タイトル: | 特許公報(B2)_アントシアニンレベルの増大したRaphanus |
出願番号: | 2001311631 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | A01H 5/00,C07H 17/065,C09B 61/00 |
ゲルリト・コッペルト JP 4152615 特許公報(B2) 20080711 2001311631 20011009 アントシアニンレベルの増大したRaphanus ゲイン・ハーベスト・ディベロップメント・リミテッド 503363622 Gain Harvest Development LTD 鈴江 武彦 100058479 村松 貞男 100084618 橋本 良郎 100092196 白根 俊郎 100095441 ゲルリト・コッペルト EP 01203441.9 20010907 20080917 A01H 5/00 20060101AFI20080828BHJP C07H 17/065 20060101ALI20080828BHJP C09B 61/00 20060101ALI20080828BHJP JPA01H5/00 ZC07H17/065C09B61/00 C A01H 5/00 WPI(DIALOG) PubMed JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) 韓国公開特許第1995−0004772(KR,A) 特開昭64−086820(JP,A) 蘭国特許出願公開第08901067(NL,A) 米国特許第04642939(US,A) J. Plant Biol., (1998), 41, [4], p.277-282 J. Food Sci., (1998), 63, [2], p.219-224 Plant Cell Rep., (1988), 7, [6], p.389-392 8 ATCC PTA-3630 2003102302 20030408 15 20040929 柴原 直司 【0001】[発明の分野]本発明は、増大したレベルのアントシアニンを含有するRaphanus属の植物に関する。とりわけ、本発明は、増大したレベルのアントシアニンを含有するRaphanus属の食用の芽(sprout)、およびそれを生産する方法に関する。【0002】[発明の背景]芽(sprout)とも称される食用の若い野菜植物に対する消費者の需要が高まっている。芽(sprout)は、例えばアルファルファと同じように、液体培地で種子を発芽させ、子葉が現れる前に摘み取ることにより生産することができる。あるいは、水を浸した固体の支持体(例えばセルロース)に種子を播き、発芽させ、例えば小さな使い捨て容器で子葉が現れるまで育てるか、もしくは子葉が現れた後も生長させてもよい。その小植物(plantlet)の更なる生長は、通常高さが約4〜15cmに達する前に、例えば小植物を冷却することにより止めることができる。その後、小植物は消費に供される。このように育てられた例えば、カラシナ(cress)、ダイコン(ラディッシュの芽(sprout)のタイプ)、およびカラシの芽(sprout)は、広く普及しており、多くの他の野菜および薬草も、今日芽(sprout)の形で入手できる。野菜の芽(sprout)の人気は、それらが健康によいという認識により少なくともある部分は説明ができる。実際、芽(sprout)は、ビタミンCおよびB1、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄などのビタミンおよびミネラルが非常に豊富であることが知られており、同時にカロリーも低い。ダイコンの芽(sprout)、即ちRaphanus sativa longipinatusの芽(sprout)は、米国および日本で特に普及しており、通常緑色の若い双葉の植物として売られている。残念なことに、ダイコンの芽(sprout)は、これら芽(sprout)の健康促進効果に更に寄与し得る化合物であるアントシアニンを含有していない。【0003】アントシアニンは、多くの高等植物に存在し、花および果実の赤、スミレ、青、もしくは青みがかった黒色に寄与している。アントシアニンは、ヘテロ環2−フェニルクロメノール多環系(式1参照)であり、ヒドロキシル化パターンを変化させて、可視光の範囲で吸収スペクトルを変化させる。アントシアニンのうち糖フリーの構成要素アグリコンは、アントシアニジンと称される。アントシアニジンは、普通の果実に含有される配糖体を加水分解することにより容易に入手できる。【0004】ごく最近、アントシアニンは、その健康促進効果で注目を集めている(例えばWO 92/03146を参照)。例えば、アントシアニンは、酸素ラジカル、例えばスーパーオキシドアニオンラジカル、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル、アルコキシルラジカル、ペルオキシルラジカル、一重項酸素、および多くの他のラジカルのスカベンジャーとして機能し得ることが知られている。また、アントシアニンは、酸素を介して起こる感光性光反応における調節因子および解毒因子として介入し、細胞および核酸やタンパク質分子に損傷を与えるラジカル反応およびラジカル連鎖反応を防御する光生物学的インヒビターとしても論じられている。また、アントシアニンは、細胞毒性および発癌性アルデヒド、例えば4−ヒドロキシヘキサナール、4−ヒドロキシオクタナール、4−ヒドロキシノナナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、2,4−ヘプタジエナール、マロン酸ジアルデヒドなどに対して防御機能を有する。更に、アントシアニンは、脂肪過酸化的(lipoperoxidative)連鎖反応の枠内でこれらの形成を妨害する。このようにして、アントシアニンは、癌の予防を助けたり、あるいは加齢の効果を遅らせたりすることができる。更に、アントシアニンは、エタノールの分解により生じるアセトアルデヒドおよびメタノールの分解により生じるホルムアルデヒドを無毒化する。【0005】Raphanus属の幾つかの種は、ヨーロッパおよび米国で一般に市販されているラディッシュ種の外観の赤色から最もよく分かるように、アントシアニンを生産する。しかし、認識できるレベルのアントシアニンを含有するRaphanus属の芽(sprout)を入手することはできない。従って、本発明の目的は、増大したレベルのアントシアニンを含有するRaphanus属の植物を提供することであり、とりわけ本発明の目的は、増大したレベルのアントシアニンを含有するRaphanus属の植物の芽(sprout)を提供することである。本発明のアントシアニンを含有する芽(sprout)が、他の市販のアントシアニン源より優れている点として、(1)栽培期間がずっと短いこと、(2)芽(sprout)のアントシアニン濃度が比較的高いため、ごく少量の芽(sprout)を消費すればある程度のアントシアニン摂取量を満たし得ること、(3)芽(sprout)を利用できる料理および調理法が多種類あることが挙げられる。【0006】[発明の説明]第一の側面において、本発明は、Raphanus属の植物であって、芽(sprout)の生重量1グラムあたり少なくとも100 nmolのレベルで1種以上のアントシアニンを含む芽(sprout)を産生する、種子の発芽による植物に関する。ここで、Raphanus属の芽(sprout)を、発芽中の種子から、20 cm未満、好ましくは17 cm、15 cm、14 cm、12 cm、もしくは10 cm未満の高さの小植物(plantlet)にわたる、任意の生長段階のRaphanus属の植物と規定する。好ましくは、Raphanus属の芽(sprout)は、発芽中の種子の段階を過ぎ、好ましくはたった2枚の葉(即ち子葉)を有している生長段階のRaphanus属の植物である。Raphanus属の芽(sprout)の更に好ましい態様については、以下で規定する。【0007】本発明のRaphanus属の植物、即ちその芽(sprout)もしくは根(turnip)は、好ましくは、植物材料の生重量1グラムあたり少なくとも100、200、400、800、1500、3000、4000、5000、もしくは6000 nmolのレベルでアントシアニンを含む。本発明のRaphanus属の植物の生きた植物材料は、好ましくは少なくとも100、200、400、800、1500、2500、3500、もしくは4500 ppm(百万に対する割合)のアントシアニン含有量を示す。アントシアニンレベルもしくは含有量は、例4に記載するとおり、分光測光法によりマルビン(malvine)検量線を用いて測定し、生きた植物材料から抽出したアントシアニンレベルもしくはアントシアニン含有量を評価することができる。好ましくは、これらアントシアニンレベルは、本発明のRaphanus属の植物の芽(sprout)に存在する。これらアントシアニンレベルは、アントシアニンの全体レベルに関するものであるため、後述の種々のアントシアニジン部分を有するアントシアニンに加え、種々のグリコシル化形態のアントシアニンを含み得ることを理解されたい。アントシアニンレベルは、植物材料の生重量1グラムあたりで表され、根(root)が存在する場合には、抽出する材料の生重量を測定する前に、好ましくは根(root)を切断により除去する。あるいは、本発明のRaphanus属の植物におけるアントシアニンレベルは、本発明のリファレンス(reference)植物、例えばRaphanus sativa 系統V33(即ち、ATCC番号PTA-3630)との比較により規定することができる。よって、本発明のRaphanus属の植物は、好ましくは、Raphanus sativa 系統V33(即ち、ATCC番号PTA-3630)の少なくとも2、5、10、20、50、もしくは75%のアントシアニン含有量を示し、両植物のアントシアニン含有量は、両植物の同一部分および/または両植物の同一生長段階に、同じ分析技術を利用して測定される。【0008】本発明のRaphanus属の植物は、アントシアニンを含む。ここでアントシアニンは、以下の特徴を有する化合物と定義される:(1)2−フェニルベンゾピリリウム陽イオン(フラビリウムイオン)を有する、式1に示す分子構造を含む【化2】;(2)真紅、ピンク、スミレ色、もしくは紫色;(3)高アルカリpHで色の大きな変化(緑色〜黄色まで);(4)水への溶解度。本発明のRaphanus属の植物に含有されるアントシアニン(anthocyanins)は、好ましくは、式1の構造(ここで、R1はOH、もしくはOCH3であり、R2はH、OH、もしくはOCH3である)のアントシアニジン部分を有するアントシアニン(an anthocyanin)を含む。アントシアニンは、アントシアニジン部分の水酸基の何れかに結合した一以上の配糖体を含有し得るが、水酸基のそれぞれというわけではなく、好ましくは少なくとも3位の水酸基はグリコシル化されている。本発明のRaphanus属の植物は、好ましくは、515、520、525、もしくは530 nmより長く、550、545、540、もしくは535 nmより短い波長に吸収極大を有するアントシアニンを含む。本発明のRaphanus属の植物は、好ましくは、シアニジン(cyanidin)、ペオニジン(peonidin)、デルフィニジン(delphinidin)、ペチュニジン(petunidin)、およびマルビジン(malvidin)から成る群より選択されるアントシアニジン部分を有するアントシアニン(an anthocyanin)を含むアントシアニン(anthocyanins)を含み、より好ましくはアントシアニジン部分がマルビジンであるアントシアニン(an anthocyanin)を含むアントシアニン(anthocyanins)を含む。【0009】本発明のRaphanus属の植物は、好ましくは、Raphanus sativa種の植物であり、より好ましくは、Raphanus sativa 系統CGN 6924、CGN 7240、V33、もしくはその両方の育種および選抜により得られる植物である。最も好ましくは、本発明のRaphanus属の植物は、Raphanus sativa 系統V33(即ち、ATCC番号PTA-3630)の育種および選抜により得られる。【0010】本発明のRaphanus属の植物の育種および選抜方法は、当業者に周知である。一般に、この方法には、自家受粉および他家受粉、並びに色、色度、(紫)色の緑色への褪色の時期、種子の産生、発芽時期の同一性、(小)植物の高さ/長さ、緑色の子孫がいないこと、風味、および子葉の大きさ/形状に基づく新系統の選抜を含み得る。育種を強化するために、北半球および南半球で生長を交替させて、1年に二世代を育ててもよい。興味深い系統が種子を(充分に)産生しなかったときには、次のシーズンに種子の産生を再度試みるために、その系統を生長力のある状態で維持する必要がある。これには、完全に花を咲かせた植物を切断することが必要である。このような植物を切断する幾つかの手法が、当該分野で公知である。特に有利な手法は、ラディッシュの根(turnip)上の小さなシュート(shoot)を根(turnip)の組織と共に切断し、切断用パウダーでそれを処理し、高湿度の下でその切断物(slip)をインキュベートして根(root)を育てることである。【0011】別の側面において、本発明は、本発明のRaphanus属の植物であって、上記規定した芽(sprout)であるものに関する。本発明の好ましい態様において、芽(sprout)は、双葉の段階より前の芽(sprout)、即ちいわゆる「アルファルファ型の芽(sprout)」である。このような芽(sprout)を、一般的な方法により栽培し、後述の搬送(shipping)および販売に適した容器に詰めることができる。容器は、好ましくは、複数のこのような芽(sprout)を含有し、この状態で芽(sprout)を消費に供することが好ましい。【0012】更に別の側面において、本発明は、本発明のRaphanus属の植物であって、少なくとも2枚の葉を有する小植物(plantlet)であるものに関する。好ましくは、小植物は2枚の葉を有するか、わずか2枚の葉のみを有する。小植物の高さもしくは長さは、根の先端(root-tip)から小植物の上端までを測定し、好ましくは少なくとも3、4、もしくは5cmであり、20、17、15、14、12、10、8、もしくは6cmより小さい。これら小植物/芽(sprout)は、カラシナ(cress)型の芽(sprout)と称され、一般に当該分野でミクロ野菜とも称される。このような芽(sprout)を、一般的な方法により栽培し、後述の搬送(shipping)および販売に適した容器に詰めることができる。容器は、好ましくは、複数のこのような芽(sprout)を含有し、この状態で芽(sprout)を消費に供することが好ましい。容器は、好ましくは、1cm2あたり少なくとも1、2、3、4、5、6、もしくは8の小植物体を含有する。【0013】更に別の側面において、本発明は、上記規定した本発明のRaphanus属の植物に由来する材料に関する。材料は、根(root)、茎(stem)、柄(stalk)、葉、花弁、長角果(silique)、種子、根(turnip)、花粉、分裂組織、カルス、萼片、花、細胞、組織、もしくはその組み合わせであり得る。材料は、種々の目的、例えば本発明のRaphanus属の植物の育種もしくは栽培のために適切に使用することができる。【0014】本発明のRaphanus属の植物の根(turnip)は、アントシアニンが表皮(skin)に(わずかしか)存在せず、根(turnip)自体に存在することで特徴付けられ、これは、白い中心部(core)を有し、アントシアニンが表皮(skin)にしか存在しない普通の赤いラディッシュとは対照的である。従って、更に別の側面において、本発明は、根(turnip)自体の中、即ち、根(turnip)の中心部(core)および/または根(turnip)全体にわたってアントシアニンを含有する根(turnip)を産生するRaphanus属の植物に関する。好ましくは、根(turnip)は、500もしくは505 nmより長く、520もしくは515 nmより短い波長、即ち510 nmあたりに吸収極大を有するアントシアニンを含有し得る。好ましくは、根(turnip)は、510もしくは515 nmより長く、540もしくは535 nmより短い波長、即ち520〜530 nmあたりに吸収極大を有するアントシアニンを含有し得る。根(turnip)のアントシアニン含有量は、好ましくは上記規定したとおりである。【0015】更に別の側面において、本発明は、本発明のRaphanus属の紫色の芽(sprout)を栽培および/または産生する方法に関する。好ましくは、このような方法は、ヒト(もしくは動物)の消費に適した芽(sprout)、即ち食用の芽(sprout)を産生する。芽(sprout)は、食用でない基材(substrate)、例えば芽(sprout)にはり付いた土などを有していなければヒトの消費に適している。典型的には、芽(sprout)は、非栄養性の固体支持体(例えば、寒天、ペーパータオル、ブロッティングペーパー、バーミキュライト、パーライト等)の上で、水および光を供給して育てられる。本発明の方法に使用される特に好ましい非栄養性の固体支持体は、例えばオランダ特許第1001570号に記載されるようなパッド(pad)、シート、もしくは粒子の形態で利用できるセルロースである。よって、芽(sprout)を土ではなく固体支持体上で育てた場合、芽(sprout)を洗浄して食用でない土を取り除く必要がない。芽(sprout)を粒子状の固体支持体、例えば土、バーミキュライト、パーライトで育てた場合、ヒトの消費に適した芽(sprout)を得るためには洗浄が必要とされる。【0016】本発明のRaphanus属の芽(sprout)は、搬送および販売に適した容器で好ましくは育てられる。典型的には、このような容器は、底に湿らせたパッドを含有するプラスチックの箱もしくは瓶である。容器は、機械的には保護防壁を提供するが、光を透過させることはできる。芽(sprout)を栽培するための多くの方法が公知であり、以下の文献に代表される:オランダ特許第192969号;米国特許第3,733,745号;第3,643,376号;第3,945,148号;第4,130,964号;第4,292,760号;もしくは第4,086,725号;“The Complete Guide to Sprouting, Sprouts The Miracle Food”Sproutman Publications, May 1998;James C. Schmidt, Horticulture Facts,“Growing Sprouts Indoors”, (Rev. 4/81)。本発明のRaphanus属の芽(sprout)は、種々のタイプの容器、なかでも開放型もしくは密封型、即ち蓋付きもしくは蓋なしの瓶、袋、および箱などに詰めて搬送することができる。芽(sprout)を育て、詰め、搬送する既知の方法全てが適している。【0017】本発明のRaphanus属の芽(sprout)を産生する方法は、(a)上記規定したRaphanus属の植物の種子を、適切な培地で適切な条件下で、任意に容器内で発芽させる工程と;(b)(a)で得られた発芽した種子を、所望の生長段階の芽(sprout)が得られるまで適切な条件下で育てる工程を少なくとも含む。ここで所望の生長段階は、子葉が現れる前の芽(sprout)であってもよいし、少なくとも2枚の葉、好ましくはわずか2枚の葉のみを有する小植物であってもよい。適切な生長培地は、好ましくは単に水を含有する。水道水の地域的な質に応じて、水の無機塩類を除去するため、および/または塩素、有機残留物、もしくは他の不純物を除去するために、水の更なる精製が必要となることがある。水は、微生物の夾雑物がないことが好ましい。発芽は、15〜25℃の温度で、好ましくは高湿度で、最も好ましくは相対湿度100%で行うことが好ましい。発芽は、温度および湿度を制御された発芽用セルもしくは室内で適切に行うことができる。【0018】本発明の好ましい態様は、アルファルファ型のRaphanus属の芽(sprout)を産生する方法に関する。ここで適用できる方法は、アルファルファ型の芽(sprout)を産生するために用いられる方法と本質的には同じである。種子を洗浄および/または浸漬し、回転ドラムもしくは容器内に置く。好ましくは、最適(100%近い)湿度に制御された雰囲気(climate)下でこれを行う。種子がくっつくのを避けることができる程度に充分速く、しかも胚にダメージを与えない程度に充分遅く、種子は回転する。発芽は、光を照射して、もしくは照射せずに、好ましくは15〜25℃の温度で行うことができる。温度は、生長の時期に応じて変えてもよい。芽(sprout)が所望の段階まで育ったら、通常約100時間(プラスマイナス48時間)後、ドラムもしくは容器から芽(sprout)を摘み取り、それを水で洗浄することができる。その後、その芽(sprout)を、25グラムからバルクパッキング(bulk packing)に及ぶ単位量で、種々の容器、例えば瓶、袋、および箱に詰めることができる。【0019】本発明の更に好ましい態様は、少なくとも2枚の葉、好ましくはわずか2枚の葉のみを有する小植物(plantlet)、即ち好ましくは、子葉のみを有し他の葉が実在しない小植物の形態で、Raphanus属の芽(sprout)を産生する方法に関する。この方法は、(a)上記規定したRaphanus属の植物の種子を、水を含有する(上記)非栄養性の固体支持体上で、好ましくは肥料もしくは他の添加剤なしで、1cm2あたり3〜12個の種子の密度で、10〜35℃、好ましくは15〜25℃の温度で、高湿度で、任意に暗所で発芽させる工程と;(b)(a)で得られた発芽した種子を、少なくとも10℃あるが35℃以下の温度で、好ましくは15〜25℃で、少なくとも70%の湿度で、毎日の光サイクルの下で、発芽した種子が少なくとも2枚の葉を有する小植物に生長するまで、好ましくは少なくとも3、4、もしくは5cmの高さまで育てる工程と;任意に(c)小植物を1〜6℃の温度、より好ましくは1.5〜4℃の温度、最も好ましくは約2℃の温度に冷却することにより、小植物の更なる生長を止める工程を含む。【0020】本発明の更なる側面は、紫色のRaphanus属の芽(sprout)の種子を(大量)生産することに関する。紫色の芽(sprout)を産生する適切なRaphanus属の系統の種子を、適切な土および適切な気候(climate)の圃場に播く。種子は好ましくは、北半球では10月〜5月に、南半球では4月〜9月に播く。植物は生長し、花を咲かせ、昆虫、好ましくはミツバチに媒介されて受粉する。植物は更に生長して、種子を付けて成熟する。次いで、植物は好ましくは一区画ずつ(in a swath)刈り取られ、その後成熟し続け、風および太陽の影響を受けて乾燥に供される。種子を収穫するためには、好ましくは脱穀機を使用し、それを、更に種子の均一なバッチ(batch)を得るために色、形状およびサイズに基づいて選別してもよい。【0021】更なる側面において、本発明は、アントシアニンを生産する方法に関し、ここでアントシアニンは好ましくは上記規定したアントシアニンである。この方法は(a)本発明のRaphanus属の植物を育てる工程と;(b)前記Raphanus属の植物もしくはその一部を摘み取る工程と;(c)前記植物もしくはその一部のアントシアニンを回収する工程と;(d)任意に、前記アントシアニンを精製する工程を含む。この方法に適用するRaphanus属の植物は、上記規定した任意のRaphanus属の植物であり得る。Raphanus属の植物全体を摘み取ることができ、これは上記規定した芽(sprout)もしくは小植物(plantlet)であり得る。あるいは、前記植物のアントシアニンリッチな部分を摘み取ってもよく、これは例えば、前記植物の葉もしくは根(turnip)である。アントシアニンの回収は、前記植物もしくはその一部を、ある状態まですりつぶすか、ホモジナイズすることを通常含み、水、好ましくは水で希釈した酸、例えば5%ギ酸で、あるいは5%ギ酸等の酸を好ましくは含有し得る有機溶媒、例えばメタノールでアントシアニンを抽出することを更に含んでいてもよい。植物材料からアントシアニンを回収し抽出する方法は、当該分野で周知であり、同様に本発明のRaphanus属の植物に適用することができる。アントシアニンは、以下の例に記載するとおり例えばクロマトグラフィーにより更に精製してもよい(Fiorini, 1995, J.Chromatogr. 692: 213-219を参照)。このようにして得られたアントシアニン調製物は、種々の目的のため、例えば、食品もしくは飲料に取り込んで、食品成分として、食品、飲料、他の材料の天然着色剤もしくは色素として、(食品もしくは薬学的グレードの)保存薬として、特に酸化感受性組成物(oxidation sensitive composition)の保存のために使用することができ、あるいは例えばWO 92/03146に記載されるとおり、他の供給源からのアントシアニンに関するそれ自体既知の方法で、食品補充物質もしくは薬学的組成物に組み込む(formulate)ことができる。このような薬学的組成物は、創傷、潰瘍、炎症性症状、および脈管系の病原性状況、糖脂質もしくはグリシド(glycide)代謝の低下により引き起こされる混乱を治療する際に使用することができる。更に、本発明のアントシアニンを含む組成物は、(夜間)視力を良くするため、および/または疲れ目を治療するために使用することができる。このような組成物は、更にがんおよび心血管系疾患を予防する際、および低下した記憶等の老化の影響を減らす際に使用することができる。同様に、本発明のアントシアニン含有植物もしくはその一部は、上記目的のためにそういうものとして使用することができる。【0022】本発明の利点は、本発明の植物、小植物(plantlet)、芽(sprout)、および植物の一部が、従来技術のRaphanus属の植物と比べて、健康促進効果を有していることである。よって、これら植物もしくはその一部は、栄養補助食品もしくは機能性食品として使用することができる。これら植物およびその一部の更なる利点は、これらが魅力的な色を有しており、調理法および料理に新たな装飾的側面を追加するために使用できることである。本発明の植物は、更にアントシアニンの供給源として有効に利用することができ、アントシアニンは、薬学的組成物の有効成分、食品成分および/または天然色素などの種々の目的のために本発明の植物から単離することができる。最後に、本発明の植物は、天然に存在する植物体(isolate)から伝統的な育種技術により得られたものである。これら植物はGMOでないことにより、これら植物およびそこから得られる産物は社会的に非常に広く受け入れられる。【0023】例例1紫色の芽(sprout)を産生するRaphanus属系統の育種公共の遺伝子バンクから入手可能な568のRaphanus sativa系統の全てを、紫色の芽(sprout)を産生する能力でスクリーニングした。これら系統のうち14系統が少なくとも幾らか紫色の芽(sprout)を産生することを見出した。数世代の自家受粉および選抜の後、多くの子孫は、充分に強い紫色を示さなくなった。14系統のうち2系統のみが、顕著に強い紫色を示し、その後の育種のために選抜した。これら2系統、CGN6924およびCGN7240は、共にPlant Research International(以前はCPRO-DLO)、Wageningen、オランダのCGN遺伝子バンクから入手し、前者はドイツ民主共和国(German Democratic Republic)原産であり、後者は中国原産である。これら3系統から出発して、育種プログラムを実施し、ここでは北半球および南半球で生長を交替させて、1年に2世代を育てた。自家受粉およびこれら系統の交配を両方行い、ここで色度、(紫)色の緑色への褪色の時期、刻み目の入る時期(nicking time)、種子の産生および花あたりの種子の量、(小)植物の高さ/長さ、発芽時期の同一性、緑色の子孫がいないこと、並びに子葉の大きさおよび形状について新系統を選抜した。一般に、紫色を示す系統は、種子の産生が減ることを見出した。世代あたり少なくとも200の組み合わせをスクリーニングした。非常に強い紫色を示し、緑色の子孫を分離しなかった数系統が、このようにして得られた。このような一系統を、V33という名称で、2001年8月13日にブダペスト条約の下、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション, Manassas, VA, USAに寄託し、ATCC番号PTA-3630が付された。この系統は芽(sprout)の産生のために使用することができ、あるいは育種プログラムにおいて、任意にCGN6924およびCGN7240と組み合わせて使用して、紫色を従来の緑色品種に交配することができる。【0024】例2紫色のRaphanus属の芽(sprout)を「カラシナ(cress)」の形態で産生する方法Raphanus属(ダイコン)の芽(sprout)を「カラシナ」(Sakura Cress(登録商標))の形態で産生する方法は、オランダ特許第192969号に記載されている。基本的に、紫色のRaphanus属の系統の種子を、水で湿らせた固体の支持体(「基材(substrate)」)、例えばセルロースのシートもしくはパッドまたはフィン・ピート(fin peat)をその底に有する(例えば6×8cm表面の)プラスチック容器に置く。適切な基材は、オランダ特許第1001570号に記載されている。種子を、1cm2あたり約3〜6個の種子という高密度で播く。その後、種子の入った容器を、15〜24℃で高湿度(好ましくは100%の相対湿度)で発芽させる。発芽は、暗所もしくは光を照射して適切に行うことができ、好ましくは温度および湿度が制御された発芽用セルもしくは室内で行われる。発芽後、なお発芽には通常約48時間かかるが、芽生え(seedling)の入った容器を、温度を15℃以上(好ましくは25℃以下)に維持し、湿度を好ましくは70%以上(相対湿度)に維持した温室に置く。その後、小植物を、5〜14cmの高さに達するまで、通常わずか2枚の葉(即ち、子葉)のみを有するまで、更に48〜72時間育てる。小植物をもっと丈夫にするために更に光を照射してもよい。小植物が所望の高さもしくは葉の枚数に達したら、2℃に冷却することにより生長を停止させる。小植物は、好ましくは消費されるまで、引き続きこの温度で維持、保存され、搬送される。【0025】例3紫色のアルファルファ型のRaphanus属の芽(sprout)を産生する方法V33系統の種子を、水で洗って浸漬し、15〜25℃で水の細かい霧を噴霧しながら、ゆっくり回転するドラム内に置く。この霧は、1時間ごとに、または生育方法および栽培者のプランニングに応じて様々に供給される。種子は、一緒にくっつかない程度に充分速く、そして胚が壊れない程度に充分遅く、ドラム内でゆっくり転がり回る。約48時間の変動幅をもって100時間後、芽(sprout)は、赤/紫の光る生成物に発達し、これはその後洗って、パック詰めに供される。収穫可能な生成物に対する種子の比率は、通常1:8〜1:10であり、即ち1kgの種子は8〜10kgの芽(sprout)を産生する。発芽の間に更なる光照射を追加すると、より強い紫色を示す。【0026】例4紫色のRaphanus属の芽(sprout)におけるアントシアニンレベルおよびアントシアニジン構造の分析方法方法材料以下の材料を分析した:・双葉の段階にあるRaphanus sativa 系統V33のダイコン芽(sprout)の小植物(plantlet)。この材料は、例2に記載のとおり栽培し、根(root)のすぐ上で切断し、すぐに液体窒素で凍結した。・Raphanus sativa 系統V33の完全に生長した植物に由来する根(turnip)。この根(turnip)は、水ですすぎ、(優れた紫色の模様を示す)小片に切断し、液体窒素で凍結した。・双葉の段階にあるRaphanus sativa品種「Mino White」のダイコン芽(sprout)の小植物(plantlet)を栽培し、V33の芽(sprout)について記載したのと同様に処理した。・双葉の段階にあるRaphanus sativa品種「Recipar」(Novartisから入手可能)のラディッシュ芽(sprout)の小植物(plantlet)を栽培し、V33の芽(sprout)について記載したのと同様に処理した。・双葉の段階にあるブロッコリー(Broccoli)品種の芽(sprout)の小植物(plantlet)を栽培し、V33の芽(sprout)について記載したのと同様に処理した。・双葉の段階にあるRaphanus sativa 系統CGN6924(出発の栽培種)のダイコン芽(sprout)の小植物(plantlet)を栽培し、V33の芽(sprout)について記載したのと同様に処理した。・Raphanus sativa 品種「Hoogvliet」のラディッシュ根(turnip)をオランダのスーパーマーケットで入手した。赤い表皮(skin)を根(turnip)から剥し、小片に切断し、液体窒素で凍結した。凍結された材料は、抽出するまで−80℃に保存した。【0027】抽出抽出する前に、材料を、液体窒素で予め冷却したワーリング・ブレンダー(Waring blender)で微粉末になるまですりつぶした。すりつぶした材料を、クロロフィルのような脂肪親和性物質を除去するために、5倍余剰(重量グラムあたり体積mL)のジクロロメタンで処理した。ジクロロメタンで濾過した後、該材料を、5倍余剰(重量グラムあたり体積mL)の5%ギ酸水溶液で暗所で一晩抽出した。不溶性物質を遠心により除去し、その後色の付いた上清を濾過した。濾液を4℃で暗所で保存した。【0028】精製粗抽出物の一部を、C18−カラム(Supelco DSC18, カラムあたり2g)で固相抽出により精製した。メタノールでカラムを溶媒化(solvatation)し、5%ギ酸で平衡化した後、カラムあたり約22.5 mLの抽出物を適用し(全量で芽(sprout)の材料あたり100 mL、根(turnip)の抽出物あたり150 mL)、少なくとも3カラム体積の5%ギ酸、1×1N HCl、1×0.2% HClで洗った。次いで、色の付いた物質を、1カラム体積のメタノール中0.1% HClを用いて、カラムから溶出した。回収した溶液から、ブッヒ回転蒸気を(Buchi rotavapor)を用いてメタノールを除去し、残渣を水で希釈した後、凍結乾燥した。【0029】分析このようにして得られた凍結乾燥した抽出物の重量をはかり、収率を測定した。この抽出物を、フォトダイオードアレイ検出システムを備えたウォーターズ(Waters)HPLCシステムを用いて、抽出物中の全化合物についてスペクトルが得られるように分析した。更に、抽出物中のアントシアニン化合物を、マルビン(malvine)(マルビジン-(3,5)-ジグルコシド)に基づく検量線を用いて定量化した。この(latter)化合物は、おそらく紫色のRaphanus属の植物材料に含まれる一以上のアントシアニンの主成分である。適用システムは、150×4.6(内径)mm Luna 3μm逆相(C18)カラムから構成され、0.75 mL/分の流速を用いて、5%ギ酸に35〜55%メタノール勾配をかけた溶出液を使用した。【0030】結果色Mino Whiteの芽(sprout)を除き、分析した植物材料のほとんどが、ある程度の紫色を示していた。この紫色の程度は、その抽出物に反映された:Mino Whiteの抽出物は少しも紫色を示さず、Reciparの抽出物だけは、幾らかスミレ色を示し、出発の栽培種であるCGN6924の抽出物およびブロッコリーの抽出物は、僅かではあるがより紫色を示し、V33の抽出物は強い紫色を示した。【0031】抽出物の収率抽出物の収率は、以下のとおりであった:Broccoli 36.8 mg 0.19%Mino White 51.0 mg 0.25%V33の芽(sprout) 236.4 mg 0.78%CGN6924栽培種 47.2 mg 0.24%Recipar 30.9 mg 0.19%V33の根(turnip) 52.2 mg 0.16%これらの収率は、抽出した植物材料の全重量に対する抽出物の全重量に関する。V33の芽(sprout)の収率を、全くもしくはごく僅かしかアントシアニンを含有しないRaphanus属の芽(sprout)の収率と比較することにより、V33の芽(sprout)から抽出されたアントシアニンの収率は、約195 mg、即ち約0.64%と算定することができる。【0032】抽出された化合物のスペクトル全抽出物は、クロマトグラムにおいて254 nmおよび340 nmに多数の吸光度(absorbance)ピークを示す。多くの部分について、これら化合物は、アントシアニンではなく、アントシアニンと共に抽出され精製された他の化合物である。アントシアニンに特徴的であるのは、510〜540 nmにおける吸光度(absorbance)である。【0033】ブロッコリーわずかなアントシアニンピークだけが見える。最も突出したピークは、25.93分の保持時間に溶出し、325 nmおよび535〜540 nmに吸収極大を示す。一致する保持時間およびスペクトルに基づいて、これらアントシアニンは、V33系統の材料に見られたアントシアニンと同一であるか、あるいはよく似ているであろう(以下参照)。【0034】Mino WhiteMino Whiteは、その抽出物に紫色が見られなかったことから予測されるように、抽出物にアントシアニンのピークは見られなかった。【0035】V33系統の芽(sprout)幾つかのアントシアニンのピークが見られ、多くは23〜31分の間の保持時間に溶出した。これらアントシアニンのスペクトルは、325〜330 nmおよび530〜535 nmに吸収極大を示す(図1参照)。【0036】CGN6924の栽培種CGN6924のクロマトグラム(図2)は、V33系統の抽出物のクロマトグラムと比べてそのパターンに幾つかの類似点はあるが、UV領域に吸収を有し40〜47分に溶出する幾つかのピーク(アントシアニンではない)が存在することで、V33系統のクロマトグラムとは明らかに異なる(図2の254〜340 nm参照)。CGN6924の材料にアントシアニンは存在するが、少量しか存在しない(図2の510 nm参照)。CGN6924系統のアントシアニンは、530〜535 nmの範囲の吸収極大の代わりに515 nmに吸収極大を示すことにより、V33系統のアントシアニンとは明らかに異なる。また、比較的高い吸光度(extinction)は、325 nmおよび285 nmにみられ、最も高い吸光度(extinction)は325 nmにみられる。しかし、この領域の吸光度(extinction)に影響を及ぼす、他のアントシアニンでない化合物が一緒に溶出する可能性を除外することはできない。【0037】ReciparReciparにはごく微量のアントシアニンがみられ、530〜535 nmおよび325〜330 nmに吸収極大を示す。従って、これらアントシアニンは、V33系統にみられるアントシアニンと似ていると思われる。また、これらアントシアニンの保持時間もよく似ているが、量的な差は非常に大きい。【0038】V33系統のラディッシュ根(turnip)V33系統の根(turnip)は、大量のアントシアニンを含有する。しかし、通常の赤いラディッシュと比較して、そのアントシアニンは表皮(skin)よりむしろ根(turnip)自体に存在している。これらアントシアニンのスペクトルは、2つのタイプのアントシアニンを示すため興味深い:一つは、約510 nmに吸収極大を有し、一つは520〜530 nmに吸収極大を有する。従って、その抽出物の色も、赤いラディッシュの表皮(skin)の抽出物の色とV33系統の芽(sprout)の抽出物の色の中間である。他の吸収極大は、通常の値の285 nmおよび325〜330 nmを示す。520〜530 nmに吸収極大を有するアントシアニンは、V33系統の芽(sprout)で見られたのと同じ領域に溶出し、これらはおそらく同一化合物であることを示す。しかし、510 nmの吸光度(absorbance)から明らかなように、この抽出物には明らかに異なるアントシアニンが存在する。【0039】「Hoogvliet」品種の赤いラディッシュの表皮(skin)「Hoogvliet」品種の赤いラディッシュ根(turnip)の表皮(skin)にみられるアントシアニンは、508〜510 nmに吸収極大を有すること、および325 nmの吸光度(extinction)と比べて285 nmの吸光度(extinction)が明らかに高いことにより、V33系統の芽(sprout)にみられるアントシアニンとは明らかに異なる。【0040】定量商業的に入手可能なマルビンクロライド(malvine chloride)の濃度を増加させて検量線を作成した。この検量線は、抽出物あたりのアントシアニンの量、および植物材料の量あたりのアントシアニンの量を評価するために使用した。表1は、抽出物μグラムあたりnmol、および植物材料グラムあたりnmolでそれぞれ表示したアントシアニンの算定量を示す。表2は、抽出物および植物材料それぞれのアントシアニン含有量の算定量を示す。【0041】【表1】【0042】【表2】【図面の簡単な説明】【図1】 Raphanus sativa 系統V33の芽(sprout)から抽出されたアントシアニンのスペクトル。波長に対する吸光度(absorbance)は、表示の種々の時間にHPLCから溶出するアントシアニンそれぞれについて示している(実験の詳細については例4を参照)。【図2】 Raphanus sativa 系統CGN 6924(出発の栽培種)の芽(sprout)から抽出されたアントシアニンのスペクトル。波長に対する吸光度(absorbance)は、表示の種々の時間にHPLCから溶出するアントシアニンそれぞれについて示している(実験の詳細については例4を参照)。 Raphanus sativa植物 系統V33(ATCCアクセッション番号PTA-3630)または自家受粉もしくは他家受粉により系統V33から得られるRaphanus sativa植物であって、発芽による植物が、アントシアニン(anthocyanins)を含む紫色の芽(sprout)を産生する植物。 請求項1に記載の植物から得られる芽(sprout)。 前記芽が双葉の段階より前の芽(sprout)である請求項2に記載の芽。 前記芽が少なくとも2枚の葉を有し、高さが20cmより低い小植物(plantlet)である請求項3に記載の芽。 請求項2に記載の芽(sprout)を生産する方法であって、 (a)請求項1に記載のRaphanus sativa植物の種子を、適切な培地で適切な条件下で、任意に容器内で発芽させる工程と、 (b)(a)で得られた発芽した種子を、所望の生長段階の芽(sprout)が得られるまで適切な条件下で育てる工程を含む方法。 請求項5に記載の方法であって、 (a)請求項1に記載のRaphanus sativa植物の種子を、15〜25℃の温度で、高湿度で、回転ドラムもしくは容器内で、少なくとも1回種子に水をスプレーしながら、任意に光を照射して発芽させる工程と、 (b)(a)で得られた発芽した種子を、(a)に記載の条件下で少なくとも48時間育てる工程を含む方法。 請求項5に記載の方法であって、 (a)請求項1に記載のRaphanus sativa植物の種子を、水を含有する非栄養性の固体支持体上で、1cm2あたり3〜12個の種子の密度で、15〜35℃の温度で高湿度で発芽させる工程と、 (b)(a)で得られた発芽した種子を、少なくとも15℃あるが35℃以下の温度で、少なくとも70%の湿度で、毎日の光サイクルの下で、任意に光照射を追加して、発芽した種子が少なくとも2枚の葉を有する小植物(plantlet)に生長するまで育てる工程と、 (c)任意に、1〜6℃の温度に冷却することにより、小植物(plantlet)の更なる生長を止める工程を含む方法。 アントシアニンを生産する方法であって、 (a)請求項1に記載のRaphanus sativa植物を育てる工程と、 (b)前記Raphanus属の植物もしくはその一部を摘み取る工程と、 (c)前記植物もしくはその一部のアントシアニンを回収する工程と、 (d)任意に、前記アントシアニンを精製する工程を含む方法。