生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_安定な外用液剤
出願番号:2000336489
年次:2011
IPC分類:A61K 31/405,A61K 9/08,A61K 47/02,A61K 47/10,A61P 29/00


特許情報キャッシュ

井本 博文 盛田 明宏 JP 4782917 特許公報(B2) 20110715 2000336489 20001102 安定な外用液剤 大日本住友製薬株式会社 000002912 五十部 穣 100121588 井本 博文 盛田 明宏 20110928 A61K 31/405 20060101AFI20110908BHJP A61K 9/08 20060101ALI20110908BHJP A61K 47/02 20060101ALI20110908BHJP A61K 47/10 20060101ALI20110908BHJP A61P 29/00 20060101ALI20110908BHJP JPA61K31/405A61K9/08A61K47/02A61K47/10A61P29/00 A61K9/00-9/72, A61K31/33-31/80, A61K47/00-47/48, A61P1/00-43/00 JSTPlus (JDream2), JMEDPlus(JDream2), JST7580 (JDream2) 特開2000−072672(JP,A) 特開昭61−083117(JP,A) 特開昭62−270524(JP,A) 特開昭59−088419(JP,A) 特開平02−142727(JP,A) GHANEM,A.H. et al,Stability of indomethacin solubilized system,Pharmazie,1979年,Vol.34, No.7,p.406-7 岡野定輔,新・薬剤学総論,1987年,改訂第3版,p.359-360 1 2002145775 20020522 6 20071023 澤田 浩平 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、消炎鎮痛剤としてインドメタシンを含有した安定な外用液剤に関する。さらに詳しくは、本発明はジブチルヒドロキシトルエンと、チオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムの併用効果による安定な新規外用液剤に関する。【0002】【従来の技術】本発明に用いられるインドメタシンはプロスタグランジンの産生を抑制することにより、薬効を発揮する非ステロイド性の消炎鎮痛剤であり、現在臨床において広く使用されている。インドメタシンの従来からの投与方法である経口投与や坐剤投与において心配される副作用を解消するために、局所に直接投与する外用液剤としてすでにジェル軟膏剤、クリーム剤や液剤として実用化されている。しかし、インドメタシンは化学変化により経時的に変色することが知られている。例えば、調製直後には黄色透明な溶液が、経時的に黄色度を増し、さらには褐色に変化してしまうことが見出されている。【0003】【発明が解決しようとする課題】本発明は、外用液剤として、保存期間中において前述の色調変化を生じないインドメタシン組成物を提供することを目的とする。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは、抗酸化剤やラジカル・スカベンジャー等の薬剤の添加効果に着目し鋭意検討を進めた結果、ジブチルヒドロキシトルエンと、チオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムを配合添加することにより、所期の目的を達することができた。即ち、本発明者等は、上記薬剤の添加により、外用液剤における経時的なインドメタシンの着色変化が防止できることを見出し、本発明を完成した。【0005】即ち、本発明は、(1)インドメタシン、ジブチルヒドロキシトルエンおよびチオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムを含有する安定な外用液剤、(2)インドメタシンが製剤全体に対して0.5〜2重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンが0.01〜0.3重量%であり、チオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムが0.01〜0.3重量%で含有されることを特徴とする上記(1)記載の外用液剤、(3)インドメタシンを1として、ジブチルヒドロキシトルエンが少なくとも0.01倍量、チオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムが少なくとも0.01倍量を含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載の外用液剤。(4)インドメタシンが少なくとも約1重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンが少なくとも0.05重量%であり、チオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムが少なくとも0.2重量%で含有されることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の外用液剤。(5)インドメタシンが約1重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンが少なくとも0.05重量%であり、チオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムが少なくとも0.2重量%で含有されることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の外用液剤。(6)インドメタシンが約1重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンが0.05重量%であり、チオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムが少なくとも0.2重量%で含有されることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の外用液剤。【0006】(7)インドメタシンが0.5〜2重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンとチオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムが併せて0.1〜0.6重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンに対してチオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムの重量組成比が1:1〜1:6であることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の外用液剤。(8)インドメタシンが0.5〜2重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンとチオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムが併せて0.1〜0.6重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンに対してチオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムの重量組成比が1:4であることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の外用液剤。(9)インドメタシンが約1重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンとチオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムが併せて0.1〜0.6重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンに対してチオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムの重量組成比が1:1〜1:6であることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の外用液剤。(10)インドメタシンが約1重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンとチオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムが併せて0.1〜0.6重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンに対してチオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムの重量組成比が1:4であることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の外用液剤。(11)インドメタシンが約1重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンが約0.05重量%であり、チオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムが約0.2重量%で含有されることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の外用液剤。(12)インドメタシンが約1重量%であり、ジブチルヒドロキシトルエンが約0.05重量%であり、チオ硫酸ナトリウムが約0.2重量%で含有されることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の外用液剤、で示される。【0007】【発明の実施形態】本発明のインドメタシンは、外用液剤中の含量として組成物全体の0.5〜2重量%であり、好ましくは1重量%以上であることが挙げられ、より好ましくは約1重量%であることが挙げられる。本発明のジブチルヒドロキシトルエンは、外用液剤中の含量として組成物全体の中で、例えば0.01〜0.3重量%であり、好ましくは0.05重量%以上であることが挙げられ、より好ましくは約0.05重量%であることが挙げられる。本発明のチオ硫酸ナトリウムは、外用液剤中の含量として組成物全体の0.1〜0.3重量%であり、好ましくは0.2重量%以上であることが挙げられ、より好ましくは約0.2重量%であることが挙げられる。本発明のピロ亜硫酸ナトリウムは、上記と同様に外用液剤中の含量として組成物全体の0.1〜0.3重量%であり、好ましくは0.2重量%以上であることが挙げられ、より好ましくは約0.2重量%であることが挙げられる。本発明のジブチルヒドロキシトルエンとチオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムの重量組成比は1:1〜1:6が好ましく、より好ましくは1:4であることが挙げられる。また、ジブチルヒドロキシトルエンとチオ硫酸ナトリウム及び/又はピロ亜硫酸ナトリウムが併せて0.1〜0.6重量%であることが好ましく、より好ましくは約0.25重量%が挙げられる。【0008】本発明の外用液剤は通常の方法例えば、日本薬局方製剤総則「ローション剤」の項に従い製造されることができる。必要に応じて、溶剤、着香剤、保存剤、ゲル化剤、溶解補助剤など、通常外用製剤に配合される成分を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。例えば、ハッカ油、l−メントール 等の着香剤、例えば、セバジン酸ジセチル、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソオクタン酸グリセリン、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油性溶剤、例えば、マクロゴール、プロピレングリコール、ソルビトール等の水性溶剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、しょ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤、例えば、イソプロパノール、エタノール、ベンジルアルコール等のアルコール性溶剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン等のゲル化剤等のものが添加されていてもよい。また、本発明の外用液剤には、適切な量の精製水が添加されている。【0009】【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。【0010】実施例1ジブチルヒドロキシトルエンとチオ硫酸ナトリウムの添加製剤インドメタシン1g、ハッカ油0.5g、アジピン酸ジイソプロピル5g、モノラウリン酸ポリエチレングリコール7g、イソプロパノール50g、ジブチルヒドロキシトルエン0.05g、チオ硫酸ナトリウム0.2g、水酸化ナトリウム0.25mgに対して精製水加え、全量が100mLとなるようにする。これを攪拌混合し、液剤を得た。【0011】実施例2ジブチルヒドロキシトルエンとピロ亜硫酸ナトリウムの添加製剤インドメタシン1g、ハッカ油0.5g、アジピン酸ジイソプロピル5g、モノラウリン酸ポリエチレングリコール7g、イソプロパノール50g、ジブチルヒドロキシトルエン0.05g、ピロ亜硫酸ナトリウム0.1g、水酸化ナトリウム0.25mgに対して精製水加え、全量が100mLとなるようにする。これを攪拌混合し、液剤を得た。【0012】参考例1比較評価用インドメタシン外用液剤の調製以下の配合比で評価検討用液剤を作成した。【表1】【0013】試験例1参考例1の各サンプルの50℃1ヶ月における保存安定性の評価試験上記で得られたサンプルをそれぞれ50mLずつ外用液用PPボトルに充填し、中栓、キャップを用いて密封し、50℃一ヶ月保存を行った。以下の項目について評価試験を行った。(1)色調変化:ボトル外観の目視によって評価した。【表2】(2)含量変化:以下の機器分析により、各サンプルの含量分析を行った。【表3】以上の結果から、ジブチルヒドロキシトルエンとチオ硫酸ナトリウムの添加効果により、インドメタシンの経時的な色調変化を防止し、含量変化を抑制できることが明らかとなった。【0014】【発明の効果】本発明により、インドメタシンの経時的色調の変化を防止して、より商品価値を高めたインドメタシン外用液剤を提供することが可能になった。 インドメタシン、ジブチルヒドロキシトルエンおよびチオ硫酸ナトリウムを含有する安定な外用液剤であって、インドメタシンが10g/L、ジブチルヒドロキシトルエンが0.5g/L、チオ硫酸ナトリウムが2g/Lで含有されることを特徴とする外用液剤。


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