生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_免疫学的測定法
出願番号:2001181588
年次:2011
IPC分類:G01N 33/543,G01N 33/53,G01N 33/577


特許情報キャッシュ

松下 博俊 矢後 弘和 JP 4616516 特許公報(B2) 20101029 2001181588 20010615 免疫学的測定法 積水メディカル株式会社 390037327 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 浅野 康隆 100089048 的場 ひろみ 100101317 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 松下 博俊 矢後 弘和 20110119 G01N 33/543 20060101AFI20101222BHJP G01N 33/53 20060101ALI20101222BHJP G01N 33/577 20060101ALI20101222BHJP JPG01N33/543 501LG01N33/53 DG01N33/577 B G01N 33/48 - G01N 33/98 特開平11−349600(JP,A) 特開平04−122859(JP,A) 特開昭63−079900(JP,A) 特開平09−301999(JP,A) 特開平06−058933(JP,A) 特開平08−029417(JP,A) 特開平06−205692(JP,A) 3 2002372536 20021226 9 20080529 白形 由美子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、認識部位の反応性の異なる多様性を有する被測定物質の簡便、迅速かつ正確な免疫学的測定法に関する。【0002】【従来の技術】近年、臨床検査の分野において、被測定物質に対して特異的に結合し得る物質を不溶性担体に結合させ、これによって被測定物質を補足し、検体中に存在する被測定物質の有無の確認(定性)、又は定量する方法が一般的に使われている。なかでも、抗原・抗体による免疫反応を利用した方法は多くの検査薬に用いられており、その手法としては、RIA(ラジオイムノアッセイ)、CLEIA(化学発光酵素免疫測定法)、ELISA(酵素免疫測定法)、TIA(免疫比濁法)、LTIA(ラテックス免疫比濁法)などといった方法が挙げられる。【0003】この内、LTIAは被測定物質と特異的に結合する物質を担持させた不溶性担体と被測定物質とを混合することにより被測定物質を介した不溶性担体の架橋(凝集)が起こり、その結果生じる濁りを光学的に測定することで、被測定物質の有無の確認(定性)、又は定量する方法である。【0004】LTIAにおいて、抗原を被測定物質とする場合、抗原上にある複数のエピトープに対して、それぞれに結合する抗体の種類の多い方が、より抗原を介した抗体担持不溶性担体の架橋が形成され易く、凝集の起こりやすさという観点からは、同抗原に対し反応する複数の抗体の混合物であるポリクローナル抗体の方が好ましいと考えられる。しかしながら、ポリクローナル抗体は動物の個体差や採血の時期などにより品質が変動し易いといった問題を持っており、試薬の安定的製造といった面では不安定になり易い。【0005】これに対し、モノクローナル抗体は品質の一定した抗体を大量生産することができ、品質管理上取扱い易いといった特徴をもっている為、試薬の安定的製造を可能にする。そこで、特許第1902054号に開示されるように、同一抗原上に存在しつつも異なるエピトープをそれぞれに認識する複数のモノクローナル抗体を混合して担持させるか、又はそれぞれに不溶性担体に担持させることにより、該抗原と効率よく反応させる方法が提案されている。【0006】しかしながら、全てのモノクローナル抗体を同一平均粒径の不溶性担体に担持させる方法では、抗体の持つ、抗原に対する親和性の差異や抗体を担持する不溶性担体による立体障害に起因して、抗体と抗原(被測定物質)との間の反応(抗原抗体反応)が阻害され、正確に定量できない場合がある。【0007】この問題を解決すべく、平均粒径の異なる不溶性担体に抗体をそれぞれに結合した複数の抗体担持不溶性担体を、組み合わせて使用する方法(特許第2588174号、特開平10−123137号)が開示され、起こり得る立体障害や抗体の抗原に対する親和性の違いに起因すると考えられる抗原との反応性の差異を補正する方法が開示されている。しかしながら、抗体を不溶性担体に担持させた場合、不溶性担体に担持された抗体が担持される以前の親和性を保持しているとは限らず、これによって新たに反応性の差異を生じる可能性が考えられる。【0008】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら従来の方法では、フィブリノーゲン・フィブリン分解産物(FDP)、コラーゲン分解産物等の被測定物質自体に多様性が存在する場合には、正確な測定値が得られないという問題があった。従って、本発明の目的は、多様性のある被測定物質を正確に測定できる免疫学的測定法を提供することにある。【0009】【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、FDP、コラーゲン分解産物のような複数の分子種を含み多様性を示す抗原が正確に測定できない原因について検討したところ、抗原間における2以上の認識部位の反応性が、抗原のもつ多様性をもととした立体障害や抗原−抗体間の反応性の差異に起因して生じているためであることが判明した。そして、この反応性の差を補正するように各認識部位に特異的な抗体を担持したそれぞれの不溶性担体の使用量を調整すれば、抗原の多様性が補正され、当該抗原が正確に測定できることを見出し、本発明を完成した。【0010】すなわち、本発明は検体中の各被測定物質が少なくとも2以上の認識部位を有し、被測定物質間における当該2以上の認識部位の反応性が異なる性質を有する被測定物質の免疫学的測定法であって、当該2以上の認識部位に特異的に結合する物質を担持したそれぞれの不溶性担体の使用量を、当該2以上の認識部位の反応性の差を補正するように調整することを特徴とする免疫学的測定法を提供するものである。また、本発明は検体中の各被測定物質が少なくとも2以上の認識部位を有し、被測定物質間における当該2以上の認識部位の反応性が異なる性質を有する被測定物質の免疫学的測定用試薬であって、当該2以上の認識部位に特異的に結合する物質を担持したそれぞれの不溶性担体の使用量が、当該2以上の認識部位の反応性の差を補正するように調整されているものであることを特徴とする免疫学的測定用試薬を提供するものである。【0011】【発明の実施の形態】本発明の測定対象は、少なくとも2以上の認識部位を有し、被測定物質間における当該2以上の認識部位の反応性が異なる性質を有する被測定物質であるが、このような性質を有する抗原が好ましい。ここで認識部位とは、抗原認識部位をいう。このような抗原としては、例えばフィブリノーゲン・フィブリン分解産物(FDP)又は4型コラーゲン(IV−C)等のコラーゲン分解産物、カルシノエンブリオニックアンチジェン(CEA)、α−フェトプロテイン(AFP)、プロステートスペシフィックアンチジエン(PSA)などを挙げることができる。このうち、FDP、コラーゲン分解産物がより好ましく、特にFDPが好ましい。【0012】FDPは凝固線溶の指標として用いられ、血液中にてフィブリノーゲン、又はフィブリンがプラスミン等によって消化され産生される分子の総称である。プラスミンによる消化の際、フィブリノーゲンからはD分画、E分画、Y分画、X分画などが、一方、フィブリンからはDD分画、DD/E分画、或いはこれらを含む複数の高分子分画が産出され、検体中にはこれらが混在する形で存在するため、FDPは多様性を示す。FDPは上記したような複数の分子種の混在物であり、LTIAなどによる免疫学的測定を行う際、不溶性担体に担持されている抗体、特にそれがモノクローナル抗体である場合には、モノクローナル抗体のFDPの分子種毎に対する親和性が異なることに起因して、反応性に差異を生じることになり、分子種の混在比が変化すれば測定値に差異を生じてしまうことがあることが判明した。例えば、FDPを構成する分子種のうち、プラスミン消化の最終産物であるD分画上のエピトープを認識するモノクローナル抗体を不溶性担体に担持した試薬を用いた場合、抗体が不溶性担体に担持されることで、この不溶性担体担持モノクローナル抗体のD分画に対する親和性自体が変化しなくても、D分画上のエピトープに対する反応性が、DD分画、DD/E分画、X分画、Y分画などといった、D分画を含むがD分画単独ではない分子中にあるD分画上のエピトープに対する反応性と大きく異なってしまうため、同じ分子数のD分画が存在していても、同一の濃度として測定できないといった現象が起こる。【0013】そこで、本発明測定法の1例としてFDPを測定する場合、少なくとも2種類以上の抗D分画−モノクローナル抗体担持不溶性担体を用い、使用するモノクローナル抗体担持不溶性担体の使用量を変えることによって、各分子種への反応性を調整し、これによりFDPの量を、より簡便、迅速、正確に定量することが可能となる。【0014】本発明で使用される被測定物質の2以上の認識部位に特異的に結合する物質としては、当該2以上の認識部位に特異的に結合する抗体が好ましい。かかる抗体のうち、ポリクローナル抗体は特定の抗原上に存在する複数のエピトープのうち特定のエピトープと特異的に結合する複数の抗体を含む2種類以上の異なるポリクローナル抗体である。ポリクローナル抗体は被測定物質を適当な動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ウシなどの動物に、それ自体公知の手法によって免疫し、得ることができる。一方、モノクローナル抗体は、特定の抗原に対して特異的に結合する2種類以上の異なるモノクローナル抗体である。モノクローナル抗体は、細胞融合技術分野において、それ自体公知の手法を適宜に選択し、またそれらを組み合わせてモノクローナル抗体産生融合細胞株を形成し、該細胞株を利用して取得することができる。モノクローナル抗体は市販品として入手することも可能であり、本発明方法に利用できる。【0015】本発明で使用する不溶性担体としては従来より免疫学的凝集反応及び免疫学的凝集阻止反応において一般的に用いられている微粒子の担体を使用することができる。このような不溶性担体としては、工業的に大量生産可能な有機系微粒子が好ましいが、これに限定されるものではない。工業的に大量生産可能な有機系微粒子としては、例えば、スチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどビニル系モノマーの単独重合体及び/又は共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などのブタジエン系共重合体などの微粒子、及び官能基としてカルボキシル基、第1級アミノ基、又はカルボキサミド基(-CONH2)、水酸基、アルデヒド基などを有し、かつ基体が前記有機系微粒子からなる反応性有機系微粒子などが挙げられる。抗体の吸着性に優れており、かつ生物学的活性を長期間安定に保持できるなどの理由から、特にポリスチレン系のラテックス粒子が好ましい。【0016】その他、動物の赤血球や細菌の細胞等の生物学的粒子、金属コロイド、ベントナイト、コロジオン、コレステロール結晶、シリカ、カオリン、炭素末など非生物学的粒子が挙げられる。【0017】本発明で使用する不溶性担体の平均粒径は、不溶性担体上の抗体と、測定対象となる抗原物質の抗原抗体反応より引き起こされる凝集反応の結果、生じた凝集塊が肉眼又は光学的に検出できるに充分な大きさを呈するものであればよい。特に平均粒径が0.05〜10.0μmの範囲にある不溶性担体(好ましくはラテックス粒子)の使用が好ましい。【0018】上記不溶性担体の表面にモノクローナル抗体を担持させる手法は種々知られており、本発明において適宜利用できる。例えば、このような感作方法として不溶性担体表面にモノクローナル抗体を物理的に吸着させる手法や、官能基を有する不溶性担体表面に、既知の方法である物理結合法や化学結合法により、モノクローナル抗体を効率的に感作する方法が挙げられる。【0019】本発明の特徴である複数の抗体担持不溶性担体の使用量比は、各認識部位間の反応性の差を補正できる比であればよく、測定対象である抗原、用いる抗体担持不溶性担体において異なる。当該使用量比は、抗体担持不溶性担体が特定された時点で、予め予備測定を行って決定するのが好ましい。より具体的な使用量比は、1:100〜100:1、特に1:20〜20:1が好ましい。【0020】抗体を担持させた抗体不溶性担体と、抗原との反応は、抗原抗体反応及びそれに伴う凝集反応であり、該反応が起こり得る条件であれば、その反応条件は特に限定されないが、反応温度は、特に25〜37℃の範囲の恒温であることが望ましい。反応時間についても特に限定はないが、10秒〜30分間が好ましい。【0021】反応液としては、抗原抗体反応が起こり得る溶液であればどのようなものでもよいが、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス塩酸緩衝液、グッド緩衝液等が好ましい。反応液のpHは、好ましくは5.5〜8.5の範囲で用いるのがよい。上記反応液に、安定剤としてウシ血清アルブミン、ショ糖、感度を高める効果が期待されるポリエチレングリコール、デキストランなどの水溶性多糖類、防腐剤としてアジ化ナトリウム、及び塩濃度調整の為に塩化ナトリウム等の添加剤を適宜溶解させてもよい。【0022】本発明の免疫学的測定法としてはLTIAに代表される免疫凝集法が挙げられる。ここで不溶性担体の凝集の程度を測定する方法は、特に限定されない。例えば、凝集を定性的ないし半定量的に測定する場合には、既知の試料の濁度の程度との比較から、上記結合物の凝集の程度を目視によって判定することも可能である。該凝集を定量的に測定する場合、簡便性及び精度の点からは、例えば光学的に測定することが望ましい。凝集の光学的測定法としては、公知の方法が利用可能である。より具体的には、例えば、いわゆる比濁法(凝集塊の形成を濁度の増加としてとらえる)、粒度分布による測定法(凝集塊の形成を粒度分布ないしは平均粒径の変化としてとらえる)、積分球濁度法(凝集塊の形成による前方散乱光の変化を積分球を用いて測定し、透過光強度との比を比較する)などの種々の方式が利用可能である。【0023】これらのそれぞれの測定法について、速度試験(レートアッセイ:異なる時点で少なくとも2つの測定値を得て、これらの時点間における該測定値の増加分(すなわち増加速度)に基づき凝集の程度を求める)や終点試験(エンドポイントアッセイ:ある時点(通常は、反応の終点と考えられる時点)で1つの測定値を得て、この測定値に基づき凝集の程度を求める)などが利用可能である。【0024】【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。【0025】実施例及び比較例で用いた試薬及び材料は以下の通りである。<試薬及び材料>・抗FDPモノクローナル抗体:抗FDPモノクローナル抗体(Clone No.03202, 03204、第一化学薬品社製:特公平4-61639号)を用いた。・ラテックス:平均粒径0.2μmのポリスチレン粒子を含むラテックス(いずれも固形分10%(W/V)、積水化学社製)・抗体担持ラテックス調製用緩衝液:20mM Tris-HCl pH8.0を用いた。・ブロッキング用緩衝液:2%BSA in 20mM Tris-HCl pH8.0を用いた。・検体希釈用緩衝液(R1液):0.15%BSA、0.15M NaCl in 30mM Tris-HCl pH8.5を用いた。・FDP:10mg/mLとなるように調製した精製フィブリノーゲン溶液(in 20mM Tris-HCl pH8.0)に1M CaCl2溶液、10U/mL凝固第XIII因子、250U/mLトロンビンを順次添加し、37℃で60分間インキュベートしてフィブリン塊を形成し、ここに1.6IU/mLプラスミンを添加して得られる消化産物をもととし、FDPの蛋白質濃度が50μg/mLとなるように、検体希釈用緩衝液で希釈したものをFDPとした。尚、FDPの蛋白質濃度は「既存試薬キット:Bio−RAD DC protein assay kit」を用いて求めた。・D分画:フィブリノーゲンのプラスミン消化産物より、精製したものをもととし、D分画の蛋白質濃度が38μg/mLとなるように、検体希釈用緩衝液で希釈したものを用いた。尚、D分画の蛋白質濃度は「既存試薬キット:Bio−RAD DC protein assay kit」を用いて求めた。【0026】実施例11)FDP測定用試薬の調製ポリスチレンラテックス1容に抗体担持ラテックス調製用緩衝液1容を添加・混合した。一方、抗体:Clone No.03202(又は03204)を濃度1mg/mLとなるよう抗体担持ラテックス調製用緩衝液にて希釈調製した。上記希釈ポリスチレンラテックス1容を攪拌しながら上記抗体1容を添加・混合し、更に攪拌した。その後、ブロッキング用緩衝液2容を追加添加し、攪拌を続けた。その後、これを回収し、03202抗体担持ラテックス原料(又は03204抗体担持ラテックス原料)とした。【0027】2)FDP、並びにD分画の測定FDP、並びにD分画は、それぞれ検体希釈用緩衝液で1/2、1/4、1/8倍希釈し、これらを生化学分析装置日立7170形(日立製作所社製)を用いて測定した。上記1)で得られた03202抗体担持ラテックス原料(03202-Lx)と03204抗体担持ラテックス原料(03204-Lx)を1:12の比率で混合し、それを更に抗体担持ラテックス調製用緩衝液にて1/5希釈したものを試薬2(R2液)として測定に用いた。濃度換算はFDPをキャリブレーターとして用い、換算した。【0028】測定条件は以下の通りである。検体容量:6μl検体希釈用緩衝液(R1液):100μl試薬2(R2液):100μl測定波長:570/800nm測光ポイント:19−34【0029】比較例1(ラテックス原料を1:1の比率で混合した試薬を用いたFDPの測定)実施例1でR2液を調製する際、03202抗体担持ラテックス原料と03204抗体担持ラテックス原料を1:1の比率で混合し、それを更にラテックス希釈用緩衝液にて希釈したものを試薬2(R2液)とし、他の点はFDP測定用試薬の調製を含め、実施例1と同様の操作を行い、FDP、並びにD分画を測定した。【0030】比較例2(ラテックス原料を1:2の比率で混合した試薬を用いたFDPの測定)実施例1でR2液を調製する際、03202抗体担持ラテックス原料と03204抗体担持ラテックス原料を1:2の比率で混合し、それを更にラテックス希釈用緩衝液にて希釈したものを試薬2(R2液)とし、他の点はFDP測定用試薬の調製を含め、実施例1と同様の操作を行い、FDP、並びにD分画を測定した。【0031】比較例3(ラテックス原料を1:4の比率で混合した試薬を用いたFDPの測定)実施例1でR2液を調製する際、03202抗体担持ラテックス原料と03204抗体担持ラテックス原料を1:4の比率で混合し、それを更にラテックス希釈用緩衝液にて希釈したものを試薬2(R2液)とし、他の点はFDP測定用試薬の調製を含め、実施例1と同様の操作を行い、FDP、並びにD分画を測定した。【0032】比較例4(ラテックス原料を1:8の比率で混合した試薬を用いたFDPの測定)実施例1でR2液を調製する際、03202抗体担持ラテックス原料と03204抗体担持ラテックス原料を1:8の比率で混合し、それを更にラテックス希釈用緩衝液にて希釈したものを試薬2(R2液)とし、他の点はFDP測定用試薬の調製を含め、実施例1と同様の操作を行い、FDP、並びにD分画を測定した。【0033】試験結果実施例1、及び比較例1、2、3、4で測定した値(反応曲線)を図5、1、2、3、4に示した。図1は比較例1の結果を示す。比較例1はFDP及びD分画の希釈サンプルを03202-Lx:03204-Lx=1:1で調製した試薬(R2液)を用いて測定しており、図1に示したごとく、両者の反応曲線は乖離した。【0034】図5は実施例1の結果を示す。実施例1はFDP及びD分画の希釈サンプルを03202-Lx:03204-Lx=1:12で調製した試薬(R2液)を用いて測定しており、図5に示したごとく、両者の反応曲線は一致し、同一の測定値を得ることができた。【0035】図2、3、4は比較例2、3、4の結果を示す。比較例2、3、4はFDP及びD分画の希釈サンプルを03202-Lx:03204-Lx=1:2、1:4、1:8で調製した試薬(R2液)を用いて測定しており、図2、3、4に示したごとく、両者の反応曲線は依然乖離しているものの、03202-Lxと03204-Lxの混合比が1:12に近づくにつれて(03204-Lxの使用量比が高くなるにつれて)測定値が一致してくることがわかる。【0036】以上の結果から、LTIAにてFDPを測定する際、本発明によって、構成分子であるD分画の反応性の差異を補正することができ、理論上測定されるべき濃度としての値を得ることができた。【0037】【発明の効果】本発明では、多様性を有する被測定物質、例えば抗原の免疫学的測定法において、抗原間と抗体との反応性を、抗体担持不溶性担体の使用量比の変動により調整することによって、多様性を示す抗原を測定する際に見られる分子種間の反応性の差異を補正し、抗原をより正確に定量できる。【図面の簡単な説明】【図1】抗体担持不溶性担体の混合比が1:1の場合の反応曲線を示す図である。【図2】抗体担持不溶性担体の混合比が1:2の場合の反応曲線を示す図である。【図3】抗体担持不溶性担体の混合比が1:4の場合の反応曲線を示す図である。【図4】抗体担持不溶性担体の混合比が1:8の場合の反応曲線を示す図である。【図5】抗体担持不溶性担体の混合比が1:12の場合の反応曲線を示す図である。 検体中のフィブリノーゲン・フィブリン分解産物(FDP)の免疫学的測定法であって、FDPのD分画、DD分画、又はD分画もしくはDD分画を保持する分画とは反応するが、フィブリノーゲン及びFDPのE分画とは反応しない、少なくとも2種類のモノクローナル抗体を担持したそれぞれの不溶性担体の使用量比を、該少なくとも2種類のモノクローナル抗体による該D分画、該DD分画、又は該D分画もしくはDD分画を保持する分画に対する反応性の差を補正するように調整することを特徴とする免疫学的測定法。 2種類のモノクローナル抗体をそれぞれ担持した不溶性担体が使用され、該担体の使用量比が1:20〜20:1である請求項1に記載の方法。 免疫学的測定法が、免疫凝集法である請求項1又は2に記載の方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る