生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_作用物質含有溶融物の水中顆粒化
出願番号:2000273706
年次:2012
IPC分類:A61K 9/16,A61K 47/32


特許情報キャッシュ

アンドレアス エルンスト トーマス ケスラー グンター ベルンドル JP 4980511 特許公報(B2) 20120427 2000273706 20000908 作用物質含有溶融物の水中顆粒化 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 508020155 BASF SE 矢野 敏雄 100061815 山崎 利臣 100094798 久野 琢也 100099483 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 アンドレアス エルンスト トーマス ケスラー グンター ベルンドル DE 19943501.4 19990910 20120718 A61K 9/16 20060101AFI20120628BHJP A61K 47/32 20060101ALI20120628BHJP JPA61K9/16A61K47/32 A61K 9/00- 9/72 A61K 47/00-47/48 特開昭62−242630(JP,A) 特開平07−047545(JP,A) 米国特許第02850764(US,A) 8 2001158733 20010612 11 20070725 三輪 繁 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑的に加工可能なポリマーをベースとする作用物質含有顆粒を溶融押出および水中顆粒化により製造する方法、ならびに相応する顆粒およびその使用に関する。【0002】水中顆粒化または水中ペレット化は、プラスチック顆粒を工業的に製造するための熱可塑的材料の有効な顆粒化方法として一般に公知である。【0003】相応する装置および方法は、例えば、ドイツ国特許出願公開第2646309号明細書、米国特許第4264553号明細書または同第5143673号明細書に記載されている。この場合、熱いプラスチック溶融物は、押出機から穿孔板を通して、直接に液体冷却剤(この場合、水)中に供給される。押出される可塑性ストランドは、穿孔板に設置された切断装置により顆粒に粉砕され、大抵は循環路中を流れる水により遠くに輸送され、分離され、かつ乾燥される。液体により冷却されるこの処理法により、非常に小さな寸法の粒子を均質で連続的に、および工業的規模でミリメートル未満の範囲に至るまで製造することが可能である。高い熱容量および高い伝熱性を有する冷却剤、例えば水を使用することにより、なお可塑性の顆粒は急速に冷却され、付着せず、かつ非常に均質な形および大きさで製造することができる。【0004】これに対して、押出されたストランドを顆粒化するために空冷でいわゆるホットダイフェーズカッティングを用いることは、緩徐で劣悪な熱導出のために明らかにいっそう困難である。【0005】例えば、作用成分としてビタミンを含有する作用成分含有調製物は、ヒトおよび動物の健康維持のため、同時に栄養摂取のために投与されるか、または食物に添加物として添加される。得られた大部分のビタミン、ビタミノイド(vitaminoids)または他の栄養補助食品の調製物は、動物の栄養に必要である。そこに使用される食料は、平均粒度0.3〜0.5mmを有する粉砕原料として供給されるので、添加する食料添加物は、分離を回避するために、ほぼ同じ大きさ、および均質性を有するべきである。医薬品のための顆粒を製造する場合にも、一定の粒度は特に重要である、それというのも、溶解挙動、ひいては生体利用可能性は粒度に依存するからである。従って、これまで使用されてきた医薬品顆粒、栄養補助食品または食料添加物は、大抵、複雑かつ高価な粉砕−、ペレット−および噴霧方法で製造されてきた。【0006】溶融押出により得られる作用物質含有調製物は、一般に公知である。水溶性ポリマー、有利にビニルピロリドンのコポリマーの作用物質含有溶融物の押出は、例えば、欧州特許出願公開第240904号明細書および同第240906号明細書から公知である。その上、欧州特許出願公開第240906号明細書には、作用物質含有の混合物の溶融押出、メチルメタクリレートとアクリル酸のコポリマー、酢酸ビニルとクロトン酸のコポリマー、エチレン/酢酸ビニル−コポリマーが記載されている。造形は、射出成形、または押出および引続くなお可塑性のストランドの変形、例えば、顆粒へのホットダイフェースカッティング、またはタブレットへの変形により行われる。記載した全ての例において、造形は空気中で行われる。このように製造された製剤型は、一般に水溶性である。【0007】即ち、例えば、ドイツ国特許出願公開第19536387号明細書にも、ビタミン含有生成物の溶融押出および造形が記載されている。マトリックスとして、水溶性の熱可塑性ヒドロキシプロピルセルロースが使用されている。実施例において、とりわけ、ビタミンCまたはβ−カロチンから成る溶融物は、ヒドロキシプロピルセルロースと一緒に造形カレンダーにより圧縮され、タブレット変わる。さらに、水溶性マトリックスのホットダイフェースカッティングによりペレットに変えることが記載されている。【0008】実際に、このような水溶性の調製物は、溶融押出、および引続く空気中での顆粒化により製造することができる。しかし、不利なことに、この方法では、しばしば劣悪な熱導出のために、必要とされる(小さな)粒度、均質性および大工業的な実現性を達成することができない。【0009】【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、水中もしくは胃腸管中で溶解またはそれ自体が分散する作用物質含有調製物、例えば、医薬品または食料添加物を安価で簡単に製造する方法を開発することであった。【0010】【課題を解決するための手段】意外にも、この課題は、一定のpH範囲において水中で不溶性であり、かつ他のpH範囲においては水中で可溶性であるポリマーを用いて、作用物質含有混合物を溶融押出することにより、解決されうることが判明した。【0011】従って、装入物質を溶融物の状態で均質に混合し、引続き押出しかつ造形することにより、水性媒体中でpH値に依存する溶解度を有する熱可塑的に加工可能な少なくとも1つのポリマーをベースとするマトリックス中に、生物学的に活性な物質が均質に分散して存在する、生物学的に活性な物質を含有する顆粒を製造する方法が見出された。この方法は、前記顆粒が不溶性であるか、または分散不可能である冷却剤中で造形を行うことによって特徴付けられる。【0012】本発明による方法を実施するために、装入物質は、混合して均質な溶融物にされる。このことは、例えば、物理的なプレミックスの固体の装入物質を適当な押出機またはニーダー中に装入し、この混合物を機械的または熱的なエネルギーを使用しながら溶融し、なお可塑性の熱い溶融物を穿孔板もしくはノズル板を介して直接に液体冷却剤中に供給することにより行うことができる。また調製物が液体の内容物を含有する場合は、この調製物は、計量ポンプを介して別々に添加することが推奨される。熱的に不安定な作用物質を使用する場合は、はじめに熱可塑的に加工可能なポリマーの溶融物、および所望の場合には、他の調製物助剤を製造し、次に漸く作用物質を添加することが推奨される。この溶融は、有利にスクリュー式成形機中、特に有利には同一方向に回転する二軸押出機中で行われる。本発明による方法は、有利には溶剤の不在下に行われる。1つ以上の装入物質を溶液の形で装入して混合物に変える必要がある場合には、その際に、使用される溶剤は、後方の押出し帯域中で、真空に引くことにより除去することができる。従って、押出されたなお熱可塑的の材料は、もはや溶剤を含有しない。【0013】装入物質の溶融は、混合物の組成に応じて、温度50〜300℃、有利に70〜250℃で行うことができる。【0014】押出される可塑性ストランドは、穿孔板またはノズル板に設置された切断装置により顆粒に粉砕され、有利に循環路中を流れる冷却剤により遠くに輸送され、分離され、かつ乾燥される。冷却剤として、例えば、液状の炭化水素、例えば、パラフィンまたは芳香族炭化水素、または有利に水が適当である。水を冷却剤として使用する場合には、本発明によれば、作用物質含有マトリックスがその中で溶解またはそれ自体分散しないように、酸または塩基を用いて水のpH値が調整される。本発明によれば、このことは、顆粒1g/l以下が水中で溶解または分散することができることを意味する。【0015】高い熱容量および高い伝熱性を有する冷却剤、例えば水を使用することにより、なお可塑性の顆粒は急速に冷却され、互いに付着せず、非常に均質な形および大きさで製造することができる。有利には、平均粒度0.1〜5mm、有利に0.3〜3mmを有する顆粒が製造される。【0016】本発明による方法は、1つ以上の生物学的に活性な物質が熱可塑的に加工可能なポリマーをベースとするマトリックス中で均質に分散されている、生物学的に活性な物質含有の顆粒を製造するために原則的に適当である。均質な分散とは、本発明によれば、生物学的に活性な物質がマトリックス中で分子的に分散して存在することを意味し、即ちいわゆる“固溶体”であることを意味する。生物学的に活性な物質として、一般にヒトおよび動物の胃腸管中で放出される全ての物質がこれに該当する。これは、例えば、薬物作用物質、ビタミン、ビタミノイド、カロチノイド、酵素、ホルモン、アミノ酸またはいわゆる“健康食品(nutraceuticals)”、つまり栄養補助食品および栄養剤であってよい。【0017】さらに、植物保護作用物質、洗剤成分、臭気剤および矯味剤または他の活性物質を上記の方法で調製することもできる。【0018】本発明による方法および本発明による装置は、生物学的物質の粒状の調剤を製造するのに適当である。生物学的に活性な物質は、本発明によれば生物において生物学的作用を生じさせる物質である。【0019】本発明による方法は、例えば、以下の物質またはそれらの生理学的に認容性の塩を調製するのに適当であり、その際、この塩は原位置で押出機中で製造することができる:−抗感染薬アシクロビル、アミノグリコシド、アンホテリシンB、アゾール−抗カビ薬、クロトリマゾール、イトラコナゾール、セプラコナゾール、クリンダマイシン、セファロスポリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、5−フルオロウラシル、エトポシド、フルシトシン、ガンシクロビル、グリセオフルビン、ジャイレース阻害剤、イソニアジド、リンコサミド、メベンダゾール、メフロキン、メトロニダゾル、ニトロイミダゾール、ノボビオシン、白金化合物、ポリミキシンB、プラジカンテル、ピリメタミン、リファンピシン、サキナビル、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、トリメトプリム、バンコマイシン、ジドブジン;−抗発熱薬、鎮痛薬、抗炎症薬、パラセタモール、イブプロフェン、ケトプロフェン、オキサプロジン、アセチルサリチル酸、モルフィン、オキサプロジン、プロポキシフェン、フェニルブタゾン;−抗生物質リファピシン、グリセオフルビン、クロラムフェニコール、シクロセリン、エリスロマイシン、ペニシリン、例えば、ペニシリンG、ストレプトマイシン、テトラサイクリン;−抗てんかん薬ヒダントイン、カルバマゼピン;−鎮咳薬および抗喘息薬ジフェンヒドラミン;−抗リウマチ薬クロロキン、インドメタシン、金化合物、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、ペニシラミン;−催眠薬バルビツレート、フェノバルビタール、ゾルピデム、ジオキソピペラジン、ウレイド;−殺虫剤アルドリン、ジエルドリン、クロロフェノタン、ヘキサクロロシクロヘキサン;−除草剤ビンクロゾリン、ストロビルリネス;−抗精神病薬、神経遮断薬ペラジン、プロマジン、スルピリド、チオリダジン、クロルプロマジン、メプロバメート、トリフルプロマジン、メルペロン、クロザピン、リスペリドン、レセルピン;−精神安定薬−抗うつ薬イミプラミン、パロキセチン、ビロキサジン、モクロベミド;−精神賦活薬;−向精神薬;−利尿薬炭酸カリウム、係蹄利尿薬、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、スピロノラクトン、サイアザイド、トリアムテレン;−ホルモンアンドロゲン、抗アンドロゲン、ゲスターゲン、グルココルチコイド、エストロゲン、コルチゾル、デキサメタゾン、プレドニゾロン、テストステロン、アディウレチン、オキシトシン、成長ホルモン、インシュリン;−免疫抑制剤シクロスポリン;−気管支拡張薬;−筋弛緩薬、トランキライザーカリゾプロドール、テトラゼパム、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド;−酵素リパーゼ、フィターゼ;−抗痛風薬アロプリノール、コルヒチン;−抗凝固薬クマリン;−抗てんかん薬フェニトイン、フェノバルビタール、プリミドン、バルプロ酸、カルバマゼピン;−抗ヒスタミン薬クロロフェノキサミン、ジメンヒドリネート;−鎮吐薬;−抗高血圧薬、抗不整脈薬リドカイン、プロカインアミド、キニジン、カルシウム拮抗薬、ニトログリセリン、イソソルビドジニトラート、イソソルビド5−モノニトラート、ペンタエリトリトールテトラニトラート、ニフェジピン、ジルチアゼム、フェロジピン、ベラパミル、レセルピン、ミノキシジル、レセルピリン、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル;−交感神経興奮薬ノルフェネフリン、オキセドリン、マイドドリン、フェニレフリン、イソプレナリン、サルブタモール、クレンブテロール、エフェドリン、チラミン、β−遮断剤、例えば、アルプレノロール、メトプロロール、ビソプロロール;−抗糖尿病薬ビグアニド、スルホニル尿素、カルブタミド、トルブタミド、グリベンクラミド、メトホルミン、アカルボース、トログリタゾン;−鉄調剤;−ビタミンおよびビタミノイド例えば、アスコルビン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ビタミンAおよびビタミンA誘導体、ビタミンKおよびビタミンK誘導体またはビタミンDおよびビタミンD誘導体、リボフラビン、ビタミンB12、ニコチン酸、ニコチンアミド、塩酸ピリドキシン、ビオチン、葉酸、葉酸誘導体、例えば、テトラヒドロ葉酸、5−メチルテトラヒドロ葉酸、10−ホルミルテトラヒドロ葉酸または5−ホルミルテトラヒドロ葉酸;カロチノイド、例えば、β−カロチン、リコペン、ルテイン、アスタキサンチンまたはゼアキサンチン;ポリ不飽和脂肪酸、例えば、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサン酸またはエイコサペンタエン酸;ビタミンの性質または補酵素の性質を有する化合物、例えば、カルニチン、塩化コリン、タウリン、クレアチン、ユビキノン、S−メチルメチオニンまたはS−アデノシルメチオニン;−ACE−阻害剤カプトプリル、ラミプリル、エナラプリル;−アナボリック剤;−ヨウ素化合物;−X線造影剤;−中枢神経系活性を有する化合物;−抗パーキンソン病薬ビペリデン、ベンザトロピン、アマンタジン、オピオイド鎮痛薬、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、ジスルフィラム、リチウム塩、テオフィリン、バルプロイネート、神経弛緩薬;−細胞増殖抑制剤;−抗鎮痙剤;−血管拡張剤ナフチドロフリル、ペントキシフィルリン。【0020】生物学的に活性な物質の調製物は、“固溶体”の形で得ることもできる。“固溶体”という用語は、当業者に周知である(Chiou および Riegelman, J. Pharm. Sci. 60, 1281-1302 (1971) 参照)。ポリマーまたは他のマトリックス中の製薬学的作用物質の固溶体において、作用物質は、マトリックス中で分子状に分散した形で存在する。【0021】マトリックス成分として、原則としてpHに依存する溶解度を有する熱可塑的に加工可能な全てのポリマーが適当である。特に、これは酸(例えば、カルボキシレート)官能価もしくは塩基(例えば、アミン)官能価を有するか、または酸もしくは塩基に不安定な官能価を有する(例えば、エステル)ポリマーである。【0022】ポリマーとして、例えば、N−ビニルピロリドンのホモポリマーおよびコポリマーがこれに該当し、この場合、酢酸ビニルは好ましいコモノマーである。【0023】適当なポリマーは、例えば、酢酸ビニルおよびクロトン酸から成るコポリマー、例えば、Luviset(R) CA 66, BASFの酢酸ビニル90質量%およびクロトン酸10質量%から成るコポリマーである。同様に、メタクリル酸およびエチルアクリレートから成るコポリマー、例えば、Kollicoat(R) MAE 100P, BASF, またはBASF のLuvimer(R)100P(t−ブチルアクリレート67質量%、メタクリル酸23質量%およびエチルアクリレート10質量%から成るターポリマー)も適当であり、さらに、加水分解されていないか、または部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、例えば、Wacker 社のVinnapas -Marken(100%までの酢酸ビニル)、および例えば、ジメチルアミノエチルアクリレートコポリマーも適当である。【0024】有利には、コモノマーとしてラジカル重合可能なモノオレフィン性不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸またはクロトン酸を含有するポリマーが使用される。【0025】付加的なコモノマーとして、有利には6個までの炭素原子を有するモノオレフィン性不飽和カルボン酸、例えば、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸n−ブチルエステルまたはメタクリル酸t−ブチルエステル、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸n−ブチルエステルまたはアクリル酸t−ブチルエステル、酢酸ビニルおよびビニルプロピオネートが使用される。【0026】特に有利なのは、アクリル酸またはメタクリル酸少なくとも30質量%をコモノマーとして含有するポリマーである。さらに、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレートおよび誘導体、ブチルエステルまたはアクリルアミドを有するターポリマーも該当する。【0027】特に有利なのは、所望の場合に、5を上回るpH値の際に、水または水性系中で溶解または分散する可塑剤および他の調製物助剤を付加的に含有し、生物学的に活性な物質およびポリマーを含有するマトリックスであり、従って、それぞれの調製物の固体投薬型は、活性物質を十分に迅速かつ完全に動物またはヒトの胃腸管内で放出させる。pH値3未満の場合には、この調製物は、水または水性系中で不溶性もしくは分散不可能であるは、または明らかに僅かに水または水性系中で溶解性もしくは分散可能である。これは、例えば疎水性の活性物質、例えば、ビタミンAをアクリル酸またはメタクリル酸および30%以上のアクリル酸含分またはメタクリル酸含分を有するアクリル酸エステル(メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル)から成るマトリックスポリマーと一緒に使用する場合である。しかし、放出速度は、いずれにせよ、使用されるポリマーマトリックス、場合により使用される可塑剤、および他の添加剤ならびに活性物質に依存する。【0028】ポリマーおよび作用物質と共に、この種の調製物は、一般に、押出し技術および調製物に関連する添加物、例えば、可塑剤および安定剤を含有することができる。【0029】可塑剤として、例えば、ポリエチレングリコール、トリアセチン、トリエチルシトレートまたはプロパンジオールが使用される。【0030】安定剤、界面活性剤等、および押出し工業助剤使用分野および加工性に依存して、作用物質、ポリマーおよび添加物の含分は、広い範囲内で変化することができる。唯一の限界条件は、熱可塑的に加工性および調製物の記載された溶解特性である。一般に、作用物質含量は、5〜90質量%、有利に5〜80質量%、特に有利に5〜60質量%の範囲である。残分は、一般に10〜55質量%のポリマーならびに調製物助剤によって形成される。【0031】本発明による方法を用いて、作用物質含有調製物を不溶性のpH範囲において溶融押出および水中顆粒化により製造し、かつこれを分離させた後に、溶解性のpH範囲において再び溶解させることは可能である(pHに依存する溶解度を有する作用物質含有溶融物の水中顆粒化)。水を冷却剤として用いる製造は、安価であり、環境保護性であり、安全かつ簡単であるが、しかし生成物の溶解度に基づいて、他の液状媒体、例えば鉱油、植物油または他の有機溶剤を使用する必要がある。さらに、調製物の溶解度を減少させるために、水に可溶の添加剤、例えば、塩を添加することもできる。上記の条件下でマトリックスを選択した場合には、もはやpHに依存する溶解度に頼る必要はない。例えば、水溶性の非イオン性のポリマーポリビニルピロリドンもしくはセルロース誘導体またはVP−コポリマーから成る作用物質含有マトリックスを冷却剤としての炭化水素中で顆粒化することを考えることができる。ポリビニルピロリドンは、パラフィン中で殆ど不溶性である。次に、この生成物は、活性物質を水中で再び遊離することができる。【0032】例えば、メタクリル酸およびエチルアクリレートから成る熱可塑的に加工可能なポリマーのマトリックスをpH値3〜4の水中で顆粒化し、かつ製造されたペレットを分離後にpH値7〜8の水中で溶解することが可能である。全処方物の溶解特性は、使用された作用物質、可塑剤及び添加剤によって決定される。【0033】本発明による顆粒は、特に食料、栄養補助食品または栄養剤に使用するために適当であり、さらにヒトおよび獣医学分野のための医薬の製造ならびに植物保護剤に適当である。【0034】同様に、この顆粒は、生物学的に活性な物質として酵素または香気物質を含有する洗剤配合物にも適当である。【0035】顆粒はそれ自体使用されてよい。さらに、この顆粒は、カプセル充填材として適当であるか、または圧縮してタブレットにするために適当である。【0036】【実施例】一般的な製造手段:全ての固体の装入物質を処方に相応して混合し、差動計量器を介して、同一方向に回転する緊密にかみ合った二軸押出機 ZSK 30 (Firma Werner & Pfleiderer GmbH、Stuttgart、Deutschland)の供給帯域に室温で供給した。もう1つの供給帯域(80℃)の後に、2つの加熱帯域(110℃)が続き、引続き、側面にポンプ装置が取り付けられている4つの混合帯域および混練帯域(120℃)があり、ここを介して、相応する液体成分を供給した。2つの他の帯域(120℃)の後に、均質化された溶融物を歯車ポンプ(140℃)を介して、Laborgranulierung-Gala 型 : Lab Pelletizing System LPS (9-約50kg/h)(GALA Kunststoff- Kautschukmaschinen GmbH, Xanten, Deutschland)の水中顆粒化装置中に供給した。始動弁を介して、溶融物(140℃)を回転するカッティングローラーを備えた30×1.0mmの穿孔板を通して閉鎖されたプロセス水循環路(25℃)中に供給し、その際、プロセス水のpH値を、1モルの硫酸でpH3に調整した。このように製造したペレットを循環ポンプを介して遠心乾燥機中でプロセス水から分離した。このプロセス水は、使用したマトリックスに応じて、あらかじめ酸または塩基を用いて相応するpH値に調整しておく。【0037】例1固体装入物質:Kollicoat MAE 100P (メタクリル酸/エチルアクリレート−コポリマー、MAS 50質量%、EA 50質量%;BASF AG)、粉末Lutrol E 6000 (ポリエチレングリコール、MG 6000 BASF AG)、粉末液体成分:ビタミンA油:ビタミンAアセテート、2.8 百万 IU/G 不安定 (80質量%)(BASF AG)およびエトキシキン(20質量%)(Raluquin(R)、Raschig AG)から成る混合物を60℃で加熱されたポンプ装置を介して供給した。【0038】Kollicoat MAE 100P 65質量部およびLutrol E 6000 15質量部から成る物理的混合物を前記の一般的な製造手段の記載と同様に押出機中に計量し、供給し、均質化し、かつ溶融した。側面の計量帯域を通して、ビタミンA油20質量部を供給し、かつ混入した。引続き、溶融物を上記の方法で水中顆粒化により、球形の1mmペレットに加工した。【0039】分散:水中顆粒化により製造したペレット1.0gを攪拌しながら(電磁撹拌機 Ikamag RET-G、Janke & Kunkel GmbH & Co.KG.、Staufen、Germany ;テフロン撹拌機l=4cm)蒸留水1000ml(T=20℃)を有する直径10cmの円筒形の1 lガラス容器中に、攪拌速度300rpmで搬入した(0.1%の分散液)。最初の場合は、この蒸留水を0.1M HClを用いて予めpH3に調整し(試料1)、2番目の場合は、0.1M NaOHを用いてpH8に調整した(試料2)。20分後に、50μm篩を通して濾別し、篩分け残留分を乾燥後(真空乾燥器、40℃、4時間)に、出発物質量(1.0g)に対して質量%で測定した。【0040】【表1】【0041】例1から製造された処理物は、材料損失なしに、pH3で水中顆粒化させることができた。この処理物は、pH値8を有する水中で20で殆ど完全に分散し、このことは、腸内での吸収を可能にするであろう。【0042】例2固体装入物質:Luvimer 100P (t−ブチルアクリレート/メタクリル酸/エチルアクリレートターポリマー)、BASF AG液体成分:ビタミンA油:ビタミンAアセテート、2.8 百万 IU/G 不安定 (80質量%)(BASF AG)およびエトキシキン(20質量%)(Raluquin、Raschig AG)から成る混合物を60℃で加熱されたポンプ装置を介して供給した。【0043】Luvimer 100P 80質量部を前記の一般的な製造手段の記載と同様に押出機中に計量し、供給し、かつ溶融した。側面の計量帯域を通して、ビタミンA油20質量部を供給し、かつ混入した。引続き、溶融物を上記の方法で水中顆粒化により、直径1mmを有する球形で僅かに曇ったベージュ色の均質なペレットに加工した。【0044】例3固体装入物質:アスコルビン酸、ビタミンC(結晶生成物)、BASF AGLuviset CA 66 (クロトン酸/酢酸ビニル−コポリマー)、BASF AG液体成分:トリアセチン(トリアセチルプロパントリオール)、Fluka Chemie AG、スイス。【0045】Luviset CA 66 60質量%およびビタミンC30質量%から成る物理的混合物を、前記の一般的な製造手段の記載と同様に押出機中に計量し、均質化し、かつ供給した。側面の計量帯域を通して、トリアセチン10部を供給し、かつ混入した。引続き、溶融物を上記の方法で水中顆粒化により、球形の1mmペレットに加工した。【0046】このように製造されたペレット(水1リットル当たり1g)は、pH8で水中で、2時間で澄明に溶解した。純粋なLuviset CA 66 粒状ポリマーは、前記条件下で明らかに緩徐に溶解した(8時間を上回る)。【0047】例4Kollicoat MAE 100P 69質量部、イブプロフェン30質量部および高分散性珪酸1質量部(Aerosil 200)から成る物理的混合物を前記の一般的な製造手段の記載と同様に押出機中に計量し、供給し、均質化し、かつ溶融した。引続き、溶融物を水中顆粒化により、平均直径1mmを有する球形のペレットに加工した。 生物学的に活性な物質および水性媒体中でpH値に依存する溶解度を有する熱可塑的に加工可能な少なくとも1つのポリマーを溶融物の状態で均質に混合し、引続き押出しかつ造形することにより、前記ポリマーをベースとするマトリックス中に、生物学的に活性な物質が均質に分散して存在する、生物学的に活性な物質を含有する顆粒を製造する方法において、前記ポリマーが、モノオレフィン性不飽和カルボン酸であるコモノマーを含有しているポリマーであり、前記顆粒が不溶性であるか、または分散不可能である冷却剤中で造形を行うことを特徴とする、生物学的に活性な物質を含有する顆粒の製造方法。 顆粒が不溶性であるか、または分散不可能であるようにpH値が調整されている水を冷却剤として使用する、請求項1に記載の方法。 ポリマーが、酸性もしくは塩基性の基または酸もしくは塩基中で不安定な基を含有する、請求項1または2に記載の方法。 ポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸から成る群から選択された1つ以上のコモノマーを含有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。 ポリマーが、モノオレフィン性不飽和カルボン酸エステルをコモノマーとして含有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。 ポリマーが、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、酢酸ビニルおよびビニルプロピオネートから成る群から選択された1つ以上のコモノマーを含有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。 ポリマーが、アクリル酸またはメタクリル酸少なくとも30質量%をコモノマーとして含有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。 調製物助剤を付加的に混入する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。


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