生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_トリエチルアミンの回収方法およびエマルジョン層の削減方法
出願番号:2000252126
年次:2011
IPC分類:C07C 209/86,B01D 17/05,C02F 1/00,C07C 211/05


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平塚 光範 JP 4736165 特許公報(B2) 20110513 2000252126 20000823 トリエチルアミンの回収方法およびエマルジョン層の削減方法 住友化学株式会社 000002093 中山 亨 100113000 平塚 光範 20110727 C07C 209/86 20060101AFI20110707BHJP B01D 17/05 20060101ALI20110707BHJP C02F 1/00 20060101ALI20110707BHJP C07C 211/05 20060101ALI20110707BHJP JPC07C209/86B01D17/05 501HC02F1/00 MC02F1/00 KC07C211/05 C07C 209/86 B01D 17/05 C02F 1/00 C07C 211/05 CA/REGISTRY(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開昭62−164633(JP,A) 特開昭56−031485(JP,A) 特開平02−184303(JP,A) 特開昭59−020252(JP,A) 特開昭63−221810(JP,A) 特開昭61−066791(JP,A) 特開昭47−032657(JP,A) 特開2000−159728(JP,A) 4 2002069042 20020308 5 20070614 今井 周一郎 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、化学薬品製造プラント等から排出されるトリエチルアミンを含有する排水の処理に際して発生するエマルジョン層を削減するトリエチルアミンの回収方法に関する。【0002】【従来の技術】従来、化学薬品製造プラント等から排出されるトリエチルアミンを含有する排水の処理に際して発生するエマルジョン層の処理方法としては、濾過、攪拌、エマルジョンブレーカーの使用等、物理的・機械的な方法が知られているが、いずれの方法も処理設備、処理コスト等の問題から工業的に有利な方法として満足できるものではない。【0003】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、トリエチルアミンを含有する排水の処理に際して発生するエマルジョン層の効率的かつ工業的に有利な削減方法を提供しようとするものである。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは、トリエチルアミンを含有する排水の処理に際して発生するエマルジョン層の効率的かつ工業的に有利な削減方法について研究を続けてきた。その結果、極めて有効な手段を見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、トリエチルアミンを含有する排水に、アニオン性界面活性剤を添加することを特徴とするトリエチルアミンの回収方法およびエマルジョン層の削減方法を提供するものである。【0005】【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。通常、トリエチルアミンを含有する酸性排水からのトリエチルアミン除去操作は、排水のpHをアルカリ性、好ましくはpHを12以上にすることによって、遊離するトリエチルアミンを分液することによって行われる。本発明は、トリエチルアミンの回収操作の際に、アニオン性界面活性剤を添加するものである。対象となるトリエチルアミン含有酸性排水としては、化学薬品製造プロセス等から排出されるトリエチルアミン含有酸性排水であれば特に限定されない。また、排水中のトリエチルアミンの含有量は特に限定されない。かかるトリエチルアミン含有排水としては、例えば触媒としてトリエチルアミンを使用した製造工程の後処理で発生する排水や、有機カルボン酸のトリエチルアミン塩をフリー化する工程で発生する排水等が挙げられる。また、排水中には金属、有機化合物、無機化合物等が含まれていてもよい。【0006】本発明は、トリエチルアミンを含有する酸性排水にアニオン性界面活性剤を添加することにより行われる。使用するアニオン性界面活性剤は、特に限定されないが、一般式(1) (式中、R1は分岐していてもよいC7〜C15アルキル基、分岐していてもよいC7〜C15アルコキシ基または分岐していてもよいC7〜C15アルキルフェニル基を表し、R2は水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子を表す。)で表される化合物がより好ましい。具体的には、1−ドデシル硫酸ナトリウム、1−へプタンスルホン酸ナトリウム、1−オクタンスルホン酸ナトリウム、1−デカンスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。アニオン性界面活性剤の使用量は、トリエチルアミンを含有する酸性排水の組成・含量で変るが、通常、処理する排水重量に対して、0.1〜30重量%程度である。アニオン性界面活性剤の添加は、通常、トリエチルアミンを含有する酸性排水のpH調整後に行うのが一般的であるが、pH調整前に加えてもよい。添加時の温度は特に制限は無いが、通常、室温〜100℃の範囲である。pH調整は、pH12以上が好ましい。 pH調整する方法としては、特に制限はないが、一般的には、無機塩基を用いる。かかる無機塩基としては、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等が挙げられ、これらはそのまま用いてもよいが、通常水溶液として用いられる。アルカリ金属水酸化物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が、アルカリ土類金属水酸化物としては、例えば水酸化カルシウム等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウムが用いられる。アニオン性界面活性剤の添加後は、保温・攪拌した後、遊離したトリエチルアミンと水層を分液操作により分液する。保温・攪拌時間は特に制限は無いが、通常30分〜24時間程度である。保温・攪拌温度は、通常、室温〜100℃の範囲である。【0007】保温・攪拌後、静置すれば、目的とする回収トリエチルアミンを、水層と容易に分離することができる。【発明の効果】本発明によれば、トリエチルアミンを含有する酸性排水をアルカリ性とし、トリエチルアミン除去する際に発生するエマルジョン層を効率的に削減することが可能となり、容易にトリエチルアミンを回収することができる。【0008】【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。【0009】実施例1参考例1で得られたトリエチルアミン含量13.4%の酸性排水(pH=0.5)285.87gに27%水酸化ナトリウム水溶液69.56gを加え、液のpHを12.6とした。これに1−ドデシル硫酸ナトリウム2.83gを加え、27.4〜27.9℃で30分間攪拌した。この後、27.9〜28.2℃で30分間静置した。このとき、中間層(エマルジョン層)は、全く認められなかった。【0010】実施例2実施例1で用いたと同じトリエチルアミンを含有する酸性排水285.71gに27%水酸化ナトリウム水溶液67.09gを加え、液のpHを12.5とした。これに1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム2.90gを加え、28.2℃で30分間攪拌した。この後、28.2〜28.3℃で30分間静置した。このとき、中間層(エマルジョン層)は、全く認められなかった。【0011】実施例3実施例1で用いたと同じトリエチルアミンを含有する酸性排水285.08gに27%水酸化ナトリウム水溶液66.79gを加え、液のpHを12.5とした。これに1−オクタンスルホン酸ナトリウム2.89gを加え、28.6〜28.9℃で30分間攪拌した。この後、28.9℃で30分間静置した。このとき、中間層(エマルジョン層)は、全く認められなかった。【0012】実施例4実施例1で用いたと同じトリエチルアミンを含有する酸性排水284.65gに27%水酸化ナトリウム水溶液67.07gを加え、液のpHを12.7とした。これに1−デカンスルホン酸ナトリウム2.90gを加え、28.7〜29.2℃で30分間攪拌した。この後、29.0〜29.2℃で30分間静置した。このとき、中間層(エマルジョン層)は、全く認められなかった。【0013】実施例5実施例1で用いたと同じトリエチルアミンを含有する酸性排水285.09gに27%水酸化ナトリウム水溶液67.41gを加え、液のpHを12.5とした。これに1−ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.80gを加え、29.4〜29.6℃で30分間攪拌した。この後、29.5〜29.6℃で30分間静置した。このとき、中間層(エマルジョン層)は、全く認められなかった。【0014】比較例1実施例1で用いたと同じトリエチルアミンを含有する酸性排水285.64gに27%水酸化ナトリウム水溶液71.64gを加え、液のpHを12.5とした。この後、26.9〜27.6℃で30分間攪拌し、27.6℃で30分間静置した。このとき発生した中間層(エマルジョン層)は、水層重量の約7.9%であった。【0015】比較例2実施例1で用いたと同じトリエチルアミンを含有する酸性排水285.64gに27%水酸化ナトリウム水溶液66.57gを加え、液のpHを12.5とした。これに1−ペンタンスルホン酸ナトリウム2.86gを加え、28.5〜28.9℃で30分間攪拌した。この後、28.6〜28.9℃で30分間静置した。このとき発生した中間層(エマルジョン層)は、水層重量の約4.7%であった。【0016】参考例11−(4−クロロ−2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニルヒドラゾノ)−3−カルボキシレート−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシブタン トリエチルアミン塩(含量97%)59.99g、メチル tert−ブチルエーテル180.80g、水30.13gを反応容器に仕込み、7.8℃まで冷却した。これに35%塩酸15.83gを8〜9℃で30分を要して滴下した。この後、7.3〜7.4で1時間、攪拌した。7.3〜7.4℃で30分間、静置の後、分液操作により水層(排水▲1▼)51.63gを得た。分液後の油層に15%食塩水45.11gを加え、7.6〜7.7℃で30分間、攪拌した。6.2〜9.6℃で30分間、静置の後、分液操作により水層(排水▲2▼)44.24gを得た。このようにして得られた排水▲1▼及び排水▲2▼を混合して、トリエチルアミン含有酸性排水とした。混合後の排水のトリエチルアミン含量は、13.4%であり、排水のpHは、pH=0.5であった。 トリエチルアミンを含有する排水に、一般式(1)(ここで、R1は分岐していてもよいC7〜C15アルキル基、分岐していてもよいC7〜C15アルコキシ基または分岐していてもよいC7〜C15アルキルフェニル基を表し、R2は水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子を表す。)で示される化合物を添加することを特徴とするトリエチルアミンの回収方法。 前記一般式(1)で示される化合物が、1−ドデシル硫酸ナトリウム、1−へプタンスルホン酸ナトリウム、1−オクタンスルホン酸ナトリウム、1−デカンスルホン酸ナトリウムまたはラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムである請求項1に記載の方法。 トリエチルアミンを含有する排水からトリエチルアミンを除去する際に、一般式(1)(ここで、R1は分岐していてもよいC7〜C15アルキル基、分岐していてもよいC7〜C15アルコキシ基または分岐していてもよいC7〜C15アルキルフェニル基を表し、R2は水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子を表す。)で示される化合物を添加することを特徴とするエマルジョン層の削減方法。 前記一般式(1)で示される化合物が、1−ドデシル硫酸ナトリウム、1−へプタンスルホン酸ナトリウム、1−オクタンスルホン酸ナトリウム、1−デカンスルホン酸ナトリウムまたはラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムである請求項3に記載の方法。


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