タイトル: | 特許公報(B2)_新規なB型肝炎ウイルス |
出願番号: | 2001101389 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C07K 14/02,C12N 15/09 |
ジアン・ゼン JP 4772199 特許公報(B2) 20110701 2001101389 20010330 新規なB型肝炎ウイルス オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド 501131014 Ortho−Clinical Diagnostics, Inc. 加藤 公延 100088605 ジアン・ゼン US 193795 20000331 20110914 C07K 14/02 20060101AFI20110825BHJP C12N 15/09 20060101ALI20110825BHJP JPC07K14/02C12N15/00 A C12N1/00-15/90 C07K1/00-19/00 CA/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN) JSTPlus(JDreamII) Genbank/EMBL/DDBJ/GeneSeq UniProt/GeneSeq PubMed 国際公開第97/040164(WO,A1) 国際公開第94/011495(WO,A1) 特開昭61−153569(JP,A) Human hepatitis virus (genotype D) S gene for surface antigen.,Database DDBJ/EMBL/GenBank [online],1993年11月14日,Accession No. X75662,URL,<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/416086 Journal of General Virology,1992年,Vol.73,p.1201-1208 Human hepatitis B virus (subtype ayw), complete genome.,Database DDBJ/EMBL/GenBank [online],1993年 8月 2日,J02203,URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/J02203.1?report=genbank Journal of General Virology,1997年,Vol.78,p.1719-1729 MAGNIUS L O,INTERVIROLOGY,1995年,V38 N1/2,P24-34 2 2002327000 20021115 9 20080325 福澤 洋光 【0001】【発明の属する技術分野】本発明はHBVの新規な表面変異体に関し、特に、ダウン症候群を有する症候性患者から単離した変異体に関する。【0002】【従来の技術】小形の二重鎖または二本鎖DNAウイルスであるB型肝炎ウイルス(HBV)は無症候保菌者状態、急性の自己限定性肝炎、劇症肝炎、および慢性肝炎、肝硬変、および肝細胞癌を含む慢性肝臓病のような広範囲の臨床的現象を生じ得る。このウイルスは3182個乃至3221個の塩基対(bp)の円形ゲノムを有している。【0003】【発明が解決しようとする課題】4種類の主な亜類型(subtypes)が同定されていて、HBV表面上の異なるエピトープを認識する抗体により分化できる。HBs・Ag(B型肝炎表面抗原)粒子は共通の決定因子「a」、ならびに、「d」または「y」および「w」または「r」の亜類型決定因子を担持しており、4種類の主な亜類型、すなわち、adw,adr,aywおよびayrに分類される。稀な血清において、これら全ての4種類の亜類型決定因子(adywr)を含むHBs・Ag粒子が含有されている。これらの主なHBV亜類型adw,adr,aywおよびayrに対応する抗原性決定因子は表面すなわち「S」ポリペプチド内に存在している。特に、コドン位置122およびコドン位置160においてS遺伝子によりコード化される2種類のアミノ酸残基がこれらの異なる抗原性亜類型を決定すると考えられてきた。一方、プレC(preC)領域がHBe・Ag陰性を生じる変異を示すことが頻繁に報告されている。このウイルスはそのプレゲノム(pregenomic)RNAの逆トランスクプターゼによる複製モードにより、その他のDNAウイルスに比較して高い変異速度を示す。この新規な変異体の重要性はワクチン・エスケープ(vaccine escape)およびHBs・Ag検出不全、公共衛生問題との関わりにおいて反映できる。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者はHBVの新規な表面変異体を同定して特徴付けた。この変異体はHBs・Agおよび同等に長期に持続する抗HBコア(c)IgM抗体(Ab)を伴う抗HBs・Ab(抗B型肝炎表面抗体)の両方に対して一定して陽性であることが知られているダウン症候群を有する症候性の患者から単離した。HBs・Agに対する6種類のモノクローナル抗体(m・Ab(s))のパネルにより、本発明者は「a」決定因子の抗原性の主要エピトープにおける変異の影響を評価した。【0005】【発明の実施の形態】1999年3月にベイルート・メディカル・センターのアメリカン・ユニバーシティに対して黄疸症状を示していたダウン症候群を有する43才の白人男性の患者からサンプルを採取した。この患者はHBVに対する免疫の経験が無く、輸血、静脈内薬物、ホモセクシュアル、家族のHBV感染または血液透析を含む感染性の危険因子を有していない。調査中において、この患者は上昇した肝機能検査(LFT)結果、すなわち、ALT:450IU/L(範囲10IU/L乃至35IU/L)、AST:250IU/L(範囲10IU/L乃至40IU/L)、ガンマ−GT:383IU/L(範囲10IU/L乃至50IU/L)を有しており、ビリルビン(Bilirubin)は3.8/2.6mg/dL(合計/直接値)(範囲、合計:0.1IU/L乃至1.2IU/Lおよび直接値:0.0IU/L乃至0.2IU/L)であることが分かった。さらに重要なことは、本発明者はHBV血液検査における不調和性を発見したことである。また、酵素免疫測定法(EIA)によるHBVマーカー検査結果は、HBs・Ag:陽性(>2/0.051)、抗HBs・Ab:陽性(0.417/0.206)、抗HBc・IgM・Ab:低度の陽性(0.371/0.208)、抗HBc・IgG・Ab:高度の陽性(>2/0.412)、HBe・Ag:陰性、および抗HBe・Ab:陽性(0.197/0.830、競合検定)であった。抗A型肝炎Ab(抗体)および抗C型肝炎抗体Ab(抗体)の両方は陰性であった。HBVマーカーにおける不一致性により、HBV抗原(Ag)を確認するために分子法(molecular methods)を使用した。【0006】患者をLFT検査について継続的に調べて、AST結果:80IU/Lを含み、後続の10ヶ月間に渡り一定に減少したことが分かった。しかしながら、初期的な表示の後に10ヶ月間繰り返して用いられたHBVマーカーはHBs・Ag:陽性(>2/0.056)(DiaSorin、イタリア国)および抗HBs・Ab:陽性(56/5)(BioMerieux、Mini-Vidas、フランス国)であることを示し、持続して低度の陽性の抗HBc・IgM・Ab(0.303/0.221)(DiaSorin、イタリア国)が保たれていることを示した。【0007】実施例1:HBs・DNAの抽出および増殖グアニジニウム−チオシアネート(GuSCN)溶解法に基づいて40μLのサンプルからDNAを単離して精製した。酸/グアニジニウム−チオシアネート−フェノール−クロロホルム抽出処理によるRNA単離の単一工程処理方法を一部変更して採用した。5倍容量の溶解溶液[5.75モルのGuSCN、50ミリモルのトリス−Cl(pH7.5)、100ミリモルの2−メルカプトエタノールおよび15μg/mLのポリ(A)]を1倍容量の血清に加えた。短時間の渦混合処理の後に、この混合物を60℃で10分間加熱した。その後、イソプロパノール沈降処理によりDNAペレットを得て、75%エタノールにより洗浄した。さらに、乾燥したDNAペレットを50μLのPCR反応溶液の中にそれぞれ40マイクロモルの第1回目プライマー(F1−6およびR1−6)と共に再懸濁した。この混合物を95℃で3分間加熱した後に、サーマル・サイクラー(thermal cycler)(米国、Perkin Elmer社、GeneAmp PCR System 9600)において94℃/45秒間、55℃/45秒間および72℃/45秒間から成る30回のPCR工程により処理した。次に、0.5μLの第1回目PCR生成物を、アニーリング温度を60℃まで上昇させたことを除いて、同一の処理工程から成るF1−7およびR13−2dの各プライマーによる第2回目PCR増殖処理のためのテンプレートとして用いた。予想したような604塩基対(bp)のDNA帯域である陽性のPCR生成物がアガロース・ゲル電気泳動において検出できた。【0008】 HBV・DNA(受け入れ番号(accession number)J02203)から誘導した上記のPCRプライマー・シーケンス(ヌクレオチド・シーケンス)は以下のようである。第1回目プライマーの組F1−6(231乃至252):配列番号1の配列 CCTCACAATACCGCAGAGTCTAR1−6(816乃至842):配列番号2の配列 AGGGTTTAAATGTATACCCAAAGACAA第2回目プライマーの組F1−7(246乃至268):配列番号3の配列 GAGTCTAGACTCGTGGTGGACTTR13−2d(822乃至843):配列番号4の配列 ccgaattcTAGGGTTTAAATGTATACCCAクローニングの目的でEcoR−I部位をR13−2dの5’端部に添加した。【0009】実施例2:シーケンス位置合わせおよび系統分析増殖したPCR生成物をQIAクイック・スピン・カラム(Qiagen)により洗浄し、これに続いて、DNAシーケンスおよび蛋白発現に対応してクローニングした。信頼性の高いDNAシーケンス決定を行なうためにDNAシーケンス用の5種類のクローンを準備した。ABI 377 DNA シーケンサー(米国、PE Applied Biosystems社)においてBigDye Terminator Ready Reaction kit装置(米国、PE Applied Biosystems社)により両方のストランド(鎖)に対応してヌクレオチド・シーケンスを決定した。その後、Lasergeneパッケージ(米国、ウィスコンシン州、マディソンのDNAStar社)のSeqMan 4.00モジュールを用いてシーケンス分析を行なった。さらに、Lasergeneパッケージ(米国、ウィスコンシン州、マディソンのDNAStar社)のMegAlign 4.00モジュールによりシーケンスの位置合わせおよび系統樹の構成を計算処理した。収集した多数個のシーケンス位置合わせ結果をシーケンスの重み付けにおいて用いた。遺伝子型類別処理用の28個の対照標準株を文献に記載されているシーケンスから誘導した。【0010】実施例3:S−HBs・Agクローニングおよび過渡的蛋白発現上記のPCR生成物をXba−I/EcoR−I制限酵素により消化した。595個の塩基対フラグメントによりアミノ酸のロイシン(32)から端部(イソロイシン(226))までS−HBsAg蛋白の86%をコード化した。その後、このフラグメントを予め構成しておいた哺乳類の発現ベクターに結合して、CMWプロモーターの下流側に配置されていた野生型ayw・S−HBs・Agフラグメントと置き換えた。次に、LIPOFECTAMINE Plus試薬(米国、メリーランド州のLife technologies社)を用いてCOS−7細胞系についてトランスフェクションを行なった。その後、COS−7細胞感染により分泌した変異体S−HBs・Agを含有している培養液の上澄み液を収集して、新鮮な培地をトランスフェクション後の72時間おきに加えた。野生型ayw(wt(ayw))・S−HBs・Ag(GeneBank受け入れ番号J02203)もまた対照として使用するために発現した。【0011】実施例4:組換え型HBs・Ag抗原免疫測定およびエピトープ分析組換え型wt(ayw)およびLBN変異体S−HBs・Agの発現をサンドイッチ形式における固相EIA(酵素免疫測定)により決定した。1種類のポリクローナル抗体および6種類のモノクローナル抗体(mAb(s))のパネルを用いてこの調査を行なった。これらはヤギの抗HBs・Ag(ay/ad)(米国、マサチューセッツ州、フィッツジェラルド社)、HB−1、HB−8、HB−9、HB−13、HB−14およびHB−16である。6種類全てのモノクローナル抗体mAb(s)を血清誘導した野生型のHBs・Agに対応して培養し、これらはadおよびayの両方の亜類型に対して反応性を有していた。EIA(酵素免疫測定)により血清および組換え型HBs・Agの反応性を測定した。基本的に、精製したモノクローナル抗体mAb(s)またはポリクローナル抗HBs・Agをマイクロタイター・プレート上に塗布して使用時まで4℃に維持した。酵素免疫測定(EIA)を行なう前に、各プレートをBSAを含有するPBSにより25℃で2時間遮断した。さらに、50μLのHRP接合体の各モノクローナル抗体と混合した150μLのサンプル(血清または希釈した組換え型HBs・Ag培養体)により抗体酵素免疫測定(EIA)を1工程のサンドイッチ形式で行なった。各プレートを37℃で90分インキュベートした後に、0.005%のTween 20を含有するPBSにより6回洗浄した。次に、200μLのOPD溶液(米国、シグマ社)を伴う30分間の最終的なインキュベーションにより各プレートを現像した。その後、50μLの4規定(4N)硫酸により着色現像を停止した。この吸光度を自動マイクロタイター・プレート読取装置(米国、Molecular Devices社)上で読み取り、これらの結果を490nm(ナノメートル)における光学密度(OD)として表現した。未変性または原生のHBs・Agおよび合成ペプチドに対する各モノクローナル抗体(mAb)の反応性を評価するために、直接酵素免疫測定(direct EIA)法を行なった。すなわち、精製して量的に調節した各モノクローナル抗体(mAb)の一連の希釈物をプレート上でインキュベートし、これらの各プレートは精製した未変性のHBs・Agまたは酸化処理したペプチドにより予め塗布していた。ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ接合したラビット抗マウスIgGを伴う次のインキュベーションにより結合したマウスIgGを検出した。この反応性を酵素触媒化OPD着色現像処理により確認した。組換え型変異体および野生型S−HBs・Agもウエスタン免疫ブロット法により分析した。HBs・Agの培養液の上澄み液を遠心フィルター(米国、Millipore社、Biomax-100)により15倍に濃縮した。この濃縮物をNuPAGE10%ビス−トリスSDSゲル(米国、サンデイエゴ、Novex社)上で展開した後に、ニトロセルロース膜に移した。移した蛋白をHBs・Agモノクローナル抗体(mAb)により免疫ブロット処理した。この結合は免疫ブロット・システム(米国、BioRad, GAM-AP社)を用いて検出した。【0012】実施例5:HBs変異体DNAシーケンスおよびアミノ酸シーケンスの分析 新規なLebanese(LBN)変異体のHBs・DNAシーケンスを遺伝子型について分析した。変異体のHBs・DNAシーケンスとその他の28種類の特定のHBs遺伝子型株との間のシーケンス比較によりこの変異体HBsを遺伝子型D群に分類した(図1)。この患者の血清についての血清学的な型の類別は行なわなかったが、このHBs変異体のアミノ酸シーケンスはayw2・HBs亜類型に対して最も高い相同性を示した。5種類の全てのクローン体において上記LBN変異体の位置32乃至位置226内における5種類のアミノ酸変異が見られた。これらは、位置103のM(メチオニン)(ATG)→I(イソロイシン)(ATT)、位置118のT(トレオニン)(ACG)→K(リジン)(AAG)、位置120のP(プロリン)(CCA)→Q(グルタミン)(CAA)、位置175のL(ロイシン)(TTA)→S(セリン)(TCA)および位置213L(ロイシン)(TTA)→S(セリン)(TCA)である。アミノ酸位置122においては、3種類のクローン体がArg(アルギニン)(AGA)のシーケンスを有していたが、2種類のクローン体はLys(リジン)(AAA)のシーケンスを有していた。組換え型LBNのHBs・Ag発現においては、Arg(アルギニン)(位置122)を有するシーケンスを用いた。102 - 110 - 120 - 130 - 140 - 150配列番号5の配列wt(ayw2) GMLPVCPLIPGSSTTSTGPCRTCTTPAQGTSMYPSCCCTKPSDGNCTCI配列番号6の配列 LBN -I--------------K-Q------------------------------【0013】野生型HBs・Agのコンセンサス・シーケンス(共通配列)を遺伝子型D群の別の3種類の株(X02496、M32138およびS7)から誘導した。太字は「a」決定因子領域を示している(Stirk HJ、Thornton JM、Howard CRの「B型肝炎の表面抗原に対応するトポロジカル・モデル(A topological model for hepatitis B surface antigen)」(Intervirology、1992年、33(3)、第148頁乃至第158頁))。【0014】実施例6:COS−7細胞における組換え型HBs・Agの過渡的発現分泌した組換え型HBs・Ag発現は精製した野生型の組換え型HBs・Agで換算して0.1mg/リットル乃至0.2mg/リットルの範囲内であった。培養液の上澄み液内の分泌したHBs・Agのみの発現について調べた。この結果、72時間および144時間の各時点における発現量において有意差はなかった。72時間および144時間において収集した上澄み液に比較して216時間において収集した培養液の上澄み液は1/5のみの発現したHBs・Agを示した。【0015】実施例7:免疫反応性の分析組換え型HBs・Ag(ayw)および新規な変異体HBs・Ag(LBN)の各培養液の上澄み液を6種類のモノクローナル抗体(mAb(s))から成るパネルによりそれぞれの反応性について調べた。各培養液の上澄み液を1:40または40倍に希釈して同量の抗原濃度を確保した。この結果、各アミノ酸変異体は野生型(wt)HBs・Agに対する4種類のモノクローナル抗体(mAb(s))の結合親和性に明らかに影響を及ぼした。HB−16が最も影響を受けて、約90%の結合強度が失われた。一方、予想外に、2種類のモノクローナル抗体(mAb(s))、すなわち、HB−13およびHB−14のLBN変異体に対する結合強度は5倍乃至6倍に有意差をもって増加した。ペプチド・マッピングにより、上記の2種類の抗体が最初のループ領域内の線形シーケンスに対して特異的であり、モノクローナル抗体(mAb)のHB−9は第2のループ領域に配置されている位置137乃至位置147のシーケンスに対して特異的であることが分かった。さらにHB−1,HB−8およびHB−16の3種類のモノクローナル抗体(mAb(s))は全て一致した特異性を示した。これらは免疫ブロット処理においてSDS変性したHBs・Agに対して反応しないが、直接酵素免疫測定(EIA)において比較的高い希釈タイター(滴定量または力価)を示した。一方、モノクローナル抗体(mAb(s))のHB−13およびHB−14は野生型およびLBN型の両方のHBs・Agに対して良好にブロットされ、これら2種類のモノクローナル抗体(mAb(s))が変異部位に関係なく変性した各エピトープを認識していることを示した。【表1】【表2】【0016】本発明の実施態様は以下の通りである。(1)組換え型ホスト内において変異体B型肝炎表面抗原を発現するための発現ベクターであって、請求項1に記載の変異体B型肝炎表面抗原をコード化する組換え型遺伝子を含有しているベクター。(2)請求項1に記載の変異体B型肝炎表面抗原に対応して培養したモノクローナル抗体。(3)実施態様(2)のモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞系。(4)B型肝炎表面抗原に対して特異的に結合する少なくとも1種類のモノクローナル抗体を含有するコンテナを備えている検査サンプル中のB型肝炎の存在を決定するための検定装置であって、前記モノクローナル抗体が実施態様(3)に記載のハイブリドーマ細胞系により分泌されたモノクローナル抗体である装置。【0017】【発明の効果】従って、本発明によれば、B型肝炎ウイルス表面抗原(HBs・Ag)の新規な表面変異体が提供できる。【図面の簡単な説明】【図1】HBs・Ag(B型肝炎表面抗原)ゲノムの系統樹および受け入れ番号(accession numbers)を示す図である。一連のS1株乃至S13株を文献(Norder H、Hammas B、Lofdahl S、Courouce AM、およびMagnius LOの「B型肝炎の9種類の異なる血清型のアミノ酸シーケンスの比較および対応するB型肝炎ウイルス株のゲノム分類」(J Gen Virol.1992年5月、73(第5部)、第1201頁乃至第1208頁)に基づいて入手した。GenBank受け入れ番号を残りの各株に対して記載した。 アミノ酸シーケンスを含む単離した変異体B型肝炎表面抗原において、B型肝炎野生型ayw2株からの変異が、配列番号7の配列に示されるように、位置71においてイソロイシンがメチオニンの代わりに存在し、位置86においてリジンがトレオニンの代わりに存在し、位置88においてグルタミンがプロリンの代わりに存在し、位置143においてセリンがロイシンの代わりに存在し、位置181においてセリンがロイシンの代わりに存在するように生じる変異体B型肝炎表面抗原。 組換え型ホスト内において変異体B型肝炎表面抗原を発現するための発現ベクターであって、請求項1に記載の変異体B型肝炎表面抗原をコード化する組換え型遺伝子を含有しているベクター。