タイトル: | 特許公報(B2)_ジエノゲストを有効成分とする子宮筋腫治療剤 |
出願番号: | 2000516988 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 31/565,A61P 15/00,C07J 41/00 |
甲木 由紀夫 下良 実 JP 4418102 特許公報(B2) 20091204 2000516988 19981016 ジエノゲストを有効成分とする子宮筋腫治療剤 持田製薬株式会社 000181147 渡辺 望稔 100080159 三和 晴子 100090217 甲木 由紀夫 下良 実 JP 1997285826 19971017 20100217 A61K 31/565 20060101AFI20100128BHJP A61P 15/00 20060101ALI20100128BHJP C07J 41/00 20060101ALN20100128BHJP JPA61K31/565A61P15/00C07J41/00 A61K 31/00-565 CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) 特公平01−019400(JP,B2) BAIRD, D.T. et al.,Medical management of fibroids,Br Med J (Clin Res Ed),1988年 6月18日,Vol.296,p.1684-1685 REIN, M.S. et al.,Progesterone: a critical role in the pathogenesis of uterine myomas,Am J Obstet Gynecol,1995年 1月,Vol.172, No.1 Pt 1,p.14-18 JOURDAIN, O. et al.,Treatment of fibromas ,European Journal of Obstetrics & Gynecology and Reproductive Biolog,1996年 6月,Volume 66, Issue ,p.99-107 KATSUKI, Y. et al.,Dienogest, a novel synthetic steroid, overcomes hormone-dependent cancer in a different manner than progestins,Cancer,1997年 1月 1日,Vol.79, No.1,p.169-176 3 JP1998004691 19981016 WO1999020647 19990429 10 20051014 齋藤 恵 技術分野本発明は、骨密度減少などの副作用が少なく、単独使用、またはGnRHアゴニスト等との併用が可能で、長期投与することが可能な子宮筋腫治療剤に関する。背景技術ジエノゲストは、下記式(I)で示される構造(17 α−cyanomethyl−17 β−hydroxy−estra−4,9(10)−dien−3−one)を有する既知化合物の国際一般名(INN)である。本化合物の性質および合成方法については、シュバート(Schubert)等、エルゼビアサイエンスパブリッシャーズ(Elsevier Science Publishers)編、ナチュラル・プロダクツ・ケミストリー1984(Natural Products Chemistry 1984)、1985年、143〜158頁に概要が述べられている。ジエノゲストは、黄体ホルモン活性を有することが知られており、ドイツに於いてエチニルエストラジオールとの合剤が製造され、経口避妊薬として発売されている。ジエノゲストはまた、子宮内膜症の治療剤としても臨床開発が進められており(ケーラー(Kohler)ら、アーカイブズ・オブ・ギネコロジー・アンド・オブステットリクス(Arch.Gynecol.Obstet.)、第254巻、594〜595頁、1993年)、また、子宮体癌および乳癌に対する有効性が実験的に報告されている(甲木ら、特開平7−188026号;甲木ら、キャンサー(Cancer)、第79巻、169〜176頁、1997年)。しかしながら、これまでのところ、ジエノゲストの子宮筋腫に対する作用については報告がなされていない。子宮筋腫は30歳以上の女性の20〜40%に存在すると言われ、産婦人科領域において最も発症頻度が高い疾患の一つである。子宮筋腫は、平滑筋により構成された良性腫瘍である点において、子宮内膜症や子宮体癌と異なっており、子宮筋腫が性成熟期を中心として発育し、閉経や去勢の後に発育の停止あるいは腫瘤の縮小が認められる。そして子宮筋腫に対して、酢酸ブセレリンに代表されるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストを用いたホルモン療法が広く実施されている。しかしながら、GnRHアゴニストは、子宮筋腫に対して治療効果を表わす半面、その主たる作用である血中エストロゲン低下作用に基いて、骨塩量減少並びに更年期症状等の副作用が高頻度に発現する。そしてこれらのリスクより、GnRHアゴニストの服用期間には通常6ケ月程度の制限が課せられている。また、GnRHアゴニストの服用を中断すると、子宮筋腫が再び治療前のサイズに戻ってしまう反跳現象も知られている(フリードマン(Freidman)ら、ファーティリティー・アンド・ステリリティー(Fertil.Steril.)、第49巻、404〜409頁、1988年)。子宮筋腫による随判症状の改善のため古くには、メドロキシプロゲステロンアセテートに代表される黄体ホルモンの使用が試みられたことがある。しかしながら、今日では単独投与における黄体ホルモンの子宮筋腫治療作用については、疑いがもたれている。例えば、子宮筋腫患者に黄体ホルモン剤を投与すると、筋腫細胞に核分裂像の増加が認められる(川口ら、アメリカン・ジャーナル・アブ・オブステットリクス・アンド・ギネコロシー(Am.J.Obstet.Gynecol.)、第160巻、637〜641頁、1989年;藤井ら、分子・細胞生理学、46〜57頁、1997年)。さらに、経口避妊薬で筋腫の増大が起こることや、血中高プロゲステロン状態である妊娠時に子宮筋腫が増大することからも、筋腫の増大にプロゲステロンが作用していると考えられる。また、先のGnRHアゴニストの副作用防止の目的で、いくつかの性ホルモン剤の併用が試みられているが、エストロゲン製剤は、その直接的作用のため危険性が心配され適当でない。一方、メドロキシプロゲステロンアセテート(MPA)を併用する試みでも、ほてりや骨密度減少などの副作用は軽減されるものの、子宮筋腫の大きさはGnRHアゴニストの単独投与時より、肥大してしまうことが、数多く報告されている。すなわち、黄体ホルモン剤は、GnRHアゴニストの子宮筋腫の縮小作用を打ち消すとされている(フリードマンら、前述;カー(Carr)ら、ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・メタボリズム(J Clin Endocrinol Metab.)、第76巻、1217〜1223頁、1993年;レイン(Rein)ら、アメリカン・ジャーナル・オブ・オブステットリクス・アンド・ギネコロジー(Am.J.Obstet.Gynecol.)、第172巻、14〜18頁、1995年)。さらに、抗黄体ホルモン剤であるRU−486の投与により子宮筋腫の体積が減縮し、治療効果が認められること(マーフィー(Murphy)ら、ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・メタボリズム(J Clin Endocrinol Metab.)、第76巻、513〜517頁、1993年;イエン(Yen)ら、US5468741号)等が報告され、新たに子宮筋腫の治療薬として抗黄体ホルモン剤という考えに立った医薬品の開発も進められるに至っている(マーフィーら、前述;ホドゲンら、特表平9−508418号)。これらのことから近年では、黄体ホルモン剤は子宮筋腫に対しては増殖促進因子として働き(レイン(Rein)ら、前述;藤井ら、前述)、子宮筋腫の治療においては悪影響を及ぼすと考えられている。こうした状況のもと、ジエノゲストについて子宮筋腫への適用はこれまで省みられていなかった。発明の開示上述したように、現在、子宮筋腫の薬物療法に於いては、GnRHアゴニストが広く用いられるものの、副作用として骨吸収作用や更年期症状などの発現頻度が高く、服用期間が制限されている。また、服用中止後の反跳現象も重要な問題となっている。このため、これらの副作用や問題点のない治療剤の開発が望まれる。また、GnRHアゴニストとの併用剤として用いられた場合にもGnRHアゴニストの子宮筋腫の縮小作用を消失させない薬物、もしくは、GnRHアゴニストにより、いったん縮小した筋腫を再度増殖させない、モしてGnRHアゴニストの副作用を少しでも軽減させる新しい薬剤の開発も望まれる。本発明は、これらの課題の少なくとも1つを解決するものである。かかる状況に鑑み、本発明者らは、子宮筋腫に対して有効で、同時に、GnRHアゴニストの副作用や問題点が少ない薬物を探索してきた。そして、意外にも、ジエノゲストにこれらの要求を充分に満たす能力があることを見出した。即ち、ジエノゲストはヒト子宮筋腫組織を縮小させる作用を有し、しかも、GnRHアゴニストと異なり、通常骨塩量に対して影響を全く及ぼさないし、服薬中止後の反跳現象が著明に抑制された。これらの事に基づき鋭意研究を行い、本発明を完成させた。本発明の子宮筋腫治療剤の有効成分となるジエノゲストは、すでに示した如く、式(I)の構造を有する化合物であり、水、エタノール、グリセロール、酢酸等の製薬学上許容される種々の溶媒と溶媒和物を形成し得る。本発明の第一の態様は、ジエノゲストもしくはその溶媒和物を有効成分として含有することを特徴とする子宮筋腫治療剤である。また、服薬中止後の反跳現象が抑制されたジエノゲストもしくはその溶媒和物を有効成分として含有することを特徴とする子宮筋腫治療剤である。本発明の第二の態様は、他の子宮筋腫治療剤と併用するための前記子宮筋腫治療剤である。好ましくは、併用される他の子宮筋腫治療剤がGnRHアゴニスト、GnRHアンタゴニスト、アロマターゼインヒビター、アンチェストロゲンである、子宮筋腫治療剤である。本発明の第三の態様は、GnRHアゴニスト、GnRHアンタゴニストの休薬期に投与されることを目的とする、前記子宮筋腫治療剤である。また、本発明により併せて、ジエノゲストまたはその溶媒和物を用いた子宮筋腫の治療方法、および、ジエノゲストまたはその溶媒和物を有効成分として含有することを特徴とする子宮筋腫治療剤の製造方法並びに、子宮筋腫の予防、治療の為の医薬組成物の製造の為の、ジエノゲストまたはその溶媒和物の使用も提供される。なお、上述した本発明の治療剤は、子宮筋腫の予防、再発防止にも用いられうる。発明を実施するための最良の形態次に、本発明の子宮筋腫治療剤の効果を、下記の実験例によって具体的に示す。なお比較に用いた薬物のうち、ブセレリンアセテートは、代表的なGnRHアゴニスト製剤であり、子宮筋腫に対する適応を有している。また、MPAは、最も代表的な黄体ホルモン製剤であり、ジエノゲスト同様経口投与が可能である。実験例1:ヒト子宮筋腫組織に対する縮小作用子宮筋腫の患者から子宮全摘術施行により得られた子宮筋腫組織を使用した。アオキ(Aoki)らの方法(オブステットリクス・アンド・ギネコロジー(Obstet.Gynecol.)、第83巻、220〜228頁、1994年)に従い、筋腫組織を2mm四方角の小片に細切し、体重17〜21gのCB−17スキッド系雌マウスに1匹に1個ずつ背部皮下移植した。移植3週後に、移植片が生着したことを確認した後、1群2匹ずつ群分けした。第1群には溶媒(0.5%カルボキシメチルセルロース溶液、以下CMCと略す)を投与して対照群とした。ジエノゲスト、MPAは、CMCに溶解または懸濁し経口投与にて、ブセレリンアセテートは皮下投与にて、6週間連日投与した。6週間の薬物投与前後にAokiらの方法に従い子宮筋腫移植片の体積を超音波診断装置(type SSD−650,Aloka,東京)を用いて測定し、各動物における子宮筋腫移植片の体積変化率(%)を下記の計算式(A)より算出した。[X]:薬物投与後の体積[Y]:薬物投与前の体積結果を表1に示す。表1に示す結果より、対照群の移植片体積が、投与期間の前後で安定して増加していたのに対し、ジエノゲスト0.1および1mg/kg投与群およびブセレリンアセテート0.03mg/kg投与群において顕著な縮小作用が認められた。用いたブセレリンアセテートの投与量は、動物において、ゴナドトロピンを低下させるのに十分な用量であり、臨床用量に換算した場合、十分有効性を示す投与量である。驚くべきことに、ジエノゲストの縮小作用はブセレリンアセテートのそれをも上回っており、より高い有効性を示した。一方、MPA投与群においては、移植片体積が著しく増大した。実験例2:ヒト子宮筋腫組織に対する縮小作用並びに反跳抑制作用子宮筋腫の患者(ドナー)4名から、子宮全摘出施行により得られた子宮筋腫組織を使用した。実験例1に準じてスキッド系雌マウスに2mm四方角の筋腫組織を皮下移植し、移植3週後に、全ての移植片の生着を確認した後、ドナー毎にに1群2匹ずつ群分けした。第1群にはCMC溶媒を投与して対照群とした。ジエノゲストは、CMCに懸濁して経口投与にて、ブセレリンアセテートは皮下投与にて、6週間連日投与した(治療期間)。何れの群についても薬物投与終了から引き続き4週間観察した(フォローアップ期間)。実験期間中、毎週1回、実験例1に準じて移植片体積を測定し、各動物における薬物投与前の移植片体積を100%として、これに対する割合を算出した。同一ドナー同一群の2匹より得た値の平均値を1例の結果として表わした。実験期間全体にわたり各移植片サイズの変化率を毎週測定し、ドナー4検体の移植片について総合的に解析した。各群の結果を、平均値+/−標準偏差(n=4)として表わし、対照群に対する各群の値の差をダネット検定(★P<0.05、★★P<0.01)により解析した。その解析結果を治療期間とフォローアップ期間での移植片体積変化率の推移として図1に示す。また、フォローアップ期間前後の移植片体積変化率を各ドナー毎にまとめ、表2に表わす。本実験において、治療期間におけるジエノゲストの0.1mg/kg/日による子宮筋腫に対する縮小作用は、ブセレリンの0.1mg/kg/日(皮下投与)を上回るものであった。また、フォローアップ期間の結果から、ブセレリン投与群では、一旦縮小した筋腫移植片が投与終了後に再び増大する反跳現象を認めたが、ジエノゲスト投与群ではこのような変化が著明に抑制された。なお、本発明子宮筋腫治療剤の、毒性(安全性)については、本実施例において示されたジエノゲストの子宮筋腫組織に対する有効用量が、ドイツにおいて経口避妊薬としてすでに使用されている本薬物の臨床用量(1日投与量2mg)にほぼ匹敵する用量であり、且つ、単剤の子宮内膜症治療薬としての臨床治験(1日投与量1〜4mg)においても安全性が確認されていることから、何ら問題ないと考えられる。以上の実験結果より、MPAが子宮筋腫に対する増殖因子として働き、治療剤として不適切であるのに対して、ジエノゲストは従来の黄体ホルモン剤とは明確に異なり、移植子宮筋腫を著しく縮小させ、治療剤として用いられ得ることを明確にした。また、その効力は、既存の子宮筋腫治療剤(GnRHアゴニスト)の効果を上回ると考えられ、新しい子宮筋腫治療剤として用い得る。しかも、ジエノゲストは、GnRHアゴニストと異なり、通常骨塩量に対して影響を全く及ぼさないため(笹川ら、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Jpn.J.Pharmacol.)、第67巻(suppl.)、162p,1995年)、副作用がより少ない子宮筋腫の治療剤となり得る。更には、ジエノゲストは、既存の子宮筋腫治療剤で問題とされている投薬中止後の反跳現象が改善されるという、優れた特徴を有する治療剤となるものと期待される。本発明の子宮筋腫治療剤は、ホルモン療法の種々の態様で用いられる。すなわち、子宮筋腫に対して単独で投与される他、子宮筋腫治療の目的で供される既存のホルモン療法剤と組み合わせた投与方法が考えられる。併用の方法としては、患者に対して単純にGnRHアゴニストと同時に投与される他、add−back療法や、GnRHアゴニストの休薬期間中の使用などがあり得る。add−back療法では、GnRHアゴニスト単独投与期間と本治療剤との同時投与期間とが組み合わされ、各期間の長さや投与量は、患者の態様に応じて調整される。具体例としては、フリードマンらの文献(フリードマン(Freidman)ら、ファーティリティー・アンド・ステリリティー(Fertil.Steril.)、第49巻、404〜409頁、1988年)に開示されるMPAの投与方法を参考に本剤が使用され得る。本add−back療法において、ジエノゲストは単独で用いられ得る。また、更にエストロゲンも併用し得る。また、ジエノゲストは、GnRHアゴニストの骨塩量減少作用に拮抗する作用をも有しており、GnRHアゴニストと併用してもその主作用を増強する一方、副作用は軽減し、併用剤としても好ましい。次に本発明の子宮筋腫治療剤の投与形態について述べる。本発明の子宮筋腫治療剤は、単独で投与するか、もしくは他の薬物と併用することが可能である。投与の形態としての具体例は、例えば錠剤、カプセル剤、糖または剤皮で被膜された錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液体状の溶液または懸濁剤、乳濁剤、脂肪乳剤、軟膏剤等の形態で、経口的あるいは非経口的に用いられる他、坐剤として直腸内または腟内に、注射剤として皮下、筋肉内、静脈内に投与されうる。また、パッチ剤、テープ剤、皮肉埋め込み型等の徐放性製剤とすることもできる。投与量は、成人一日当り、約0.5〜10mg、好ましくは1〜5mgで一日当り1〜5回に分けて投与されるが、患者の年齢、体重、健康状態および投与経路により、投与量、投与回数ともに調節できる。本発明の子宮筋腫治療剤と併用される薬物の具体的な例は、GnRHアゴニストとしてはブセレリン、リュープロレイン、ゴセレリン、ナファレリン、トリプトレリン、デスロレリン、アボレリン等がある。GnRHアンタゴニストとしては、セトロレリクス、ガニレリクス、ラモレリクス、アンタイド等があげられる。ここで、GnRHアンタゴニストは、直接GnRHレセプターをブロックしてエストロゲン抑制作用を発揮する子宮筋腫の治療剤である。その他のホルモン剤としてダナゾール、アンチェストロゲンとして、タモキシフェン、クロミフェンなどがある。アロマターゼインヒビターとしては、ファドロゾール、ボロゾール等がある。以下に、本発明の実施例を示す。なお、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。(実施例1)ジエノゲスト 2.0g乳糖 87.0gコーンスターチ 6.0gステアリン酸マグネシウム 5.0g上記成分を混合し、100mgずつを日本薬局方3号カプセルに封入し、カプセル剤となす。(実施例2)ジエノゲスト 0.4g乳糖 91.6gコーンスターチ 50.0gタルク 3.0gステアリン酸マグネシウム 5.0g上記成分を適宜混合し、湿式顆粒圧縮法により1錠当りジエノゲスト0.40mgを含有する150mgの錠剤となす。(実施例3)ジエノゲスト 1.5gポリオキシエチレンラウリルエーテル 38.5gグリセリン 20.0g上記成分を適宜溶融練合し、パッケージに封入して、1個当り重量1.0gの坐剤となす。(実施例4)ジエノゲスト 1.0gポリソルベート80 1.0gウィテップゾール(S−55) 98.0g上記成分を加温下練合し、プラスチックパッケージに封入して、1個当り重量1.0gの坐剤となす。産業上の利用可能性本発明の子宮筋腫治療剤により、従来のホルモン療法剤と同等以上の治療効果を発揮し得る。例えば、従来のGnRHアゴニストでは治癒しきれなかった患者に対する治療効果をも期待し得る。さらに、本発明の子宮筋腫治療剤では、従来のホルモン療法剤(特にGnRHアゴニスト)で問題視された副作用が全く問題にならないため、従来薬に比して安全で、しかも長期間投与することができる。具体的には、骨吸収作用や更年期症状などの発現がなく、単独で6ケ月以上投与を継続することが可能である。また、閉経までの長期にわたり服用し、筋腫を縮退させることができる。或いは休薬期の反跳現象が起こらない薬物として期待される。また、GnRHアゴニスト等との併用においても、その主作用を減じることなく、骨吸収などの副作用をきたさない薬物として用い得る。また、GnRHアゴニスト等の休薬期に安全性の高い薬物として投与され得る。【図面の簡単な説明】図1は、ヒト子宮筋腫組織に及ぼす被験薬物の作用をドナー4検体の移植片について総合的に統計解析したものである。 ジエノゲストまたはその溶媒和物を有効成分として含有することを特徴とする子宮筋腫治療剤。 反跳現象を抑制する請求項1に記載の子宮筋腫治療剤。 GnRHアゴニスト、GnRHアンタゴニスト、アロマターゼインヒビター、アンチエストロゲンおよびダナゾールからなる群より選ばれる他の子宮筋腫治療剤と併用される請求項1または2に記載の子宮筋腫治療剤。