生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_抗退色性に優れた水系美爪料
出願番号:2000309138
年次:2010
IPC分類:A61K 8/29,A61Q 3/02


特許情報キャッシュ

大原 一幸 石井 康司 内田 真樹 JP 4513199 特許公報(B2) 20100521 2000309138 20001010 抗退色性に優れた水系美爪料 アサヌマ コーポレーション株式会社 500470840 清水 千春 100096862 大原 一幸 石井 康司 内田 真樹 20100728 A61K 8/29 20060101AFI20100708BHJP A61Q 3/02 20060101ALI20100708BHJP JPA61K8/29A61Q3/02 A61K 8/00-8/99 A61Q 1/00-99/00 特開平04−103516(JP,A) 特開平08−040834(JP,A) 特開平07−267824(JP,A) 特開平08−127513(JP,A) 化粧品ハンドブック,日光ケミカルズ株式会社,1996年11月 1日,第325頁 化粧品ハンドブック,日光ケミカルズ株式会社,1996年11月 1日,pp.413-415 1 2002114640 20020416 6 20070927 ▲高▼岡 裕美 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は水系美爪料に関し、さらに詳しくは、光(紫外線)により退色しにくい抗退色性に優れた水系美爪料に関するものである。【0002】【従来の技術】従来の美爪料は、ニトロセルロース等の皮膜形成剤と、アルキッド樹脂、スルホンアミド樹脂、シュークロース系樹脂、アクリル樹脂等の樹脂類に、可塑剤、色材等の添加成分を加えたものを、エステル系、ケトン系等の有機溶剤に溶解したいわゆる溶剤系のものが一般的である。【0003】しかしながら、これらの有機溶剤系美爪料は、皮膜形成剤としての諸物性は優れているものの、有機溶剤を使用しているために、引火性、溶剤臭、人体への悪影響等の問題があり、さらに爪そのものへの悪影響において、改善すべき課題を有している。【0004】有機溶剤系美爪料の有する上記のごとき課題を解消するために、有機溶剤系の美爪料に代わるものとして、水性ポリマーエマルジョンなどを使用する水系美爪料が提案されている。【0005】また有機溶剤系および水系のいずれの美爪料においても、着色成分として有機顔料、無機顔料、パール剤などが配合されているが、色相が豊富かつ鮮明で装飾的効果が大きく、透明性や着色力に優れた有機顔料が汎用されている。【0006】【発明が解決しようとする課題】しかしながら有機顔料は、光、熱、湿気等の外的要因により退色しやすいという問題があり、特に光(紫外線)による退色は大きな問題となっている。また、有機溶剤系の美爪料においては、有機系紫外線吸収剤であるオキシベンゾンを配合して退色を防止せんとしたものもあるが、有機系紫外線吸収剤は皮膚への刺激性が強く、配合しないことが望ましい。【0007】さらに、化粧品原料基準に記載されている紫外線吸収剤を水系美爪料に配合した場合には、水性ポリマーエマルジョンの凝集や破壊などが生じることもあり、安定性の点でも問題があった。【0008】さらにまた、水系美爪料に紫外線吸収剤を多量に配合することは、紫外線吸収剤自身の基剤への溶解性が低いことや、塗膜の形成能やはがれ又は光沢性に対して悪影響を及ぼすという理由から、実際上、退色防止効果を十分に発揮できる量の紫外線吸収剤を配合することは困難であるという問題点があった。【0009】そこで本発明は、従来の紫外線吸収剤を配合することなく、光(紫外線)に照射されても優れた抗退色性を示す水系美爪料を提供することを目的としてなされたものである。【0010】【課題を解決するための手段】 すなわち本発明の抗退色性に優れた水系美爪料は、イオン交換水に酸化チタンおよび有機顔料を分散させた後に、水性ポリマーエマルジョンを添加し、次いで他の成分を添加して均一に攪拌・混合することにより調製される水系美爪料において、上記酸化チタンを白色顔料として、平均粒子径が0.01〜0.25μmのルチル型の酸化チタンを3〜10重量%含有させることを特徴とするものである。【0011】酸化チタンは白色顔料として従来から水系美爪料等に慣用されている。また、酸化チタンの結晶構造として代表的にはルチル型とアナターゼ型の2種類があることも知られている。【0012】本発明においては、これら2種類の結晶構造のうちの特にルチル型の酸化チタンを白色顔料として水系美爪料に含有させることにより、紫外線吸収剤を使用せずとも、紫外線照射により退色しにくい抗退色性に優れた水系美爪料を得ることができる。【0013】同じ酸化チタンでも、結晶構造の異なるアナターゼ型のものを使用した場合には抗退色性が得られず、ルチル型の酸化チタンを使用した場合のみにかような効果が得られることは、全く予期し得ないものであった。【0014】【発明の実施の形態】 本発明で使用するルチル型の酸化チタンは市販品として入手することができ、例えば「タイペークCR−50」(石原産業(株)製)、「バイエルチタンR−KB−2」、「バイエルチタンR−KB−3」(いずれもバイエル・ジャパン(株)より市販)等はルチル型の酸化チタンである。酸化チタンの粒子径は平均粒子径で0.01〜0.25μm程度のものが好ましく使用できる。【0015】なお、市販の酸化チタンはAl、Si、Zn、Zrなどの含水酸化物や、シリコンやフッ素、脂肪酸、ポリアクリル酸アルキル等の有機物で表面処理が施されているものもあるが、本発明ではルチル型の酸化チタンであれば、表面処理されているものでも使用することができる。【0016】 ルチル型酸化チタンを含有する水系美爪料を調製するに際しては、皮膜形成剤となる水性ポリマーエマルジョンに直接ルチル型酸化チタンを添加、分散させてもよく、あるいはルチル型酸化チタンを予め界面活性剤等を用いて水に分散させたものを水性ポリマーエマルジョンに添加してもよい。ルチル型酸化チタンの含有量は、一般的には水系美爪料全量に対して3〜10重量%の範囲とする。【0017】所望の色相の美爪料とするために、白色顔料としての酸化チタン以外に種々の顔料を着色剤として配合することができる。かような顔料としては、従来から水系美爪料の着色剤として慣用されている有機顔料や無機顔料がいずれも使用できる。【0018】本発明による水系美爪料の基本成分は、皮膜形成剤となる水性ポリマーエマルジョン、ルチル型酸化チタン、着色剤および水からなるものであるが、ルチル型酸化チタンによる抗退色性の効果を損なわない範囲で、水系美爪料成分として一般に慣用されている成分、例えば油分、保湿剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、染料、顔料、香料、防腐剤、アクリル系樹脂やナイロン系樹脂等の樹脂粉末等を適宜配合することができる。増粘剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の有機系増粘剤や、無機系のベントナイ卜等の水膨潤性粘土鉱物、ベーマイト等の含水酸化物、珪酸アルミニウムマグネシウム等の珪酸塩、無水珪酸等が使用できる。【0019】【実施例】[実施例1〜4および比較例1〜4]表1に示した組成に従い、イオン交換水に酸化チタンおよび有機顔料(赤色201号、赤色202号、赤色220号)を分散させた後、水性ポリマーエマルジョンを添加し、次いで他の成分を添加して均一に攪拌・混合することにより、水系美爪料(水系ネイルエナメル)を調製した。得られた水系ネイルエナメルそれぞれについて、下記の評価方法に従って、抗退色性の評価を行った。その結果も表1に併せて示す。なお、表中の各成分の数字は重量%を表す。【0020】<抗退色性の評価方法>各試料をガラスびんに2本ずつ充填して、1本を20時間水銀灯照射(JISK5400)した後、この退色の状態を残りの無照射の1本と目視で比較観察し、以下の基準で評価した。◎:非常に良好(退色しなかった)○:良好(僅かに退色した)△:不良(退色した)×:非常に不良(著しく退色した)【0021】【表1】【0022】表1からわかるように、ルチル型酸化チタンを含有せしめた実施例1〜4の水系美爪料においてはいずれも有機顔料の色は退色せず、あるいはほんの僅かな退色しか生じず、抗退色性を示していた。これに対して、同じ酸化チタンでもアナターゼ型酸化チタンを含有せしめた比較例1〜4の水系美爪料では、著しい退色が認められた。【0023】【発明の効果】以上の説明からわかるように、ルチル型の酸化チタンを白色顔料として水系美爪料に含有させることによって、紫外線吸収剤を配合せずとも、光(紫外線)照射に対して優れた抗退色性を示す水系美爪料を得ることができる。 イオン交換水に酸化チタンおよび有機顔料を分散させた後に、水性ポリマーエマルジョンを添加し、次いで他の成分を添加して均一に攪拌・混合することにより調製される水系美爪料において、 上記酸化チタンを白色顔料として、平均粒子径が0.01〜0.25μmのルチル型の酸化チタンを3〜10重量%含有させることを特徴とする抗退色性に優れた水系美爪料。


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