タイトル: | 特許公報(B2)_女性への非経口アンドロゲンステロイドの投与 |
出願番号: | 2001502855 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 31/568,A61K 31/566,A61K 9/70,A61K 31/56,A61P 5/26,A61P 5/30,A61P 15/00,A61P 27/02,A61P 37/00 |
ロザリオ−ジャンセン,テレサ メイザー,ノーマン・エイ JP 5184727 特許公報(B2) 20130125 2001502855 20000609 女性への非経口アンドロゲンステロイドの投与 ワトソン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 500058936 小野 新次郎 100140109 小林 泰 100075270 富田 博行 100096013 星野 修 100092967 寺地 拓己 100122644 吉田 樹里 100173635 ロザリオ−ジャンセン,テレサ メイザー,ノーマン・エイ US 60/138,851 19990611 US 60/138,854 19990611 US 60/139,323 19990611 20130417 A61K 31/568 20060101AFI20130328BHJP A61K 31/566 20060101ALI20130328BHJP A61K 9/70 20060101ALI20130328BHJP A61K 31/56 20060101ALI20130328BHJP A61P 5/26 20060101ALI20130328BHJP A61P 5/30 20060101ALI20130328BHJP A61P 15/00 20060101ALI20130328BHJP A61P 27/02 20060101ALI20130328BHJP A61P 37/00 20060101ALI20130328BHJP JPA61K31/568A61K31/566A61K9/70 401A61K31/56A61P5/26A61P5/30A61P15/00A61P27/02A61P37/00 A61K 31/568 A61K 9/70 A61K 31/56 A61K 31/566 CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) 特開平10−298103(JP,A) 特表平08−505629(JP,A) 特表平09−500653(JP,A) SARREL, P. et al.,The Journal of Reproductive Medicine,1998年,Vol.43, No.10,p.847-856 24 US2000015834 20000609 WO2000076522 20001221 2003505345 20030212 20 20070510 高橋 樹理 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、広く女性へのアンドロゲンの投与に関する。従って、本発明は、製薬学および医学の分野を網羅する。【0002】【従来の技術】女性におけるアンドロゲンホルモンの機能的レベルが性的健康および活動、健康感を促進し、筋肉の質量の機能を最大にし、骨喪失を抑制する事が知られている。さらに、機能的レベルのアンドロゲンホルモンは、心臓血管および冠血管の健康を増進し、乳房圧痛を減少させ、血管運動不安定を低下し、免疫機能を調節し、一定の認知能力を強化し、泌尿器の健康を改善し、エストロゲン補充関連副作用を減少させ、直接神経保護作用を生じると思われる。女性におけるテストステロンなど、アンドロゲンホルモンの機能的レベルの達成は、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の血清濃度に影響されると思われる。SHBGは、肝臓で産生されるホルモンで、血中でテストステロンやエストラジオールなどの性ホルモンと結合する蛋白である。SHBG結合性ホルモンは、一般に、標的組織中の性ホルモンレセプターで生物学的作用を発揮するには「非機能的」、即ち、利用不能であるか、ないしは、血中から排出される。経口エストロゲンの使用は、SHBGの血清レベルを上昇させる。SHBGレベルは、甲状腺機能亢進症や妊娠などの各種病態において、また、抗痙攣剤などの特定の投薬によっても上昇する。SHBGレベルの上昇は、アンドロゲンホルモンレベルと機能的レベルを達成するため、必要な用量を変更する。【0003】【発明が解決しようとする課題】および【課題を解決するための手段】本発明は、SHBGレベルが上昇した女性のアンドロゲンステロイドの機能的レベルを達成し、それによってその健康を改善するための方法、組成品およびキットを提供する。【0004】従って、本発明は、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の上昇または実質的な上昇を呈する女性の健康を改善するための方法とキットを提供する。さらに、本発明は、経口エストロゲン補充を受ける女性の健康を改善するための方法とキットを提供する。さらに、本発明は、経口エストロゲン補充を要する女性の健康を改善するための方法とキットを提供する。【0005】ある態様では、上記の方法は、上昇した、または、実質的に上昇したSHBGレベルの存在下で治療効果を提供するのに十分な量のアンドロゲンステロイドの非経口投与を含む。別の態様では、上記の方法は、経口エストロゲン投与下で治療効果を発揮するのに十分な量のアンドロゲンステロイドの非経口投与を含む。さらに別の態様では、上記の方法は、有効量の経口投与エストロゲンと、経口エストロゲン投与下で治療効果を提供する非経口投与アンドロゲンステロイドの同時投与を含む。【0006】利用可能な特異的アンドロゲンステロイドの例は、その限りではないが、テストステロン、メチルテストステロン、アンドロステネジオン、アドレノステロン、デヒドロエピアンドロステロン、オキシメソロン、フルオキシメステロン、メソアンドロステロン、テストラクトン、プレグネノロン、17α−メチルノルテストステロン、ノルエタンドロロン、ジヒドロテストステロン、ダナゾール、オキシメソロン、アンドロステロン、ナンドロロン、スタノゾロール、エチルエストレノール、オキサンドロロン、ボラステロン、メステロロン、テストステロンプロピオネート、テストステロンシピオネート、テストステロンフェニールアセテート、テストステロンエナンテート、テストステロンアセテート、テストステロンブシクレート、テストステロンヘプタノエート、テストステロンデカノエート、テストステロンカプレート、テストステロンイソカプレート、それらの異性体および誘導体およびそれらの配合剤である。【0007】投与すべきアンドロゲンステロイド量は、数種の異なるパラメーターに従って測定できる。ある態様では、アンドロゲンステロイド投与量は、約15ng/dlから1000ng/dlまでの総テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な量である事ができる。本発明の別の態様では、アンドロゲンステロイド投与量は、約0.5pg/mlから約30pg/mlまでの遊離テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な量である事ができる。本発明のさらに別の態様では、約1ng/dlから約70ng/dlまでの生体内利用テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な量である事ができる。本発明のさらに別の態様では、アンドロゲンステロイド投与量は、少なくとも約50mcg/日のテストステロン用量と同等の治療効果を達成するのに十分な量である事ができる。【0008】本発明の方法と併用して利用できる特異的エストロゲンの例は、その限りではないが、17β−エストラジオール、17α−エストラジオール、共役エクインエストロゲン、エステル化エストロゲン、超微粉エストラジオール、エストロゲン硫酸ナトリウム、エチニルエストラジオール、チボロン、選択的エストロゲンレセプターモジュレーター(SERM)、フィトエストロゲン、それらの異性体および誘導体およびそれらの配合剤である。本発明のある態様では、エストロゲン投与量は、約0.2mg/日から約3.0mg/日までの共役エクインエストロゲン用量と同等の治療効果を達成するのに十分な用量である事ができる。【0009】本発明の方法に従って、その限りではないが、局所投与または非経口投与またはその併用を含めて、アンドロゲンの各種投与形態を使用できる。ある態様では、局所投与形態は、その限りではないが、経皮または経粘膜または舌下またはその併用を含む。別の態様では、非経口投与形態は、その限りではないが、筋肉内注射または皮下植込みまたはその併用を含む。【0010】望めば、アンドロゲンステロイド及びエストロゲンとプロゲスチンを同時投与できる。ある態様では、プロゲスチン投与は、経口エストロゲン投与中に子宮内安全性を提供するのに十分な量である事ができる。別の態様では、有効な避妊を提供するのに十分な量である事ができる。【0011】本発明の結果として起こりうる、健康改善の指標が多数ある。特に注目すべきものは、その限りではないが、性的欲望、性行動頻度、生殖器の刺激、オルガズム到達能、性行動の喜び、活力、幸福感、情緒的幸福感、認知能、筋肉の質量と機能、体組成、骨塩量、皮膚および毛髪状態、陰毛、尿生殖器萎縮、膣乾燥、ドライアイ、自己免疫状態の健康、血管運動不安定、乳房圧痛、月経前症候群の症状およびそれらの併発など、特徴の回復、増強、改善または防止である。【0012】A.定義本発明を説明し、クレームする上で、以下の用語を使用する。単数形「a」、「an」および「the」は、本文にその他の点で明確に記載されていない限り、複数の対象を含む。従って、例えば、「a transdermal patch(経皮パッチ)」参照は、1つ以上の上記経皮パッチへの参照を含み、「an estrogen」参照は、1つ以上の上記エストロゲンへの参照を含む。【0013】「性ホルモン」は、生殖器の成長と機能、あるいは、二次性徴の発達に影響を与えるホルモンを指す。ある態様では、性ホルモンは、その限りではないが、アンドロゲン、エストロゲン、プロゲスチンおよび技術上周知の他のホルモンを含む。【0014】「アンドロゲンステロイド」または「アンドロゲン」は、第一にアンドロゲンレセプターと結合する事によって生物学的作用または薬理作用を発揮する天然または合成ステロイドを指す。例は、その限りではないが、テストステロン、メチルテストステロン、アンドロステネジオン、アドレノステロン、デヒドロエピアンドロステロン、オキシメソロン、フルオキシメステロン、メソアンドロステロン、テストラクトン、プレグネノロン、17α−メチルノルテストステロン、ノルエタンドロロン、ジヒドロテストステロン、ダナゾール、アンドロステロン、ナンドロロン、スタノゾロール、エチルエストレノール、オキサンドロロン、ボラステロン、メステロロン、テストステロンプロピオネート、テストステロンシピオネート、テストステロンフェニールアセテート、テストステロンエナンテート、テストステロンアセテート、テストステロンブシクレート、テストステロンヘプタノエート、テストステロンデカノエート、テストステロンカプレート、テストステロンイソカプレート並びにそれらのエステル、誘導体、プロドラッグ、異性体を含む。【0015】「テストステロン」は、(17β)−17−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3−オンおよびΔ4−アンドロステン−17β−オル−3−オンのIUPAC名を有する化合物並びにそれらの異性体を指す。テストステロンは、メルクインデックス、登録番号9322,1569ページ、12編(1996)に掲載されている。【0016】「エストロゲン」と「エストロゲンホルモン」は、第一にエストロゲンレセプターと結合する事によって生物学的作用または薬理作用を発揮する天然または合成物質を指す。例は、その限りではないが、17−β−エストラジオール、17−α−エストラジオール、エストリオール、フィトエストロゲンを含む。これらのエストロゲンは、誘導または修飾して、例えば、共役エクインエストロゲン、エステル化エストロゲン、エチニルエストラジオールなどを含む。エステル化エストロゲンの例は、その限りではないが、エストラジオール−3、17−ジアセテート、エストラジオール−3−アセテート、エストラジオール−17−アセテート、エストラジオール−3、17−ジバレレート、エストラジオール−3−バレレート、エストラジオール−17−バレレートを含む。また、Eli LillyからエビスタRの商品名で販売されている選択的エストロゲンレセプターモジュレーター(SERMS)、例えばラロキシフェン、も含まれる。エストロゲンは、塩(例、エストロゲン硫酸ナトリウム)、異性体またはプロドラッグである事もできる。【0017】また、植物由来エストロゲンのフィトエストロゲンも含まれる。イソフラボンは、フィトエストロゲンの1つの主要形で、ジエチルスチルベステロールおよびヘキセストロールなどの強力な合成エストロゲンの構造に似た共通するジフェノール構造を有する。ヒトから検出される主なイソフラボンは、その限りではないが、ゲニステイン、ジアドゼインおよびエクオールを含む。【0018】「経口エストロゲン」は、経口投与に適した剤型のエストロゲンを指す。共役エクインエストロゲン、エステル化エストロゲンおよび超微粉エストラジオールが経口エストロゲンの例である。市販経口エストロゲン製品には、Wyeth−Ayerst LaboratoriesからプレマリンRの商品名で販売されている共役エクインエストロゲン、Solvay PharmaceuticalsからエストラタブRの商品名で販売されているエステル化エストロゲン、および、Bristol Meyers SquibbからエストレースRの商品名で販売されている超微粉17−βエストラジオールがある。【0019】「プロゲスチン」または「プロゲストゲン」は、第一にプロゲスチンレセプターと結合する事によって生物学的作用または薬理作用を発揮する天然または合成物質を指す。例は、その限りではないが、プロゲステロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、ノルエチンドロン、ノルエチンドロンアセテート、それらの誘導体、プロドラッグおよび異性体がある。プロゲスチンは、多様な作用を達成するため、女性に投与されている。例は、限定なく、エストロゲン同時投与中の子宮内膜の安全性を提供し、有効な避妊を提供する。上記の効果を達成するのに要求されるプロゲスチンの量は、女性毎に変動すると思われるが、計画した目的または効果を達成するために適正または有効量を決定する方法は、普通の当業者に周知である。【0020】「性ホルモン結合グロブリン」または「SHBG」は、性ホルモン結合蛋白(SHBP)およびテストステロンエストラジオール結合グロブリン(TeBG)としても周知で、様々な高親和性性ホルモンに結合する血清蛋白を指す(表1参照:Dunnら、ステロイドホルモンの運搬:ヒト血漿中でのテストステロン−結合グロブリンおよびコルチコステロイド−結合グロブリン両者への21種類の内在ステロイドの結合、J.Clinical Endocrinology and Metabolism、Vol.53:58−67(1981))。特定の性ホルモンおよびSHBGの代表的結合親和定数(K値)を以下の通りに表1に示す。(Dunnら1981から改作)。【0021】【表1】【0022】本出願の目的で、約1x106L/molを越えるSHBG結合親和性定数は、高い親和結合を表す。SHBGの構造と提案する機能は、記述され、特徴付けられている。例えば、Rosnerら、原形質膜における性ホルモン−結合グロブリンはステロイドホルモンシグナル形質導入を仲介する、J.Steroid Biochem. Mol. Biol. Vol.69:481−5(1999);Petra,P.H.血漿性ステロイド結合蛋白(SBPまたはSHBG)、構造、分子生物学および機能に関する最近の開発の批評、J.Steroid Biochem.Mol.Biol.,Vol.40:735−53(1991)を参照されたい。硫酸アンモニウム沈殿法、ゲル濾過、平衡透析、デキストランコート活性炭およびラジオイムノアッセイを含めて、SHBGの血清濃度を定量するため、様々な方法が使用されている。例えば、Khanら、ヒトテストステロン−エストラジオール結合グロブリンのラジオイムノアッセイ、J.Clinical Endocrinology and Metabolism,Vol.54:705−710(1982)を参照されたい。妥当化モノクロナールイムノラジオメトリックアッセイ(Endocrine Science, Calabassas Hills、CA)を使うと、健康な閉経期前の女性の平均血清SHBGレベルは、84nmol/Lであり、正常範囲が36−185nmol/Lであると分かった。経口エストロゲン、エストロゲン含有経口避妊薬、クロミフェン、タモキシフェン、ラロキシフェン、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウムの投与を受ける女性、並びに、妊娠中、甲状腺機能亢進症、慢性肝疾患、HIV−感染症の女性においては、血清SHBGが上昇する事が周知である。例えば、Bondら、今後の臨床における性ホルモン結合グロブリン、Acta.Obstet.Gynecol.Scand.,Vol.66:255−262(1987);Millerら、後天性免疫不全症候群消耗女性における経皮テストステロン投与:パイロットスタディー、J.of Clinical Endocrinology and Metabolism,Vol.83;27172725(1998)を参照されたい。【0023】「投与」と「投与している」は、薬剤を対象に与える方法を指す。投与は、経口および非経口法などの技術上周知の各種経路によって完遂できる。「経口投与」は、本剤を含む経口剤型の嚥下、咀嚼、吸引によって達成できる。「非経口投与」は、薬剤組成品を固体または液体剤型で提供しない投与法を表すが、上記の固体または液体経口剤型は、口ないし頬面窩洞を越えて消化器に実質的にその薬剤を放出ないし送達させる事を伝統的に意図している。上記の固体剤型は、従来の錠剤、カプセル、キャプレットなどであり、これらは、実質的に薬剤を口の中即ち口腔で放出しない。【0024】溶液、懸濁液、エマルジョンなどの多数の経口液体剤型およびいくつかの経口固体剤型は、これらの処方剤の嚥下中に薬剤の一部を口の中即ち口腔に放出する場合のある事が認められる。しかし、口の中即ち口腔を通る遷移時間が非常に短いため、口の中即ち口腔でのこれらの処方剤からの薬剤の放出は、最少またはごく微量であると考えられる。従って、頬面パッチ、粘着フィルム、舌下錠および薬剤を口の中で放出するように設計された薬用ドロップが、本目的の非経口組成品である。【0025】従って、「非経口」の用語は、腸管外、局所、吸入、植込み、眼内、鼻内、膣内、直腸内処方剤および投与である。さらに、植込み処方剤は、植込みの身体位置とは無関係に「非経口」の用語に加える事とする。【0026】「腸管外」投与は、薬剤組成品を静脈内、動脈内、筋肉内、髄腔内または皮下などに注入する事によって達成できる。「局所処方剤」は、皮膚表面への直接適用のための薬剤を配置でき、そこから有効量の薬剤を放出する組成品を意味する。局所処方剤の例は、その限りではないが、軟膏、クリーム、ゲル、経皮パッチ、スプレイ、膣リングおよびペーストを含む。「経皮」とは、薬剤の皮膚表面からの移行を促進する投与経路を指し、経皮組成品は、皮膚表面に投与する。【0027】経皮投与は、経皮製剤を皮膚表面に貼付し、塗布し、巻きつけ、接着し、流し、圧迫し、こするなどして遂行できる。これらおよび追加投与法は、技術上周知である。【0028】「経皮的送達システム」、「経皮パッチ」または単に「パッチ」は、特定適用期間に渡って限定量の物質を経皮的に送達するために使用されるマトリックスまたは液体保持タイプの送達用具を指す。【0029】 本発明に従ってアンドロゲンステロイドを投与するための経皮パッチの1例は、マトリックスタイプパッチで、アンドロゲンステロイド不透過の閉鎖式バッキングから成り、ホルモン、ポリマー圧感受性接着キャリアおよび任意に1種類以上の皮膚透過増強剤の均質配合物から成るパッチおよび固体または半固体マトリックス層の表面または上面を規定するマトリックスタイプパッチである。マトリックスパッチは、技術上周知の経皮送達品である。限定を伴うことなく、接着マトリックス経皮パッチの例は、米国特許第5,122383号および第5,460,820号(参考のために全部を編入する)に記述または言及されるものである。【0030】本発明に従ってアンドロゲンステロイドを投与する経皮パッチの別の例は、液体保持システム(LRS)タイプパッチで、これは、キャリア賦形剤中のアンドロゲンおよび透過増強剤など、他の任意の成分から成る。キャリア賦形剤は、不透過性バッキングを有する保持中に封じ込めるために処方されたゲルまたは軟膏などの望ましい粘度の流動物および皮膚接触透過性膜または保持内容物と皮膚の間に拡散接触を生じる膜接着ラミネートから成る。適用には、可剥性剥離ライナーを外し、パッチを皮膚表面に接着させる。LRSパッチは、技術上周知の経皮送達品である。LRS経皮パッチの例は、その限りではないが、米国特許第4,849,224号および第4,983,395号に記述または言及されており、参考のために全部を編入する。【0031】「皮膚」、「皮膚表面」、「真皮」、「表皮」および類似用語は、ここでは互換的に使用しており、表皮から成る対象の外皮だけでなく、薬剤組成品を投与できる粘膜表面をも指す。粘膜表面の例には、呼吸器(鼻、肺を含む)、口腔(口、頬)、膣、腔および洞入口、唇および直腸の表面がある。そのため、「経皮」という用語は、「経粘膜」も含む。【0032】「同時投与」および類似用語は、1名に対して複数の物質の一斉または連続的な投与を指す。従って、エストロゲンおよびアンドロゲンに関しては、この用語は、女性が経口エストロゲンと非経口アンドロゲンを受けている状況を含む。この用語は、エストロゲンとアンドロゲンを同時に投与しなければならない事を意味しているのではない。むしろ、女性が経口アンドロゲンを受けている限り、非経口アンドロゲンの投与は、「同時投与」に対する本定義の範囲内になるだろう。エストロゲンとアンドロゲンは、単一製剤で、あるいは、同一経路で「同時投与して」提供する必要がない事を理解すべきである。【0033】「処方剤」と「組成品」の用語は、ここでは、互換的に使用している。「製剤」および「薬剤」の用語も、互換的に使用し、薬理学的に活性な物質または組成品を指す。これらの技術用語は、製剤および医薬技術上周知である。【0034】「総血清レベル」、「総血中レベル」および「内在血清レベル」は、すべての蛋白結合および遊離アンドロゲンまたはエストロゲンを含めた総アンドロゲンまたはエストロゲン血清レベルを指す。アルブミンのような特定の蛋白は、アンドロゲンまたはエストロゲンに低親和性で結合するので、これらの性ホルモンは機能性を示す(生体内利用可能)(即ち、周知のまたは意図した生物学的作用を生じる)。対照的に、SHBGのような数種の蛋白は、高親和性によってアンドロゲンまたはエストロゲンに結合し、それらを非機能的にする。この種の結合を測定し、特徴付ける方法は、ある当業者に周知である。例えば、Dunnらを参照されたい。【0035】従って、「総テストステロン血清レベル」は、(1)遊離テストステロン;(2)アルブミン結合テストステロンなどの、血清蛋白と弱く結合したテストステロン;および(3)SHBG結合テストステロンなど、高親和性結合血清蛋白に強く結合するテストステロンの和を指す。【0036】「蛋白結合」の用語は、あらゆるタイプの蛋白結合を含む。総血清テストステロンは、ラジオイムノアッセイ(RIA)のような周知のアッセイ技術で測定できる。例えば、Endocrine Science Inc.(Calabassas Hills,CA)が使用しているRIA手法を参照されたい。この手法は、Furuyamaら、血漿テストステロンのラジオイムノアッセイ、Steroids.1970;16:415−428によって発表されたRIAに基づいている。このアッセイ法を使うと、Endocrine Science,Inc.によって健康な閉経期前の女性で測定された総血清テストステロンレベルの正常範囲は、14−54.3ng/dLであると報告された(Millerら、1998)。【0037】「内在遊離テストステロンレベル」または「生理的遊離テストステロンレベル」は、テストステロン欠乏症ないしテストステロン過剰に伴う症状ないしはエストロゲン/アンドロゲン不均衡症状を持たない成人女性に正常に認められる遊離テストステロン(FT)血清レベルを指す。【0038】「生体内利用可能」、「血清生体内利用可能」および類似用語は、SHBGに結合しないアンドロゲンまたはエストロゲンを指す。そのため、「遊離」(非結合)または血清アルブミンに「弱く結合した」(から容易に解離する)アンドロゲンは、組織で生体内利用可能であると考えられる。一般に、アルブミン結合テストステロンの血清濃度は、テストステロンに対するアルブミンの結合能が高いため、遊離テストステロン濃度に比例する事になる。比例係数は、アルブミン−テストステロン結合定数(3.6x104L/mol)と血清アルブミン濃度(mol/Lで表示)の積に相当する。Vermeulenら、血清中遊離テストステロンの簡易推定法の批判的評価、J.of Clinical Endocrinology and Metabolism Vol.84:3666−3672(1999)を参照されたい。血清アルブミン濃度は、比較的狭い範囲内(例、4−5g/dL;5.8x10-4−7.6x10-4mol/L)で維持されるので、この比例係数は約22である。この関係の結果、生体内利用テストステロンの濃度は、総テストステロンおよびSHBGの濃度にかかわらず、遊離テストステロン濃度の約23倍であると思われる。【0039】生体内利用テストステロン濃度は、一般に、硫酸アンモニウム沈殿法を使って測定される。例えば、Nankinら、テストステロン、LH、エストロゲン、エストラジオールおよびテストステロン結合蛋白の中間力価;ヒトにおけるLHおよびLH−放出ホルモンの短期作用、J.of Clinical Endocrinology and Metabolism Vol.41:271−81(1975)を参照されたい。この方法を使う事によって、Endocrine Science,Inc.による健康な閉経期前の女性で測定された生体内利用テストステロンレベルの正常範囲は、1.6−12.7ng/dLまたは約2−13ng/dLであると報告された。【0040】「遊離」、「非結合」または類似用語は、SHBGやアルブミンなどの蛋白に接着しないアンドロゲンまたはエストロゲンを指す。そのため、蛋白に結合しないアンドロゲンまたはエストロゲンは「遊離」と見なされる。【0041】限定のない例によれば、「遊離テストステロン」、「非結合テストステロン」、「血清遊離テストステロン」などの用語は、蛋白と結合しない血清中テストステロンを指す。平衡透析、限外濾過、類似RIA法を含む各種実験法によって、また、総テストステロン、SHBGおよびアルブミンレベルからの算出によって、血清遊離テストステロンレベルを測定できる。例えば、Wintersら、類似遊離テストステロンアッセイ;ヒトでの結果は臨床的に有用か? Clinical Chemistry Vol.44:2178−2182(1998)を参照されたい;Vermeulenら(1999)も参照されたい。平衡透析法は、現在、最も正確な結果を提供すると考えられる。Mathorら、正常月経周期中の遊離血漿テストステロンレベル、J.Endocrinol. Invest Vol.8:437−41(1985)を参照されたい。この方法を使う事によって、Endocrine Science,Inc.による健康な閉経期前の女性で測定された遊離テストステロンレベルの正常範囲は、1.3−6.8pg/mLまたは約2−7g/mLであると報告された。【0042】「女性」は、いずれの方法でもアンドロゲンまたはエストロゲン補充から恩恵を受けるヒトの雌を指す。ある態様では、女性は、年令、卵巣摘出または卵巣不全のために閉経している場合がある。別の態様では、骨損失を防止、遅延させる、その他の点で女性に心臓血管疾患を起こし易くすると思われる血中脂質の変化を遅延させる有益作用のために経口エストロゲンを受けている場合がある。さらに別の態様では、女性は、エストロゲンおよびアンドロゲンの欠乏または不均衡を示す場合がある。さらに別の態様では、女性は、避妊のために経口エストロゲンを受けている場合がある。【0043】「健康を改善する」は、アンドロゲンステロイド欠乏症に伴う症状の発現率ないし強度を減少、改善、防止する事を指す。上記の症状の例には、その限りではないが、性的欲望の喪失として顕在化する可能性のある性機能障害、性的刺激への感受性低下、オルガズムの喚起能および保有力の減少、活力減退、抑うつ気分、幸福感減退、内気増加、筋肉質量および機能の喪失、体組成不良、即ち、赤み肉対脂肪質量比、陰毛の希薄化および喪失、尿生殖器萎縮、頭髪の乾燥および脆弱、皮膚乾燥、認知能の低下、ドライアイ、自己免疫現象およびそれらの併発である。【0044】各特定症状を評価するために、技術上周知の各種用具から上記症状の存在および重症度の増減を確認できる。例えば、女性の性機能は、女性のための性機能ブリーフインデックス(Taylorら、1994);性機能に関するDerogatisインタビュー、Derogatis,L.,性機能に関するDerogatisインタビュー(DISF/DISF−SR):予備報告書、J.Sex.Marital Ther.Winter 23(4):291−304(1997)などの自己評価質問表、および、Derogatisら、臨床試験におけるヒト性機能の心理評価尺度、Int.J.Impot.Res.5月10日補遺2:S13−20(1998)などの他の質問表;並びに、生殖器血流法(Laan、1998)によって評価できる。筋肉質量、体組成、骨密度は、一般に、二重エネルギーX線吸収法(DEXA)を使って測定される。気分、幸福感、神経認知機能は、Beckうつ病尺度(Beckら、1961)、心理学的一般幸福感指数(Dupuy、1984)および一連の神経認知機能検査、によって測定できる。ドライアイ症候群は、涙機能検査、例えば、浸透圧、容量、流速、Shirmer検査によって、人工涙液製剤の使用によって、および主観的質問表によって評価できる。例えば、Matherら、閉経と涙機能:ヒトの涙産生に対するプロラクチンと性ホルモンの影響、Cornea Vol.17:353−8(1988)を参照されたい。免疫機能は、循環自己抗体価、CD4+およびCD8+リンパ球数および、全身性エリテマトーデスや慢性関節リウマチなどの特定自己免疫疾患の症状によって評価できる。【0045】SHBGと関連して使用する「上昇」は、特定の女性で測定したSHBG濃度で、SHBGレベルを測定する検査室によって報告される健康な閉経期の女性の平均値よりも高い濃度を指す。例えば、免疫放射線検定によるEndocrine Scienceの免疫放射線検定法を使用する事によって得られる数値は、84nmol/L以上であれば、上昇と見なせる。SHBGレベルの「実質的上昇」とは、特定の女性のSHBG血清濃度で、SHBGレベルを測定する検査室によって報告される健康な閉経期の女性の正常範囲下限よりも高い濃度を指す。例えば、Endocrine Scienceの免疫放射線検定法を使用する事によって得られる数値は、185nmol/L以上であれば、実質的上昇と見なせる。各種臨床標準品検査室でSHBGを測定するために使用される各種方法とその検査室から報告される平均値および正常範囲の対応する変動を考慮して、上記のSHBG値の上昇と実質的上昇の定義は、正常範囲を適切に測定する妥当化された方法に応用できる。【0046】「有効量」は、意図する目的や効果を達成するのに十分な物質量を指す。様々な生物学的要因が送られる物質の意図する仕事実施能に影響すると思われる。そのため、「有効量」は、上記の生物学的要因に依存すると考えられる。限定なしの例としては、SHBG血清レベルが225nmol/Lの女性は、意図する効果を達成するために、SHBG血清レベルが100nmol/Lの女性よりも多いテストステロン量を必要とすると思われる。そのため、上記の女性のテストステロン用量に変動があるものの、望ましい効果を達成する限り、各用量が「有効量」であると見なされる。「有効量」の決定は、十分に普通の技術の熟練の範囲内である。【0047】アンドロゲンおよびエストロゲン送達品の場合の望ましい効果の達成を測定するために、多くの評価法を使用でき、これらは技術上周知である。上記の評価法は、医師または他の有資格医療職員が実施でき、理学的検査、血液検査などを含む事ができる。【0048】「治療効果」は、ある程度達成される望ましい結果を指す。本発明出願に提示するアンドロゲンおよびエストロゲンと関連して、多くの望ましい結果は、「健康を改善する」と解釈される。ある態様では、治療効果は、選択した程度まで望ましい結果を達成する事ができる物質の「有効量」を送達する事によって実現できる。治療効果の達成は、技術上周知の評価法を使って、医師または有資格医療職員が測定できるが、個別変動および治療応答が治療効果の達成を主観的決定にする事ができる、と認識されている。【0049】ここでは、濃度、量、溶解度およびその他の数字データを範囲フォーマットで示す事ができる。前記の範囲フォーマットは、単に、便宜的に、簡潔にするために使用している事を理解する必要があり、範囲の限界としてはっきりと示した数値を加えるだけでなく、各数値と部分範囲をはっきりと示すかのように、その範囲内に含まれるすべての個々の数値または部分範囲も含むと柔軟に解釈すべきである。【0050】例えば、0.5−15pg/mlの濃度範囲は、0.5pg/mlと15pg/mlの濃度限界をはっきりと示すだけでなく、0.5pg/ml、0.7pg/ml、1.0pg/ml、5.2pg/ml、11.6pg/ml、14.2pg/mlなどのその範囲内の個々の濃度および0.5−2.5pg/ml、4.8−7.2pg/ml、6−14.9pg/mlなどの部分範囲も含むと解釈すべきである。この解釈は、範囲の幅や説明している特徴にかかわりなく適用すべきである。【0051】最近の研究は、アンドロゲンおよび特にテストステロンが女性の健康および幸福感に実質的に寄与する事を認めている。Ebertら、米国特許第5,460,820号は、ある態様で、パッチ送達システムを経由してテストステロンを経皮的に投与する組成品と方法を説いている。これらの組成品および方法は、テストステロンマトリックスから50−500mcg/日のテストステロンを経皮的に投与する手段によって約15−80ng/dLの生理的範囲で総テストステロン血清血中レベルを維持する。アンドロゲンの非経口的送達が、第一通過代謝を迂回するので、肝臓により安全であり、より持続的な送達を提供する。一方、エストロゲンの経口的送達は、血清脂質プロファイルを改善できる。しかし、上述の女性に関する総テストステロン血清レベルは、経口エストロゲンを受ける女性など、SHBGレベルが上昇または実質的に上昇した女性において、治療上有効なテストステロンレベルの正確な指標ではないと思われる。【0052】SHBGへのテストステロンの結合は、アンドロゲンレセプターを発現する組織などのアンドロゲン感受性組織へのテストステロンの運搬を減少させる事が周知である。上記の結合は、男女両者において、テストステロンのクリアランス率を低下させる事も周知である。例えば、Vermeulenら、アンドロゲンの代謝クリアランス率と遊離アンドロゲン分画の影響、J.Clinical Endocrinology and Metabolism Vol.48:320−326(1979);Longcopeら、閉経期前後の女性の遊離エストラジオール、遊離テストステロン、性ホルモン結合グロブリン、J.Clinical Endocrinology and Metabolism Vol.64:513−518(1987)を参照されたい。テストステロン結合およびクリアランスへのSHBGレベルの影響の結果、特定の個人へのアンドロゲン投与によって達成される総、遊離および生体内利用アンドロゲン血清レベルへのSHBGレベルの影響は、その個人のSHBGレベルに依存する事になる。しかし、達成するアンドロゲン血清レベルへのSHBGレベルの影響は、現在の知識からは正確に予測できず、実験データが必要である。【0053】上記のデータを提示するため、300mcg/日テストステロンの経皮マトリックスパッチの1週間に2回の投与を7日間受けた外科的に閉経となった女性3群について、薬物動態試験を実施した。第1群は、少なくとも1ヶ月間、エストロゲン置換療法を受けておらず、第2群は0.1mg/日の用量で経皮エストラジオール(E2)を受けており、第3群は、1.25mg/日の用量で経口共役エクインエストロゲン(CEE)を受けていた。パッチ貼付前に入手したSHBGレベル、および、3.5日のパッチ貼付期間の前と期間中に入手した総および遊離テストステロンレベルの測定は、Endocrine Scienceが実施した。臨床試験に参加した外科的閉経女性3群について得られたホルモンデータ(平均値±標準誤差)を以下の表2に要約する。【0054】Endocrine Scienceアッセイを使うと、SHBGレベルの正常範囲が36−185nmol/Lであるのは、注目すべきである。さらに、3.5日間のパッチ貼付中、総および遊離テストステロンレベルの変化は、基礎レベルからの変化からの時間平均変化を表す。【0055】【表2】【0056】表2に示すように、経口エストロゲン群の平均SHBGレベルは、他群よりも約2.5倍高く、正常範囲の上限を上回った。経皮エストロゲン群のSHBGレベルは、エストロゲン置換療法(ERT)を受けなかった女性に匹敵した。パッチ貼付中の総血清テストステロンレベルの平均増加、即ち、基礎レベルからの時間平均変化、は、他の2群に比較して経口エストロゲン群が約30%高かった。【0057】対照的に、経口エストロゲン群の遊離血清テストステロンレベルの平均増加は、他の2群よりも約40%低かった。これらの所見は、テストステロンクリアランスを減少させる事によって、SHBGレベルの上昇は、テストステロンの経皮投与中に得られるテストステロン総血清レベルの増加を招く事を表している。しかし、遊離血清テストステロンレベルおよび、推論上、生体内利用血清テストステロンレベルは、総血清レベルの上昇にもかかわらず、SHBGレベルの上昇によって減少する。これは、おそらく、SHBGによるテストステロンの結合増加によるものと思われる。これらの所見は、新しく、予想外で、初期の試験からは予測できなかったと思われた。【0058】テストステロンレベルへのSHBGの新規作用に関するさらに詳細な説明として、経皮または経口エストロゲンを受けている外科的閉経女性への300mcg/日テストステロンの経皮投与中に得られた総血清テストステロンおよび遊離血清テストステロンの個々の増加分を、個別SHBGレベルに対して、それぞれ、図1と図2にグラフ化する。対数目盛りで図示したように、総血清テストステロンの増加分は、SHBGレベルの増加と共に拡大するが、遊離テストステロンの増加分は、SHBGレベルが増加するにつれ、縮小する。【0059】テストステロンの非経口投与に対するSHBGレベルの上昇の新規および予想外の影響をさらに詳細に説明するため、以下の表3は、図2に示す指数法則回帰方程式を使ってSHBGレベルの関数として作成した、遊離テストステロン(FT)の一定の増加を達成するのに必要なテストステロン送達率の推定値を示す。表3に示すように、FTの一定の増加(変化)を達成するのに必要な送達率は、SHBGレベルが増加するにつれ、顕著に増加する。例えば、SHBGレベルが700nmol/Lである患者に15pg/mLの増加を達成するために必要な送達率は、2484mcg/日であると推定される。これは、先行技術で説明されたものよりも実質的に高い数値である。【0060】【表3】【0061】上記の送達率に関して、望みの遊離テストステロンレベルの変化と一定のSHBGレベルに応じた総テストステロンレベルの変化は、図1に示す指数法則回帰方程式を使って予測できる。以下の表4は、上記の予測の説明である。表4に示すように、遊離テストステロンレベルの一定の変化に対応する総テストステロンレベルの変化は、SHBGレベルが増加するにつれ、顕著に増加する。例えば、SHBGレベルが700nmol/Lである患者における15pg/mLの遊離テストステロンの変化に対応する場合、予測される総テストステロンの増加は820ng/dLである。【0062】【表4】【0063】表2、3、4の所見と予測を実際の患者に外挿する場合、治療から予想されるテストステロンレベルの変化に患者の基礎テストステロンレベル(即ち、治療前の総または遊離テストステロンレベル)を加えなければならない事を評価すべきである。正常以下の基礎レベルを有する者に関しては、治療で到達する最終ホルモンレベルは、変化自体に近づく。上記の所見と予測は、経口エストロゲン服用中の女性やSHBGレベルが上昇している女性へのアンドロゲン投与が、一般に、非経口エストロゲン療法中の女性やSHBGレベルが低いか正常な女性に比較して有意に低い遊離ないし生体内利用テストステロンレベルを生じると思われる事を指摘している。さらに、経口エストロゲン療法中の女性や、一般に、SHBGレベルが上昇した女性は、SHBGレベルが正常な女性において至適であるとこれまでに考えられたレベルを上回るアンドロゲンを必要とするようだ。さらに、上記の用量の投与は、一般に認識されている正常範囲以上の総血清テストステロンレベルを生じると思われる。短期アンドロゲン適用などのある治療応用に関して、遊離ないし生体内利用テストステロンの望みの治療レベルも、対応する正常な生理的範囲を上回る可能性のある事にも注目すべきである。従って、本発明は、女性のSHBGレベルが上昇している条件下で女性の健康を改善する目的でアンドロゲンステロイドを投与するための方法、組成品およびキットを提供する。【0064】【発明の実施の形態】ある態様では、本発明は、アンドロゲンおよびエストロゲンなどの性ホルモンを女性に投与するための方法とキットを提示する。別の態様では、本発明は、アンドロゲンホルモン欠乏症に起因する症状を緩和する目的で、SHBGレベルが上昇した女性にアンドロゲンステロイドを非経口投与するための方法およびキットを提示する。さらに別の態様では、本発明は、経口エストロゲン補充を受けている女性にアンドロゲンステロイドを非経口投与するための方法およびキットを提供する。他の態様では、本発明は、経口投与エストロゲンと非経口投与アンドロゲンステロイドを同時投与するための方法およびキットを提供する。これらの、エストロゲンないしアンドロゲンステロイドを投与するための方法およびキットは、健康、性機能、幸福感を改善する上で有用であると判明している。本発明のある態様では、アンドロゲンは、約0.5−約30pg/mlの遊離テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。本発明の別の態様では、アンドロゲンは、約1−約15pg/mlの遊離テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。本発明の別の態様では、アンドロゲンは、約1.3−約6.8pg/mlまたは約2−約7pg/mlの遊離テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。本発明のさらに別の態様では、アンドロゲンは、約3−約10pg/mlの遊離テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。本発明のある態様では、アンドロゲンは、約1−約70ng/dlの生体内利用テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。本発明の別の態様では、アンドロゲンは、約2−約35ng/dlの生体内利用テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。本発明のさらに別の態様では、アンドロゲンは、約2−約13ng/dlの生体内利用テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。本発明のある態様では、アンドロゲンは、約15−約1000ng/dlの総テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。本発明の別の態様では、アンドロゲンは、約85−約1000ng/dlの総テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。本発明のさらに別の態様では、アンドロゲンは、約100−約1000ng/dlの総テストステロン血清レベルと同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。本発明のある態様では、アンドロゲンは、少なくとも約50mcg/日のテストステロン量と同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。別の態様では、アンドロゲンは、約75−約3000mcg/日のテストステロン量と同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。他の態様では、アンドロゲンは、約600−約3000mcg/日のテストステロン量と同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。さらに別の本発明の態様では、アンドロゲンは、約700−約3000mcg/日のテストステロン量と同等の治療効果を達成するのに十分な用量で投与できる。アンドロゲン用量の非経口送達経路の1つは、局所投与である。局所処方剤は、アンドロゲンの皮膚流動レベルを高める皮膚透過増強剤を含む事ができる。使用できる皮膚透過増強剤の例は、その限りではないが、米国特許第5,122,383号と第5,153,997号に記載または言及されており、皮膚透過増強剤に関するその開示を参考に編入する。さらに、透過増強剤の目録が、David W.OsboneとJill J.Henkeによって技術文献に引用される皮膚透過増強剤と題してインターネット公告に開示されており、pharmtech.com/technical/osbone/osbone.htmとして周知の世界的ウェブアドレスで確認でき、ここに参考に編入する。有効量の増強剤は、製剤学的に認容可能なキャリアに組み入れる事ができる。望みの送達処方剤のタイプに基づいて適切になる。その限りでない例として、接着マトリックス経皮パッチが望ましい場合、キャリアは接着剤とするのがよい。別の態様では、液体保持システム(LRS)パッチが望ましい場合、キャリアは、ゲル、クリーム、軟膏、ローションまたは他の技術上周知の適切な処方剤であるのがよい。アンドロゲンステロイドの経皮送達用経皮パッチは、経皮薬剤送達用具の技術に使用される従来の技法によって製造できる。たとえば、アンドロゲン、キャリア、増強剤は、望みの比率で混合し、均質混合物を形成し、経皮用具に入れる事ができる。接着マトリックスパッチや液体保持システム(LRS)パッチなどの各種タイプの経皮用具を製作するために、様々な技法が技術上周知である。経皮テストステロンパッチの他に、アンドロゲンを送達する他の非経口システムは、その限りではないが、テストステロンエステルの筋肉内注入、溶解テストステロンの皮下植込み、テストステロン、メチルテストステロンおよび他のアンドロゲンの局所製剤である。非経口適用のための用具と方法は、技術上周知である。エストロゲンやアンドロゲンなどの性ホルモンを補充する必要性は、性ホルモン欠乏症の徴候や症状のモニタリングに基づいて、また、ホルモン療法に応答する病態の薬物投与の必要性に基づいて、医師や他の医療職員が決定すべきである。すべての女性が同じ症状を呈するわけではなく、性ホルモンレベルが認容される生理的範囲内でもあるが、例えば、SHBG増加などの他の要因に基づいて、やはり性ホルモン補充が適している可能性がある。テストステロンを含めたアンドロゲンの準機能的レベルの症状は、その限りではないが、性的欲望の喪失で顕在化すると考えられる性機能障害、性的刺激への感受性低下、オルガズムの喚起能および保有力の減少、活力減退、抑うつ気分、幸福感減退、内気増加、筋肉質量および機能の喪失、体組成不良、即ち、赤み肉対脂肪質量比、陰毛の希薄化および喪失、尿生殖器萎縮、頭髪の乾燥および脆弱、皮膚乾燥、認知能の低下、ドライアイ、自己免疫現象およびそれらの併発である。経口エストロゲンを受けている女性も、エストロゲン使用に伴って起こり得る乳房圧痛を減じる事ができるため、アンドロゲン療法が有効であるといえる。アンドロゲンは、乳房組織抗増殖作用が周知であるため、エストロゲン使用に伴う乳癌の過剰リスクも減少できる。そのため、手術不能な場合、女性患者へのテストステロン補充は、適用形態、用量、投与期間を処方する医師の診断に基づくのが、非常に望ましい。共役エクインエストロゲンなどのエストロゲンは、アンドロゲンステロイドと同時投与する限り、約0.2−3.0mg/日の用量範囲で経口投与できる。その用量は、個々の女性のニーズと投与するエストロゲンの効力に従って調整できる。経口エストロゲンの用量は、1日量を1回で、あるいは、2回以上の少量に分けて服用できる。理想的には、血管運動症状を覚える女性については、最低有効量のエストロゲンを使用して、血管運動不安定を抑制する。血管運動症状をきたしていないが、心臓血管および骨への効果など、他の健康に有効になる。経口避妊薬を使用する場合、エチニルエストラジオールを21日間服用、プラセボーを7日間服用する周期で投与するのが典型的である。ある態様では、本発明は、プロゲスチンをアンドロゲンおよびエストロゲンと共に投与する方法とキットを提供する。プロゲスチンは、子宮内膜増殖症から保護するために女性に投与される事が周知である。プロゲスチンは、多くの経口避妊処方剤の必須活性成分でもある。本発明のある態様によれば、プロゲスチンを、個人のニーズに応じて、技術上周知の方法で投与できる。望みの目的を達成する上で有効なプロゲスチンの用量は、女性毎に変動すると思われる。プロゲスチンの有効量、即ち、望みの治療効果を達成するのに十分な量を決定する方法は、普通の当業者に周知である。ある当業者は、上記の用量と諸検査に基づいて、1種類以上のアンドロゲンステロイドを使って達成できる望みのアンドロゲンステロイド血清レベルを達成するために、どの位の量の特定アンドロゲンステロイドまたはテストステロン誘導体を投与すべきか、あるいは、テストステロンの形態を容易に決定できる。重要な事は、アンドロゲンステロイドまたはテストステロン誘導体の用量は、過剰量を投与する事なく、レシピエントである女性に有益になるのに十分な量であるべきだという点である。至適リスク/効果比を得るための適切な用量レベルの投与は、普通の熟練の範囲内である。以下の実施例に含まれる実施態様において、エストロゲン置換療法(ERT)の処方で、あるいは、経口避妊薬として経口エストロゲンを受ける女性は、約50−3000mcg/日の用量を投与する。治療応答を得るには、通常、この範囲の用量で十分である。しかし、特定の女性に最も適した用量は、経験的に決定できる(例、送達量を変動させ、性欲、性機能、気分、一般的幸福感などを評価する事によって)。そのため、ホルモン感受性の自然変動が原因で、正確な用量は、特定患者にとって、結果として生理的応答を得るほど重要ではなく、約15−約400ng/dlの総テストステロン血清レベル、約0.5−約15pg/mLの遊離テストステロン血清レベルに相当するといえる。以下の実施例は、ここで開示する本発明の各種態様を、単に説明する事を意図しており、決して請求する発明の範囲を限定する事を意図するものではない。当業者が同等と見なす発明の他の態様も、本発明の範囲内である。【0065】【実施例】実施例1年齢20〜55才の外科手術で閉経した婦人において、経口エストロゲンおよび経皮テストステロンを次のように投与した。エストロゲンは、1日当たりの投与量が0.625〜2.5mgの結合ウマエストロゲン(Premarin (登録商標)錠剤)からなる。経皮テストステロンは、マトリックスタイプ経皮パッチにより投与した。これを週2回腹部に貼った。放出速度は300mcg/日であった。同時投与期間は12週であった。12週後、この治療法で、性的機能、気分、幸福感が、結合(conjugated)ウマエストロゲン単独投与と比較して改善された。【0066】Endrocrine Sciences ( カリフォルニア州カラバサスヒル)によってこの治療法において測定された血清ホルモンレベルは、次の範囲であることが分かった:総テストステロン(15.5〜254.3ng/dL)、遊離テストステロン(1.7〜33.7pg/mL)、生物学的利用能テストステロン(2.3〜71ng/dL)、エストラジオール(5〜280pg/mL)、およびエストロン(8〜410pg/mL)。性ホルモン結合グロブリンレベルは、62.7〜563nmol/Lであり、ここで規定した「上昇した」および「実質的に上昇した」の定義により、92%は上昇しており、48%は実質的に上昇していた。経口エストロゲンおよび経皮テストステロン療法で73%の婦人が、本技術分野で一般に認識されている正常範囲の上限である80ng/dLを越える総テストステロンレベルに達したことは注目すべきである。これに対して、78%は6.8pg/mL(Endocrine Sciences の場合の正常範囲の上限)より下の遊離テストステロンレベルであり、97%は治療に許容される範囲であるとここで考えられている範囲内である15pg/mLより下の遊離テストステロンレベルであった。同様に、68%の婦人は12.7ng/dL(Endocrine Sciences の場合の正常範囲の上限)より下の生物学的利用能テストステロンレベルであり、97%は治療に許容される範囲であるとここで考えられている範囲内の35ng/dLより下の生物学的利用能テストステロンレベルであった。実施例2アンドロゲン作動性化合物とエストロゲン作動性化合物との組み合わせを、自然に閉経した婦人に、次の治療法により投与しうる:アンドロゲン:望ましいテストステロン血清レベルを得るために必要な透過促進剤を含んでいてもよいクリームまたは軟膏のような適切な担体賦形剤中のテストステロンの局所投与。アンドロゲンクリームは、セチルエステル、セチルアルコール、白蝋、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸メチル、ベンジルアルコール、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、および鉱油を含有していてもよい。クリーム1g当たり、約400mcgテストステロンを含有する。約1gのクリームを寝る前に皮膚または腹部へ塗布する。達成される遊離テストステロンの血清濃度は0.5〜15pg/mLであり、達成される総テストステロンは30〜250ng/dLである。【0067】テストステロンの投与量を調節するために、計量投与装置を用いてもよい。投与量の調整は、症状の軽減、例えば性欲の回復、または望ましい遊離テストステロン血清濃度の達成に基づいて行なうことができる。症状の軽減の幅は1〜20pg/mLの遊離血清テストステロンで変わりうる。【0068】エストロゲン作動性化合物:経口結合ウマエストロゲン錠剤は0.625mg/日の出発投与量で投与しうる。必要なとき、投与量は、症状のよりよい調節のためには1.25mg/日まで上に、あるいは血管運動症状をしずめて骨および血清脂質についての利点を維持するときは0.3mg/日まで下に調整される。【0069】完全な子宮を有する婦人では、非競合エストロゲン補充治療に起因する子宮内膜増殖症を避けるのに十分な量のプロゲステロンが血清中に存在することが重要である。【0070】組み合わせホルモン療法の利点は、投与して最初の6週以内に患者に認めうるが、様々な反応が生じる。一般に、ホルモンは健康維持のために長期にわたって投与される。実施例3アンドロゲン作動性化合物およびエストロゲン作動性化合物は、閉経後の婦人に投与すると、弱さを伴う徴候および症状、例えば骨および筋肉量および機能の損失、認識力減少および活動力減少を緩和しうる。【0071】アンドロゲン:月々のエナント酸テストステロン150mgの筋肉内注射。エナント酸テストステロンは、ゴマ油1mL当たり200mg含まれるように配合しうる。【0072】エストロゲン:経口エストロゲンは0.3〜3.0mg/日の範囲にする。投与は治療効果が望ましく、そして処方する医者が適切であると考える限り行なわれる。実施例4アンドロゲン作動性化合物およびエストロゲン作動性化合物は早期卵巣不全の婦人、例えば、卵巣機能が40才前に停止する婦人に投与しうる。【0073】アンドロゲン:メチルテストステロンは1mg/日の投与量で口内ルートにより放出すると、血清レベル約50〜300ng/dLのテストステロンにより得られる改善に等しい効果の性的機能の改善が得られる。口内用錠剤は、薬剤層および生物接着剤層(各50mg)よりなる2層錠剤でもよい。薬剤層の組成(重量%)は、2%メチルテストステロン、0.75%ステアリン酸マグネシウム、0.1% FD&Cイエロー#6、24% Klucel HXF、および73.15%メタノールである。生物接着剤層の組成(重量%)は、69.25%ポリエチレンオキシド、30%カルボマー934P、および0.75%ステアリン酸マグネシウムにしうる。錠剤の接着剤側を上あごの歯肉に貼り、錠剤の薬剤側は上にある口内粘膜に向ける。薬剤は、錠剤が時間を経て溶解するにつれて、粘膜を通じて吸収される。錠剤は朝食後、1日1回貼ってもよい。【0074】エストロゲン:Estrace(登録商標)、ブリストール−マイヤーズ・スクイブ社、錠剤形の経口超微粉砕エストラジオール製品は、閉経期症状の軽減および骨損失予防のために、2mg/日の投与量で投与しうる。【0075】プロゲスチンの他に、、例えば酢酸メドロキシプロゲステロンを、毎月の最後の10日間、5mg/日の投与量で経口投与して、子宮内膜の脱落を誘導してもよい。【0076】実施例は、必要性の測定に基づいて必要な補充を行なうアンドロゲン作動性ステロイドの放出について主に説明してきたが、その投与は、エストロゲン配合物の経口投与と同時に行なわれる。【図面の簡単な説明】【図1】図面は、経皮エストラジオールまたは経口共役エクインエストロゲンを同時に受ける患者への経皮テストステロンパッチ(300mcg/日、低量放出)適用中の総テストステロンレベル対基礎SHBGレベルの変化を示す。【図2】図面は、経皮エストラジオールまたは経口共役エクインエストロゲンを同時に受ける患者への経皮テストステロンパッチ(300mcg/日、低量放出)適用中の遊離テストステロンレベル対基礎SHBGレベルの変化を示す。 (a)50〜500μg/日のテストステロン;および (b)少なくとも84nmole/Lの上昇レベルの性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の存在下の以下に相当する治療効果: (i)1〜70ng/dlの生物学上利用可能なテストステロンの血清レベル;および (ii)15〜1000ng/dlの全テストステロン血清レベル;を提供するのに十分な量のテストステロンを含む経皮パッチ;並びに 0.2〜3.0mg/日の共役ウマエストロゲン投与量を提供するのに十分な量の経口投与剤形の共役ウマエストロゲンを含むキット。 テストステロンが、0.5〜30pg/mlの遊離テストステロン血清レベルを達成するのに十分な量で前記経皮パッチ中に存在する、請求項1に記載のキット。 経皮パッチが、経皮マトリックスパッチである、請求項1に記載のキット。 子宮内膜の安全性をもたらすのに十分な有効量のプロゲスチンをさらに含む、請求項1に記載のキット。 避妊を有効にするのに十分な有効量のプロゲスチンをさらに含む、請求項1に記載のキット。 50〜500μg/日の量のテストステロンを局所投与したときに1〜70ng/dlの生物学上利用可能なテストステロンの血清レベルおよび15〜1000ng/dlの全テストステロン血清レベルを提供するための、少なくとも84nmole/Lの性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の上昇レベルを有する婦人であって、0.2〜3.0mg/日の投与量を達成するのに十分な投与量で経口投与された共役ウマエストロゲン補充を受けている婦人の健康を改善する経皮パッチ製造のための、テストステロンの使用。 上昇レベルの性ホルモン結合グロブリン(SHBG)が185nmole/Lより上である、請求項6に記載の使用。 上昇レベルの性ホルモン結合グロブリン(SHBG)が300nmole/Lより上である、請求項6に記載の使用。 経口投与共役ウマエストロゲン補充が経皮パッチと同時に行なわれる、請求項6に記載の使用。 さらに、婦人がプロゲスチンで治療されてもいる、請求項6に記載の使用。 プロゲスチンの量が、子宮内膜の安全性をもたらすのに十分な量である、請求項10に記載の使用。 プロゲスチンの量が避妊を有効にするのに十分な量である、請求項10に記載の使用。 婦人の健康における改善が、性欲、性器刺激、オルガスム達成能力、性活動の満足、性活動の増加、活力、幸福感、情緒的幸福感および気分、はにかみ、認識力、筋肉の量および機能、身体組織、骨の無機質密度、皮膚および毛髪の状態、陰毛、尿生殖器萎縮、膣の乾燥、ドライアイ、自己免疫状態の健康、血管運動不安定性、胸部圧痛、月経前症候群の症状、並びにこれらの組み合わせよりなる群から選択される特徴の回復、増強、または改善によって現れる、請求項6に記載の使用。 テストステロンが、85〜1000ng/dlの総テストステロン血清レベルを達成するのに十分な量で存在する、請求項6に記載の使用。 テストステロンが、100〜1000ng/dlの総テストステロン血清レベルを達成するのに十分な量で存在する、請求項6に記載の使用。 テストステロンが、0.5〜30pg/mlの遊離テストステロン血清レベルを達成するのに十分な投与量で投与される、請求項6に記載の使用。 テストステロンの投与量が、1〜15pg/mlの遊離テストステロン血清レベルを達成するのに十分な量である、請求項16に記載の使用。 テストステロンの投与量が、3〜10pg/mlの遊離テストステロン血清レベルを達成するのに十分な量である、請求項16に記載の使用。 テストステロンの投与量が、2〜13pg/mlの遊離テストステロン血清レベルを達成するのに十分な量である、請求項16に記載の使用。 テストステロンの投与量が、2〜35ng/dlの生物学上利用可能なテストステロン血清レベルを達成するのに十分な量である、請求項6に記載の使用。 テストステロンの投与量が、2〜13ng/dlの生物学上利用可能なテストステロン血清レベルを達成するのに十分な量である、請求項6に記載の使用。 経皮パッチが、経皮マトリックスパッチである、請求項6に記載の使用。 経皮パッチが、50〜400μg/日のテストステロンを提供する、請求項1に記載のキット。 経皮パッチが、50〜400μg/日のテストステロンの量で局所投与される、請求項6に記載の使用。