceum、M.ulcerans又はM.xenopiiであることが好ましい。【0011】(発明を実施するための最良の形態)菌種レベルでのマイコバクテリア同定は、学術的な関心次元だけでなく、疫学的、病理学的に重要な有機体に対する相当量の情報を提供し、臨床現象で患者の成功的な治療を含む強力な治療戦略を提案するため重要である。したがって、早くて単純であるけれど、正確でかつ安価に全世界の多様な臨床現象条件において使われることができる方法の開発が重要である。現在利用可能な菌種レベルでのマイコバクテリアの同定方法は、表現型(phenotypic)及び生化学検査を用いた時間-消費的判定法であるか、又は高価の装備を用いた労働力を要する方法である。他の分子生物学的方法と比較した時、PRA法は、このような要求事項をよく充足させる。この方法は、PCRを使用するため、早くて正確で、また、高価の装備や労働力を要する実験手続を必要としないので、単純で安価で、単一の実験で数多くのマイコバクテリア菌種を区別することができる。このような長所によって、マイコバクテリアの多様な遺伝子を基礎にしたPRA法が一部開発された(2、7、11、14、25、29、30、33、34、35、37)。しかし、このような方法の大部分は、菌種レベルでマイコバクテリアを区別するために2種類以上の制限酵素を使用しなければならないし、一部のマイコバクテリア菌種のプロフィール(profiles)は、裸眼解析するほどに十分に区別されないので、切断断片を区別するためにコンピュータ-支援ソフトウェアプログラムを必要とする。【0012】本発明で開発した新たなPRA法は、従来の方法より改善された長所を有する。図1から分かるように、大部分の菌種は、独特のPRAプロフィールを有することが明らかである。コンピュータ-支援分析及びゲル解析を必要とする他のPRAプロフィールとは異なって、本発明者らは、実験で得られるあらゆるパターンを解析しなければならないという問題点に直面しない。また、ゲル間の差異(gel-to-gel variation)または切断断片のサイズ混同を含む問題点は、50-bpサイズマーカ及び中間サイズマーカとしてM.bovisのPRAプロフィールを用いて解決することができる。【0013】一方、配列分析またはミコール酸(mycolic acid)のHPLCなどのいろいろな方法を使用しても分離することが難しい結核菌複合体を構成する4種の菌は、遺伝学的に類似した群に属するので、PRA法によっても区別されることができなかった。しかし、他の方法とは異なって、本新規PRA法は、Sau3AI切断により他の結核菌複合体からM.africanumをさらに区別することができる。したがって、臨床分離菌株が結核菌複合体プロフィールを示す場合、Sau3AI切断により他の結核菌複合体からM.africanumを区別するための実験をさらに行うことができる。また、結核菌及びM.bovisは、結核菌のゲノムにのみ存在すると知られたesat-6遺伝子由来のPCRプライマーを用いたPCR増幅によって区別されることができる。【0014】最近、我々の実験室では、十分な数のマイコバクテリア臨床分離菌株を、hsp65遺伝子に基づくPRA及びrpoB遺伝子に基づく配列分析等の従来の検査法及び分子生物学的方法を含むいろいろな標準方法と並行して、本新規PRA法により同定した。本実験の結論として、本新規PRA法は、早くて安価で、臨床微生物学実験室でマイコバクテリア同定に有用な方法であることを確認した。培養を含んで全体実験過程は2日内に行なわれる。PRAは、固形培地から1ループ(loop)の培養物を使用したり、MGITなどの液体培養液100μlを使用した時、マイコバクテリア菌同定に成功的である。前記2種類のシステムは、いずれも5分間単に沸かしたゲノムDNAを使用して容易に施される。【0015】PRAに加えて、それぞれのマイコバクテリア菌種に非常に特異的なオリゴヌクレオチドを用いたPCR-ドットブロット及びPCR-リバースブロットハイブリッド形成法も、単純で且つ早いマイコバクテリア菌同定に価値ある技術であると確認された。本研究で開発したオリゴヌクレオチドは、非常に種-特異的であり、これは、臨床作業セッティングにおいて有用なマイコバクテリア菌同定システムの開発において、このようなプローブが有用であることを示す。【0016】マイコバクテリア菌の同定において、現在利用されているものより、一層容易で且つ一層正確な新しい分子生物学的技術を開発するために、本発明者らは、RNAポリメラーゼのβサブユニットをコーディングするrpoB遺伝子を選択した。最近、情報が多く知られたrpoB遺伝子の特性は、DNAハイブリッド形成アレイ(10)またはDNA配列分析(16)によるマイコバクテリア分離同定に利用されてきた。しかし、このような従来の研究に使われたrpoB領域は、マイコバクテリアの菌同定に使われることができる配列多様性において限界がある。本研究において、本発明者らは、PRA及びPCR-DNAハイブリッド形成などの分子生物学的技術を用いたマイコバクテリア菌同定システムの開発に適当な、多形性(polymorphic)の高い領域に対するrpoB遺伝子の遺伝学的知識を拡張した。また、本発明者らは、このrpoB遺伝子領域が非常に保存性の高い配列の側面に位置するので、同じPCRプライマー組みを用いてあらゆるマイコバクテリア菌種のrpoB領域がPCR増幅されることができるから、選択した。【0017】本研究では、44種のお互い異なるマイコバクテリア菌種及び6個の亜型を代表する50種の標準菌株が、rpoB遺伝子の360-bp領域を増幅するのに使われた。PCR生成物は、切断断片長多型分析(restriction fragment length polymorphism analysis;RFLP)を行い、PRA法を用いたマイコバクテリア菌種の同定においてrpoB遺伝子領域の効率性を検査した。その後、標準菌株で生成されたPRAプロフィールを基礎にして、アルゴリズムが生成され、新規PRA法を使用して総260個の臨床分離菌株を評価した。要約するに、このような結果は、rpoB遺伝子に基づく新規PRA法が容易で、迅速で且つ正確なマイコバクテリア菌同定のために、明確で独特のプロフィールを形成するので、迅速で正確な診断のために臨床現場に利用されることができるを明確に示す。【0018】次に、臨床的に重要性を持つと知られた30種のマイコバクテリア菌種から由来するrpoB遺伝子のPCR増幅領域に対して配列決定が行われた。要約するに、配列分析結果は、本発明者らが増幅したrpoB領域において、非常に高い多形性(polymorphic)を示すとともに、種-特異的な領域が存在することを示し、これは、新規のPCR-ドットブロットハイブリッド形成技術を開発するのにあたって、このような領域が有用であることを示す。このような配列情報に基づいて、種-特異的なオリゴ-プローブが製作され、PCR-ドットブロット及びPCR-リバースブロットハイブリッド形成法などのDNAハイブリッド形成技術を用いたマイコバクテリア菌同定システムを開発するために使われた。【0019】MspI単独切断によるrpoB遺伝子内360-bp断片の制限酵素分析は、菌種レベルで大部分のマイコバクテリアを区別同定するのに非常に効果的である。ただいくつかの菌種だけがHaeIII、Sau3AI、HincIIなどの追加的な制限酵素切断が要求される。M.Gordonae、M.Kansasii、M.Fortuitum及びM.celatumなどの一部菌種の場合、亜型レベルまでも区別が可能である。M.kansasiiの場合、このような細分は、他の研究者ら(1、24、27)により従来に観察された遺伝学的分岐(divergence)と明らかに関連されている。したがって、いろいろな菌種に対する亜型レベルでの区別は、細菌学的、臨床学的特異性に類似に関連されることができる。【0020】 したがって、本発明は、マイコバクテリア菌種間の保存された配列及び多形性(polymorphic)配列を有するrpoB遺伝子断片(配列番号1乃至4及び6乃至24)を用いた結核菌(M. tuberculosis)と非結核マイコバクテリア菌株の同定方法を提供する。【0021】 また、本発明は、次の段階:(1)配列番号1乃至24に示される塩基配列のいずれか一つからなるDNA断片を、MspI、HaeIII、Sau3A1及びBstEIIから構成された群から選択される少なくとも1種以上の制限酵素で切断し、DNA断片長多型(DNA fragment length polymorphism)パターンを得る段階;(2)同定しようとする微生物からDNA断片を得る段階;(3)配列番号25及び26で示される配列からなるプライマーを用いてPCR増幅することにより、前記段階(2)のDNAからrpoB遺伝子断片を増幅する段階;(4)前記増幅されたDNA断片を、前記段階(1)と同様に制限酵素で切断する段階;(5)前記段階(4)で得られるDNA断片からDNA断片長多型パターンを得る段階;及び(6)前記段階(5)で得られたDNA断片長多型パターンと、前記段階(1)で得られたDNA断片長多型パターンとを比較する段階を含む、結核菌及び非結核マイコバクテリア菌株の同定方法を提供する。【0022】前記段階(1)及び(5)で得られるDNA断片長多型パターンは、電気泳動(electrophoresis)により得られることが好ましい。【0023】また、本発明の方法により同定されるマイコバクテリア菌株は、表1及び表2に示した。【0024】以下、望ましい実施例を参照して本発明を説明するが、当業者なら発明の範囲及び要旨を逸脱することなく本発明の範囲と要旨内でいろいろと変更して実施することができることが分かるだろう。【0025】実施例物質及び方法マイコバクテリア試料:44種のマイコバクテリア菌種及び2個の異なる属に属する3種の関連菌種を代表する総50種のマイコバクテリア標準菌株が本研究の新規PRA法を開発するために使われた。これらのうち、40種のマイコバクテリア菌株及び3種の関連菌株は、韓国ソウルに位置する大韓結核協会(KNTA)結核研究院(KIT)から得た。4種の菌種は、韓国生命工学研究所(KRIBB)遺伝子銀行(KCTC)から得、独立された新規菌種として最近M.chelonaeから分離されたM.abscessusは、延世大学校医科大学の臨床病理学科(YUMC)から得た。5種のM.kansasii亜型は、フランスパステル研究所、マイコバクテリア標準菌株実験室のDr.V.Vincentから寄贈された。【0026】新規の方法を評価するために、PRAを行った臨床分離菌株は、KITから得られた。本研究に使われたあらゆる臨床分離菌株は、微生物学的特徴検査及び生化学的検査を含む従来の検査法を基礎にして同定された。一部の場合、臨床分離菌株の正確な同定のために、hsp65遺伝子(7、35)に基づく従来のPRA法を行った。【0027】【表1】【0028】【表2】【0029】DNA製造:PCR増幅のためのDNA試料を製造するために、バクテリアコロニー(colony)1ループ(loop)をLOwenstein-Jensen培地から採取した後、ネジ−蓋(screw-cap)微細遠心分離チューブ内の400μlの蒸溜水に懸濁した。その後、試料を5分間沸かした後、5分間遠心分離して細胞残屑(celldebris)を沈殿させた後、約10μlの上澄みを得た。【0030】PCR増幅:rpoB領域を増幅するために使われたプライマー組みは、5-TCAAGGAGAAGCGCTACGA-3(RPO5')及び5-GGATGTTGATCAGGGTCTGC-3(RPO3')であり、結果的に約360-bpのPCR生成物が得られた(結核菌のrpoB遺伝子の場合、[GenBank accession No.p47766]の配列番号を基準とした時、塩基番号902乃至1261及びコドン番号302-420)。プライマー配列は、結核菌、M.leprae及びM.smegmatisに対し従来に明らかにされたrpoB遺伝子領域(12、13、22)から選択された。プライマーは、Escherichia coliのrpoB遺伝子に対する遺伝学的情報に基づいて可変領域及び保存領域間の領域を増幅するように製作された。結果として、PCR生成物は、171-bpの可変領域及び189-bpの保存領域を含む。可変領域は、PRA及びPCR-DNAハイブリッド形成などの分子生物学的技術を使用してそれぞれのマイコバクテリア菌種を明確に区別するにあたって、この領域の多形性(polymorphic)特性が利用されることができるという仮定下で、本実験で増幅された。一方、前記rpoB遺伝子領域は、高い保存配列の側方に位置し、同じプライマー組みを使用してあらゆるマイコバクテリア菌種のrpoB遺伝子をPCR増幅するのに適当なものであるから、選択された。【0031】PCRは、10ngのゲノムDNAを含有するDNA上澄み液10μl、それぞれのプライマー10pmole、2mM MgCl2、200μMデオキシリボヌクレオチド3リン酸及びDyNAzymeTMIIDNAポリメラーゼ(FINNZYMES、Espoo、Finland)1ユニットを含有し、最終体積50μlで実施した。まず、DNA試料は、増幅サイクル前に94℃で5分間培養して完全に変性させた後(denaturation)、(1)94℃で1分間変性、(2)58℃で1分間プライマーアニーリング及び(3)72℃で1分間拡張のサイクルをThermocycler(model9600、PerkinElmer)にて35回実施して増幅させた。最後の増幅サイクル後、試料は、72℃で7分間さらに培養し、最終PCR生成物の完全な拡張反応を実施した。陽性及び陰性対照群は、それぞれのPCR反応に常に含めた。陽性対照群は、M.bovis標準菌株のDNAに対するPCR混合物であり、陰性対照群は、全くDNAのないPCR混合物であった。PCR後、増幅結果は、1.5%アガロースゲル電気泳動及びエチジウムブロマイド染色を使用して可視化させた。【0032】制限断片長多型分析:成功的な増幅後、360-bp長さのPCR生成物に対し制限酵素切断を実施した。大部分の場合、16μlのPCR生成物(略1乃至1.5μlのDNA)は、5ユニットのMspI(Boehringer Mannheim Biochemicals、Mannheim、Germany)及び製造社で提供する2μlの10X反応緩衝液を使用して20μlの反応体積で切断した。同様に、16μlのPCR生成物は、対応酵素緩衝液と共に5ユニットのHaeIII酵素(Takara Shuzo Co., LTD., Shiga, Japan)を含有する20μlの反応体積内で切断された。必要に応じて、追加的な酵素切断が類似な反応条件で行われた。37℃で2時間培養した後、4μlのゲルローディング緩衝液(水に溶解させた0.25%ブロモフェノールブルー、40%スクロース)を添加し、試料を4%メタフォアアガロースゲル(FMCBioproducts、Rockland、Maine)にローディングした。その後、酵素切断された断片は、エチジウムブロマイド染色及びUV-光線により可視化させた。【0033】各菌種によって生成されたPRAプロフィールを解析するために、50-bpラダーDNAサイズマーカ(Boehringer, Mannheim, Germany)及び約175-bp、80-bp、60-bp、40-bp切断断片を生成するM.bovisのPRAプロフィールを中間サイズマーカとして使用した。このようなサイズマーカを使用して、各菌種の切断断片のサイズが測定され、このような情報に基づいてアルゴリズムが作られた。【0034】クローニング及び配列分析:配列分析のために、PCR生成物は、アガロースゲルからGeneclean kit(BIO101, Vista, Calif. USA)を使用して精製し、製造社で提供した方法によってTOPO-TAクローニングベクター(InvitrogenCo., Carlsbad, CA)でクローニングした。DNA配列決定は、ARL自動化配列分析機(Pharmacia Biotechs, Uppsala, Sweden)を使用してジデオキシヌクレオチド-鎖末端方法(21)で行われた。それぞれのクローンに対して、M13リバースプライマー及びT7プロモータプライマーは、2方向で配列を判読するために分離され使われた。配列は、多重配列アラインメントプログラム(6)を使用してアラインされた。【0035】PCR-DNAハイブリッド形成検査に使われるオリゴヌクレオチドプローブ:マイコバクテリア菌を特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドプローブは、15-17ヌクレオチド長さとなり、かつ10-11 G+C含量を含有するように製作された(表3)。しかし、あらゆるマイコバクテリア菌に対するオリゴヌクレオチドプローブ("Pan-TB"と称する)は、20ヌクレオチド長さとなるように製作された。このような特異的オリゴヌクレオチド長さ及びG+C含量は、各マイコバクテリアDNAに対する各オリゴヌクレオチドのハイブリッド形成条件が同一にするために、選択された。【0036】【表3】【0037】PCR-ドットブロットハイブリッド形成:DNAドットブロッティング(blotting)を準備するために、プレカットされた(10x10cm2)膜(Hybond-N+;Ammersham)を、変性溶液(denaturing solution;0.4N NaOH, 25mM EDTA;pH8.0)で1分間浸漬させた。過剰量の変性溶液を滴下した後、膜を3MM吸湿紙に移した後、前記膜に1-2μlのPCR生成物をブロッティングさせた。その後、前記膜は、5分間風乾させ、さらに1分間変性溶液で洗浄した後、2枚の3MM吸湿紙の間に位置させ、80℃で1時間焼き付けた。3'-オリゴ標識化及び検出のために商業的に利用可能なキット(ECL,Amersham Life Science)を用いて、オリゴヌクレオチドプローブを標識化させた。オリゴヌクレオチドでハイブリッド形成を行う前に、膜は、42℃で30分間プレ−ハイブリッド形成を行なった後、42℃で1時間標識化オリゴヌクレオチド10pmoleでハイブリッド形成を行った。その後、膜を常温で20分間2回洗浄し、52℃で15分間さらに2回洗浄した。抗体結合、洗浄及び信号検出を含む以後の過程は、全部製造社で指針した方法によって行った。【0038】PCR-リバースブロットハイブリッド形成:膜に付着させたあらゆるオリゴヌクレオチドプローブは、膜に固定された陰性電荷を持つカルボキシル群と共有結合を形成して、Biodyne C膜(Pall Biosupport, EastHills, NY)にオリゴヌクレオチドを連結させるために、5'-末端にアミノ群を持つように合成した。オリゴヌクレオチドプローブをブロッティングする前に、Bioidyne C膜は、清潔に製造された16%(w/v)1-エチル-3(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)10ml内で培養して活性化させた。水で洗浄した後、前記膜をclean miniblotter system(Immunetics, Inc., Cambridge, MA)の支持体クッション(support cusion)に移し、残余水分は、スロット(slot)から除去した。その後、前記スロットに150μlの希釈されたオリゴヌクレオチド溶液(500mM NaHCO3, pH8.4溶液150μlに溶解された約200pmole乃至1nmolのオリゴヌクレオチド溶液)を満たした。その後、前記膜を常温で1時間培養した後、吸引(aspiration)によりスロットから過剰量のオリゴヌクレオチド溶液を除去した。前記膜を不活性化させるために、ピンセットを用いてミニブロッタ(miniblotter)から前記膜を取り出した後、丸底瓶(rolling bottle)内で100mM NaOHに10分間培養した後、穏やかに攪拌しつつ、プラスチック瓶内で2xSSPE/0.1% SDS100mlで60℃で5分間洗浄した。Biodyne C膜にPCR生成物を適用させる前に、前記膜を常温で5分間2xSSPE/0.1% SDS 100mlで培養した。【0039】支持体クッション上の膜をミニブロッタに移した後、スロットがオリゴヌクレオチドが付着された方向と垂直になるようにし、残余流体は、吸引によってスロットから除去した。ハイブリッド形成のために、約10μlのPCR生成物は、2xSSPE/0.1% SDS 150μlで希釈し、99℃で10分間熱-変性させた後、直ちに氷で冷却させた。その後、スロットに希釈されたPCR生成物を満たし、前記膜を42℃で60分間ハイブリッド形成させた。ハイブリッド形成後、前記膜は、2xSSPE/0.1% SDSで52℃で10分間洗浄した後、42℃の丸底瓶で30-60分間2xSSPE/0.1% SDSに溶解された1:4,000希釈されたペルオキシダーゼ-標識されたストレプタビジンコンジュゲート溶液10mlと共に培養した。その後、前記膜を2xSSPE/0.1%SDS100mlで42℃で10分間2回洗浄し、常温で5分間2xSSPE/0.1%SDS100mlで2回洗浄した。最後に、ハイブリッド形成DNAの化学発光検出のために、前記膜を20ml ELC検出液で1-2分間培養した後、x-rayフィルムに露出させた。【0040】結果一部のマイコバクテリアのrpoB遺伝子に対して遺伝学的情報が利用できたので、配列がアラインされ、PRAに適当な領域が見つけられた。結果として、保存された領域の側方に位置し多形性(polymorphic)領域を含有する360-bpのrpoB領域を増幅するためにPCRプライマー組みが選択された(図1A)。【0041】総50種のマイコバクテリア標準菌株及びマイコバクテリアと一緒に同じActinomycetes網に属する3種の関連バクテリア菌株が、rpoB遺伝子の360-bp領域を増幅するために使われた(表1、表2)。この結果は、あらゆるマイコバクテリアとNocardia及びRhodococcusspp.などのいくつかの他のバクテリアに存在する保存されたrpoB遺伝子が増幅されることを示す(図1B)。次に、PCR生成物に対してMspI及びHaeIIIを各々使用する2組みの制限酵素切断を行った。このような2つの酵素は、結核菌、M.leprae及びM.smegmatisのrpoB遺伝子に対する配列情報(12、13、22)に基づいて選択された。【0042】このような情報に基づいて、PCR生成物に対してRFLP分析を行った(図2)。要約するに、このような分析結果は、それぞれのマイコバクテリアのPCR生成物に対するRFLPプロフィールが互い明確に区別されることを示す。M.kansasiiは、M.kansasiiと着色多様性(pigmented variants)がないM.gastriから容易に区別されることができる。また、M.chelonaeの亜型に分類されるが、従来の生化学的な検査で区別することが容易でないM.abscenssusも区別されることができる。また、一部の亜型を有すると知られたM.fortuitum、M.cellatum、M.gordonae及びM.kansasiiなどの一部菌種の場合、それぞれの亜型さえも明確に区別される切断プロフィールを示す。したがって、本新規PRA法は、菌種のレベル、さらに亜型レベルまでマイコバクテリア菌種を区別することができる。【0043】PCR生成物から生成された多様なRFLPプロフィールは、本研究でPCRにより増幅されたrpoB領域の多形性(polymorphic)特性を本発明者らに強力に提案した。次の問題には、このような多様なRFLPプロフィールが種特異的または菌株-特異的であるかに関するものである。一定の菌種に属する菌株が多形性(polymorphic)RFLPプロフィールをも示すならば、この領域は、マイコバクテリア菌同定に使用することが非常に難しい。したがって、従来の検査法に基づいて同定された臨床分離菌株に対してPRAを行い、本研究で作られたアルゴリズムを基づいて盲試験(blind test)により菌種を決定した。本実験の結果から、同じ菌種に属する他の臨床分離菌株間には多様性がないと明らかにされた(図3)。【0044】PRA及び配列分析結果に基づいて、アルゴリズムが製作された(図4)。アルゴリズムにおいて、40-bpより小さい制限断片は、プライマー-二量体バンドとの混乱を減らすために省略された。断片サイズは、互い明確に分離され、より容易に結果を解析することができる。要約するに、前記アルゴリズムは、大部分のマイコバクテリア菌種及び他の関連バクテリア菌種が、MspI及びHaeIIIを使用するPRAにより、亜型レベルにまで区別されることができることを明確に示す。実際に、いくつかのマイコバクテリア菌種を除いて、大部分の菌種が単一の酵素MspIを用いて同定されることができ、よって、本新規方法は、マイコバクテリア菌同定において従来に開発されたPRA法より一層有用である。【0045】2種類の制限酵素により区別されない菌株の場合、第3の酵素切断が区別に有用である。例えば、結核菌複合体を構成する菌(結核菌、M.bovis及びM.africanum)は、MspI及びHaeIIIを用いて区別されないとしても、第3の酵素としてSau3AIをもって結核菌複合体の他の構成菌種からM.africaanumを区別することができる。この他にも、HincIIは、1型M.celatumなどから1型M.gordonaeを区別することができる。【0046】一方、従来の検査法に基づいて同定された充分な数の臨床分離菌株に対してPRAを行った(図3)。この実験で、M.tuberculosis、M.avium、M.intracellulare、M.fortuitum、M.chelonae、M.abscessus、M.terrae、M.gordonae、M.szulgaiなどを含む総260個の臨床分離菌株が分析された。それぞれの臨床菌株により生成されたPRAプロフィールの容易な分析のために、50-bpラダーサイズマーカーが標準サイズマーカーとして使われ、M.bovis PRAプロフィールは、中間サイズマーカーとして使われた(図5)。臨床分離菌株のPRA結果は、標準菌株のPRAプロフィールに基づいて生成されたアルゴリズムにより評価された。大部分のPRA結果は、従来の検査法による結果と一致し、いくつかの菌株のPRAプロフィールは、標準アルゴリズムに存在しなかった。従来の検査法及び分子生物学的配列分析に基づいて確認した結果、このような菌株の一部は、「M.terrae複合体」であることが判明された。【0047】【表4】【0048】次に、本発明者らは、臨床学的に重要性を有すると知られた30種のマイコバクテリア菌種から誘導されたrpoB遺伝子のPCR増幅領域を配列決定した。その後、増幅された領域の配列をソフトウェアプログラム(6)を用いて分析した。配列分析結果、本発明者らが増幅したrpoB領域には、非常に高い多形性(polymorphic)を持つ領域が存在し、非常に種-特異的であることを明瞭に示す(図6)。このような観察結果は、前記rpoBの多形性(polymorphic)が高い領域が、マイコバクテリアの菌同定のための新しいPCR-ドットブロットハイブリッド形成技術に利用されることができるマイコバクテリア種-特異的オリゴヌクレオチドプローブの製作に、非常に有用であることを本発明者らに提示する。次に、前記配列情報に基づいて、種-特異的オリゴヌクレオチドが製作され(表4)、それぞれのオリゴヌクレオチドは、PCR-ドットブロットハイブリッド形成においてプローブとして使われた(図7)。本実験で、総48種のマイコバクテリア菌種は、膜にブロッティングされ、各オリゴヌクレオチドは、マイコバクテリア菌種を特異的に検出するためのプローブとして使われた。要約するに、それぞれのオリゴヌクレオチドプローブは、それぞれの標的マイコバクテリア菌種に非常に特異的であるという結果が示され、これは、PCR-ドットブロットハイブリッド形成及びPCR-リバースブロットハイブリッド形成技術などのプローブ-基礎マイコバクテリア菌同定システムの開発のためのオリゴヌクレオチドの有用性を示す。【0049】また、このようなプローブは、PCR-リバースブロットハイブリッド形成法を用いたマイコバクテリア菌同定システムのためのリバース-ブロットを作るのに使われた。その結果、それぞれのマイコバクテリア種-特異的オリゴヌクレオチドを使用するPCR-リバースブロットハイブリッド形成法は、マイコバクテリアの同定に非常に効果的なシステムであることを示す。【0050】本明細書に引用されたあらゆる文献及び下記文献は、参考文献として本願明細書に全体的に統合されている。【0051】〔参考文献〕1.Abed, 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Microbiol. 31:2061-2065.【0052】【配列表】【図面の簡単な説明】【図1】 図1の(A)は、本研究のPRAに用いられるrpoBの増幅領域を示す図である。プライマーPRO5'及びRPO3’は、360-bpのPCR生成物を形成し、これは、結核菌のリファンピン(rifamfin)耐性に関連したrifr領域の上流に位置する。(B)は、PRO5'及びRPO5'を用いて得られた360-bpPCR産物のアガロースゲル(2%)電気泳動写真である。レーンM:DNAサイズマーカ(100-bpラダー(ladder))、レーン1:陰性対照群(DNA試料無し)、レーン2-11:マイコバクテリア標準菌株のPCR産物。【図2】 図2は、プライマー組み(RPO5'及びRPO3')を用いたマイコバクテリア標準菌株に対する例示的なPRA結果を示す。増幅されたDNAは、(A)MspI及び(B)HaeIII制限酵素で各々切断され、4%メタフォア(Metaphore)アガロースゲルに電気泳動した。レーンM:DNAサイズマーカー(50-bpラダー)、レーン1:M.gordonae type IV、レーン2:M.szulgai、レーン3:M.kansasii type I、レーン4:M.gallinarum、レーン5:M.avium、レーン6:M.scrofulaceum、レーン7:M.asiaticum、レーン8:M.chelonae、レーン9:M.moriokaese、レーン10:M.phlei、レーン11:M.pulveris、レーン12:M.fortuitum type I、レーン13:M.austroafricanum、レーン14:M.smegmatis、レーン15:M.marinum。【図3】 図3は、微生物学的、生化学的検査法を含む従来の方法により同定された臨床分離菌株に対するPRA結果を示す。PCR生成物は、MspIで切断され、4%メタフォア(Metaphore)アガロースゲルに電気泳動した。菌株は、(A)M.kansasii、(B)M.tuberculosis、及び(C)M.chelonae sub. Chelonae及び M.chelonae sub abscessusを含むM.chelonae複合体の臨床分離菌株である。【図4】 図4は、40種のマイコバクテリア標準菌株及び3種の他の関連菌株に対するPRA結果を基礎にして製作されたアルゴリズムである。10種の他のマイコバクテリア標準菌株に対するPRA結果は、正確なアルゴリズムを作るために図には示していない。【図5】 図5は、臨床現場で分離したマイコバクテリア臨床分離菌株の菌同定のためのrpoB系PRAの適用例を示す。臨床分離菌株は、プライマーRPO5'及びRPO3'を用いて増幅され、MspIで切断され、4%メタフォアアガロスゲルに電気泳動した。DNAサイズマーカー(レーンM:50-bpラダー)及びM.Bovisに対するPRA結果は、それぞれの検査に対する中間サイズマーカー(レーン16)として用いられた。図3のアルゴリズムを使用した結果、これら臨床分離菌株は、M.intracellulare(レーン1-6、8、9、11-15)、M.gordonae type II(レーン7)、及びM.abscessus(レーン10)として判明された。【図6】 図6は、35種のいろいろな異なるマイコバクテリア菌種をRPO5'及びRPO3'のプライマー組みを用いて増幅したrpoB領域の配列アラインメント(alignment)である。配列は、マルチ-アラインプログラム(6)を用いてアラインした。点線(dashed lines)は、ヌクレオチドギャップを示す。【図7】 図7は、PCR-ドットブロットハイブリッド形成(PCR-dot blot hybridization)の実験例である。プライマーRPO5'及びRPO3'を用いて生成された総48個のPCR生成物と、48種のマイコバクテリア菌種から分離したDNAを、膜(membrane)でブロッティングさせ、一定のマイコバクテリア菌種に特異的なオリゴヌクレオチドプローブは、下記「物質及び方法」セクション(section)に記載された条件でハイブリッド形成させた。膜でブロッティングしたDNAは、次の通りである:1:M.tuberculosis、2:M.scrofulaceum、3:M.szulgai、4:M.gastri、5:M.kansasii type I、6:M.kansasii type II、7、M.kansasii type III、8:M.kansasii type IV、9:M.kansasii type V、10:M.terrae、11:M.avium、12:M.intracellularae、13:M.africanum、14:M.celatumtypeI、15:M.celatumtypeII、16:M.haemophilum、17:M.malmoense、18:M.bovis、19:M.chelonae、20:M.abscessus、21:M.ulcerans、22:M.marinum、23:M.genevanse、24:M.simiane、25:M.flavescens、26:M.fortuitumtypeI、27:M.fortuitum type II、28:M.peregrinum、29:M.triviale、30:M.phlei、31:M.parafortuitum、32:M.vaccae、33:M.aurum、34:M.neoaurum、35:M.fallax、36:M.xenopi、37:M.aichiense、38:M.mucogenicum、39:M.nonchromogenicum、40:M.senegalense、41:M.smegmatis、42:M.thermoresistable、43:M.intermedium、44:M.gordonae type I、45:M.gordonae type IL、46:M.gordonae type III、47:M.gordonae type IV、48:M.bovis、BCG (a)配列目録の配列番号(SEQ.ID.NO.)1乃至4または6乃至24で示される塩基配列のいずれか一つからなるDNA断片を、MspI、HaeIII、Sau3A1及びBstEIIから構成された群から選択される少なくとも1種以上の制限酵素で切断して、DNA断片長多型パターンを得る段階: (b)同定しようとする微生物からDNAを分離する段階: (c)配列番号25及び26で示される配列からなるプライマーを用いてPCR増幅することにより、前記段階(b)のDNAからrpoB遺伝子断片を増幅させる段階: (d)前記増幅されたDNA断片を、前記段階(a)と同様の制限酵素で切断する段階: (e)前記段階(d)で得られたDNA断片からDNA断片長多型パターンを得る段階: 及び(f)前記段階(e)で得られたDNA断片長多型パターンと、前記段階(a)で得られたDNA断片長多型パターンとを比較する段階を含むことを特徴とするマイコバクテリア(Mycobacteria)菌株の同定方法。 前記段階(a)と段階(e)のDNA断片長多型は、電気泳動により得られることを特徴とする請求項1に記載の同定方法。 前記マイコバクテリア菌株は、M.tuberculosis、M.avium、M.abscessus、M.flavescence、M.africanum、M.bovis、M.chelonae、M.celatum、M.fortuitum、M.gordonae、M.gastri、M.haemophilum、M.intraecllulare、M.kansasii、M.malmoense、M.marinum、M.szulgai、M.terrae、M.scrofulaceum、M.ulcerans又はM.xenopiiであることを特徴とする請求項1又は2に記載の同定方法。