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タイトル:特許公報(B2)_カチオン性樹脂変性シリカ分散液の評価方法
出願番号:2001379085
年次:2006
IPC分類:G01N 31/16,D21H 19/32,C09D 17/00,C09K 3/14


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福永 顕治 篠崎 倫洋 石津 賢一 JP 3761460 特許公報(B2) 20060120 2001379085 20011212 カチオン性樹脂変性シリカ分散液の評価方法 株式会社トクヤマ 000003182 福永 顕治 篠崎 倫洋 石津 賢一 20060329 G01N 31/16 20060101AFI20060309BHJP D21H 19/32 20060101ALI20060309BHJP C09D 17/00 20060101ALN20060309BHJP C09K 3/14 20060101ALN20060309BHJP JPG01N31/16 ZD21H19/32C09D17/00C09K3/14 550D G01N31/00〜31/22 B41J3/04 C01B33/00〜33/193 C09D17/00 C09K3/14 D21H19/32 JDream(JOIS) 特開2000−053765(JP,A) 特開2000−085239(JP,A) 特開2000−079752(JP,A) 紙パルプ技術タイムス,1997年,Vol.40,No.7,p.7-11 1 2003177121 20030627 10 20040528 加々美 一恵 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用記録紙の塗工液(以下、単に塗工液とも云う。)、新聞紙の内填剤、研磨剤等の調製に有用なカチオン性樹脂変性シリカ分散液の評価方法に関する。詳しくは、製造又は保存条件が変化しても、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を使用して塗工液等の原料として使用する前に、該分散液の性能を見極め、生産管理を容易とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液の評価方法を提供する。【0002】【従来の技術】従来、インクジェット用記録紙の塗工液には、極性溶媒中にシリカ及びカチオン性樹脂を分散したカチオン性樹脂変性シリカ分散液が使用されている。【0003】カチオン性樹脂変性シリカ分散液は、塗工液を調製する際に、バインダーとしての水溶性高分子の他、種々の添加剤が添加されるが、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の原料、製造条件等の違いによって、安定した塗工液を再現性良く調製することが困難となるという問題点がある。その改善策として、シリカとカチオン性樹脂とを極性溶媒中に分散させた後、特定期間熟成するカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法が提案されている(特開2001-207078号公報)。【0004】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熟成して得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液を用いて塗工液を調製した場合においても、該シリカ分散液の熟成条件又は熟成後の保存条件によっては、該塗工液を用いてインクジェット用記録紙を製造した際に、塗工液の性能低下により、該記録紙の耐水性が低下していることがあるという問題点があった。また、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を用いた塗工液の性能が低下しないように該シリカ分散液の使用可能な条件を設定しようとしても、設定するための指標がなく、カチオン性樹脂変性シリカ分散液及びインクジェット用記録紙の生産管理が困難であるという問題点もあった。【0005】従って、本発明の目的は、塗工液を調製したときに該塗工液としての性能が低下しているかどうかをカチオン性樹脂変性シリカ分散液の状態で評価でき、カチオン性樹脂変性シリカ分散液及びインクジェット用記録紙の生産管理を容易とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液の評価方法を提供することにある。【0006】カチオン性樹脂変性シリカ分散液の性能を評価する指標を設定することにより、製造又は保存条件が変化しても、該シリカ分散液を用いて塗工液を調製した場合、性能低下のない使用可能な該シリカ分散液を見極めることができ、生産管理も容易となる。【0007】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題点について鋭意研究を重ねた。その結果、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中において、アニオン性であるシリカ粒子の表面に電気的作用により吸着し、シリカ粒子表面をアニオン性からカチオン性に変性しているものと推定されるカチオン性樹脂が、シリカ粒子表面に一度吸着した後、該シリカ分散液の分散後の熟成条件や保存の間の保存条件に応じて脱離する知見を得た。かかる知見に基づいて更に研究を重ねた結果、カチオン性樹脂脱離比率と、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を用いて調製した塗工液を塗布して製造したインクジェット用記録紙の耐水性との間に相関があることを見出し、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を塗工液に調製しなくても該シリカ分散液の塗工液としての性能を評価し、塗工液を調製しても性能低下していないカチオン性樹脂変性シリカ分散液を見極めることに成功し、本発明を完成するに至った。【0008】ここで、カチオン性樹脂脱離比率とは、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中に含まれているカチオン性樹脂の量に対する、該シリカ分散液の分散が終了した後評価するまでにシリカ粒子表面から脱離したカチオン性樹脂の量の比率のことである。【0009】即ち、本発明は、極性溶媒中にシリカ及びカチオン性樹脂を分散したカチオン性樹脂変性シリカ分散液において、カチオン性樹脂脱離比率により、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を評価することを特徴とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液の評価方法である。【0010】【発明の実施の形態】本発明の方法によって、性能評価するカチオン性樹脂変性シリカ分散液は、極性溶媒中にシリカ及びカチオン性樹脂を分散したカチオン性樹脂変性シリカ分散液である。【0011】カチオン性樹脂変性シリカ分散液のシリカは、乾式シリカ、湿式シリカ、ゾル−ゲル法シリカ、コロイダルシリカ等の公知のシリカであり、特に限定されない。【0012】上記乾式シリカは、四塩化珪素などのシラン系ガスを酸水素炎中で燃焼させて得られるものであり、「ヒュームドシリカ」とも称されている。一般に、乾式シリカは、比表面積が30〜500m2/gの範囲のものが入手可能であり、カチオン性樹脂変性シリカ分散液に好適に使用できる。【0013】また、上記湿式シリカは、珪酸ソーダを鉱酸で中和することによって溶液中でシリカを析出させる沈殿法によって得られるシリカが代表的であり、ホワイトカーボンとも称されている。また、同様に、珪酸ソーダを酸で中和することによって作るゲル法シリカも使用することができる。【0014】上記湿式法シリカは、中和反応後に濾過や洗浄を行った後の乾燥工程を施さない脱水シリカケークを直接使用することもできる。【0015】更に、上記ゾル−ゲル法シリカは、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランなどの珪素のアルコキシドを酸性あるいはアルカリ性の含水有機溶媒中で加水分解することによって得られるものである。【0016】更にまた、上記コロイダルシリカは、一般に珪酸ソーダ水溶液を陽イオン交換性樹脂に通してシリカゾルを生成させた後、これを加熱熟成して粒子を成長させることによって得られるものである。【0017】カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカは、塗工液に用いたときにインクの吸収能に優れており、インクジェット記録紙等の分野において、好適に使用できるので、平均一次粒子径が1〜50nmの範囲で、且つ平均凝集粒子径が10〜1000nmの範囲であることが好ましい。【0018】カチオン性樹脂変性シリカ分散液に使用されるカチオン性樹脂は、公知のカチオン性樹脂であって、水に溶解したときに解離してカチオン性を呈する樹脂であれば特に制限されない。【0019】その中でも、第1〜3級アミン基又は4級アンモニウム塩基を有する樹脂が好適である。具体的なものを例示すると、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、ジシアンジアミドポリアルキル−ポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の化合物及びこれらの塩酸塩、更にポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド及びジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの共重合物、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリメタクリル酸エステルメチルクロライド4級塩等を挙げることができる。【0020】カチオン性樹脂変性シリカ分散液の極性溶媒は、シリカ及びカチオン性樹脂が分散し易い極性溶媒であれば特に制限はない。かかる極性溶媒としては、水が最も好ましい。勿論、水以外にもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エーテル類、ケトン類などの極性溶媒であってもよく、また、水と上記極性溶媒との混合溶媒も好適である。【0021】尚、シリカ粒子の安定性や分散性及びシリカ分散液の保存安定性を向上させるために、界面活性剤や防カビ剤等が少量添加されていてもよい。【0022】カチオン性樹脂変性シリカ分散液において、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカの濃度は特に制限されず、塗工液の調製に使用できればよい。一般的には、10重量%以上の濃度である。また、カチオン性樹脂の量はシリカ100重量部に対して、2〜50重量部、特に、2〜10重量部であることが好ましい。【0023】カチオン性樹脂変性シリカ分散液中における、粒子の表面電荷の指標となるゼータ電位は、高ければ高いほどインクジェット用記録紙の耐水性を高めることができるので、+10mV以上、好ましくは+20mV以上、さらに好ましくは+30mV以上であることが好ましい。【0024】カチオン性樹脂変性シリカ分散液はどのような方法で製造されたものであっても良いが、一般的に下記の分散方法により製造される。【0025】即ち、シリカ及びカチオン性樹脂とを極性溶媒に添加、混合した後、ホモジナイザー等のタービン・ステータ型高速回転式攪拌分散機、コロイドミル、超音波乳化機、高圧ホモジナイザーなどの分散機を用いて微分散・混合し、カチオン性樹脂変性シリカ分散液とする方法である。インクジェット用記録紙の塗工液に用いる場合、上記の中でも、高圧ホモジナイザーを用いて処理圧力300kgf/cm2以上で対向衝突させるか、或いはオリフィスの入口側と出口側の差圧が300kgf/cm2以上の条件でオリフィスを通過させることによって微分散・混合する方法によるカチオン性樹脂変性シリカ分散液が最も好適である。【0026】尚、このとき、シリカは粉末状のものが使用されていても良いし、予め水などの極性溶媒中に微分散したシリカスラリーが用いられていても良い。【0027】ところで、本発明者等は、前記したように、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のカチオン性樹脂は、シリカ粒子表面に一度吸着した後、該シリカ分散液の分散後の熟成条件や保存の間の保存条件に応じて脱離し、この脱離量から算出したカチオン性樹脂脱離比率と、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を用いて調製した塗工液を塗布して製造したインクジェット用記録紙の耐水性との間に相関があることを見出した。【0028】このカチオン性樹脂脱離比率が高くなると、該シリカ分散液を用いて調製した塗工液を塗布して製造したインクジェット用記録紙の耐水性が低くなり、カチオン性樹脂脱離比率が低いと、耐水性が高くなる現象が見られた。【0029】カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカ粒子表面から脱離したカチオン性樹脂の量は、該シリカ分散液を一定温度で熟成又は保存した場合、日数が経つほど増加する傾向にあり、且つ、熟成又は保存温度が高いほどその脱離量が更に増加する傾向にある。【0030】前記したように、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のカチオン性樹脂は、アニオン性であるシリカ粒子の表面に電気的作用により吸着し、シリカ粒子表面をアニオン性からカチオン性に変性しているものと推定される。カチオン性樹脂変性シリカ分散液の熟成又は保存温度が高いほど、或いは日数が経つほど、該シリカ分散液中のシリカ粒子表面から脱離するカチオン性樹脂の量が増加する原因は不明ではある。しかし、インクジェット用のインクとしては、一般にアニオン性の化合物が使われていることが多いので、カチオン性樹脂脱離比率、即ちカチオン性樹脂変性シリカ分散液中に含まれているカチオン性樹脂の量に対する、該シリカ分散液の分散が終了した後評価するまでにシリカ粒子表面から脱離したカチオン性樹脂の量の比率が高くなると、該シリカ分散液を用いた塗工液を塗布して製造したインクジェット用記録紙の塗工層においてカチオン性を有している部位にバラツキができ、塗工層の耐水性が低下するものと推定される。【0031】従って、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の熟成又は保存条件が変化しても、カチオン性樹脂脱離比率を指標値として管理すれば、該シリカ分散液を用いて調製した塗工液を塗布して製造したインクジェット用記録紙の耐水性低下の問題を回避できる。【0032】カチオン性樹脂変性シリカ分散液について測定したカチオン性樹脂脱離比率が、指標値として設定したカチオン性樹脂脱離比率の値より低い場合、該シリカ分散液を用いて調製した塗工液を塗布して製造したインクジェット用記録紙における耐水性低下の問題が回避でき、逆に高い場合、該シリカ分散液を用いて調製した塗工液を塗布して製造したインクジェット用記録紙に耐水性低下の問題が生じると判断できる。【0033】本発明において、カチオン性樹脂脱離比率を測定する方法は、特に制限はないが、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の分散後と評価時に該シリカ分散液を遠心分離し、コロイド滴定法により、上澄み液中に含まれるカチオン性樹脂の量を測定し、カチオン性樹脂脱離比率を算出する方法が好ましい。【0034】乾式シリカ、湿式シリカ、ゾル−ゲル法など使用する原料シリカの種類によって、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の耐水性低下の指標となるカチオン性樹脂脱離比率の値は異なる。一般に、シリカの種類によって、シリカ表面に存在する表面シラノール基密度は異なる。この影響によって、耐水性低下の指標となるカチオン性樹脂脱離比率が、原料シリカにより異なるものと推定される。【0035】本発明において、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の性能を評価する指標となる、カチオン性コロイド当量値から算出したカチオン性樹脂脱離比率は、例えば、乾式シリカを用いたカチオン性樹脂変性シリカ分散液においては、2.5%以下であれば該シリカ分散液を用いて調製した塗工液を塗布して製造したインクジェット記録紙に耐水性低下の問題が生じにくい。従って、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の性能を管理する指標値としては、2.5%が好ましく、さらに好ましくは2.0%である。【0036】【発明の効果】以上の説明からも理解されるように、本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の評価方法によって、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の状態で、該シリカ分散液を用いて調製した塗工液を塗布してインクジェット用記録紙とした場合の耐水性を評価できるので、製造又は保存条件が変化しても、耐水性の良好なインクジェット用記録紙を製造することができ、カチオン性樹脂変性シリカ分散液及びインクジェット用記録紙の生産管理が容易になる。【0037】【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。【0038】なお、以下の方法によって、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のカチオン性樹脂脱離比率の測定、及び該シリカ分散液の性能評価を行った。(カチオン性樹脂脱離比率の測定)分散直後及び塗工液調製直前のカチオン性樹脂変性シリカ分散液について、下記方法によりコロイド滴定を行った。【0039】カチオン性樹脂変性シリカ分散液250gを遠心分離機(シグマ社製、MODEL3630)を用いて、16,500回転の条件で120分間遠心分離を行った。遠心分離から得られた上澄み液25gにトルイジンブルー指示液(和光純薬製)を3滴加えた後、N/400ポリビニル硫酸カリウム溶液(和光純薬製)で滴定した。測定液の色が青色からピンク色に変わり、その状態が10秒間保持される時点を終点とした。このときの滴定量を上澄み液滴定量S1(ml)とした。【0040】次にカチオン性樹脂変性シリカ分散液に使用した同一のカチオン性樹脂のカチオン性樹脂濃度250ppm水溶液25gに、トルイジンブルー指示液(和光純薬製)を3滴加えた後、N/400ポリビニル硫酸カリウム溶液(和光純薬製)で滴定した。測定液の色が青色からピンク色に変わり、その状態が10秒間保持される時点を終点とした。このときの滴定量をカチオン性樹脂滴定量S2(ml)とした。【0041】最後に上記のカチオン性樹脂水溶液の代わりに純水25gを用いて同様の手順で滴定した。この時の滴定量をブランク滴定量SB(ml)とした。【0042】下記の(1)〜(3)式を用いて、分散直後及び塗工液調製直前のカチオン性樹脂変性シリカ分散液1g中に含まれている、シリカ表面に吸着していないカチオン性樹脂量を求め、式(4)によりカチオン性樹脂脱離比率を算出した。【0043】【数1】【0044】【数2】【0045】【数3】【0046】【数4】【0047】(カチオン性樹脂変性シリカ分散液の性能評価)カチオン性樹脂変性シリカ分散液の性能評価は、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を用いた塗工液を塗布したインクジェット用記録紙の耐水性を評価することにより行った。【0048】インクジェット用記録紙の作成は下記の方法によって行った。【0049】カチオン性樹脂変性乾式シリカ分散液100gと10%ポリビニルアルコール水溶液100gとをプロペラミキサーで攪拌・混合し、塗工液を得た。得られた塗工液をバーコーダーで塗工量が20g/m2になるように市販の上質紙表面に塗布・乾燥し、インクジェット用記録紙を作成した。【0050】インクジェット用記録紙の耐水性の評価は下記の方法により行った。【0051】エプソン製インクジェットプリンタPM700Cを用いてマゼンダのインクで文字印刷を行い、印字後の記録紙を水中に侵漬し、30秒後インクが流れ出すことにより発生する印刷した文字の滲んだ状態を肉眼で観察した。【0052】○:文字の滲みがほとんど観察されない。【0053】△:数箇所文字の滲みが観察される。【0054】×:数10個所以上文字の滲みが観察される。【0055】実施例1比表面積が300m2/gの乾式シリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−30)480gを純水1848gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、乾式シリカ分散液を得た。この乾式シリカ分散液をジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度20重量%)72gに添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを1回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液をポリエチレン(PE)製容器に移し、保存温度25℃の環境下で30日間保存した。【0056】比較例1保存条件を保存温度35℃、保存日数50日間とする以外は実施例1と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を調製し、保存した。【0057】比較例2保存条件を保存温度40℃、保存日数10日間とする以外は実施例1と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を調製し、保存した。【0058】実施例2比表面積が300m2/gの乾式シリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−30)480gを純水1848gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、乾式シリカ分散液を得た。この乾式シリカ分散液をジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度20重量%)72gに添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを1回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液を熟成温度30℃で15日間熟成した後、PE製容器に移し、保存温度15℃の環境下で15日間保存した。【0059】実施例3比表面積が140m2/gの乾式シリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−10)480gを純水1848gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、乾式シリカ分散液を得た。この乾式シリカ分散液をジアリルメチルアミン塩酸塩重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度20重量%)72gに添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを1回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液をPE製容器に移し、保存温度15℃の環境下で30日間保存した。比較例3保存条件を保存温度40℃、保存日数10日間とする以外は実施例3と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を調製し、保存した。【0060】実施例4比表面積が220m2/gの乾式シリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−20)480gを純水1867gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、乾式シリカ分散液を得た。この乾式シリカ分散液をジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度20重量%)53gに添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを1回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液をPE製容器に移し、保存温度15℃の環境下で30日間保存した。【0061】比較例4保存条件を保存温度40℃、保存日数10日間とする以外は実施例3と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を調製し、保存した。【0062】上記の実施例及び比較例において得られたカチオン性樹脂シリカ分散液を用いて、インクジェット用記録用紙を作成し、耐水性評価を行った。得られた結果を表1に示した。【0063】また、同様に上記の実施例及び比較例において、製造直後のカチオン性樹脂変性シリカ分散液中におけるシリカ粒子に吸着していないカチオン性樹脂量、及び塗工液を製造する直前の該シリカ分散液中におけるシリカ粒子に吸着していないカチオン性樹脂量を測定し、カチオン性樹脂脱離比率を求めた。得られた結果を表1に示した。【0064】【表1】 極性溶媒中にシリカ及びカチオン性樹脂を分散したカチオン性樹脂変性シリカ分散液において、カチオン性樹脂脱離比率により、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を評価することを特徴とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液の評価方法。


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