生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_フッ素化合物及び該フッ素化合物からなるフッ素化剤
出願番号:2001257833
年次:2012
IPC分類:C07C 211/29,C07B 39/00,C07C 257/02,C09K 3/00,C11D 7/28


特許情報キャッシュ

日高 敏雄 伏見 則夫 吉村 貴史 川合 健 JP 4894110 特許公報(B2) 20120106 2001257833 20010828 フッ素化合物及び該フッ素化合物からなるフッ素化剤 三菱瓦斯化学株式会社 000004466 永井 隆 100117891 日高 敏雄 伏見 則夫 吉村 貴史 川合 健 20120314 C07C 211/29 20060101AFI20120223BHJP C07B 39/00 20060101ALI20120223BHJP C07C 257/02 20060101ALI20120223BHJP C09K 3/00 20060101ALI20120223BHJP C11D 7/28 20060101ALI20120223BHJP JPC07C211/29C07B39/00 BC07C257/02C09K3/00 RC11D7/28 C07C 211/00 C07B 39/00 C07C 257/00 C09K 3/00 C11D 7/00 CA/REGISTRY(STN) 特開2000−038370(JP,A) 特開平11−209312(JP,A) 特開平11−158141(JP,A) Tetrahedron,2000年,56(26),p.4437-4445 Tetrahedron: Asymmetry,2000年,11(1),p.319-335 Synthesis,1987年,(8),p.745-748 Liebigs Annalen der Chemie,1985年,(11),p.2178-2193 Polish Journal of Chemistry,1984年,58(1-2-3),p.117-124 Polish Journal of Chemistry,1982年,56(10-12),p.1369-1378 Journal of Fluorine Chemistry,1983年,23(3),p.219-228 Journal of Organic Chemistry,1977年,42(23),p.3709-3713 Tetrahedron,1973年,29(21),p.3309-3327 8 2003064034 20030305 9 20080805 前田 憲彦 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、含フッ素窒素族化合物、特に含フッ素窒素化合物に関する。含フッ素窒素族化合物は、含酸素化合物等の活性な官能基を有する化合物類のフッ素化や各種基材の表面処理、コーティング、或いは洗浄用途に有用である。【0002】【従来の技術】フッ素含有化合物は、フッ素原子に由来する特異な生理活性や優れた機能を示すものが多く、近年、特に医薬、農薬の分野でフッ素導入の有用性が認められ、フッ素含有化合物の必要性は増すばかりである。また医薬、農薬のみならず、広範な分野でその機能を生かした応用がなされており、フッ素含有化合物の重要性はさらに高まっている。フッ素含有化合物は、天然には殆ど存在しないので有機合成的にフッ素原子を導入する必要がある。フッ素導入を目的として用いられる一般的なフッ素化剤として、例えば、フッ素、フッ化水素、四フッ化硫黄等が知られている。しかし、これらは毒性、腐食性、反応時に爆発の危険性があり、取り扱いに特殊な装置や技術を必要とする問題点がある。さらに、反応時の収率が低く選択性も悪い場合が多い等の欠点を有する。この他にも、含酸素官能基に対して選択的にフッ素を導入する為に、種々のフッ素化剤が開発されている。例えば、フッ化水素−ピリジン混合物(Olah試薬)、フルオロアルキルアミン型のYarovenko試薬とその改良型の石川試薬、また、通称、DASTとして知られる三フッ化ジエチルアミノ硫黄等が代表的なフッ素化剤として挙げられる。しかし、何れも安全性や保存安定性、反応後の廃棄物処理等の問題を抱え、取り扱いや製造の煩雑さを考慮すると工業的な観点からは充分とは言い難いのが実状である。【0003】【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決し、酸素含有基等の官能基のフッ素化が可能で、熱安定性が優れ、取り扱いが容易で、且つ、安価に製造可能な化合物を提供することである。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、一般式(1):【化3】(但し、式中、Xは窒素、またはリン原子を表し、R0、R1およびR2は、水素、置換基を有する事のあるアルキル基又はアリール基であり、其々、同一でも異なっていても良い。また、R0、R1およびR2が結合して環を形成しても良い。)で表されるフッ素化合物が、各種の含酸素化合物のフッ素化に有効であり、蒸留可能で高い熱安定性を有し、取り扱いが容易である事から上記した課題の多くを解決出来る事を見出した。また該化合物が表面処理や洗浄等の用途等にも有用である事を知り、本発明に到達した。【0005】更に、一般式(1)で表される化合物は、一般式(2)で表される化合物【0006】【化4】(但し、式中、Xは窒素、またはリン原子を表し、R0、R1およびR2は、水素、置換基を有する事のあるアルキル基又はアリール基であり、其々、同一でも異なっていても良い。R0、R1およびR2が結合して環を形成しても良い。Yは塩素、臭素またはヨウ素である。)から、フッ素化剤を用いて直接フッ素原子を導入する方法、またはハロゲン化剤でハロゲン化反応を行うことにより得ることができることを見出した。【0007】【発明の実施の形態】本発明に於ける、一般式(1)で表されるフッ素化合物は、具体的には含フッ素窒素族化合物であり、一般式(1)において、Xが窒素である含フッ素窒素化合物やXがリンである含フッ素リン化合物が挙げられる。一般式(1)中のR0、R1およびR2のアルキル基としては、炭素数1〜30までの直鎖または分岐したものが好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルオキシ、デカリル、ノルボルニル、ビシクロヘキシル、アダマンチル、及びこれらの異性体があり、その他にもヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシフェニル等が挙げられる。【0008】アリール基として好ましいのは炭素数1〜30のものであり、例えば、フェニル、o-トリル、m-トリル、p-トリル、ジメチルフェニル、及びその位置異性体、クミル、メシチル、トリメチルフェニル、ヒドロキシフェニル、ナフチル、メチルナフチル、ジメチルナフチル、ヒドロキシナフチル、ビフェニル、テトラリル、t-フェニル、アンスリル、ベンゾチエニル、クロメニル、インドイル基等が挙げられる。これらのアルキル基およびアリール基には、他の官能基、例えば、水酸基、ハロゲン、ニトロ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アセチル基、アシル基、アルコキシ基やスルホン基、若しくは他の原子団等が含まれる事があっても良い。【0009】一般式(1)で表されるフッ素化合物は、種々の方法で製造する事が出来るが、例えば含フッ素窒素化合物は、式(1)で表される化合物に対応するアミド化合物であるN,N−2置換アミド化合物を出発原料に用い、種々のフッ素化剤を用いて直接フッ素原子を導入する方法、またハロゲン化剤でハロゲン化反応を行った後、引き続き、ハロゲン交換反応を行ってフッ素を導入する方法によるのが一般的である。【0010】含フッ素リン化合物は、例えば、ホスフィンとアルデヒドからヒドロキシメチルホスホニウム塩を得た後、アミン類と反応させる方法で容易に製造する事が出来る。【0011】上記の含フッ素窒素族化合物類は、その物理的、化学的特性、即ち、熱安定性、反応性、取り扱いの容易さや価格等を考慮して用いれば良いが価格や取り扱いの点から、含フッ素窒素化合物がより好ましい。【0012】N,N−2置換アミド化合物から直接、含フッ素窒素化合物を製造する際には、フッ素、四フッ化硫黄、五フッ化ヨウ素、HF−塩基類及び五フッ化ヨウ素−HF溶融塩類を用いて、酸素含有官能基のフッ素化を行う事が出来る。含フッ素窒素化合物の直接合成には、反応性や安全性を勘案すると、HF−トリエチルアミンの様なHF−塩基類や五フッ化ヨウ素−HF溶融塩を用いるのが好ましい。【0013】ハロゲン交換によって含フッ素窒素化合物を製造する方法の一例を、以下に示す。▲1▼N,N−2置換アミド化合物とハロゲン化剤を反応させてアミド化合物のハロゲン化物を製造する(以下、工程1と称する。)。▲2▼次いで、上記アミド化合物のハロゲン化物とフッ化水素やフッ素のアルカリ金属塩とを反応させて、ハロゲン交換反応を行い含フッ素窒素化合物を製造する(以下、工程2と称する。)。【0014】上記の含フッ素窒素化合物の製造において、工程1のハロゲン化には、例えば、ホスゲン、三塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル、塩化オキサリル等の塩素化剤が好適に用いられる。これらのハロゲン化剤によってアミド結合の酸素原子がハロゲンによって置換される。塩素の反応性が低い場合には、臭素やヨウ素を含む同様のハロゲン化剤の中かから反応性の高いものを選択し、臭素、またはヨウ素を導入する事が好ましい。通常、酸アミドのハロゲン化は容易に進行する。例えば、イソ酪酸アミドの場合、ジクロルメタン中、20℃でホスゲンを流して塩素化を行う事で反応は完結する(Organic Synthesis, CV 6, 282)。上記ハロゲン化手段によって、一般式(1)に示した化合物の前駆体である一般式(3)で表されるアミド化合物のハロゲン化物が得られる。【0015】【化5】(但し、式中、R0、R1およびR2は、水素、置換基を有する事のあるアルキル基又はアリール基であり、其々、同一でも異なっていても良い。また、R0、R1およびR2が結合して環を形成しても良い。Yは塩素、臭素又はヨウ素である。)【0016】前記の含フッ素窒素化合物の製造において、工程2のフッ化水素、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等のフッ素のアルカリ金属塩を用いる公知の方法によるハロゲン交換反応の条件を、一概に規定する事は難しいが個々の反応は良く知られたものが殆どである為、公知の文献類、例えば、ジャーナルオブオーガニックケミストリー,44巻,3872頁(1979年)、有機合成化学協会誌,47巻,258頁(1989年)やジャーナルオブフルオリーンケミストリー,44巻,291頁(1989年)、等を参考に決定する事ができる。出発原料として好ましいのは、置換基を有する事のあるアルキル基、又はアリール基を有するN,N−2置換アミド化合物である。置換基は、互いに同一であっても異なっていても良く、互いに結合し環を形成していても良い。また、他の官能基、例えば、水酸基、ハロゲン、メルカプト基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アセチル基、スルホン基や原子団、或いは同様のアルキル基、アリール基等を有するものであっても良い。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジ(n−プロピル)ホルムアミド、N,N−ジ(i−プロピル)ホルムアミド、N,N−ジ(n−ブチル)ホルムアミド、N,N−ジペンチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルトリフルオロアセトアミド、N,N−ジメチルシアノホルムアミド、N,N−ジメチルシクロプロパンカルボキシアミド、N,N−ジメチル−2−チオオキサアミド、N,N−ジメチルベンゼンアセタミド、N,N−ジメチルアセトアセタミド、N,N−ジメチル-2,2-ジクロロアセトアセタミド、N,N−ジメチルフェノキシアセトアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、N,N−ジエチルブチルアミド、N,N−ジメチルアミド、N,N−ジプロピルアセトアミド、N,N−ビス(2-ヒドロキシメチル)ドデカンアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジエチル-2-(1-ナフチルオキシ)プロパンアミド、N,N−ジブチルアセタミド、1−トリフェニルホスホラニリデン-2-プロパノン、N,N−ジエチルデカリルアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルフェノキシアセトアミド、N−メチル−N−フェニルホルムアミド、N,N−ジメチル酪酸アミド、N,N−ジメチルイソ酪酸アミド、N,N−ジエチルイソ酪酸アミド、N,N−ジメチル吉草酸アミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N,N−ジエチルメタトルアミド、N,N−ジエチル-o-トリルアミド、N,N−ジエチル-p-トリルアミド、N,N−ジエチル−(2,4−ジメチル)ベンズアミド、N,N−ジエチル−2,6−ジメチル)ベンズアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチル桂皮酸アミド、N,N−ジメチル−フラン−2−カルボキシアミド、N,N−ジメチル-フラン−3−カルボキシアミド、N,N−ジメチル-p-クロロベンズアミド、N,N−ジメチル-p-ブロモベンズアミド、N,N−ジメチル-p-フルオロベンズアミド、N,N−ジエチルメシチルアミド、N,N−ジエチルナフチルアミド、N,N−ジエチルビフェニルアミド、N,N−ジエチルアンスリルアミド、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミド、N,N−ジメチルデカンアミド、N,N−ジメチル-2-ピリジンカルボキシアミド、ベンゾイルピペリジン、ベンゾイルモルホリン等を挙げることが出来る。当然ながら、本発明をこれらの例示のみに限定するものでは無い。【0017】上記の製造方法によって得られる本発明の含フッ素窒素族化合物、特に含フッ素窒素化合物類は、水酸基やホルミル基、カルボキシル基等を含有する化合物のフッ素化にそのまま好適に用いる事が出来、中でも一級アルコールのフッ素化に好適である。また不活性な溶媒や希釈剤と共に用いても良い。本発明の含フッ素窒素化合物は、含酸素官能基との反応終了後には、原料のアミド化合物として回収出来るのでリサイクル可能なフッ素化プロセスとする事が可能である。また、含酸素化合物だけに止まらず、活性な官能基を有する基材の表面処理の用途にも用いる事が出来る他。基材表面のコーティング、洗浄用途等の種々のフッ素化プロセスに好適に使用する事が出来る。【0018】【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。実施例に於ける化合物の分析は以下の方法による。(1)フッ素含有量試料を酸水素炎燃焼装置により完全燃焼させて、フッ素を全量水に吸収させ、吸収液をフッ素イオン電極により定量した。(2)NMR測定日本電子製NMR−LA500SS(500MHz)を用い、重クロロホルム溶媒中で測定を行った。【0019】実施例1N,N−ジエチル−α−クロロメタトルイルアミジウムクロリドの合成:三口フラスコ(300ml)に、窒素雰囲気下、オキサリルクロリド(25g、0.197mol)を含む四塩化炭素(125g)溶液を仕込む。フラスコを氷水で冷却し攪拌しながらN,N−ジエチルメタトルアミド(45g、0.236mol、以下、DEETと略記)を20分かけて滴下した。滴下終了後、同温度で10分保持し、内容物温度を50℃とした後、一時間反応を行った。反応時にガスの発生が認められ、その後、白色の析出物が得られた。得られた析出物を濾過で分別し、四塩化炭素、n−ヘキサンで洗浄後、乾燥し、N,N−ジエチル−α−クロロメタトルイルアミジウムクロリドを得た。得られたN,N−ジエチル−α−クロロメタトルイルアミジウムクロリドを、キャピラリーチューブ中(封管)200℃まで徐々に昇温した。分解などは観察されず熱的に安定であった。TG−DTAによる熱分析から融点が54.6℃である事がわかった。(NMRデータ)1H−NMR:δ値(ppm)、TMS基準、CDCl3中で測定1.5(t、−CH3)、1.7(t、−CH3)、2.4(s、−CH3)4.4(q、−CH2−)、4.5(q、−CH2−)7.4〜7.8(芳香 環水素)。13C−NMR:δ値(ppm)、TMS基準、CDCl3中で測定12.5(s、−CH3)、13.6(s、−CH3)、21.3(s、−CH3)、 54.8(s、−CH2−)、56.0(s、−CH2−)、125.1、128.2、 129.5、131.1、135.1、140.0(s、芳香環−CH−×6)、174.1(s、−CCl)【0020】実施例2N,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ(3−メチル)ベンジルアミンの合成:三口フラスコ(500ml)に、先に合成したN,N−ジエチルクロロメタトルイルアミジウムクロリド(25g、0.1mol)とフッ化カリウムのスプレードライ品(森田化学23.5g、0.4mol)、アセトニトリル(250g)を仕込み、窒素雰囲気下にアセトニトリルの還留温度で18時間反応を行った。反応終了後、室温迄冷却して濾過を行い、N,N−ジエチルクロロメタトルイルアミジウムクロリドのフッ素交換物を含むアセトニトリル溶液を得た。この溶液を理論段数80段の回転バンド式精密蒸留器を用いて蒸留した。温度50℃から60℃の留分(圧力2mmHg)としてN,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ(3−メチル)ベンジルアミン(以下、この化合物はDEET−Fと略記する)13gを得た。蒸留による単離収率は、N,N−ジエチルクロロメタトルイルアミジウムクロリド基準で約60%であった。得られた留分は無色透明の液体であり、以下の性状を有していた。(熱安定性)キャピラリーチューブ中(封管)200℃まで徐々に昇温し、1時間保持した、分解等は観察されず熱的に安定であった。またTG/DTAによる熱分析では、緩やかな重量減少が観察されたが熱分解を示す、熱の出入りや急激な重量変化は見られなかった。(フッ素含有量)計算値:17.8wt%、実測値:17.6wt%(NMRデータ)1H−NMR:δ値(ppm)、TMS基準、CDCl3中で測定1.02(t,6H,−CH3×2),2.33(s,3H,−CH3),l2.84(q,4H,−CH2−×2)13C−NMR:δ値(ppm)、TMS基準、CDCl3中、−50℃で測定13.7(s,−CH3×2),21.2(s,−CH3),40.0(s,−CH2−×2),123.7,127.1,128.0,130.6,137.9(s,芳香環:−CH−×5),136.2(t,32Hz,−CF2)19F−NMR:δ値(ppm)、CF3COOH基準、CDCl3中、−50℃で測定 −73.7(s,=CF2)【0021】実施例3DEET−Fに対して、0.5倍モルのベンジルアルコール、オクチルアルコール、ベンズアルデヒド、エピアンドロステロン、安息香酸、及びヒドロキシイソ酪酸、並びに当モルの水を用いて反応を行った。表1に、反応成績を記載した。【0022】【表1】【0023】実施例4IF5/3HF−トリエチルアミン溶融塩を用いてDEETをフッ素化し、生成物としてDEET−Fを収率80%で得た。【0024】実施例5ポリイミドフィルム(カプトンH、10μm厚)を5%−NaOHで15分間エッチング処理した後、110℃で1時間乾燥した。このフィルムを、ドライボックス中でDEET−Fを10wt%含有するアセトニトリル溶液中に、3時間浸漬した後、引き上げて水洗、乾燥した。フィルムを紫外線で暴露する加速試験を行い、光沢保持率を調べた。未処理のフィルムと比べると光沢保持率に優れ、指標値に比べ2倍の改善がなされていた。【0025】【発明の効果】一般式(1)で表記される、含フッ素窒素族化合物類は、含酸素官能基等の活性基を有する化合物のフッ素原子の導入に有効である。この反応性を利用する事で、表面処理、洗浄やコーティングの用途に用いる事が出来る。また、反応後は出発原料として回収し再利用が可能であり、種々のフッ素化プロセスに有用である。 一般式(1)で表されるフッ素化合物。(但し、式中、Xは窒素を表し、R0が3−メチルフェニル基であり、R1及びR2がエチル基である) 請求項1記載のフッ素化合物からなるフッ素化剤。 フッ素原子と反応する活性な基を含有する化合物又は基材と請求項1記載のフッ素化合物を反応させるフッ素化方法。 請求項1記載の化合物を有効成分とする表面処理剤。 請求項1記載の化合物を有効成分とする洗浄剤。 請求項1記載の化合物を有効成分とするコーティング剤。 一般式(2)で表される化合物と、(但し、式中、Xは窒素を表し、R0が3−メチルフェニル基であり、R1及びR2がエチル基であり、Yは塩素、臭素又はヨウ素である。)フッ素のアルカリ金属塩を反応させて請求項1記載の化合物を得ることを特徴とするフッ素化合物の製造方法。 前記フッ素のアルカリ金属塩がフッ化カリウムであることを特徴とする請求項7記載の製造方法。


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