生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_無菌固体培養装置
出願番号:2000278965
年次:2010
IPC分類:C12M 1/16


特許情報キャッシュ

池田 忠明 佐久間 英雄 JP 4576496 特許公報(B2) 20100903 2000278965 20000913 無菌固体培養装置 株式会社丸菱バイオエンジ 000141303 池田 忠明 500431162 佐伯 健兒 100094802 池田 忠明 佐久間 英雄 20101110 C12M 1/16 20060101AFI20101021BHJP JPC12M1/16 101 C12M 1/00-3/10 WPI JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) 特開平11−225741(JP,A) 特開平06−113820(JP,A) 特開昭51−133479(JP,A) 特開昭63−283571(JP,A) 特開平2−23863(JP,A) 特開平4−8283(JP,A) 特開2000−197475(JP,A) 1 2002085051 20020326 6 20070726 神谷 昌男 【0001】【発明が属する技術分野】本発明は、無菌製麹装置に関するものである。【0002】【従来の技術】近似、食品工業、医薬品工業においては、無菌固体培養方法の重要性が高まってきている。即ち、雑菌とのコンタミネーションをなくし、純粋な目的生成物を生産する必要が高まっている。微生物培養法としては液体培養、固体培養があり、従来固体培養は液体培養に比べて雑菌のコンタネーションが問題となつてきた。【0003】(1)公開特許公報(特開平11−225741)「無菌固体培養装置」では、培養装置本体の上部は開閉可能な天蓋を有する構造とし、培養装置本体の内部に培養床を設け、培養床は多孔板と外周側壁とを一体に装着し、これらが装置本体から着脱可能で培養床ごと原料の供給、取りだしが可能とした装置である。この装置は、原料の投入が容易で、投入後の原料及び装置内の殺菌が完全であり、培養後の取り出しが容易で、培養中の植菌、加水、手入れ、サンプリングなどが雑菌の侵入無く容易に実施可能で、清掃、洗浄が容易な無菌固体培養装置である。多孔板と側壁とからなるバケット内を着脱可能とし、培養床を培養装置本体外部で、原料の浸漬、水切り、蒸煮処理等の容器として使用し、これらの処理後の原料を培養床から移し替えることなく培養装置本体内へセットするものであるが、培養床、バケットは1個である。この発明中には、横型移動カステン方式の無菌固体培養装置の開示、又は示唆はない。【0004】(2)特許出願公告(昭54−19476)「種麹製造装置」では、種麹原料の盛られた培養シートを上下に多段的に収容しこの収容状態下で種麹原料の蒸煮処理する密閉圧力容器に、種麹原料の蒸煮処理後に容器内を減圧にするための真空発生装置と容器内の減圧を利用して原種封入タンクより、容器内に原種を吸引する吸引管と、培養の初期は上記容器内を加湿し培養が進み発熱が始まると容器内を冷却するジャケットを備えた種麹製造装置が示されている。この装置では、雑菌を実質的に含まない種麹を製造できるものの、大容量の原料を処理することはできない。【0005】(3)公開特許公報(特開平6−113820)「製麹方法、及び製麹装置」醤油等の麹層が盛り込まれるカステンを移動式に構成し、麹の盛り込み、製麹、出麹、麹の手入れを、カステンを移動させながら行うようにすることにより、製麹室の簡素化、小型化を可能とした製麹方法、及び製麹装置である。しかし、この装置では、大容量の原料は使用することはできるものの、無菌固体培養の開示、又は示唆はない。【0006】【発明が解決しようとする課題】本発明が、解決しようとする問題点は、従来の無菌固体培養装置は、小規模のものしかできず、又、従来の横型移動カステン装置は大容量の処理が可能であるが無菌培養ができない点である。【0007】【課題を解決するための手段】本発明は、次の手段を有する。除菌又は殺菌された気体が導入可能で、培養装置本体内が蒸気又は殺菌剤で殺菌可能な通気式固体培養装置において、(1)培養装置本体は、原料導入部、空気導入部、空気排出部、固体培養生成物の排出部、内部装置の取り出し可能な開閉扉を有する圧力容器であり、(2)複数の培養容器を本体内の所定の位置に移動が可能とする搬送機構を有し、(3)培養装置本体内の特定個所に攪拌室を設け、培養室を当該攪拌室に搬入し、種菌の接種、水分補給、副原料追加、生成物の搬出などの操作を行なうことができ、(4)当該攪拌室を上下反転させる機構を有することを特徴とする無菌固体培養装置。【0008】【発明の実施の態様】(1) 本発明においては、圧力容器内に、除菌又は殺菌された気体が導入可能である。しかし、圧力容器内に耐熱性の除菌フィルター等の除菌装置を設置することも可能である。又、本発明においては、培養装置本体内が蒸気又は殺菌剤で殺菌可能となっている。(2)本発明において用いることのできる、原料導入部とは、例えば、本体上部に設置した原料を追加用のタンク、種微生物の導入装置等である。又、本発明で用いられる空気導入部、空気排出部は、公知の装置を用いることができる。又、本発明で用いることのできる固体培養生成物の排出部としては、本体下方にタンク等を設置することにより達成できる。又、内部装置の取り出し可能な開閉扉としてはクラッチドアなどを用いることができる。(3)本発明においては、培養容器は、コンベアなどの搬送装置により、本体内の所定の位置に上下及び水平方向の移動が可能とされている。培養容器は、培地に通気かのうな通気孔を有することが好ましい。本発明の実施例においてはカステンと称する。(4)本発明においては、培養室を本体内の所定の場所に設置された攪拌室に搬入し、そこで攪拌室を上下反転させるものである。これにより、原料、種菌等の混合が充分なされることになり生産効率を高めることができる。攪拌室内に攪拌装置内を設ける場合には更に効率がよい。、【0009】【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。【0010】図1は、本発明に係る無菌固体培養装置の構成を示したものである。1は、培養槽であり固体培養を行う空間を構成し、水蒸気による加熱滅菌が可能である。2は、外部の空気を培養槽へ取り入れる空気入口、3は水蒸気による加熱滅菌に耐え、除菌を行う耐熱無菌フィルター、4は培養槽内の湿度を調節するための調湿塔、5は外部から取り入れて無菌化された空気を分配する空気ダクト、7は固体培養を行う容器を構成し移動できる移動式カステン、6は上下2段に置かれているカステンを下段から上段へ移動させるカステン昇降機、8は培養槽内へ導入された空気の出口である。9は上段のカステンを下段へ移動させるカステン昇降機、10は培養槽にカステンを導入あるいは、培養槽から外部へ取り出す時の開口のためのクラッチドア、11は培養を終了した麹を排出する時のスクリューコンベヤー、12は培養途中などにカステンに副原料を追加補給するための副原料追加タンクである。13は、培養開始時にカステンに接種する種麹を貯蔵する種麹接種タンク、14は培養終了後に麹を外部へ収穫する時に麹を排出するスクリューコンベヤーに載せるための15攪拌室を開放する観音扉、15はカステンを引きこみ麹を攪拌する操作を行う攪拌室、16は攪拌室を操作するためにモーターの動力を伝達するためのシャフト、17は収穫した麹を収納する出麹分解タンクである。18はカステンの空気室、19はカステンの麹室である。20は培養槽の上段にあるカステンを水平方向に移動させるためのカステン水平移動機、21は培養槽の下段にあるカステンを水平方向に移動させるためのカステン水平移動機である。【0011】図1に基づいて実施例を説明する。カステン7は培養槽1の外部で麹室18に固体培地を盛り込んだ後、培養槽1内へ収納される。全てのカステンを収納した後クラッチドア10を閉じて培養槽1内部を殺菌剤又は蒸気殺菌する。あらかじめ原料が培養槽1外で原料処理(蒸煮)されている場合は、培養槽内部の殺菌は殺菌剤でも可能である。培養槽を水蒸気を用いて加熱殺菌する場合は、培養槽1と共に固体培地を殺菌する。加熱殺菌の後は、外部空気の導入または真空にすることにより固体培地の冷却を行う。種麹を接種する場合には、カステン7を箇所Mに水平移動させ攪拌室15と一体とする。攪拌室15の上部又は底部にある観音扉14を開き種麹接種タンク13から固体培地に種麹を接種する。必要に応じて副原料追加タンク12より副原料を投入する。一体となったカステン7と培養室15を操作シャフト16を回転させることにより上下反転させ攪拌室15を下側に移動させ培地と種麹を混合する。その後再び操作シャフト16を回転させカステン7と攪拌室15を上下反転し、カステン7を元の位置に戻す。同じ操作により培養槽内の全てのカステンに種麹を接種する。【0012】培養時は、新鮮な空気をブロアまたは圧縮機を用いて空気入り口2より耐熱性無菌フィルター3、次に調湿塔4を通過させ培養槽1内部または外部に配置された空気ダクト5を通ってカステン7の下部にある空気室18に導入する。導入された空気は麹室19内の固体培地を通過し空気出口8から外部へ排出される。培養中に通風状況が悪くなったり、培地温度が上昇する場合にはカステン7を箇所Mに移動させ攪拌室15と一体化し、種麹の混合と同じ操作を行う。順次全てのカステン7を箇所Mに移動させ同様に混合を行う。【0013】次に培養を終了した培地を培養槽外に取り出すためにカステン7を箇所Mに移動させ攪拌室15と一体とし操作シャフト16を回転することにより上下反転し培地を攪拌しながら攪拌室15底部の観音扉14を開いてスクリュウーコンベヤー11を経て培養槽1外の出麹分解タンク17に培地を移す。同じ操作により順次全てのカステンの培地を出麹分解タンク17に排出する。出麹操作が終了したらクラッチドア10を開きカステン水平移動機構20、21およびカステン昇降機6,9を用いて空になったカステン7を全て培養槽1外へ運び出す。運び出したカステンは空気室18と麹室19に分離し、それぞれの内外部を洗浄する。培養槽1の内部は開いたクラッチドア10から洗浄する。【0014】次に図2に基づいて、培養槽の外部でカステンの麹室に培地を盛り込んだ後、全てのカステンを培養槽内に導入する状態を説明する。全てのカステンは、最初培養槽外にあり、それぞれのカステンの麹室に培地を盛り込む。培養槽のクラッチドアを開いて最初のカステンを箇所Aに導入する。箇所Aに導入された最初のカステンは水平移動機構により箇所1’に移動する。次に第2番目のカステンを箇所Aに導入して水平移動機構により箇所1’に移動する。この時、最初のカステンは箇所2’に移動している。このように第3,第4と順次カステンを培養槽内に導入していき、第1のカステンが箇所Cに移動したときカステン昇降機により、箇所Dに移動する。このようにして本図では10基のカステンが培養槽内に導入される。その後、クラッチドアを閉じ種麹接種、副原料追加、培養が行われる。【0015】図3は、カステンの数を増やして、処理量を増やす時の実施例を示している。1台の培養槽で処理できる量を増大させるためには、培養槽を長くして導入するカステンの数を増やすことにより実現できる。図3は、上から順に20カステン、10カステン、1カステンを扱う培養槽の例である。【0016】【発明の効果】以上説明したように本発明の無菌製麹装置を用いれば、培養容器の数を増やすことによって、処理能力を従来の固体培養装置に比較して飛躍的に増加させることが可能である。又、生成物は雑菌のコンタミネーションが飛躍的に減少させることができる。【図面の簡単な説明】【図1】図1は、本装置の1実施例の各部名称及び説明である。【図2】図2は、本装置の1実施例の動作説明図である。【図3】図3は、本装置の1実施例の処理量の説明図である。 除菌又は殺菌された気体が導入可能で、培養装置本体内が蒸気又は殺菌剤で殺菌可能な通気式固体培養装置において、(1)培養装置本体は、原料導入部、空気導入部、空気排出部、固体培養生成物の排出部、内部装置の取り出し可能な開閉扉を有する圧力容器であり、(2)複数の培養容器を本体内の所定の位置に移動が可能とする搬送機構を有し、(3)培養装置本体内の特定個所に攪拌室を設け、培養室を当該攪拌室に搬入し、種菌の接種、水分補給、副原料追加、生成物の搬出などの操作を行なうことができ、(4)当該攪拌室を上下反転させる機構を有することを特徴とする無菌固体培養装置。


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