タイトル: | 特許公報(B2)_膜厚測定装置および膜厚測定方法 |
出願番号: | 2001223121 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | H01L 21/66,G01B 11/06,G01N 1/00,G01N 1/34 |
久保 裕子 米田 健司 JP 3742319 特許公報(B2) 20051118 2001223121 20010724 膜厚測定装置および膜厚測定方法 松下電器産業株式会社 000005821 宮井 暎夫 100076174 久保 裕子 米田 健司 20060201 H01L 21/66 20060101AFI20060112BHJP G01B 11/06 20060101ALI20060112BHJP G01N 1/00 20060101ALI20060112BHJP G01N 1/34 20060101ALI20060112BHJP JPH01L21/66 QG01B11/06 ZG01N1/00 102BG01N1/34 H01L 21/66 H01L 21/304 G01B 11/06 G01N 1/00 G01N 1/34 JICSTファイル(JOIS) 特開2001−191044(JP,A) 特開2001−093954(JP,A) 特開平09−069508(JP,A) 特開平09−022885(JP,A) Adrien Danel et al,A novel pretreatment for thin-film measurements,Solid State Technology,1999年 9月,Vol.42, No.9,p.S3-S6 5 2003037140 20030207 16 20040712 河本 充雄 【0001】【発明の属する技術分野】 この発明は、半導体集積回路において使用される極薄絶縁膜の膜厚測定装置および膜厚測定方法に関する。【0002】【従来の技術】近年、半導体素子の微細化・高集積化が急速に進み、それにともなってトランジスタのゲート絶縁膜厚は5nm以下に薄膜化されてきている。ゲート絶縁膜はトランジスタ性能・信頼性を決定する重要な膜であり、膜厚およびその均一性・再現性を適正に管理することが必須である。以下に従来の膜厚測定器管理方法について説明する。【0003】図14において、1は半導体基板、2は半導体基板の主面上に形成された絶縁膜である。絶縁膜膜厚のインラインモニタリングには従来よりエリプソメータによる光学的膜厚測定法が用いられてきた。一般にエリプソメータの如き光学的な膜厚測定装置としては、レーザ(ガスまたは半導体)の安定性や経時変化、光学ミラーや、レンズ、位相補償板やディテクタなどの経時変化や劣化などを補償するため、一般に基準ウェーハと呼ばれる膜厚が既知、かつその材質および光学特性が既知の薄膜を半導体、主としてシリコン基板上に形成したウェーハにより校正が行われる。すなわち、光学特性および膜厚が既知の基準ウェーハの膜厚を一定時間ごとに定期的に測定し、その測定値が既知の基準ウェーハの膜厚に対し、ある一定の範囲内であれば、膜厚測定装置による測定結果は、ある一定の範囲の中で確かであるといえるのである。一般にこの作業は膜厚校正と呼ばれ、1日に1回もしくは1週間に1回の頻度で行われる。【0004】元来、エリプソメトリーによる膜厚測定は第1原理に基づく測定方法であり、その光源となる波長や強度、種々の光学部品の光学特性や位置が安定しておれば基準となるウェーハは必要としない絶対測定の一つである。しかし、実際には光源の不安定性や、光学部品の光学特性、位置精度は絶対的なものではないため、精密な膜厚測定を必要とする場合には前記のごとく膜厚、光学特性が既知の基準ウェーハによりその測定の確かさを確認するのが通常である。一般に、従来使用されてきた100nm程度の膜厚測定であれば、その測定精度を1%としても1nmの偏差が許容されることになる。この1nmという偏差はエリプソメーターにとっては十分達成可能な精度であり、この程度の膜厚の測定においては特に光学系や光学部品に著しい支障がないかぎりこのような基準ウェーハを用いての膜厚校正は必要ない。【0005】しかし、装置の状態を把握するため膜厚100nm程度の基準ウェーハを用いて膜厚測定装置の精度確認が行われているのが通常である。また近年では膜厚10nm程度の極薄膜も測定することがあるため膜厚10nm程度の膜厚基準ウェーハが用いられることもあるが、その場合、膜厚の確かさを補償する範囲としては±0.3〜0.5nmが採用される。【0006】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の半導体デバイスとりわけMOSトランジスタの微細化によりゲート絶縁膜の膜厚は薄膜化し、膜厚として3〜1nmといった極薄絶縁膜が利用されるようになってきた。このような膜厚レンジのゲート絶縁膜に対してはその膜厚の管理値としては±0.2〜0.1nmが要求される。すなわち、シリコン原子の原子ステップが0.314nmであるのに対しても管理すべき膜厚レンジは±0.1nmと十分小さい。このような薄膜を精度よく測定するためにエリプソメータでは光源であるレーザに安定性を高めるとともに、光学部品の環境制御(湿度、温度)を行いその測定精度を繰り返し精度で±0.0003nm程度まで高めている。従って、その精度は管理をしようとする膜厚精度に比べ数十分の1であり測定装置としての安定性や精度には問題はない。【0007】しかしながら、絶対測定ということを考えると繰り返し精度は十分あるものの、その測定が絶対値測定であるかどうかというと疑問である。従って、膜厚3〜1nmの膜厚測定には既知の膜厚、光学特性を持った基準ウェーハによる膜厚校正が必須であることはいうまでもない。しかしながら膜厚基準ウェーハにおいてかくのごとく薄膜に対しては従来では無視できた問題が無視できなくなってきた。【0008】5nm以下の絶縁膜を形成しエリプソメータで測定すると、時間とともに膜厚が増加する現象が確認される。これは極めて安定した測定系をもつ光学式膜厚測定装置にしてはじめて観察可能なものであって、従来の±0.3nm程度の精度をもつ膜厚測定装置においてはその現象を観察するのは難しくこの現象は一般的な観察とはいえない。これは、絶縁膜の表面に時間の経過とともに大気中の物質、とりわけ有機物を中心とした物質が付着するなどして、それまで絶縁膜単膜であったものが有機物層+絶縁膜の2層膜になったため、光学的性質が変化し、光学的膜厚増加として観察されるためと考えられる。5nmより厚い膜厚であればこのような膜厚の増加は全体の膜厚に比べて十分小さいものであったため、膜厚測定上大きな問題ではなかった。しかし全体の膜厚が5nm以下になると膜厚増加分が無視できなくなってくる。したがって、極薄絶縁膜の膜厚を再現性よく測定するためには上記膜厚増加現象を克服しなければならないという問題点があった。【0009】ここでまず考えられるのが洗浄により絶縁膜表面の付着物を除去することである。一般に半導体ウェーハの洗浄に使用されるのは公知のRCA洗浄などによる洗浄である。RCA洗浄は硫酸、過酸化水素水洗浄後、アンモニア、過酸化水素水洗浄、希ふっ酸エッチング、そして塩酸、過酸化水素水洗浄の組み合わせから構成される。このとき、アンモニア、過酸化水素水、水の混合比は1:1:5、またその温度は80℃程度である。このような洗浄においては、そもそもその目的はパーティクルや、有機物、重金属の除去を目的としているがその達成のために下地の被洗浄物をエッチングすることによりその目的を達成するものである。【0010】RCA洗浄の変形として一般に用いられるアンモニア、過酸化水素水、水(以下APM洗浄と呼ぶ)洗浄においてはたとえば混合比1:1:5、80℃においては、この洗浄を極薄絶縁膜膜厚基準ウェーハに使用した場合、仮に基準ウェーハを二酸化シリコン膜、膜厚3nmとすれば、前記APM洗浄では10分間の洗浄後には膜厚は1.2nmまで減少する。これはAPM洗浄の二酸化シリコン膜のエッチングレートが0.18nm/minであるためである。従って、この場合、膜厚の管理範囲がたとえば3.0±0.1nmに対し、APM洗浄を行えば表面の付着有機物は除去できるかもしれないが、同時に絶縁膜自身もエッチングをしてしまいもはや膜厚基準としては役にたたなくなってしまう。すなわち、表面の付着物を除去しつつ膜厚3nm以下の絶縁膜の膜厚を変化させないためには単に汚れたら洗浄するという発想ではもはや対応できるものではない。このため、現状、膜厚5nm以下でトレーサブルな膜厚基準ウェーハというものは市場には流通していない。成膜後の膜厚の増加を防止できない上、その増加量を把握できないためである。【0011】 したがって、この発明の目的は、上記従来の問題点を解決するもので、極薄絶縁膜の膜厚を膜厚測定器にて再現性よく測定・管理できる膜厚測定装置および膜厚測定方法を提供することである。【0012】【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためにこの発明の請求項1記載の膜厚測定装置は、単波長エリプソメトリー、分光エリプソメトリーまたは単波長あるいは複数波長の反射・干渉の光学的手法によりウェーハ上に形成した単層あるいは多層の極薄絶縁膜を測定する膜厚測定装置であって、光学的手法により絶縁膜厚測定を行う直前に被測定ウェーハを空気中あるいは酸素および窒素を含む雰囲気中でコロナ放電ワイヤの直下を通過させることによりコロナ放電に暴露する前処理機構を有する。【0013】このように、光学的手法により絶縁膜厚測定を行う直前に被測定ウェーハを空気中あるいは酸素および窒素を含む雰囲気中でコロナ放電ワイヤの直下を通過させることによりコロナ放電に暴露する前処理機構を有するので、コロナ放電は大気中の酸素を電離しオゾンや酸素イオンを発生させ、発生したオゾンや酸素イオンは活性であり、ウェーハ表面に付着している有機物を除去することができる。これにより、光学的特性を変化させる有機物が除去されているため、光学的手法により絶縁膜の膜厚を測定した場合、ウェーハ表面に形成されている絶縁膜本来の膜厚を正確に再現性よく測定、管理できる。【0016】 請求項2記載の膜厚測定装置は、請求項1記載の膜厚測定装置において、被測定ウェーハをステージ上に保持した状態で、減圧雰囲気中で15℃から500℃に加熱する機構を有する。このように、被測定ウェーハをステージ上に保持した状態で、減圧雰囲気中で15℃から500℃に加熱する機構を有するので、加熱されたウェーハ表面の有機物および水分は蒸気圧により蒸発するなどして除去される。また、減圧状態にすることによりウェーハ表面の有機物はより脱離しやすくなる。【0017】 請求項3記載の膜厚測定装置は、請求項1記載の膜厚測定装置において、被測定ウェーハをコロナ放電ワイヤの直下を通過させる際に、被測定ウェーハの表面に波長150〜350nmの紫外光を全面に照射する機構を有する。このように、被測定ウェーハをコロナ放電ワイヤの直下を通過させる際に、被測定ウェーハの表面に波長150〜350nmの紫外光を全面に照射する機構を有するので、コロナ放電とUV照射によるオゾン発生を組み合わせることにより、より高濃度のオゾンを発生させ効率的に表面の有機物を除去することができる。【0018】 請求項4記載の膜厚測定装置は、請求項1,2または3記載の膜厚測定装置において、光学的手法により絶縁膜厚測定を行うためのウェーハを保持するステージと、前処理機構でウェーハを保持するステージとが独立している。このように、光学的手法により絶縁膜厚測定を行うためのウェーハを保持するステージと、前処理機構でウェーハを保持するステージとが独立しているので、極薄絶縁膜であっても再現性よく膜厚を測定することができる。【0019】 請求項5記載の膜厚測定方法は、極薄絶縁膜を有するウェーハをステージ上に保持する工程と、空気中あるいは酸素と窒素雰囲気中でウェーハの温度を15℃から500℃の範囲に保持した状態でコロナ放電ワイヤの直下を前記ステージを通過させることによりウェーハ全面にコロナ放電を暴露させる工程と、前記各工程の後で前記ウェーハおよびステージを所定の位置に移動させ、光学的手法により絶縁膜の膜厚測定を行う工程とを含む。【0020】このように、極薄絶縁膜を有するウェーハをステージ上に保持する工程と、空気中あるいは酸素と窒素雰囲気中でウェーハの温度を15℃から500℃の範囲に保持した状態でコロナ放電ワイヤの直下をステージを通過させることによりウェーハ全面にコロナ放電を暴露させる工程と、各工程の後でウェーハおよびステージを所定の位置に移動させ、光学的手法により絶縁膜の膜厚測定を行う工程とを含むので、コロナ放電により発生したオゾンや酸素イオンにより、ウェーハ表面に付着している有機物を除去することができるとともに、加熱されたウェーハ表面の有機物および水分は蒸気圧により蒸発するなどして除去される。このため、前処理によって絶縁膜表面の有機物を除去し極薄絶縁膜自身の膜厚を正確に再現性よく測定することができる。【0025】【発明の実施の形態】この発明の第1の実施の形態を図1に基づいて説明する。図1はこの発明の第1の実施の形態における膜厚測定装置を示す概念図であり、(a)は前処理位置、(b)は膜厚測定位置を示す。【0026】この膜厚測定装置は、光学的手法によりウェーハ上に形成した単層あるいは多層の極薄絶縁膜を測定する構成において、光学的手法により絶縁膜厚測定を行う直前に被測定ウェーハを空気中あるいは酸素および窒素を含む雰囲気中でコロナ放電ワイヤの直下を通過させることによりコロナ放電に暴露する前処理機構を有する。【0027】図1において、11はシリコンからなる半導体基板(ウェーハ)で、表面に膜厚5nm以下の絶縁膜が形成されている。ここでは一酸化窒素と酸素の混合ガス雰囲気中で1000℃で形成した膜厚2.8nmの酸窒化膜を用いている。12はコロナ放電ワイヤ、13は単波長エリプソメータであり、その使用波長は632.8nmのHe−Neレーザで、レーザのウェーハへの入射角度は70度である。本実施の形態ではこの光学的膜厚測定装置である単波長エリプソメータについてはこれ以上深くはふれない。この光学的膜厚測定装置は、単波長エリプソメトリーの他、分光エリプソメトリーまたは単波長あるいは複数波長の反射・干渉の光学的手法など、他の原理のものであっても同様であるためである。【0028】図1(a)に示すように、ウェーハ11は搬送系によりステージ15上に設置される。本実施の形態ではステージ15は常温に保持されており加熱装置はもっていない。ステージ15上におかれたウェーハ11は前処理位置まで移動する。このとき、前処理位置にはウェーハ11の上方約2cmの位置にコロナ放電線12が設置されており、このコロナ放電ワイヤ12には約2000Vの電圧が印加されている。前処理位置で、ステージ15上に置かれたウェーハ11はコロナ放電ワイヤ12で生成されるコロナ放電に暴露されながら、コロナ放電ワイヤ12の直下を通過する。【0029】このときコロナ放電は大気中の酸素を電離しオゾンや酸素イオンを発生させる。発生したオゾンや酸素イオンは活性であり、ウェーハ表面に付着している有機物を除去することができる。しかしながら、ステージ15は常温に保たれている上、このコロナ放電ワイヤ12直下で発生するオゾンはその濃度としては低くまた、オゾンの消滅寿命も短い。コロナ放電ワイヤ12で発生したオゾンはそのほとんどがウェーハ表面で消滅するがそのときウェーハ表面の有機物を分解するのである。ここでオゾンガスなどを用いると逆に測定装置の光学系や駆動系の酸化による劣化をまねくとともに、未反応のオゾンは有害であるため無害化のためオゾンデストロイヤなどの処理装置も必要になる。このとき、コロナ放電ワイヤ12を固定しステージ15を一定水平方向に移動する、もしくはステージ15を固定しコロナ放電ワイヤ12を一定水平方向に走査することによりウェーハ全面をコロナ放電に暴露することができ、結果としてウェーハ全面に付着している有機物を除去できる。【0030】前処理位置での処理が終了したら、図1(b)に示すように、膜厚測定位置にステージ15を移動し単波長エリプソメータ13で膜厚を測定する。前処理によって光学的特性を変化させる有機物が除去されているため、エリプソメータなどで膜厚を測定した場合、ウェーハ表面に形成されている絶縁膜本来の膜厚を正確に再現性よく測定できる。【0031】 この発明の参考例1を図2に基づいて説明する。図2はこの発明の参考例1における膜厚測定装置を示す概念図であり、(a)は前処理位置、(b)は膜厚測定位置を示す。【0032】この膜厚測定装置は、光学的手法によりウェーハ上に形成した単層あるいは多層の極薄絶縁膜を測定する構成において、光学的手法により絶縁膜厚測定を行う直前に被測定ウェーハの表面に波長150〜350nmの紫外光を全面に照射する前処理機構を有する。【0033】 図2において、11はシリコンからなる半導体基板(ウェーハ)で、表面に膜厚5nm以下の絶縁膜が形成されている。本参考例においては酸素雰囲気中で1000℃で2.6nmの二酸化シリコン膜を形成した。13は単波長エリプソメータ、14はUVランプである。【0034】 図2(a)に示すように、ウェーハ11はまず、ステージ15上に搬送された後、前処理位置まで搬送される。前処理位置ではウェーハ11の上方約5cmの位置に、Xeアークランプ14が設置されている。このランプ14は波長として150〜350nmの紫外光を放射することができる。ランプ14のパワーについては大きな制限はないが、ウェーハ11への暴露によりウェーハ11に吸収され、ウェーハ11の温度を著しく上昇させない程度にとどめるべきである。具体的にはウェーハ11の温度は300℃以下に保てる程度のパワーにすべきである。ステージ15上に置かれたウェーハ11はUVランプ14で生成される紫外光に暴露される。紫外光は大気中の酸素を電離しオゾンや酸素イオンを発生させる。発生したオゾンや酸素イオンはウェーハ表面に付着している有機物を除去することができる。このとき、UVランプ14を固定しステージ15を一定水平方向に移動する、もしくはステージ15を固定しUVランプ14を一定水平方向に走査することによりウェーハ全面を紫外光に暴露することができ、結果としてウェーハ全面に付着している有機物を除去できる。本参考例の場合はオゾンを発生させるソースとしてUVランプ14を用いたがこの場合も、ウェーハ自体を酸化させずに表面の有機物のみを除去できる程度のオゾン発生を目的としている。【0035】前処理位置での処理が終了したら、図2(b)に示すように、膜厚測定位置にステージ15を移動し単波長エリプソメータ13で膜厚を測定する。前処理によって光学的特性を変化させる有機物が除去されているため、エリプソメータなどで膜厚を測定した場合、ウェーハ表面に形成されている絶縁膜本来の膜厚を正確に再現性よく測定できる。【0036】 以上、第1の実施の形態および参考例1の如き構成においては一般にウェーハ表面に付着した有機物の除去には効果がある。しかもウェーハローディング中に前記有機物の除去ができるために膜厚測定のスループットを犠牲にすることなしに表面の有機付着物を除去することが可能である。しかし、有機物の付着形態によってはこれらのコロナ放電ワイヤやUV光照射のみによっては除去できない場合もある。なぜなら、これらの手法によって発生させたオゾンはその濃度が必ずしも高くないからである。しかし、一般の有機物付着に関しては十分に有効な除去方法となりうるものである。【0037】 この発明の第2の実施の形態を図3に基づいて説明する。図3はこの発明の第2の実施の形態における膜厚測定装置を示す概念図であり、(a)は前処理位置、(b)は膜厚測定位置を示す。【0038】この膜厚測定装置は、第1の実施の形態の膜厚測定装置において、被測定ウェーハをステージ上に保持した状態で、減圧雰囲気中で室温から500℃に加熱する機構を有する。図3において、11はシリコンからなる半導体基板(ウェーハ)で、表面に膜厚5nm以下の絶縁膜が形成されている。13はエリプソメータ、15は加熱ステージ、16は真空ポンプへつながる排気配管、17は空気あるいは酸素およびあるいは窒素を含む雰囲気の導入配管である。前処理位置で、ステージ15上に置かれたウェーハ11は加熱ステージ15で室温から500℃程度まで加熱可能である。18は測定用ステージ、19はウェーハ11を出し入れするゲートバルブである。【0039】図3(a)に示すように、ウェーハ11は搬送系により大気圧の前処理室のステージ15上におかれる。このときステージ15は抵抗加熱されており約300℃に保持されている。ステージ自体は500℃まで加熱可能であるが、ウェーハ11の温度を加熱しすぎるとオゾンによるシリコン基板の酸化が進むことと、次工程の膜厚測定に影響を及ぼすためである。このウェーハ11の加熱についてはその方法に制限はない。たとえば前処理チャンバの上方に石英ガラス窓を取り付け、上部から赤外線ランプ(ハロゲンランプなど)によりウェーハ11を直接加熱することも可能である。加熱されたウェーハ表面の有機物および水分は蒸気圧により蒸発するなどして除去される。また、このとき前処理室を1torr程度の減圧状態にすることによりウェーハ表面の有機物はより脱離しやすくなる。圧力については制限はないため常圧から1torr程度の範囲で、スループットも加味して決定すればよい。このとき、前処理室のウェーハ上方2cm付近に設置されたコロナ放電ワイヤ12によるコロナ放電によりオゾンを発生させても有機物の除去にはよりいっそう効果的である。このときコロナ放電と併用する場合は、ステージの温度については200℃程度の低めにしたほうが良い結果が得られることがある。またこのときウェーハ11をステージ15ごと回転させることができればコロナー放電による有機物の除去均一性は向上することはいうまでもない。【0040】前処理位置での処理が終了したら、常圧に復圧し、ゲートバルブ19からウェーハ11を取り出し、図3(b)に示すように、別の測定用のステージ18にウェーハ11を置き、測定位置までウェーハ11を移動させて単波長エリプソメータ13にて膜圧を測定する。前処理によって光学的特性を変化させる有機物が除去されているため、エリプソメータなどで膜厚を測定した場合、ウェーハ表面に形成されている絶縁膜本来の膜厚を正確に再現性よく測定できる。【0041】なお、本実施の形態の如き膜厚測定装置の場合、通常の膜厚測定は成膜してから測定までの時間は比較的短時間(長くとも数時間)であるため、コロナ放電と、常圧、常温での前処理とし、膜厚基準サンプルなど長期間保管しているウェーハの測定の場合にのみ、コロナ放電、減圧、基板加熱を行ってやれば効率がよいことはいうまでもない。成膜直後のウェーハの表面には有機物の付着量が少ないため、大がかりな有機物除去は効果がないばかりではなく、かえってスループットの低下を招くからである。【0042】 この発明の第3の実施の形態を図4に基づいて説明する。図4はこの発明の第3の実施の形態における膜厚測定装置を示す概念図であり、(a)は前処理位置、(b)は膜厚測定位置を示す。【0043】この膜厚測定装置は、第1の実施の形態の膜厚測定装置において、被測定ウェーハをコロナ放電ワイヤの直下を通過させる際に、被測定ウェーハの表面に波長150〜350nmの紫外光を全面に照射する機構を有する。図4において11はシリコンからなる半導体基板(ウェーハ)で、表面に膜厚5nm以下の絶縁膜が形成されている。絶縁膜はシリコン基板を206℃過塩素酸溶液中に30分間処理して形成した膜厚3.5nmの化学酸化膜を用いた。12はコロナ放電ワイヤ、13はエリプソメータ、14はUVランプである。【0044】図4(a)に示すように、ウェーハ11は搬送機構によりステージ15に置かれる。前処理位置で、ステージ15上に置かれたウェーハ11はUVランプ14からの紫外光と同時にコロナ放電ワイヤ12で生成されるコロナ放電とに暴露される。紫外光およびコロナ放電は大気中の酸素を電離しオゾンや酸素イオンを発生させる。発生したオゾンや酸素イオンはウェーハ表面に付着している有機物を除去することができる。【0045】前処理位置での処理が終了したら、図4(b)に示すように、膜厚測定位置にステージ15を移動しエリプソメータ13で膜厚を測定する。前処理によって光学的特性を変化させる有機物が除去されているため、エリプソメータなどで膜厚を測定した場合、ウェーハ表面に形成されている絶縁膜本来の膜厚を正確に再現性よく測定できる。本実施の形態はコロナ放電とUV照射によるオゾン発生を組み合わせることにより、より高濃度のオゾンを発生させ効率的に表面の有機物を除去するものである。【0046】 この発明の第4の実施の形態を図5に基づいて説明する。図5はこの発明の第4の実施の形態における膜厚測定装置を示す概念図であり、(a)は前処理位置、(b)は膜厚測定位置を示す。【0047】 この膜厚測定装置は、第1〜3の実施の形態の膜厚測定装置において、光学的手法により絶縁膜厚測定を行うためのウェーハを保持するステージと、前処理機構でウェーハを保持するステージとが独立している。図5において、11はシリコンからなる半導体基板(ウェーハ)で、表面に膜厚5nm以下の絶縁膜が形成されている。12はコロナ放電ワイヤ、13はエリプソメータ、14はUVランプ、15は加熱ステージ、16は真空ポンプへつながる排気配管、17は空気あるいは酸素およびあるいは窒素を含む雰囲気の導入配管である。18は測定用ステージ、19はウェーハ11を出し入れするゲートバルブである。【0048】図5(a),(b)に示すように、前処理を行うステージ15は、膜厚測定を行うステージ18とは独立しており、膜厚測定はまず、測定しようとするウェーハ11を前処理ステージ15に移載し前処理を実施する。このときの前処理条件はステージ温度300℃、圧力1torr、コロナ放電ワイヤ12の印加電圧2000V、UVランプ14の発光波長帯域は150〜350nmで前処理を1分間実施した。その後、チャンバ内を復圧し、前処理ステージ15から膜厚測定ステージ18にウェーハ11を移載し、エリプソメータ13で膜厚を測定する。これにより、極薄絶縁膜であっても再現性よく膜厚を測定することができる。【0049】 この発明の第5の実施の形態を図6に基づいて説明する。図6はこの発明の第6の実施の形態における膜厚測定方法を示す工程図である。【0050】 この膜厚測定方法は、極薄絶縁膜を有するウェーハをステージ上に保持する工程と、空気中あるいは酸素と窒素雰囲気中でウェーハの温度を室温から500℃の範囲に保持した状態でコロナ放電ワイヤの直下をステージを通過させることによりウェーハ全面にコロナ放電を暴露させる工程と、各工程の後でウェーハおよびステージを所定の位置に移動させ、光学的手法により絶縁膜の膜厚測定を行う工程とを含む。また、これらの工程は第1または第2の実施の形態の膜厚測定装置を用いて行うことができる。【0051】図6(a)に示すように、極薄絶縁膜の膜厚測定において、まず、極薄絶縁膜を有する半導体基板11をステージ15上に保持する。本実施の形態では絶縁膜はRTP装置により酸素中で1000℃で形成した膜厚2.20nmの二酸化シリコン膜を用いた。このウェーハはあらかじめクリーンルーム内で3ケ月間放置することにより、エリプソメータによる膜厚値は2.5nmと増加していた。図6(b),(c) に示すように、保持したウェーハ11および絶縁膜表面を、空気中あるいは酸素と窒素雰囲気中で2000Vを印加したコロナ放電ワイヤ12の直下2cmをステージ15を1cm/secの速度で移動させることによりウェーハ全面にコロナ放電を暴露させ、さらにコロナ放電ワイヤ12の直下を通過させる際にウェーハ11を300℃のステージ15上に載せた。ウェーハ11の正確な温度は測定していないがステージ15においた後、約30秒で280℃以上まで昇温した。その後ウェーハ11およびステージ15を所定の位置に移動させ、図6(d)に示すように、エリプソメータ13を用いて光学的な手法により膜厚を測定した。波長632.8nmの単波長エリプソメータ13により得られた測定値は2.23nmであったこれにより、上記前処理によって絶縁膜表面の有機物を除去し極薄絶縁膜自身の膜厚を正確かつ再現性よく測定することができる。本実施の形態によれば3ケ月間にウェーハ表面に付着した0.3nm相当の有機物はほぼ除去することが可能であった。しかしながら、測定後は新たに表面への付着が始まり、測定後2時間後には膜厚は2.28nmとなった。従って、測定直前の処理が重要であることはいうまでもない。【0052】 この発明の参考例2を図7〜図10に基づいて説明する。図7はこの発明の参考例2における膜厚基準ウェーハの前処理方法を示す工程図である。【0053】膜厚基準ウェーハの膜厚を定期的に測定し、その測定値が既知の基準ウェーハの膜厚に対し所定範囲内にあることで測定精度を管理する際に用いる膜厚基準ウェーハの製造方法であって、所定の膜厚の絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜形成後の所定時間後に、絶縁膜に対し、硫酸と過酸化水素水あるいは硫酸とオゾン水の混合液により80〜150℃で所定時間処理する工程と、温純水もしくは超純水により薬液を置換し、乾燥する工程とを含み、各処理が基準ウェーハとしての使用前少なくとも30分以前から直前に完了する。【0054】図7(a)に示すように、半導体基板11上に形成された極薄絶縁膜を膜厚が既知の膜厚基準ウェーハとして使用する場合において、まず、公知の熱酸化、熱窒化、熱酸窒化などの成膜手段により所定の膜厚の絶縁膜2を形成する。絶縁膜形成後任意の時間後には雰囲気中に含まれる有機物などが絶縁膜表面に付着する。【0055】 図8は酸素雰囲気中1000℃で形成した膜厚2.6nmの二酸化シリコン膜の、膜厚の時間依存性で3ケ月までデータを取得した。成膜直後から膜厚は表面への有機物や水分付着により急激に増加しはじめ、2時間後には約0.5nm増加する。その後も膜厚は増加をつづけその増加量は飽和傾向にあるものの約1年までゆるやかに増加する。本参考例での試料については3ケ月で本参考例を適用しているため、その膜厚増加量は0.2nm程度である。しかし、実際にその後も放置すればその増加量は0.3〜0.5nmにも達する。【0056】そこで、図7(b),(c)に示すように、前記絶縁膜に対し、硫酸と過酸化水素水あるいは硫酸とオゾン水の混合液(混合比4:1)により95℃で7分間スプレイ処理し、つづいて温純水および超純水のスプレイにより薬液を置換し、乾燥した。その後、洗浄から30分以内に測定した結果を同じく図8に示す。洗浄後測定した膜厚は2.63nmであった。ここで、有機物の再付着の影響を排除するため前記前処理が基準ウェーハとして使用する前すくなくとも30分以前から直前に処理が完了していなければならない。これによって膜厚測定装置の管理に用いることのできる膜厚基準ウェーハを得ることができる(図7(d))。膜厚基準ウェーハの如きにおいては定期的に正確な膜厚が測定できればその役目を果たすことが可能であり膜厚校正を実施する都度実施すればよい。【0057】ウェーハ表面に付着した有機物等を除去するにはシリコンをエッチングせず、被付着物のみを溶解・除去すればよいのだが、実際には付着している有機物をいちいち特定することは不可能であり、また特定できたとしても複数の物質であるため、それらのみを選択的に除去できるエッチング液の発見は極めて困難である。一方、膜厚基準ウェーハの役目は膜厚校正時に膜厚が安定していることである。その膜厚はなにも成膜直後の膜厚と等しくなければならないということはない。膜厚の基準となりうる安定した膜であればよい。その点に着目すると、ウェーハ表面に付着した付着物をすべて除去する必要はない。【0058】 図9に示すように、付着物(表面付着層20)のうち、除去しやすいものだけを除去して逆に、除去しにくいものを固化させてさらに強固な付着物に変質せしめれば、膜厚は常に成膜した絶縁膜2と強固な付着層(表面固化層20a)の2層になる。この強固な付着層20aは本参考例の洗浄では除去できないので、本参考例の前処理方法によれば、新たに付着した有機物層のみを除去し、固化した強固な付着層20aは残した状態を常に保持することができる。この場合、成膜時の膜厚よりは厚い膜厚ではあるものの安定して膜厚基準としての役目を果たすことが可能となる。【0059】 図10はこの状態を模式的に示したグラフである。成膜後の膜厚は時間の経過とともに増加するが、本参考例の洗浄により成膜時の膜厚に一定の膜厚を加えた膜厚で洗浄後の膜厚は安定する。すなわち、本参考例は付着物をすべて除去するのではなく、かえって付着物の一部を固化して残すことにより安定した膜厚基準としての役目を果たすためのものである。【0060】 なお本参考例では洗浄液として硫酸と過酸化水素水の混合液を用いたが、硫酸とオゾン水の混合液でもよい。【0061】 この発明の参考例3を図11〜図13に基づいて説明する。図11はこの発明の参考例3における膜厚基準ウェーハの前処理方法を示す工程図である。【0062】膜厚基準ウェーハの膜厚を定期的に測定し、その測定値が既知の基準ウェーハの膜厚に対し所定範囲内にあることで測定精度を管理する際に用いる膜厚基準ウェーハの製造方法であって、所定の膜厚の絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜形成後の所定時間後に、絶縁膜に対し、アンモニア水と過酸化水素水あるいはアンモニア水とオゾン水の混合比が1:1から1:500である混合液により室温から40℃で所定時間処理する工程と、温純水もしくは超純水により薬液を置換し、乾燥する工程とを含み、各処理が基準ウェーハとしての使用前少なくとも30分以前から直前に完了する。【0063】図11(a)に示すように、半導体基板11上に形成された極薄絶縁膜を膜厚が既知の膜厚基準ウェーハとして使用する場合において、まず、公知の熱酸化、熱窒化、熱酸窒化などの成膜手段により所定の膜厚の絶縁膜2を形成する。半導体基板上、とりわけP型(100)10〜15Ωcmのシリコン基板上に酸素雰囲気中で900℃で、膜厚1.8nmの二酸化シリコン膜を成長させた。その後、表面に有機物などを付着させるためにクリーンルーム中で3ケ月間ウェーハを保管した。成膜直後のエリプソメータによる膜厚の測定値は1.82nmであった。その後、約2時間で膜厚は1.88nmに増加し、さらにゆるやかに増加を続け3ケ月後には2.05nmまで増加した。【0064】 図11(b),(c)に示すように、前記3ケ月放置したウェーハに対し、アンモニア水と過酸化水素水および水(以後APMと呼ぶ)を1:1:100で混合した液を30℃に保持した溶液中に10分間浸した。つづいて超純水により薬液を置換し、乾燥した。前記前処理は基準ウェーハとしての使用前すくなくとも30分以前から直前に処理が完了するようにした。その結果を図12に示す。本参考例の如き希釈かつ低温のAPM洗浄をほどこすことにより、表面への有機物付着により膜厚の増加したウェーハはAPMにより有機物が除去され。ほぼ成膜時の膜厚に戻ることがわかる。一方で、本参考例の如き希釈、低温APMといえども厳密には二酸化シリコン膜のエッチングする能力は備えているがそのエッチングレートは0.05nm/min以下であり、実質上絶縁膜はほとんどエッチングされることはない。ただし厳密には本参考例の洗浄を無限回繰り返せば膜厚は成膜時より徐々に減少していくことになる(図13)。本参考例についても洗浄後、測定までは30分以内に実施することが必要である(図11(d))。【0065】【発明の効果】この発明の請求項1記載の膜厚測定装置によれば、光学的手法により絶縁膜厚測定を行う直前に被測定ウェーハを空気中あるいは酸素および窒素を含む雰囲気中でコロナ放電ワイヤの直下を通過させることによりコロナ放電に暴露する前処理機構を有するので、コロナ放電は大気中の酸素を電離しオゾンや酸素イオンを発生させ、発生したオゾンや酸素イオンは活性であり、ウェーハ表面に付着している有機物を除去することができる。これにより、光学的特性を変化させる有機物が除去されているため、光学的手法により絶縁膜の膜厚を測定した場合、ウェーハ表面に形成されている絶縁膜本来の膜厚を正確に再現性よく測定、管理できる。【0067】 請求項2では、被測定ウェーハをステージ上に保持した状態で、減圧雰囲気中で15℃から500℃に加熱する機構を有するので、加熱されたウェーハ表面の有機物および水分は蒸気圧により蒸発するなどして除去される。また、減圧状態にすることによりウェーハ表面の有機物はより脱離しやすくなる。【0068】 請求項3では、被測定ウェーハをコロナ放電ワイヤの直下を通過させる際に、被測定ウェーハの表面に波長150〜350nmの紫外光を全面に照射する機構を有するので、コロナ放電とUV照射によるオゾン発生を組み合わせることにより、より高濃度のオゾンを発生させ効率的に表面の有機物を除去することができる。【0069】 請求項4では、光学的手法により絶縁膜厚測定を行うためのウェーハを保持するステージと、前処理機構でウェーハを保持するステージとが独立しているので、極薄絶縁膜であっても再現性よく膜厚を測定することができる。【0070】 この発明の請求項5記載の膜厚測定方法によれば、極薄絶縁膜を有するウェーハをステージ上に保持する工程と、空気中あるいは酸素と窒素雰囲気中でウェーハの温度を15℃から500℃の範囲に保持した状態でコロナ放電ワイヤの直下をステージを通過させることによりウェーハ全面にコロナ放電を暴露させる工程と、各工程の後でウェーハおよびステージを所定の位置に移動させ、光学的手法により絶縁膜の膜厚測定を行う工程とを含むので、コロナ放電により発生したオゾンや酸素イオンにより、ウェーハ表面に付着している有機物を除去することができるとともに、加熱されたウェーハ表面の有機物および水分は蒸気圧により蒸発するなどして除去される。このため、前処理によって絶縁膜表面の有機物を除去し極薄絶縁膜自身の膜厚を正確に再現性よく測定することができる。【図面の簡単な説明】【図1】 この発明の第1の実施の形態における膜厚測定装置を示す概念図である。【図2】 この発明の参考例1における膜厚測定装置を示す概念図である。【図3】 この発明の第2の実施の形態における膜厚測定装置を示す概念図である。【図4】 この発明の第3の実施の形態における膜厚測定装置を示す概念図である。【図5】 この発明の第4の実施の形態における膜厚測定装置を示す概念図である。【図6】 この発明の第5の実施の形態における膜厚測定方法を示す工程図である。【図7】 この発明の参考例2における膜厚基準ウェーハの製造方法を示す工程図である。【図8】 この発明の参考例2における成膜直後からの膜厚の経時変化を示すグラフである。【図9】 この発明の参考例2における表面付着と前処理後の膜厚の変化の模式図である。【図10】 この発明の参考例2における膜厚の経時変化と洗浄後の膜厚の推移を示すグラフである。【図11】 この発明の参考例3における膜厚基準ウェーハの製造方法を示す工程図である。【図12】 この発明の参考例3における成膜直後からの膜厚の経時変化を示すグラフである。【図13】 この発明の参考例3における膜厚の経時変化と洗浄後の膜厚の推移を示すグラフである。【図14】 従来の膜厚測定器管理方法の説明図である。【符号の説明】1 半導体基板2 極薄絶縁膜3 付着物11 半導体基板12 コロナ放電ワイヤ13 エリプソメータ14 UVランプ15 ステージ16 排気配管17 導入配管 単波長エリプソメトリー、分光エリプソメトリーまたは単波長あるいは複数波長の反射・干渉の光学的手法によりウェーハ上に形成した単層あるいは多層の極薄絶縁膜を測定する膜厚測定装置であって、光学的手法により絶縁膜厚測定を行う直前に被測定ウェーハを空気中あるいは酸素および窒素を含む雰囲気中でコロナ放電ワイヤの直下を通過させることによりコロナ放電に暴露する前処理機構を有することを特徴とする膜厚測定装置。 被測定ウェーハをステージ上に保持した状態で、減圧雰囲気中で15℃から500℃に加熱する機構を有する請求項1記載の膜厚測定装置。 被測定ウェーハをコロナ放電ワイヤの直下を通過させる際に、被測定ウェーハの表面に波長150〜350nmの紫外光を全面に照射する機構を有する請求項1記載の膜厚測定装置。 光学的手法により絶縁膜厚測定を行うためのウェーハを保持するステージと、前処理機構でウェーハを保持するステージとが独立している請求項1,2または3記載の膜厚測定装置。 極薄絶縁膜を有するウェーハをステージ上に保持する工程と、空気中あるいは酸素と窒素雰囲気中でウェーハの温度を15℃から500℃の範囲に保持した状態でコロナ放電ワイヤの直下を前記ステージを通過させることによりウェーハ全面にコロナ放電を暴露させる工程と、前記各工程の後で前記ウェーハおよびステージを所定の位置に移動させ、光学的手法により絶縁膜の膜厚測定を行う工程とを含む膜厚測定方法。