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タイトル:特許公報(B2)_建築物構造要素の床倍率試験方法
出願番号:2001251471
年次:2011
IPC分類:G01M 99/00,G01N 3/24


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大 戸 真 澄 秋 葉 義 司 JP 4637415 特許公報(B2) 20101203 2001251471 20010822 建築物構造要素の床倍率試験方法 トステム株式会社 302045705 吉武 賢次 100075812 永井 浩之 100091982 岡田 淳平 100096895 名塚 聡 100105795 森 秀行 100106655 勝沼 宏仁 100117787 後藤田 章 100077687 大 戸 真 澄 秋 葉 義 司 20110223 G01M 99/00 20110101AFI20110203BHJP G01N 3/24 20060101ALI20110203BHJP JPG01M19/00 ZG01N3/24 G01M 19/00 G01N 3/24 JSTPlus(JDreamII) 特開平06−034494(JP,A) 特開平06−160249(JP,A) 特開2002−161578(JP,A) 特開2002−285657(JP,A) 特開昭62−220831(JP,A) 特開2001−152544(JP,A) 特開平10−031415(JP,A) 大橋好光 監修,”第III章 各要素の評価法と検証実験 軸組構法の各部要素の試験方法と評価方法”,建築技術 2001年3月号 別冊6,株式会社建築技術,2001年 3月 1日,96〜103頁 1 2003065902 20030305 7 20080709 福田 裕司 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、建築物構造要素の床倍率試験方法に係り、特に、床、屋根、小屋組等の建築物水平構面の構造強度を評価する床倍率の試験方法に関する。【0002】【従来の技術】住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号、以下、品確法という。)では、住宅性能評価書により、住宅の性能を表示する制度が設けられている。この品確法を受けて、建設省告示第千六百五十四号では、住宅の性能評価方法基準の細目について定めている。【0003】住宅の性能評価に係る検査項目、試験項目は、多岐にわたっており、そのうち、住宅の壁や、床、屋根等の構造要素の強度を評価するものとして、壁倍率、床倍率がある。これらは、住宅の強度性能を評価する上での主要な評価基準である。【0004】壁倍率は、垂直構面である壁の構造強度の程度を示す指標であり、床倍率は、床の床組、屋根の小屋組、屋根面等の水平構面の構造強度の程度を示す指標である。これらの指標が高い程、その住宅の構造性の評価等級は高くなり、地震、風圧等の外力に対して強い建物であるということになる。建設省告示第千六百五十四号は、壁倍率、床倍率について最低限の基準値を示すにとどまり、具体的な試験方法については統一的に規定しておらず、公的性能評価機関等が試験方法、評価方法を提唱している。【0005】そこで、公的性能評価機関が採用している標準的な壁倍率、床倍率の試験方法を図6に示す。壁倍率、床倍率ともに、固定した状態にある試験体2に試験方法で定められた特定の一方向から力を加えながら試験体2の変形量を測定し、一定の変形量になるまでに要した加力の大きさに基づいて壁倍率、床倍率を求めている。【0006】【発明が解決しようとする課題】図7に、建物の壁、床組、屋根に対する地震力や風圧力の作用を示す。上述した標準的な壁倍率、試験方法の基本的な考え方は、垂直構面を構成する壁の場合、X方向に平行な壁4であれば、X方向からの地震力や風圧力に対して一定以上の構造強度を有し、Y方向に平行な壁5であれば、Y方向からの地震力に対して一定以上の構造強度を有していればよいというものである。【0007】ところが、水平構面を構成する床、屋根、小屋組についての床倍率についても、一方向からの加力を加える点で、壁倍率の試験と同じ考え方が採用されている。すなわち、床6であれば、地震力や風圧力は、X方向あるいはY方向から作用し得るのに対して、床6の試験体には、X方向からの加力を加えて床倍率を算出したものとすると、厳密にいえば、この床倍率はX方向の構造強度であって、Y方向の構造強度ではないことになる。試験体それ自体が力に対して等方性を示す部材であれば問題はないが、実際の床などに用いられる構造部材は、一般には構造強度に関して異方性があって、特定の方向の力には強く、ある方向の力には弱いという性質をもっているものが多い。【0008】しかしながら、床などに使用する床パネル等の部材の場合、パネルの方向や接合の方向により、方向により剛性が異なることが多いが、どの方向がどの方向が強く、どの方向が弱いかの判別は困難である。【0009】このため、従来は、例えば、床6の試験体がX方向に強く、Y方向に弱いという異方性をもっていたとしても、強度上強いX方向からの加力に基づいて床倍率が算出されることがあり、この場合には、実質的な構造強度性能よりも高い評価等級を表すことになってしまう。【0010】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する課題を解決し、試験体について強軸、弱軸という概念を導入することにより、強度上不利と考えられる因子を取り込んだ試験体で試験を行い、建築物の水平構面の実質的な構造強度を正しく評価できるようにする建築物構造要素の床倍率試験方法を提供することにある。【0011】【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、本発明は、建築物の水平構面を構成する床の床組又は屋根の小屋組及び屋根面に用いられる構造要素について、法令等により建築物の性能評価基準として指定された床倍率を求める床倍率試験方法であって、前記構造要素について弱軸、強軸の基準となる互いに直交する第1の軸及び第2の軸とを当該構造要素に設定し、第1の軸方向を加力方向として前記構造要素の床倍率を試験するための第1の試験体と、前記第2の軸方向を加力方向として前記構造要素の床倍率を試験するための第2の試験体とをそれぞれ用意し、第1試験体、第2試験体についてそれぞれ加力して基準耐力データを測定するとともに、測定した基準耐力データを第1試験体、第2試験体の間で比較し、強度の弱い方の試験体の加力方向を当該構造要素の弱軸方向であると判定し、さらに当該構造要素の弱軸方向を加力方向とする複数体の試験体について、基準耐力を測定して、これらの基準耐力に基づいて床倍率を算定することを特徴とするものである。【0012】【発明の実施の形態】以下、本発明による建築物構造要素の床倍率試験方法の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態による床倍率試験方法に供する試験体を示す。ここでは、床組として用いられる床パネルの床倍率を求めるための試験体を例として説明する。【0013】参照符号10は、床パネルの全体を示している。この床パネル10には、図1に示すように、弱軸、強軸の判定の基準とするX軸、Y軸が設定される。ここでいう、弱軸とは、構造強度的に弱い方の軸であり、強軸とは構造強度的に強い方の軸である。【0014】試験体は、この床パネル10を材料に、X軸試験体12とY軸試験体14とが作製される。この場合、X軸試験体12は、床パネル10にX軸方向からの加力Pが加わった場合の床倍率を試験するための試験体で、Y軸試験体14は、床パネル10にY軸方向からの加力Pが加わった場合の床倍率を試験するための試験体である。このようなX軸試験体12とY軸試験体14との関係は、90度方向を変えて製作されたものとなっている。【0015】このような試験体の仕様は、JIS A 1414 において、建築用構成材としてのパネルの面内せん断試験方法として標準化されている。ここでは、それぞれX軸試験体12、Y軸試験体14は、木箱と、床パネル材を木ねじで接合されている。【0016】なお、試験体の幅は、1.82m、高さは2.73m程度である。【0017】次に、図2は、試験に供する試験装置を示す。この図2は、平面図で、X軸試験体12、Y軸試験体は、水平な姿勢にて試験装置に2本のタイロッド17a、17bを用いて固定され、油圧ジャッキ15によってJIS A 1414 に準じたタイロッド式の木造軸組耐力壁の試験法で指定された位置に加力される。16は、加力の大きさを計測するロードセルである。H1、H2は、加力と平行な方向の変形量を測定する変位計で、V3、V4は、加力と垂直な方向の変形量を測定する変位計である。この場合、加力が最大荷重に達した後、最大化純の80%の荷重に低下するまで加力するか、試験体の変位角が1/15rad以上に達するまで加力し、その間、変位を測定する。そして、測定データから、降伏耐力Py、終局耐力Puに0.2Dsを乗じた値(Dsは、構造特性係数)、最大荷重Pmaxの2/3の値、特定変形時の耐力といった、床倍率算定に必要な基準耐力データを得る。なお、これらの測定の詳細については、「木造住宅の構造設計(改正基準法と品確法)」(建築技術2001年3月号別冊6 株式会社建築技術発行)に解説されている。【0018】以下、図3の流れ図を参照しながら、床倍率の試験方法の詳細について説明する。まず、最初のステップS10では、X軸試験体12、Y軸試験体14について、X軸、Y軸のどちらが強軸で、どちらが弱軸であるかを机上で判断する。これは、強度計算等により判定する。判定できない場合、ステップS11以下に進む。【0019】ステップS11では、X軸試験体12、Y軸試験体14のそれぞれについて、上述した図2の方法で、降伏耐力Py、終局耐力Puに0.2Dsを乗じた値(Dsは、構造特性係数)、最大荷重Pmax2/3の値、特定変形時の耐力といった、床倍率算定に必要な基準耐力データを得て、そのデータをX軸試験体12、Y軸試験体14の間で比較する。【0020】図4に示すのは、測定データの例である。この場合、両者を比較すると、Y軸試験体14の方が、いずれのデータも強度が高いので、弱軸と強軸の判定が可能である(ステップS12のyes)。したがって、続くステップS13では、Y軸を強軸、X軸を弱軸であると判定する。【0021】次いで、ステップS14では、弱軸と判定されたX軸試験体12について、さらに2体について、図2の方法で、降伏耐力Py、終局耐力Puに0.2Dsを乗じた値(Dsは、構造特性係数)、最大荷重Pmax2/3の値、特定変形時の耐力といった、床倍率算定に必要な基準耐力データを取り、初回のX軸試験体12のデータと合わせて、都合3体の試験体のデータを採取する。このデータ例を示すのが、図5である。【0022】最後に、ステップS15では、これらのデータから、床倍率を算定する。ここで、床倍率は、上記の降伏耐力Py、終局耐力Puに0.2Dsを乗じた値(Dsは、構造特性係数)、最大荷重Pmax2/3の値、特定変形時の耐力といった、床倍率算定に必要な基準耐力データで求めた耐力の平均値に、それぞればらつき係数を乗じて算出した値のうち、最も小さいものを短期基準せん断耐力P0とする。そして、床倍率は、次の式で算出される。床倍率=短期基準せん断耐力P0/(試験体有効長×1.96kN)以上のようにして、強度的に弱い弱軸方向からの加力によって求めた床倍率が得られるので、建物の強度性能を評価する上では、強度上不利と考えられる因子を取り込んだ形で算定した床倍率によって、安全性について正当な評価を行うことができる。【0023】次に、ステップS16は、ステップS10で机上での弱軸、強軸の判定が可能な場合の試験方法で、この場合には、弱軸と判別される試験体について、3体試験を行い、上記と同様にして床倍率を算定すればよい。【0024】ステップS17は、ステップS12で弱軸、強軸の判別がつかなかった場合の処理である。ここで、弱軸、強軸の判別ができない場合とは、X軸試験体12とY軸試験体14の耐力データを比較しても値がまちまちであったり、似通っており、何れが強度的に強いとも判断がつかない場合である。【0025】その場合、さらに、X軸試験体12とY軸試験体14のそれぞれについて、2体づつ試験を行って耐力データを採取し、前回のステップS11のデータを合わせて、都合3体のX軸試験体12とY軸試験体14のデータから、それぞれ床倍率を算定し、低い方を弱軸とする。【0026】このように、弱軸、強軸の判定がつきにくい場合でも、確実に弱軸からの加力によって求めた床倍率を得ることができる。しかも、初回のデータを利用することで、試験体の数が3体で済み、効率的な試験を行うことができる。【0027】【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、試験体について強軸、弱軸という概念を導入することにより、強度上不利と考えられる因子を取り込んだ試験体で試験を行い、建築物の水平構面の実質的な構造強度を正しく評価することができる。【図面の簡単な説明】【図1】本発明による床倍率の試験方法に供する試験体を示す説明図。【図2】本発明による床倍率の試験方法に用いる試験装置を示す平面図。【図3】本発明による床倍率の試験方法の手順を示す流れ図。【図4】X軸試験体、Y軸試験体についての耐力データの例を示す図。【図5】弱軸と判定された試験体についての耐力データの例を示す図。【図6】床倍率の試験方法の概念を示す図。【図7】建築物に作用する外力の方向を示す図。【符号の説明】10 床パネル12 X軸試験体14 Y軸試験体15 油圧ジャッキ16 ロードセル17a,17b タイロッド 建築物の水平構面を構成する床の床組又は屋根の小屋組及び屋根面に用いられる構造要素について、法令等により建築物の性能評価基準として指定された床倍率を求める床倍率試験方法であって、前記構造要素について弱軸、強軸の基準となる互いに直交する第1の軸及び第2の軸とを当該構造要素に設定し、第1の軸方向を加力方向として前記構造要素の床倍率を試験するための第1の試験体と、前記第2の軸方向を加力方向として前記構造要素の床倍率を試験するための第2の試験体とをそれぞれ用意し、第1試験体、第2試験体についてそれぞれ加力して基準耐力データを測定するとともに、測定した基準耐力データを第1試験体、第2試験体の間で比較し、強度の弱い方の試験体の加力方向を当該構造要素の弱軸方向であると判定し、さらに当該構造要素の弱軸方向を加力方向とする複数体の試験体について、基準耐力を測定して、これらの基準耐力に基づいて床倍率を算定することを特徴とする建築物構造要素の床倍率試験方法。


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