タイトル: | 特許公報(B2)_被覆酸化亜鉛粉体、その製造方法およびそれを用いた化粧料 |
出願番号: | 2001295281 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 8/27,A61K 8/891,A61Q 1/00,A61Q 17/00,A61Q 19/00,C01G 9/02 |
森川 育太郎 庄司 博昭 JP 4961082 特許公報(B2) 20120330 2001295281 20010927 被覆酸化亜鉛粉体、その製造方法およびそれを用いた化粧料 東レ・ダウコーニング株式会社 000110077 河備 健二 100106596 森川 育太郎 庄司 博昭 20120627 A61K 8/27 20060101AFI20120607BHJP A61K 8/891 20060101ALI20120607BHJP A61Q 1/00 20060101ALI20120607BHJP A61Q 17/00 20060101ALI20120607BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20120607BHJP C01G 9/02 20060101ALI20120607BHJP JPA61K8/27A61K8/891A61Q1/00A61Q17/00A61Q19/00C01G9/02 Z A61K8/00-8/99 A61Q1/00-99/00 CA/REGISTRY(STN) 特開2000−290156(JP,A) 特開平07−196946(JP,A) 5 2003095839 20030403 12 20080924 弘實 謙二 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、被覆酸化亜鉛粉体、その製造方法およびそれを用いた化粧料に関し、さらに詳しくは、酸化亜鉛粉体の表面被覆工程の効率がよく、化粧料として配合された時に、水素発生や未表面被覆部分による酸化亜鉛粉体を配合された化粧料のゲル化や粘度上昇の懸念がなく、安定で、さらに酸化亜鉛粉体それ自体が持つ耐皮脂性に優れた化粧持続性の向上した化粧料を製造できる被覆酸化亜鉛粉体、その製造方法およびそれを配合してなる化粧料に関する。【0002】【従来の技術】従来から、化粧料に配合される粉体の多くは、二次凝集を防止し、撥水性や撥油性を付与するために、メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体で表面被覆されている。その際、粉体として用いられる酸化亜鉛粉体は、顔の皮脂と反応して皮脂をゲル化して固定し、皮脂の広がりを押さえ、脂っぽさを抑制し、化粧の持続性を向上させるのに役立っている。【0003】メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体は、一般的にいえば、次の一般式(2)で示される構造を有する。【0004】【化2】【0005】こうしたメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体は、酸化亜鉛粉体の表面に被覆された後、加熱処理されると、下記の式(3)で示される反応が起こり、酸化亜鉛表面で重合され、あるいは、式(4)で示される反応により酸化亜鉛表面に存在する水酸基とも結合して被覆皮膜を形成し、二次凝集を防止しながら、撥水性や撥油性を付与し、耐皮脂性を増強するすることが知られている。【0006】【化3】【0007】【化4】【0008】例えば、特開平8−41379号には、特定の比表面積を持つ酸化亜鉛粉体を特定の繰返し単位数を持つメチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体で表面被覆した耐皮脂粉体が開示されている。【0009】しかしながら、同公報に記載の特定の繰返し単位数を持つメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体では、酸化亜鉛粉体との結合が不十分であったり、あるいは、化粧料に配合した後で未反応のSiH基から水素を発生し、これが被覆酸化亜鉛粉体の貯蔵時、または最終製品である化粧料での容器の変形・破壊につながる危険性が起こるといった問題があった。【0010】また、別の問題としては、酸化亜鉛粉体は、化粧料の他の成分に対して活性であり、化学結合を起こすことが認められ、完全に表面被覆されていないと化粧料をゲル化させることがあり、これは化粧料がファンデーション等の固形形状のものでは影響が少ないが、ローション等液状形状のものでは粘度が上昇し、大きな問題を引き起こすことがあった。【0011】こうした状況下、酸化亜鉛粉体の表面被覆工程の効率がよく、化粧料として配合された時に、水素発生や未表面被覆部分による酸化亜鉛粉体を配合された化粧料のゲル化や粘度上昇の懸念がなく、安定で、さらに酸化亜鉛粉体それ自体が持つ耐皮脂性に優れた化粧持続性の向上した化粧料を製造できる被覆酸化亜鉛粉体の研究・開発が求められていた。【0012】【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、こうした従来技術の問題点に鑑み、酸化亜鉛粉体の表面をメルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体で被覆したとき、より高い重合や酸化亜鉛との結合力(以下、これを単に「重合結合能」という。)を持ち、且つ、酸化亜鉛粉体表面を、より十分に表面被覆(以下、これを単に「表面被覆能」という。)し、この結果として、酸化亜鉛粉体の表面被覆工程の効率がよく、化粧料として配合された時に、水素発生や未表面被覆部分による酸化亜鉛粉体を配合された化粧料のゲル化や粘度上昇の懸念がなく、安定で、さらに酸化亜鉛粉体それ自体が持つ耐皮脂性に優れた化粧持続性の向上した化粧料を製造できる被覆酸化亜鉛粉体、その製造方法、およびそれを用いた化粧料を提供することにある。【0013】【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、種々のメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体を検討したところ、特定のメチルハイドロジェンシロキサンの繰返し単位数(n)とジメチルシロキサンの繰返し単位数(m)とを有する共重合体を合成し、それを特定の比表面積の酸化亜鉛粉体に表面被覆すると、高い重合結合能を持ち、且つより十分な表面被覆能を持つ被覆酸化亜鉛粉体が得られ、上記課題が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。【0014】すなわち、本発明の第1の発明によれば、比表面積が15〜100m2/gの酸化亜鉛粉体(A)の表面を、次の化学式(1)で表されるメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)で被覆することを特徴とする被覆酸化亜鉛粉体が提供される。【0015】【化5】(式中、mとnは正数で、m:n=3.5〜2.2:1、およびm+n=4〜60の要件を満たす。)【0016】また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、酸化亜鉛粉体(A)の平均一次粒子径が、0.01〜0.1μmであることを特徴とする被覆酸化亜鉛粉体が提供される。【0017】さらに、本発明の第3の発明によれば、第1あるいは2の発明において、メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)の被覆量が、酸化亜鉛粉体(A)に対して2〜10重量%であることを特徴とする被覆酸化亜鉛粉体が提供される。【0018】一方、本発明の第4の発明によれば、酸化亜鉛粉体(A)とハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)とを溶媒の存在下又は非存在下に混合し、表面被覆された酸化亜鉛粉体を得る第1の工程と、引き続いて、該表面被覆された酸化亜鉛粉体を50〜200℃で0.5〜5時間加熱処理する第2の工程とからなることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載の被覆酸化亜鉛粉体の製造方法が提供される。【0019】また、本発明の第5の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明に記載の被覆酸化亜鉛粉体を配合することを特徴とする化粧料が提供される。【0020】【発明の実施の形態】以下、本発明の被覆酸化亜鉛粉体、その製造方法およびそれを配合してなる化粧料について、各項目毎に詳細に説明する。【0021】1.酸化亜鉛粉体(A)本発明で使用される酸化亜鉛粉体(A)は、比表面積が15〜100m2/g好ましくは20〜100m2/gのものである。比表面積が15m2/g未満では、皮脂をゲル化し固定する能力が劣り、一方、比表面積が100m2/gを超えると、粉体の表面活性が高くなり、二次凝集が起こったり、均一な表面被覆を得ることが困難になり、安定な被覆酸化亜鉛粉体の製造が困難になるので望ましくない。【0022】また、酸化亜鉛粉体(A)の平均一次粒子径は、特に限定されないが、通常は0.01〜0.1μm、好ましくは0.015〜0.05μm程度であることが望ましい。平均一次粒子径が0.01μm未満では、粉体の表面活性が高くなり、二次凝集が起こり、一方、0.1μmを超えると、皮脂をゲル化し固定する能力が劣り、また化粧表面の平滑性が劣り望ましくない。【0023】本発明に使用する市販の酸化亜鉛粉体(A)としては、例えば、テイカ社製のMZ−300、MZ−500、MZ−700、堺化学社製のFINEX25、FINEX50、FINEX75、FINEX90等が好適に使用することができる。【0024】2.メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)本発明で使用されるメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)は、下記の一般式(1)で表されるものである。【0025】【化6】【0026】ここで、mとnは正数であり、以下のイ、ロの要件を満たす。イ.m:n=4.0〜1.5:1ロ.m+n=4〜60【0027】その際、m+nが4未満で、且つm:nが1.5未満:1あると、表面被覆の際、良好な重合結合能は得られるが、十分な表面被覆能が得られないので望ましくない。m+nが15〜60であっても、m:mが1.5未満:1であると、十分な表面被覆能は得られるが、重合結合能が不十分となるので好ましくない。一方、m+nが60を超えると、重合結合能が不十分となり、且つ十分な表面被覆能が得られなくなるので好ましくない。【0028】メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)としては、好ましくは、m:nが3.5〜1.5:1で、且つm+nが5〜55、さらに好ましくは、m:nが3.5〜2.0:1で、且つm+nが5〜50であるものが好適に使用される。【0029】本発明で使用されるメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)は、例えば、ヘキサメチルジシロキサン等の低分子量シロキサン化合物、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサン化合物、ポリメチルハイドロジェンシロキサンあるいはテトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等のメチルハイドロジェンシロキサン化合物を原料とし、触媒として硫酸、塩酸、リン酸、活性白土、塩化鉄、ホウ酸、トリフルオロ酢酸等の酸触媒を用いた平衡反応などの公知の方法で調製することができる。【0030】メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)の使用量は、酸化亜鉛粉体(A)に対して2〜10重量%、好ましくは4〜8重量%であることが望ましい。【0031】3.被覆酸化亜鉛粉体の製法本発明の製造方法は、前述の酸化亜鉛粉体(A)とハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)とを溶媒の存在下又は非存在下に混合し、表面被覆された酸化亜鉛粉体を得る第1の工程と、引き続いて、該表面被覆された酸化亜鉛粉体を50〜200℃で0.5〜5時間加熱処理する第2の工程とからなる。【0032】本発明の第1の工程において、表面被覆とは、酸化亜鉛粉体(A)の表面を、メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)で被覆することを意味し、メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)の被覆量として、酸化亜鉛粉体(A)に対して2〜10重量%、好ましくは4〜8重量%であることが望ましい。【0033】本発明の第1の工程は、上記の表面被覆を達成できるものであれば、特に限定されず、公知の方法を用いればよい。【0034】具体的な表面被覆法としては、以下の混合方法を挙げることができる。▲1▼酸化亜鉛粉体(A)とメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)を、公知の混合装置で混合する。▲2▼酸化亜鉛粉体(A)と少量の溶剤に溶解させたメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)を、公知の混合装置で混合する。▲3▼酸化亜鉛粉体(A)と相当量の溶剤に溶解させたメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)を、公知の混合装置で混合し、スラリーを調製する。▲4▼スプレードライヤー、エアーブレンダーを用いて、酸化亜鉛粉体(A)をメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)で被覆する。【0035】公知の混合装置としては、サンドグラインダーミル、タワーミル、アトライター、ボールミル、ホジャーサイトボールミル、振動式ボールミル、回転式ボールミル、振動式ロッドミル、振動式ミル、ポットミル、ロッドミル、パソミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、オングミル、乳鉢、ハイブリダイザー等を挙げることができる。【0036】第1の工程を溶剤の存在下で行う場合には、溶剤としては、留去効率の点から低沸点のものが好ましく、具体的には、トルエン、ジクロロメタン、n−へキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、アセトン、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、ヘプタン等を挙げることができる。【0037】本発明の第2の工程では、前述の第1の工程に引き続き、酸化亜鉛粉体(A)に表面被覆したメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)同士の重合や、さらには酸化亜鉛粉体(A)との結合反応を起こさせるために、加熱処理が行われる。その際、加熱処理条件としては、50〜200℃で0.5〜5時間、好ましくは70〜150℃で1〜4時間が望ましい。加熱装置としては、送風乾燥機、真空乾燥機、スプレードライヤー、エバポレーター等を挙げることができるが、溶剤を使用した場合にあっては、真空乾燥機が好ましい。また、2回以上に分けて加熱処理を行ってもよい。【0038】第1の工程で溶剤を使用した場合には、加熱後、これを減圧留去し、留去後さらに必要ならば、100℃で1時間程度加熱処理をし、冷却後常圧に戻し、ハンマーミル等で粉砕し、目的とする被覆酸化亜鉛粉体が調製される。これらの中で、溶剤を用いてスラリーを調製し、70〜150℃で1〜4時間加熱処理し、溶剤留去後粉砕機で粉砕する表面被覆法が好ましい。【0039】4.被覆酸化亜鉛粉体上記のようにして得られた本発明の被覆酸化亜鉛粉体は、従来のものと比べて、表面被覆が高度に重合結合しており、またより優れた表面被覆をしているので、優れた二次凝集防止性、撥水性、撥油性を持つとともに、残存SiH基がより少なく、また、よく全体に被覆されているので、酸化亜鉛粉体の持つ皮脂を固定する効果をより持続あるものとするばかりでなく、酸化亜鉛粉体及びこれを含む化粧料の増粘や容器の破壊がなく、優れた安定性を持ち、非常に有用なものである。【0040】5.化粧料本発明の化粧料は、前述の被覆酸化亜鉛粉体に、必要に応じて通常化粧料に添加される他の公知の原料を配合して調製されるが、溶液状、乳液状、クリーム状、油状、油状固形状、粉状など所望の剤型にすることができる。化粧料としては、化粧水、スキンケア乳液、サンスクリーン乳液、パウダーファンデーション、粉白粉、頬紅、化粧下地クリーム等を例示できる。【0041】なお、本発明の化粧料には、本発明の特徴を損なわない範囲で、以下に述べる通常化粧料の配合剤として使用される、例えば、有機変性粘土鉱物、抗菌防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、有機酸、ビタミン類、無機塩類、香料、金属イオン封鎖剤、抗炎症剤、収斂剤、清涼化剤、鎮痒剤、顔料などの原料を添加してもよい。【0042】有機変性粘土鉱物としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト等の天然または合成のモンモリロナイト群(市販品ではビーガム、クニピア、ラポナイトなどがある)、ナトリウムシリシックマイカやナトリウムまたはリチウムテニオライトの名で知られる合成雲母(市販品ではダイモナイト トピー工業(株)製等がある)等の粘土鉱物をドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド等の第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤で処理して得られるもの等が挙げられる。この際、非イオン性界面活性剤を併用してもよい。【0043】抗菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル(エチルパラペン、ブチルパラペン等)、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、石炭酸、デヒドロ酢酸及びその塩類、パラクロロメタクレゾール、ホウ酸、ヘキサクロロフェン、トリブロムサラン、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、臭化アルキルイソキノリニウム、トリクロロカルバニリド、ハロカルバン、チラム、フェノキシエタノール、トリクロサン等が挙げられる。【0044】酸化防止剤としては、トコフェノール、フィチン酸、ブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。【0045】紫外線吸収剤としては、オクチルシンナメート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、パラアミノ安息香酸、ホモメチル−7N−アセチルアラントイラニレート、ブチルメトキシベンゾイルメタン、ジ−パラメトキシケイヒ酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、アミルサリシレート等が挙げられる。【0046】有機酸としては、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルタチオン、アルコサルコシン酸、ラウロイルコシンナトリウム等が挙げられる。【0047】ビタミン類としては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸硫酸エステル(塩)、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸ジパルミテート等のビタミンC類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンE−アセテート、ビタミンE−ニコチネート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH類、パントテン酸、パントテチン等が挙げられる。【0048】無機塩類としては、硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アルミニウム等があげられ、油中水型エマルジョン組成物に配合する場合は、0.1〜3.0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%配合する。【0049】香料としては、バラ油、ジャスミン油、ラベンダー油、ペパーミント油、ゼラニウム油、シンナモン油、オレンジ油、ムスク油等の天然香料、リモネン、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、リナロール、β−フェニルエチルアルコール、2,6−ノナジエナール、シトラール、α−ヘキシルシンナシックアルデヒド、β−イオノン、シクロペンタデカノン、リナリルアセテート、ベンジルベンゾエート、γ−ウンデカラクトン、オイゲノール、ローズオキサイド、インドール、フェニルアセトアルデヒド、オーランチオール、ゲラニオール、シトロネロール、タービネオール、サンタロール、リラール、リリアール、ダマスコン、メチルイオノン、アセチルセドレン、ムスコン、ベンジルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、メチルジャスモネート、ジャスミンラクトン、シクロペンタデカノリット等の合成香料が挙げられる。【0050】金属イオン封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩、リン酸、クエン酸、アスコルピン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。【0051】抗炎症剤としては、β−グリチルレチン酸、アラントイン、アズレン、ε−アミノカプロン酸、ヒドロコーチゾン(V)、酢酸ヒドロコーチゾン、プレドニゾロン等が挙げられる。【0052】収斂剤としては、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸、クエン酸等が挙げられる。【0053】清涼化剤としては、メントール、カンフル等が挙げられる。【0054】鎮痒剤としては、塩酸ジフェニルヒドラミン、マレイン酸クロルフェラミン、カンファー、メントール等が挙げられる。【0055】顔料としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、酸化クロム等の無機顔料、タール色素、コチニール、カーサシン、β−カロチン等の有機顔料、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、硫酸バリウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の体質顔料、雲母チタン、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等のパール顔料、ナイロンパウダー、ポリエチレン末等の高分子粉末等が挙げられる。【0056】【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本実施例、比較例中で用いられたメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(以下、単に「共重合体」と略称する。)及び評価法は、それぞれ以下の方法によるものである。【0057】1.メチルハイドロジェン・ジメチルシロキサン共重合体の製造1−1.共重合体(1)の製造ヘキサメチルジシロキサン41重量部、オクタメチルシクロテトラシロキサン738重量部、ポリメチルハイドロジェンシロキサン(平均重合度37)222重量部、および濃硫酸25重量部を室温で5時間攪拌して平衡反応を行った。その後、重曹125重量部を加えて硫酸を中和し、更に5時間攪拌を続けた。加圧濾過器で重曹を濾別し、共重合体(1)を得た。得られた共重合体(1)は、前述の一般式(1)における繰り返し単位数はmが29、nが10であった。【0058】1−2.共重合体(2)〜(8)の製造ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、およびポリメチルハイドロジェンシロキサンの重量部数を変更して、共重合体(1)と同様な製造法で、共重合体(2)〜(8)を製造した。なお、共重合体(1)〜(8)の繰返し単位数、m:n、m+nをまとめて表1に示す。【0059】【表1】【0060】2.評価法2−1.重合結合能上記で製造された共重合体を使用して得られた被覆酸化亜鉛粉体100gを水:水酸化カリウム:エタノール=3:2:2からなる検出液に投入し、発生した水素ガスの体積を湿式ガスメーターにより測定し、温度、圧力を標準状態に換算することにより、該粉体中に含まれる未反応のSiH基を定量した。処理前の共重合体中の総SiH基を100%と換算し、これから未反応のSiH定量値を百分率で表示し、これを100%から差し引いた百分率の数値を重合結合能として評価した。重合結合能は、95%以上を合格とした。【0061】2−2.表面被覆能得られた被覆酸化亜鉛粉体15重量%、水20重量%、1,3−ブチレングリコール10重量%、デカメチルシクロペンタシロキサン(VS−7158、日本ユニカー品)50重量%、及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(FZ−2191、日本ユニカー品、粘度1200cSt、HLB=5)5重量%をホモジナイザーに投入し、3000rpmで10分間攪拌混合し、W/Oエマルジョンを得た。これをB型粘度計で、温度25℃、回転数60rpm及び6rpmで粘度を測定した。粘度は、このW/Oエマルジョンの場合、60rpmにおいて400mPas以下を合格とした。【0062】実施例15重量部の共重合体(1)および100重量部のトルエンをボールミルで混合し、100重量部の酸化亜鉛粉体(テイカ品、MZ−500、平均一次粒子径0.02〜0.03μm、比表面積45m2/g)をさらに投入し、5分間混合してスラリーを調製した。処理後のスラリーをニーダーに投入して減圧加熱し、温度を徐々に上げて100℃に到達してから3時間加熱攪拌を行った。次いで、150torrに減圧し、約1時間維持してトルエンを留去した。その後さらに120℃で1時間加熱し、冷却後得られた粗被覆酸化亜鉛粉体をハンマーミルで粉砕して、被覆酸化亜鉛粉体を得た。得られた被覆酸化亜鉛粉体について、その重合結合能及び表面被覆能を評価した。評価結果は、表2に示した。重合結合能は96%、表面被覆能は60rpmの粘度で230mPas、6rpmの粘度で300rpmを示し、すぐれた表面被覆皮膜が形成されていることが確認された。【0063】実施例2、比較例1〜6実施例2では、共重合体(2)を用い、一方、比較例1〜6では、共重合体(3)〜(8)を用いて実施例1と同様の試験を行ない、同様に評価した。結果は、表2に示した。実施例2は、実施例1と同様の優れた表面被覆被膜が確認されたが、比較例1、2では、表面被覆能が不十分であり、比較例3では重合結合能及び表面被覆能が不十分であり、比較例4では、重合結合能が不十分であった。さらに、比較例5では、重合結合能及び表面被覆能が不十分であり、比較例6では、重合結合能が不十分であった。結局、比較例1〜6では、いずれも実施例1、2のように重合結合能及び表面被覆能の両方を満たすものはなかった。【0064】【表2】【0065】実施例3精製水70重量%、エタノール15重量%、およびグリセリン10重量%を攪拌混合し、さらに実施例1で得られた被覆酸化亜鉛粉体5重量%を攪拌混合して、モデル化粧水を調製した。この粘度を25℃、6rpmの条件でB型粘度計で測定した。一方、これを300mlのポリエチレン製密閉容器に入れ、50℃で1週間保存後、同様に粘度を測定したところ、粘度変化は有意に観測されなかった。また、容器の膨張も認められず、安定な化粧水であった。【0066】比較例7被覆酸化亜鉛粉体を比較例1で得られたものに変更した以外は、実施例3と同様に試験した。これを300mlのポリエチレン製密閉容器に入れ、50℃で1週間保存した後、室温に冷却しても密閉容器に膨れがみとめられ、また有意な粘度上昇が確認された。【0067】【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の被覆酸化亜鉛粉体は、重合結合能及び表面被覆能の両方に優れた特定のハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体で表面被覆されているので、優れた二次凝集防止性、撥水性、撥油性を持つとともに、残存SiH基がより少なく、また、未被覆部分も実質的にないので、酸化亜鉛粉体の持つ皮脂を固定する効果をより持続あるものとする安定化効果を有する。従って、これを含む本発明の化粧料は、例え液状形状であっても、増粘や容器の破壊の懸念がなく、化粧料としても優れた持続効果を持ち、安定性をもつ。 比表面積が15〜100m2/gの酸化亜鉛粉体(A)の表面を、次の化学式(1)で表されるメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)で被覆することを特徴とする被覆酸化亜鉛粉体。(式中、mとnは正数で、m:n=3.5〜2.2:1、およびm+n=4〜60の要件を満たす。) 酸化亜鉛粉体(A)の平均一次粒子径が、0.01〜0.1μmであることを特徴とする請求項1に記載の被覆酸化亜鉛粉体。 メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)の被覆量が、酸化亜鉛粉体(A)に対して2〜10重量%であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の被覆酸化亜鉛粉体。 酸化亜鉛粉体(A)とハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(B)とを溶媒の存在下又は非存在下に混合し、表面被覆された酸化亜鉛粉体を得る第1の工程と、引き続いて、該表面被覆された酸化亜鉛粉体を50〜200℃で0.5〜5時間加熱処理する第2の工程とからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被覆酸化亜鉛粉体の製造方法。 請求項1〜3のいずれかに記載の被覆酸化亜鉛粉体を配合することを特徴とする化粧料。