生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_フィチン酸強化栄養補助組成物
出願番号:2001079105
年次:2010
IPC分類:A61K 31/6615,A23L 1/28,A23L 1/30,A61K 31/7004,A61K 36/06,A61P 3/06,A61P 9/10,A61P 35/00,A61P 39/06


特許情報キャッシュ

岩崎 輝明 JP 4473462 特許公報(B2) 20100312 2001079105 20010319 フィチン酸強化栄養補助組成物 株式会社玄米酵素 397080449 竹沢 荘一 100060759 中馬 典嗣 100087893 森 浩之 100086726 岩崎 輝明 20100602 A61K 31/6615 20060101AFI20100513BHJP A23L 1/28 20060101ALI20100513BHJP A23L 1/30 20060101ALI20100513BHJP A61K 31/7004 20060101ALI20100513BHJP A61K 36/06 20060101ALI20100513BHJP A61P 3/06 20060101ALI20100513BHJP A61P 9/10 20060101ALI20100513BHJP A61P 35/00 20060101ALI20100513BHJP A61P 39/06 20060101ALI20100513BHJP JPA61K31/6615A23L1/28 ZA23L1/30 BA23L1/30 ZA61K31/7004A61K35/70A61P3/06A61P9/10A61P35/00A61P39/06 A23L1/00-1/48, A61K31/33-31/80,36/00-36/9068, A61P35/00-35/04,39/06 JSTPlus(JDream2), JSTPlus(JDream2), JMEDPlus(JDream2), JST7580(JDream2), Pubmed 特開平06−319539(JP,A) 特開平07−067635(JP,A) 特開2004−065156(JP,A) 国際公開第98/043498(WO,A1) 特開平08−214822(JP,A) 特開平07−236439(JP,A) 特開平06−253775(JP,A) 特開平04−360659(JP,A) 特開平08−085789(JP,A) 特開平02−262584(JP,A) Vucenik I. et al,Inositol hexaphosphate and inositol inhibit DMBA-induced rat mammary cancer.,Carcinogenesis. ,1995年,Vol.16, No.5,p.1055-8 3 2002275069 20020925 9 20050711 澤田 浩平 【0001】【発明の属する技術分野】 この発明は、癌発症抑制作用の優れた、イノシトールとその化合物を含む栄養補助組成物に係り、特に米糠を蒸して、麹菌、例えばアスペルギルスオリーゼ菌株群(Aspergillus oryzae strain)を混合して培養、熟成させて米糠麹を造り、麹菌は死滅させて、麹菌が生成した酵素群は、酵素本来の触媒作用能力を喪失させない状態で、乾燥粉体とした米糠麹乾燥微粉体に、フィチン酸(ミオイノシトールヘキサ燐酸,略記号IP6)を混合一体とし、フィチン酸の吸収性を高めた、フィチン酸強化栄養補助組成物に関する。【0002】【従来の技術】 米糠麹は製造上の困難から一般的ではない。また、ガンとは、一般に悪性腫瘍を総称して云う。発ガン原因としては、発ガン物質による化学性発ガンと、ウイルス性発ガンとに大別されている。 化学性発ガン物質としては、膨大な数の発ガン物質が挙げられている。ウイルス性発ガンについても、100種を超えることが明らかにされている。またガン化が起るのは、その人の持つ遺伝子との組合わせが、関与していることが明らかとなり、ガン遺伝子は100種以上が報告されている。【0003】 最近、制ガン化学療法に対して、「キラー細胞や免疫担当細胞を介した宿主の生体防御機能を用いて、直接的にガン細胞を破壊する、或いは生体の機能を強化することによって、間接的にガンを退縮させる生体機能の強化」に視点が置かれて、生体応答調整剤(BRM=biological response modifiers)の考え方が、医学界で提唱されている。【0004】 これに伴って、免疫系を活性化させる医薬品や食品の研究も進み、細菌や眞菌由来の食品、例えば乳酸桿菌、乳酸球菌、担子菌菌糸体培養物(麹菌)、ビール酵母、茸類の子実体などは、白血球膜表面への刺激活性を有していることが多いとされる。 この代表例としては、植物に含まれるβーグルカンや、乳酸菌などのグラム陰性菌の細胞壁で構成している、一般にはLPSと称される成分での免疫系の刺激、サイトカイン(特異的抗原に接触した、感作リンパ球により放出される可溶性物質群で、単球あるいはマクロファージなどを刺激することによって、細胞性免疫の働きを助けるリンフォカインのような、非抗体蛋白の総称。免疫応答の際、細胞間調節因子として働く。)の産生及び放出が挙げられている。【0005】 野菜などに含まれている、抗変異原物質としての有効成分として、例えばビタミンC、プロリン(α−アミノ酸の一種)、硫化プロリン、グルタチオン(還元作用がある)、システィン(イオウ原子を含むα−アミノ酸、構造中の−SHが生物活性に重要)、などのビタミンや硫黄と水素の化合物、食物繊維などが挙げられている。 植物には、フィチン(フィチン酸のカルシウム,マグネシウム塩)態のフィチン酸(ミオイノシトールのヘキサ燐酸エステル,略記号IP6)、イノシトール化合物(IP5,IP4,IP3,IP2,IP1)も多い。これらは体内で加水分解されて、変異原物質生成の抑制、変異原物質の不活化、変異原物質の代謝活性化抑制、代謝活性化変異原物質の不活化、遺伝子の突然変異の固定化抑止などに、優れた作用効果をもつことが、学術的に明らかにされてきている。【0006】 一方で、これら野菜や食物繊維を大量に食べなくても、ミオイノシトールやフィチン酸を少量摂取するだけで、効果的な抗ガン作用があることが、学術報告(第1回米の高度利用に関する国際シンポジューム=1998年6月於京都)の中に多数散見されている。 フィチン酸とミオイノシトールの精製物は、蛋白質と結合していないので、摂取して、よりよく吸収されて効果が高いと考えられ、この併用投与によるヌードマウスの実験では、大腸ガン、繊維肉腫、乳ガンなどの発症抑制効果が報告されている。ヒトでは1日あたり1〜2gのフィチン酸摂取で、大腸癌予防効果が有り、リスクの高い人でその2倍で充分とされ、治療用には5〜8g使用すればよいとされている。【0007】 このフィチン酸は、抗癌物質であるばかりでなく、老化防止、動脈硬化予防、脂肪肝予防、抗酸化作用があるとの前記学術報告があり、健康維持のための栄養補助素材として特に適しているとされる。 その報告によると生体内には、外部から体内に入ってくる変異原物質の化学物質を解毒して、不活化させる役割を持つグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)という酵素があるが、実験ラットにフィチン酸(飼料の2%)を摂取させると、ラットの肝臓における、これらガン原性物質を含む化学物質を不活化させるGST活性は、統計的に有意差をもって上昇し、変異原物質を減少させる。【0008】 フィチン酸は、それ自体が大腸ガンに対して、予防効果を持っているばかりでなく、緑茶(濃度2%)と併用すると、効果的な抑制効果が期待できるということ、またミオイノシトールと併用することにより、抑制効果を高めることが出来るとの報告がある。またミオイノシトールは、血圧をさげ、肝臓に蓄積した脂肪を除去し、末梢精神安定をさせる作用が有り、最終的には腎臓で炭酸ガスに分解される。【0009】【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、このフィチン酸は、ラット等では小腸粘膜由来の6−フィターゼ(6−phytase、加水分解して、6−燐酸を除去する酵素)などにより加水分解されてから吸収されるが、人の場合は、小腸粘膜由来の6−フィターゼ活性は、ラットに比べて極めて低いため、せっかく摂取しても食事由来の6−フィターゼがない場合は、ほとんど吸収できないという難点が有る。 また、フィチン酸を含む野菜や食物繊維を大量摂取することは、食事的にも、又消化機能的にも大きな問題が有る。【0010】 一方、栄養に関わる代謝機能の障害として、糖代謝機能の低下が、老化の指標として大きな意味をもつ。高齢化が進む中で、人の糖代謝機能が低下するピークは65歳前後とされ、糖代謝を含む栄養代謝全般の機能の低下が、各分泌器官でのエネルギー不足を招き、健康状態の不調の主原因になって、一連の症候群を惹起していることが指摘されている。【0011】 最近の日本における、ガンによる統計的年齢別死亡率は、24,5歳までを数値1とするとき、40歳を過ぎると一挙に9倍を超える。50代には29倍、60代には70倍、70代には152倍と飛躍的に増加する。 この数値は、まさに前記老化による代謝機能低下に伴う免疫機能の低下の、流れに沿っているものということができる。【0012】 日本人に発症するガンとしては、胃ガンが圧倒的に多かったが、最近の日本では、肉食が増加し、かつ野菜食が減少したなどの食事に偏りが生じた事を原因として、大腸ガンの発症率が増加し、また脂肪を多く摂取する国では乳ガンが多いとされているが、日本での乳ガン発症率も増加傾向を示している。【0013】 本発明者は、身体の老化を抑止するのは、バランスのよい栄養の摂取と、生体における組織細胞の環境の向上による、新陳代謝の活性化によるものとし、更に健康維持そのものが、免疫機能の活性化に繋がり、諸疾患の予防と抑止効果があるとの研究上の認識から、誰でも簡単に摂取することができ、栄養価が高くて、吸収性のよい栄養補助食品の研究を重ねてきた。【0014】 その結果、米糠麹を主材として、失活していない酵素を含む穀質の組成物に、抗ガン物質のフィチン酸を添加混合した組成物が、栄養バランスがよく、細胞の環境の向上に寄与して細胞を活性化し、新陳代謝機能と免疫機能の活性化を促進し、合わせて変異原物質の一っとなる体内の活性酸素等を抑制し、がん発症の抑制効果があること、並びに、特に、本発明組成物における麹菌が産生した6−フィターゼは、抗ガン物質フィチン酸を加水分解し、吸収されやすくすることを突止め、この発明を完成した。【0015】【課題を解決するための手段】 本発明においては、前記課題を解決するために、次のような技術的な手段を採用した。 すなわち、米糠を蒸し、これに麹菌株群を培養、熟成させ、米糠麹を得て、麹菌を死滅させて死菌体を含む乾燥体とし、麹菌株群が産生した酵素群が、酵素本来の触媒作用を喪失されていない状態で、そのまま含まれた乾燥米糠麹微粉末とし、これにフィチン酸を混合して、フィチン酸の含有量や作用を強化した組成物とする。 この場合、玄米など穀類を米糠と共に麹菌培養をし、また必要に応じて、乳酸菌や酵母菌を麹菌と共に培養することができる。 ここでいう麹には、米糠麹並びに、穀類麹を30重量%以内含む米糠麹も含まれている。本発明の具体的な構成は、次の通りである。【0016】 (1) フィチン酸を体内で吸収されやすくするために、これを加水分解する6ーフィターゼが含まれた乾燥麹粉末に、フィチン酸を混合するものとし、前記乾燥麹粉末は、製麹後に培養床における麹自体の温度を、44℃〜46℃の範囲の温度に保持して乾燥させて麹菌を死滅させ、酵素は失活していない乾燥麹として製粉した粉末20gあたり、フイチン酸を0.8〜8gの範囲で混合し、一体としてなるフィチン酸強化栄養補助組生物。【0017】 (2) 前記フィチン酸は、造粒賦形材に混合して乾燥麹粉末に混合されている前記(1)に記載のフィチン酸強化栄養補助組成物。【0018】 (3) 前記乾燥麹微粉末は、米糠麹で含有水分2.5%〜3.6%であるこ前記(1)又は(2)に記載のフィチン酸強化栄養補助組成物。【0019】 玄米の表面には、玄米全体の約5%を占める果皮、種皮、糊粉層があり、これと約3%の胚芽があり、これら精米によって剥がされる部分は「米糠」と称されている。米糠の胚芽、表皮部分には糖蛋白、ミネラルやビタミンの他に、フィチン(フィチン酸のカルシウム・マグネシウム塩)態のフィチン酸(イノシトールヘキサ燐酸、略記号IP6)、ミオイノシトール(フィチン酸から燐酸基を除去したもの、酵母やマウスの成長に必要なビタミンB複合体の1っ、抗ガン物質として知られている)、アラビノキシラン(ナチュラルキラー細胞を活性化して抗ガン作用を発揮するといわれる多糖体)、フェルラ酸(抗凝固性物質、ラジカル消去と活性酸素消去の作用を合わせ持ち、大腸癌発生を予防する)、アミノ酪酸(蛋白質に少量存在するα−アミノ酸、脳組織の呼吸に関係ある物質)、多糖類、抗酸化物質、不飽和脂肪酸等が含まれている。【0020】 前記フィチン酸(IP6)は、ミオイノシトールに6個の燐酸が結合したもので、イノシトール異性体には、myo−イノシトール、D−イノシトール、L−イノシトール、シリットの4種が天然に存在している。イノシトール化合物は燐酸の数によって、IP1,IP2,IP3,IP4,IP5などがある。フィチン酸(IP6)は分解されると、ミオイノシトール、IP1,IP2,IP3,IP4,IP5などになる。誘導体としてフィチン酸ナトリウム(NaPh)がある。【0021】 米の種皮などにおける食物繊維の主なものは、植物の細胞壁の主成分であるセルロース(植物線維の基礎物質である多糖類)、ヘミセルロース(植物細胞壁の多糖類で、キシラン、マンナン、ガラクタンその他と密接に関連している)、リグニン(木質細胞壁に存在する芳香族系重合物質)、ペクチン(植物の細胞間物質として存在するゼラチン様の酸性多糖類)、アルギン酸(海藻類の細胞膜を形成している粘液質の多糖類)、グルコマンナン(マンノースを主成分とする多糖類)などである。多糖体(高分子糖鎖)は、白血球を活性化し、サイトカインネットワークを刺激し、ホルモン系を活動させ、免疫機能を活性化する、ということが知られている。【0022】 胚芽などに含まれている天然の蛋白のほとんどは、糖と結合した糖蛋白である。糖蛋白の糖鎖の生理学的意味は、まだよく解明されていないが、既に知られている糖鎖の機能としては、糖鎖の形の違いによる細胞相互間の認識、それに伴う生体内の移動、細胞の蛋白代謝等に深く関わっており、活性酸素や細菌など「変異原物質」による炎症が、糖鎖の変化を招いて、細胞相互間の認識障害を招き、免疫不全や代謝不全等を惹起するのではないかと考えられる。【0023】 乳酸菌は、米糠の糖分を分解する。また41℃以上の熱で死滅するが、その死菌体は、その細胞を構成する成分に、生体内の種々の免疫反応を賦活化し、高い抗腫瘍作用や感染防御効果がある、との実験報告がある。また食物繊維のほかに、乳酸菌を単独で投与しても、ガン細胞の肝移転の個数が抑制されるスカベンジャ(清掃作用)効果があるとの報告がある。【0024】 以上、これらの物質が多く含まれた本発明組成物は、栄養バランスがよく、生体防御賦活物質が多く含まれている。これを継続して摂取することにより、相乗作用によって細胞の環境の向上を図ることができる。 その結果として、細胞に栄養とエネルギーを与え、代謝機能、免疫機能等を活性化させて、健康維持を図ることができる。加えて、この組成物に多く含まれている、「変異原物質」を抑制する物質がこれを抑制し、大腸前ガン病変の発症を抑制し、結果として大腸ガン発症抑制に優れた効果を発輝する。【0025】【発明の実施の形態】 この発明の実施の形態例を説明する。 まず製法として、米糠を蒸して、麹菌株群、例えばアスペルギルスオリーゼ菌株群(Aspergillus oryzae strain))を0.1重量%ほど加えてよく混合させて、糠麹を製造した。 この場合、他の麹菌(A.kawachii、A.awamori、A.Usamii)の中から選択される麹菌を使用する事もある。また必要に応じて乳酸菌を少量(2.5×10〜3.0×102個/g程度)添加する。必要があれば、酵母菌も乳酸菌と同量程度添加させることができる。また必要に応じて牡蠣殻粉末を0.1重量%程度混合して蒸す。【0026】 麹を造る過程で麹菌株群は、盛んにアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの分解酵素を分泌して米糠の糖、蛋白などを低分子に分解する。乳酸菌は糖分を分解させる。 その後、そのまま培養床の米糠麹を、室温46℃〜53℃で9時間乾燥させる。品温は44℃〜46℃の範囲に抑え、麹菌と乳酸菌との活動を完全に停止させ、死滅させる。乾燥処理終了時に、含有水分4%以下、2.5%〜3.6%の乾燥体となっている。ちなみに通常の米糠の含有水分は13%〜14%である。 この乾燥米糠麹を篩にかけて、5mm以上の塊固形化物を除去し、粉砕機にかけて、乾燥米糠麹微粉末にする。【0027】 方法実施例2 玄米の表面には、玄米全体の約5%を占める果皮、種皮、糊粉層があり、これと約3%の胚芽があり、これら精米によって剥がされる部分は「米糠」と称されている。米糠の胚芽、表皮部分には糖蛋白、ミネラルやビタミンの他に、フィチン(フィチン酸のカルシウム・マグネシウム塩)態のフィチン酸(イノシトールヘキサ燐酸、略記号IP6)、ミオイノシトール(フィチン酸から燐酸基を除去したもの、酵母やマウスの成長に必要なビタミンB複合体の1っ、抗ガン物質として知られている)、アラビノキシラン(ナチュラルキラー細胞を活性化して抗ガン作用を発揮するといわれる多糖体)、フェルラ酸(抗凝固性物質、ラジカル消去と活性酸素消去の作用を合わせ持ち、大腸癌発生を予防する)、アミノ酪酸(蛋白質に少量存在するα−アミノ酸、脳組織の呼吸に関係ある物質)、多糖類、抗酸化物質、不飽和脂肪酸等が含まれている。【0028】 このようにして製造された乾燥麹微粉末に対して、フィチン酸を添加混合させる。この場合、ミオイノシトールをフィチン酸と併用させることができる。 このフィチン酸の配合量は、組成物の一日量約20g当たり、0.8〜8gになるように、用途別に設定される。 またフィチン酸は粘調の液体なので、後記する造粒用賦形材とあらかじめ混合してから米麹微粉末と混合すると、混合しやすい。また粉末のフィチン酸ナトリウムを代用することができる。【0029】 配合例1 米糠麹微粉末 90重量%〜96重量% フィチン酸 4重量%〜10重量%【0030】 配合例2 米糠麹微粉末 80重量%〜90重量% フィチン酸 10重量%〜20重量%【0031】 配合例3 米糠麹微粉末 100重量%に対して フィチン酸 20重量%〜40重量%の範囲で追加【0032】 配合例4 米糠麹微粉末 90重量%〜96重量% フィチン酸 2重量%〜 5重量% ミオイノシトール 2重量%〜 5重量%【0033】 配合例5 米糠麹微粉末 60重量%〜85重量% 穀類麹微粉 5重量%〜20重量% フィチン酸 6重量%〜10重量% ミオイノシトール 4重量%〜10重量%【0034】 配合例6 米糠麹微粉末 90重量%〜95重量% 穀類麹微粉末 5重量%〜10重量% この配合物に対して、 フィチン酸 13重量%〜20重量% ミオイノシトール 12重量%〜20重量%の範囲で追加【0035】 前記配合例は、これに限定されるものではなく、任意に設定することが出来る。異なった添加物も適宜添加させることが出来る。また、前記乾燥米糠麹微粉末の混合微粉末には、後記する賦形材を添加して、造粒機で、粒度1.2mm〜1.3mm程度の顆粒に造粒して、乾燥後に分包機で、1包の重量3.5g、5g、等袋詰めし、あるいは顆粒にせずに造錠機で造錠される。【0036】 前記賦形材として、これに限定されるものではないが、例えば下記素材と、全量に対する配合割合の範囲で任意に選択し、造粒(造錠)前に配合して、造粒あるいは造錠する。 ぶどう糖 4重量%〜12重量% 乳糖 12重量%〜20重量% 植物油脂 2重量%〜 6重量%【0037】 大腸ガン発癌物質アゾキシメタンにより誘発される、ラット大腸癌発癌モデルにおいて、本組成物(米糠麹86%、穀類麹10%、フィチン酸4%)の抗癌作用の実験をした。 5週令の雄F344ラットを各群30匹として、7群に分けて、実験開始後、第1週から第3週まで各週1回、合計3回アゾキシメタンを15mg/kg皮下投下した。 1群には、最初の5週間は、1日あたり本組成物を基礎食に5%混じて投与した。その後普通食を投与した。 2群には、最初の5週間は、1日あたり本組成物を基礎食に2.5%混じて投与した。その後普通食を投与した。 3群には、最初の5週間は普通食を投与止、その後は1日あたり本組成物を基礎食に5%混じて投与した。 4群には、最初の5週間は普通食を投与止、その後は1日あたり本組成物を基礎食に2.5%混じて投与した。 5群には、最初の5週間は、普通食を投与し、その後、本組成物のフィチン酸を4%にミオイノシトール3%を併用したものを基礎食に1日当たり5%混じて投与した。 6群には対象群として、最初の5週間は通常飼料を投与し、その後はフィチン酸の含まれていない組成物を基礎食に1日あたり5%混じて投与した。【0038】 実験結果、1〜5群における腫瘍の発症率は、1群ー48.14% (13/27)2群ー53.57% (15/28)3群ー14.81% (4/27)4群ー17.27% (5/29)5群ー13.79% (4/29) 6群ー22.22% (6/27) であり、3〜5群に有意な発症抑制効果が認められた。【0039】 この試験において、1,2群はイニシェーションフェーズに本組成物を投与したもので、3群〜6群の、プロモーシヨンフェーズに投与した方が、抑制効果が大きいことが判る。また、対象群6群に比して、フィチン酸を強化した本組成物の有意な抑制が示めされている。【0040】 このように本発明組成物は、ヒトの大腸癌発症予防組成物としても有望と考えられる。本組成物をヒトが摂取して効率のよい量は、1日あたり14g〜28gで、保健的に栄養補助食品として摂取する場合は14g程度でよい。標準として1日21gが好ましい。前記試験用組成物5%におけるフィチン酸は、本組成物20gあたり約0.8gにあたる。【0041】 一方、対比として、フィチン酸によるF344ラットの大腸がん発症抑制例を次に示す。 1群(29匹)は無処置。2群(50匹)はフィチン酸0.1%を混じた水、3群(50匹)はフィチン酸0.25%を混じた水をそれぞれ投与。 実験開始6週目から全期間フィチン酸を投与。発癌物質AOMは8週目から14週目まで週1回皮下注射した。44週目に大腸癌の発症頻度を計測した。【0042】 実験結果、腫瘍発生率は、 1群 58.6%(17/29匹) 2群 46.0%(23/50匹) 3群 28.0%(14/50匹) 1匹当りの平均腫瘍発生数は、 1群 0.68±0.12 2群 0.60±0.12 3群 0.30±0.07【0043】 この実験例によると、3群に有意差が見られる。このフィチン酸0.1%は、体重67kgの人に対比すると約100mgのフィチン酸経口摂取量に相当する。しかし、大腸ガン発症率は、本組成物(フィチン酸含有量換算約72mg)の5群に対して約2培という数値である。 他方、フィチン酸の含有量の多いフスマを実験ラットに投与して29週間実験した結果、有意差は見られなかった。このフスマに含有されているフィチン酸量と等量のフィチン酸を投与した実験では有意差が認められた。【0044】 これらのことから、フィチン酸を含む植物を多量に摂取しても、量に対応する効果は期待できないこと、並びに、本組生物は、6ーフイターゼを含み、フィチン酸を加水分解して吸収しやすくすることから、フィチン酸を効率的に作用させることが、認められる。【0045】 漢方薬の効果は、即効性でなく、身体の健康を回復させながら疾患を改善させることにあり、本発明の組成物も、組織細胞の環境の向上を図る栄養とエネルギーを供給し、合わせて代謝機能並びに免疫機能を向上させるもので、漢方薬としての効果を併せ持っている。 なお、この発明は、前記形態例に限定されるものではなく、任意の素材を選択的に添加させることが出来る。【0046】【発明の効果】 この発明は、次にような優れた効果を有している。【0047】 (1) 請求項1記載の発明は、組成物を栄養補助物として摂取するとき、栄養バランスがよく、生体防御賦活物質が多く含まれており、継続して摂取することにより、相乗作用によって細胞の環境の向上を図ることができる。 その結果として、細胞に栄養とエネルギーを与え、代謝機能、免疫機能等を活性化させて、健康維持を図ることができる。 加えて、この組成物に多く含まれているガン発症抑制物質が、ガン病変の発症を抑制し、結果としてガン発症抑制に優れた効果を発輝する。特にフィチン酸は、蛋白と結合していな状態のものが添加されているので、吸収されやすく、また本組成物における麹菌が産生した6−フィターゼは、フィチン酸を加水分解して、さらに吸収されやすくし、フィチン酸、イノシトール化合物の有する体脂肪抑制、抗ガン作用を効率的に作用させる効果が有る。用途に応じてフィチン酸の配合量を増減させることができる。【0048】 (2) 請求項2に記載された発明は、粘調の有る液体のフィチン酸を、造粒用賦形材とあらかじめ混合したことによって、乾燥麹粉末に均等に混合させることが出来る効果がある。【0049】 (3) 請求項3に記載された発明は、水分含有率が極めて少ないので、密封保存により、酵素分解、醗酵などの虞がなく耐久性に優れている効果がある。 フィチン酸を体内で吸収されやすくするために、これを加水分解する6ーフィターゼが含まれた乾燥麹粉末に、フィチン酸を混合するものとし、前記乾燥麹粉末は、製麹後に培養床における麹自体の温度を、44℃〜46℃の範囲の温度に保持して乾燥させて麹菌を死滅させ、酵素は失活していない乾燥麹として製粉した粉末20gあたり、フイチン酸を0.8〜8gの範囲で混合し、一体としてなることを特徴とするフィチン酸強化栄養補助組生物。 前記フィチン酸は、造粒賦形材に混合して乾燥麹粉末に混合されていることを特徴とする、請求項1に記載のフィチン酸強化栄養補助組成物。 前記乾燥麹微粉末は、米糠麹で含有水分2.5%〜3.6%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィチン酸強化栄養補助組成物。


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