タイトル: | 特許公報(B2)_フェキソフェナジンおよびその誘導体のバイオアベイラビリティーを強化する方法 |
出願番号: | 2000509429 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A61K 31/445,A61K 31/355,A61K 31/765,A61K 47/22,A61K 47/32,A61P 37/08,A61P 43/00 |
キン−カイ・フワーング デニス・エイチ・ギーシング ゲイル・エイチ・ハースト JP 4295913 特許公報(B2) 20090417 2000509429 19980721 フェキソフェナジンおよびその誘導体のバイオアベイラビリティーを強化する方法 アベンティス・ファーマスーティカルズ・インコーポレイテツド 500137976 高木 千嘉 100091731 西村 公佑 100080355 キン−カイ・フワーング デニス・エイチ・ギーシング ゲイル・エイチ・ハースト US 08/911,563 19970814 20090715 A61K 31/445 20060101AFI20090625BHJP A61K 31/355 20060101ALI20090625BHJP A61K 31/765 20060101ALI20090625BHJP A61K 47/22 20060101ALI20090625BHJP A61K 47/32 20060101ALI20090625BHJP A61P 37/08 20060101ALI20090625BHJP A61P 43/00 20060101ALI20090625BHJP JPA61K31/445A61K31/355A61K31/765A61K47/22A61K47/32A61P37/08A61P43/00 113A61P43/00 121 A61K31/00-31/80 A61K47/00-47/48 A61P37/08,43/00 CA(STN) CAplus(STN) CASREACT(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN) REGISTRY(STN) PubMed 国際公開第96/40192(WO,A1) 国際公開第95/20980(WO,A1) 18 US1998015098 19980721 WO1999008690 19990225 2001515041 20010918 17 20050712 澤田 浩平 【0001】【発明の分野】“多剤耐性”(MDR)という用語は、ある種の癌性腫瘍細胞が個々の細胞毒性薬剤に暴露されたとき、それら細胞が広範囲の種類の細胞毒性薬剤に対して耐性を生じる現象をいう。換言すれば、最初腫瘍の増殖制御で有効性を示した細胞毒性薬剤で一定期間処置された後で、この腫瘍は、前記腫瘍が暴露されたこの特定の薬剤に対してだけでなく構造的および機能的に無関係の広範囲の種類の薬剤に対しても耐性を生じる。MDR腫瘍細胞は、p−糖蛋白質(pは透過性を意味する)として知られる特定の膜糖蛋白質を過剰発現することが最近になって発見された。このp−糖蛋白は、ATP−結合カセット(ABC)輸送物質上科に属する一員である。MDR腫瘍細胞を細胞毒性薬剤に暴露することは、この細胞毒性薬剤を腫瘍細胞外に排出するのみならず、他の広範囲の種類の細胞毒性薬剤も同様に排出するという、腫瘍細胞膜上に位置する逆輸送系を仲介するp−糖蛋白の誘導をもたらし、したがって細胞に多剤耐性が生ずると考えられる。【0002】p−糖蛋白は腫瘍細胞にだけ見出されるのではない。p−糖蛋白はまた多様な正常な、非腫瘍性、上皮性および内皮性細胞で発現される。これらの細胞には、例えば副腎皮質、近位腎細管上皮のブラシ縁、胆管肝細胞の管腔表面、膵小管、および大小腸の粘膜の細胞が含まれる。本発明を説明するためには大小腸のp−糖蛋白の存在が特に興味深いであろう。【0003】物質が摂取されると、それらは身体から分泌される消化物質と混合され、腸の管腔内の混合物と終極的には一体化される。腸管腔は、腸管粘膜または腸壁を形成するある特定の上皮細胞と接触する。腸管腔に存在する栄養物および他の物質はこれらの腸上皮細胞中に受動的に拡散し、後には、血流によって肝に栄養物を運ぶ門脈循環中に拡散する。かくして、栄養物および他の物質は身体に吸収され、身体の他の組織が使用することができるバイオアベイラビリティーを得る。【0004】しかしながら、腸管の上皮細胞は栄養物および他の物質の受動的拡散用担送体として機能するだけではない。これに加えて、上皮細胞の外側膜に多様な能動的輸送機構が存在する。これら機構は種々の栄養物および他の物質を前記上皮細胞内に能動的に輸送する。腸上皮に存在するこの能動的輸送機構の1つが、既に拡散した物質または細胞内に輸送された物質を腸管腔内に戻す逆輸送を促進するp−糖蛋白輸送機構であると現在考えられている。腸管上皮に存在するp−糖蛋白は、摂取されて上皮細胞内に拡散または輸送された毒性物質が、循環系に吸収されてバイオアベイラブルになるのを防ぐ保護的逆ポンプとして機能するのかもしれないと推測されている。しかしながら、腸管細胞のp−糖蛋白の機能の都合の悪い特徴の1つは、有益な物質、例えばたまたまp−糖蛋白逆輸送系に適した物質である、ある種の薬剤のバイオアベイラビリティーをもまた阻害するように機能するおそれがあるということである。【0005】驚くべきことには、本発明の抗ヒスタミン薬もまた、同時に腸管上皮細胞のp−糖蛋白逆輸送系の標的となり、したがって十分にバイオアベイラブルでないことが分かった。本発明は、これらの抗ヒスタミン薬のバイオアベイラビリティーを強化する方法を成功裡に提供することができる。【0006】【発明の概要】本発明は、下記式Iのピペリジノアルカノール抗ヒスタミン薬またはその医薬的に許容できる塩もしくは個々の光学異性体のバイオアベイラビリティーを患者に強化する方法に関する。【0007】【化6】式中Rは水素またはC1−C6アルキルである。本方法は、前記患者に有効な抗ヒスタミン作用量の前記ピペリジノアルカノールおよび有効なp−糖蛋白抑制作用量のp−糖蛋白抑制物質を同時投与することを含む。本発明はさらに患者のアレルギー反応を治療する方法に関する。本方法は、前記患者に有効な抗ヒスタミン作用量の式Iのピペリジノアルカノール抗ヒスタミン薬および有効なp−糖蛋白抑制作用量のp−糖蛋白抑制物質を同時に投与することを含む。本発明はまた、有効な抗ヒスタミン作用量の式Iのピペリジノアルカノール抗ヒスタミン薬および有効なp−糖蛋白抑制作用量のp−糖蛋白抑制物質を含む医薬組成物に関する。【0008】【発明の詳述】本発明は、下記式Iのピペリジノアルカノール抗ヒスタミン薬またはその医薬的に許容できる塩もしくは個々の光学異性体のバイオアベイラビリティーを強化する方法を提供する。【0009】【化7】式中Rは水素またはC1−C6アルキルである。【0010】本明細書で用いられる“C1−C6アルキル”という用語は、1つまた6つの炭素原子をもつ直鎖または分枝構造の飽和ヒドロカルビルラジカルを指す。特に“C1−C6アルキル”の範囲内に含まれるものは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、イソブチル、第三ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのヒドロカルビルラジカルである。当業者には、式Iの化合物はキラルセンターをもち、そのようなものでは立体異性形が存在することは直ちに理解されよう。本発明は、単離された個々の立体異性体と同様にこれらの立体異性形のラセミ混合物にも適用される。個々の立体異性体は、クロマトグラフィー手法および選択的結晶化技術を含む当技術分野で周知の分離技術によってラセミ混合物から単離できる。【0011】式Iの化合物は、その遊離形としてまたは医薬的に許容できる塩として存在するものでもよい。式Iの化合物の医薬的に許容できる塩は適当な任意の無機酸または有機酸の塩である。適当な無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸および燐酸が含まれる。適当な有機酸の例には、カルボン酸例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、ジヒドロキシマレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、4−アミノ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸、桂皮酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸およびマンデル酸、シクラミン酸およびスルホン酸例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸およびβ−ヒドロキシエタンスルホン酸が含まれる。無機または有機塩基により生成される式Iの化合物の無毒な塩もまた本発明の範囲内に含まれ、例えば、それらにはアルカリ土類金属例えばカルシウムおよびマグネシウムの塩、IIIA族の軽金属例えばアルミニウムの塩、有機アミン例えば第一、第二または第三アミンの例えばシクロヘキシルアミン、エチルアミン、ピリジン、メチルアミノエタノールおよびピペラジンの塩が含まれる。式Iの化合物の塩は、通常の手段、例えば式Iの化合物を適当な酸または塩基で処理することによって製造できる。式Iの化合物の医薬的に許容できる好ましい塩は塩酸塩である。式Iの化合物は米国特許第4254129号に記載されたように製造でき、この文献の全体は参照により本明細書に加入される。【0012】式Iの好ましい化合物は、(±)−4−〔1−ヒドロキシ−4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−ブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸でこれはまたフェキソフェナジンとして知られており、そしてそのそれぞれの立体異性体である。その塩酸塩であるフェキソフェナジンは、最近米国食品医薬品局(FDA)によりアレグラ(登録商標)(AllegraTM)として知られる抗ヒスタミン薬中の活性成分として使用することが承認された。アレグラは、推奨投与量60mg B.I.D.で季節性のアレルギー性鼻炎の治療のために適用される。【0013】本発明は、式Iの化合物のバイオアベイラビリティーを強化する方法を提供する。有効な抗ヒスタミン作用量の式Iの化合物を有効なp−糖蛋白抑制作用量のp−糖蛋白抑制物質と同時に投与することによって、式Iの化合物のバイオアベイラビリティーが強化される。薬剤のバイオアベイラビリティーは、投与後に標的組織が薬剤を利用できるようになる程度と定義され、全身的に利用可能な総薬剤量として簡便に測定される。典型的には、バイオアベイラビリティーは薬剤投与後の様々な時点での血中薬剤濃度を測定し、続いて期間中に得られた値を積分して総血中循環薬剤量を得ることによって決定される。曲線下面積(Area Under the Curve, AUC)と呼ばれるこの測定値は、薬剤のバイオアベイラビリティーの直接測定値である。また別法として、フェキソフェナジンは経口投与後に顕著には代謝されないことが分かっているので、フェキソフェナジンの総尿中排出を測定することによってフェキソフェナジンについてのバイオアベイラビリティーを評価することができる。【0014】本発明は、p−糖蛋白抑制物質を同時に投与することによって式Iの薬剤のバイオアベイラビリティーの強化を提供する。式Iの化合物とp−糖蛋白抑制物質との同時投与によって、式Iの化合物の総量は、p−糖蛋白抑制物質の非存在下で血中を循環するその量より高められる。したがって、本発明の同時投与によって、式Iの化合物の単独投与で見出される式Iの化合物のAUCを越える増加がもたらされる。【0015】本明細書で用いられる“患者”という用語は、哺乳類例えばヒト、マウス、ラット、イヌ、ネコなどを指し、アレルギー反応について治療を要するものである。本明細書で用いられる“アレルギー反応”という用語は、ヒスタミン介在アレルギー疾患例えば季節性アレルギー性鼻炎、特発性じんま疹などを指す。そのような疾患は、一般に組織中の貯蔵細胞からのアレルゲンによって誘発されるヒスタミンの放出を特徴とする。放出されたヒスタミンはある種のH1−ヒスタミンレセプターと結合し、その結果、周知のアレルギー症状例えばくしゃみ、皮膚の掻痒感、目の掻痒感、鼻漏などが出現する。抗ヒスタミン薬例えば式Iの化合物は、身体の種々の組織例えば皮膚、肺または鼻粘膜のH1−ヒスタミンレセプターをブロックすることによってヒスタミンの放出によって生じるアレルギー症状の出現を阻害するであろう。したがって式Iの化合物のような抗ヒスタミン薬が周知で、患者のアレルギー反応に対して有効な治療である。【0016】式Iの化合物のバイオアベイラビリティーの強化は患者のより効果的で有効な治療を提供するであろう。これは、ある投与量について、バイオアベイラビリティーが強化されない場合よりも多量の化合物を、抗ヒスタミン薬によってH1−ヒスタミンレセプターがブロックされる組織部位で利用できるからである。式Iの化合物の投与とは経口投与を指す。式Iの化合物は、都合のよい任意の投与形態例えばカプセル、錠剤、液体、分散液などで経口投与されうる。【0017】式Iの化合物の有効な抗ヒスタミン作用量とは、患者で抗ヒスタミン作用を提供する場合に有効な量をいう。有効な抗ヒスタミン作用量は、治療される疾患のタイプ、疾患の重篤度、治療される患者の種、投薬計画、および当業者に周知の他の要因にしたがって日々の投与量として式Iの化合物の約1mgから約600mgの間で変動するであろう。しかしながら、好ましい量は典型的には約10mgから約240mgで、より好ましい量は典型的には約20mgから約180mgで、さらに好ましい量は典型的には約40mgから約120mgであろう。式Iの化合物の最も好ましい量は60mgまたは120mgであろう。上記の式Iの化合物は、一日一回または数回投与できる。典型的には、投与は一日一回、二回または三回投与を必要とする投薬計画にしたがって投与されるであろうが、一回または二回が好ましい。最も好ましい投薬量および投薬計画は、40mg一日二回、60mg一日二回、80mg一日二回、80mg一日一回、120mg一日一回、および180mg一日一回で、60mg一日二回および120mg一日一回が最も好ましい。【0018】本明細書で用いられる“p−糖蛋白抑制物質”という用語は、腸管に存在するp−糖蛋白によって仲介される能動的輸送系の活性を抑制する有機化合物を指す。この輸送系は、腸管の管腔から吸収された薬剤を腸管の上皮中に、さらに前記管腔に戻して薬剤を能動的に輸送する。このp−糖蛋白仲介能動輸送系の抑制物質は管腔内に戻される薬剤を減少させ、したがって腸管上皮を通過する正味の薬剤輸送を増加させ、終極的に利用可能な血中の薬剤量を増加させるであろう。【0019】種々のp−糖蛋白抑制物質が本技術分野においてよく知られ認識されている。これらには、水溶性ビタミンE;ポリエチレングリコール;プルロニックF−68を含むポロキサマー;ポリエチレンオキシド;クレモフォアELおよびクレモホアRH40を含むポリオキシエチレンひまし油誘導体;クリシン、(+)−タキシフォリン;ナリンゲニン;ディオスミン;ケルセチンなどが含まれる。【0020】ポリエチレングリコール(PEG)は、一般式がH(OCH2CH2)nOH(nは4または4より大きい)の液体または固体ポリマーで、約200から約20000の範囲の種々の平均分子量を有する。PEGはまた、α−ヒドロ−ω−ヒドロキシポリ−(オキシ−1,2−エタンジイル)ポリエチレングリコールとして知られている。例えば、PEG200は、nの平均値が4で平均分子量が約190から約210であるポリエチレングリコールである。PEG400は、nの平均値が8.2から9.1で平均分子量が約380から約420のポリエチレングリコールである。同様に、PEG600、PEG1500およびPEG4000は、nの平均値がそれぞれ12.5−13.9、29−36、および68−84で、平均分子量がそれぞれ570−630、1300−1600、および3000−3700であり、PEG1000、PEG6000およびPEG8000は平均分子量がそれぞれ950−1050、5400−6600、および7000−9000である。平均分子量が200から20000の多様なポリエチレングリコールは周知で、薬科学分野で認識されており、容易に入手できる。【0021】本発明で使用される好ましいポリエチレングリコールは、平均分子量が約200から約20000のものである。より好ましいポリエチレングリコールは、約200から約8000の平均分子量を有する。より具体的には、本発明で使用されるより好ましいポリエチレングリコールは、PEG200、PEG400、PEG600、PEG1000、PEG1450、PEG1500、PEG4000、PEG4600、およびPEG8000である。本発明で使用される最も好ましいポリエチレングリコールは、PEG400、PEG1000、PEG1450、PEG4600、およびPEG8000である。【0022】ポリソルベート80は、ソルビトールおよびソルビトール無水物1モルにつき約20モルのエチレンオキシドと共重合させたソルビトールおよびその無水物のオレイン酸エステルである。ポリソルベート80は、ソルビタンモノ−9−オクタデカノエートポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)誘導体で構成される。ポリソルベート80またトゥイーン80として知られているものは周知で、当薬学分野で認識されており、容易に入手できる。【0023】水溶性ビタミンEはまたd−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート〔TPGS〕として知られており、天然由来ビタミンEの水溶性誘導体である。TPGSは、結晶d−α−トコフェリル酸スクシネートの酸基のポリエチレングリコール1000によるエステル化によって製造できる。この生成物は周知で、当薬学分野で認識されており容易に入手できる。例えば、水溶性ビタミンE生成物は、イーストマン社(Eastman Corporation)からビタミンETPGSとして商業的に入手しうる。【0024】ナリンゲニンは、バイオフラボノイド化合物2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オンで、4′,5,7−トリヒドロキシフラボノンとしてもまた知られている。ナリンゲニンは、グレープフルーツの果実および外皮に見出される天然物質であるナリンゲンのアグルコンである。ナリンゲニンは市販供給源から容易に入手できる。ケルセチンは、バイオフラボノイド化合物2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンで、3,3′,4′,5,7−ペンタヒドロキシフラボンとしてもまた知られている。ケルセチンは、ケルシトリン、ルチンおよび他の配糖体のアグルコンである。ケルセチンは市販供給源から容易に入手できる。【0025】ディオスミンは、天然に存在するフラボン系配糖体化合物7−〔〔6−O−6−デオキシ−α−L−マンノピラノシル)−β−D−グルコピラノシル〕オキシ〕−5−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オンである。ディオスミンは、カンキツ類の果実を含む多様な植物性供給源から単離できる。ディオスミンは市販供給源から容易に入手できる。【0026】クリシンは、種々の植物性供給源から単離できる天然に存在する化合物5,7−ジヒドロキシ−2−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−オンである。クリシンは市販供給源から容易に入手できる。ポロキサマーは、α−ヒドロ−ω−ヒドロキシポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシエチレン)ブロック共重合体である。ポロキサマーは、一般式HO(C2H4O)a(C3H6O)b(C2H4O)aHのエチレンオキシドとプロピレンオキシドに密接な関係を有する一連のブロック共重合体である。例えば、ポロキサマー124は、“a”が12、“b”が20の液体で約2090から約2360の平均分子量を有し、ポロキサマー188は、“a”が80、“b”が27の固体で約7680から約9510の平均分子量を有し、ポロキサマー237は、“a”が64、“b”が37の固体で約6840から約8830の平均分子量を有し、ポロキサマー338は、“a”が141、“b”が44の固体で約12700から約17400の平均分子量を有し、さらにポロキサマー407は、“a”が101、“b”が56の固体で約9840から約14600の平均分子量を有する。ポロキサマーは周知で医薬分野で有用性が認められており、商業的に容易に入手できる。例えば、プルロニックF−68はバズフ社(BASF Corp.)から購入できるポロキサマーである。本発明で使用される好ましいポロキサマーは、例えばポロキサマー188、プルロニックF−68などである。【0027】ポリオキシエチレンひまし油誘導体は、種々の量のエチレンオキシドをひまし油または水素添加ひまし油と反応させて得られる一連の物質である。これらのポリオキシエチレンひまし油誘導体は周知で医薬分野で有用性が認められており、バズフ社のクレモフォアを含むいくつかの異なるタイプの物質が市販ルートで入手できる。ポリオキシエチレンひまし油誘導体は、種々の疎水性および親水性成分の複雑な混合物である。例えば、ポリオキシル35ひまし油(またクレモフォアELとして知られている)では、疎水性成分は混合物全体の約83%を構成し、主要な成分はグリセロールポリエチレングリコールリシノレートである。他の疎水性成分には、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステルがいくつかの未変化ひまし油とともに含まれる。ポリオキシル35ひまし油の親水性部分(17%)は、ポリエチレングリコールおよびグリセリルエトキシレートから成る。【0028】ポリオキシル40水素添加ひまし油(クレモフォアRH40)では、混合物の約75%の成分は疎水性である。これらは、主にグリセロールポリエチレングリコールの脂肪酸エステルおよびポリエチレングリコールの脂肪酸エステルを含む。親水性部分は、ポリエチレングリコールおよびグリセロールエトキシレートから成る。本発明で使用される好ましいポリオキシエチレンひまし油誘導体は、ポリオキシル35ひまし油(例えばクレモフォアEL)およびポリオキシル40水素添加ひまし油(例えばクレモフォアRH40)である。クレモフォアELおよびクレモフォアRH40はバズフ社から購入できる。【0029】ポリエチレンオキシドは、一般式(OCH2CH2)n(nはオキシエチレン基の平均値を示す)に従うエチレンオキシドの非イオン性ホモポリマーである。ポリエチレンオキシドは種々の等級のものが入手可能である。これらは周知で当医薬業者に認識されており、いくつかの異なるタイプの物質が市販ルートで入手できる。好ましいポリエチレンオキシドの等級はNFなどで、これらは商業的に入手できる。【0030】(+)−タキシフォリンは、(2R−トランス)−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2,3−ジヒドロ−3,5,7−トリヒドロキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オンである。(+)−タキシフォリンの他の一般名は、(+)−ジヒドロケルセチン;3,3′,4′,5,7−ペンタヒドロキシ−フラバノン;ジケルチン;タキシフォリオール;およびジスチリンである。(+)−タキシフォリンは周知であり医薬分野で有用性が認められており、商業的に容易に入手できる。【0031】本発明で使用される好ましいp−糖蛋白抑制物質は、水溶性ビタミンE(例えばビタミンETPGS)およびポリエチレングリコールである。ポリエチレングリコールのうちで、最も好ましいp−糖蛋白抑制物質はPEG400、PEG100、PEG1450、PEG4600およびPEG8000である。p−糖蛋白抑制物質の投与は、p−糖蛋白抑制物質が有効な量で生体利用できるいずれのルートでもよく、経口ルートおよび非経口ルートを含む。経口投与が好ましいが、p−糖蛋白抑制物質はまた静脈内、局所、皮下、鼻腔内、直腸内、筋肉内に、または他の非経口的ルートで投与してもよい。経口的に投与するときは、p−糖蛋白抑制物質は都合のよい任意の製剤形例えばカプセル、錠剤、液体、分散液などで投与できる。【0032】p−糖蛋白抑制物質の有効なp−糖蛋白抑制作用量は、腸管に存在するp−糖蛋白仲介能動輸送系の活性を有効に抑制できる量である。有効なp−糖蛋白抑制作用量は、選択される個々のp−糖蛋白抑制物質、治療される動物種、投薬計画、および当業者に周知の他の要因にしたがって、一日の投与量としてp−糖蛋白抑制物質は約5mgから約1000mgの間で変動するであろう。しかしながら、好ましい量は典型的には約50mgから約500mgで、より好ましい量は典型的には約100mgから約500mgであろう。上記のp−糖蛋白抑制物質量は1日1回から数回投与できる。経口投与としては典型的には、1日1回、2回または3回の投与を必要とする治療計画で投与されるが、1回および2回が好ましい。【0033】水溶性ビタミンEまたはポリエチレングリコールをp−糖蛋白抑制物質として選択する場合は、好ましい量は典型的には約5mgから約1000mgで、より好ましい量は典型的には約50mgから約500mgで、さらに好ましい量は典型的には約100mgから約500mgであろう。最も好ましい水溶性ビタミンEまたはポリエチレングリコールの量は約200mgから約500mgであろう。上記の量の水溶性ビタミンEまたはポリエチレングリコールは1日1回または数回投与できる。典型的には1日1回、2回または3回の投与を必要とする治療計画にしたがって投与されるが、1回および2回が好ましい。【0034】本明細書で用いられる“同時投与”という用語は、腸管におけるp−糖蛋白仲介輸送を抑制するp−糖蛋白抑制物質の薬理作用が、式Iの化合物が腸管から吸収される時に出現するように式Iの化合物とp−糖蛋白抑制物質の両方を患者に投与することを指す。もちろん、式Iの化合物とp−糖蛋白抑制物質とは異なる時間に投与してもよいし、また同時に投与してもよい。例えば、式Iの化合物の投与に備えて患者を前処置するために式Iの化合物の投与前にp−糖蛋白抑制物質を投与してもよい。さらに、式Iの化合物の第1回の投与前にp−糖蛋白抑制物質の定常レベルを達成するために、p−糖蛋白抑制物質で患者を前処置することは好ましいであろう。さらにまた、式Iの化合物とp−糖蛋白抑制物質を別々の製剤としてまたは同じ経口製剤として本質的に同時に投与してもよい。【0035】本発明はさらに、式Iの化合物とp−糖蛋白抑制物質を別々の製剤として、または同じ混合経口製剤として投与することも意図する。式Iの化合物とp−糖蛋白抑制物質との同時投与は、式Iの化合物とp−糖蛋白抑制物質の両方を含む混合製剤の経口投与によって達成するのが便利であろう。したがって、本発明の更なる特徴は、有効な抗ヒスタミン作用量の式Iの化合物(以下抗ヒスタミン薬)および有効なp−糖蛋白抑制作用量のp−糖蛋白抑制物質(以下抑制物質)を含有する経口投与用混合医薬組成物である。この混合経口製剤は式Iの化合物とp−糖蛋白抑制物質の即時放出を提供するものでもよいし、または式Iの化合物とp−糖蛋白抑制物質の一方または両方の持続性放出を提供するものでもよい。当業者は、式Iの化合物とp−糖蛋白抑制物質の同時投与の所望の効果を達成するために前記混合製剤の適当な特性を容易に決定することができるであろう。【0036】抗ヒスタミン薬および抑制物質は、単独または1つもしくは2つ以上の医薬的に許容できる担体もしくは賦形剤と混合もしくは結合した状態の医薬組成物として投与することができる。これら医薬組成物の割合および性質は、選択される抗ヒスタミン薬および抑制物質の溶解性および化学的特性、所望の投薬計画および標準的調剤慣行によって決定される。抗ヒスタミン薬は、それ自体で有効であっても安定性、結晶化の利便性、増加された溶解性などの目的で医薬的に許容できる酸付加塩(例えば塩酸塩)として製剤し投与できる。本発明の医薬組成物の形態の1つは混合医薬組成物で、この場合、抗ヒスタミン薬および抑制物質の両方が同じ製剤に存在する。【0037】この医薬組成物は当薬学分野で周知でよく理解されている態様で製造できる。その担体および賦形剤は薬理学的に不活性であって、さらに、固体でも半固体でもまたは液状物質でもよく、これらは抗ヒスタミン薬および抑制物質のための運搬手段または媒体として機能することができる。適当な担体および賦形剤は当技術分野で周知である。医薬組成物は、錠剤、カプセル、液体、シロップ、ウェファー、チューインガム、懸濁液などとして経口投与用に利用することができる。これらの調製物は、少なくとも4%(すなわち抗ヒスタミン薬および抑制物質の重量%)の活性成分を含むことができる。しかしながら、活性成分が製剤単体の重量の約4%から約70%を構成することができるように個々の形態に応じて変動させるのが便利である。【0038】錠剤、ピル、カプセルなどは1つまたは2つ以上の以下の担体および賦形剤を含むことができる:結合剤、例えば微晶質セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン;賦形剤、例えば澱粉または乳糖;界面活性剤、例えばポリソルベート80など;崩壊剤、例えばアルギニン酸、プリモゲル(登録商標)(PrimogelTM)、トウモロコシ澱粉、重炭酸ナトリウム、重炭酸カルシウムなど;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムまたはステロテクス(登録商標)(SterotexTM);潤滑剤、例えばコロイド性二酸化珪素;甘味剤、例えば蔗糖またはサッカリン;香料、例えばハッカ、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料。カプセルは、上記に挙げた錠剤用成分の他に液状担体(例えばポリエチレングリコールまたは脂肪油)を含むことができる。錠剤およびカプセルは、製剤単体の物理的形態を改変させる他の種々の担体および賦形剤(例えば被覆剤)を含むことができる。したがって、錠剤は砂糖、シェラックまたは他の腸溶皮で被覆することができる。シロップは、上記の活性成分の他に滅菌水、甘味剤としての蔗糖、保存料、染料、着色剤および香料を含むことができる。これらの多様な組成物を調製する場合に用いられる物質は医薬的に純粋で、さらに使用される量では無毒でなければならない。【0039】非経口投与用には、抑制物質は溶液または分散液に包含させることができる。これらの調製物は少なくとも0.1%の活性成分を含むべきであるが、その重量で約0.1%から50%の間で変更することができる。投与に際して適当な投薬量が得られるように、抑制物質の量はこのような組成物中で調節されるべきである。【0040】溶液または分散液はまた以下の1つまたは2つ以上のアジュバントを含むことができる:滅菌希釈剤、例えば水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝剤、例えば酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩;浸透圧調節剤、例えば塩化ナトリウムまたは結晶ブドウ糖。非経口投与調製物は、ガラス製またはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射筒またはマルチドーセージバイアルに封入することができる。【0041】より具体的には、混合医薬組成物は錠剤、カプセル、液体、分散液、シロップなどの形状であってよい。錠剤形を含む混合医薬組成物は、抗ヒスタミン薬、抑制物質並びに必要で適当な任意の担体および賦形剤の単純な混合物でよい。また別態様として、組成物は、適当な製剤構成を提供する異種のペレット、ビーズまたは他の異種粒子との混合物形でもよい。さらに、医薬組成物は、多重圧縮錠剤(例えば多層錠剤または圧縮被覆錠剤)の形状でもよい。【0042】異種ペレット、ビーズまたは粒子(以下“異種ペレット”と称する)で構成された混合医薬組成物、または多重圧縮錠剤で構成された混合医薬組成物は、抗ヒスタミン薬および抑制物質の異なる放出特性を提供する医薬組成物の投与に有用である。例えば、これらの組成物は、抑制物質の即時放出および抗ヒスタミン薬の持続性放出またはその逆を提供することができる。これらの組成物は、当技術分野で周知でよく理解されている標準的な技術、例えば米国特許第4996061号(この文献は参照によりその全体が本明細書に包含される)にしたがって製造される。以下の実施例は特に好ましい本発明の実施態様を示す。これらの実施例は単に例示であって、本発明の範囲を制限しようとするものでは全くない。【0043】実施例1フェキソフェナジンのイヌにおけるバイオアベイラビリティーに対するPEG400の効果 フェキソフェナジンのバイオアベイラビリティーに対するポリエチレングリコール400(PEG400)の効果を絶食させた雄のビーグル犬で調べた。処置Aは120mgのフェキソフェナジン塩酸塩持続放出(SR)錠剤1錠の経口投与から成り、処置BはSR錠剤1錠と合わせて0.5mLのPEG400を含むカプセルをSR錠投与前後の−1、0、2、4、6および8時間に経口投与することから成る。処置Aは処置Bの10日または17日前に実施した。フェキソフェナジンの血漿濃度を分析し、PEG400の同時処置がある場合およびない場合のフェキソフェナジンの相対的バイオアベイラビリティーを求めた。 血漿濃度の平均2倍の増加(表I)がPEG400をフェキソフェナジンと同時投与したときに生じた。【0044】【表1】【0045】実施例2イヌにおけるフェキソフェナジンのバイオアベイラビリティーに対する水溶性ビタミンEの効果 水溶性ビタミンE(d−α−トコフェニルポリエチレングリコールスクシネート)のフェキソフェナジンのバイオアベイラビリティーに対する効果を2匹の絶食させた雄のビーグル犬を用い2方向クロスオーバー実験デザインで決定した。処置Aは、1mg/kg用量で14C−標識フェキソフェナジン水溶液の単独経口投与から成り、処置Bは、同じ用量の14C−標識フェキソフェナジン水溶液および10IU/kgの水溶性ビタミンEの経口投与から成る。処置は2匹のイヌでクロスオーバーデザインの反対順序で実施し、1週間の洗浄期間を処置の間に入れた。血漿中および尿中の放射能活性を分析し、イヌの体内で未変化のフェキソフェナジンを示すことが判明した。 結果は、水溶性ビタミンEを14Cフェキソフェナジンとともに同時投与したとき、血漿中14CAUCの50%増加が生じることを示した(表II)。【0046】【表2】【0047】水溶性ビタミンEの同時投与で生じたフェキソフェナジンの吸収およびバイオアベイラビリティーの増加はまた、尿中の14Cフェキソフェナジンの排泄から明瞭で、平均して3倍の増加があった(表III)。【0048】【表3】【0049】実施例3フェキソフェナジンのイヌにおけるバイオアベイラビリティーに対するPEG1000の効果フェキソナジンのバイオアベイラビリティーに対するポリエチレングリコール1000(PEG1000)の効果を2匹の絶食させたビーグル犬で調べた。処置Aは120mgのフェキソフェナジン塩酸塩持続放出(SR)錠剤1錠の経口投与から成り、処置BはSR錠剤1錠と合わせて、2.5mLの水に溶解させた0.5gのPEG1000を含むカプセルをSR錠投与前後の−1、−0.1、および4時間で経口投与することから成る。処置Aは処置Bの2ヵ月前に実施した。フェキソフェナジンの血漿濃度を分析し、PEG1000との同時処置がある場合およびない場合のフェキソフェナジンの相対的バイオアベイラビリティーを求めた。【0050】 血漿濃度の平均2倍の増加がPEG1000をフェキソフェナジンと同時投与したときに生じた(AUC(0−24h)値は表IVに示した濃度から計算した)。最高濃度は平均して3倍増加した。【0051】【表4】 次の式:(式中、Rは水素またはC1−C6アルキルである)で示されるピペリジノアルカノール抗ヒスタミン薬またはその医薬的に許容できる塩もしくは個々の光学異性体の有効な抗ヒスタミン作用量およびp−糖蛋白抑制物質の有効なp−糖蛋白抑制作用量からなる医薬組成物。 抗ヒスタミン薬がフェキソフェナジンまたはその医薬的に許容できる塩である請求項1に記載の組成物。 p−糖蛋白抑制物質が水溶性ビタミンEおよびポリエチレングリコールから成る群から選ばれる請求項2に記載の組成物。 p−糖蛋白抑制物質が水溶性ビタミンEであるか、またはPEG400、PEG1000、PEG1450、PEG4600およびPEG8000から成る群から選ばれる請求項3に記載の組成物。 p−糖蛋白抑制物質が水溶性ビタミンEである請求項4に記載の組成物。 p−糖蛋白抑制物質がPEG1000である請求項4に記載の組成物。 次の式:(式中、Rは水素またはC1−C6アルキルである)で示されるピペリジノアルカノール抗ヒスタミン薬またはその医薬的に許容できる塩もしくは個々の光学異性体のバイオアベイラビリティーを強化する医薬の製造における組成物の使用であって、この組成物が、上記ピペリジノアルカノール抗ヒスタミン薬の有効な抗ヒスタミン作用量およびp−糖蛋白抑制物質の有効なp−糖蛋白抑制作用量を含む上記医薬の製造における組成物の使用。 抗ヒスタミン薬がフェキソフェナジンまたはその医薬的に許容できる塩である請求項7に記載の使用。 p−糖蛋白抑制物質が水溶性ビタミンEおよびポリエチレングリコールから成る群から選ばれる請求項8に記載の使用。 p−糖蛋白抑制物質が水溶性ビタミンEであるか、またはPEG400、PEG1000、PEG1450、PEG4600およびPEG8000から成る群から選ばれる請求項9に記載の使用。 p−糖蛋白抑制物質が水溶性ビタミンEである請求項10に記載の使用。 p−糖蛋白抑制物質がPEG1000である請求項10に記載の使用。 次の式:(式中、Rは水素またはC1−C6アルキルである)で示されるピペリジノアルカノール抗ヒスタミン薬またはその医薬的に許容できる塩もしくは個々の光学異性体の有効な抗ヒスタミン作用量およびp−糖蛋白抑制物質の有効なp−糖蛋白抑制作用量からなる、患者のアレルギー性反応を治療する医薬の製造における組成物の使用。 抗ヒスタミン薬がフェキソフェナジンまたはその医薬的に許容できる塩である請求項13に記載の使用。 p−糖蛋白抑制物質が水溶性ビタミンEおよびポリエチレングリコールから成る群から選ばれる請求項14に記載の使用。 p−糖蛋白抑制物質が水溶性ビタミンEであるか、またはPEG400、PEG1000、PEG1450、PEG4600およびPEG8000から成る群から選ばれる請求項15に記載の使用。 p−糖蛋白抑制物質が水溶性ビタミンEである請求項16に記載の使用。 p−糖蛋白抑制物質がPEG1000である請求項16に記載の使用。