タイトル: | 特許公報(B2)_チアゾリン酸誘導体 |
出願番号: | 2000567521 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C07D 277/12,A61K 31/426,A61P 1/16,A61P 3/00,A61P 19/08,A61P 25/28,A61P 39/04 |
バーゲロン,レイモンド,ジェイ.,ジュニア JP 4817498 特許公報(B2) 20110909 2000567521 19990831 チアゾリン酸誘導体 ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド 507371168 細田 芳徳 100095832 バーゲロン,レイモンド,ジェイ.,ジュニア US 09/144,103 19980831 20111116 C07D 277/12 20060101AFI20111027BHJP A61K 31/426 20060101ALI20111027BHJP A61P 1/16 20060101ALI20111027BHJP A61P 3/00 20060101ALI20111027BHJP A61P 19/08 20060101ALI20111027BHJP A61P 25/28 20060101ALI20111027BHJP A61P 39/04 20060101ALI20111027BHJP JPC07D277/12A61K31/426A61P1/16A61P3/00A61P19/08A61P25/28A61P39/04 C07D 277/12 C07D 409/04 A61K 31/426 A61K 31/4412 A61P 1/16 A61P 3/00 A61P 19/08 A61P 25/28 A61P 39/04 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 国際公開第94/011367(WO,A1) 特開昭57−058682(JP,A) 国際公開第97/036885(WO,A1) 特開昭56−120675(JP,A) Raymond J. Bergeron et al.,Evaluation of Desferrithiocin and Its Synthetic Analogues as Orally Effective Iron Chelators,J. Med. Chem.,1991年,Vol.34,p.2072-2078 V. Kishore et al., Synthesis of α-Poly-[N-(2-aryl-Δ-thiazoline-4-carbonyl)-L-lysines] with Antiviral Activity,Indian Journal of Chemistry,1977年,Vol.15B,p.255-257 Raymond J. Bergeron et al.,The origin of the differences in (R)- and (S)-desmethyldesferrithiocin: iron-clearing properties,Annals of the New York Academy of Sciences,1998年 6月,Vol.850,p.202-216 M. A. F. Jalal et al.,Structure of Anguibactin, a Unique Plasmid-Related Bacterial Siderophore from the Fish Pathogen Vibrio anguillarum,J. Am. Chem. Soc.,1989年,Vol.111,p.292-296 16 US1999019691 19990831 WO2000012493 20000309 2002523500 20020730 16 20060830 磯部 洋一郎 【0001】発明の背景本発明を完成させるに至った研究は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)(NIH)より交付された助成金番号3203522−12、RO1HL42817およびRO1DK49108に一部補助された。米国政府はクレームされた発明においておよび当該発明に対して一定の権利を有する。【0002】関連出願本願は、1996年3月29日に出願された同時係属米国特許出願第08/624,289号において開示およびクレームされた主題に関連する主題を含む。【0003】発明の分野本発明は、治療用途において三価金属のキレート化剤として有用な、新規なチアゾリン酸およびその誘導体に関する。【0004】先行技術の記載多くの生物体は、生理学的条件下で形成される水酸化物が不溶性(KSP=1×10-38 )[Acc.Chem.Res.、第12巻、レイモンド(Raymond)ら、“Coordination Chemistry and Microbial Iron Transport”、183〜190頁、(1979)]であるため、三価の鉄〔Fe(III)〕について栄養要求性であるが、自然は、かなり精巧な鉄の貯蔵および輸送システムを発達させてきた。微生物は低分子量リガンド、シデロフォアを利用するが、真核生物は、鉄を輸送するのにタンパク質、例えばトランスフェリンを、鉄を貯蔵するのにタンパク質、例えばフェリチンを利用する傾向がある[Trends in Biochem.Sci.、第11巻、ベルジェロン(Bergeron)、“Iron: A Controlling Nutrient in Proliferative Processes,”133〜136頁(1986)]。【0005】 霊長類における鉄代謝は、この遷移金属の排除のための特定の機構をもたない高効率のリサイクリングプロセスを特徴とする[Clin.Physiol.Biochem.、第4巻、フィンチ(Finch)ら、“Iron Metabolism”、5〜10頁(1986);Ann.Rev.Nutri.、第1巻、ホールバーグ(Hallberg)、“Bioavailability of Dietary Iron in Man”、123〜147頁(1981);N.Engl.J.Med.、第306巻、フィンチ(Finch)ら、“Perspectives in Iron Metabolism”、1520〜1528頁(1982);およびMedicine(Baltimore)、第49巻、フィンチ(Finch)ら、“Ferrokinetics in Man”、17〜53頁(1970)]。有効に除去されえないため、この閉鎖(closed)代謝ループへの「過剰の鉄」の導入は、慢性過負荷に至り、最終的に過酸化的組織傷害に至る[The Molecular Basis of Blood Diseases、セライマン(Seligman)ら、“Molecular Mechanisms of Iron Metabolism”、219頁(1987);Biochem.J.、第229巻、オコネル(O’Connell)ら、“The Role of Iron in Ferritin− and Haemosiderin−Mediated Lipid Peroxidation in Liposomes”、135〜139頁(1985);およびJ.Biol.Chem.、第260巻、トーマス(Thomas)ら、“Ferritin and Superoxide−Dependent Lipid Peroxidation”、3275〜3280頁(1985)]。「鉄過負荷」を説明しうるたくさんのシナリオ、例えば、高鉄分の食事、急性鉄摂取または当該金属の吸収不良がある。これらの状況の各々において、患者は瀉血により治療されうる[Med.Clin.N.Am.、第50巻、ワイントローブ(Weintraub)ら、“The Treatment of Hemochromatosis by Phlebotomy”、1579〜1590頁(1966)]。しかしながら、慢性輸血療法に続発性の、瀉血が選択肢とならない鉄過負荷症候群、例えば無形成貧血およびサラセミアがある[Iron in Biochemistry and Medicine、第II巻、ホフブランド(Hoffbrand)、“Transfusion Siderosis and Chelation Therapy”、499頁(ロンドン、1980)]。過剰の鉄の給源は輸血された赤血球であるため、患者から採血することができない;したがって、唯一の代替法は、キレート化療法である。しかしながら、治療上有効であるためには、キレート化剤は、1日あたり1kgにつき最低0.25〜0.40mgのFeを除去できなければならない[Semin.Hematol.、第27巻、ブリテンハム(Brittenham)、“Pyridoxal Isonicotinoyl Hydrazone: An Effective Iron−Chelator After Oral Administration”、112〜116頁(1990)]。【0006】サラセミアを処置するための新しい治療法の開発においてかなり努力を行なってきたが、ストレプトマイセス・ピロサス(Streptomyces pilosus)により産生される六配位ヒドロキサム酸塩鉄キレート化剤である、デスフェリオキサミン(desferrioxamine)B[Helv.Chim.Acta、第43巻、ビッケル(Bickel)ら、“Metabolic Properties of Actinomycetes.Ferrioxamine B”、2129〜2138頁(1960)]の皮下(sc)注入が、やはり最良のプロトコルである。該薬物の有効性および長期許容性は、文献により十分証明されているが、低効率および経口活性がほとんどないことに伴う多くの欠点を有する。【0007】近年、経口的に活性な治療法として可能性のある、かなりの数の合成鉄キレート化剤、例えば、ピリドキシルイソニコチノイルヒドラゾン(PIH)[FEBS Lett.、第97巻、ポンカ(Ponka)ら、“Mobilization of Iron from Reticulocytes: Identification of Pyridoxal Isonicotinoyl Hydrazone as a New Iron Chelating Agent”、317〜321頁(1979)]、ヒドロキシピリドン類[J.Med.Chem.、第36巻、ウーリー(Uhlir)ら、“Specific Sequestering Agents for the Actinides.21. Synthesis and Initial Biological Testing of Octadentate Mixed Catecholate−hydroxypyridinonate Ligands”、504〜509頁(1993);およびLancet、第1巻、コントジオーレス(Kontoghiorghes)ら、“1,2−Dimethyl−3−hydroxypyrid−4−one,an Orally Active Chelator for the Treatment of Iron Overload”、1294〜1295頁(1987)]ならびにビス(o−ヒドロキシベンジル)−エチレンジアミン二酢酸(HBED)類似体[Ann.N.Y.Acad.Sci.、第612巻、グラディ(Grady)ら、“HBED: A Potential Oral Iron Chelator”、361〜368頁(1990)]が研究されているが、いずれもまだ完全に満足のいくものであると証明されていない。興味深いことには、シデロフォアは、この研究において比較的手つかずのままである。それらの鉄除去剤としての評価は、それらの単離および構造の解明の速度とは全く平行していない。実際、最近まで、DFO以外では、同定された100程度のシデロフォアの内わずか2つのみが動物モデルにおいて研究された:エンテロバクチン(enterobactin)[Gen.Pharmac.、第9巻、グーターマン(Guterman)ら、“Feasibility of Enterochelin as an Iron−Chelating Drug: Studies with Human Serum and a Mouse Model System”、123〜127頁(1978)]およびロドトルリン酸(rhodotorulic acid)[J.Pharmacol.Exp.Ther.、第209巻、グラディ(Grady)ら、“Rhodotorulic Acid−Investigation of its Potential as an Iron−Chelating Drug”、342〜348頁(1979)]。前者は、鉄の除去時にかろうじて有効であるにとどまったが、後者の化合物は適度に活性であった。残念ながら、これらの環状シデロフォアは両方とも許容しえない毒性を示し、どちらも経口活性を有しなかった。同等に良好でない特性を有する、選択すべき合成キレート化剤がかなり多数あったため、それらは却下した。【0008】1996年3月29日に出願された米国特許出願第08/624,289号(その全内容および開示は参照により本明細書にとりこまれる)には、組織における三価金属およびその化合物の沈着の抑制ならびにかかる金属および化合物が過負荷である生物の系からのそれらの排除を伴う治療を要するヒトおよび非ヒト動物の治療に有用な、ある種の2−ピリジル−Δ2 −チアゾリン−4−カルボン酸およびその誘導体が開示されている。【0009】本発明の目的は、先行技術の誘導体とは異なる患者における分布容量および脂肪親和性により、薬物の薬物動体学的特性および毒性を制御する能力を付与する、さらなる新規なチアゾリン酸およびその誘導体を提供することにある。【0010】本発明の別の目的は、組織における三価金属およびその化合物の沈着の抑制ならびにかかる金属および化合物が過負荷である系からのそれらの排除を伴う治療を要するヒトおよび非ヒト動物の治療のための新規な医薬組成物および当該ヒトおよび非ヒト動物の治療方法を提供することにある。【0011】発明の概要上記およびその他の目的は本発明により実現される。本発明の一態様は、式:式中:ZはCHまたはNであり;RはHまたはアシルであり;R1 、R2 、R3 およびR5 は同じであっても異なっていてもよく、かつH、14個以下の炭素原子を有するアルキル、または14個以下の炭素原子を有するハイドロカービル(hydrocarbyl)アリールアルキルを表し;ならびにR4 はHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルキルである;の化合物、製薬学的に許容されうる酸とのその塩または製薬学的に許容されうるそれらの錯体を包含する。【0012】本発明の別の態様は、上記化合物の治療上有効量と製薬学的に許容されうる製薬用の担体とを含んでなる単位用量形態の医薬組成物に関する。【0013】 本発明のさらなる態様は、上記で定義した化合物の治療上有効量を動物に投与する工程を含む、ヒトまたは非ヒト動物における、三価金属、そのイオンまたは化合物の過剰に付随する病理学的状態を予防または治療する方法に関する。【0014】 発明の詳細な説明 本発明は、上記の式の化合物が、Fe、AlおよびCrなどの三価金属の重要な生体作用性キレート化剤または金属イオン封鎖剤である、という発見に基づく。それらは、組織における、例えば鉄の沈着を抑制するためにヒトおよび非ヒト哺乳類に投与することができる。また、それらは、例えば、ヘモクロマトーシス、ヘモジデリン沈着、また肝硬変に苦しむ、かかる哺乳類から例えば鉄を排除するのに有用である。また、それらは、透析、脳障害、骨軟化およびアルツハイマー病における用途も見出されている。【0015】 上述の化合物は、アスタリスク(*)を付した不斉炭素原子を特徴とする。これらの炭素原子の周りの結合は四面体的に配置され、したがって不斉炭素原子に結合した置換基は、固定された位置にある。該式は、以下の(i)と(ii)に示すように、(S)または(R)配置のいずれかを示す光学鏡像異性体を表す:【0016】上記式において、Rは好ましくはHであるが、生理学的条件下で遊離のヒドロキシル化合物および生物学的に許容されうる酸に開裂しうる適当なアシル基であってもよい。かかるアシル基は、当該技術分野において公知であり、例えば、アシルラジカル、−C(=O)−(O−CH2 −CH2 )n −O−Alk(式中、nは0〜4の整数であり、AlkはC1 〜C4 アルキル、特にメチルまたはエチルを表す)などの炭酸セミエステル(semiester)、特に、炭酸セミ−C1 〜C4 −アルキルエステル、または炭酸セミ−オキサアルキルエステル〔ここで、オキサアルキルは4〜13個の鎖構成要素(chain member)を有する〕のアシルラジカルである。かかるアシル基は、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルまたは2−(メトキシ−エトキシ)−エトキシカルボニルである。さらに、アシルラジカルは、例えば、アセチルもしくはプロピオニルなどのC1 〜C3 −アルカノイル、または、ジ−C1 〜C4 −アルキルカルバモイルなどの一置換もしくは二置換カルバモイル、例えば、ジメチルカルバモイルもしくはジエチルカルバモイル、またはC1 〜C4 アルコキシカルボニル−C1 〜C4 −アルキルカルバモイル、例えば、メトキシカルボニルメチルカルバモイル、エトキシカルボニルメチルカルバモイルもしくは2−エトキシカルボニルエチルカルバモイルである。【0017】R1 、R2 、R3 およびR5 は同じであっても異なっていてもよく、H、14個以下の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチル、または14個以下の炭素原子を有するアリールアルキル基(ここで、アリール部分はハイドロカービルであり、かつアルキル部分は直鎖もしくは分枝鎖である)であってもよい。【0018】R4 は、Hまたは1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルである。【0019】上記の式の化合物の中で好ましいものは、式:(式中:Z、R、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、上述したことを意味する)のもの、ならびに製薬学的に許容されうる酸とのその塩および製薬学的に許容されうるそれらの錯体である。【0020】特に好ましくは、前記式において:a. ZはCHであり、かつR=R1 =R2 =R3 =R4 =R5 =Hである;b. ZはNであり、かつR=R1 =R2 =R3 =R4 =R5 =Hである;で示される化合物であり、最も好ましくは、光学的に純粋なその異性体である。【0021】また、前記式で示される化合物の製薬学的に許容されうる酸との塩は、本発明の一部を構成することが理解されるだろう。好適な、このような酸には、塩酸、硫酸またはリン酸に加えて、メタンスルホン酸、アルギニン、リジンなどが含まれる。【0022】本発明には、前記式で示されるカルボン酸の製薬学的に許容されうる塩も含まれる。したがって、アンモニウム塩、およびアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムの塩などの金属塩に加えて、亜鉛などの二価の金属の塩、および好適な有機アミンとの塩が含まれ、特に脂肪族、脂環式、脂環式−脂肪族またはアラリファティック(araliphatic)第1級、第2級または第3級のモノ、ジ、またはポリアミン、およびヘテロ環式塩基がかかる塩形成に考慮される。かかるアミンとしては、例えば、低級アルキルアミン類、例えば、トリエチルアミン;ヒドロキシ低級アルキルアミン類、例えば、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミンまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)アミン;カルボン酸の塩基性脂肪族エステル類、例えば、4−アミノ安息香酸、2−ジエチルアミノエチルエステル;低級アルキレンアミン類、例えば、1−エチルピペリジン;シクロアルキルアミン類、例えば、ジシクロヘキシルアミン;またはベンジルアミン類、例えば、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン;またピリジン型の塩基類、例えば、ピリジン、コリジンまたはキノリンがある。さらに、塩類には、分子内塩(双性イオン型の本発明の化合物)が含まれ、ここで塩基性基、例えば、ピリジン環中に存在する塩基性窒素原子は分子中の酸基から発生する水素イオンによりプロトン化される。【0023】それらの高溶解性および良好な許容性のため、前記式で示される化合物の、特に好適な常磁性および/または放射性金属との金属イオン錯体は、診断医学、例えば、X線、放射性核種、超音波および/または磁気共鳴診断における造影剤として使用することができる。【0024】前記式で示される化合物は、図1に示される反応図に従って合成され得、ここでD−cysはD−システインまたはその反応性機能的誘導体である。【0025】前記式で示される化合物中に存在する遊離水酸基は、任意に通常の保護基で保護される。かかる保護基は望ましくない縮合反応、置換反応などから水酸基を保護する。保護基は、例えば、それ自体公知の手段で加溶媒分解または還元により、容易に、即ち望ましくない二次反応を生じることなく導入や除去することができる。保護基およびこれらを導入、分離する方法は、例えば、「有機化学の保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」プレナムプレス(Plenum Press)、ロンドン、ニューヨーク(1973)、および「有機化学の方法(Methoden der organischen Chemie)」ホウベンベイル(Houben-Weyl)、第4版、第15/1巻、ゲオルク・チエメ(Georg Thieme) 出版社、シュトゥットガルト(1974) にも記載されている。【0026】好適なヒドロキシ保護基は、例えば、2,2−ジクロロアセチルなどの、例えばハロゲンで任意に置換された低級アルカノイルなどのアシルラジカル類;または炭酸セミエステルのアシルラジカル類、特にターシャリー−ブトキシ−カルボニル、任意に置換されたベンジルオキシカルボニル、例えば、4−ニトロベンジルオキシカルボニルもしくはジフェニルメトキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、例えば、アリルオキシカルボニル、または2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルなどの2−ハロ−低級アルコキシカルボニル、またトリチルまたはフォルミル;あるいは有機シリルラジカル類、またターシャリー−低級アルキル、例えば、ターシャリー−ブチルなどの容易に分離し得るエーテル化基または5もしくは6員環原子を有する2−オキサもしくは2−チア−シクロアルキル、例えば、テトラヒドロフリルもしくは2−テトラヒドロピラニルまたは対応するチア類似体、ならびにまた、任意に置換されたベンジルまたはジフェニルメチルなどの任意に置換された1−フェニル低級アルキルであり、フェニルラジカルの置換基として、例えば、塩素などのハロゲン、メトキシなどの低級アルコキシ、および/またはニトロが考慮される。【0027】カルボキシ基(Y)の反応性機能的誘導体は、例えば、酸無水物、活性化エステルまたは活性化アミド、シアノ、式−C(ORa )3 もしくは−C(=NH)−Ra の基(式中、Ra は低級アルキル)である。対応する誘導体は、当該分野でよく知られている。【0028】無水物の中でも、混成無水物が特に好適である。混成無水物としては、例えば、ハロゲン化水素酸(hydrohalic acid)などの無機酸を用いるもの、即ち、対応する酸ハロゲン化物、例えば、塩化物または臭化物、また窒化水素酸を用いるもの、即ち、対応する酸アジ化物である。さらに、混成無水物は、例えば、フッ素または塩素などのハロゲンにより任意に置換された低級アルカンカルボン酸、例えば、ピバリン酸またはトリクロロ酢酸などの有機カルボン酸を用いるもの、またはセミエステル類、特に炭酸エチルまたは炭酸イソブチルセミエステルなどの炭酸の低級アルキルセミエステル類を用いるもの、または有機、特に脂肪族または芳香族のスルホン酸を用いるもの、例えば、p−トルエンスルホン酸である。活性化エステルの中でも、例えば、ビニローグ性アルコール類とのエステル(即ち、ビニローグ性低級アルケノール類などのエノール類)、またはジメチルイミノメチルエステルクロリド〔カルボン酸と、例えば式(CH3 )2 N+ =C(Cl)CH3 Cl- で示されるジメチル−(1−クロロエチリジン)−イミニウムクロリド(これは、例えば、N,N−ジメチルアセトアミドとフォスゲンから得ることができる)とから調製される〕などのイミノメチルエステルハロゲン化物、または好ましくは好適に置換されたフェニルエステルなどのアリールエステル類、例えば、塩素などのハロゲンおよび/またはニトロで置換されたフェニルエステル、例えば、4−ニトロフェニルエステル、2,3−ジニトロフェニルエステルもしくは2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニルエステル、N−ベンズトリアゾールエステル類などのN−ヘテロ−芳香族エステル類、例えば、1−ベンズトリアゾールエステル、またはN−スクシニルアミノもしくはN−フタリルイミノエステルなどのN−ジアシルイミノエステル類が挙げられる。好適な活性化アミドは、例えば、イミダゾリド類、また1,2,4−トリアゾリド類、テトラゾリド類または1,2,4−オキサジアゾリノニド類である。【0029】本発明のこの方法の好ましい形態は、ニトリル化合物のシステイン誘導体との反応である。該反応は、水溶性溶媒等の不活性溶媒中で常温又は好ましくは、やや高目の温度、例えば約50〜80℃で、好ましくは不活性ガス雰囲気下で行われる。【0030】結果的に得られる、1以上の官能(水酸)基が保護されている化合物において、後者は、任意に数段階で、または同時に、それ自体公知の手段で、加溶媒分解、特に加水分解または酸分解で、あるいは場合によっては、慎重な還元によっても遊離されうる。シリル保護基は、フッ化物、例えばフッ化テトラエチルアンモニウムで有利に除去される。【0031】本発明の化合物の塩は、それ自体公知の手段で製造することができる。したがて、酸性基を有する化合物の塩は、例えば、好適な有機カルボン酸のアルカリ金属塩等の金属化合物、例えば、α−エチルカプロン酸のナトリウム塩で;あるいは無機アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩、例えば、重炭酸ナトリウムで;あるいはアンモニアまたは好適な有機アミンで処理することにより形成することができ、好ましくは、化学量論量もしくはわずかに小過剰の塩形成剤を使用する。本発明の化合物の酸付加塩は、例えば、酸または好適な陰イオン交換剤で処理することにより通常の方法で得られる。本発明の化合物の分子内塩(双性イオン型)は、例えば、前記化合物や酸付加塩などの塩を等電点で、例えば、弱塩基で中和することにより、もしくは液体イオン交換体で処理することにより形成することができる。【0032】塩は、通常の方法で遊離化合物に変換されうる:金属およびアンモニウム塩は、例えば、好適な酸で処理することにより、酸付加塩は、例えば、好適な塩基性剤で処理することにより、遊離化合物に変換されうる。【0033】出発物質は、市販品として利用可能なものおよび/または公知のものであるか、もしくは公知の方法により製造されうるものである。【0034】ラセミ化合物は、それ自体公知の方法で、例えば、光学鏡像異性体のジアステレオマーへの変換後、例えば、光学活性酸または塩基との反応により、分離されうる。【0035】本発明の製薬学的に許容されうる化合物は、例えば、無機もしくは有機の、固体もしくは液体状の、製薬学的に許容されうる担体と共にまたは混合された有効量の活性物質を含有する医薬組成物の製造に使用されうる。【0036】本発明の医薬組成物は、温血動物、特にヒトへの経口などの腸溶性投与、および皮下などの非経口投与に好適なものであり、それ自体で薬理学的に活性な物質、または製薬学的に許容されうる担体を一緒に含有するものである。活性物質の投与量は、温血動物の種、その年齢や個体の状態、治療する疾患や投与形態にも依存する。【0037】新規な医薬製剤は、約10%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%の活性物質を含有する。本発明の医薬組成物は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセル、座薬またはアンプルなどの単位用量形態であり得、約0.05g〜約10.0g、好ましくは約0.3g〜約1.0gの有効成分を含有する。【0038】本発明の医薬組成物は、それ自体公知の方法で、例えば、通常の混合、造粒、調合(confectioning)、溶解または凍結乾燥工程により製造される。経口使用目的の医薬組成物は、活性物質を1以上の固体担体と組み合わせることにより、所望であればまたは必要であれば好適な添加物を添加して錠剤または糖衣錠の核を形成させた後、所望であれば、得られた混合物を造粒し、混合物または造粒物に加工処理することで得ることができる。そのように行う際に、医薬組成物は、活性物質を放出しまたはこれらをコントロールした量で拡散させ得るプラスチック担体に合体させることもできる。【0039】好適な担体は、特に、グアール、例えば、乳糖、ショ糖、マンニトールまたはソルビトールなどの充填剤;セルロース調製物および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム;またデンプン、例えば、トウモロコシ、コムギ、イネまたはジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロールナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドンなどのバインダー;および/または、所望であれば、前記デンプンなどの崩壊剤、またカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩である。添加物は、特に、流量調整剤および潤滑剤であり、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムなどのその塩、および/またはポリエチレングリコールである。糖衣錠の核には、所望であれば、胃液に耐性のある好適な被覆が施され、なかんずく、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを任意に含有する濃縮糖溶液;胃液に耐性のある被覆の製造に好適な有機溶媒または溶媒混合物中のラッカー溶液;アセチルセルロースフタレートやヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの好適なセルロース調製物溶液が使用される。着色物質または顔料を、錠剤または糖衣錠被覆に、例えば、識別の目的でまたは活性物質の投与量の違いを示すために添加することができる。【0040】他の経口的に投与可能な医薬組成物は、ゼラチン製の乾燥充填カプセルやゼラチンおよびグリセロールもしくはソルビトールなどの可塑剤からなるやわらかい密封カプセルである。乾燥充填カプセルは、例えば、コーンスターチ、バインダーなどの充填剤および/またはタルクやステアリン酸マグネシウムなどの滑剤(glidant)、および任意に安定剤との混合物中に有効成分を粒状の形態で含有してもよい。ソフトカプセルにおいては、有効成分は、好適な液体や脂肪油、パラフィン油またはポリエチレングリコールなどのワックス状物質に溶解または懸濁させることが好ましく、また添加される安定剤に対してもそうしうる。【0041】経口投与の他の形態には、例えば、懸濁状で約5%〜20%、好ましくは約10%の濃度で、あるいは、例えば5ないし10mlの量で投与する場合、好適な一回投与量を提供する同様な濃度で有効成分を含有するような通常の方法で調製されたシロップが挙げられる。また、例えばミルク中でセーキを調製するための、例えば、粉末状または液状の濃縮物も好適である。かかる濃縮物は、1回投与量で包装することもできる。【0042】非経口投与に特に適する投薬形態は、水溶性の形態の活性成分、たとえば、水溶性塩の滅菌水溶液、または、粘度を増加させる物質、たとえば、ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよび/またはデキストランと、所望により安定剤を含む滅菌水性注射用懸濁液である。さらに、活性成分は、アジュバントありまたはなしで、凍結乾燥された形態でもあり得、非経口投与の前に適する溶媒の添加により溶液とすることができる。【0043】本発明はまた、前記式(式中、Z、R、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は以前定義されたのと同様)の化合物の好適な金属錯体を含む診断目的のための組成物に関する。【0044】本発明はまた、本明細書において前記したような、体内におけるアルミニウムまたは特に鉄(III)などの三価金属カチオンの過剰に関連する、哺乳動物、特にヒトにおける病理学的症状の治療方法に関するものであり、当該方法は、前記式の化合物または製薬学的に許容され得るその塩の予防上または治療上の有効量を好ましくは経口的に投与する工程を含む。この目的のために、特に前記医薬組成物を使用し、約50mg〜約10,000mg、および好ましくは約300mg〜約1,000mgの本発明の化合物の1日当たり投与量で約70kg体重の温血動物に投与する。投与量は数回、たとえば、3回の別個の投与で経口的に投与され得る。全身投与、たとえば、皮下投与にとっては、前記式の化合物のより水溶性塩の形態、たとえば、ナトリウム塩であることが、たとえば、経口的に、または他方、皮下的により好ましい。【0045】以下の実施例は本発明の説明に資するものであるが、本発明の限定と解釈すべきではない。温度は摂氏度を示す。【0046】薬物の調製。 薬物溶液は、60%水、40%クレモフォア(Cremophor)RH−40で調製した。【0047】実施例12,4−ジヒドロキシベンゾニトリルを、以下のようにしてBer. dtsch. chem. Ges. 1981, 24, 3651 におけるマーカス(Marcus)の方法に従って調製した: 2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、36.2mmol)、酢酸ナトリウム(5.94g、72.4mmol)、ニトロエタン(5.44g、72.4mmol)および氷酢酸(10ml)の混合物を6時間、還流した。冷却後、混合物を氷(100g)の上に注ぎ込み、そして、酢酸エチルで抽出した(4×50ml)。併せた有機相を、水相のpHが8となるまで飽和NaHCO3 で洗浄し、乾燥(Na2 SO4 )し、溶媒を真空状態で除去した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2 、シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1)により、淡黄色固体として2,4−ジヒドロキシベンゾニトリル(2.87g、59%)を得た。1 H NMR (300MHz,DMSO−d6 )δ6.33(d,1H,J=8.6Hz),6.43(s,1H),7.37(d,1H,J=8.6Hz),10.35(s,1H),10.78(s,1H)。 IR(KBr)2200cm-1。【0048】実施例24,5−ジヒドロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−チアゾール−4(S)−カルボン酸を以下のようにして調製した:D−システイン塩酸塩一水和物(6.8g、38.7mmol)を、脱気メタノール(105ml)と0.1Mリン酸緩衝液,pH5.95(70ml)の混合物中の、実施例1で調製した2,4−ジヒドロキシベンゾニトリル(3.5g、25.9mmol)の溶液に添加した。NaHCO3 (3.25g、38.7mmol)を慎重に添加し、混合物を54時間、Arの下で70℃にて攪拌した。揮発性成分を減圧下で除去し、溶液を1N HClでpH2まで酸性化した。得られた茶色の沈澱を真空ろ過し、固体を水(40ml)とエタノール(20ml)で洗浄した。粗生成物を飽和NaHCO3 (700ml)に溶解し、水溶液を酢酸エチルで洗浄した(2×200ml)。水相を細粒フリットを通してろ過し、1N HClでpH2まで酸性化した。沈澱生成物を真空ろ過した。水相を酢酸エチルで抽出し(4×400ml)、併せた有機抽出物を乾燥(Na2 SO4 )し、溶媒を真空状態で除去した。残った固体を沈澱生成物と併せ、40℃にて12時間、高真空下で乾燥し、4,5−ジヒドロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−チアゾール−4(S)−カルボン酸(4.08g、66%)、mp 266〜268℃(dec)〔(L)−異性体についてInd. J. Chem., Vol. 15B, Kishore et al, 255 〜257 頁(1977):261〜262℃〕を得た。1 H NMR (300MHz,DMSO−d6 )δ3.61(m,2H),5.38(dd,1H,J=7.2/9.4Hz),6.31(d,1H,J=2.3Hz),6.38(dd,1H,J=2.3/8.6Hz),7.25(d,1H,J=8.6Hz),10.25(br s,1H),12.60(br s,1H),13.15(br s,1H)。 C10H9 NO4 Sの分析計算値:C 50.20,H 3.79,N 5.85。測定値:C 50.13,H 3.82,N 5.85。【0049】式中、ZがNである、図1の略図中の本発明の化合物を、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドを対応するピリジルアルデヒドに置き換えて、実施例1および2において前記のようにして調製してもよい。【0050】本発明の化合物の生物学的活性および特性を、4,5−ジヒドロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−チアゾール−4(S)−カルボン酸(1)を用いて以下のようにして評価した。【0051】実施例3ラットにて1の初期試験は、非鉄過負荷の、胆管にカニューレを挿入したラットにおいて行った〔J. Med. Chem., Vol. 34, Bergeron et al, 「ヒドロキサム酸塩(Hydroxamate)をベースとする鉄キレーターの合成と生物学的評価」3182〜3187頁(1991)〕。薬物を40%クレモフォア−H2 Oにおける溶液として調製し、150μmol/kg p.o.の投与量で投与した。ラットは投与前に24時間、絶食させた。1により誘導された鉄排出の効率は2.4±0.92%であった。【0052】実施例4サルにてラットモデルにおける結果を得た後、鉄過負荷の霊長類モデル〔Blood, Vol. 79, Bergeron et al, 「1,2−ジメチル−3−ヒドロキシピリド−4−オン,1,2−ジエチル−3−ヒドロキシピリド−4−オンおよびデフェロキサミン(Deferoxamine)の鉄キレート特性の比較」1882〜1890頁(1992)〕において鉄排出を促進する1の能力を評価した。薬物を40%クレモフォア−H2 Oにおける溶液として調製し、150μmol/kg p.o.の投与量で投与した。サルは投与前に24時間、絶食させた。薬物投与の直前に、ケタミン(7〜10mg/kg。i.m.)と、ケタミンが関係する唾液過多および嘔吐を防ぐための所定のスコポラミン(0.04〜0.07mg/kg/i.m.でサルを鎮静化した。150μmol/kgの投与量で、1の効率は4.2±1.4%(n=4)であった。【図面の簡単な説明】【図1】 図1は、本発明の化合物を製造するための反応スキームを示す。 式:(式中、ZはCHであり;RはHであり;R1 、R2 、およびR5 はHであり;R3は、Hまたは1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;R4 はHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルキルである)の化合物、あるいはその光学鏡像異性体、ラセミ化合物または薬学的に許容され得る酸とのその塩もしくは薬学的に許容され得るその錯体(但し、ZがCHであり;R、R1 、R2 、R3 およびR5 がそれぞれHである場合、R4 が1〜4個の炭素原子を有するアルキルである)。 式:を有する化合物、あるいは薬学的に許容され得る酸とのその塩または薬学的に許容され得るその錯体。 ZがCHであり、R=R1 =R2 =R4 =R5 =Hであり、かつR3 が1〜4個の炭素原子を有するアルキルである請求項1記載の化合物。 式:を有する請求項1記載の化合物、あるいは薬学的に許容され得る酸とのその塩または薬学的に許容され得るその錯体。 式:を有する化合物、あるいは薬学的に許容され得る酸とのその塩または薬学的に許容され得るその錯体。 式:を有する請求項1記載の化合物、あるいは薬学的に許容され得る酸とのその塩または薬学的に許容され得るその錯体。 不斉炭素原子*が(S)配置にある、請求項1記載の化合物。 鉄のキレート化または金属イオン封鎖により改善され得る病理学的状態の予防または治療の必要な哺乳動物における該病理学的状態の予防または治療のための医薬の製造における、式:(式中、Zは、CHであり;Rは、Hであり;R1、R2、およびR5は、Hであり;R3は、Hまたは1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;R4はHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルキルである)の化合物、あるいはその光学鏡像異性体、ラセミ化合物または薬学的に許容され得る酸とのその塩もしくは薬学的に許容され得るその錯体の使用であって、該病理学的状態は、慢性輸血療法、ヘモクロマトーシス、ヘモジデリン沈着、肝硬変、透析、脳障害、骨軟化症、またはアルツハイマー病である、使用。 ZがCHであり、R=R1 =R2 =R3 =R5 =Hであり、かつR4 が1〜4個の炭素原子を有するアルキルである請求項8記載の使用。 R4 がメチルである請求項8記載の使用。 ZがCHであり、R=R1 =R2 =R3 =R4=R5 =Hである請求項8記載の使用。 ZがCHであり、R=R1=R2=R4=R5=Hであり、かつR3が1〜4個の炭素原子を有するアルキルである請求項8記載の使用。 化合物が、式:を有する化合物、または薬学的に許容され得る酸とのその塩もしくは薬学的に許容され得るその錯体である、請求項8記載の使用。 不斉炭素原子*が(S)配置にある、請求項8記載の使用。 請求項1〜7いずれか記載の化合物、あるいはその光学鏡像異性体、ラセミ化合物または薬学的に許容され得る酸とのその塩もしくは薬学的に許容され得るその錯体を含む、医薬組成物。 鉄のキレート化または金属イオン封鎖により改善され得る病理学的状態の治療または予防を必要とする哺乳動物における該病理学的状態の治療または予防に使用するための、医薬組成物であって、該病理学的状態は、慢性輸血療法、ヘモクロマトーシス、ヘモジデリン沈着、肝硬変、透析、脳障害、骨軟化症、またはアルツハイマー病である、請求項15記載の医薬組成物。