生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_金属エッチングプロセスに用いる混酸液の定量分析方法
出願番号:2001104783
年次:2011
IPC分類:G01N 33/00,G01N 21/33,G01N 31/00,G01N 31/16


特許情報キャッシュ

鈴木 竜暢 小沢 修一 JP 4686885 特許公報(B2) 20110225 2001104783 20010403 金属エッチングプロセスに用いる混酸液の定量分析方法 日本化成株式会社 000230652 三菱化学株式会社 000005968 岡田 数彦 100097928 鈴木 竜暢 小沢 修一 20110525 G01N 33/00 20060101AFI20110427BHJP G01N 21/33 20060101ALI20110427BHJP G01N 31/00 20060101ALI20110427BHJP G01N 31/16 20060101ALI20110427BHJP JPG01N33/00 BG01N21/33G01N31/00 NG01N31/00 VG01N31/16 Z G01N 33/00 G01N 21/33 G01N 31/00 G01N 31/16 特開平11−194120(JP,A) 特開平06−265471(JP,A) 特開2001−073170(JP,A) Anal Chim Acta,2008年,Vol.629, No.1-2, Page.119-127 Sensors and Actuators B,2000年,Vol.B65, No.1/3, Page.220-226 J Chromatgr A,2003年,Vol.997, No.1.2, Page.269-278 1 2002303619 20021018 5 20080303 三木 隆 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、金属エッチングプロセスに用いる混酸液の定量分析方法に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、半導体回路の形成に使用するシリコンウェハーのエッチングには、各種の混酸液が使用されている。そして、これらの混酸液の品質管理においては各成分の定量分析が必要となる。【0003】ところで、硝酸とリン酸から成る混酸液の場合は、リン酸の2段階中和反応を利用し、硝酸とリン酸の定量分析を精度良く行うことが出来る。ところが、硝酸とリン酸と酢酸とから成る混酸液や更に界面活性剤などの添加剤を含む混酸液の場合は、リン酸の2段階目の中和反応時に酢酸の中和反応が重なるため、定量分析が困難となる。【0004】【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、硝酸とリン酸と酢酸とから成る混酸液や更に界面活性剤などの添加剤を含む混酸液に対する、効率的で且つ精度の高い定量分析方法を提供することにある。【0005】【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明の要旨は、硝酸とリン酸と酢酸とを含む金属エッチングプロセスに用いる混酸液の定量分析方法であって、混酸液の組成が、硝酸濃度0.1〜20重量%、リン酸濃度50〜80重量%、酢酸濃度2〜20重量%、水濃度1〜20重量であり、硝酸の濃度は紫外吸光光度法によって定量し、リン酸の濃度は混酸液のドライアップ後の中和滴定法によって定量し、酢酸の濃度は合計酸当量からの硝酸当量とリン酸当量の差し引き法によって算出することを特徴とする金属エッチングプロセスに用いる混酸液の定量分析方法に存する。【0006】【発明の実施の形態】 以下、本発明を詳細に説明する。本発明の分析対象となる混酸液は、硝酸とリン酸と酢酸とを含み、必要に応じて界面活性剤などの添加剤を含む水溶液であり、水を含む上記の必須成分基準の組成は、次の通りである。すなわち、硝酸濃度は、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜12重量%、更に好ましくは3〜8重量%、リン酸濃度は、50〜80重量%、好ましくは70〜80重量%、酢酸濃度は、2〜20重量%、好ましくは2〜10重量%、水濃度1〜20重量である。また、添加剤としては、界面活性剤の他、フッ化アンモニウム、錯化剤などが挙げられ、これらの濃度は、通常0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜1重量%、更に好ましくは0.2〜0.5重量%である。【0007】本発明において、硝酸の定量分析は、硝酸濃度既知の基準液により作成した検量線を用いた紫外吸光光度法によって行う。上記の基準液の調製には、例えば硝酸カリウム等の硝酸塩の水溶液が用いられる。【0008】本発明において、リン酸の定量分析は、混酸液のドライアップ後の中和滴定法によって行う。ドライアップは、通常、沸騰湯浴上で試料を30〜60分間加熱することにより行われる。これにより、不揮発性であるリン酸は、試料中にそのまま残るが、リン酸以外の酸(硝酸と酢酸)は試料から除去される。ドライアップ後の中和滴定は、通常、標準液として1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて行われる。【0009】一般に、リン酸は、水中で3段階に解離し、3価の酸として知られているが、中和滴定においては、以下に示す2段階の反応が起こり、2価の酸として扱われて酸当量が計算される。【0010】【化1】<第1段階:pH2.9〜4.5>H3PO4 + NaOH = NaH2PO4 + H2O<第2段階:pH4.5〜>NaH2PO4 + NaOH = Na2HPO4 + H2O【0011】本発明において、酢酸の濃度は、合計酸当量から硝酸当量とリン酸当量の合計を差し引くこと(差し引き法)によって算出する。具体的には次式により求められる。【0012】【数1】酢酸当量=合計酸当量−(硝酸当量+リン酸当量)【0013】一方、混酸液の合計酸当量は、以下の2段階中和反応に示される通り、通常、標準液に1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いた中和滴定によって求められる。【0014】【化2】<第1段階>HNO3 + NaOH = NaNO3 + H2OH3PO4 + NaOH = NaH2PO4 + H2O<第2段階>CH3COOH + NaOH = CH3COONa + H2ONaH2PO4 + NaOH = Na2HPO4 + H2O【0015】本発明における混酸液は、金属エッチングプロセスに用いられるが、具体的には、半導体装置基板や液晶素子基板の製造工程などにおける、金属(層)に対して微細な電極や金属配線を形成する、感光性樹脂などを用いた微細エッチングプロセスに用いられ、金属としては、アルミニウム、銀、銅などが挙げられる。【0016】本発明の定量分析方法において、リン酸の定量分析は、アルミニウム、銀、銅などの金属イオンによって妨害され、結果にバラツキが生じる恐れがある。従って、測定対象は、上記の様な金属イオンが含まれていない混酸液が好ましい。混酸液からの金属イオンの除去は、カチオン型イオン交換樹脂やキレート樹脂によって容易に行うことが出来る。【0017】【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。【0018】実施例1硝酸濃度14.8重量%、リン酸濃度59.9重量%、酢酸濃度5.0重量%の混酸液(残余は水)を調製した。そして、次の手順で必要な分析を行った。【0019】(1)硝酸の定量分析:先ず、上記の混酸液6gを水で希釈して250gとした。1g当たり25mgの硝酸分となる様に調製した硝酸カリウム水溶液を基準液とし、302nm付近の吸光度を測定した。対照液は水とした。基準液と吸光度との関係より検量線を作成し、混酸液中の硝酸濃度を算出した。硝酸の濃度は14.9重量%であった。硝酸当量は、(14.9(重量%)/100)/0.0631=2.365(meq.)であった。ここで、0.06631は、1mol/Lの水酸化ナトリウム1mlに相当する硝酸量(g)である。また、そのときのCV値(変動係数)は0.3%であり、分析値のバラツキは小さかった。【0020】(2)リン酸の定量分析:先ず、上記の混酸液1gを煮沸水浴上で30分以上加熱してドライアップを行った後、残渣全量を200mlの容器に洗い流し、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によって中和滴定を行ってリン酸濃度を算出した。リン酸濃度は59.9重量%であった。リン酸当量は、(59.9(重量%)/100)/0.04900=12.224(meq.)であった。ここで、0.04900は、1mol/Lの水酸化ナトリウム1mlに相当するリン酸量(g)である。また、そのときのCV値(変動係数)は0.08%であった。【0021】(3)合計酸当量からの硝酸当量とリン酸当量の差し引き法による酢酸の分析:先ず、上記の混酸液1gを水50mlで希釈し、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によって中和滴定を行って、混酸液中の合計酸当量を測定した。合計酸当量は15.422meq.であった。次いで、合計酸当量から、上記の(1)及び(2)で求めた硝酸およびリン酸の酸当量を差し引きし、酢酸の当量を求めた。酢酸の当量は、15.422−(2.365+12.224)=0.833(meq.)となる。そして、酢酸の当量より酢酸濃度を算出した。酢酸の濃度は、0.833(meq.)×0.06005×100=5.0重量%であった。ここで、0.06005は、1mol/Lの水酸化ナトリウム1mlに相当する酢酸量(g)である。また、合計酸当量の測定におけるCV値は0.04%であった。【0022】上記の実施例に示す通り、本発明によれば、簡単な操作により効率的で且つ高精度で混酸液中の硝酸、リン酸、酢酸の定量分析を行うことが出来る。これに対し、従来の方法では、測定に時間が掛かり、しかも、リン酸および酢酸の濃度は正確に分析できなかった。【0023】本発明は、硝酸、リン酸、酢酸の3種の酸から成る混酸は、沸騰湯浴上で加熱することにより、リン酸を残したまま、容易に硝酸および酢酸を完全に除去することが出来るとの知見に基づくものであるが、斯かる知見は、例えば、エッチング液として使用済みの混酸廃液を沸騰湯浴上で加熱した後にカチオン型イオン交換樹脂やキレート樹脂で金属成分を除去する高純度のリン酸の回収方法にも利用することが出来る。【0024】【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、硝酸とリン酸と酢酸とから成る混酸液や更に界面活性剤などの添加剤を含む混酸液に対する、効率的で且つ精度の高い定量分析方法を提供が提供されるが、混酸の品質管理における本発明の価値は大きい。 硝酸とリン酸と酢酸とを含む金属エッチングプロセスに用いる混酸液の定量分析方法であって、混酸液の組成が、硝酸濃度0.1〜20重量%、リン酸濃度50〜80重量%、酢酸濃度2〜20重量%、水濃度1〜20重量であり、そして、硝酸の濃度は紫外吸光光度法によって定量し、リン酸の濃度は混酸液のドライアップ後の中和滴定法によって定量し、酢酸の濃度は合計酸当量からの硝酸当量とリン酸当量の差し引き法によって算出することを特徴とする金属エッチングプロセスに用いる混酸液の定量分析方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る