生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_クラリスロマイシン結晶型IIの製造方法
出願番号:2000568857
年次:2006
IPC分類:C07H 17/08


特許情報キャッシュ

リー・テースク リー・ジュチョール リー・キョンイク リー・グワンスン キム・ワンジュー JP 3779155 特許公報(B2) 20060310 2000568857 19990908 クラリスロマイシン結晶型IIの製造方法 ハンミ ファーム. シーオー., エルティーディー. 599139534 青山 葆 100062144 田村 恭生 100068526 大角 美佐子 100096079 リー・テースク リー・ジュチョール リー・キョンイク リー・グワンスン キム・ワンジュー KR 1998/37181 19980909 20060524 C07H 17/08 20060101AFI20060427BHJP JPC07H17/08 B C07H 17/08 CA(STN) 国際公開第98/04574(WO,A1) 4 KR1999000530 19990908 WO2000014099 20000316 2002524465 20020806 5 20010309 關 政立 【0001】発明の分野本発明は、クラリスロマイシンを水で処理することによって残留有機溶媒を有しないクラリスロマイシン結晶型IIを製造する方法に関する。【0002】発明の背景クラリスロマイシン(6−O−メチルエリスロマイシンA)は、広範囲な抗菌活性を示す、下記一般式(I)の半合成マクロライド抗生物質である。【化1】【0003】国際公開特許第WO 98−04573号、第WO 98−04574号に開示されているように、クラリスロマイシンは2種類の結晶型、すなわち、"結晶型I"、"結晶型II"として存在することが知られている。前記結晶型は、赤外線分光法、示差走査熱量測定法および粉末X線回折分光法によって確認することができる。クラリスロマイシン結晶型Iは、エタノール、テトラヒドロフラン、イソプロピルアセテート、イソプロピルアルコールまたはこれらの混合物から再結晶化することによって製造される。しかし、熱力学的にさらに安定な結晶型IIが現在市販の薬物製剤に用いられている。【0004】クラリスロマイシン結晶型IIは、クロロホルム/イソプロピルエーテル(1:2)での結晶化によって製造されているが(文献[Merck Index第12版、395頁]参照)、この方法には、生成される結晶型IIが残留有機溶媒を含むという問題がある。反面、結晶型Iを真空下、80℃以上の温度で長時間加熱して結晶型IIを得ることもできるが(国際公開特許第WO98−04573号参照)、この方法は生産性が低いという問題がある。【0005】国際公開番号第WO98−04574号は、種々の有機溶媒系または水混和性有機溶媒を含有する水性溶媒を用いてクラリスロマイシン結晶型IIを製造する方法を開示している。しかし、この方法は、回収率が比較的低く(約9〜83%)、有機溶媒が残存するという問題を依然として有している。【0006】したがって、純粋なクラリスロマイシン結晶型IIを高収率で製造する新規で、かつ簡単な方法の開発が望まれていた。【0007】発明の要約したがって、本発明の主な目的は、残留溶媒を含まない純粋なクラリスロマイシン結晶型IIを高収率で提供することである。【0008】本発明によれば、クラリスロマイシンを水、または水と水不混和性有機溶媒との混合物で処理することを含むクラリスロマイシン結晶型IIの製造方法が提供される。【0009】図面の簡単な説明本発明の前記および他の目的および特徴は、下記の図面を伴う本発明の詳細な説明によって明白になる。図1は、クラリスロマイシン結晶型IIの粉末X線回折スペクトルを示す。【0010】発明の詳細な説明本発明によるクラリスロマイシン結晶型IIの製造方法は、クラリスロマイシンを水、または水と水不混和性有機溶媒との混合物で処理し、処理された結晶を分離する段階を含む。【0011】本願に用いられる用語"クラリスロマイシン"は、精製された結晶型Iまたは精製された結晶型IとIIの混合物、またはこれらの製造工程中に形成される粗反応生成物を指す。クラリスロマイシンを製造する代表的な方法は、米国特許第4,331,803号、第4,670,549号、第4,672,109号、第4,990,602号およびヨーロッパ特許260 938号に開示されている。【0012】本発明による処理段階は、クラリスロマイシン結晶型Iを結晶型IIに転換するに十分な時間、たとえば、約1〜4時間周囲温度で攪拌することによって行われる。【0013】本発明に用いられる水は、蒸留水または脱イオン水であり、クラリスロマイシン使用量の3〜10倍の量で使用される。【0014】所望により、本発明に使用される水不混和性有機溶媒は、クラリスロマイシンを有意の程度に溶解しないものであり、その例としては、C5−7炭化水素、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸メチルなどを挙げることができる。所望による水不混和性有機溶媒はクラリスロマイシン原料に存在し得る不純物を溶解することによって生成物の純度をさらに増加させる作用をする。そのような有機溶媒は、クラリスロマイシン使用量の0.5〜2倍の量で使用される。【0015】クラリスロマイシン結晶を十分処理した後、得られた結晶を通常の方法によって濾過および乾燥して純粋なクラリスロマイシン結晶型IIを95%以上の高収率で得る。【0016】本発明の方法は非常に簡単であり、低コストで95%以上の高収率で残留有機溶媒を含まない純粋なクラリスロマイシン結晶型IIを提供する。【0017】下記実施例は本発明をさらに詳細に説明するためのものであり、本発明の範囲を制限しない。【0018】実施例1:水からのクラリスロマイシン結晶型IIの回収クラリスロマイシン(純度:95.5%)100gを水500mlに加えた後、生成した混合物を室温で2時間激しく攪拌した。結晶を濾過し、60℃の真空オーブンで一晩乾燥してクラリスロマイシン結晶型II 97gを得た(純度:97.4%、収率97%)。【0019】実施例2:水およびヘキサンからのクラリスロマイシン結晶型IIの回収クラリスロマイシン(純度:95.5%)100gを水500mlに加えた後、得られた混合物を室温で2時間激しく攪拌した。これにヘキサン100mlを加え、混合物を室温でさらに1時間攪拌した。生成した結晶を濾過し、60℃の真空オーブンで一晩乾燥してクラリスロマイシン結晶型II 95gを得た(純度:97.7%、収率95%)。【0020】実施例3:水および酢酸エチルからのクラリスロマイシン結晶型IIの回収ヘキサンの代りに酢酸エチルを用いる以外は、実施例2と同様な手順を繰返してクラリスロマイシン結晶型II 95gを得た(純度:98.0%、収率:95%)。【0021】実施例4:水および酢酸メチルからのクラリスロマイシン結晶型IIの回収ヘキサンの代りに酢酸メチルを用いる以外は、実施例2と同様な手順を繰返してクラリスロマイシン結晶型II 95gを得た(純度:97.9%、収率:95%)。【0022】実施例5:水およびジエチルエーテルからのクラリスロマイシン結晶型IIの回収ヘキサンの代りにジエチルエーテルを用いる以外は、実施例2と同様な手順を繰返してクラリスロマイシン結晶型II 97gを得た(純度:97.5%、収率:97%)。【0023】実施例1〜5で得られたクラリスロマイシン各々の粉末X線回折パターンは図1に示したクラリスロマイシン結晶型IIの回折パターンと同様であった。【0024】本発明を前記特定実施態様と関連させて記述したが、添付した特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内で、当該分野の熟練者が本発明を多様に変形および変化させ得ることは明らかである。【図面の簡単な説明】【図1】 図1は、クラリスロマイシン結晶型IIの粉末X線回折スペクトルを示す。 クラリスロマイシン原料を水、または水とC5−7炭化水素、ジエチルエーテル、酢酸エチルおよび酢酸メチルからなる群から選択される水不混和性有機溶媒との混合物と撹拌し、生成した結晶を濾過して分離することを特徴とする、クラリスロマイシン結晶型IIの製造方法。 前記水不混和性有機溶媒が、ヘキサンである、請求項1に記載の方法。 前記水が、クラリスロマイシン原料の3〜10倍の量で用いられる、請求項1記載の方法。 前記水不混和性有機溶媒が、クラリスロマイシン原料の0.5〜2倍の量で用いられる、請求項1記載の方法。


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