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タイトル:特許公報(B2)_2,6置換−トランス−デカヒドロナフタレン誘導体の立体選択的製造方法
出願番号:2001215122
年次:2012
IPC分類:C07C 17/358,C07C 25/22,C07B 55/00


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楠本 哲生 竹原 貞夫 赤地 洋介 JP 5013154 特許公報(B2) 20120615 2001215122 20010716 2,6置換−トランス−デカヒドロナフタレン誘導体の立体選択的製造方法 DIC株式会社 000002886 河野 通洋 100124970 楠本 哲生 竹原 貞夫 赤地 洋介 20120829 C07C 17/358 20060101AFI20120809BHJP C07C 25/22 20060101ALI20120809BHJP C07B 55/00 20060101ALN20120809BHJP JPC07C17/358C07C25/22C07B55/00 A C07C 5/00 C07C 13/50 C07C 17/358 C07C 25/22 C07B 55/00 C07B 61/00 特開2001−039916(JP,A) 特開昭48−052753(JP,A) 9 2003026618 20030129 9 20080702 杉江 渉 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示材料など機能性材料または医農薬およびそれらの合成中間体として有用な、2,6置換-トランス-デカヒドロナフタレン誘導体の立体選択的製造に関する。【0002】【従来の技術】2,6置換-トランス-デカヒドロナフタレン誘導体は液晶表示材料など機能性材料または医農薬およびそれらの合成中間体として有用であるが、図1に示すように光学異性体を除き八つの立体異性体が存在する。【0003】【化5】これを使用する場合、これらの立体異性体のうち所望する1種類の化合物だけを選択的に合成する必要性がある。例えば、この骨格を液晶性化合物に利用する場合にはデカヒドロナフタレン骨格がトランス配置で、2,6位の置換基がともにエクアトリアル配置の図1中四角で囲んだ骨格のみを選択的に合成する必要がある。【0004】本発明者らは、一般式(IV)【0005】【化6】で表される2,6置換-トランス-デカヒドロナフタレン誘導体を開発し、これらが非常に優れた電気光学特性を示し、特に屈折率異方性の低減効果に有用であることを報告した(特開2000-355557号)。【0006】しかしながら、これらの化合物を製造する際には一般式(IV)【化7】で表される6置換-トランス-デカヒドロナフタレノン誘導体を立体選択的に合成する必要があり、製造コスト的には決して安価に入手できる化合物であるとは言えなかった。そのため、2,6置換-トランス-デカヒドロナフタレン誘導体の容易で安価な製造方法が求められている。【0007】【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、デカヒドロナフタレン骨格がトランス配置で、2,6置換-トランス-デカヒドロナフタレン誘導体の容易で安価な製造方法を提供することにある。【0008】【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、2,6位の置換基がともにエクアトリアル配置以外の立体異性体を多く含有する2,6置換-トランス-デカヒドロナフタレン誘導体を異性化することによって、2,6位の置換基がともにエクアトリアル配置の2,6置換-トランス-デカヒドロナフタレン誘導体が容易に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。【0009】すなわち本発明は、一般式(I)【化8】(式中、四つの炭素上の立体配置の組み合わせは定まっておらず、単一であっても、混合物であっても良い。)で表されるデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を有する化合物を、ルイス酸を用いて異性化することを特徴とする、一般式(II)【0010】【化9】(式中、四つの炭素上の立体配置は相対配置を意味する。)で表されるトランス-デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を有する化合物の製造方法を提供する。【0011】特に液晶性化合物においては、一般式(III)【化10】(式中、R1およびR2はおのおの独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、1個以上のフッ素原子および/または炭素原子数1〜7のアルコキシル基によって置換されていてもよく、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽和の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシル基を表し、連結基X、YおよびZはおのおの独立に単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-C≡C-、-(CH2)4-、-CH2O-、または-OCH2-を表し、環A、環Bおよび環Cはトランス-1,4-シクロヘキシレン基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基、一個または二個のフッ素原子で置換されてもよい1,4-フェニレン基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、ピリダジン-3,6-ジイル基および、1〜3個のフッ素原子で置換されても良いナフタレン-2,6-ジイル基を表し、n1、n2およびn3はおのおの独立に0または1を表す。また、水素を記載した四つの炭素上の立体配置の組み合わせは定まっておらず、単一であっても、混合物であっても良い。)で表されるデカヒドロナフタレン化合物を、ルイス酸を用いて異性化することを特徴とする、一般式(IV)【0012】【化11】(式中、R1、R2、連結基X、Y、Z、環A、環B、環C、n1、n2およびn3は上記化合物(III)と同様の意味を表す。また、水素を記載した四つの炭素上の立体配置は相対配置を意味する。)で表されるトランス-デカヒドロナフタレン化合物の製造方法を提供する。【0013】【発明の実施の形態】上述のように、デカヒドロナフタレン化合物の異性化は、以下に示すような条件下で反応を行うことができる。【0014】本製造法における化合物(I)および(II)における2,6位の置換基としては特に何の規制もないが、安定性に乏しい置換基や用いるルイス酸と反応したり、強く配位するような官能基を有しないことが好ましい。【0015】本製造法における化合物(III)および(IV)におけるR1およびR2は水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、1個以上のフッ素原子および/または炭素原子数1〜7のアルコキシル基によって置換されていてもよく、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽和の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシル基を表すが、アルキル基およびアルコキシル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基等の直鎖状アルキル基、1-メチルエチル基、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-メチルヘプチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、6-メチルヘプチル基、1-メチルオクチル基、2-メチルオクチル基、3-メチルオクチル基、4-メチルオクチル基、5-メチルオクチル基、6-メチルオクチル基、7-メチルオクチル基、1-エチルプロピル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基等の分岐型アルキル基、エテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、1-ヘプテニル基、2-ヘプテニル基、3-ヘプテニル基、4-ヘプテニル基、5-ヘプテニル基、6-ヘプテニル基等の不飽和アルキル基、およびそれらにフッ素原子および/または炭素原子数1〜7のアルコキシル基で置換したアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基等の直鎖状アルコキシル基、1-メチルエチルオキシ基、1-メチルプロピルオキシ基、2-メチルプロピルオキシ基、1-メチルブチルオキシ基、2-メチルブチルオキシ基、3-メチルブチルオキシ基、1-メチルペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ基、4-メチルペンチルオキシ基、1-メチルヘキシルオキシ基、2-メチルヘキシルオキシ基、3-メチルヘキシルオキシ基、4-メチルヘキシルオキシ基、5-メチルヘキシルオキシ基、1-メチルヘプチルオキシ基、2-メチルヘプチルオキシ基、3-メチルヘプチルオキシ基、4-メチルヘプチルオキシ基、5-メチルヘプチルオキシ基、6-メチルヘプチルオキシ基、1-メチルオクチルオキシ基、2-メチルオクチルオキシ基、3-メチルオクチルオキシ基、4-メチルオクチルオキシ基、5-メチルオクチルオキシ基、6-メチルオクチルオキシ基、7-メチルオクチルオキシ基、1-エチルプロピルオキシ基、1-エチルブチルオキシ基、2-エチルブチルオキシ基等の分岐型アルコキシル基、エテニルオキシ基、1-プロペニルオキシ基、2-プロペニルオキシ基、1-ブテニルオキシ基、2-ブテニルオキシ基、3-ブテニルオキシ基、1-ペンテニルオキシ基、2-ペンテニルオキシ基、3-ペンテニルオキシ基、4-ペンテニルオキシ基、1-ヘキセニルオキシ基、2-ヘキセニルオキシ基、3-ヘキセニルオキシ基、4-ヘキセニルオキシ基、5-ヘキセニルオキシ基、1-ヘプテニルオキシ基、2-ヘプテニルオキシ基、3-ヘプテニルオキシ基、4-ヘプテニルオキシ基、5-ヘプテニルオキシ基、6-ヘプテニルオキシ基等の不飽和アルコキシル基、およびそれらにフッ素原子および/または炭素原子数1〜7のアルコキシル基で置換したアルコキシル基が挙げられるが、なかでも水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、1個以上のフッ素原子および/または炭素原子数1〜7のアルコキシル基によって置換されていてもよく、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽和の炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、R1、R2どちらは1個以上のフッ素原子および/または炭素原子数1〜7のアルコキシル基によって置換されていてもよく、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽和の炭素数1〜20のアルキル基であることが特に好ましい。【0016】本製造方法における化合物(III)および(IV)における連結基X、Y、Zとしては単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-C≡C-、-(CH2)4-、-CH2O-、または-OCH2-を挙げることができるが、単結合または-CH2CH2-が好ましい。【0017】本製造方法における化合物(III)および(IV)における環A、環Bおよび環Cとしてはトランス-1,4-シクロヘキシレン基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基および一個または二個のフッ素原子で置換されてもよい1,4-フェニレン基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基およびピリダジン-3,6-ジイル基を挙げることができるが、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基および一個または二個のフッ素原子で置換されてもよい1,4-フェニレン基が好ましい。【0018】本製造方法におけるルイス酸としては塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、三塩化リン、三臭化リン、五塩化リン、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、二塩化アルコキシアルミニウム、塩化ジアルコキシアルミニウム、トリアルコキシアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、塩化ジアルキルアルミニウム、二塩化アルキルアルミニウム、トリアルキルホウ素等のアルミニウム、ホウ素、リン化合物を用いることができるが、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、トリアルキルアルミニウム、塩化ジアルキルアルミニウム、二塩化アルキルアルミニウム等のアルミニウム化合物が好ましく、塩化アルミニウム、臭化アルミニウムが特に好ましい。【0019】また、用いるルイス酸の量は基質、ルイス酸、溶媒、反応温度等によって最適量は異なるが、触媒量から過剰量まで用いることができる。【0020】本製造方法において、溶媒を用いることが好ましく、その溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン等の塩素化炭化水素、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカヒドロナフタレン等の飽和炭化水素、ジエチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族化合物、二硫化炭素などを単独でまたは混合して用いることができるが、塩素化炭化水素、飽和炭化水素、芳香族化合物が好ましい。【0021】反応温度は溶媒の凝固点から溶媒還流温度で行うことができるが、-78℃から60℃が好ましく、反応速度から-20℃から室温が特に好ましい。【0022】【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。【0023】(参考例1)2-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-プロピルデカヒドロナフタレン(立体異性体混合物)の合成【化12】マグネシウム 30 gのテトラヒドロフラン(THF) 50 ml懸濁液に3,4-ジフルオロブロモベンゼン 220 gのTHF 800 ml溶液を1時間かけ滴下し、さらに1時間撹拌し、グリニャール反応剤を調製した。これに、6-プロピルデカヒドロナフタレン(エクアトリアル-トランス体:アクシアル-トランス体:エクアトリアル-シス体:アクシアル-シス体=2:2:1:1)混合物 200 gのTHF 650 ml溶液を室温で1時間かけて滴下した。反応液を10%塩酸にあけ、トルエンで抽出後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、2-(3,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-6-プロピルデカヒドロナフタレン(立体異性体混合物)290 gを得た。【0024】2-(3,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-6-プロピルデカヒドロナフタレン(立体異性体混合物)290 g、p-トルエンスルホン酸 12 gのトルエン 800 ml溶液を2時間加熱還流した。室温まで冷却後、水を加え、トルエン層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、2-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-プロピルオクタヒドロナフタレン(異性体混合物)270 gを得た。【0025】2-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-プロピルオクタヒドロナフタレン(異性体混合物)270 gの酢酸エチル1.5 L溶液に5%-パラジウム/炭素(50%含水)24 gを加え、室温、水素5気圧下で、5時間撹拌した。触媒をセルロースで濾過し、濾液を濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、2-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-プロピルデカヒドロナフタレン(立体異性体混合物、((±)-(2R*,4aS*,6S*,8aR*)体含有率15%)241 gを得た。【0026】(実施例1)(±)-(2R*,4aS*,6S*,8aR*)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-プロピルデカヒドロナフタレンの合成(1)【化13】2-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-プロピルデカヒドロナフタレン(立体異性体混合物、(±)-(2R*,4aS*,6S*,8aR*)体含有率15%)20 gのジクロロメタン 200 ml溶液に氷冷下(内温3℃)で塩化アルミニウム 0.9 gを加え、4時間撹拌した。反応液を氷冷した10%塩酸にあけ、ヘキサンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、2-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-プロピルデカヒドロナフタレン(立体異性体混合物、(±)-(2R*,4aS*,6S*,8aR*)体含有率75%)20 gを得た。これをエタノール40 mlから再結晶し、)(±)-(2R*,4aS*,6S*,8aR*)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-プロピルデカヒドロナフタレン10 g(GC純度 >99.9%)を得た。【0027】(実施例2)(±)-(2R*,4aS*,6S*,8aR*)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-プロピルデカヒドロナフタレンの合成(2)実施例1と同様な条件下、塩化アルミニウムに代えて、臭化アルミニウム2 gを用いて、(±)-(2R*,4aS*,6S*,8aR*)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-プロピルデカヒドロナフタレンを得た。【0028】【発明の効果】本発明により、これまで入手が難しく、製造方法が煩雑であった2,6置換-トランス-デカヒドロナフタレン誘導体が、工業的に容易にかつ安価に製造できるようになった。この2,6置換-トランス-デカヒドロナフタレン誘導体は、液晶表示材料として極めて有用である。 一般式(III)(式中、R1およびR2はおのおの独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、1個以上のフッ素原子および/または炭素原子数1〜7のアルコキシル基によって置換されていてもよく、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽和の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシル基を表し、連結基X、YおよびZはおのおの独立に単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-C≡C-または-(CH2)4-を表し、環A、環Bおよび環Cはトランス-1,4-シクロヘキシレン基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基、一個または二個のフッ素原子で置換されてもよい1,4-フェニレン基および、1〜3個のフッ素原子で置換されても良いナフタレン-2,6-ジイル基を表し、n1、n2およびn3はおのおの独立に0または1を表す。また、水素を記載した四つの炭素上の立体配置の組み合わせは定まっておらず、単一であっても、混合物であっても良い。)で表されるデカヒドロナフタレン化合物を、ルイス酸を用いて異性化することを特徴とする、一般式(IV)(式中、R1、R2、連結基X、Y、Z、環A、環B、環C、n1、n2およびn3は上記化合物(III)と同様の意味を表す。また、水素を記載した四つの炭素上の立体配置は相対配置を意味する。)で表されるトランス-デカヒドロナフタレン化合物の製造方法。 一般式(III)および(IV)において環A、環Bおよび環Cがトランス-1,4-シクロヘキシレン基、および一個または二個のフッ素原子で置換されてもよい1,4-フェニレン基であるところの請求項1記載の製造方法。 一般式(III)および(IV)において、連結基X、YおよびZが単結合または-CH2CH2-であるところの請求項1または2に記載の製造方法。 一般式(III)および(IV)において、R1およびR2がおのおの独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、1個以上のフッ素原子および/または炭素原子数1〜7のアルコキシル基によって置換されていてもよく、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽和の炭素数1〜20のアルキル基であるところの請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。 一般式(III)および(IV)において、R1が1個以上のフッ素原子および/または炭素原子数1〜7のアルコキシル基によって置換されていてもよく、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽和の炭素数1〜20のアルキル基であるところの請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。 一般式(III)および(IV)において、R2が1個以上のフッ素原子および/または炭素原子数1〜7のアルコキシル基によって置換されていてもよく、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽和の炭素数1〜20のアルキル基であるところの請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。 ルイス酸として、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、三塩化リン、三臭化リン、五塩化リン、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、二塩化アルコキシアルミニウム、塩化ジアルコキシアルミニウム、トリアルコキシアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、塩化ジアルキルアルミニウム、二塩化アルキルアルミニウム、トリアルキルホウ素のアルミニウム、ホウ素、リン化合物を用いるところの、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。 ルイス酸として、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、トリアルキルアルミニウム、塩化ジアルキルアルミニウム、二塩化アルキルアルミニウムのアルミニウム化合物を用いるところの、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。 ルイス酸として、塩化アルミニウムまたは臭化アルミニウム、を用いるところの、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。


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