タイトル: | 特許公報(B2)_骨粗鬆症の予防および/または治療のための、プロピオニルL−カルニチンおよびゲニステインを含む組成物 |
出願番号: | 2000555599 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 31/352,A23L 1/30,A61K 31/205,A61K 36/18,A61P 19/10,A61P 43/00 |
クラウディオ・カヴァッツァ JP 4430233 特許公報(B2) 20091225 2000555599 19990617 骨粗鬆症の予防および/または治療のための、プロピオニルL−カルニチンおよびゲニステインを含む組成物 シグマ−タウ インダストリー ファーマシューティクー リウニート エス.ピー.エー. 599035982 青山 葆 100062144 田中 光雄 100081422 松谷 道子 100106518 クラウディオ・カヴァッツァ IT RM98A000417 19980623 20100310 A61K 31/352 20060101AFI20100218BHJP A23L 1/30 20060101ALI20100218BHJP A61K 31/205 20060101ALI20100218BHJP A61K 36/18 20060101ALI20100218BHJP A61P 19/10 20060101ALI20100218BHJP A61P 43/00 20060101ALI20100218BHJP JPA61K31/352A23L1/30 ZA61K31/205A61K35/78 CA61P19/10A61P43/00 111 A61K31/33-31/80,35/00-35/76 CA/REGISTRY(STN) CAplus(STN) 特開平09−176005(JP,A) 特開平08−165238(JP,A) 12 IT1999000174 19990617 WO1999066913 19991229 2002518437 20020625 12 20050427 澤田 浩平 【0001】本発明は、骨粗鬆症および、更年期症候群による変容の予防および/または治療のための組成物に関する。従って該組成物は、該組成物を使用すべき特定の個人に対して該組成物が発揮することを意図する補助的若しくは予防的作用または、厳密には治療的作用いかんで栄養補助食品または事実上の薬の形態をとり、その作用を発揮することができる。【0002】詳細には本発明は、(a)任意に少なくとももう一つの「カルニチン」(ここで、「カルニチン」により、L-カルニチンまたは、アセチルL-カルニチン、バレリルL-カルニチン、イソバレリルL-カルニチンから成る群から選択されるアルカノイルL-カルニチンまたは薬理学上許容されるその塩を意図する)と組み合わせてもよい、プロピオニルL-カルニチンまたは薬理学上許容されるその塩;および、(b)任意に4’,7-ジヒドロキシイソフラボン(ダイゼイン)、その7-グルコシド(ダイジン)およびその4,7-ジクルコシドから成る群から選択される少なくとももう一つのイソフラボンと組み合わせてもよい4’,5,7-トリヒドロキシイソフラボン(ゲニステイン):を組み合わせて含む組成物に関する。【0003】該新規組成物は、経口、非経口、直腸または経皮投与することができ、ヒトおよび動物の両方に対して栄養補助食品または事実上の薬として特に有用となる。周知のように、更年期症候群は、ほてりから心血管アクシデントならびに精神的および気分性疾患および、骨粗鬆症の発症に至る血管効果を含む多くの症状により特徴付けられる。腫瘍の危険性もこの時期増加する。骨粗鬆症は、年配の人に多い疾患であるが、最もその影響があるのは特に更年期の女性である。骨粗鬆症、心血管アクシデントおよび腫瘍の危険性は実際、更年期の女性において最も頻発する出来事である。この時期伴う病的異常の予防および処置のための治療的手段は多く、カルシウム、ビタミン(例えばビタミンD)またはカルシトニンのようなミネラルの使用が含まれるが、最も広く行き渡った治療法は、ホルモン補充治療(HRT)から成る。【0004】エストロゲン治療は実際に、更年期障害において良く報告される当該ホルモンの欠損に対する補充治療として使用されることが明らかに指摘されている。これらのホルモンの使用はしかし、決して危険がないわけではない。よく知られているのは、エストロゲンの使用に関連する血栓塞栓症の危険性であり、これらはその使用を制限する要因の一つを構成する。しかし、最も重大な要因は何と言っても発癌の危険性である。エストラジオールおよびプロゲステロン、ならびにジヒドロテストステロンレセプターは実際、大腸および乳房の初期腫瘍において報告されている。これらのレセプターの活性化はこれらの腫瘍の発病原因の一つと仮定されている。ホルモン補充治療(HRT)は、血栓塞栓症および発癌の危険性のみならず、体重増加、頭痛、吐き気、鬱病および胸部のはれおよび緊張という一連の副作用を伴う。忌避とされる更なる症状は子宮内膜症、子宮筋腫または先の乳癌および子宮癌の存在であり、これらにおいては医師はしばしばこのタイプの治療をすぐに見捨て、他の安全な解決法を探す。イソフラボンおよびフィトエストロゲンは有効なこれに代わる方法を提供すると考えられる。【0005】植物性誘導体がエストロゲン様活性を発揮することができるという指摘は、メディカゴサティバ(Medicago sativa)またはトリフォリウムレペンス(Trifolium repens)を給餌している動物が生殖能力に欠陥を呈するという知見から生じた。この効果の原因は、これらの植物における、エストラジオールに構造的に類似し、フィトエストロゲンに分類される物質であるコウメステロール(coumesterol)の存在にあるとされている。植物界に天然に存在する、17β-エストラジオールと類似の構造および機能を有する物質をフィトエストロゲンとみなす。このカテゴリーには、リグナン、イソフラボン、コウメスタンスおよびレゾルシル酸のラクトンような多くの化合物が含まれる。フィト-エストロゲンは多くの穀類およびマメ科植物に存在する。ダイズのようなマメ科植物は特にイソフラボンに富み、一方、リグナンはほとんど全ての穀類、とりわけ亜麻仁オイルに存在する。【0006】フィト-エストロゲンは、胃や腸で細菌による変性を受けた後の食餌中に存在するプレカーサーから得ることが出来る。リグナンの細菌変性から得られる主な誘導体はエンテロジオールおよびエンテロラクトンであり、グリコシド部分細菌除去後の主なイソフラボン誘導体はゲニステイン、ダイゼインおよびエクオールである。これらのフィト-エストロゲンのほとんどは、ヒトの血漿および唾液ならびに前立腺分泌液および哺乳動物の包嚢吸引物中に同定されている。全てのフィト-エストロゲンは、エストラジオールには劣るが、エストロゲン様の活性を有する。疫学的研究により、かなりの量のイソフラボンを含む食餌を消費している人では、これらの物質を少量だけ消費している人よりも、乳癌、卵巣癌および大腸癌の発症が少ないことが立証されている。これに関して、アジア人と西洋人の間には明らかな違いがある。例えば乳癌の予後は、日本人のようなアジア人の方が、アメリカ人やイギリス人よりもよい。【0007】さらに、インビトロ研究により、乳癌細胞系統で評価されるように、フィト-エストロゲンの抗増殖活性が確認されている。骨粗鬆症に関して、この疾患の発症がエストロゲンの欠損に関連して増し、イソフラボンに富む食餌を取っているアジア人においてはその発症が、西洋人よりも低いことが見出されている。乳房組織のエストロゲンレセプターのレベルでアンタゴニストとしておよび、血管および骨組織のレベルで部分的アゴニストとして作用するタモキシフェンまたは4-ヒドロキシタモキシフェンのような合成エストロゲンを用いた場合と同様に、フィト-エストロゲンが、エストロゲンレセプターレベルで、異なる組織により異なって機能する可能性があると最近推定されている。【0008】ゲニステイン(4',5,7-トリヒドロキシイソフラボン)に関しては、膜ARPアーゼの阻害および、チロシンキナーゼおよびトポイソメラーゼIIの阻害のような他の作用メカニズムも考慮に入れなければならない。ゲニステインが骨代謝に関して直接的な代謝効果を発揮し、骨の再吸収を阻害することができることが、大腿骨幹端組織のインビトロ培養物に関して報告されている。ゲニステインはまた、アテローム発生の危険から内皮細胞を保護し、腫瘍の進行を予防または阻害する。しかし、腫瘍の危険性は一般に、ゲニステインの摂取によるだけでなく、ダイズ抽出物によっても減じられるようである。様々なイソフラボンの中で、ゲニステインとダイジンが、エストロゲンレセプターと最も密接な相互作用を示すものであると考えられる。【0009】これらの特性により、フィト-エストロゲンがエストラジオールの代わりとして妥当な候補物質となり、エストラジオールの副作用を呈さず、その食餌が野菜およびマメ科植物のかなりの消費を含む人におこる実際上無制限の摂取に適することがわかる。カルニチンの代謝活性は非常によく知られている。L-カルニチン、アセチルL-カルニチン、プロピオニルL-カルニチンおよびイソバレリルL-カルンチンン全ては、ミトコンドリアレベルおよび脂肪酸のβ酸化レベルで、考慮されるその動態および組織によりいくらかの違いはあるが、実質上同じ活性を呈する。カルニチンはまた、かなりの抗酸化活性を発揮し、それにより、ミトコンドリアおよび内皮細胞レベルで誘発されるリン脂質膜の脂質過酸化および、酸化ストレスに対して保護効果を提供する。カルニチンは炭水化物代謝に活性的であることも分かっている。加齢に伴って組織のカルニチン濃度は低下し、それゆえ種々の組織の代謝能力も低下する。骨質量の維持のために造骨部において継続的再構築能力および代謝機能能力を必要とする骨組織のような組織が特に不利な影響を受ける。【0010】驚くべきことに、特徴成分として(a)プロピオンニルL-カルニチンまたは薬理学上許容されるその塩の一つ;および、(b)4',5,7-トリヒドロキシイソフラボン(ゲニステイン):を含む組み合わせ組成物が、その成分が発揮する強い共同効果の結果として骨粗鬆症および更年期症候群の予防および/または治療に非常に有効であることが見出された。有利には、成分(a)がL-カルニチン、アセチルL-カルニチン、バレリルL-カルニチン、イソバレリルL-カルニチンから選択される「カルニチン」または薬理学上許容されるその塩または混合物をさらに含み、および、成分(b)が4',7-ジヒドロキシイソフラボン(ダイゼイン)、その7-グリコシド(ダイジン)およびその4,7-ジグリコシドから成る群から選択されるイソフラボンまたはその混合物をさらに含んでもよいことも見出された。【0011】(a):(b)の重量対重量比は、0.01〜1:1に渡る。該組成物中、成分(b)は、例えばダイズ種子または亜麻仁のような、それを含んでいる植物性産物の抽出物の形態で存在することができる。本発明による組成物の低毒性および良好な耐性ならびに、その成分により生み出される強い共同効果を立証する多くの試験を以下に記載する。【0012】毒性試験(L-カルニチン+アセチルL-カルニチン+プロピオニルL-カルニチン+イソバレリルL-カルニチンの、その種々のカルニチン間の重量対重量比が1:1の)カルニチン混合物またはプロピオニルL-カルニチン、またはダイズイソフラボン混合物、またはゲニステインの単一投与量投与および長期投与の両方を、本発明による組み合わせ物の急性および慢性毒性の両方を評価する目的で行い、単独でも組み合わせて投与した場合でも該生成物の低毒性および良好な耐性が立証された。【0013】単一投与措置を用いて、ラットとマウスの両方に600mg/kgのカルニチン混合物、または600mg/kgのプロピオニルL-カルニチン単独、または5g/kgの5%イソフラボン含有ダイズ抽出物、または15mg/kgのゲニステイン、またはこれらの生成物の種々の組み合わせを、こうして処置した動物に死亡または明らかな毒性症状のいずれを生じることもなく投与することができることが判明した。ラットに30日間連続して2g/kgの5%イソフラボン含有ダイズ抽出物と200mg/kgのカルニチン混合物または150mg/kgのプロピオニルL-カルニチンを長期投与すること、ならびに5mg/kgのゲニステインを同じ期間、カルニチン混合物またはプロピオニルL-カルニチンのいずれかと組み合わせて長期投与することも同様に良好に耐性であった。これらの試験においても、30日間の処置終了時、行った様々な血液化学試験または赤血球および白血球数のいずれにおいても毒性異常は全く見られなかった。主用器官で行った組織化学的試験も、明らかな異常は全く示さなかった。【0014】オステオカルシン濃度変化の評価オステオカルシンの血漿レベルにおける変化と骨組織の造骨活性の間には密接な関連性があり、オステオカルシン血漿レベルの低下は、年配の患者または更年期の女性の骨粗鬆症の基本であると考えられる増加した造骨活性の指標である。これらの試験は、少なくとも7月齢の、各10匹のマウスから成る種々のグループに分けたマウスの一群に関して行った。一グループをコントロールグループとして用い、その他のグループには食餌と共に、これらの試験においても他の試験同様、L-カルニチン+アセチルL-カルニチン+プロピオニルL-カルニチン+イソバレリルL-カルニチンの1:1の重量対重量比の混合物から成るカルニチン混合物(100mg/kg)、またはプロピオニルL-カルニチン(100mg/kg)、または5%イソフラボン含有ダイズ抽出物(2kg/kg)、またはゲニステイン(5mg/kg)、またはこれらの成分の種々の組み合わせを投与した。処置は、30日間毎日または、60日間連続して行った。血清オステオカルシンアッセイは、Grunhaberg(Grunhaberg et al., Meth. Enzymology, 207, 516, 1984)により記載される方法に従い、血液サンプルをコントロールおよび処置動物から、眼窩領域から採取して行った。【0015】表1に示す結果から見られるように、カルニチン混合物、またはプロピオニルL-カルニチン、またはダイズ抽出物、またはゲニステインの投与は、こうして処置した動物の血清オステオカルシン濃度を増すことができ、一方、血清オステオカルシンレベルはコントロール動物では加齢に伴って低下する傾向にあった。しかし驚くべきことに、カルニチン混合物とダイズ抽出物の組み合わせた投与の後ならびにプロピオニルL-カルニチンとゲニステインの組み合わせ物の投与の後では、最も高い増加が観察された。オステオカルシン濃度の増加は、60日間連続して処置したマウスにおいてよりいっそう明らかであったが、60日間処置したコントロール動物では、オステオカルシンレベルに関してよりいっそう明らかな年齢に関連する低下が示された。これらの試験はそれゆえ、考慮されたカルニチンとイソフラボンおよび詳細にはプロピオニルL-カルニチンとゲニステインの間に強い共同効果が明らかに認められることを立証する。該組み合わせ物の共同効果は、本発明による組み合わせ物の単一単離成分を用いて得られる効果からは予測できない、思いがけないものであるように思われる。【0016】プロスタサイクリン合成試験プロスタサイクリン(PGI2)は、アラキドン酸のような脂肪酸のレベルでシクロオキシゲナーゼの作用により形成される生成物の一つであり、(PG)E2またはロイコトリエン(例えば(LT)C1)と異なり、プロスタグランジンの炎症性、血管痙攣性、破骨または血栓型活性を示さず、むしろ非常にかなりの細胞保護、血管拡張および造骨活性を有し、その形成はCOX2の活性よりもCOX1の活性と関連する。これらの試験の目的は、ラットへの(L-カルニチン+アセチルL-カルニチン+プロピオニルL-カルニチン+イソバレリルL-カルニチンの、各1:1の重量対重量比での)カルニチン混合物、またはダイズ抽出物、またはゲニステイン、またはプロピオニルL-カルニチン、またはこれらの生成物の種々の組み合わせの投与により、プロスタサイクリン(PGI2)の産生の増加が導かれるかどうかを確立することであった。実際に、プロスタグランジン特にプロスタサイクリンがインシュリン様成長因子(IGF-1)の産生を調節し、それにより軟骨細胞の代謝に影響を与える可能性があることが立証されている。さらに、公知のように、IGF-1と成長ホルモンの間には密接な関連性があり、後者は、成長への正の効果が数ある中でも、骨の再構築および造骨活性において重要な役割を果たすことができることが判明している。プロスタグランジンはエストロゲンの効果を含む、いくつかの他のホルモン効果を調節することもできる。【0017】これらの試験で用いる方法は、Brit.J.Nutrition,64,497,1990中、G.R.Elliotにより記載されている方法であり、カルニチン混合物、またはダイズ抽出物、またはプロピオニルL-カルニチン、またはゲニステイン、またはこれらの生成物の種々の組み合わせをその食餌と共に7日間連続して投与したラットの一群から単離した腹腔マクロファージによるプロスタグランジンの放出を測定した。与えた投与物は、400mg/kgのカルニチン混合物、または400mg/kgのプロピオニルL-カルニチン、または8g/kgのダイズ抽出物、または40mg/kgのゲニステイン、または同じ投与量の種々の生成物を組み合わせたものであった。処置の1日目、全ての動物を2cm3の2mgカラゲニン含有溶液を用いて腹腔内処置した。処置の最終日の後、腹腔マクロファージをコントロールおよび処置ラットから単離し、2×10-6/cm3細胞懸濁液を得た。【0018】こうして調製した1cm3のマクロファージ調製物を、基本放出または、A2318のようなイオン透過担体と接触させて30分置いた後の放出を評価するために2時間インキュベートした。細胞を遠心分離し、上清をZijstra et al.(Zijstra,F.J.,Vincent,J.E.,J.Chromatography,311,39,1984)により記載されるラジオイムノアッセイ法に従い、そのPGI2含量を分析した。表2に示す結果から見られるように、カルニチン混合物およびプロピオニルL-カルニチンの投与は、処置したラット由来のマクロファージにおけるPGI2合成の増加を導き、一方でその増加はダイズ抽出物またはゲニステインを用いて処置したラットにおいてはごくわずかであった。しかし、PGI2合成の増加は、カルニチンとダイズ抽出物の組み合わせまたは、プロピオニルL-カルニチンとダイズ抽出物またはゲニステインの組み合わせを用いて処置したラットにおいては高比率であった。これらの組み合わせを用いて処置した動物由来のマクロファージによるプロスタサイクリン放出の増加は、明らかな強い共同効果を示す。【0019】造骨細胞増殖試験増殖調節および骨の再構築において造骨細胞が果たす重要な役割を考慮して、カルニチンまたはイソフラボノイドおよびゲニステインの存在が造骨細胞のインビトロでの増殖に影響を与えることができるかどうかを評価するために一連の試験を行った。この目的のために、マウスの造骨細胞(MC3T3造骨様細胞)をトリプシン処理して熱不活性化2%牛胎児血清を添加した培地に置いた後、カルニチン混合物(L-カルニチン+アセチルL-カルニチン+プロピオニルL-カルニチイン+イソバレリルL-カルニチンの1:1の重量対重量比での組み合わせ)またはプロピオニルL-カルニチン、またはイソフラボン、またはゲニステインの存在または不在下、プレート(それぞれ約10,000細胞を含む)上で増殖させた。カルニチン混合物(L-カルニチン+アセチルL-カルニチン+プロピオニルL-カルニチイン+イソバレリルL-カルニチンの1:1の重量対重量比での組み合わせ)またはプロピオニルL-カルニチン、またはイソフラボン、またはゲニステインは、0.05mMカルニチン〜0.005mMイソフラボンまたはゲニステインの濃度で適当に溶解した後、培養培地に添加した。72時間のインキュベーションの後、細胞の数をRiancho(Riancho,J.A.,J.Bone Mineer.Res.,10,439,1995)により記載される方法に従い、ジメチルチアゾールジフェニルテトラゾールの還元による比色法を用いて計測した。結果を表3に示す。【0020】これらの試験で得られた結果から見ることができるように、カルニチン混合物およびプロピオニルL-カルニチンがそれらを用いてインキュベーションした細胞の増殖にわずかな効果を持つのに対して、イソフラボンもゲニステインもコントロールに比べ、正常な細胞増殖速度に影響を与えないようである。イソフラボンまたはゲニステインのカルニチン混合物との、またはプロピオニルL−カルニチンとの組み合わせは明らかに造骨細胞の増殖速度を上げ、カルニチン単独の使用で達成されるよりもより高い程度までその増殖速度を上げる。これらの試験でも、こうして、カルニチンおよびダイズ抽出物またはゲニステインの間のかなりの思いがけない共同効果が達成される。【0021】【表1】【0022】【表2】【0023】【表3】【0024】本発明による製剤のいくつかを説明する無制限の例を次に示す。【0025】【表4】【0026】【表5】【0027】L-カルニチンまたはアルカノイルL-カルニチンの薬理学上許容される塩が意味するものは、望ましくない毒性または副作用を引き起こさない酸とのこれらの活性成分のいずれかの塩である。これらの酸は薬理学者および製薬業者には周知である。【0028】適当な塩の無制限の例は次のようである。:クロライド;ブロマイド;ヨーダイド;アスパルテート、酸アスパルテート;シトレート、酸シトレート;タートレート;ホスフェート、酸ホスフェート;フマレート、酸フマレート;グリセロホスフェート;グルコースホスフェート;ラクテート;マレエート、酸マレエート;オロテート;オキサレート、酸オキサレート;スルフェート、酸スルフェート;トリクロロアセテート;トリフルオロアセテートおよびメタンスルホネート。【0029】FDAが認可する医薬上許容される塩のリストはInt. J. of Pharm. 33, (1986), 201-217に示されており、この出版物を、本明細書中に引用により組み込む。本発明による組成物は、ビタミン、補酵素、ミネラル物質および抗酸化剤をさらに含んでもよい。特定の投与経路を考慮して組成物を調製するために用いられる適当な賦形剤は、製薬業者におよび食品工業の専門家には明らかであろう。 (a)プロピオニルL-カルニチンまたは薬理学上許容されるその塩;および、(b)4’,5,7-トリヒドロキシイソフラボン(ゲニステイン):を組み合わせて含む、骨粗鬆症の治療または予防のための組成物。 成分(a)が、L-カルニチン、バレリルL-カルニチン、イソバレリルL-カルニチンから成る群から選択される「カルニチン」または薬理学上許容されるその塩またはそれらの混合物をさらに含む請求項1記載の組成物。 成分(b)が、4’,7-ジヒドロキイシソフラボン(ダイゼイン)、その7-グルコシド(ダイジン)およびその4,7-ジグリコシドから成る群から選択されるイソフラボンまたはそれらの混合物をさらに含む請求項1または2記載の組成物。 重量比(a):(b)が、1:0.01〜1:1である請求項1-3いずれか一項に記載の組成物。 成分(b)が該成分そのものを含む植物性抽出物の形態である請求項1-4いずれか一項に記載の組成物。 該植物性抽出物がダイズ種子または亜麻仁抽出物を含む請求項5記載の組成物。 L-カルニチンまたはアルカノイルL-カルニチンの薬理学上許容される塩が、クロライド;ブロマイド;ヨーダイド;アスパルテート、酸アスパルテート;シトレート、酸シトレート;タートレート;ホスフェート、酸ホスフェート;フマレート、酸フマレート;グリセロホスフェート;グルコースホスフェート;ラクテート;マレエート、酸マレエート;オロテート;酸オキサレート;スルフェート、酸スルフェート;トリクロロアセテート;トリフルオロアセテートおよびメタンスルホネートから成る群から選択される請求項1-6いずれか一項に記載の組成物。 ビタミン、補酵素、ミネラル物質および抗酸化剤をさらに含む請求項1-7いずれか一項に記載の組成物。 経口投与可能な栄養補助食品の形態の請求項1-8いずれか一項に記載の組成物。 経口、非経口、直腸または経皮投与可能な薬剤の形態の請求項1-8いずれか一項に記載の組成物。 固体、半固体または液体の形態で調製される請求項9または10記載の組成物。 ピル、錠剤、カプセル、顆粒またはシロップの形態の請求項11記載の組成物。