生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_細胞を媒介した免疫応答を誘導する方法及びそのための非経口ワクチン製剤
出願番号:2000567237
年次:2010
IPC分類:A61K 39/00,A61K 9/10,A61K 9/50,A61K 9/51,A61K 39/10,A61K 47/34,A61P 37/04


特許情報キャッシュ

ブライデン,デビッド・ジェイムス JP 4526708 特許公報(B2) 20100611 2000567237 19990831 細胞を媒介した免疫応答を誘導する方法及びそのための非経口ワクチン製剤 メリオン リサーチ スリー リミテッド 508326460 Merrion Research III Limited 小野 新次郎 100140109 社本 一夫 100089705 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 押鴨 涼子 100124305 ブライデン,デビッド・ジェイムス US 60/098,760 19980901 20100818 A61K 39/00 20060101AFI20100729BHJP A61K 9/10 20060101ALI20100729BHJP A61K 9/50 20060101ALI20100729BHJP A61K 9/51 20060101ALI20100729BHJP A61K 39/10 20060101ALI20100729BHJP A61K 47/34 20060101ALI20100729BHJP A61P 37/04 20060101ALI20100729BHJP JPA61K39/00 GA61K9/10A61K9/50A61K9/51A61K39/10A61K47/34A61P37/04 A61K 39/00 A61K 9/10 A61K 9/50 A61K 9/51 A61K 39/10 A61K 47/34 A61P 37/04 CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) Anne Moore et al.,Vaccine,1995年,Vol.13, No.18,p.1741-1749 K.D. Newman et al.,Journal of Controlled Release,1998年 6月,Vol.54,p.49-59 Roberta Shahin et al.,Infection and Immunity,1995年,Vol.63, No.4,p.1195-1200 E.S. Cahill et al.,Vaccine,1995年,Vol.13, No.5,p.455-462 11 IE1999000087 19990831 WO2000012125 20000309 2002523471 20020730 24 20060831 松波 由美子 【0001】技術分野本発明は、ワクチン製剤、及び細胞を媒介したTH1免疫反応、体液性TH2免疫反応、又はTH1とTH2複合応答のいずれかを選んで分極する免疫応答を誘導する方法に関する。詳細には、本発明は、ポリマーパーティクル内に取り込まれた、又はカプセル化された抗原を含むマイクロパーティクル及びナノパーティクルの非経口ワクチン製剤に関する。【0002】技術背景放出制御された抗原輸送システムは、ワクチン担体の継続的な探索において、相当な関心を引き付けている。抗原の徐放性におけるポリマーマトリックスの効果は、1979年、皮下移植用にウシ血清アルブミンを非分解性エチレン−ビニルアセテートコポリマーのペレットに取り込ませたものを用いて最初に示された(Preisら、J. Immunol. Methods 28, 193-197 (1979))。この組成物は、投与後6ヶ月間、抗体産生応答を誘導し、完全フロイントアジュバント内の抗原全量を同量にした2回の接種に類似した抗体レベルを与えた。【0003】より最近になって、アルミニウム塩(例えば、WO94/15636 (CSL Ltd.)参照)、及びポリ(L−ラクチド)(以降、PLA)及びポリ(DL−ラクチド−コグリコリド)(以降、PLGA)のような生分解性ポリマーがワクチン抗原用の担体として使用されるようになった。WO95/11008(Genentech Inc.)は、マイクロスフィア中のラクチドとグリコリドの比が100:0から0:100の重量パーセントの範囲で変化し、PLGAポリマー固有の粘性が0.1−1.2dl/gの範囲で変化し、及びマイクロスフィアの直径の中央値が20−100μmの範囲で変化する、抗原をカプセル化するPLGAのマイクロスフィアの用途について開示している。抗原は、延長された期間中、3段階様式でマイクロスフィアから連続して放出される。抗原をマイクロスフィアにカプセル化する方法もまた開示している。【0004】Eldridgeらは、ブドウ状球菌の腸毒素B(SEB)ワクチンを含む、生分解性PLA又はPLGAマイクロスフィアの経口投与が小腸のパイエル板に吸収されることを報告している(J. Controlled Release 11, 205-214 (1990))。取り込みは、直径が10μm以下のパーティクルに制限される。5μm未満のマイクロスフィアの大部分は、放出された抗原が血清抗体産生応答を刺激する全身性リンパ様組織(脾臓のような)に輸送されることが観察された。5μmより大きいマイクロスフィアの大部分は、パイエル板に保持されることが見出された。EP0266119(The UAB Research Foundation & Southern Research Institure)は、パイエル板によって選択的に捕獲され得る10μm未満か、又は10μmに等しいマイクロカプセルを形成するために、生分解性ポリマー賦形剤にカプセル化された、抗原のような生理活性物質を含む経口組成物を教示している。同様に、EP0333523(The UAB Research Foundation & Southern Research Institure)及びそれから分割したEP0706792は、抗原のような生理活性物質を粘膜関連リンパ組織(MALT)に輸送するための組成物であって、MALTへの選択的吸収、及び保持用に、1−5及び5−10μmの間のサイズを有するマイクロカプセルを含む組成物を教示している。【0005】EP0686030(Gesellschaft zur Forderung der Industrieorientierten Forschung)は、体液性応答及び細胞性応答を誘発するために、モデル抗原を生分解性バイオポリマーに包埋すること、及び分散形状をとってそれを接種することによって、免疫応答を増す方法を教示している。この事例において、PLGAに取り込まれた抗原は、長期継続的なTヘルパー、抗体及び細胞障害性T細胞応答を引き起こすことが示された。Mooreらは、PLGA溶媒を蒸発したマイクロスフィアに取り込まれたHIV gp120が点鼻、皮下又は腹腔内投与でマウスの脾臓T細胞において細胞溶解活性(CTL)を誘導し得ることを開示している(Vaccine 18, 1741-1749 (1995))。この抗原に対して、抗HIV特異的CD4+及びCD8+T細胞が誘導され、それぞれTH1細胞及びCTLの誘導を導く。卵白アルブミン(OVA)を腹腔内に免疫した場合、Maloyらは、OVA−PLGAマイクロスフィアを用いた1回の皮下免疫は有意なOVA特異的応答を感作し、及び強力なOVA特異的CTL応答はマウスに腹腔内免疫後に見い出されたことを開示している(Immunology 81, 661-667 (1994))。Newmanらは、マウスに皮下輸送後TH1型免疫応答を誘導するために、PLGAマイクロスフィアに組み込まれたOVAペプチドの用途を開示している(J. Controlled Release 54, 49-59 (1998))。【0006】TH1(細胞を媒介した)及びTH2(体液性/抗体)型応答に関する免疫応答の型の区別は、それぞれ細胞内病原体又は細胞外毒素によって誘導される感染症の防御にとって重要である。抗体のサブクラス及びサイトカインの形状に従って、CD4+リンパ球をTH1及びTH2に分類することは、結果的にアジュバントを類別する試みへと導いた。例えば、水酸化アルミニウム(ミョウバンとも呼ばれる)は、TH1よりTH2免疫を誘導する能力が高いと考えられる(例えば、Menら、Vaccine 13, 683-689 (1995)参照)。US5,417,986(US Army)は、CFA(完全フロイントアジュバント)及びHepB sAg(B型肝炎表面抗原)のような抗原を有し、しかも動物の体内で抗体とT細胞増殖の両方を与えるために接種したPLGAマイクロスフィアの充填について記載している。【0007】上記引用文献及び当該技術分野における他の文献のレビューは、所定のアジュバントと組み合わせた抗原によって誘導される免疫応答の特性を予測し、又は予期するための一般的な方法はないことを示している。【0008】百日咳菌、フィムブリエ(fimbrae)、線維状赤血球凝集素(FHA)、不活化百日咳毒素(PTd)及びパータクチン(pertactin)抗原に関しては、全てPLGAマイクロスフィアに組り込み、様々な経路で個別に投与し、及び抗原全てが百日咳のマウスモデルにおける攻撃(challenge)に応じて、感染に対して防御することが示された(例えば、Shahinら、Infection and Immunity 63, 1195-1200 (1995); Jonesら、Infection and Immunity 64, 489-494 (1996); Cahillら、Vaccine 13, 455-462 (1995)を参照)。WO93/21950(Roberts及びDougan)は、FHA及びパータクチン抗原が混合物として、又はPLGAに組込まれ、粘膜部位に輸送された場合に免疫原性となることを教示している。Singhら、同じポリマーパーティクル内に同時に取り込まれた2つの抗原をラットに非経口輸送後、それぞれの試薬に対する抗体産生応答を誘導し得ることについて記載している(Vaccine 16, 346-352 (1998))。百日咳を空気感染したマウスモデルは、子供における百日咳ワクチンの効力と一致し(Millsら、Infection and Immunity 66, 594-602 (1998))、及びTH1細胞が細菌クリアランスにおいて重要な役割を果たす(Millsら、Infection and Immunity 61, 399-410 (1993))という証拠がある。Ryanらによるさらに進んだ研究は、子供におけて強力な全細胞の百日咳ワクチンの長期の防御免疫がTH1細胞によって主として媒介されることを示している(Immunology 93, 1-10 (1998))。無細胞の百日咳ワクチンは、TH1細胞とTH2細胞の混在した集団に関連するらしく、及びそれらの長期の効験は知られていない。【0009】上述した公知技術にもかかわらず、所定のワクチン製剤によって生ずる免疫応答の型を予測し、及び制御し得ることが免疫学研究の中心的な目的として残っている。これは、免疫応答のTH1及びTH2成分の相対的な重要性の、疾患から疾患への変化を与えているので、とりわけ真実である。例えば、TH1応答は、ウイルス、細胞内病原体及びいくつかの癌のクリアランスにおいて重要である細胞障害性T細胞活性に加わることができる。【0010】したがって、in vivoにおいて有意で再生可能な分極化TH1免疫応答を誘発するであろうワクチン製剤を提供することが本発明の目的である。TH2応答と対比してTH1のT細胞応答を増強する方法を提供することもまた本発明の目的である。【0011】したがって、in vivoにおいて有意で再生可能な分極化TH2免疫応答を誘発するであろうワクチン製剤、及びTH1応答と対比してTH2のT細胞応答を増強する方法を提供することが本発明の目的である。【0012】感染性試薬のような特定の試薬に指向された非経口ワクチン製剤であって、患者に投与後、該試薬に対して防御免疫を与えることが可能なワクチン製剤を提供することが本発明のもう一つの目的である。【0013】本発明の更なる目的は、百日咳菌ワクチンの調製に使用する改良した組成物、及び百日咳菌に対するワクチンの方法を含む。発明の開示本発明により、TH2免疫応答に優先したTH1免疫応答の分極、又はTH1免疫応答に優先したTH2免疫応答の分極は、ポリマータイプ、充填方法、形態及びサイズの適当な組み合わせを用いて生分解性ポリマーに取り込まれた、又はカプセル化された抗原を含むマイクロパーティクル又はナノパーティクルの非経口投与の選択によって誘導され得ることが、驚くべきことに見い出された。【0014】さらに、本発明により、感染性試薬(infectious agent)のような特定の試薬(agent)用に設計され、及び生分解性ポリマーに取り込まれた、又はカプセル化された抗原を含むマイクロパーティクル又はナノパーティクルを含むワクチン製剤は、T細胞の増殖を誘導することに加えて、該感染性試薬に対する防御免疫を与え得ることが見い出された。【0015】したがって、本発明は、試薬に対するTH1極性免疫応答を誘導する方法を提供するものであり、患者(哺乳動物等、好ましくはヒト)に、少なくとも50%の該マイクロパーティクルが5μmより小さく、好ましくは3μmより小さくなるようにサイズ調整され、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された抗原を含むマイクロパーティクルを非経口投与することを含む方法を提供する。非経口用ワクチン製剤であって、少なくとも50%のマイクロパーティクルが5μmより小さく、好ましくは3μmより小さくなるようにサイズ調整され、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された抗原を含むマイクロパーティクルを含む該ワクチン製剤も提供する。【0016】したがって、本発明は、試薬に対するTH2極性免疫応答を誘導する方法を提供するものであり、患者(哺乳動物等、好ましくはヒト)に、少なくとも50%のナノパーティクルが600nmより小さく、好ましくは500nmより小さくなるようにサイズ調整され、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された抗原を含むナノパーティクルを非経口投与することを含む方法を提供する。非経口用ワクチン製剤であって、少なくとも50%のナノパーティクルが600nmより小さく、好ましくは500nmより小さくなるようにサイズ調整され、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された抗原を含むナノパーティクルを含む該ワクチン製剤も提供する。【0017】本発明は、抗原に対する強力なTH1及びTH2免疫応答の両方を誘導する方法も提供するものであって、患者(哺乳動物等、好ましくはヒト)に、(1)少なくとも50%のマイクロパーティクルが5μmより小さく、好ましくは3μmより小さくなるようにサイズ調整され、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された抗原を含むマイクロパーティクル;を(2)TH2応答を選択して分極化された免疫応答を生じるように提示された抗原、と共同して非経口投与することを含む該方法を提供する。TH2を選択して分極化された免疫応答を生み出すために、抗原は、少なくとも50%のナノパーティクルが600nmより小さく、好ましくは500nmより小さくなるようにサイズ調整され、抗原が可溶性抗原として;及び/又は少なくとも一部がパーティクル表面上に吸着した、又は提示された抗原として、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された抗原を含むナノパーティクルとして提示することができる。TH2応答を選択して分極化された免疫応答を生み出すための抗原を含んでいるマイクロパーティクルの提示された抗原と共同した投与は、同時、個別、又は連続であってもよい。ナノパーティクルに取り込まれた、又はカプセル化された抗原のような、TH2応答を選択して分極化された免疫応答を生み出すように提示された抗原と共同して、抗原を取り込んだ、又はカプセル化したマイクロパーティクルを含む、非経口投与のためのワクチン製剤も提供する。【0018】本発明はまた、百日咳菌に対する防御免疫を与える方法を提供するものであって、患者に、少なくとも50%のマイクロパーティクルが5μmより小さくなるように、好ましくは3μmより小さくなるようにサイズ調整され、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された少なくとも一つの百日咳菌抗原を含むマイクロパーティクルを非経口投与することを含む前記方法も提供する。本発明はまた、百日咳菌に対する防御免疫を与える方法を提供するものであって、患者に、少なくとも50%のナノパーティクルが600nmより小さく、好ましくは500nmより小さくなるようにサイズ調整され、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された少なくとも一つの百日咳菌抗原を含むナノパーティクルを非経口投与することを含む前記方法も提供する。その上、本発明は、百日咳菌に対する防御免疫を与える方法を提供するものであって、患者に、少なくとも50%のマイクロパーティクルが5μmより小さく、好ましくは3μmより小さくなるようにサイズ調整され、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された少なくとも一つの百日咳菌抗原を含む該マイクロパーティクルを、TH2応答を選択して分極化された免疫応答を生み出すように提供され、少なくとも50%のナノパーティクルが600nmより小さく、好ましくは500nmより小さくなるようにサイズ調整された、少なくとも1つの百日咳菌抗原が可溶化百日咳菌抗原として;及び/又は少なくとも一部分がパーティクル表面上に吸着した、又は提示された百日咳菌抗原として、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化した該抗原を含むナノパーティクルとして提示されたような少なくとも1つの百日咳菌抗原と共同して、非経口投与することを含む前記方法を提供する。【0019】好ましくは、抗原は投与時に免疫応答を誘発することができ、該抗原が生体適合性、生分解性ポリマー担体材料内に取り込まれる、及び/又はカプセル化される。非経口投与の経路には、腹腔内(i.p.)、皮下(s.c.)及び筋内(i.m.)投与経路が含まれる。好ましくは、抗原をポリマー担体材料内に取り込み、及び/又はカプセル化する方法は、マイクロパーティクルに取り込まれた、又はカプセル化された抗原を形成するための溶媒蒸発に基づいた方法であり、又はナノパーティクルに取り込まれた、又はカプセル化された抗原の形成過程に基づいたコアセルベーション法である。【0020】さらに、本発明は、百日咳菌から予防する方法に関連するものであり、該方法はポリ(DL−ラクチド−コグリコリド)マイクロパーティクルにカプセル化された不活化百日咳毒素及び/又はFHAを含む組成物を投与することによって、TH1免疫応答を誘発することを含む方法であり、ここでポリ(DL−ラクチド−コグリコリド)パーティクルへの該不活化百日咳毒素及び/又はFHAのカプセル化は溶媒蒸発法によって実行され、及び投与は非経口的注射の経路による。【0021】その上、さらに本発明は、百日咳菌から予防する方法に関連するものであり、該方法はポリ(DL−ラクチド−コグリコリド)ナノパーティクルにカプセル化された不活化百日咳毒素及び/又はFHAを含む組成物を投与することによって、TH2免疫応答を誘発することを含む方法であり、ここでポリ(DL−ラクチド−コグリコリド)パーティクルへの該不活化百日咳毒素及び/又はFHAのカプセル化はコアセルベーションによって実行され、及び投与は非経口的注射の経路による。【0022】ポリマーパーティクル上に充填された抗原を含むワクチン製剤は、当該技術分野において知られているが、一方、本発明によって、生体適合性担体材料の選択、生物学的活性試薬を充填する方法(即ち、生物学的活性試薬を生体適合性、生分解性ポリマー材料上、及び/又はその中に吸着する、及び/又はカプセル化する方法)、パーティクルのサイズ、及び/又は投与経路は、全て、生じる免疫応答の特性を決定するための要素であることが見出された。上記列挙した決定因子の適切な組み合わせによって、特定の極性免疫応答を誘発する組成物を調製することができる。免疫応答の分極化は、TH1及びTH2指標、典型的にはTH1及びTH2応答それぞれに特異的なIFN−γ、TNF、IL−2若しくはIL−12、及びIL−5、IL−4、IL−6若しくはIL−10のようなサイトカインの相対的な割合を決定することによって特徴付けることができる。【0023】本発明により、TH2免疫応答より優先したTH1免疫応答の分極化は、適切にサイズ調整され、抗原を充填したマイクロパーティクルを非経口投与することによって誘導され得て、及びTH1免疫応答より優先したTH2免疫応答の分極化は、適切にサイズ調整され、抗原を充填したナノパーティクルを非経口投与することによって誘導され得ることが見出された。この相違を支持するメカニズムのいずれかの仮説によって制限されることは望まないが、抗原を組み込んだマイクロパーティクル及び抗原を組み込んだナノパーティクルの投与から得られる異なる分極は、抗原の物理的な配置に関連しているかもしれないという可能性はある。例えば、ある抗原では、比較的多くの抗原がマイクロパーティクル内に取り込まれるのに比べて、ナノパーティクル上においては提示されているかもしれない。TH2分極化と外部に結合した抗原との関係の支持は、後に記載する実施例5(空のマイクロパーティクルと組み合わせた可溶性抗原の投与)で示したような、可溶性抗原の提示に続くTH2分極化を示すデータから見い出される。【0024】非経口投与に対する好ましい経路は、i.p.、i.m.及びs.c.を含み、最も好ましくはi.p.及びi.m.を含む。本発明の実施に適した生物学的活性試薬は、典型的には、TH1極性免疫応答(例えば、ウイルス性抗原、癌抗原、アレルゲン等)、TH2極性応答(例えば、トキソイド抗原、寄生虫抗原等)、又は混在させたTH1/TH2応答を投与時に誘発することが可能な抗原である。好ましい抗原は、PTd、不活化百日咳毒素又はパータクチン;FHA、線維状赤血球凝集素;TT、破傷風菌トキソイド;HIV gp-120;B型肝炎表面抗原;DT、ジフテリアトキソイド;HSV、単純疱疹1型;HPV、ヒトパピローマウイルス;ポリオ;インフルエンザエピトープ;H.ピロリ;赤痢菌;コレラ菌;サルモネラ菌;ロタウイルス;RSV、呼吸器ウイルス;黄熱病;A型及びC型肝炎;髄膜炎菌A−C型;肺炎球菌;リーシュマニア属のような寄生虫;結核のようなマイコバクテリア;及び癌ワクチン抗原からなるリストより選択される抗原を含む。【0025】本明細書で使用される「防御免疫」という用語は、感染性試薬のような攻撃する試薬の導入後、好ましくは2週間以内に、より好ましくは1週間以内に、最も好ましくは3日以内に、患者からの、該攻撃する試薬の少なくとも75%、より好ましくは90%クリアランスを示す。【0026】本明細書で使用される「薬学的に有効な量」という用語は、その抗原に対する防御免疫を誘発するのに必要な抗原量を示す。例えば、マウスにおいて、防御免疫は、多段階投与(2回投与など)又は1回投与で非経口的に与えらるそれぞれの抗原について、1−5μgの範囲の百日咳菌抗原量で達成される。【0027】本明細書で使用されるマイクロパーティクル及び/又はナノパーティクルのサイズの言及は、走査性電子顕微鏡及び/又は、指示があれば、レーザー光回折計の視覚評価によって決定されるようなサイズを示す。【0028】抗原を取り込み、又はカプセル化するための担体として使用される生体適合性、生分解性ポリマー材料の選択、得られるパーティクルの大きさ、及び/又は抗原を有する担体を充填する方法は、到達される免疫応答の特性を規定することにおいて重要であることが見い出された。好ましくは、生体適合性、生分解性ポリマー材料は乳酸及びグリコール酸のコポリマーであり、例えば、50:50のポリ(D,L−ラクチド−コグリコリド)、ポリ(ラクチド−コグリコリド)、及びそれらの鏡像異性体、又は乳酸のポリマー、例えば、ポリ(ラクチド)及びその鏡像異性体である。抗原は、溶媒蒸発型の工程、コアセルベーションの工程、又は噴霧乾燥の工程によって、好ましくは溶媒蒸発型の工程又はコアセルベーション法によって充填され得る。さらに、以下の実施例において充填工程の詳細を示す。【0029】発明を実施するための方法以下の実施例からさらに正しく認識されるであろうけれども、抗原を充填したポリマーパーティクルによって誘発される免疫応答の特性は、1つの要素に依存するものではなく、多数の要素の組み合わせによって決定される。【0030】【実施例】すべての百分率は、特に断りのない限り、重量(w/w)による。次の省略形は本実施例を通して使用される:KLH、スカシガイヘモシアニン;PTd、不活化百日咳毒素;FHA、線維状赤血球凝集素;PLA、ポリラクチド;PLGA、ポリ ラクチド−コグリコリド;DCM、ジクロロメタン;PVA、ポリビニルアルコール;PBS、リン酸緩衝溶液。【0031】実施例1 溶媒蒸発法を用いたKLH−PLGAマイクロパーティクルの調製ジクロロメタン中のPLGA〔ポリ(D,L−ラクチド−コグリコリド)、50:50;i.v.=0.94dl/g;Boehringer Ingelheimによる供給〕のポリマー溶液(DCM10ml中、10%PLGA)を使用2時間前に調製し、続いて使用30分前に冷却した。抗原であるKLH(粉末としてCalbiochemによる供給)を2%PVAを含む水溶液(水1ml中、5.1mgのKLH)として調製した。第一の油中水滴型エマルジョンは、抗原溶液をポリマー溶液に添加し、氷上、24,000rpmで1分間ホモジナイズすることによって調製された。第二のウォータ−オイル−ウォ−タ(water-oil-water)型エマルジョンを形成するために、この第一油中水滴型エマルジョンをPVA水溶液(40ml、3%PVA)中にゆっくり注入し、ホモジナイゼーションを15秒中断〔1分;15秒中断;1分〕で2分間継続した。ジクロロメタンを蒸発するために、得られたエマルジョンを2時間攪拌した。抗原を充填したパーティクルを遠心分離(10,000rpm、15分間)によって回収した(収率75%)。【0032】KLH−PLGAパーティクルの形態及びパーティクルサイズは、Leica Cambridge S360使用による走査性電子顕微鏡(SEM)によって検査された。試料をスタブに載せ、金被覆し、3,000−10,000倍の倍率で走査した。SEMによるパーティクルサイズの評価は、5,000倍又は10,000倍の顕微鏡写真を異なる場所に区分けし、3ミクロン及び5ミクロンより大きいか、小さいかによりパーティクル数をカウントすることによって行った。パーティクルサイズの決定はまた、Malvern Mastersizer S Ver.2.14使用によるレーザー回折計によって行った。マイクロパーティクルは、ろ過した0.1% Tween 20に懸濁させ、5分間の超音波処理し、及び連続的に攪拌しながら解析した。上記で詳述したように調製したKLH−PLGAパーティクルは、レーザー光回折計によって、滑らかな球体面、及び2.5μmのD50%を有していることが見い出された。SEMによって、少なくとも50%のパーティクルが5ミクロン未満の直径を有していることが見い出された。【0033】マイクロパーティクルへの抗原の充填は、3mlの5%SDS/0.1M NaOH中で10mgの充填したマイクロパーティクルを室温で連続的に振とうしながら、60時間まで分解することによって測定された。パーティクルはこの期間で完全に分解された。溶液のpHを0.1M HClでpH11.2に合わせ、蛋白質含有量をBicinchoninic酸(BCA)蛋白質アッセイキットを用いて測定した。抗原を含まない同量の対照パーティクルも分解した。充填を次のように計算した:充填の実測値(μg/mg)={試料中の濃度(μg/ml)×分解した全体積(ml)}/{パーティクル重量(mg)}%取り込み効率={充填の実測値(μg/mg)×100}/{充填の理論値(μg/mg)}ここで、充填の理論値は、製剤に添加した抗原量を使用したポリマー量で割ることによって計算される。【0034】本実施例に従って調製したKLH−PLGAパーティクルは、パーティクル1mg当たり抗原3.1μgという充填を有し、94%の取り込み効率であることが見い出された。充填したパーティクルからの抗原のin vitro放出は、次のように測定した:抗原を充填したマイクロパーティクル、及び対照マイクロパーティクル(同様な手法で調製され、抗原を含んでいない)を正確に秤り取り、静菌試薬としてのアジ化ナトリウム0.02%を含むPBS中に分散した。試料を37℃で水浴中に浸し、連続的に振とうした。適当な時間間隔で、2.2mlのアリコートを注射器で採取し、ろ過した後、蛋白質含有量をBCAアッセイによって、二重に測定した。本実施例に従って調製したKLH−PLGAパーティクルは、1時間後には充填した抗原の80%を放出し、24時間後には充填した抗原の100%が放出することが見い出された。【0035】上記で詳述した手順を繰り返して、KLH−PLGAマイクロパーティクルの第2バッチを形成した。この第2バッチのマイクロパーティクルは滑らかな球面のようであり、その少なくとも50%が5ミクロン未満であって、D50%が2.2μmと測定され;充填は3.5μg/mgであり、94%の取り込み効率を示していることが見出され;及び、測定により抗原の76%が1時間後に放出され、24時間後には90%が放出されていた。【0036】これらの2つのバッチより得られた抗原を充填したマイクロパーティクルは、以下の実施例5において検討したように、マウスにおける免疫原性の試験用に一緒にプールした。【0037】実施例2 溶媒蒸発法を用いたPTd−PLGAマイクロパーティクルの調製上記の実施例1において記載した方法と本質的に同様の方法を用いて、PTd(Katetsukenにより供給)を充填したPLGAパーティクルを調製した。ポリマー溶液は15ml DCM中の6.7%PLGAであり、抗原溶液は0.9%PVAを含む2ml水中の744μg PTdであった。ウォータ−オイル−ウォータ型エマルジョンを形成するために、80mlのPVA水溶液(3%PVA)に第一油中水滴型エマルジョンを注いだ。エマルジョンを一晩放置し、DCMを蒸発させた。回収後(収率88%)、冷却した高圧滅菌水(30ml)でマイクロパーティクルを洗浄した。【0038】これらのパーティクルの特徴は、下記の表1のPTd−1として認められるものであり、形成したマイクロパーティクルは、少なくとも50%のパーティクルが直径5ミクロン未満であり、外見上、滑らかな球面であることを示した。レーザー光回折は、マイクロパーティクルが2.5μmのD50%を有していることを示した。マイクロパーティクルには、0.12μg/mgの抗原が充填されており、取り込み効率15%を示した。【0039】PTdを充填したマイクロパーティクルのin vitro放出は、次の方法に従ってされた: 0.02%アジ化ナトリウムを含むPBS(4.0ml)に30mgのマイクロパーティクルを分散した。試料を37℃で水浴に置き、連続的に振とうした。適当な時間間隔で、試料を水浴から取り出し、パーティクルをペレットにするために遠心分離した。上清を取り除き、蛋白質含有量を二重で測定した。新鮮なPBS3mlをマイクロパーティクルに添加し、沈殿状態を維持し、インキュベーションを続けた。本実施例に従って調製したPTd−PLGAパーティクル(PTd−1)は1時間後、充填した抗原の22%を放出し、24時間後、充填した抗原の56%が放出されていることが見い出され、その後、20日以上、2段階放出した。【0040】以下の表1にまとめたように、種々の要素の数量を用いて、上記したような実質上同じ手順に従って、PTd−PLGAマイクロパーティクルの追加バッチを作製した。PTd−2ないしPTd−6バッチにおいて、初期の抗原溶液にPVAを添加せず、40mlの冷却した高圧滅菌水を使用して、回収したマイクロパーティクルを洗浄した。各場合において、得られた抗原を充填したマイクロパーティクルは、そのうち少なくとも50%が直径5ミクロン未満であり、外見上、滑らかな球面を有していることが見い出された。【0041】【表1】【0042】3%PVAは、抗原/PLGA油中水滴型エマルジョンが添加されるPVA溶液の体積である;充填はマイクロパーティクルの抗原充填である;%EEは%取り込み効率である;D50%はマイクロパーティクルの平均直径である;1時間は1時間後に放出された抗原である;24時間は24時間後に放出された抗原である。*PTd−3、PTd−4及びPTd−5から得られた充填したマイクロパーティクルを抗原放出アッセイ及びi.p.プロテクション試験用に貯蔵した(下記の実施例7を参照)。【0043】実施例3 溶媒蒸発法を用いたFHA−PLGAマイクロパーティクルの調製実施例2で使用した手順と実質上類似手順を使用して、FHAを充填したPLGAマイクロパーティクルを調製した。FHA−PLGAマイクロパーティクルの2つのバッチを調製した。これらの2つのバッチ(以下、表2におけてFHA−1及びFHA−2)に対して、ポリマー溶液は、20ml DCM中の4%PLGAであり、抗原溶液はPVAを含まない2ml水中の0.87μg FHAとした。第一油中水滴型エマルジョンをPVA水溶液80ml(3%PVA)に滴加し、ウォータ−オイル−ウォータ型エマルジョンを形成した。これら2つのバッチの特徴は、以下の表2に示した。FHA−1及びFHA−2は抗原放出測定及びi.p.防御試験用に貯蔵された(プールしたマイクロパーティクルは表2中で標識FHA−3と示されている)(下記の実施例7を参照)。SEM解析では、少なくとも50%のパーティクルが直径5ミクロンを有し、本質的に滑らかな球体であることを示した。【0044】【表2】【0045】実施例4 抗原を取り込んだ、又はカプセル化したナノパーティクルの調製ポリマー、表面活性化試薬、表面安定化若しくは修飾試薬又は塩、又は界面活性化剤、好ましくは%加水分解率が50−100%であり、分子量範囲500−500,000を有し、最も好ましくは80−100%の加水分解率及び10,000−150,000の分子量を有するポリビニルアルコール(PVA)又は誘導体の水溶液(A)を容器に導入した。混合物(A)は、低いせん断条件下、10−2000rpm、好ましくは100−600rpmで攪拌された。この溶液のpH及び/又はイオン強度を、塩、緩衝液又は他の修飾試薬を用いて変化させてもよい。この溶液の粘性は、ポリマー、塩、又は他の粘性強化試薬若しくは修飾試薬を用いて変化させてもよい。【0046】ポリマー、好ましくはポリ(ラクチド−コグリコリド)、ポリラクチド、ポリグリコリド又はそれらの組み合わせ、又は任意の鏡像異性体を水混和有機溶媒に溶解し、有機相(B)を形成する。最も好ましくは、アセトン及びエタノールの組み合わせを、使用するポリマーに依存して、0:100のアセトン:エタノールから100:0のアセトン:エタノールの比率の範囲内で使用する。追加するポリマー、ペプチド、糖、塩、天然の/生物学的ポリマー、又は他の試薬も有機相(B)に添加し、得られるパーティクル産物の物理的及び化学的特性を変化させることができる。【0047】抗原又は生理活性物質は水相(A)又は有機相(B)のいずれか一方に導入されてもよい。有機相(B)は、攪拌した水相(A)に連続的な速度で添加される。溶媒は、好ましくは周囲の温度の上昇、及び/又は真空ポンプの使用によって蒸発される。パーティクルは懸濁液(C)として得られる。【0048】次に、パーティクル(D)は、標準的なコロイド分離技術を用いて、好ましくは高い‘g’力(重量)による遠心分離、ろ過、ゲル浸透クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー又は電荷分離技術によって懸濁液(C)から分離される。上清を捨て、パーティクル(D)を洗浄溶液(E)、好ましくは水、塩溶液、緩衝液又は有機溶媒中に再懸濁する。パーティクル(D)は前述したような同じ手法で洗浄液から分離し、通常は2回再洗浄する。【0049】その後、パーティクルを乾燥させてもよい。次に、パーティクルをさらに加工処理し、例えば、タブレット化、カプセル化又は噴霧乾燥してもよい。上記で形成したパーティクルの放出様式は、使用される、及び/又は望まれる製剤に応じて、即効的な放出から制御的又は遅延的放出まで変化させることができる。【0050】抗原の充填は0−90%w/wの範囲内であってよい。具体的な実施例は以下を含む:PTd(168μg/ml)又はFHA(264μg/ml)溶液は最初に、25℃で温度セットし、400rpmで攪拌しながら、PVA(mwt=13000−23000;98%加水分解)溶液に分散させた。ポリマー溶液(PLGAと、Boehringer Ingelheimによって供給されるRG504又はRG504Hのいずれか一方の50:50を有機相に溶解することによって調整される)をゆっくりと水相に添加するとコアセルベートが形成し、それは続く有機溶媒の蒸発によって硬化した。その後、ナノパーティクルを30分間、15,000rpmで遠心分離によって採取し、高圧滅菌した脱イオン水で3回洗浄した。湿性ペレットは、真空下、周囲の温度で乾燥させた。理論的な充填値が0.3%PTd(RG504H及びRG504ポリマー)、0.2%FHA(RG504H及びRG504ポリマー)であるバッチを表3に従って調整した。【0051】【表3】【0052】走査顕微鏡を使用して、ナノパーティクルの形態とサイズを評価した。ナノパーティクルをSEMのスタブに載せ、Emitech K550スパッターコーターを用いて25mA、3分にセットしてスパッターコートし、Leica Cambridge S360を用いて走査した。顕微鏡写真を500−20,000倍で撮影した。SEMによるパーティクルサイズ評価は、15,000倍の顕微鏡写真を異なる場所で区分けし、600nm及び500nmより大きい、及び小さいパーティクル数をカウントすることによって行った。SEM解析は、PTd−PLGA及びFHA−PLGAナノパーティクルの両方について、滑面を有する形態でほぼ球体であることを示した。少なくとも50%のパーティクルは、15kの倍率で600nm未満であったが、いくつか集合化している形跡があった。【0053】抗原充填は、実施例1で記述したように、ナノパーティクルの総蛋白質含有量をBCA蛋白質アッセイを用いて測定することにより測定した。本実施例に従って調整したナノパーティクルは、表4に示したように、力価及びカプセル化効率を有することが見出された。【0054】【表4】【0055】充填したパーティクルからの抗原のin vitro放出は、50mgのナノパーティクルを、ガラス管中において0.02%w/vアジ化ナトリウム含有PBS(pH7.4)10ml中に懸濁し、37℃でインキュベートすることによって測定した。予定した時間間隔で、試料3mlを採取し、放出した総蛋白質を上述したBCA蛋白質アッセイによって測定した。PTd−PLGA製剤は、最初の1時間で約45%の大きなバースト効果を示し、その後、24時間までは55%まで非常に緩やかな放出を示した。対象的に、FHA−PLGA製剤は1時間で14%、24時間後で18%までのかなり低いバースト放出を示した。【0056】実施例5 balb/cマウスへのKLH−PLGAマイクロパーティクルのi.p.投与における免疫応答生分解性マイクロパーティクルに取り込まれたKLHの免疫原性は、非経口(i.p.)投与後のマウスにおいて評価し、溶液(リン酸緩衝塩類:PBS)中の、又はミョウバンに吸着した同一の抗原と比較した。さらなる対照群には、空のPLGAマイクロパーティクルを有するKLH溶液、空のPLGAマイクロパーティクルのみ、又はPBSのみが含まれた。実施例1の2つのバッチから得たマイクロパーティクルはプールされ、1ml当たり100μgの抗原に等しい濃度になるようPBS中に懸濁させ、又は低い投与量用に適宜希釈した。それぞれのマウスを1回又は4週間の間隔をおいて2回、0.3mlで免疫し、最終免疫2週間後に免疫応答を評価した。【0057】血清及び粘液分泌作用(肺のホモジネート)をELISAによって抗KLH IgG及びIgA抗体レベルについて試験した。全身性細胞性免疫応答は、免疫したマウスの脾臓を用いて評価した。各実験群の4ないし6の別々のマウスから得た脾臓細胞を、所定の範囲の抗体濃度(0.16〜100μg/ml)で、二重の96ウェルマイクロプレートの三重のウェルで培養した。マイトジェンであるコンカナバリンA若しくはPMA及び抗CD3抗体、又は培養液のみをそれぞれポジティブ及びネガティブコントロールとして含めた。24及び72時間後、1枚のプレートから上清を採取し、サイトカイン解析用に−70℃で保存した。インターフェロンγ(IFN−γ)及びインターロイキン−5%(IL−5)のレベルは、それぞれ抗原特異的なTH1及びTH2サブポピュレーションの誘導の定量化マーカーとしてイムノアッセイにより測定された。加えて、培養T細胞の増殖を培養4日後、[3H]-チミジン取り込みによって評価した。【0058】PLGAマイクロパーティクルに取り込まれた20μgのKLHを用いた1回のi.p.免疫は、続いて幅広い投与量の範囲でKLHを用いてin vitro刺激した脾臓細胞によって産生されたIFN−γの高いナノグラムレベルを有する強力な細胞性免疫応答を誘導した。ピコグラムレベルのIL−5もまた抗原で刺激した脾臓細胞の上清で検出されたが、そのレベルは、ミョウバンに吸着したKLHで免疫した動物から得られた脾臓細胞で観察されるレベルよりも比較的低かった。全般的に、応答は、ミョウバンに吸着した抗原を用いた場合にはTH2に分極し、マイクロカプセル化した抗原を用いた場合にはTH1に分極していた。図1は、第4週に2度目の免疫化後の免疫応答を示す。マイクロカプセル化したKLHに対するIL−5のレベルは、ミョウバンを用いて観察されるレベルと匹敵したが、IFN−γの産生は顕著に高かった。さらに、強力な抗原特異的な細胞増殖が、PLGAマイクロパーティクルに取り込まれたKLHで免疫したマウスから得た脾臓細胞において観察された。刺激指数(抗原に対する応答を培養液のみに対する応答で割ることによって導いた)は、in vitroで試験した全ての抗原投与量で、ミョウバンに吸着したKLHで免疫化したマウスから得た脾臓細胞で観察された指数よりも有意に高かった。【0059】マイクロカプセル化したKLHで非経口的に免疫化した後、血清中のKLH特異的IgGレベルは、可溶性抗原で生じたレベルよりも顕著に高く、ミョウバンに吸着した抗原で誘導したレベルと同等かあるいはそれよりも大きかった。空のPLGAによる共接種は、可溶性抗原に対する抗体産生応答を顕著に高めるようであった。i.p.経路で可溶性KLH 20μgで免疫したそれぞれの動物は、検出可能な抗体産生応答を生じたが、免疫する前に空のPLGA微粒子と抗原を組合わせた場合、タイターが10倍以上に高まった。これらの結果は、TH1応答ではなく、TH2−抗体産生応答が可溶性抗原と空のマイクロパーティクルの共接種後に、顕著に高まり、ところが、マイクロカプセル化した抗原ではTH1応答が増強されることを示唆している。【0060】これらの結果は、PLGマイクロパーティクルに可溶性抗原KLHを取り込むことが、可性抗原で観察された場合よりもT細胞の増殖応答を増強すること、及びi.p.経路によってミョウバンに吸着した可溶性抗原で観察される場合に匹敵したことを示している。さらに、PLGAへの抗原のカプセル化はTH1細胞の誘導に有利であるらしい。【0061】実施例6 balb/cマウスへのPTd−PLGAマイクロパーティクルのi.p.投与に基づく免疫応答実施例5の免疫強化と同様に、実施例2のPTd−1バッチを予備的な非経口免疫化試験に使用し、マウスを、5μgPTd をPLGAマイクロパーティクルに取り込んで、ミョウバンに吸着させて、又は溶液として空のPLGAマイクロパーティクルと組み合わせて、2回のi.p.接種によって免疫した。対照マウスは、PBSのみ、又は空のPLGA微粒子のみで免疫された。抗体産生応答は、第2の服用量を投与した2週間後に、ELISAで検出した。強力な抗PTd−IgGタイターが2回の免疫後それぞれ観察され、2度目の免疫後には、1×106のようなPTd−PLGAのタイターを有し、ミョウバンを用いて観察した場合に匹敵するタイターが得られた。空のPLGAマイクロパーティクルにさらしたマウスにおいては応答は見られなかった。驚くべきことに、溶液のPTdは5匹中3匹のマウスに応答を与え;これらの応答は、PTd−PLGA又はPTd−ミョウバンに比べて、時間延長しても持続しそうになく、及びそれらは1度目の免疫においては見られなかった。溶液のPTdの効果は、空のPLGAの存在下で増強されたものである。【0062】図2は、1度目のi.p.免疫後のサイトカイン解析を示しており、PTd−PLGAに対する有力なTH1細胞を仲介した免疫応答を示している。百日咳に再度さらすことで、高レベルのIFN−γ(TH1)、及び僅少のレベルのIL−5(TH2)が、PTd−PLGAで前もって免疫した動物から得た脾臓細胞の培養産物において見られた。PTd−ミョウバン免疫後に百日咳に再度さらした細胞は、比較的強力なIFN−γ及びIL−5産生を与えた。【0063】実施例7 PTd+FHAの抗原組み合せによるbalb/cマウスのi.p.免疫後の百日咳菌の攻撃(challenge)試験20匹のbalb/cマウス群を、PLGAマイクロパーティクルに取り込んだPTd及びFHA(実施例2のPTd−6及び実施例3のFHA−3を用いている)、又はミョウバンに吸着させたPTd及びFHAの各5μgでi.p.免疫した。対照群には空のPLGAマイクロパーティクルを与えた。PLGAに取り込まれた抗原の百日咳菌に対する防御能は、呼吸器系攻撃モデルで調べた。簡単には、抗原の2回投与(4週間あけた)後、呼吸器系への百日咳菌の感染を、2度目の免疫2週間後、約2×1010cfu/ml(マウス肺当たり約104−105cfu)のエアゾール攻撃によって実験群当たり16匹のマウスにおいて開始した。2週間の期間内に異なる時点でマウスを屠殺し、肺のホモジネートを培養し、培養5日後、コロニー形成単位(CFU)数について調べた。攻撃の当日の免疫応答を試験するため、各群からの4匹のマウスを攻撃前に屠殺した。【0064】攻撃後の2時間、3,7,10及び14日のCFU数の結果を図3に示し、この結果は、PLGAマイクロパーティクルに取り込まれた抗原及びミョウバンに吸着した抗原の両方で、高いレベルの防御を示している。これらの処理は、免疫後、攻撃後3日目から続く攻撃第6週までに百日咳菌のクリアランスを与えた。非免疫化の対照群と試験「ワクチン」に対するカウントとを比較する力価指標は、PLGA内のPTd+FHA及びミョウバンに吸着したPTd+FHAのそれぞれについて88.8及び88.4であった。これらの力価指標は、3成分及び5成分のワクチンを含む商業ベースの無菌体ワクチンの力価レベルと等しいか、あるいはそれ以上である。【0065】攻撃の当日における免疫応答は、図4に示すように、PLGに取り込まれた抗原を用いた場合、非常に強力な抗PT抗体産生応答を示した。終了点のタイターは、PLGA群に対してlog10 5.8、及びミョウバン群に対してlog10 5.0であった。抗FHA抗体のタイターは、ミョウバン及びPLGA群の両方について5.0の次数であった。【0066】CMI研究の結果は、PLGAにマイクロカプセル化した、又はミョウバンに吸着したPTd及びFHAで免疫した全てのマウスにおいて、不活化PT及びFHAに対してポジティブなT細胞の増殖応答を示した。PTに対するT細胞応答はPLGA群においてより強力であり、これとは対照的に、FHAに対する応答はミョウバン群においてより強力であった。図5は、PLGAマイクロパーティクルに取り込まれた各5μgのPTd及びFHA(TH1分極)、及びミョウバン上に吸着した各5μgのPTd及びFHA(混在したTH1/TH2応答)で非経口免疫後の脾臓T細胞の対応するサイトカイン解析を示している。これらの結果は、PLGAに取り込んだKLH、PLGAに取り込んだPTd、及びPLGAに取り込んだFHAの場合と同じく、PTdとFHAを一緒にPLGAに取り込むことは、i.p.投与後のTH1に対しての免疫応答が分極することを確証している。ミョウバンの場合には、粘液性の、又は排他的なTH2結果が見られた。【0067】実施例8 PTd+FHAの抗原組合せによるbalb/cマウスのi.p.免疫後の百日咳攻撃試験(濃縮した投与量)20匹のbalb/cマウス群を、第0週及び第4週に、PLGAマイクロパーティクルに取り込んだPTd及びFHAの各1μg;ミョウバンに吸着したPTd及びFHAの各1μg;PLGAマイクロパーティクルに取り込んだPTdの1μg又はPLGAマイクロパーティクルに取り込んだFHA1μgを用いて非経口的(i.p.)に免疫した。対照群には、空のPLGAマイクロパーティクルを与えた。百日咳菌に対するPLGAに取り込まれた抗原(低投与量)の防御能を、実施例7に記述したように、呼吸器系攻撃モデルにおいて調べた。マウスをエアゾール攻撃後、2週間内の異なる時点で屠殺し、肺のホモジネートを培養し、培養5日後にコロニー形成単位(CFU)数について調べた。攻撃の当日の免疫応答を試験するために、各群のマウス4匹を攻撃前に屠殺した。【0068】攻撃2時間、及び3,7,10及び14日後のCFU数の結果は、図7に示したように、PLGA内に取り込まれた、又はミョウバンに吸着したFHA及びPTd1μgを用いた場合、高レベルの防御を示している。これら両方の処理は、免疫後、攻撃第3日から続く第6週の攻撃まで、百日咳菌の実質的なクリアランスを与える。【0069】サイトカインデータは、PLGAに取り込んだFHA及びPTd、PLGAに取り込んだPTd、及びPLGAに取り込んだPTdで処理した群について、顕著なTH1分極を示し、一方、もし見られるすれば、ミョウバンに吸着したFHA及びPTdで処理した群について、混在したTH1/TH2に対する分極を示している。図6は、PLGAマイクロパーティクルに取り込んだFHAについてのサイトカイン解析を示しており、この製剤のTH1分極を示している。対照群は、T細胞においてほとんど応答を示さなかった。【0070】5つの処理群におけるマウスに対してのELISA抗体のタイターは、2度目の免疫後の2週で上昇し、第4週で発生した。表5は、各群の4匹のマウスに対する血清IgGタイターの平均(SD)を示している。結果は、抗PT抗体のタイターは、PTdを含んだ製剤を投与した異なる群の間で顕著には異なっていないことを示している。しかしながら、抗FHA抗体レベルは、ミョウバンに吸着した抗原を投与したマウスにおいて顕著に強かった。そのレベルは、PLGAに取り込まれたFHA、又はPLGAマイクロパーティクルに取り込まれたFHAとPLGAを投与したマウスにおいては、約10倍低かった。【0071】【表5】【0072】実施例9 PTd+FHAの抗原組み合せによるbalb/cマウスのi.p.免疫後の百日咳攻撃試験(遅延した攻撃)20匹のbalb/cマウスの3群は、第0週と第4週に、PLGAマイクロパーティクルに取り込まれたPTd及びFHA各5μg、及びミョウバンに吸着したPTd及びFHA各5μg、及び対照群(空のPLGAマイクロパーティクル)で非経口的(i.p.)に免疫した。百日咳菌に対するPLGAに取り込まれた抗原の防御能を呼吸器系攻撃モデルにおいて調べた。4週の間隔をおいて、2回の抗原投与後、呼吸器系百日咳菌感染は、第12週でエアロゾール攻撃によって実験群当たりマウス16匹において開始した。エアロゾール攻撃後、2週間に渡って異なる時点でマウスを屠殺し、肺のホモジネートを培養し、培養5日後、コロニー形成単位(CFU)数について調べた。抗原免疫の当日の免疫応答を試験するために、各群のマウス4匹を抗原免疫前に屠殺した。【0073】第12週のサイトカイン解析の結果は、第6週時点の解析について上記で報告した結果と一致しており、マイクロパーティクルに取り込んだPTd及びFHAを用いた場合には1型に対する、及びミョウバンに吸着した抗原を用いた場合には2型に対するT細胞応答の分極を示している。全体的に、ミョウバンに比べて、PLGAマイクロパーティクルに取り込んだ抗原を用いた免疫後、TH1応答の持続性、及びおそらくは更なる分極さえも表している。【0074】図8に示したように、攻撃2時間、及び3,7,10及び14日後のCFU数から得た結果は、PLGAにマイクロカプセル化した、又はミョウバンに吸着したFHA及びPTd5μgを用いた高レベルの防御を示している。これらの両方の処理は、免疫後、攻撃後3日目から続いて第12週の攻撃まで百日咳菌のクリアランスを与える。【0075】実施例10 PTd−PLGA及びFHA−PLGAマイクロパーティクルをbalb/cマウスに非経口的(i.p., s.c., i.m.)な投与に基づく免疫応答5匹のbalb/cマウスの7群は、第0週及び第4週に、下記に示したように、塩溶液、又は実施例2及び3(PTd充填=1.42μg/ml;FHA充填=1.22μg/ml;投与量当たり1.52mgのパーティクル)と同様に製造したPLGAマイクロパーティクルに取り込んだPTd及びFHA各1μgで、3回の異なる非経口経路によって免疫した:処理A:溶液のPTd+FHA、腹腔内(i.p.)処理B:溶液のPTd+FHA、皮下(s.c.)処理C:溶液のPTd+FHA、筋内(i.m.)処理D:PLGAに取り込んだPTd+FHA、腹腔内(i.p.)処理E:PLGAに取り込んだPTd+FHA、皮下(s.c.)処理F:PLGAに取り込んだPTd+FHA、筋内(i.m.)処理E:塩類のみ(対照)i.p.免疫は0.3mlで投与、s.c.免疫は(背中に)0.2ml、及びi.m.免疫は2箇所0.1mlを投与した。【0076】これらの処理に対する免疫応答は、第6週の2度目の免疫から2週間後に評価した。実験群当たりのマウスから得た個々の脾臓細胞の調製物を抗原誘導の細胞増殖及びサイトカイン産生について試験した。それぞれのマウスから得た血清試料(第6週)を抗PT及び抗FHA IgGについて8倍希釈で評価した。【0077】血清IgG応答の解析は、抗体のタイターに対して、投与経路による明白な効果を示し、可溶性抗原とPLGAに取り込まれた抗原間に顕著な相違が見られた。s.c.経路は、可溶性及びPLGAに取り込まれた抗原を用いた場合、わずかな弱い抗PT抗体産生応答を生じた(それぞれ、終了点のタイターはlogで約3.5及び3.7である)。抗FHAタイターもまた、可溶性及びPLGAに取り込まれた抗原をs.c経路で与えた場合、最も低かった(それぞれ、終了点のタイターはlogで1.8及び0.4である)。しかしながら、PLGAマイクロパーティクルに取り込まれた抗原で誘導した非常に強力な抗PT及び抗FHA応答がi.p.免疫後に観察された(それぞれ、終了点のタイターはlogで約4.5及び2.7である)。対象的に、i.m.経路による免疫は、溶液の抗原で最も強力なIgG応答を誘導した(終了点の抗PT及び抗FHAタイターはi.m.溶液についてlogで4.3及び3.8であった)。【0078】全体的に、抗PT応答がi.p.経路でPLGAに取り込まれた抗原を用いた場合に最も強く、これとは対照的に最も強力な抗FHA応答はi.m.経路による溶液の抗原を用いた場合に観察された。これらの結果は、腹腔におけるパーティクル抗原の増加した免疫原性、食細胞のAPCにおけるサイトリッチ、及びi.m.経路で投与した可溶性抗原のよりゆっくりとしたクリアランスと一致している。【0079】不活化PT及びFHAに対するT細胞の増殖応答は、マイクロカプセル化した、又は可溶化したPTd及びFHAをs.c.経路で与えたマウスにおいて、最も強力な応答が観察されたことを示している。【0080】脾臓細胞のサイトカイン産生の解析は、全ての免疫原が強力な抗原特異的なT細胞応答を誘導することを示したが、しかしまた、異なる非経口的な経路によるPLGAに取り込まれた抗原、又は溶液の抗原の投与間の顕著な相違をも表した。全体的に、PLGAに取り込まれた抗原は、任意の経路による非経口免疫後、TH1サブタイプに分化されるT細胞応答を誘導した。一方、その応答は、溶液の抗原を用いた場合、TH2により分極した。【0081】可溶性抗原による最大のT細胞の感作は、s.c.経路の後にi.m.経路を用いた場合に観察され、最も低い結果は、i.p.経路、とりわけIL−5産生細胞に対して観察された。強力なTH2サイトカイン産生は、i.m.経路によって与えた可溶性抗原を用いて誘導された;FHA誘導IL−5のレベルは5匹中4匹のマウスの脾臓細胞について2000pg/mlを超えていた。対象的に、i.m.投与についての図9に示したように、PLGAマイクロカプセル化抗原をマウスに非経口投与した後のサイトカイン産生の解析は、i.m.経路が、試験した抗原調製物それぞれに応答して各マウスによってIFN‐γ産生を誘導し、一方、IL−5産生は弱く又は検出できなかったことを示した。これは、正確には、図1、5及び6で記述したように、i.p.経路に対して見られたパターンであった。しかしながら、s.c.経路によって投与されたPLGAマイクロカプセル化抗原では、TH1への応答はあまり分極しなかった;IFN−γレベルはより低く、さらに矛盾しており、有意なIL−5応答は5匹中3匹のマウスにおいて検出された。i.m.経路が、溶液の抗原を用いた場合の強力なTH2感作、及びPLGAに取り込まれた抗原を用いた場合のTH1感作に帰着するという見解は、新規で非常に重要である。【0082】上記に与えた免疫支配と同様に、上述の非経口経路試験の繰り返しは、balb/cマウス群が、以下の処理に従って、第0週及び第4週で、各1μgの抗原接種で免疫されることにおいてなされた:処理1:溶液のPTd+FHA、皮下(s.c.)処理2:溶液のPTd+FHA、筋内(i.m.)処理3:PLGAに取り込んだPTd+FHA、皮下(s.c.)処理4:PLGAに取り込んだPTd+FHA、筋内(i.m.)処理5:空のPLGA、皮下(s.c.)百日咳菌に対するこれらのs.c.及びi.m.処理の防御能は、実施例7に記述したように、呼吸器系攻撃モデルにおいて調べた。CFU数の結果は、処理3及び5(s.c.及びi.m.で接種したマイクロパーティクル)による高レベルの防御を示す。これらの両方の処理は、処理2(溶液の抗原、i.m.)と同様に、2度目の免疫後、攻撃後3日から続く2週の攻撃まで、百日咳菌の実質的なクリアランスを提供する。対象的に、処理5(空のPLGA、s.c.)及び処理1(溶液の抗原、s.c.)のどちらも、攻撃後3日でクリアランスを示さない。【0083】実施例11 PTd−PLGA及びFHA−PLGAナノパーティクルのbalb/cへの非経口投与に基づく免疫応答生分解性PLGAナノパーティクルに取り込んだPTd、FHA、及びPTdとFHAの組合せのコアセルベート製剤の免疫原性は、非経口(i.p.)投与後のマウスにおいて評価し、溶液のPTd及びFHA、及び空のPLGAナノパーティクルの投与と比較した。マウスの6群は、以下に示すように、実施例4に従ったFHA及び/又はPTd製剤(0.3ml脱イオン水中、5μgFHA及び/又はPTd)又は空のPLGAナノパーティクル(対照)を用いてi.p.免疫した:処理A:空のPLGAナノパーティクル処理B:溶液のPTd及びFHA処理C:PTd−PLGA(RG504)ナノパーティクル処理D:FHA−PLGA(RG504)ナノパーティクル処理E:PTd−PLGA(RG504)+FHA−PLGA(RG504)ナノパーティクル処理F:PTd−PLGA(RG504H)+FHA−PLGA(RG504H)ナノパーティクルそれぞれのマウスに、第0週と第4週にi.p.接種で2回投与した;免疫応答は2度目の免疫2週間後に試験した(第6週)。【0084】全体的に、非常に強力な抗体産生応答が、これらのPLGAコアセルベートナノパーティクルに取り込まれた抗原を用いて生じ、平均的な抗PT血清IgGの終了点におけるタイターはlogで4.3であり、平均的な抗FHA血清IgGの終了点におけるタイターはlogで4.6であった。抗FHA抗体のタイターは、溶液のFHAと比較して、取り込まれたFHAを用いた場合、幾分強かった;しかしながら、取り込まれた製剤及び溶液の製剤についての抗PTタイターは、有意には異なっていなかった。ナノパーティクルに取り込まれたPTd及びFHAの両方を含む製剤は、抗原を取り込んだどちらか一方のみによって生じた抗体産生応答と比べて、顕著な相違は生じなかった。応答は、2つの異なるPLGAポリマーを用いてもほとんど同じである。【0085】図10に示すように、上記で検討した抗原を取り込んだマイクロパーティクルを用いたi.p.免疫にについて見い出されたTH1分極とは対象的に、抗原特異的な脾臓細胞のサイトカイン産生の最も目立つ特徴は、これら全てのナノパーティクル製剤に対するTH2応答の強力な分極であった。高レベルのIL−5は、FHA(1又は5μg/ml)又は不活化PT(1又は5μg/ml)又は死滅した百日咳菌を用いてin vitroで刺激した脾臓細胞によって産生された。観察された唯一の顕著な抗原特異的なIFN−γ産生は、PLGAに取り込まれたPTdを与えたマウスにおいて、PT及び死滅した百日咳菌に対してであった。【0086】5匹のマウス群を、溶液のPTd+FHA、PLGAナノパーティクルのPTd+FHA(実施例4で概説した製剤)、及び空のPLGAナノパーティクル(対照)を用いてi.p.免疫するという繰り返し実験は、本実施例では、上記で提供したような同じ手法に従ってなされた。一段階当たり5匹のマウスから得た脾臓細胞の調製物を抗原誘導による細胞増殖及びサイトカイン産生について別個に試験し、それぞれのマウスから得た血清試料を8倍の希釈範囲で抗PT及び抗FHA IgGについて評価した。【0087】再度、PLGAナノパーティクルに取り込まれた百日咳抗原で誘導した抗体産生応答は非常に強力で、終了点のタイターは4.0と5.0の範囲であった。PTに対する応答もまた、可溶性抗原と比較して、PLGAに取り込まれた抗原を用いた場合、logで1強かった。FHAに対する応答は、概して、PTに対する応答より強く、終了点のタイターについては、可溶の又はPLGAに取り込まれた抗原で免疫したマウスの血清において顕著な相違はなかった。【0088】FHA及び死滅した細菌に対する強力な細胞増殖のT細胞応答は、溶液の又はPLGAに取り込んだPTd及びFHAで免疫した全てのマウスから得た個々の脾臓細胞調製物において観察された。2つの免疫原の間には顕著な相違はなかった。脾臓細胞によるサイトカイン産生の解析は、溶液の又はPLGAに取り込まれたPTd及びFHAで免疫した全てのマウスにおいて、FHAに応答して、非常に高レベルのIL−5(1500〜3000pg/mlの範囲)、及び非常に控えめなレベルのIFN−γを示した。図10は、コアセルベートしたナノパーティクルのサイトカインデータを示す。不活化百日咳菌に対する応答は、空のPLGAナノパーティクルで免疫した対照マウスにおける15pg/mlより小さいレベルと比べれば、幾分低いが、それでも500pg/mlの範囲にあった。したがって、全体的なパターンは、可溶性抗原、又はコアセルベートしたナノパーティクルに取り込まれた抗原の投与によって、TH2応答に向かう分極である。【0089】実施例12 噴霧乾燥法によるKLH−PLAマイクロパーティクルの調製PLA(ポリD,Lラクチド;分子量16,000の溶液;i.v.=0.27dl/g;Boehringer Ingelheimによる供給、R203)エチルアセテート溶液(150mlエチルアセテート中、5%PLA)を使用2時間前に調製した。ポリマー溶液は、IKA Ultra Turrax T25ホモジナイザーを使用して、S1ヘッドでホモジネート(24,000rpmで)し、一方、KLH抗原溶液(MES(2−[n−モルフィリノ]エタンスルホノイック酸)中、62mgKLH)を徐々に添加した。エマルジョンを氷上で冷却し、ホモジナイゼーションを1分間続けた。このように調製した単一のエマルジョンをBuchi 191ミニスプレードライヤーを用いて噴霧乾燥させ、マグネティックスターラーを用いて連続的に攪拌した。次のパラメータは、噴霧乾燥の工程で使用した:【0090】【表6】【0091】*ポンプ速度を25%にセットし、溶媒の吸出し実速度は5から6ml/分で変化した。パーティクルは、回収容器及びサイクロンの両方から即座に回収した。抗原を充填したマイクロパーティクルは、先の実施例について上記で概説した方法に従って特徴付けた。本発明に従って形成したマイクロパーティクル(収率33%)は、実際に、滑らかな球面であることが見い出された。充填(μg/mg)は7.4であり、取り込み効率は91%、レーザー光回折によるD50%は4.6μmであった。KLHのin vitro放出は、1時間以内で10%であり、第23日で49%であった。【0092】上記実施例と同様に、マウスを、PLAマイクロパーティクルに取り込むか、又はミョウバンに吸着させたKLH20μgのi.p.接種を2回を行い免疫した。マウスに全身投与した場合、KLH−ミョウバン群で得られたタイターと比較できる、タイターが得られた(1×105)。さらに、KLH−PLAパーティクルはi.p.投与した場合に優性なTH2応答に帰着し、それは分極がTH1タイプに向かうKLH−PLGAについての上記実施例において観察された応答と対象的である。【0093】実施例13 噴霧乾燥法によるPTd−PLAマイクロパーティクルの調製PTd−PLAマイクロパーティクルを、実施例12と同様の噴霧乾燥法によって形成したが、但し、噴霧乾燥中の相分離を避けるため、ホモジネーション速度を24,000rpmまで増加させ、ポリマー粘度を5%R203を用いて増加させ、w/oエマルジョンを乾燥中攪拌した。得られたパーティクルの放出様式は、最初の1時間で50−60%の著しいバースト、続く3ヶ月に渡る非常にゆっくりとした放出段階によって特徴付けられる。【0094】血清の抗PTd IgGレベルは、噴霧乾燥したPLAマイクロパーティクルのPTd5μgでi.p.免疫したマウスにおいて測定し、PTd−ミョウバン、可溶性PTdと混合した空のPLAパーティクル、又は溶液のPTdで免疫化した場合と比較した。しかしながら、PTd−PLAで全身的に免疫したマウスにおいては、抗体及びT細胞応答のいずれも観察されなかった。【0095】溶媒蒸発(上記実施例を参照)又は噴霧乾燥方法によるPTd、FHA及びKLHの元の状態を、半定量的にPAGEゲル解析によって調べた。噴霧乾燥したパーティクルと比較して、溶媒蒸発法によって調製したパーティクルから抽出した場合、より多くのPTdが完全な状態のままである。つまり、PTdは、噴霧乾燥の過程において、部分的に分解したのかもしれない。データは、噴霧乾燥は、PTdの場合において抗原構造を維持することについて問題を含む一方、これはより変化の少ない抗原に対して推測することができず、したがって、その時その時で評価することが必要であろうということを示唆している。【図面の簡単な説明】【図1】 図1は、PLGAに取り込まれたKLHを用いた非経口免疫に続くTH1/TH2応答を示す。4匹のマウスの4群は、PLGAマイクロパーティクル(KLH−PLGA)に取り込まれ、ミョウバン(KLH−ミョウバン)に吸着し、又は空のPLGAマイクロパーティクル(KLH+PLGA)と溶液を組み合わせた5.0μgのKLHを用いてi.p.接種された。マウスを2回(第0第及び第4週)免疫し、その2週間後に屠殺した。それぞれのマウスから得た脾臓細胞を0.03−20μg/mlのKLHで刺激し、又は1匹だけ培養液で刺激した。3日後、培養上清を特異的なイムノアッセイによりIL−5及びIFN−γについて試験した。各バーは、各群の4匹に対する平均的な応答を示している。IL−5(pg/ml)及びIFN−γ(ng/ml)に対するスケールが異なっていることに注意のこと。【図2】 図2は、溶媒蒸発法によって調製したPTd−PLGAマイクロパーティクル(実施例2のPTd−1バッチ)を用いた非経口免疫に続くTH1/TH2応答を示す。3群のマウスには、一回投与量5μgのPTd−PLGA、ミョウバンを有するPTd、又はPBS中のPTd溶液を与えた。IFN−γ及びIL−5のレベルは、PTで刺激3日後の培養した脾臓細胞において特異的なイムノアッセイによって測定した。培養液=ネガティブコントロール;iPT=不活化PT;百日咳菌=活性な百日咳細菌、及び抗CD3/PMA=ポジティブコントロール抗CD3抗体/ホルボール12−ミエリステート−13アセテート。【図3】 図3は、実施例7に記載したbalb/cマウスにおける免疫反応の抗原投与試験のために、対照群(空のPLGAマイクロパーティクルで免疫した)、PTd+FHA+ミョウバン群(ミョウバン上に吸着したそれぞれ5μgのPTd及びFHAで免疫)、及びPLG中のPTd+FHA群(実施例2及び3に従い、PLGAマイクロパーティクルに取り込まれたそれぞれ5μgのPTd及びFHAで免疫した)に対しての抗原投与後、肺当たりのLog10CFUカウント値を日数に対してプロットしたものを示す。【図4】 図4は、実施例7に記載したように、balb/cマウスにPLGA中のPTd+FHA(実施例2及び3に従い、PLGAマイクロパーティクルに取り込まれたPTd及びFHA各5μg);PTd+FHA+ミョウバン(ミョウバン上に吸着したPTd及びFHA各5μg);及びPLGA(i.p.)(空のPLGAマイクロパーティクル)をi.p.投与に続く、PTdに対する血清抗体のタイターを示す。【図5】 図5は、PLGA中のPTd+FHA(実施例2及び3に従い、PLGAマイクロパーティクルに取り込まれたPTd及びFHA各5μg;4匹の動物)及びPTd+FHA+ミョウバン(ミョウバンに吸着したPTd及びFHA各5μg;4匹の動物)を用いてbalb/cマウスの非経口免疫に続くTH1/TH2応答を比較している。IFN−γ及びIL−5のレベルは、PTで刺激後、3日間培養した脾臓細胞における特異的なイムノアッセイによって測定した。iPT=不活化PT;FHA=線維状赤血球凝集素;百日咳菌=活性な百日咳細菌及び抗CD3/PMA=ポジティブコントロール抗CD-3抗体/ホルボール12−ミエリステート−13アセテート。【図6】 図6は、PLGA中に取り込まれた低投与量(1μg)のFHAのi.p.投与に続くTH1/TH2応答を示す。個々のマウスから得た脾臓細胞を、培養液のみ(0)、不活化PT(PT)、線維状赤血球凝集素(FHA)、活性な百日咳細菌(BP)及びポジティブコントロール抗CD3抗体/ホルボール12−ミエリステート−13アセテート(PMA/CD3)で刺激した。【図7】 図7は、実施例8に記載したようにbalb/cマウスにおける低投与量の投与試験のために、対照群(空のPLGAマイクロパーティクルで免疫した)、PTd−PLG群(PLGAマイクロパーティクルに取り込まれたPTd1μgで免疫した)、PTd/FHA−ミョウバン群(ミョウバン上に吸着したPTd及びFHAの各1μgで免疫した)、FHA−PLG(PLGAマイクロパーティクルに取り込まれたFHA1μgで免疫した)及びPTd/FHA−PLG群(PLGAマイクロパーティクルに取り込まれたPTd及びFHAの各1μgで免疫した)に対して投与後、肺当たりのLog10CFUカウント値を日数に対してプロットしたものを示す。【図8】 図8は、実施例9に記載したようにbalb/cマウスにおける遅延した免疫反応の投与試験のために、対照群(空のPLGAマイクロパーティクルで免疫した)、PTd/FHA−ミョウバン群(ミョウバン上に吸着したPTd及びFHA各5μgで免疫した)、及びPTd/FHA−PLG群(PLGAマイクロパーティクルに取り込まれたPTd及びFHA各5μgで免疫した)に対して投与後、肺当たりのLog10CFUカウント値を日数に対してプロットしたものを示す。【図9】 図9は、実施例10の処理Fを用いたi.m.免疫に続くTH1応答(IFN−γ)及びTH2応答(IL−5)を示す。IFN−γ及びIL−5のレベルを、PT刺激3日後、5匹の動物(マウス1ないしマウス5)から得た培養脾臓細胞において特異的なイムノアッセイによって測定した。BG=ネガティブコントロール;PT=不活化PT;百日咳菌=活性な百日咳細菌、及びPMA/a-CD3=ポジティブコントロール抗CD3抗体/ホルボール12−ミリステート−13アセテート。【図10】 図10は、実施例11のコアセルベートしたナノパーティクルの処理A−Fを用いた非経口投与に続くTH1/TH2応答を示す。IFN−γ及びIL−5のレベルを、PTで刺激3日後、培養脾臓細胞において特異的なイムノアッセイによって測定した。iPT−1=不活化PT(1.0μg/ml);iPT−5=不活化PT(5.0μg/ml);FHA−1=FHA(1.0μg/ml);FHA−5=FHA(5.0μg/ml);BP=活性な百日咳細菌、及びPMA/CD3=ポジティブコントロール抗CD3抗体/ホルボール12−ミリステート−13アセテート。 薬学的に許容できる担体、及び少なくとも50%のマイクロパーティクルが2.2μm以上であり、少なくとも50%のマイクロパーティクルが4.3μm以下であるようにサイズ調整されているマイクロパーティクル(該マイクロパーティクルは、乳酸及びグリコール酸又はそれらの鏡像異性体のコポリマーを含む生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された少なくとも1種類の抗原を含む)の薬学的に有効な量を含む、少なくとも1種の抗原に対するTH1極性免疫応答の誘導用であり、及び非経口投与用に適合したワクチン製剤であって、 該少なくとも1種の抗原が、不活化百日咳毒素、不活化パータクチン、線維状赤血球凝集素、破傷風菌トキソイド、HIV gp−120、B型肝炎表面抗原、ジフテリアトキソイド、単純疱疹1型、ヒトパピローマウイルス、ポリオ、インフルエンザエピトープ、H.ピロリ、赤痢菌、コレラ菌、サルモレラ菌、ロタウイルス、呼吸器ウイルス、黄熱病、A型肝炎、C型肝炎、髄膜炎菌A、髄膜炎菌B、髄膜炎菌C、肺炎球菌、寄生虫抗原、リーシュマニア、マイコバクテリア抗原、結核及び癌抗原から選択される、製剤。 マイクロパーティクルが、少なくとも50%の該マイクロパーティクルが3μmより小さくなるようにサイズ調整された、請求項1に記載のワクチン製剤。 マイクロパーティクルが溶媒蒸発法を用いて形成される、請求項1に記載のワクチン製剤。 該少なくとも1種の抗原が、百日咳菌抗原を含む、請求項1に記載のワクチン製剤。 マイクロパーティクルが、少なくとも2つの亜集団のマイクロパーティクルから構成され、各亜集団が、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された異なる抗原を含む、請求項1に記載のワクチン製剤。 薬学的に許容できる担体、及び少なくとも50%のナノパーティクルが、600nmより小さくなるようにサイズ調整されているナノパーティクル(該ナノパーティクルは、乳酸及びグリコール酸又はそれらの鏡像異性体のコポリマーを含む生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された少なくとも1種類の抗原を含む)の薬学的に有効な量を含む、少なくとも1種の抗原に対するTH2極性免疫応答の誘導用であり、及び非経口投与用に適合したワクチン製剤であって、 該少なくとも1種の抗原が、不活化百日咳毒素、不活化パータクチン、線維状赤血球凝集素、破傷風菌トキソイド、HIV gp−120、B型肝炎表面抗原、ジフテリアトキソイド、単純疱疹1型、ヒトパピローマウイルス、ポリオ、インフルエンザエピトープ、H.ピロリ、赤痢菌、コレラ菌、サルモレラ菌、ロタウイルス、呼吸器ウイルス、黄熱病、A型肝炎、C型肝炎、髄膜炎菌A、髄膜炎菌B、髄膜炎菌C、肺炎球菌、寄生虫抗原、リーシュマニア、マイコバクテリア抗原、結核及び癌抗原から選択される、製剤。 ナノパーティクルが、少なくとも50%の該ナノパーティクルが500nmより小さくなるようにサイズ調整された、請求項6に記載のワクチン製剤。 ナノパーティクルが溶媒蒸発法を用いて形成される、請求項6に記載のワクチン製剤。 該少なくとも1種の抗原が、百日咳菌抗原を含む、請求項6に記載のワクチン製剤。 ナノパーティクルが、少なくとも2つの亜集団のナノパーティクルから構成され、各亜集団が、生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された異なる抗原を含む、請求項6に記載のワクチン製剤。 薬学的に許容できる担体、及び以下の(a)及び(b):(a)少なくとも50%のマイクロパーティクルが2.2μm以上であり、少なくとも50%のマイクロパーティクルが4.3μm以下であるようにサイズ調整されているマイクロパーティクル(該マイクロパーティクルは、乳酸及びグリコール酸又はそれらの鏡像異性体のコポリマーを含む生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された少なくとも1種類の抗原を含む)、及び(b)少なくとも50%のナノパーティクルが、600nmより小さくなるようにサイズ調整されているナノパーティクル(該ナノパーティクルは、乳酸及びグリコール酸又はそれらの鏡像異性体のコポリマーを含む生分解性ポリマーによって取り込まれた、又はカプセル化された少なくとも1種類の抗原を含む)、の組み合わせの薬学的に有効な量を含む、少なくとも1種の抗原に対するTH1及びTH2極性免疫応答の誘導用であり、及び非経口投与用に適合したワクチン製剤であって、 ここで、該少なくとも1種の抗原が、不活化百日咳毒素、不活化パータクチン、線維状赤血球凝集素、破傷風菌トキソイド、HIV gp−120、B型肝炎表面抗原、ジフテリアトキソイド、単純疱疹1型、ヒトパピローマウイルス、ポリオ、インフルエンザエピトープ、H.ピロリ、赤痢菌、コレラ菌、サルモレラ菌、ロタウイルス、呼吸器ウイルス、黄熱病、A型肝炎、C型肝炎、髄膜炎菌A、髄膜炎菌B、髄膜炎菌C、肺炎球菌、寄生虫抗原、リーシュマニア、マイコバクテリア抗原、結核及び癌抗原から選択される、製剤。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る