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タイトル:特許公報(B2)_予後アレルギー試験または予後炎症試験
出願番号:2000529614
年次:2009
IPC分類:G01N 33/68,G01N 33/15,G01N 33/50,G01N 33/53


特許情報キャッシュ

サンプソン, ヒュー エイ. JP 4292262 特許公報(B2) 20090417 2000529614 19990128 予後アレルギー試験または予後炎症試験 アラタイン セラピューティクス, エルエルシー 509059815 山本 秀策 100078282 安村 高明 100062409 森下 夏樹 100113413 サンプソン, ヒュー エイ. US 60/073,171 19980130 20090708 G01N 33/68 20060101AFI20090618BHJP G01N 33/15 20060101ALI20090618BHJP G01N 33/50 20060101ALI20090618BHJP G01N 33/53 20060101ALI20090618BHJP JPG01N33/68G01N33/15 ZG01N33/50 ZG01N33/53 D G01N33/48〜33/98 JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) 特表平07−509221(JP,A) 特開平09−221498(JP,A) 特開平08−259598(JP,A) 特表平08−511621(JP,A) J. Steven Stanley et.al,Identification and Mutational Analysis of the Immunodominant IgE Binding Epitopes of the Major Peanut Allergen Ara h 2,Archives of Biochemistry and Biophysics,Academic Press,1997年 6月15日,Vol.342, No.2,244-253 26 US1999001832 19990128 WO1999039211 19990805 2002502039 20020122 18 20060111 三木 隆 【0001】(発明の背景)アメリカ合衆国政府は、NIAIDからの助成金AI24439およびDRR、国立衛生研究所からのRR00052によって本発明において一定の権利を有する。【0002】本出願は、1998年1月30日に出願された米国特許出願第60/073,171号に対する優先権を主張する。【0003】食物に対する過敏性反応は、生涯の最初の数年間において6%までの小児に影響を与え(Bock,S.A.1987.Pediatrics 79:683−688)、乳、卵、およびピーナッツが、証明されたアレルギー応答の大部分の原因である(James JMおよびSampson HA.1992.Pediatr Allergy & Immunol 3:67−78)。大部分の乳アレルギー小児は、生涯の最初の年において牛乳過敏症を発症させ、次いで、3歳までには約80%がその反応性を「失う(outgrow)」(すなわち、臨床的に耐性になる)(Host,A.1994.Pediatr Allergy Immunol 5:5−36)。鶏卵およびピーナッツに対する過敏症は、生涯の2年目においてさらに頻繁に認識される。卵アレルギーは、牛乳アレルギーよりも長く持続するようであり、一方、ピーナッツアレルギーは非常に稀にしか「失われる」ことがない(Bock,S.A.1982.J Allergy Clin Immunol 69:173−17;Sampson,H.A.およびS.M.Scanlon.1989.J Pediatr 115:23−27;Bock,S.A.およびF.M.Atkins.1989.J Allergy Clin Immunol 83:900−904)。異なる食物アレルゲンに対する臨床的過敏症の持続性におけるこれらの相違の基礎は未知である。【0004】卵アレルギーは、アトピー性皮膚炎を有する小児のほぼ3分の2に存在する(Sampson,H.A.J.1997 Roy.Soc.Med.90(別冊30):3−9)。卵タンパク質が全くない食餌が卵アレルギー小児に与えられる場合、卵に対するIgE抗体(例えば、陽性有棘皮膚試験)が数年間持続する(Sampson 1989)とはいえ、約3分の1が、2年以内に卵に対する臨床的耐性を発達させる。オボムコイド(Gal d 1)は、鶏卵における優勢なアレルゲンであり、そして持続性の卵アレルギーを有する小児は、反応性を「失う」小児よりも有意に高い濃度のIgE抗オボムコイド抗体を有する(Bernhisel−Broadbent,J.ら,1994.J Allergy Clin Immunol 93:1047−1059)。オボムコイドは、9つのドメイン内ジスルフィド結合および5つの炭化水素側鎖を含む3つのタンデムなドメインに配置された186アミノ酸から構成される糖タンパク質である。(Katoら,1987.Biochemistry 26:193−201)。【0005】本発明の目的は、小児がアレルギー、特に食物アレルギーを失う可能性を予測するための方法および試薬を含むアッセイを提供することである。【0006】本発明のさらなる目的は、患者のサンプル中の高次構造エピトープに対する直鎖状エピトープに対する抗体の存在についてスクリーニングする方法および試薬を提供することである。【0007】本発明のなお別の目的は、炎症性腸疾患を有する患者をスクリーニングして、この患者がより進行性の難治性の経過を有する可能性を決定する方法および試薬を提供することである。【0008】(発明の要旨)高次構造エピトープと比較した、直鎖状エピトープとのIgE抗体の免疫反応性についてスクリーニングすることにより、小児がアレルギー、特に食物アレルギーを失う可能性を予測する際に使用される方法および試薬が提供される。この小児は、最初に標準的な技術を用いてスクリーニングされて、どの抗原がこの小児にアレルギー性であるかを決定される。次いで、この患者由来のサンプル中の免疫グロブリンは、迅速かつ正確なスクリーニングのための固定化され得る、天然から精製した抗原、組換え抗原、還元およびアルキル化された抗原、この抗原のタンパク質分解フラグメント、または長さが4と40との間のアミノ酸、好ましくは6〜10アミノ酸の合成ペプチドのいずれかを用いて特徴付けられる。患者由来、代表的には血清サンプルまたは血漿サンプル中に存在する抗体は、このタンパク質またはペプチドと反応させられて、どのペプチドがこの抗体によって結合されるかが決定される。次いで、これらの抗体は、抗体が結合するエピトープが直鎖状であるかまたは高次構造をとっているかを決定するために特徴付けられる。高次構造エピトープと主に反応性の(すなわち、還元およびアルキル化されたタンパク質または合成直鎖状ペプチドと比較して、天然のタンパク質またはタンパク質分解フラグメントと反応性の)抗体を有する患者は、代表的に、アレルギーを失う。直鎖状エピトープと主に反応性である患者は、反応性を脱しないかもしれず、そして耐性を誘導するように処置される必要があり得る。【0009】スクリーニング方法は、卵アレルギー患者由来のプールした血清およびオボムコイド配列由来の重複合成デカペプチドを利用する例において実証される。オボムコイドは、5つのアレルギー性IgE結合エピトープを保有することが見出された。個々の患者血清を用いてアレルギー性エピトープを評価することにより、3パターンのエピトープ結合を明らかにした:3つ全てのオボムコイドドメインにおけるデカペプチドに対する広範なIgE結合、第1ドメインにおけるペプチドに対する優先的なIgE結合、およびいずれの合成ペプチドに対しても実質的にIgE結合が存在しない。このことは、後者のグループの大部分のIgE抗体が高次構造エピトープを認識したことを示す。全ての患者は、直鎖状合成ペプチドに対する広範なIgG抗体結合を有しており、一方、全ての非卵アレルギーコントロールは高次構造エピトープのみを認識した。直鎖状デカペプチドに対する広範なIgE結合を有するグループの患者は、より年長であって、かつ卵摂食後に、合成ペプチドに対するIgE抗体をほとんど有さない患者グループよりも重篤な、全身性のアレルギー症状を有する傾向があった。これらの知見は、示差的な抗原プロセシングおよび抗体−エピトープ構造認識が、アレルゲン感受性の臨床的経過に役割を果たすことを示す。【0010】IgG抗体またはIgA抗体の評価のための類似の方法を用いて、特定の炎症性障害、特に胃腸管を含む炎症性障害(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、およびセリアック病)の予後を予測し得る。【0011】(発明の詳細な説明)IgE特異的抗体の作製において、B細胞は、天然のタンパク質上で曝露されたオリゴペプチドへの表面IgMの結合に続いて活性化される。結果的に生成されたIgE抗体は、8〜20の連続的な(一連の)アミノ酸を示す直鎖状のエピトープまたはアレルゲンの異なる領域由来のアミノ酸残基を包含する高次構造エピトープで指向され得る。直鎖状(例えば、Phl p 1;オオアワガエリ(Ballら、1994.J.Biol.Chem. 269:28232−28242))および高次構造的(Bet v I;カバノキ花粉(Lafferら、1996. J Immunol 157:4953−4962))の両方のB細胞エピトープは、吸入されるエアロアレルゲンとして定義されているが、後者が優性であると推定されている。食事性アレルゲンは、腸関連リンパ系組織の細胞への吸収および取り込みに先立って、広範な化学的およびタンパク分解性消化を受けるので、食事アレルゲン性のエピトープは、現実には優先的に直鎖状となることが推測される。しかし、卵アレルギー患者由来のプールされた血清を利用する以前の研究において、5 IgE抗体および7IgG抗体結合部位が、オボムコイドを含む186アミノ酸残基の間に同定された(Cooke およびSampson J.Immunol.1997 159、2026−2032)。還元およびアルキル化(すなわち「直鎖化」)されたオボムコイドの評価は、全ての患者が、直鎖状エピトープを認識する抗オボムコイド抗体を有するわけではないこと、およびいくらかの患者が、主に高次構造エピトープ抗体を有することを示唆する。【0012】以下の実施例において、重複する直鎖状デカペプチドおよび直鎖化された(還元およびアルキル化された)全てのオボムコイドを利用し、直鎖状オボムコイドエピトープを認識する個々の患者のIgE抗体を比較した。血清は、オボムコイドエピトープをスクリーニングするために、相対的に高レベルの卵特異的IgE抗体(35kUA/L以上)を有する17人の卵アレルギーの小児から選択された。合成されたデカペプチドへのIgEの結合を比較した場合、3つの異なる抗体結合のパターンが存在することが明らかとなった。図3a〜3cに示したように、ある患者グループのIgE抗体は、以前に同定されていたほとんどのオボムコイドアレルゲン性エピトープ(CookeおよびSampson 1997)を認識し、そしてあるグループのIgEは、主に第1のオボムコイドドメインにおいてアレルゲン性エピトープを認識し、そして第3のグループは、合成されたデカペプチドのいずれに対しても実質的にIgE結合を有さなかった。研究された卵アレルギー患者において、合成デカペプチドに対するオボムコイド特異的IgE結合の3つのパターンが見られた。メジアン累積SPOT IgE Gal d I ODスコアに反映されるように、患者のあるグループ(グループ1;図3a)は、3つ全てのオボムコイドドメインにおけるエピトープに対するIgE抗体を有し、あるグループは、主に第1のオボムコイドドメインにおけるエピトープに対するオボムコイド特異的IgE抗体を有し(グループ2;図3b)、そしてあるグループは、いかなる合成デカペプチドに対しても極わずかなIgE抗体を有した(グループ3;図3c)。【0013】卵特異的IgE抗体の量は、3つのグループで類似していたので、このことは、患者の第3のグループが、主に高次構造エピトープを認識するオボムコイド特異的IgE抗体を保有することを示唆した。この仮定は、「天然の」オボムコイドおよび「直鎖化された」(還元およびアルキル化された)オボムコイドに対する患者のオボムコイド特異的IgE結合の比較の知見により支持された(図5a)。天然のオボムコイドに対するオボムコイド特異的IgE抗体の結合は、第3の患者グループと類似しているが、第3の患者グループのオボムコイド特異的IgEの約22%のみが、天然の形態と比較して、直鎖化されたオボムコイドと結合した。一方、第1のグループの50%より多くのオボムコイド特異的IgEが、オボムコイドの直鎖化形態と結合した。【0014】これらの研究は、アレルギー(特に、食物アレルギー)が「増殖する(outgrow)」可能性のある任意の特定の個体を決定するための方法およびアッセイキットの開発を導いた。【0015】(アレルギー増殖の可能性を決定するためのアッセイ)(方法)この方法は、小児が、直鎖状エピトープと比較して高次構造エピトープに対して、寛容なまたは「増殖する」アレルギーによりなりやすいようであるという発見に基づいている。従って、試験は、代表的に血液または血清サンプル、最も好ましくは小児からのサンプルを用いて行なわれるが、任意の年齢の個体が試験され得る。これらの個体は、まず標準的な試験(例えば、皮膚のプリックテストまたは個体が抗原に対してアレルギーである場合、および個体がアレルギーである範囲において、異なる力価で1つ以上の抗原を注入することにより決定する)を用いるアレルギーのスクリーニングにより同定される。抗体は、代表的には、患者の血液サンプルを取りだし、次いで赤血球を除き、そして残る血清または血漿を試験することにより得られる。サンプルは、抗原(CookeおよびSampson 1997)によって示される定義されたエピトープを有するIgEの反応性について直接的にスクリーニングされ得るか、または当業者に公知の方法を用いて他の抗体からIgE抗体を分離し、そして反応性についてスクリーニングされ得る。必要に応じて、サンプルはまた、エピトープとのIgG抗体の反応性についてもスクリーニングされ得る。【0016】本実施例に記載した研究における17人の卵アレルギー患者すべてが、生後2年のうちに自身の卵感受性を発現したが、第1の患者グループは、より年長であり、そして第3の患者グループよりも卵の摂取に続くアレルギー反応が、より著しかった。第1の患者グループの多数の直鎖状アレルゲン性エピトープに対する広範なオボムコイド特異的IgE抗体結合は、主なピーナッツ抗原であるAra h1およびAra h2に対するピーナッツアレルギー患者において見られるものと類似している(Stanleyら、1997 Arch.Biochem.&Biophysic.342、244−253)。ピーナッツアレルギーを有する患者が、「遅延性の」(生涯にわたる)ピーナッツに対する反応性を有する傾向である(BockおよびAtkins 1989)ことは、「遅延性の」食事過敏性が、直鎖状エピトープに対するIgE抗体の有意な量の増加に関連する可能性を示唆する。卵に対するアナフィラキシー反応を繰り返し試験された32歳の卵アレルギー個体(もともとの17人の試験された個体の一部ではない)は、この研究の第1の患者のグループにおいて見られたように、直鎖状デカペプチドに対して広範に結合するオボムコイド特異的IgE抗体を有することに注目するべきである。【0017】実施例は、エピトープ構造に対するIgE結合(すなわち、直鎖状対高次構造)と「遅延性の」食事過敏性の増大との間の関連を支持する。乳児は、消化過程の発達における二次的な成熟の遅延(例えば、胃の酸性度、タンパク質分解酵素の活性、ムチン組成物など、ならびに抗原取りこみの上昇)のためであると推定される、食事に続く血液循環における食物タンパク質のレベルの増加を示す(Hymanら、1985.J Peditar 106:467−471;Lebenthal,E.およびP.C.Lee.1980.Pediatrics 66:556−560;Shubら、1983.Biochem J 215:405−411;Bressonら、1984.Pediatr Res 18:984−987)。「漏出性の」乳児の腸は、有意な量の高次構造的に無傷の食物タンパク質が局部的なB細胞(活性化の際に、遺伝的に(genetically)前もって処理された宿主においてオボムコイド特異的IgE抗体を生成する)と接近することを可能にする。胃腸管の成熟を伴う、高次構造的に無傷なより少ないタンパク質は、リンパ系組織およびIgE産生組織マスト細胞に関連した腸の活性化に接近可能であり、臨床的な反応性の低下およびアレルゲン特異的IgE抗体合成の最終的な損失を生じる。完全な卵タンパク質の食事性の排除は、さらに臨床的反応性の低下を促進するが、微量な卵タンパク質に対する連続した曝露は、直鎖状オボムコイドエピトープおよび遅延性の反応性に対するIgE抗体の増大を生じる。成熟した腸において、微量な免疫学的に無傷なタンパク質(おそらく、直鎖状エピトープ)は、胃腸バリアを透過する(Host 1994;Brunner、M.およびWalzer M.1928.Arch Intern Med 42:173−179;Wilson SJおよびWalzer M. 1935.Am J Dis Child 50:49−54;Husbyら、1985.Scand J Immunol 22:83−92)。高次構造的に無傷なタンパク質は、おそらく排除される。これは、臨床的な応答性の低下の可能性が、診断の時点での患者の年齢、原因となるアレルゲンの除去の程度、および問題のアレルゲン(ピーナッツ、木の堅果および海産食物アレルギーは、まれに「増大」する)に関連しているという観察と一致する。より若年の小児は、高次構造IgEを産生する。食事過敏症となった時点でより若い患者は、診断され、そして/またはより厳密にアレルゲンが除去され、患者は、彼/彼女の食物アレルギーをより増大させるようである(Bock 1982;SampsonおよびScanlon 1989;Pastorelloら、1989.J Allergy Clin Immunol 84:475−483)。【0018】(アレルゲン)任意の抗原が、本明細書に記述のようにスクリーニングに用いられ得る。最も典型的な抗原は、卵、木の堅果、ピーナッツおよび牛乳のような食事アレルゲンである。他の一般的なアレルゲンは、花粉、カビ、およびチリダニならびに昆虫、家畜(イヌ、ネコ、トリ)および植物を含む。アレルゲンは、IgE応答を提供する抗原である。【0019】高次構造エピトープとの反応性を試験するために、アレルゲンは、無傷なタンパク質、組換えタンパク質、またはタンパク質分解性フラグメントとして利用され得る。アレルゲンの特性は、発現宿主の選択によって改変され得る(例えば、細菌発現系は、代表的にはタンパク質をグリコシル化しない、酵母およびバキュロウイルス/昆虫系は、改変されたグリコシル化を産生し、そしてさらに真核生物発現系においては、グリコシル化におよびリン酸化おいて改変され得、反応性変化し、そしてさらにエピトープを特徴づける)。【0020】直鎖状エピトープは、短いタンパク質分解性フラグメントあるいは組換えDNAの発現または標準的な技術を用いることにより合成的に作製されるペプチドであり得る。ペプチドは、代表的には4〜40アミノ酸長であり、より好ましくは6〜20、最も好ましくは8アミノ酸長である。これらは、公知のアミノ酸配列に基づいて設計され、通常はGenBankのような公的な供給源から入手可能である。ペプチドは、好ましい実施態様において1〜9アミノ酸残基2〜10アミノ酸残基などから始まってタンパク質に合成される。【0021】結合について試験されるアレルゲンまたはそれらの一部は、好ましくは、固定され(例えば、96ウェルプレート中に、またはクロマトグラフィーペーパーの切片上に)、次いで実施例に記載されたように結合について試験される。アレルゲンは、液層試験またはELISAもしくは蛍光定量的な技術を用いる試験のために粒子または他の公知の手段に結合され得る。【0022】(キット)この方法は、好ましくは、患者の予後を特徴付けるのに十分な直線状エピトープおよび高次構造エピトープと反応性の患者のサンプルにおいてIgE抗体を同定するための試薬を含むキットを使用して、実施される。代表的なキットは、1以上のアレルゲンに対する直線状または高次構造のいずれかのエピトープをその中で固定化している多ウエルデバイスを含む。このキットもまた、IgGからのIgEの検出または分離のための試薬(例えば、IgEに特異的な蛍光標識イムノグロブリンおよび非結合物質を洗浄除去するための緩衝液)を含む。このキットは、異なる力価で1以上の直線状エピトープおよび1以上の高次構造エピトープに対する反応性を評価し、次いでこれらの相対的な比率を決定することにより、高次構造抗体に対する直線状抗体へのIgEの相対量を決定するために使用され得る。【0023】この試験の結果は、代表的には、ネガティブコントロールまたはポジティブコントロールに対する対照のない、高次構造エピトープに対する直線状エピトープとの反応性のIgEの比率であるが、この試験キット試薬およびアッセイ条件の整合性を保証するために、直線状エピトープまたは高次構造エピトープのいずれかと反応性のポジティブおよびネガティブなIgEサンプルを含むことが望まれ得る。【0024】(アレルギー、特に食物アレルギーの処置の方法)高次構造エピトープと反応性の主要なIgEを有するこれらの個体は、直線状エピトープとの反応性によって主に特徴付けられる個体よりアレルギーをより増加するようである。このことはさらに、実施例によって実証される。アトピーに対して素因化している乳児において、直線状エピトープに対する高次構造エピトープへのIgE抗体の発生は、胃腸管、腸の未成熟性およびアレルゲンの曝露による抗原プロセス化における成熟遅延および/または分子的な相違を一部、反映し得る。アトピーを発生させる「高い危険性」を有する乳児におけるアレルギーの予防に関する研究は、生後少なくとも初年の間の牛乳(主要な食物アレルゲン)の完全な回避によって、食物制限のない乳児と比較してミルクアレルギーの少ない結果を得ることを示している(Zeigerら、1989.J Allergy Clin Immunol 84:72−89;Halkenら、1992.Allergy 47:545−553)。【0025】上記の情報に基づいて、患者がアレルギー患者における耐性を誘導するために免疫療法様式を受けるべきか否かを決定する場合の補助のための一般化したスクリーニング方法およびスクリーニングのための処方物を開発し得る。このスクリーニングの結果に基づいて、処方され得る免疫療法様式は、このアレルゲン(例えば、患者のIgEと反応性のエピトープを含む食物)の完全な回避、または脱感作療法を含む。【0026】(炎症障害における予後を評価するための方法)食物タンパク質に対するIgG抗体は、食物抗原に曝露した個体全てにおいて、実質的に検出され得るが(Johanssonら、Ann Allergy 53:665−672;Savilhatiら、1987.Acta Paediatr Scand 76:1−6)、IgG食物特異的抗体のレベルは、年齢と共に減少する傾向にある(Kletterら、1971 Int Arch Allergy Appl Immunol 40:656−666)。食物アレルギーまたは炎症性腸疾患(例えば、セリアック病、炎症性腸疾患など)を有する患者は、顕著に上昇したレベルの食物特異的IgGを有する傾向である(Mayら、1977.Clin Allergy 7:583−595)。同じことがIgA抗体の場合において予期され、これは、胃腸管の管壁において主に見出される。【0027】この実施例は、遅延性の卵アレルギーを有する患者が直線状オボムコイドエピトープと結合する多量のIgE抗体を有するが、一方、より若い患者は、高次構造エピトープと結合する主要なIgE抗体を有することを実証する。さらに、卵アレルギーの患者は、直線状および高次構造エピトープに対する、有意な量のオボムコイド特異的IgG抗体を発生させるが、一方、非卵アレルギー個体は、高次構造エピトープに対してほぼ排他的にオボムコイド特異的IgGを発生させる。【0028】上記のように、上昇したレベルの食物特異的IgG抗体はまた、胃腸管の炎症により特徴付けられる障害、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病などにおいてみられる(Sampson、H.A.:1995 11(6)、548〜553)。食物特異的抗体の上昇は二次的にこれらの障害において腸の浸透性を上昇させ、そして病原性でないと考えられている。合併症のない炎症性腸障害において、これらの食物特異的IgG抗体は、高次構造エピトープで指向されるようである。しかし、進行性で難治性の腸疾患において、食物特異的IgG抗体は、直鎖状エピトープで指向されると考えられており、これは、異常な免疫応答および好ましくない予後を示す。【0029】実施例によって示されるように、直鎖状デカペプチドに対するオボムコイド特異的IgG抗体結合が評価される場合、卵アレルギー患者群とコントロールとの間に有意差がみられた。直鎖状デカペプチドに対する最大量のオボムコイド特異的IgEを有する第1の患者群は、第2および第3の患者群よりもオボムコイドデカペプチドに対するオボムコイド特異的IgG抗体結合が有意に少ない(図4a〜4c)。累積的SPOT IgG Gal d 1 ODスコアのメジアンにおいて反映されるように、卵アレルギー患者(図4a〜4c)は、全ての3つのオボムコイドドメインにおけるエピトープに対する大量のIgG結合、および非卵アレルギーのコントロール(卵アレルギーのないアトピー性皮膚炎患者(図4d)および非アレルギーの正常コントロール(図4e))よりも有意に多くのSPOTデカペプチドに対するオボムコイド特異的IgG抗体を有していた。卵アレルギー患者の第2群(図4b)および第3群(図4c)は、第1の群(図4a)よりも有意に多くの合成ペプチドに対するIgG抗体結合を有していた。しかし、天然型と比較して「直鎖化された」オボムコイドに対するオボムコイド特異的IgG結合のパーセンテージには有意な差はなかった(図5b)。卵に対してアレルギーでないアトピー性皮膚炎患者および非アレルギー性の正常コントロールからなるコントロール群は、天然のオボムコイドに対して有意なIgG抗体を有するが、直鎖状デカペプチドに対するオボムコイド特異的IgG抗体は実質的には有さない(図4d〜4e)。これらの結果は、接食したアレルゲンに対する免疫応答における食物アレルギー個体と非アレルギー個体との間の抗原プロセシングのレベルでの質的な差を示唆する。【0030】従って、合併症のない炎症性腸障害と比較した場合、進行性の難治性腸疾患により特徴付けらるようである炎症性障害を有する個体についてのスクリーニングが可能である。この方法および試薬は、高次構造エピトープと免疫反応性のIgEに対する直鎖状エピトープに免疫反応性のIgEの相対比率に基づき個体がアレルギーを失う可能性を決定するためのものと同様であるが、高次構造エピトープに対するIgGの免疫応答性に対して、直鎖状エピトープに対するIgGの免疫応答性を調べる。【0031】本発明は、以下の非制限的な実施例に対する参考により、さらに理解される。【0032】(実施例:抗卵IgEおよび抗卵IgGの免疫反応性を特徴付けるための患者サンプルのスクリーニング)(方法および材料)略号:PBS−リン酸緩衝化生理食塩水SDS−PAGE=ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動【0033】(患者集団)アトピー性皮膚炎の評価を示す小児17名(年齢のメジアン:4歳、範囲1〜15歳;男児10名、女児10名)を、Sampson、H.A.およびC.C.McCaskill.1985.J.Pediatr 107:699〜675;およびSampson、H.A.1992.Acta Derm Veneorol(Stockh)Suppl.176:34〜37に記載のように、二重盲検プラシーボコントロールされた卵チャレンジによる卵過敏症について診断した。静脈穿刺により血液を得、そして血清を分離し、この研究で用いるまで−20℃で凍結保存した。血清の卵特異的IgE濃度は、CAP−RAST FEIA TM系(Pharmacia Diagnostics;Uppsala、Sweden)を利用して決定した。【0034】(還元およびアルキル化されたオボムコイドの調製)オボムコイドを、CookeおよびSampson.J.Immunol.1997に記載のように、全オボムコイドを50mg/mlの濃度でPBSに溶解して還元およびアルキル化した。【0035】(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)タンパク質を以前に公開された(Bernhisel−Broadbentら、1989.J.Allergy Clin Immunol 84:701〜709)ようなSDS−PAGEにより分離した。タンパク質サンプルの濃度を、アミドブラックにより染色し、そしてレーザーデンシトメトリーにより分析した場合、等価のシグナルを与えるように最適化した。引き続き、分離したタンパク質をニトロセルロースに転写し、次いでアミドブラックで染色して総タンパク質転写を見るか、または患者の血清を調査するために0.5%のブタのゼラチンを用いてPBS−Tweenでブロックした。【0036】(患者の血清でのイムノブロットの調査)患者の血清をPBS−Tween(ゼラチン添加)に1:10で希釈し、室温で穏やかに撹拌しながら2時間イムノブロットとともにインキュベートし、そして以前に記載(CookeおよびSampson 1997)のようにIgE抗体およびIgG抗体について発色させた。イムノブロットは、BCIP/NBT(SigmaFAST;Sigma Chemical,St.Louis,MO)で発色させ、そしてレーザーデンシトメーター(Ultrascan SL;Pharmacia Biotech、Piscataway NJ)でスキャンし、オボムコイド特異的抗体結合の量を決定した。【0037】(IgEエピトープおよびIgGエピトープについてのスクリーニング)本研究において、誘導体化されたセルロース膜であるSPOTsTM膜(Genosys Biosystems;The Woodlands、TX)を用いて、8×12の行列の小さい円形のスポット状にデカペプチドを作製した。この方法を用いて、Gal d 1の全配列をあらわす89のデカペプチドを作製した;8アミノ酸が重複したペプチド、例えば、ペプチド#1=Gal d 1アミノ酸1〜10、ペプチド#2=Gal d 1アミノ酸3〜12、ペプチド#3=Gal d 1アミノ酸5〜14など。【0038】患者血清を用いた重複Gal d 1ペプチドのスクリーニングの前に、SPOT膜を0.01%のTween20、0.5%のブタのゼラチンおよび1%のヒト血清(卵タンパク質に対する検出可能IgEを有さないドナー由来)を含有するPBS(pH7.2)でブロックした。個々の患者血清を0.01%のTween20および0.5%のブタのゼラチンを有するPBS(PBS−Tween+ゲル)で1:12に希釈し、2時間、室温でロッキングプラットフォーム上でインキュベートし、そして以前に記載(CookeおよびSampson 1997)のように、IgE抗体について発色させた。患者のIgG抗体を検出するために、患者の血清をPBS−Tween+gelに1:10に希釈した。インキュベーション時間および洗浄は、IgE抗体に関してと同様であった。用いられた検出抗体は、ウサギの抗ヒトIgG−HRP結合体(Dako Corp、Santa Barbara,CA)であった。この膜は、ECLの化学発光HRP検出キット(Amersham Arlington Heights,IL)を用いて染色させた。【0039】X線フィルムの現像後、それぞれの個々のペプチドスポットの光学密度(OD)を、反射デンシトメーター(The Answer II MacBeth,Newburgh,NY)を用いて測定した。それぞれのペプチドスポットのODを、実際のペプチドスポットのODとバックグラウンドのフィルムのODとの間の差として記録した。89のデカペプチドのそれぞれに、「累積的なSPOT」IgEおよびIgG Gal d 1 ODスコアを割り当てた。これは研究した17例の患者についての89のGal d 1 SPOTペプチドのそれぞれについてのODの合計を示す。それぞれの患者は、「累積的な患者」IgEおよびIgG Gal d 1 ODスコアを受け取った。これは、その患者についての89のGal d 1 SPOTペプチドのすべてのODの合計を示す。【0040】SPOT膜は、再生されそして8〜10回、再調査され得る。この膜を脱イオン化蒸留水中で徹底的に洗浄した後、これを35MmのSDSおよび0.1%のBMEを含有する8M尿素中で、10分間、3回洗浄し、それぞれの回にIgEを剥離するかまたは30分間でIgGを剥離した。次いで、この膜を50%エタノール中で3回(10分洗浄)および、メタノール中の10%酢酸で2回(10分洗浄)し、次いで再調査のために再ブロックした。患者の血清の非存在下での剥離手順の後、二次抗体単独(抗ヒトIgEまたは抗ヒトIgG)での膜のインキュベーションは、非特異的結合を示さなかった。これは剥離手順がSPOT膜を成功裏に再生したことを示す。【0041】(統計的な解析)データの解析はすべて、非パラメトリック検定、−対2サンプル符号検定およびマン−ホイットニー検定で実行した。【0042】(結果)二重盲検プラシーボ制御の食物チャレンジにより確認した卵アレルギーを有する17人の小児由来の血清を、この試験において用いた。すべて、血清の卵特異IgEが著明に上昇していた;メジアン=83Kua/L;範囲=35〜100kUA/Lを超えるまで。個々の患者の血清を、IgEペプチド特異的およびIgGペプチド特異的抗体についてSPOT膜を探査するために用いた。図1は、89の合成ペプチドの各々について累積的SPOT IgE Gal d 1 O.D.スコアを示す。ペプチド#1、#5、#6、#24、#25および#57は、50%より多くの患者からのIgE抗体により結合された。これは、これらのペプチドが「主要なアレルギー性エピトープ」を表すことを示す。これらの主要なアレルギー性エピトープは、Gal d 1アミノ酸1〜10(ペプチド1、AEVDCSRFPN)、9〜20(ペプチド5および6、PNATDKEGKDVL)、47〜58(ペプチド24および25、SIEFGTNISKEH)および113〜122(ペプチド57、VEQGASVDKR)を示す。有意なIgE Gal d 1 SPOT ODスコアを有する他の合成ペプチドとしては、ペプチド2(アミノ酸3〜12、VDCSRFPNAT)、ペプチド4(アミノ酸7〜16、RFPNATDKEG)、ペプチド21(アミノ酸41〜50、CLLCAYSIEF)、ペプチド38および39(アミノ酸75〜86、NTTSEDGKVMVL)、ペプチド53(アミノ酸105〜114、ECLLCAHKVE)および89(アミノ酸177〜186、TLTLSHFGKC)が挙げられた。これらのペプチドのほとんどは、6名以上の患者からのIgE抗体により結合された。図2は、89の合成デカペプチドのそれぞれについて累積的IgG Gal d 1 SPOT O.D.スコアを示す。IgE結合と比較してより大量のGal d 1合成ペプチドに対するIgG抗体の結合が存在した。【0043】SPOT膜へのIgE抗体結合;それぞれの患者についてのデカペプチドを比較する場合、3つの異なるパターンのペプチド結合がみられた:1群−2つ以上のGal d 1ドメインにおけるIgE抗体結合エピトープ、2群−主に第1のGal d 1ドメインにおけるペプチドに対して特異的なIgE抗体、および3群−SPOT膜上の任意のデカペプチドに対する無視し得るIgE結合。3つの患者群(1群(n=5)−80kUA/L、群2(n=5)−92kUA/L、および3群(n=7)−73kUA/L)の間に血清の卵特異的IgE濃度について有意差(p>0.4)は、存在しないが、3つの患者群についてのメジアン累積的SPOT IgE Gal d 1 ODスコアは、有意に異なっていた。1群の患者は、2群(メジアン累積 OD=7.0;p<0.05)または3群(メジアン累積OD=2.7;p<0.01)のいずれよりも有意に多い合成Gal d 1デカペプチドに対するIgE結合(メジアン累積OD=27.9)を有し、そして2群は、3群よりも有意に多いGal d 1ペプチドに対するIgE結合を有する(p<0.05)。それぞれの患者群についての個々のデカペプチドに対するIgE結合のメジアンを、図3に示す。興味深いことに、1群および2群の患者は、3群の患者と比べてより長く持続する卵アレルギーを有し、より高年齢である傾向があった;年齢のメジアンは、それぞれ10および6歳であり、全ての患者は、生後2年のうちに診断されている。【0044】図4a〜4eは、3つの患者群およびコントロールの2つのセットのそれぞれについての個々のデカペプチドに対するIgG結合のメジアンを示す。累積的患者IgG Gal d 1ODスコアのメジアンにおける有意差が、3つの患者群およびコントロールの間でみられた:1群−52.4、2群−70.6、3群−69.8、非食物アレルギーのアトピー性皮膚炎コントロール(n=5)−9.6、非アレルギー性コントロール(n=5)−11.6。1群の患者は、2群および3群よりも有意に少ないGal d 1デカペプチドに対するIgG抗体結合2を有しており(p<0.01)、一方、2群と3群との間には、有意差はなかった(p=0.4)。3つの卵アレルギー患者群は、2つの非卵アレルギーコントロール群よりも、有意に多い、オボムコイドデカペプチドに対するIgG結合を有していた(p<0.01)。非卵アレルギーのアトピー性皮膚炎患者コントロールおよび非アトピー性のコントロールは、89個のSPOTデカペプチドに対する、類似の(p=0.4)、最小のIgG抗体結合を示した。【0045】3群の卵アレルギー患者による合成ペプチドに対するIgE結合の欠如は、それらのオボムコイド特異的IgE抗体の大部分が高次構造エピトープを認識したことを示唆した。これを試験するため、天然オボムコイドに対するIgE抗体結合ならびに還元およびアルキル化された(直鎖化)オボムコイドに対するIgE抗体結合を、3つの患者群で比較した。図5a〜bは、天然オボムコイドに対するIgE抗体結合と比較した還元およびアルキル化されたオボムコイドに対するIgE抗体結合(OD)の比を示す。天然オボムコイドおよび「直線化」(還元およびアルキル化)オボムコイドに対するオボムコイド特異的IgEおよびIgG抗体の比を、それぞれの卵アレルギー患者群について比較した。天然のオボムコイドに対するIgE抗体の濃度は、すべての群について匹敵するが、1群の患者(長期の卵アレルギーを有し、より高年齢)は、3群(より若年)の患者よりも有意に多い直鎖化されたオボムコイドに対するIgE抗体を有した(図5a)。(図5a−メジアン:1群および3群について、それぞれ52%対22%、p<0.05)。直鎖化された天然オボムコイドに対するIgG抗体の比における有意差は、卵アレルギー性患者群の間ではみられなかった(図5b)。【図面の簡単な説明】【図1】 SPOT膜上で作製した89個の重複合成デカペプチドの各々についての累積SPOT IgE Gal d 1 ODスコア。スコアは、研究した17人の卵アレルギー患者の総結合を反映する。【図2】 SPOT膜上で作製した89個の重複合成デカペプチドの各々についての累積SPOT IgG Gal d 1 ODスコア。スコアは、研究した17人の卵アレルギー患者の総結合を反映する。【図3A】 メジアン累積SPOT IgE Gal d 1 ODスコアとして示した、合成デカペプチドに対するオボムコイド特異的IgE結合のパターン:グループ1(図3a)は3つ全てのオボムコイドドメイン中のエピトープに対するIgE抗体を保有した、グループ2(図3b)は主に第1のオボムコイドドメイン中のエピトープに対するオボムコイド特異的IgE抗体を有した、およびグループ3(図3c)は全ての合成デカペプチドに対して無視してよいIgE抗体を有した。【図3B】 メジアン累積SPOT IgE Gal d 1 ODスコアとして示した、合成デカペプチドに対するオボムコイド特異的IgE結合のパターン:グループ1(図3a)は3つ全てのオボムコイドドメイン中のエピトープに対するIgE抗体を保有した、グループ2(図3b)は主に第1のオボムコイドドメイン中のエピトープに対するオボムコイド特異的IgE抗体を有した、およびグループ3(図3c)は全ての合成デカペプチドに対して無視してよいIgE抗体を有した。【図3C】 メジアン累積SPOT IgE Gal d 1 ODスコアとして示した、合成デカペプチドに対するオボムコイド特異的IgE結合のパターン:グループ1(図3a)は3つ全てのオボムコイドドメイン中のエピトープに対するIgE抗体を保有した、グループ2(図3b)は主に第1のオボムコイドドメイン中のエピトープに対するオボムコイド特異的IgE抗体を有した、およびグループ3(図3c)は全ての合成デカペプチドに対して無視してよいIgE抗体を有した。【図4A】 卵アレルギー患者(図4a〜4c)および非卵アレルギーコントロール:卵アレルギーを有さないアトピー性皮膚炎患者(図4d)および非アレルギー性正常コントロール(図4e)についてのメジアン累積SPOT IgG Gal d 1 ODスコア。【図4B】 卵アレルギー患者(図4a〜4c)および非卵アレルギーコントロール:卵アレルギーを有さないアトピー性皮膚炎患者(図4d)および非アレルギー性正常コントロール(図4e)についてのメジアン累積SPOT IgG Gal d 1 ODスコア。【図4C】 卵アレルギー患者(図4a〜4c)および非卵アレルギーコントロール:卵アレルギーを有さないアトピー性皮膚炎患者(図4d)および非アレルギー性正常コントロール(図4e)についてのメジアン累積SPOT IgG Gal d 1 ODスコア。【図4D】 卵アレルギー患者(図4a〜4c)および非卵アレルギーコントロール:卵アレルギーを有さないアトピー性皮膚炎患者(図4d)および非アレルギー性正常コントロール(図4e)についてのメジアン累積SPOT IgG Gal d 1 ODスコア。【図4E】 卵アレルギー患者(図4a〜4c)および非卵アレルギーコントロール:卵アレルギーを有さないアトピー性皮膚炎患者(図4d)および非アレルギー性正常コントロール(図4e)についてのメジアン累積SPOT IgG Gal d 1 ODスコア。【図5】 図5a〜b。天然のオボムコイドおよび「直鎖化」(還元およびアルキル化された)オボムコイドに対するオボムコイド特異的IgE抗体(図5a)およびオボムコイド特異的IgG抗体(図5b)の比を、各卵アレルギー患者群について比較した。 アレルゲンへの曝露によって誘発されるアレルギーの予後を予測するためのデータを提供するための方法であって、 アレルゲンへの曝露によって誘発されるアレルギーを有する個体に由来するIgE抗体を含むサンプルを提供する工程; 該サンプルを、1以上の直鎖状IgEエピトープおよび1以上の高次構造IgEエピトープと接触させる工程であって、該直鎖状IgEエピトープおよび高次構造IgEエピトープが、天然から精製されたアレルゲン、組換えアレルゲン、還元およびアルキル化されたアレルゲン、還元およびアルキル化された該アレルゲンのフラグメント、該アレルゲンのフラグメント、該アレルゲンの4と40との間のアミノ酸に対応するペプチド、またはそれらの組み合わせに由来する、工程; 該直鎖状IgEエピトープおよび高次構造IgEエピトープの反応性について、該サンプルをスクリーニングする工程;ならびに 直鎖状IgEエピトープよりも高次構造IgEエピトープとより反応性であるIgE抗体を有する該個体が、該アレルギーを増大する可能性を有することを決定する工程を包含する、方法。 前記直鎖状IgEエピトープおよび高次構造IgEエピトープが、スクリーニングのために固定化される、請求項1に記載の方法。 前記接触させる工程の前に、前記個体がアレルギー性であるアレルゲンを同定する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。 前記アレルゲンが、食物のタンパク質、花粉のタンパク質、塵のタンパク質、カビのタンパク質、昆虫のタンパク質、動物のタンパク質または植物のタンパク質である、請求項1に記載の方法。 前記アレルゲンが、食物のタンパク質である、請求項4に記載の方法。 前記食物のタンパク質が、ピーナッツのタンパク質、卵のタンパク質、木の堅果のタンパク質、乳のタンパク質、魚のタンパク質、あるいは貝および甲殻類動物のタンパク質である、請求項5に記載の方法。 前記食物のタンパク質が、ピーナッツのタンパク質、卵のタンパク質または乳のタンパク質である、請求項5に記載の方法。 個体がアレルゲンへの曝露によって誘発されるアレルギーを増大する可能性を決定するためのキットであって、 アレルゲンの少なくとも1つの直鎖状IgEエピトープを含む第1の組成物であって、IgE抗体の該少なくとも1つの直鎖状IgEエピトープとの反応性が、該アレルゲンに対するアレルギーが増大される可能性の減少と相関する、第1の組成物;および IgE抗体の検出用の試薬を備える、キット。 前記アレルゲンの少なくとも1つの高次構造IgEエピトープを含む第2の組成物をさらに含む、請求項8に記載のキット。 前記直鎖状IgEエピトープおよび高次構造IgEエピトープが固定化される、請求項9に記載のキット。 前記第1の組成物が、前記アレルゲンの4と40との間のアミノ酸に相当する1以上のペプチドを含む、請求項9に記載のキット。 前記第1の組成物が、還元およびアルキル化されたアレルゲン、または還元およびアルキル化されたアレルゲンフラグメントを含む、請求項9に記載のキット。 前記第2の組成物が、天然から精製されたアレルゲンを含む、請求項9に記載のキット。 前記第2の組成物が、組換えアレルゲンを含む、請求項9に記載のキット。 前記第2の組成物が、前記アレルゲンの1以上のフラグメントを含み、少なくとも1つのフラグメントが、少なくとも1つの高次構造IgEエピトープの保持に十分な三次元構造を保持する、請求項9に記載のキット。 前記アレルゲンが、食物のタンパク質、花粉のタンパク質、塵のタンパク質、カビのタンパク質、昆虫のタンパク質、動物のタンパク質または植物のタンパク質である、請求項8に記載のキット。 前記アレルゲンが、食物のタンパク質である、請求項16に記載のキット。 前記食物のタンパク質が、ピーナッツのタンパク質、卵のタンパク質、木の堅果のタンパク質、乳のタンパク質、魚のタンパク質、あるいは貝および甲殻類動物のタンパク質である、請求項17に記載のキット。 前記食物のタンパク質が、ピーナッツのタンパク質、卵のタンパク質または乳のタンパク質である、請求項18に記載のキット。 前記第1の組成物および第2の組成物の一方または両方が、1より多くのアレルゲンのIgEエピトープを含む、請求項9に記載のキット。 アレルギー性の個体を、アレルギーを増大する可能性を有するか、または増大する可能性を有さないと分類するための方法であって、 アレルギーへの曝露によって誘発されるアレルギーを有する個体に由来するIgE抗体を含むサンプルを提供する工程; 該サンプル中に存在する場合に、エピトープ特異的IgE抗体が少なくとも1つの直鎖状IgEエピトープに結合するのを可能にする条件下で、該サンプルを、該アレルゲンの該少なくとも1つの直線状IgEエピトープと接触させる工程;および 該IgE抗体の、該少なくとも1つの直鎖状IgEエピトープとの十分に高い反応性の観察に基づいて、該アレルギー性の個体を、該アレルギーを増大する可能性を有さないと分類する工程を包含する、方法。 アレルギー性の個体を、アレルギーを増大する可能性を有するか、または増大する可能性を有さないと分類するための方法であって、 アレルギーへの曝露によって誘発されるアレルギーを有する個体に由来するIgE抗体を含むサンプルを提供する工程; 該サンプル中に存在する場合に、エピトープ特異的IgE抗体が少なくとも1つの直鎖状IgEエピトープに結合するのを可能にする条件下で、該サンプルを、該アレルゲンの該少なくとも1つの直線状IgEエピトープと接触させる工程;および 該IgE抗体の、該少なくとも1つの直鎖状IgEエピトープとの十分に低い反応性の観察に基づいて、該アレルギー性の個体を、該アレルギーを増大する可能性を有すると分類する工程を包含する、方法。 前記アレルゲンが、食物のタンパク質、花粉のタンパク質、塵のタンパク質、カビのタンパク質、昆虫のタンパク質、動物のタンパク質または植物のタンパク質である、請求項21または22に記載の方法。 前記アレルゲンが、食物のタンパク質である、請求項21または22に記載の方法。 前記食物のタンパク質が、ピーナッツのタンパク質、卵のタンパク質、木の堅果のタンパク質、乳のタンパク質、魚のタンパク質、あるいは貝および甲殻類動物のタンパク質である、請求項24に記載の方法。 前記食物のタンパク質が、ピーナッツのタンパク質、卵のタンパク質または乳のタンパク質である、請求項25に記載の方法。


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