タイトル: | 特許公報(B2)_ルイス酸触媒 |
出願番号: | 2001391275 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | B01J 31/02,C07B 61/00,C07C 67/08,C07C 69/12,C07D 313/10 |
錦戸 條二 JP 4081269 特許公報(B2) 20080215 2001391275 20011225 ルイス酸触媒 旭化成株式会社 000000033 財団法人野口研究所 000173924 錦戸 條二 20080423 B01J 31/02 20060101AFI20080403BHJP C07B 61/00 20060101ALN20080403BHJP C07C 67/08 20060101ALN20080403BHJP C07C 69/12 20060101ALN20080403BHJP C07D 313/10 20060101ALN20080403BHJP JPB01J31/02 103ZC07B61/00 300C07C67/08C07C69/12C07D313/10 B01J 21/00〜38/74 JSTPlus(JDream2) 特開2001−278816(JP,A) 特開平07−246338(JP,A) 特開平08−027157(JP,A) 特開2001−190962(JP,A) 国際公開第03/051511(WO,A1) 1 2003190803 20030708 10 20041217 牟田 博一 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、水に安定なルイス酸触媒およびルイス酸触媒組成物に関する。【0002】【従来の技術】ルイス酸は、一般に水に対して不安定であると考えられていた。近年、希土類トリフラートが水に安定なルイス酸として知られるようになった(Chem.Lett.2187(1991)。さらに、最近、希土類以外の元素でも水に安定なルイス酸が知られるようになってきた(特開2000−42404号公報)。しかしながら、高活性なルイス酸でも、金属によっては水に不安定であり、多くの水中での反応、脱水反応などで使用するのは困難であった。また、ルイス酸触媒は一般的に錯体であり、固定化することが困難であるため、反応系からの分離、回収および再利用に困難が伴い、工業的実用性の面で問題があった。【0003】このような問題を解決するために、反応に用いた後のルイス酸触媒の分離および回収方法が検討されてきた。その1つに、触媒の固定化方法が挙げられる。例えば、触媒を無機担体や高分子に固定化して、固定化触媒を反応系に分散させて反応させることを特徴とした固相合成法による触媒の回収方法が検討されている。しかし、固相合成法は触媒活性の低下などの問題が伴い、均一な液相で行われている通常の有機合成反応の全てに適用できるわけではない。【0004】そのため、液相での反応効率が向上し、反応混合物の後処理が簡略化され、触媒の回収および再利用を容易にする技術の開発が望まれていた。特に、汎用性の高いルイス酸触媒を用いた場合に、触媒の分離、回収および再使用をできることが望ましい。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭素―炭素結合反応、脱水反応または過酸化水素水による酸化反応に用いるのに好適な、水に安定で高活性のルイス酸触媒、および反応生成物と触媒の分離が簡便、かつ、回収された触媒の再使用が容易なルイス酸触媒組成物を提供することを目的とする。【0006】【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねてきた。その結果、本発明のルイス酸が、水に対して安定であることを見出した。その結果、水の存在下での反応および脱水反応においても使用が可能となり、かつ、高活性触媒であることが明らかになった。さらにフッ素化化合物媒体(A)と非フッ素化化合物媒体(B)とを含有するルイス酸触媒組成物を用いた反応は、反応生成物を含有するフッ素化化合物媒体(A)とルイス酸触媒を含有する非フッ素化化合物媒体(B)とが容易に相分離するため、ルイス酸触媒の回収および再使用が容易であることを見出し、本発明を完成するに至った。【0007】すなわち、本発明は、以下のとおりである。1) 炭素−炭素結合反応、脱水反応または過酸化水素水による酸化反応に用いることを特徴とする、下記式(1)、(2)および(3)で示される化合物から選ばれたルイス酸触媒と、全フッ素置換炭化水素およびそれが部分置換された炭化水素から選ばれたフッ素化化合物媒体(A)と、フッ素化化合物媒体(A)と相分離する非フッ素化化合物媒体(B)とからなることを特徴とするルイス酸触媒組成物。 (RfSO3)4Hf (1) [(RfSO2)2N]4Hf (2) [(RfSO2)3C]4Hf (3) (式中、Rfは炭素数6〜12の全フッ素置換炭化水素基、または、全フッ素置換炭化水素基の骨格に酸素原子を含んだ部分置換された炭化水素基)【0008】 以下、本発明を詳細に説明する。 先ず、本発明に用いるルイス酸触媒について説明する。 本発明に用いるルイス酸触媒は、下記一般式(1)、(2)および(3)から選ばれた少なくとも一種の化合物であり、各々、スルホン酸のハフニウム塩、スルホニルイミドのハフニウム塩、スルホニルメチドのハフニウム塩である。 (RfSO3)4Hf (1) [(RfSO2)2N]4Hf (2) [(RfSO2)3C]4Hf (3) (式中、Rfは炭素数6〜12の全フッ素置換炭化水素基、または、全フッ素置換炭化水素基の骨格に酸素原子を含んだ部分置換された炭化水素基)【0009】炭化水素基としては、例えば、炭素数2以上の、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素などが挙げられる。全フッ素置換炭化水素は、これらの炭化水素基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたものである。全フッ素置換炭化水素基の具体例としては、パーフルオロエチル基、パーフルオロプルピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロウンデシル基、パーフルオロトリデシル基、パーフルオロテトラデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロヘキサデシル基、パーフルオロオクタデシル基、パーフルオロノナデシル基、パーフルオロエイコシル基などが挙げられる。【0010】 全フッ素置換炭化水素基が部分置換された炭化水素基の例としては、全フッ素置換炭化水素の骨格に酸素原子を含んだ構造が挙げられる。 Rf中の炭素原子の数は、使用条件によって選択されるので、限界的な数はないが、好ましくは、2〜20、より好ましくは4〜15、最も好ましくは6〜12の範囲である。【0011】 全フッ素置換炭化水素記が部分置換された炭化水素基の具体例としては、−C2F4OC2F5、−C2F4OC4F9、−CF2CHFCF2OC4F9、−CF2CF2OCF=CF2、−CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF=CF2、−CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF=CF2、−CF2CF2OCF(CF3)CF2OCHFCF3、−CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCHFCF3、−CF2CF2O−CF(CF3)−CF2−OCF(CF3)−CF2OCF2CF3、−CF2CF2OCF(CF3)CF2OCFClCF3、−CF2CF2OCF(CF3)CF2OCFClCF2Clなどが挙げられる。【0012】なお、一般式(1)、(2)および(3)の各化合物中の複数のRf基は、すべて同じであってもよいし、複数の種類のRf基から構成されていてもよい。次に、本発明に用いるフッ素化化合物媒体(A)について説明する。本発明のフッ素化化合物媒体(A)とは、全フッ素置換炭化水素またはそれが部分置換された炭化水素をいう。全フッ素置換炭化水素は、炭化水素に結合している水素原子の全てがフッ素原子で置換された炭化水素化合物である.炭化水素化合物としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素等がある。炭化水素中の炭素原子の数は、例えば、6〜20が好ましく用いられ、より好ましくは6〜15である。【0013】このような、全フッ素置換炭化水素の具体例として、パーフルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロデカン、パーフルオロウンデカン、パーフルオロドデカン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロデカリンなどを挙げることができる。全フッ素置換炭化水素が部分置換された炭化水素としては、全フッ素置換炭化水素のフッ素原子の一部が水素原子や塩素原子で置換されたもの、全フッ素置換炭化水素の骨格に酸素原子、窒素原子、炭素−炭素二重結合などを含んだ構造、それらの構造を組み合わせた構造などが挙げられる。全フッ素置換炭化水素が部分置換された炭化水素における、前記の置換基(または置換構造)の数は、もとの全フッ素置換炭化水素中のフッ素原子の数に対して、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは10%以下である。【0014】全フッ素置換炭化水素が部分置換された炭化水素の例としては、パーフルオロー2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリエチルアミン、パーフルオロー5−メチルー3,6−ジオキサノナン、2H−パーフルオロー5−メチルー3,6−ジオキサノナン、パーフルオロー2,3,5−トリメチルヘキセンなどが挙げられる。これらは単独で用いても、混合して用いてもよい。【0015】全フッ素置換炭化水素とそれが部分置換された炭化水素を較べた場合、使用条件にもよるが、触媒相と生成物相の分離性から全フッ素置換炭化水素溶媒の方が好ましい場合が多い。全フッ素置換炭化水素およびそれが部分置換された炭化水素の性状としては、使用条件下で液体であればそれ以上の制約は無いが、好ましくは、炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、最も好ましくは炭素数6〜15の範囲のものが使用される。【0016】本発明に用いられる非フッ素化化合物媒体(B)は、フッ素化化合物媒体(A)と相分離する非フッ素化化合物媒体であれば、限定されるものではない。このような媒体として、脂肪族または脂環式炭化水素、フッ素以外のハロゲン化脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、フッ素以外のハロゲン化芳香族炭化水素、エステル化合物、エーテル化合物などが挙げられる。脂肪族炭化水素としては、通常、炭素数5〜20、好ましくは5〜16、より好ましくは炭素数7〜16、最も好ましくは炭素数8〜16の直鎖状化合物または分岐状化合物、脂環式炭化水素としては、通常、炭素数5〜16の環式化合物が用いられる。具体的には、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、nヘキサデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどを挙げることができる。【0017】フッ素以外のハロゲン化脂肪族炭化水素は、室温で液状であれば、炭素数およびハロゲンの置換数には限定はないが、好ましくは炭素数1〜10のハロゲン化脂肪族炭化水素が用いられる。このような化合物として、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロムエタンなどが挙げられる。芳香族炭化水素としては、炭素数6〜15の芳香族炭化水素が好ましい。例えば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼンのアルキル基置換ベンゼンなどを挙げることができる。【0018】フッ素以外のハロゲン化芳香族炭化水素におけるハロゲンの置換数には限定はないが、好ましくは炭素数6〜10のハロゲン化芳香族炭化水素が用いられる。例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエンなどを挙げることができる。エステル化合物としては、通常、エステル基のカルボニルの炭素を除いた炭素数5〜20、好ましくは飽和炭化水素を含む炭素数5〜16のエステル化合物が用いられるが、より好ましくは直鎖状化合物もしくは分岐状化合物、または環式化合物の飽和炭化水素もしくは芳香族炭化水素を含む炭素数6以上、最も好ましくは炭素数7〜16のエステル化合物が用いられる。【0019】このような化合物として、例えば、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸tert−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸iso−ペンチル、酢酸n−ヘキシル、酢酸n−ヘプチル、酢酸n−オクチル、酢酸n−ノニル、酢酸n−デシル、酢酸n−ドデシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピオン酸n−ペンチル、プロピオン酸iso−ペンチル、プロピオン酸n−ヘキシル、プロピオン酸n−ヘプチル、プルピオン酸n−オクチル、プロピオン酸n−ノニル、プロピオン酸n−デシル、プロピオン酸n−ドデシル、プロピオン酸シクロヘキシル、プロピオン酸ベンジル、酪酸n−プロピル、酪酸n−ブチル、酪酸iso−ブチル、酪酸tert−ブチル、酪酸n−ペンチル、酪酸iso−ペンチル、酪酸n−ヘキシル、酪酸n−ヘプチル、酪酸n−オクチル、酪酸n−ノニル、酪酸n−デシル、酪酸n−ドデシル、酪酸シクロヘキシル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピルなどを挙げることができる。【0020】エーテル化合物としては、通常、炭素数3〜15の直鎖状または分岐状の飽和炭化水素を有するものが用いられる。飽和炭化水素は、好ましくは炭素数4以上、より好ましくは炭素数6〜15を有するものである。その他に、炭素数4以上の環状のエーテル化合物、炭素数6以上の芳香族炭化水素を含むエーテル化合物が用いられる。例えば、ジプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジオキサン、フラン、アニソールなどが挙げられる。【0021】上記の化合物は、単独または混合して用いられる。本発明のルイス酸触媒組成物に包含されるルイス酸触媒は、塩化アルミニウム、四塩化チタンおよび三フッ化ホウ素などの従来のルイス酸に比べて高活性である。本発明においては、反応活性の点から、上記一般式(2)および(3)で表されるルイス酸触媒が好ましい。本発明のルイス酸触媒は、また、従来のルイス酸触媒と比較し、配位子の効果により、水に安定であり、過酸化水素やホルムアルデヒドのように水溶液の反応基質にも適用できる。水存在下の反応でも少量の触媒で効率よく反応が進行し、反応の選択率および収率が向上するという利点がある。また、カルボン酸とアルコールの脱水縮合反応において高活性である。【0022】次に、本発明のルイス酸触媒および触媒組成物を用いた反応方法について説明する。本発明で使用するルイス酸触媒は、通常用いられる有機溶媒中でも高活性触媒として作用する。ルイス酸をリサイクル再使用する場合には、活性フッ素化合物媒体(A)と非フッ素化化合物媒体(B)の存在下に反応を行い、反応後、静置すると生成物を含有する非フッ素化化合物媒体(B)とルイス酸触媒を含有するフッ素化化合物媒体(A)とに相分離し、フッ素化化合物媒体(A)をリサイクルすることにより、ルイス酸触媒の再利用が可能となる。【0023】反応時間は、使用するルイス酸の反応基質に対する添加量および反応温度により異なるが、数分間から72時間が好ましい。使用する媒体の種類により異なるが、フッ素化化合物媒体(A)と非フッ素化化合物媒体(B)の体積比は、通常、(A):(B)=5:95〜95:5、好ましくは(A):(B)=10:90〜90:10、より好ましくは(A):(B)=20:80〜80:20である。【0024】本発明のルイス酸触媒および触媒組成物を用いる反応の反応基質は一般には、求核性を有することが好ましい。求核性とは、ルイス酸の陽イオン元素と親和性を有し、配位を形成する化合物をいう。求核性の反応基質として、例えば、酸素、窒素などの元素を有する化合物が挙げられる。具体的には、ケトン、アルデヒド、ニトリル、ケテン、酸無水物、酸ハロゲン化物、エステル、チオエステル、ラクトン、エーテル、アルコール、フェノール、カルボン酸、ニトロ化合物などの化合物群である。その他、ルイス酸の陽イオン元素と親和性があり、配位できる求核性のオレフィンなどの不飽和炭化水素類を挙げることもできる。【0025】上記のような反応基質と本発明のルイス酸触媒および触媒組成物による反応は、例えば、炭素−炭素結合反応の例として、ディールス−アルダー反応、マイケル反応、フリーデル−クラフト反応、フリース転位、ベンゼン核のメチロール化反応、アルドール反応などが挙げられ、さらにはアルコールとカルボン酸からの脱水によるエステル化反応、アルコールの脱水反応によるエーテル化反応などが挙げられる。また過酸化水素による酸化反応、オレフィン類の重合反応などへの応用も可能である。【0026】以下に本発明で用いられるルイス酸触媒の製造方法について説明する。式(1)に含まれるパーフルオロアルキルスルホン酸のハフニウム塩は、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸と、ハフニウムの炭酸塩、酸化物、水酸化物、酢酸塩およびハロゲン化物から選ばれる化合物とを有機溶媒中で室温〜100℃の温度範囲で反応させる。その後、有機溶媒を加熱あるいは減圧下留去し、合成することができる。【0027】式(2)に含まれるビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドのハフニウム塩は、例えば、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドと、ハフニウムの炭酸塩、酸化物、水酸化物、酢酸塩およびハロゲン化物から選ばれる化合物とを有機溶媒中で室温〜100℃の温度範囲で反応させる。その後、有機溶媒を加熱あるいは減圧下留去し、合成することができる。式(3)に含まれるトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドのハフニウム塩は、トリス(パーフルオロアキルスルホニル)メチドと、ハフニウムの炭酸塩、酸化物、水酸化物、酢酸塩およびハロゲン化物から選ばれる化合物とを、有機溶媒中で室温〜100℃の温度範囲で反応させ、その後、有機溶媒を加熱あるいは減圧下留去し、合成することができる。トリス(パーフルオロアキルスルホニル)メチドの合成は、米国特許第5554664号明細書に記載の方法にしたがって行うことができ、例えば、メチルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液にパーフルオロアルキルスルホニルフルオライドを添加し、反応させる。その後、硫酸で処理し、次に炭酸セシウムでセシウム塩として単離する。このセシウム塩を硫酸で処理し、プロトン酸とすることにより得られる。【0029】【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。【0030】【実施例1】シクロヘキサノール1mmolおよび酢酸1mmolを、パーフルオロメチルシクロヘキサン3mlおよびジクロロエタン3ml中に加え、触媒として、テトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩を5mol%添加した。その後、50℃にて8時間撹拌しながら反応を行った。静置後、上相のジクロロエタン相をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。酢酸シクロヘキシルエステルの収率は82%であった。プラズマ発光分析の結果、下相のパーフルオロメチルシクロヘキサン相にはテトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩のハフニウムが99%以上が存在していた。【0031】以上のように、本発明のルイス酸は水の存在下でも高活性であり、ルイス酸はパーフルオロメチルシクロヘキサン相に固定化されていた。【0032】【実施例2】シクロヘキサノール1mmolおよび酢酸1mmolを、パーフルオロオクタン3mlおよびトルエン3ml中に加え、触媒として、テトラキス[トリス(パーフルオロオクタンスルホニル)メチド]ハフニウム塩を4mol%添加した。その後、50℃にて8時間撹拌しながら反応を行った。静置後、上相のトルエン相をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。酢酸シクロヘキシルエステルの収率は81%であった。プラズマ発光分析の結果、下相のパーフルオロオクタン相にはテトラキス[トリス(パーフルオロオクタンスルホニル)メチド]ハフニウムのハフニウムが99%以上が存在していた。【0033】以上のように、本発明のルイス酸は水の存在下でも高活性であり、ルイス酸はパーフルオロオクタン相に固定化されていた。【0034】【実施例3】シクロヘキサノール1mmolおよび酢酸1mmolを、パーフルオロデカリン3mlおよびジオキサン3ml中に加え、触媒として、テトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩を5mol%添加した。その後、60℃にて6時間撹拌しながら反応を行った。静置後、上相のジオキサン相をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。酢酸シクロヘキシルエステルの収率は81%であった。プラズマ発光分析の結果、下相のパーフルオロデカリン相にはテトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩のハフニウムが99%以上が存在していた。【0035】以上のように、本発明のルイス酸は水の存在下でも高活性であり、ルイス酸はパーフルオロデカリン相に固定化されていた。【0036】【実施例4】シクロヘキサノール1mmolおよび酢酸1mmolを、パーフルオロメチルシクロヘキサン3mlおよびジクロロエタン3ml中に加え、触媒として、テトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩を5mol%添加した。その後、20℃にて48時間撹拌しながら反応を行った。静置後、上相のジクロロエタン相をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。酢酸シクロヘキシルエステルの収率は96%であった。プラズマ発光分析の結果、下相のパーフルオロメチルシクロヘキサン相にはテトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩のハフニウムが99%以上が存在していた。【0037】以上のように、本発明のルイス酸は水の存在下でも高活性であり、ルイス酸はパーフルオロメチルシクロヘキサン相に固定化されていた。【0038】【実施例5】シクロヘキサノール1mmolおよび酢酸1mmolを、パーフルオロメチルシクロヘキサン3mlおよびトルエン3ml中に加え、触媒として、テトラキス(パーフルオロオクタンスルホスルホン酸)ハフニウム塩を5mol%添加した。その後、50℃にて8時間撹拌しながら反応を行った。静置後、上相のトルエン相をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。酢酸シクロヘキシルエステルの収率は39%であった。【0039】以上のように、本発明のルイス酸は水の存在下でも活性があり、ルイス酸はパーフルオロメチルシクロヘキサン相に固定化されていた。【0040】【実施例6】アダマンタノン2mmolおよび過酸化水素水(濃度35wt%)1mmolを、パーフルオロメチルシクロヘキサン3mlおよびジクロロエタン3ml中に加え、触媒として、テトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩をアダマンタノンに対して1mol%添加した。その後、25℃にて1時間撹拌しながら反応を行った。静置後、上相のジクロロエタン相をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。アダマンタノンのラクトン体は過酸化水素に対しての収率は91%であった。プラズマ発光分析の結果、下相のパーフルオロメチルシクロヘキサン相にはテトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩のハフニウムが99%以上が存在していた。【0041】以上のように、本発明のルイス酸は水の存在下でも高活性であり、ルイス酸はパーフルオロメチルシクロヘキサン相に固定化されていた。【0042】【実施例7】アダマンタノン2mmolおよび過酸化水素水(濃度35wt%)1mmolを、パーフルオロメチルシクロヘキサン3mlおよびジクロロエタン3ml中に加え、触媒としてテトラキス[トリス(パーフルオロオクタンスルホニル)メチド]ハフニウム塩をアダマンタノンに対して1mol%添加した。その後、25℃にて1時間撹拌しながら反応を行った。静置後、上相のジクロロエタン相をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。アダマンタノンのラクトン体は過酸化水素に対しての収率は94%であった。プラズマ発光分析の結果、下相のパーフルオロメチルシクロヘキサン相にはテトラキス[トリス(パーフルオロオクタンスルホニル)メチド]ハフニウム塩のハフニウムが99%以上が存在していた。【0043】以上のように、本発明のルイス酸は水の存在下でも高活性であり、ルイス酸はパーフルオロメチルシクロヘキサン相に固定化されていた。【0044】【実施例8】シクロヘキサノール1mmolおよび酢酸1mmolを、パーフルオロメチルシクロヘキサン3mlおよびジクロロエタン3ml中に加え、触媒としてテトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩を5mol%添加した。その後、50℃にて8時間撹拌しながら反応を行った。静置後、上相のジクロロエタン相をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。酢酸シクロヘキシルエステルの収率は82%であった。上相のジクロロエタン相を抜き取り、下相のパーフルオロメチルシクロヘキサン相にシクロヘキサノール1mmol、酢酸1mmol、、ジクロロエタン3mlを加え、その後50℃にて8時間撹拌しながら反応を行った。静置後、上相のジクロロエタン相をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。酢酸シクロヘキシルエステルの収率は83%であった。【0045】同様の操作を2回繰り返し行った。その結果、酢酸シクロヘキシルエステルの収率は3回目は収率81%で、4回目は収率83%、5回目は収率82%であり、水の存在下でも活性低下も無く、ルイス酸のリサイクル化が可能になった。【0046】【実施例9】アダマンタノン2mmolおよび過酸化水素水(濃度35wt%)1mmolを、パーフルオロメチルシクロヘキサン3mlおよびジクロロエタン3ml中に加え、触媒として、テトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩をアダマンタノンに対して1mol%添加した。その後、25℃にて1時間撹拌しながら反応を行った。静置後、上相のジクロロエタン相をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。アダマンタノンのラクトン体は過酸化水素に対しての収率は91%であった。【0047】上相のジクロロエタン相を抜き取り、アダマンタノン2mmol、過酸化水素水(濃度35wt%)1mmol、ジクロロエタン3mlを加え、その後、25℃にて1時間撹拌しながら反応を行った。静置後、上相のジクロロエタン相をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。ラクトン体の収率は92%であった。同様の操作を2回繰り返し行った。その結果、ラクトン体の収率は3回目は収率91%で、4回目は収率91%であり、水の存在下でも活性低下は無く、ルイス酸のリサイクル化が可能になった。【0048】【実施例10】シクロヘキサノール1mmolおよび酢酸1mmolをアセトニトリル3ml中に加え、触媒として、テトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩を5mol%添加した。その後、40℃にて10時間撹拌しながら反応を行った。静置後、アセトニトリル中の生成物をガスクロマトグラフにて定量分析を行った。酢酸シクロヘキシルエステルの収率は86%であった。本発明のルイス酸は水の存在下でも高活性であった。【0049】【実施例11】パーフルオロメチルシクロヘキサン4mlおよびジクロロエタン3mlからなる溶液中に2,3−ジメチルブタジエン166mg、メチルビニルケトン200mgを加え、ルイス酸触媒としてテトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩を2,3−ジメチルブタジエンに対して3mol%を添加し、40℃にて1時間反応を行った。その後、上相のジクロロエタン相をガスクロマトグラフで分析した結果、5−アセチル−2,3−ジメチル−シクロヘキサ−2−エンの収率は90%であった。【0050】さらにテトラキス[ビス(パーフルオロオクタンスルホニル)イミド]ハフニウム塩のハフニウムの存在比はプラズマ発光分析の結果、99%以上が下相のパーフルオロメチルシクロヘキサン相に存在していることが明らかになった。【0051】【発明の効果】本発明のルイス酸は、水に対して安定である。その結果、水の存在下での反応および脱水反応においても使用が可能であり、触媒活性も高い。さらにフッ素化化合物媒体(A)と、非フッ素化化合物媒体(B)とを含有するルイス酸触媒組成物を用いた反応では、反応生成物を含有するフッ素化化合物媒体(A)とルイス酸触媒を含有する非フッ素化化合物媒体(B)とが容易に相分離するため、ルイス酸触媒の回収および再使用が容易である。 炭素−炭素結合反応、脱水反応または過酸化水素水による酸化反応に用いることを特徴とする、下記式(1)、(2)および(3)で示される化合物から選ばれたルイス酸触媒と、全フッ素置換炭化水素およびそれが部分置換された炭化水素から選ばれたフッ素化化合物媒体(A)と、フッ素化化合物媒体(A)と相分離する非フッ素化化合物媒体(B)とからなることを特徴とするルイス酸触媒組成物。 (RfSO3)4Hf (1) [(RfSO2)2N]4Hf (2) [(RfSO2)3C]4Hf (3)(式中、Rfは炭素数6〜12の全フッ素置換炭化水素基、または、全フッ素置換炭化水素の骨格に酸素原子を含んだ部分置換された炭化水素基)