タイトル: | 特許公報(B2)_多重治療法における有効成分の投与のための二重カプセル |
出願番号: | 2000538676 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 9/48,A61K 31/19,A61K 31/4164,A61K 31/426,A61K 31/4439,A61K 31/60,A61K 31/65,A61K 33/24,A61K 47/02,A61K 47/10,A61K 47/12,A61K 47/14,A61K 47/26,A61K 47/36,A61K 47/38,A61K 47/44,A61P 31/04 |
サンソ、ジョバンニ JP 4615713 特許公報(B2) 20101029 2000538676 19981214 多重治療法における有効成分の投与のための二重カプセル アクスカン・ファーマ・インコーポレイテッド 500287857 河野 哲 100091351 中村 誠 100088683 蔵田 昌俊 100108855 福原 淑弘 100109830 白根 俊郎 100095441 村松 貞男 100084618 橋本 良郎 100092196 風間 鉄也 100100952 サンソ、ジョバンニ IT MI97A02788 19971217 20110119 A61K 9/48 20060101AFI20101222BHJP A61K 31/19 20060101ALI20101222BHJP A61K 31/4164 20060101ALI20101222BHJP A61K 31/426 20060101ALI20101222BHJP A61K 31/4439 20060101ALI20101222BHJP A61K 31/60 20060101ALI20101222BHJP A61K 31/65 20060101ALI20101222BHJP A61K 33/24 20060101ALI20101222BHJP A61K 47/02 20060101ALI20101222BHJP A61K 47/10 20060101ALI20101222BHJP A61K 47/12 20060101ALI20101222BHJP A61K 47/14 20060101ALI20101222BHJP A61K 47/26 20060101ALI20101222BHJP A61K 47/36 20060101ALI20101222BHJP A61K 47/38 20060101ALI20101222BHJP A61K 47/44 20060101ALI20101222BHJP A61P 31/04 20060101ALI20101222BHJP JPA61K9/48A61K31/19A61K31/4164A61K31/426A61K31/4439A61K31/60A61K31/65A61K33/24A61K47/02A61K47/10A61K47/12A61K47/14A61K47/26A61K47/36A61K47/38A61K47/44A61P31/04 A61K9/00 A61K47/00 A61K31/00 A61K45/00 CA/STN 特表平3−503404(JP,A) 特開平8−20543(JP,A) 国際公開第97/36599(WO,A1) 特開昭60−193917(JP,A) 特開昭61−151119(JP,A) 特開昭59−131355(JP,A) 医学のあゆみ,1996年10月5日,Vol.179,No.1,pp.103−107 The Lancet,1990年,Vol.335,pp.1233−1235 36 EP1998008167 19981214 WO1999030693 19990624 2002508312 20020319 13 20010903 2007022883 20070820 星野 紹英 伊藤 幸司 大久保 元浩 【0001】(発明の分野)この発明は、多重治療法における有効成分の投与のための二重カプセルから成る薬剤投薬形態に関する。この二重カプセルは、もう1つのカプセルの内部に配置されたカプセルである。【0002】(発明の背景)一度に又は短い時間間隔をあけて、1つ以上の有効成分を投与する治療法は、既によく知られている。最も一般的な薬剤投薬形態は、化合物の区別化された放出を可能にするコーティングを備えた様々な有効成分のための錠剤から成っている。【0003】前記治療法のうち、最も一般的な治療法は、微生物ヘリコバクターピロリの存在によって引起こされる消化器系の疾患、例えばやがて腫瘍形態に導かれることがある胃炎及び胃十二指腸潰瘍に関する治療法である。知られているように、ヘリコバクターピロリは、カンピロバクターピロリの現代式呼称である。【0004】米国特許第5,196,205号(特許出願WO 89/03219に対応する)は、これらの病原体(pathological agents)の治療法であって、ビスマス化合物、ペニシリン及びテトラサイクリンの群に属する抗生物質、及び第二抗生物質例えばメトロニダゾールの投与から成る治療法について記載している。この関連治療法は、1日数回3つの錠剤(各有効成分について1錠)の投与から成っている。【0005】従ってこの治療法は、結果として極めて複雑になる。【0006】米国特許第5,196,205号に記載されている治療法は、第四有効成分、すなわちオメプラゾールの追加によってさらに修正されている。オメプラゾールは、酵素H+/K+ATPを不可逆的に阻害することによって胃分泌を減少させるものである。オメプラゾールは、前記有効成分とは異なる時点で投与されなければならず、これらの有効成分は、病気の重症度、患者の年齢、及びその効力に影響を与えうる他の要因に従って医師が決定する。【0007】従って複雑な薬量学が必要な治療法、例えば多重治療法は、この治療法それ自体の成果を危うくするような誤ちを起こしやすいと言えるのは確かである。【0008】ヘリコバクターピロリの撲滅のための、単一治療法又は多重治療法について記載しているその他の特許及び特許出願も知られている。例えば米国特許第5,472,695号、米国特許第5,560,912号、米国特許第5,582,837号、WO92/11848号、及び第WO96/02237号である。これらの先行特許及び特許出願のどれも、本発明によって提案されている方法よりも単純かつ独創的な方法を用いて、有効成分間の相互作用の問題を克服してはいない。【0009】米国特許第5,310,555号及び米国特許第5,501,857号は、動物への栄養補足物を供給するための二重カプセルの使用を教示しているが、多重治療法における薬剤の投与のためにこれを使用することは提案していない。日本特許第60−193917は、数個のより小さなソフトカプセルを含有するソフトカプセルを教示している。特許DE2,729,068号は、内部に、同じ又は異なる溶解特性を有するさらなるハードカプセルを有する標準的なハードゼラチンカプセルを教示している。特許FR2,524,311号は、二重カプセルと三重カプセルを教示している。特許FR1,454,013号は、内部カプセルが、遅延した放出特性を有する二重カプセルを教示している。 特許出願GB2,103,564号は、その間に気体の空間を有し、使用者が外側のカプセルを噛み砕き、内側のカプセルをそのまま嚥下することを可能とした脆い外側のカプセルと内側の食べられるカプセルを特徴とする予防薬を経口投与するためのカプセル集合体を教示している。【0010】ヘリコバクターピロリの撲滅のための多重治療法のうち、有効成分の下記組合わせがヒトに対してテストされ、公表されている:1.アモキシシリン、メトロニダゾール、及びフラゾリドン;2.次サリチル酸ビスマス、ランソプラゾール、及びクラリトロマイシン;3.次サリチル酸ビスマス、ロキシトロマイシン、メトロニダゾール、及びラニチジン;4.クラリトロマイシン、コロイド次クエン酸ビスマス、及びフラゾリン;5.コロイド次クエン酸ビスマス、アモキシシリン、及びメトロニダゾール;6.エブロチジン、アモキシシリン、及びメトロニダゾール;7.ランソプラゾール、アモキシシリン、及びアジトロマイシン;8.ランソプラゾール、アモキシシリン、及びクラリトロマイシン;9.ランソプラゾール、アモキシシリン、及びレバミピド;10.ランソプラゾール、クラリトロマイシン、及びフラゾリン;11.ランソプラゾール、アジトロマイシン、及びメトロニダゾール;12.ランソプラゾール、ミコナゾール、及びアモキシシリン;13.ランソプラゾール及びノルフロキサシン;14.メトロニダゾール及びジリトロマイシン;15.オメプラゾール、アモキシシリン、及びアジトロマイシン;16.オメプラゾール、アモキシシリン、クラリトロマイシン、及びメトロニダゾール;17.オメプラゾール、アモキシシリン、メトロニダゾール、及びビスマス;18.オメプラゾール、アモキシシリン、及びレバミピド;19.オメプラゾール、アモキシシリン、及びチニダゾール;20.オメプラゾール及びアモキシシリン;21.オメプラゾール及びアジトロマイシン;22.オメプラゾール、ビスマス、及びシプロフロキサシン;23.オメプラゾール、ビスマス、及びクラリトロマイシン;24.オメプラゾール、クラリトロマイシン、及びチニダゾール;25.オメプラゾール及びジリトロマイシン;26.オメプラゾール、ランソプラゾール、及びレバミピド;27.オメプラゾール、メトロニダゾール、及びアモキシシリン;28.オメプラゾール、メトロニダゾール、及びアジトロマイシン;29.オメプラゾール、メトロニダゾール、及びクラリトロマイシン;30.オメプラゾール及びノルフロキサシン;31.オメプラゾール、スクラルフェート、メトロニダゾール、及びテトラサイクリン;32.オメプラゾール、クラリトロマイシン、及びチニダゾール;33.パントプラゾール、クラリトロマイシン、及びアモキシシリン;34.パントプラゾール及びクラリトロマイシン;35.ラニチジンクエン酸ビスマス、クラリトロマイシン、及びテトラサイクリン;36.ラニチジンクエン酸ビスマス及びクラリトロマイシン;37.ラニチジンクエン酸ビスマス、メトロニダゾール、及びクラリトロマイシン;38.ラニチジンクエン酸ビスマス及びセフロキシム;39.リファキシミン及びエリトロマイシン;40.オメプラゾール、ビスマス、テトラサイクリン、及びメトロニダゾール;41.オメプラゾール、次クエン酸ビスマス、テトラサイクリン、及びメトロニダゾール;42.次クエン酸ビスマス、テトラサイクリン、及びメトロニダゾール。【0011】(発明の概要)本発明の目的は、微生物ヘリコバクターピロリに対する治療法での多重治療法における有効成分の投与のための薬剤投薬形態の使用であって、1つのカプセルがもう一方のカプセルの内部に配置された2つのカプセルを含んでいる薬剤投薬形態の使用である。本発明によれば、前記目的は、1つのカプセルが、もう一方のカプセルの内部に配置された2つのカプセルを含んでいる微生物ヘリコバクターピロリに対する三重治療のための薬剤投薬形態を調製するためのビスマスの可溶塩、第一の抗生物質、及び第二の抗生物質の使用であって、前記外部カプセルが、ビスマスの可溶塩と前記第一の抗生物質を含み、前記内部カプセルが、前記第二の抗生物質を含む使用によって達成される。本発明の目的は、1つのカプセルが、もう一方のカプセルの内部に配置された2つのカプセルを含んでいる微生物ヘリコバクターピロリに対する四重治療法のための薬剤投薬形態を調製するためのビスマスの可溶塩、第一の抗生物質、第二の抗生物質、及びK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2の使用であって、前記外部カプセルが、前記ビスマスの可溶塩、前記第一の抗生物質を含み、前記内部カプセルが、前記第二の抗生物質及びK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2を含む使用によっても達成される。さらに、本発明の目的は、1つのカプセルが、もう一方のカプセルの内部に配置された2つのカプセルを含んでいる微生物ヘリコバクターピロリに対する四重治療法のための薬剤投薬形態を調製するためのビスマスの可溶塩、第一の抗生物質、第二の抗生物質、及びK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2の使用であって、前記外部カプセルが、前記ビスマスの可溶塩、前記第一の抗生物質、K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2を含み、前記内部カプセルが、前記第二の抗生物質を含む使用によって達成される。さらに、本発明の目的は、1つのカプセルが、もう一方のカプセルの内部に配置された2つのカプセルを含んでいる微生物ヘリコバクターピロリに対する四重治療法のための第一の薬剤投薬形態と第二の薬剤投薬形態を調製するためのビスマスの可溶塩、第一の抗生物質、第二の抗生物質、及びK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2の使用であって、前記外部カプセルが、前記ビスマスの可溶塩、前記第一の抗生物質を含み、前記内部カプセルが、前記第二の抗生物質を含み、前記第二の薬剤投薬形態がK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2を含む使用によっても達成される。本発明の薬剤投薬形態の利点は、多重治療法で使用されることであり、これによって単純且つ安全な薬量学が可能となる。本発明の薬剤投薬形態の大きな利点の一つは、物理的なバリアによって活性成分の相互作用に関する諸問題を克服することである。本発明の特徴と利点は、以下の非制限的な記載を読むことによって、よりよく理解されるであろう。【0018】(発明の詳細な説明)二重カプセル本発明は、1つのカプセルがもう一方のカプセルの内部に配置され、かつそれぞれ1つ又はそれ以上の有効成分を含んでいる2つのカプセルの存在を特徴とする多重治療法における、有効成分の投与のための薬剤投薬形態を提供する。この薬剤投薬形態は、二重カプセルと呼ばれ、これら2つのカプセルは、それぞれ内部カプセルと外部カプセルと呼ばれている。【0019】内部カプセルと外部カプセルは何れも、好ましくは硬質ゼラチンからできている。所望であれば、内部カプセルは、これを胃抵抗性又は徐放性(slow release)にするように処理されたゼラチンからできていてもよい。【0020】既に市場に出回っているカプセルは、表1に示されているように、そのサイズ(長さ、直径、及び厚さ)に従って、数字又は文字で識別される(「カプスゲル・マルチステイト・ファイル(CAPSUGEL MULTISTATE FILE)」第二版)。【表1】本発明によれば、この二重カプセルは、外部カプセルよりも小さい内部カプセルを有するが、それは、この原理によれば、どの種類のカプセルでもフォーマット0+の外部カプセルとフォーマットA又は0の内部カプセルとの組合わせ以外は、表1のすべての組合わせが可能であるからである。このような組合わせは、患者にとっての使用を容易にするため、及び2つのカプセルの中に導入される物質の量に従って選ばれる。実際、2つのカプセル間の容積及び内部カプセルの容積は、治療用の投薬量によって予測される量を入れることができるのに適したものであるべきである。内部カプセルは、好ましくはフォーマット2又は3であるのがよく、一方外部カプセルは、それぞれフォーマット0+又は1であるのがよい。本発明の好ましい実施態様によれば、フォーマット3の内部カプセルが、フォーマット0+の外部カプセルに入れられる。【0021】前記薬剤形態は、空のカプセルに粉末、錠剤、ペレット、又は充填カプセルを供給するための投薬器(dosators)を備えた断続的又は連続的な動きのカプセル充填機によって製造される。前記カプセル充填機の例は、ボローニャのIMA社のザナジ(Zanazi)40、及びボローニャのMG2社のモデルMGフツラ(Futura)レベル02である。これに代るものとして、この新規二重カプセルは、手動機械ズーマ(Zuma)150又は300型及びパーク−デイビス(Parke−Davis)/カプスゲル(Capsugel)型によって製造することができる。【0022】さらには、自動であれ手動であれ、カプセル充填機によって引起こされるカプセルの動き及び内部カプセルを挿入する単純な行為でさえ、2つのカプセル間に、これらを分離させておく粉末層を形成するのに十分なものであることを考慮に入れなければならない。三重治療法この薬剤投薬形態は、病原体であるヘリコバクターピロリ(カンピロバクターピロリとしても知られているもの)の撲滅のための三重治療法であって、ビスマスの可溶塩、第一の抗生物質、及び第二の抗生物質である3つの有効成分の投与から成る治療法に使用するのに特に適している。各内部カプセル及び外部カプセルは、1つ又はそれ以上の有効成分を含んでいる。【0023】 ビスマス塩は好ましくは、次クエン酸ビスマス、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、クエン酸ビスマス、コロイド次硝酸ビスマス、ゲルマニウム酸ビスマス、酸化ゲルマニウムビスマス、硝酸ビスマス、酸化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、リン酸ビスマス、サリチル酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次サリチル酸ビスマス、ビスマストリブロモフェネート、三酸化ビスマス、バナジン酸ビスマス、四酸化バナジウムビスマス、及びビスマスビスカルシトレートから成る群から選ばれる。ビスマス塩は、錯形態で用いることもできる。【0024】第一の抗生物質は、ニトロイミダゾールから成る群から選ばれる。これらのニトロイミダゾールは好ましくは、メトロニダゾール、アプロニダゾール、アゾマイシン、ベンゾニダゾール、カルニダゾール、デメトリダゾール、エタニダゾール、フルニダゾール、ミソニダゾール、ニモラゾール、オルニダゾール、パニダゾール、ロニダゾール、及びチニダゾールから成る群から選ばれる。好ましくは第一の抗生物質はメトロニダゾールである。【0025】第二の抗生物質は、マクロライド及びテトラサイクリン族の化合物から成る群から選ばれる。マクロライドは好ましくは、アジトロマイシン、クラリトロマイシン、及びエリトロマイシンから成る群から選ばれる。テトラサイクリン族の化合物は好ましくは、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ドキシサイクリン、グリコサイクリン、グアメサイクリン、ライメサイクリン、メタサイクリン、及びサンサイクリンから成る群から選ばれる。この分野で知られているように、テトラサイクリンは、テトラサイクリン塩酸塩に相当する。【0026】本発明の好ましい実施態様によれば、外部カプセルは、次クエン酸ビスマスとメトロニダゾールとを含んでおり、内部カプセルはテトラサイクリンを含んでいる。【0027】好ましくは錯形態における次クエン酸ビスマスとメトロニダゾールとを含んでいる外部カプセルが溶解する時、これによって錯ビスマスは、胃のレベルにおいて治療用ゲルを形成することができる。ある時間の後、治療の適応症に従って、内部カプセルが溶解してテトラサイクリンを放出する。これもまた胃のレベルで作用する。【0028】前記のような三重治療法は、通常、1日数回2個の同一二重カプセルの投与から成っており、前記二重カプセルの消費及び取扱いの順序について特別な注意を払うこともない。カプセルの摂取は、好ましくは食事の前及び就寝時の軽食前に行なわれる。四重治療法本発明のもう1つの実施方法は、前記二重カプセルと共に、例えばK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2のような第四有効成分の投与から成っている。この場合、本発明によって想定されている(foreseen)ような二重カプセルは、消化器系の疾患のための四重治療法における使用のためのものである。K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2は、BY841;シメチジン;エブロチジン;エチンチジン;ファモチジン;フルナリジン;ICI−162.846;ランソプラゾール;メチアミド;ミフェンチジン;ニペロチジン;ニザチジン;オメプラゾール;オックスメチジン;パントプラゾール;ラベプラゾール;ラミキソチジン;ラニチジン;リタンセリン;酢酸ロキサチジン塩酸塩;ZKF−93479;SKF−94482;スフォチジン;チオチジン;TY−11345;Wy−45,727;及びザルチジンから成る群から選ばれる。好ましくはオメプラゾールは、K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤として用いられる。【0029】K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2は、外部カプセル、内部カプセル、又は別の薬剤形態の中に導入されてもよい。K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2は小腸に達する必要があるので、これは、胃抵抗性被覆ペレット、多くの小さい錠剤、又は単一錠剤の中に埋め込まれて供給されてもよい。K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2は、三重治療法に想定されるものとは別の基準に従って投与されなければならないことを考慮すると、K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2を含まない二重カプセルも、病気の重症度及び患者の状態に応じて、医師が処方した治療計画に従って、K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又は抗−H2を含む二重カプセルの代りに投与されてもよい。【0030】本発明のもう1つの好ましい実施態様によれば、外部カプセルは、次クエン酸ビスマスとメトロニダゾールとを含んでおり、内部カプセルは、テトラサイクリンとオメプラゾールとを含んでいる。【0031】(発明の特徴)好ましくは両方のカプセルが賦形剤を含んでいる。これらの賦形剤は、ステアリン酸マグネシウム;タルク;セルロース及びその誘導体;シリカ及びその誘導体;糖;ポリエチレン−グリコール;ワックス;水素化脂肪酸のモノ−、ジ−、及びトリ−グリセリド;高分子量のアルコール及び酸;及びこれらの関連混合物から成る群から選ばれる。【0032】前記のような有効成分を含む内部カプセルと外部カプセルは何れも、5〜50℃の温度及び35〜65%の湿度において安定である。【0033】(発明の範囲)ヘリコバクターピロリの撲滅のための三重治療法及び四重治療法のための本発明の好ましい実施態様が、上に記載されている。これらの実施態様は、このような治療法のために好ましいが、これらの二重カプセルは、本発明によればその他の有効成分を含んでいてもよいと理解すべきである。従って本発明の背景において上に列挙されている有効成分の組合わせは、特許請求されている発明の範囲から逸脱することなく、特許請求されている薬剤投薬形態において用いることができる。例えば上に列挙されている組合わせ番号34を用いた場合、クラリトロマイシンを含む外部カプセルと、パントプラゾールを含む内部胃抵抗性カプセルとを有する二重カプセルは、特許請求されている発明の範囲内に入るであろう。【0034】下記のものは、非限定的な説明を目的として、本発明によって想定される二重カプセルの製造例を伴なった安定化及び溶解試験である。【0035】 (安定性試験) それぞれテトラサイクリン塩酸塩、ビスマスビスカルシトレート、メトロニダゾールを含む単一カプセルと、内部カプセルに被覆されていないテトラサイクリンを含み、外部カプセルにビスマスビスカルシトレートとメトロニダゾールとを含む、本発明によって想定される二重カプセルとの、2つの製品を分析した。【0036】分析される各製品について1つのサンプルを、室温、37℃、及び44℃で、1ヶ月間インキュベートした。ゼロ時及びインキュベーション期間(1ヶ月)の終了時に、分析を受けている製品の肉眼的特徴の分析を実施した。ゼロ時単一カプセル外部カプセル:白色内容物:白色粉末(ビスマスビスカルシトレート)と黄色い粉末(テトラサイクリン塩酸塩)との混合物二重カプセル外部カプセル:白色内部カプセル:褐色外部カプセルの内容物:白色粉末(ビスマスビスカルシトレート、メトロニダゾール)内部カプセルの内容物:黄色粉末(テトラサイクリン塩酸塩)【表2】表2に見られるように、温度37℃及び44℃において、単一被覆カプセルの内容物は、ベージュ色の生成物を形成するが、一方、本発明によって想定される二重カプセルは、分解(degradation)生成物は形成しない。この作用は、テトラサイクリンを溢れ出させない内部カプセルの被覆によって示される物理的バリヤーによって助長される。【0037】(溶解試験)試験を受けているバッチの1つから、5つの二重カプセルを取出した。これらの5つ全部が同じ特徴を有する:外部カプセルのフォーマット 0+ビスマスビスカルシトレート 215mgメトロニダゾールを含むもの 125mg内部カプセルのフォーマット 3テトラサイクリン塩酸塩を含むもの 125mgこれらのカプセルを、溶解試験についての米国USP23版の薬局方の基準に従って、別々にかつ同一条件下に分析した。【0038】この試験の目的は、内部カプセルに含まれているテトラサイクリン塩酸塩の正確な量が(その他のあらゆる薬局方にも適合している前記薬局方に示されているように)、溶解するかどうかをチェックすることである。この場合、外部カプセルの存在及びその成分の存在は、溶解中の物質の量にも、有効成分であるテトラサイクリン塩酸塩を放出するのに要する時間にも影響を与えないものであるべきである。【0039】60分以内に溶解される物質の量は、薬局方によって想定されている前記限界によれば、カプセル中に存在する量の80%以下であってはならない。【0040】二重カプセルに関して、下記の百分率溶解結果が得られた:最小溶解値:81.4%最大溶解値:107.9%平均値:100.0%RSD=9.7%(RSD=相対標準偏差)。【0041】得られた結果から、本発明によって記載されている二重カプセルは、予測された溶解特徴に適合していることは明白である。【0042】(実施例1)フォーマット3のカプセルを、次の内容物を用いて調製した:テトラサイクリン塩酸塩 125mg胃保護オメプラゾール 5mgステアリン酸マグネシウム 5mgタルク 5mgフォーマット0+のカプセルを、次の内容物を用いて調製した:ビスマスビスカルシトレート 215mg(ビスマス53.7mgに相当)メトロニダゾール 125mgステアリン酸マグネシウム 5mgタルク 5mg手動機械(ズーマ社)で再び開けて、予め調製されたフォーマット3のカプセルをその内部に挿入することができるように、カプセル0+は完全にはシールされていない。【0043】ついでこれらのカプセルをシールし、薬局方において予測されているように、離解時間、内容物の平均重量、シーリング手順、単一成分のアッセイ、及び微生物純度に関して対照に付した。【0044】本発明の好ましい実施態様がここに詳細に記載されてはいるが、本発明はこれと正確に同じ実施態様には限定されず、様々な変更及び修正も、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、ここで実施することができると理解されるべきである。 微生物ヘリコバクターピロリに対する三重治療法のための薬剤を調製するための、ビスマスの可溶塩、ニトロイミダゾールから成る群から選ばれる第一の抗生物質、及びテトラサイクリン族の化合物から成る群から選ばれる第二の抗生物質の使用であって、前記薬剤は外部カプセルおよびその内側に配置された内部カプセルを含み、前記外部カプセルはビスマスの可溶塩および第一の抗生物質を含み、前記内部カプセルは前記第二の抗生物質を含み、前記カプセルは硬質二重カプセルである使用。 微生物ヘリコバクターピロリに対する四重治療法のための薬剤を調製するための、ビスマスの可溶塩、ニトロイミダゾールから成る群から選ばれる第一の抗生物質、テトラサイクリン族の化合物から成る群から選ばれる第二の抗生物質、及びK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又はヒスタミンH2受容体アンタゴニストの使用であって、前記薬剤は外部カプセルおよびその内側に配置された内部カプセルを含み、前記外部カプセルは前記ビスマスの可溶塩および前記第一の抗生物質を含み、前記内部カプセルは前記第二の抗生物質及びK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又はヒスタミンH2受容体アンタゴニストを含み、前記カプセルは硬質二重カプセルである使用。 微生物ヘリコバクターピロリに対する四重治療法のための薬剤を調製するための、ビスマスの可溶塩、ニトロイミダゾールから成る群から選ばれる第一の抗生物質、テトラサイクリン族の化合物とから成る群から選ばれる第二の抗生物質、及びK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又はヒスタミンH2受容体アンタゴニストの使用であって、前記薬剤は外部カプセルおよびその内側に配置された内部カプセルを含み、前記外部カプセルは前記ビスマスの可溶塩、前記第一の抗生物質、K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又はヒスタミンH2受容体アンタゴニストを含み、前記内部カプセルは前記第二の抗生物質を含み、前記カプセルは硬質二重カプセルである使用。 微生物ヘリコバクターピロリに対する四重治療法のための第一の薬剤と第二の薬剤を調製するための、ビスマスの可溶塩、ニトロイミダゾールから成る群から選ばれる第一の抗生物質、テトラサイクリン族の化合物から成る群から選ばれる第二の抗生物質、及びK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又はヒスタミンH2受容体アンタゴニストの使用であって、前記第一の薬剤は外部カプセルおよびその内側に配置された内部カプセルを含み、前記外部カプセルは前記ビスマスの可溶塩、前記第一の抗生物質を含み、前記内部カプセルは前記第二の抗生物質を含み、前記第二の薬剤がK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又はヒスタミンH2受容体アンタゴニストを含み、前記カプセルは硬質二重カプセルである使用。 前記ビスマスの可溶塩が、次クエン酸ビスマス、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、クエン酸ビスマス、コロイド次硝酸ビスマス、ゲルマニウム酸ビスマス、酸化ゲルマニウムビスマス、硝酸ビスマス、酸化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、リン酸ビスマス、サリチル酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次サリチル酸ビスマス、ビスマストリブロモフェネート、三酸化ビスマス、バナジン酸ビスマス、四酸化バナジウムビスマス、及びビスマスビスカルシトレートから成る群から選ばれる、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の使用。 ビスマス塩が次クエン酸ビスマスである、請求項5に記載の使用。 ビスマス塩がビスマスビスカルシトレートである、請求項5に記載の使用。 前記ニトロイミダゾールが、メトロニダゾール、アプロニダゾール、アゾマイシン、ベンゾニダゾール、カルニダゾール、デメトリダゾール、エタニダゾール、フルニダゾール、ミソニダゾール、ニモラゾール、オルニダゾール、パニダゾール、ロニダゾール、及びチニダゾールから成る群から選ばれる、請求項1に記載の使用。 前記ニトロイミダゾールが、メトロニダゾールである請求項8に記載の使用。 前記テトラサイクリン族の化合物が、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ドキシサイクリン、グリコサイクリン、グアメサイクリン、ライメサイクリン、メタサイクリン、及びサンサイクリンから成る群から選ばれる、請求項1に記載の使用。 前記第二の抗生物質がテトラサイクリンである、請求項10に記載の使用。 K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又はヒスタミンH2受容体アンタゴニストが、BY841;シメチジン;エブロチジン;エチンチジン;ファモチジン;フルナリジン;ICI−162.846;ランソプラゾール;メチアミド;ミフェンチジン;ニペロチジン;ニザチジン;オメプラゾール;オックスメチジン;パントプラゾール;ラベプラゾール;ラミキソチジン;ラニチジン;リタンセリン;酢酸ロキサチジン塩酸塩;ZKF−93479;SKF−94482;スフォチジン;チオチジン;TY−11345;Wy−45,727;及びザルチジンから成る群から選ばれる、請求項2〜4のうちのいずれか1項に記載の使用。 前記K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又はヒスタミンH2受容体アンタゴニストが、オメプラゾールである請求項12に記載の使用。 内部カプセルと外部カプセルが何れも、5〜50℃の温度、及び35〜65%の湿度で安定である請求項1〜13のうちのいずれか1項に記載の使用。 内部カプセルと外部カプセルが何れも、硬質ゼラチンからできたものである請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載の使用。 前記内部カプセルが、2又は3の間のサイズフォーマットを有し、前記外部カプセルが、0+又は1の間のサイズフォーマットを有する請求項1〜15のうちのいずれか1項に記載の使用。 前記外部カプセルが、0+のサイズフォーマットを有し、前記内部カプセルが、サイズフォーマット3を有する請求項16に記載の使用。 微生物ヘリコバクターピロリに対する三重治療法における有効成分の経口投与のための薬剤であって、外部カプセルおよびその内側に配置された内部カプセルを含み、前記外部カプセルはビスマスの可溶塩および第一の抗生物質を含み、前記内部カプセルは第二の抗生物質を含み、前記第一の抗生物質はニトロイミダゾールから成る群から選ばれ、前記第二の抗生物質はテトラサイクリン族の化合物から成る群から選ばれ、前記カプセルは硬質二重カプセルである薬剤。 微生物ヘリコバクターピロリに対する四重治療法における有効成分の経口投与のための薬剤であって、外部カプセルおよびその内側に配置された内部カプセルを含み、前記外部カプセルはビスマスの可溶塩および第一の抗生物質を含み、前記内部カプセルは第二の抗生物質及びK+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又はヒスタミンH2受容体アンタゴニストを含み、前記第一の抗生物質はニトロイミダゾールから成る群から選ばれ、前記第二の抗生物質はテトラサイクリン族の化合物から成る群から選ばれ、前記カプセルは硬質二重カプセルである薬剤。 微生物ヘリコバクターピロリに対する四重治療法における有効成分の経口投与のための薬剤であって、外部カプセルおよびその内側に配置された内部カプセルを含み、前記外部カプセルはビスマスの可溶塩、第一の抗生物質、K+/Na+ATP−アーゼ阻害剤又はヒスタミンH2受容体アンタゴニストを含み、前記内部カプセルは第二の抗生物質を含み、前記第一の抗生物質はニトロイミダゾールから成る群から選ばれ、前記第二の抗生物質はテトラサイクリン族の化合物から成る群から選ばれ、前記カプセルは硬質二重カプセルである薬剤。 前記ビスマスの塩が、次クエン酸ビスマス、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、クエン酸ビスマス、コロイド次硝酸ビスマス、ゲルマン酸ビスマス、酸化ゲルマニウムビスマス、硝酸ビスマス、酸化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、リン酸ビスマス、サリチル酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次硝酸ビスマス、サリチル酸ビスマス、ビスマストリブロモフェネート、三酸化ビスマス、バナジン酸ビスマス、四酸化バナジウムビスマス、及びビスマスビスカルシトレート成る群から選ばれる、請求項18〜20のうちのいずれか1項に記載の薬剤。 前記ビスマスの塩が次クエン酸ビスマスである、請求項21に記載の薬剤。 前記ビスマスの塩がビスマスビスカルシトレートである、請求項21に記載の薬剤。 前記第一の抗生物質が、ニトロイミダゾールからなる群から選ばれる、請求項18〜23のうちのいずれか1項に記載の薬剤。 前記ニトロイミダゾールが、メトロニダゾール、アプロニダゾール、アゾマイシン、ベンゾニダゾール、カルニダゾール、デメトリダゾール、エタニダゾール、フルニダゾール、ミソニダゾール、ニモラゾール、オルニダゾール、パニダゾール、ロニダゾール、及びチニダゾールから成る群から選ばれる、請求項24に記載の薬剤。 前記ニトロイミダゾールがメトロニダゾールである、請求項25に記載の薬剤。 前記第二の抗生物質が、テトラサイクリン族の化合物からなる群から選ばれる、請求項18〜26のうちのいずれか1項に記載の薬剤。 前記テトラサイクリン族の化合物が、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ドキシサイクリン、グリコサイクリン、グアメサイクリン、ライメサイクリン、メタサイクリン、及びサンサイクリンから成る群から選ばれる、請求項27に記載の薬剤。 前記第二の抗生物質がテトラサイクリンである、請求項28に記載の薬剤。 前記K+/Na+ATP-アーゼ阻害剤又はヒスタミンH2受容体アンタゴニストが、BY841;シメチジン;エブロチジン;エチンチジン;ファモチジン;フルナリジン;ICI−162,846;ランソプラゾール;メチアミド;ミフェンチジン;ニペロチジン;ニザチジン;オメプラゾール;オックスメチジン;パントプラゾール;ラベプラゾール;ラミキソチジン;ラニチジン;リタンセリン;酢酸ロキサチジン塩酸塩;ZKF−93479;SKF−94482;スフォチジン;チオチジン;TY−11345;Wy−45,727、及びザルチジンから成る群から選ばれる、請求項19または20に記載の薬剤。 オメプラゾールが選択される、請求項30に記載の薬剤。 前記内部カプセルが、2又は3の間のサイズフォーマットを有し、前記外部カプセルが、0+又は1の間のサイズフォーマットを有する、請求項18〜31のうちのいずれか1項に記載の薬剤。 前記外部カプセルが、0+のサイズフォーマットを有し、前記内部カプセルが、サイズフォーマット3を有する、請求項32に記載の薬剤。 前記内部カプセルと前記外部カプセルが、硬質ゼラチンからできたものである、請求項18〜33のうちのいずれか1項に記載の薬剤。 前記内部カプセルと前記外部カプセルが、それぞれ独立して、1以上の賦形剤を含む、請求項18〜34のうちのいずれか1項に記載の薬剤。 前記賦形剤が、ステアリン酸マグネシウム;タルク;セルロース及びその誘導体;シリカ及びその誘導体;糖;ポリエチレングリコール;ワックス;水素化した脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド;高分子量のアルコール及び酸;及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項35に記載の薬剤。