タイトル: | 特許公報(B2)_ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾール、もしくはピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの骨格を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩の経口投与形組成物を固定的に組み合わせた組成物 |
出願番号: | 2000564595 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 31/4439,A61K 9/22,A61K 9/28,A61K 47/34,A61P 1/04 |
ランゴ ディートリッヒ ハルトムート ナイ JP 4988088 特許公報(B2) 20120511 2000564595 19990807 ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾール、もしくはピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの骨格を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩の経口投与形組成物を固定的に組み合わせた組成物 ニコメッド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 507229021 Nycomed GmbH 矢野 敏雄 100061815 久野 琢也 100099483 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 ランゴ ディートリッヒ ハルトムート ナイ EP 98115141.8 19980812 20120801 A61K 31/4439 20060101AFI20120712BHJP A61K 9/22 20060101ALI20120712BHJP A61K 9/28 20060101ALI20120712BHJP A61K 47/34 20060101ALI20120712BHJP A61P 1/04 20060101ALI20120712BHJP JPA61K31/4439A61K9/22A61K9/28A61K47/34A61P1/04 A61K 31/4439 CA/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特表平11−508577(JP,A) 特表平06−508118(JP,A) 特表2000−503316(JP,A) 国際公開第97/025979(WO,A1) 特開平07−010758(JP,A) 特開昭63−039814(JP,A) 特開昭61−100526(JP,A) 国際公開第97/002020(WO,A1) 22 EP1999005724 19990807 WO2000009092 20000224 2002522472 20020723 10 20060627 金子 亜希 【0001】発明の課題本発明は、ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの新規の経口投与形に関する。【0002】従来技術ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールおよび例えばEP−A−0005129号、EP−A−0166287号、EP−A−0174726号、EP−A−0268956号、DE−A−3531487号およびEP−A−0434999号に開示されている、これらと構造的に関連する化合物は、そのH+/K+ATPase−阻害作用に基づいて、胃酸分泌の増加による病気の治療において極めて重要である。市販されているか、または臨床試験の最終段階にあるこの群からの活性化合物の例は、5−メトキシ−2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:オメプラゾール)、5−メトキシ−2−[(S)−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(prop.INN:エソメプラゾール)、5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:パントプラゾール)、2−[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル)メチル−スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:ランソプラゾール)、2−{[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチル−スルフィニル}−1H−ベンズイミダゾール(INN:ラベプラゾール)、2−[2−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)ベンジルスルフィニル]ベンズイミダゾール(レミノプラゾール)および2−(4−メトキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イルスルフィニル)−1H−ベンズイミダゾール(ネパプラゾール)である。【0003】上記のピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの一般的な特性は、最終的に該活性化合物にとって必要不可欠であるこれらの活性化合物の酸感受性であり、これは中性および特に酸性の環境中でのその顕著な分解傾向においてみられ、その際、著しく着色した分解生成物が形成される。【0004】過去において、ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの酸感受性にもかかわらず、これらの化合物を含有する安定した、および貯蔵可能な経口投与形を得るために少なからぬ努力が存在する。同様に特定の適用目的のためのピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールのための通例の投与形を得るための努力もまた存在する。【0005】欧州特許EP−B1−244380号は、その中で錠剤またはペレットコア中に存在している活性化合物が、腸溶性コーティング、付加的に活性化化合物コアと腸溶性コーティングとの間に配置された、コアと酸性コーティングとを相互から保護するための水溶性の中間層により胃酸から保護されている特定のピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールのための経口投与形を請求している。【0006】腸溶性コーティングを適用することによりピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールを胃酸から保護することは、このクラスの活性化合物のための経口投与形が関連する場合、今日まで選択的な方法として見なされうるものである。しかし、胃液に対する耐性が、遊離酸基(特にカルボキシル基)がポリマー中に存在するという事実に基づいている腸溶性コーティングは適切な手段により酸感受性の活性化合物コアから分離しなくてはならない。このことは任意の方法で構成された保護のための中間層の適用または製造により実施する(例えばEP−B1−589981号、WO−A−9601624号、WO−A−9623500号、WO−A−9624338号、WO−A−9402140号、WO−A−9712580号およびWO−A−9800115号)。【0007】発明の詳細な記載意外なことに、ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの腸溶性コーティングは、その代わりに使用されるコーティングが定義された時間の後で、つまり胃部の通過の後でのみ活性化合物を放出するように設計されている場合には不要であることが判明した。さらに意外にも活性化合物を含有するコアの適切なデザインにより、活性化合物の放出はひとたび開始されれば短時間に行われるので、活性化合物の血中濃度は急速に上昇し、かつ高い濃度が達成されることが判明した。【0008】従って本発明はピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールおよびこれらの塩のための経口投与形に関し、これは活性化合物を錠剤崩壊剤と共に含有しており、かつ通例自体持続放出性組成物のためのフィルムコーティングを有している。【0009】可能な経口投与形は例えばペレット、マイクロ錠剤(microtablets)、ミニ錠剤(minitablets)または特に錠剤であり、所望の場合にはカプセルに調合されている。【0010】本発明の範囲における適切なピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールは、例えばオメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、レミノプラゾール、ネパプラゾールおよび特にパントプラゾールである。【0011】第一に挙げられるピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの塩は、塩基との塩、特にナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムの塩である。パントプラゾールナトリウム塩、特にパントプラゾールナトリウムセスキ水和物が特に有利である。【0012】可能な錠剤崩壊剤は当業者に公知の通例の薬剤である。その例として特定のセルロース誘導体(例えばナトリウムセルロースグリコレートおよびチロース)、デンプン、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびジャガイモデンプンをベースとする組成物(例えばプリモジェル(Primojel))、ナトリウムカルボキシメチルデンプン(例えばエキスプロタブ(Explotab)、ベントナイト、アルギン酸ナトリウムまたはペクチン、あるいは特に化学的に無作用の薬剤、例えば架橋したポリビニルピロリドン(例えばクロスポビドン)が挙げられる。錠剤崩壊剤の含有率は通例、コア全体に対して一般に2〜10質量%である。しかし錠剤崩壊剤のタイプに依存してより多くの含有率を使用することもでき、クロスポビドンの場合は例えば20〜35質量%であってもよい。【0013】所望の場合、錠剤コアは錠剤崩壊剤以外にさらに補助剤および付形剤または結合剤を含有している。使用される補助剤は特に滑沢剤および離型剤である。ここでは例えば高級脂肪酸のカルシウム塩、例えばステアリン酸カルシウムが挙げられる。結合剤は特にポリビニルピロリドンおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび所望の場合にはマンニトールが挙げられ、これは付加的に付形剤としても好ましい。【0014】錠剤コアの安定性を増加するためにピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールをその塩の形で使用する、および/または塩基性の反応を有する生理学的に認容性の無機化合物1種以上を添加して使用することが有利であることが判明した。ここでは例えば薬理学的に認容可能な、弱酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属または土類金属の塩、ならびにアルカリ土類金属および土類金属の薬理学的に認容性の水酸化物および酸化物が挙げられる。例としてあげられる中で強調されるべき塩基は炭酸ナトリウムである。【0015】 持続放出性組成物のために通例のフィルムコーティングは、水中で低い膨潤能力を有し、その中に小さな可溶性の粒子が埋め込まれているプラスチックからなる膜、または特にフィルムコーティングの透過性を決定する可溶性の塩を少量含有している膨潤可能なプラスチック膜が挙げられる。【0016】 膜の構成のために適切なプラスチックは水不溶性であり、かつ生理学的に認容可能なものである。水中で低い膨潤能力を有するプラスチックは本発明の目的では例えば水性媒体中で5質量%を超える水を吸収することがないプラスチックを意味するものとして解釈する。このためにセルロースエーテルおよびセルロースエステルが特に適切であると見なされている。さらに適切なプラスチックはポリ塩化ビニルのようなポリマーでもある。言及される膨潤可能なプラスチックは特にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのコポリマーである。【0017】小さい可溶性粒子は例えばラクトース結晶が挙げられ、これは有利に微粉化された形で使用される。粒径は便宜上20μm以下、有利には10μm以下である。プラスチック対可溶性粒子の比率は広い範囲で変化することができる。プラスチック対可溶性粒子の質量比は約2:1〜1:3が有利である。4:3〜4:5の質量比が特に有利である。【0018】膨潤可能なプラスチック膜のために適切な塩は、例えばアンモニウム塩、特に第四アンモニウム塩が挙げられる。プラスチック膜の特別な実施態様において、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのコポリマーのエステル基のいくつかは第四アンモニウム構造を有するエステル基である。第四アンモニウム基を有するこのようなコポリマーの例は、塩化トリメチルアンモニウムメチルメタクリレート(例えばRoehm社からのEudragit RLまたはEudragit RS)が挙げられる。【0019】ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンゾイミダゾールの放出時間は膜の組成を変えることにより、および/または膜の層厚を変えることにより広い範囲で制御することができる。従って放出は膜の層厚を低下させることにより、可溶性の粒子の割合を増加することにより、さらに目の粗い粒子形の可溶性粒子を使用することにより、または膨潤性のプラスチック膜の場合には、適切な塩の比率を増加する(例えばアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのコポリマーにおける第四アンモニウム基の高い割合)ことにより、より早い時間に行う。【0020】錠剤コアへの膜の適用は自体公知の方法で特に通例の噴霧技術で実施する。このためには膜のために使用することを意図したプラスチックまたはプラスチック混合物の溶液を溶剤または溶剤混合物中で準備するか、あるいはプラスチックまたはプラスチック混合物の水性分散液を準備する。可溶性の微粉化粒子を噴霧前に溶液中に懸濁させる。必要な場合には該懸濁液を噴霧の間攪拌して懸濁させた粒子の沈降を防止する。水性分散液を使用する有利な方法の場合、プラスチックの透過性のために役立つ塩はすでにプラスチック自体中に第四アンモニウム基の形で含有されている。水性分散液からなる膜を適用する場合、アルカリ性条件下で作業することもまた可能である。【0021】該膜は通例の補助剤、例えば可塑剤、湿潤剤、着色剤および付着防止剤を含有していてもよい。薬理学的に認容性の可塑剤は、例えばポリエチレングリコール、パラフィン、グリセロールまたはプロピレングリコールが適切である。湿潤剤は、コーティングをレーキ顔料で着色する場合には必要となることもある。例えばソルビトール脂肪酸エステルまたはジオクチルスルホコハク酸の塩が適切である。付着防止剤は特にステアリン酸カルシウムまたはタルクが挙げられる。【0022】錠剤コアの製造および構成に関して例えばEP−B1−589981号の実施態様を挙げることができる。【0023】本発明による適用形の以下の実施例は本発明を制限することなく詳細に説明するものである。【0024】実施例例1:錠剤A.活性化合物10mgを含有する錠剤コア(a)を(b)、(c)および(d)の一部と混合する。(b)および(c)の残りを(e)の清澄な水溶液に添加し、かつ(b)を用いてpHを>10に調整する。流動床造粒器中でこの溶液を使用して造粒を実施する。(d)および(f)の残りを乾燥させた顆粒に添加し、かつ該顆粒を適切なタブレット成形機中でプレスする。【0025】B.コーティング成分を攪拌して分散液が得られ、製造前にこれを過篩する。該分散液を適切な装置中で、Aで得られたコア上へ噴霧する。【0026】錠剤コアあたり6mgのコーティングの適用は、2時間後の活性化合物の自発的な開始および完全な放出につながる。【0027】例2:組合せ例えば本発明による錠剤(例1により製造、活性化合物を10mg含有、以下では錠剤E)および公知の腸溶錠剤(EP−B−589981号により製造、活性化合物10mgを含有、以下では錠剤M)の以下の組合せが考えられ、その際、該錠剤はサイズ3の硬質ゼラチンカプセルに調剤する。【0028】錠剤E1+錠剤M1錠剤E2+錠剤M2錠剤E3+錠剤M1錠剤E1+錠剤M3腸溶錠剤の代わりにEP−B−589981号により製造したペレットを使用することもできる。【0029】商業上の適用性本発明による経口投与形は、ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの使用により治療可能であるか、または防止できると考えられている全ての病気の治療および予防のために使用することができる。特に本発明による経口投与形は胃の障害の治療において使用することができる。【0030】意外なことに、通例の持続性放出コーティングを使用するにもかかわらず、本発明による経口投与形を使用する場合、持続性に(つまり、程度の差はあれ比較的長い期間にわたって一定に)放出する挙動は達成されない。それどころか最初は活性化合物は一定の期間(この期間の長さは上記で説明したとおりである)にわたって全く放出されず、これは膜のタイプおよび厚さにより制御可能である。【0031】調整可能な時間の終了後に、次いで全ての活性化合物が極めて短い時間内に放出される。膜に埋め込まれた粒子の溶解により該膜は多孔質となるか、あるいは浸透性の膜の膨潤により該膜は透過性となりかつ水がコアへと浸透する。この結果として錠剤崩壊剤が膨潤し始め、かつ膨潤圧力が膜の崩壊のために充分であるときに活性化合物は自発的に、かつ完全に放出される。【0032】本発明による経口投与形を使用することによりさらに遅い時期における活性化合物の投与をシミュレートすることが可能である。結果として、例えば同一の投与形中で(つまり1つのカプセル中で)、その放出が異なっている2つの活性化合物形(例えば通例の腸溶錠剤および本発明による錠剤)を組み合わせることにより、活性化合物の1日2回の投与の代わりに1日1回の投与を開始することを可能にするという可能性が開ける。【0033】従って本発明はさらにピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの本発明による経口投与形と通例の(つまり腸溶性に被覆した)投与形との組合せに関する。この関係での「組合せ」は固定された組合せまたは自由な組合せを意味するものとして理解する。【0034】固定された組合せでは、両方の適用形が1回の服用単位中(例えば外部に通例の構造を有し、かつ内部のコアが本発明により被覆されている共通の錠剤中、通例の被覆ペレットと本発明によるペレットとを含むカプセル中、または特に2つ以上の錠剤を含有し、そのうちの少なくとも1つが本発明による詳細な説明に相応するカプセル中)に存在している。【0035】自由な組合せにおいては、2つの投与形(本発明による投与形と、通例の投与形)が別々の服用単位中に存在しており、これは共通の包装単位中に、または別々の包装単位中に含有されていてもよい。共通の包装単位では例えば異なった投与形がブリスターパック中でカプセルまたは錠剤の形で互いに隣接する列に配置されている。医師による指示の時点で患者はそれぞれの場合に連続的に短い時間内(特に5分以内)にそれぞれの列からカプセルまたは錠剤を摂取する。【0036】固定された組合せまたは自由な組合せが存在するかどうかとは無関係に、本発明による組合せの場合のコンプライアンスはいずれの場合でも、2つの通例の投与形を比較的長い期間(例えば3〜12時間)に摂取しなくてはならない場合よりもはるかに大きい。【0037】固定された組合せまたは自由な組合せによりシミュレーションされた活性化合物の2倍投与は(1回投与としての活性化合物の同一の服用量と比較して)比較的長い期間において、患者の血液中の活性化合物の濃度のより小さな選択の幅ひいてはより急速な症状の軽減につながる。【0038】この関連において、固定された組合せが有利であり、特に本発明によるペレットと通例のペレットとの組合せ、殊には1つのカプセル中での本発明による錠剤と通例の錠剤との組合せが有利である。【0039】大人の患者のための治療服用量はピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールまたは薬理学的に認容性のこれらの塩に関しては、遊離酸に基づいて計算して1日あたり約5mg〜100mg、特に10mg〜80mg、有利には20mg〜40mgである。この治療服用量は本発明による組合せにおいて2つの投与形に均等に、もしくは不均等に分割することができる。多かれ少なかれ均等な分割、例えば本発明による投与形20mgおよび通例の(腸溶被覆した)投与形20mgが有利であり、これはいずれの場合も遊離酸に基づいている。【0040】本発明による経口投与形または本発明による組合せは、順次その他の医薬、特に抗菌剤、例えばヘリコバクター・ピロリ菌(H.ピロリ)を制御するために使用される薬剤と組み合わせることもできる。H.ピロリ菌の制御のために適切な抗菌剤は、例えばビスマス塩[例えば次クエン酸ビスマス、次サリチル酸ビスマス、アンモニウムビスマス(III)クエン酸ビスマス二水和物、酸化硝酸ビスマス、ジビスマストリス(テトラオキソジアルミン酸塩)]が挙げられるが、しかし特にβ−ラクタム抗生物質、例えばペニシリン(例えばベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、プロピシリン、アジドシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、オキサシリン、アモキシシリン、バカンピシリン、アンピシシリン、メジオシリン、ピペラシリンまたはアジオシリン)、セファロスポリン(例えばセファドロキシル、セファクロロ、セファレキシン、セフィキシム、セフロキシム、セファタメト、セファドロキシル、セフチブテン、セフポドキシム、セフォテタン、セファゾリン、セフォペラゾン、セフチゾキシム、セフォタキシム、セフタジジム、セファマンドール、セフェピム、セフォキシチン、セフォジジム、セフスロジン、セフトリアキソン、セフォチアムまたはセフメノキシム)またはその他のβ−ラクタム抗生物質(例えばアズトレオナム、ロラカルベフまたはメロペネム);酵素阻害剤、例えばスルバクタム;テトラサイクリン、例えばテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ミノサイクリンまたはドキシサイクリン;アミノグリコシド、例えばトブラマイシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、アミカシン、ネチルマイシン、パロモマイシンまたはスペクチノマイシン;アンフェニコール、例えばクロラムフェニコールまたはチアムフェニコール;リンコマイシンおよびマクロライド抗生物質、例えばクリンダマイシン、リンコマイシン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、スピラマイシン、ロキシトロマイシンまたはアジスロマイシン;ポリペプチド抗生物質、例えばコリスチン、ポリミキシンB、テイコプラニンまたはバンコマイシン;ジャイレース阻害剤、例えばノルフロキサシン、キノキサシン、シプロフロキサシン、ピペミド酸、エノキサシン、ナリジキシン酸、ペフロキサシン、フレロキサシンまたはオフロキサシン;ニトロイミダゾール、例えばメトロニダゾール;またはその他の抗生物質、例えばホスホマイシンまたはフシジン酸であり、その際これらの抗生物質作用が活性の物質を、本発明による経口投与形と一緒に、または本発明による組合せと一緒に、単独でまたは相互に組み合わせて投与することができる。抗生物質作用が活性の物質の組合せは例えばアモキシシリンとメトロニダゾール、クラリスロマイシンとメトロニダゾール、およびアモキシシリンとクラリスロマイシンが挙げられる。 ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾール、もしくはピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの骨格を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩を活性化合物として含有する経口投与形組成物を固定的に組み合わせた組合せ組成物であって、 前記活性化合物は、カプセル内において、当該活性化合物を互いに異なる放出を可能する、互いに異なる2種類の投与形で存在し、 前記2種類の投与形組成物のうちの第1の投与形組成物は、 前記活性化合物を錠剤崩壊剤と共に含有しており、かつ持続放出性組成物用のフィルムコーティングを有しており、 前記2種類の投与形組成物のうちの第2の投与形組成物は、 前記活性化合物を含有しており、かつ腸溶性コーティングを有しており、 前記フィルムコーティングのフィルムは、 アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのコポリマーであって第四アンモニウム構造を有するコポリマーであり、かつ、 水中で低い膨潤能力を有する膜であって、その中に小さな可溶性粒子が埋め込まれているプラスチックからなる膜、または少量の塩を含有している膨潤可能なプラスチック膜で構成されている、 ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾール、もしくはピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの骨格を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩の経口投与形組成物を固定的に組み合わせた組合せ組成物。 前記第1の投与形組成物は、前記活性化合物を胃部の通過の後でのみ前記活性化合物を放出する、 請求項1記載の組合せ組成物。 前記第1の投与形組成物の活性化合物の放出が、当該活性化合物の血中濃度が急速に上昇し、かつ高い濃度が達成されるように、短時間に行われる、 請求項2記載の組合せ組成物。 前記第1の投与形組成物の活性化合物の放出が、極めて短い時間内に、完全に行われる、 請求項2または請求項3記載の組合せ組成物。 前記ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールは、カリウム、ナトリウム、カルシウム、またはマグネシウムの塩である、 請求項1から4までのいずれか1項記載の組合せ組成物。 前記錠剤崩壊剤は、セルロース誘導体、デンプン、ベントナイト、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、または、架橋したポリビニルピロリドンである、 請求項1から5までのいずれか1項記載の組合せ組成物。 前記錠剤崩壊剤は、ナトリウムセルロースグリコレート、チロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびジャガイモデンプンをベースとする組成物、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、ベントナイト、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、および架橋したポリビニルピロリドンからなる群から選択される、 請求項1から5までのいずれか1項記載の組合せ組成物。 ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールがオメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、レミノプラゾールまたはネパプラゾールである、請求項1から7までのいずれか1項記載の組合せ組成物。 ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールがパントプラゾールである、請求項1から8までのいずれか1項記載の組合せ組成物。 前記第1の投与形組成物および前記第2の投与形組成物は、いずれも、ペレット状である、 請求項1から9までのいずれか1項記載の組合せ組成物。 前記第1の投与形組成物および前記第2の投与形組成物は、いずれも、錠剤状である、 請求項1から9までのいずれか1項記載の組合せ組成物。 前記錠剤崩壊剤が、架橋したポリビニルピロリドンである、請求項1記載の組合せ組成物。 前記錠剤崩壊剤が、錠剤コア中で20〜35質量%の割合を有する、架橋したポリビニルピロリドンである、請求項12記載の組合せ組成物。 抗菌剤と組み合わせられるか、または抗菌剤と組み合わせて使用される、請求項1から13までのいずれか1項記載の組合せ組成物。 1日2回の投与の代わりに、1日1回の投与に適している、 請求項1から14までのいずれか1項記載の組合せ組成物。 前記フィルムコーティングのフィルムは、水不溶性であり、かつ生理学的に認容可能なプラスチックからなる膜であって、水中で低い膨潤能力を有する膜であり、その膜中に、小さな可溶性粒子が埋め込まれている、 請求項1記載の組合せ組成物。 前記プラスチックからなる膜は、水性媒体中で5質量%を超える水を吸収することがない、 請求項16記載の組合せ組成物。 前記プラスチックは、セルロースエーテル、セルロースエステル、ポリ塩化ビニル、またはアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのコポリマーである、 請求項17記載の組合せ組成物。 前記小さな可溶性粒子は、ラクトース結晶である、 請求項16記載の組合せ組成物。 前記プラスチック対前記可溶性粒子の比率が、2:1〜1:3である、 請求項16記載の組合せ組成物。 前記プラスチック対前記可溶性粒子の比率が、4:3〜4:5である、 請求項20記載の組合せ組成物。 胃の障害を治療するための、請求項1から21までのいずれか1項記載の組合せ組成物。