生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法
出願番号:2000173205
年次:2011
IPC分類:C07C 67/08,C07C 67/03,C07C 69/54,C07B 61/00


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角田 稔 小野澤 隆 倉田 浩志 古川 喜久夫 JP 4609611 特許公報(B2) 20101022 2000173205 20000609 高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法 三菱瓦斯化学株式会社 000004466 角田 稔 小野澤 隆 倉田 浩志 古川 喜久夫 20110112 C07C 67/08 20060101AFI20101216BHJP C07C 67/03 20060101ALI20101216BHJP C07C 69/54 20060101ALI20101216BHJP C07B 61/00 20060101ALN20101216BHJP JPC07C67/08C07C67/03C07C69/54 BC07B61/00 300 C07C 27/00-71/00 特開平08−310995(JP,A) 特開昭63−033350(JP,A) 特開平11−035522(JP,A) 特開昭63−126502(JP,A) 特開平10−165933(JP,A) 特開平05−234876(JP,A) 3 2001354619 20011225 6 20070508 高橋 直子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、高機能性ポリマー、合成潤滑油、可塑剤や電子部品等の原料として有用な高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法に関する。【0002】【従来の技術】アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法として、クレゾールスルホン酸等を触媒兼重合禁止剤に用い、(メタ)アクリル酸と1−アダマンタノールを反応させる方法(特開平8−310995号公報)、p−トルエンスルホン酸触媒存在下、トルエン溶媒中アダマンタノール類を(メタ)アクリル酸と反応させてアダマンチルモノ(メタ)アクリレート類を製造する方法(特公平7−61980号公報)、および周期律表第3族元素化合物で構成される触媒下、アダマンタノール類と(メタ)アクリル酸エステルを反応させる方法(特開平11−35522号公報)が提案されている。しかし、高純度のアダマンチル(メタ)アクリレート類を製造することは困難であった。【0003】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高純度のアダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法を提供することにある。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、エステル化触媒の存在下、有機溶媒中でアダマンタノール類を(メタ)アクリル酸(エステル)と反応した後、反応液をアルカリ洗浄、水洗、酸洗浄、水洗の順で洗浄した後、濃縮、晶析することにより、金属不純物が100ppb以下でかつハロゲンイオンが1000ppb以下の高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類を製造できることを見出し、本発明に到達した。【0005】すなわち、本発明は、エステル化触媒の存在下、アダマンタノール類を(メタ)アクリル酸(エステル)と反応させた後、反応液をアルカリ洗浄および酸洗浄することを特徴とするアダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法に関するものである。【0006】【発明の実施の形態】本発明のアダマンタノール類は下記一般式で表されるものである。【0007】【化1】(式中、R1〜R3は、同一または異なって、水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜6のアシルオキシ基、ハロゲン基を示す。)【0008】ここでアリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、シクロアルキル基として、シクロヘキシル、シクロオクチル基等が挙げられ、アリールオキシ基として、フェノキシ基等が挙げられる。【0009】本発明で使用する有機溶媒は、水との相溶性が低く、アダマンタン(メタ)アクリレート類の溶解性が高く、反応に対し不活性な溶媒を用いる。また、反応中に副生する水を除去するため、水と共沸する溶媒を用いることが好ましい。具体例として、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の炭素数6〜10の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の炭素数6〜10の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。これらの溶媒は、単独でも2種以上を混合してもよい。溶媒量は、原料として用いるアダマンタノール類1重量部に対して、0.1〜20重量部好ましくは1〜10重量部の割合である。【0010】エステル化触媒は、硫酸、塩酸等の鉱酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸、およびSc、Ti、V、W等の3〜8族金属元素の化合物からなる群から選ばれる化合物であり、好ましくは、硫酸を用いる。硫酸を用いる場合、原料であるアダマンタノール類1モルに対して、0.005〜1.0モル、好ましくは0.01〜0.1モルの割合で使用する。使用量がこの範囲より少なければ反応速度が低下し、逆に多ければアダマンタン(メタ)アクリレート類の選択率が低下する。【0011】(メタ)アクリル酸類は、アダマンタノール類中の水酸基1当量に対して1.0〜10倍当量、好ましくは1.2〜5倍当量を使用する。使用量がこの範囲より少ないと未反応のアダマンタノール類が残り、逆に多いと釜効率が低下する。【0012】反応中の(メタ)アクリル酸の重合を抑制するため、重合禁止剤を使用する。重合禁止剤は一般に市販されているものを用いることができ、p−メトキシフェノール、メチルヒドロキノン等を挙げることができる。重合禁止剤は、(メタ)アクリル酸類1モルに対して0.005〜1.5モル%、好ましくは0.01〜0.5モル%を使用する。使用量がこの範囲より少ないと反応中に重合が起こり、逆に多いと重合禁止剤に由来する副生成物によりアダマンタン(メタ)アクリレート類の選択率が低下する。【0013】反応温度は、50〜180℃、好ましくは60〜150℃の範囲である。反応温度がこの範囲よりも低い場合は反応速度が著しく低下し、逆に高い場合は、アダマンタン(メタ)アクリレート類の選択率が低下する。【0014】本発明のアダマンチル(メタ)アクリレート類は、アダマンチルモノ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、アダマンチルトリ(メタ)アクリレート、アダマンチルテトラ(メタ)アクリレート等が含まれる。【0015】本発明では、アダマンタノール類と(メタ)アクリル酸(エステル)を反応させた後、反応液をアルカリ洗浄、水洗、酸洗浄、水洗の順で洗浄することにより金属不純物やハロゲンイオンを除去する。【0016】アルカリ洗浄は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化アンモニウムからなる群から選ばれる水溶液で洗浄する。アルカリの量は、未反応の(メタ)アクリル酸を中和して除去するに十分過剰な量を使用する。過剰量は、未反応(メタ)アクリル酸1重量部に対して0〜100重量部、好ましくは0.01〜10重量部の割合で使用する。それより少ないと、有機層中のハロゲンイオンを除去できず、またそれより多いとアダマンチル(メタ)アクリレート類が加水分解する。【0017】酸洗浄は、酸洗浄が硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、シュウ酸およびメタンスルホン酸からなる群から選ばれる水溶液で洗浄する。好ましくは、硫酸を用いる。酸の量は、有機層1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で使用する。洗浄回数は1〜20回、好ましくは2〜10回行う。【0018】水洗浄は、純水が好ましい。純水は、有機層1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で使用する。洗浄回数は1〜20回、好ましくは2〜10回行う。【0019】アルカリ洗浄、酸洗浄および純水洗浄の温度は、0℃〜95℃、好ましくは10℃〜60℃である。これより低温の場合には洗浄効果が低下し、高温の場合にはアダマンチル(メタ)アクリレートが加水分解する。【0020】洗浄効果の判定は、洗浄後の有機層や水洗水を比色法や原子吸光法等の分析法で分析し金属不純物やハロゲンイオンの濃度を管理する。簡便な方法として、水洗廃水の電気伝導度が10mS/m以下になれば、アダマンチル(メタ)アクリレート類の含まれる金属不純物が100ppb以下でかつハロゲンイオンが1000ppb以下にすることができる。洗浄後、得られた有機層から濃縮、晶析することにより高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類が得られる。【0021】本発明では、反応、洗浄、分離や乾燥等で使用する装置及び器具、容器等には不純物が溶出しない材質、例えばグラスライニング、チタン、ハステロイ、合成石英やテフロンで構成されたものを使用するのが好ましい。これらの装置等も表面の金属不純物やハロゲンイオンを洗浄により除去するのが好ましい。簡便な方法として、これらの装置等の洗浄廃水の電気伝導度が5mS/m以下になるまで洗浄すればよい。【0022】【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。【0023】実施例1撹拌機、温度計、Dean−Stark水分離器、ジムロート冷却器及び空気導入管をつけた2000ml容量のガラス製4つ口フラスコに1,3−アダマンタンジオール84g、n−オクタン400ml、トルエン400ml、メタクリル酸129g、濃硫酸1.2g、p−メトキシフェノール0.37gを仕込んだ。使用したガラス器具は1重量%塩酸水溶液で洗浄し、さらに純水で洗浄廃水の電気伝導度が5mS/mになるまで洗浄した。そして、少量の空気を吹き込みながら還流状態(115℃)で5時間反応した。この間、水抜き管より副生する水を除去した。反応液を室温まで冷却後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液840gを加えて洗浄した。その後、純水800mlを加えて2回洗浄した。反応液をよく洗浄したガラス製フラスコに移し、5重量%硫酸水溶液400gで2回洗浄し、さらに純水800mlを加えて2回洗浄した。有機層を濃縮して析出した固体をガラスフィルターで濾取、乾燥し、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルモノメタクリレート90gを得た。【0024】原料の1,3−アダマンタンジオール中の金属不純物は、Na:355ppb、Ca:236ppb、Mg:98ppb、Fe:1800ppbであったが、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルモノメタクリレート中の金属不純物は、Na:34ppb、Ca:18ppb、Mg:6ppb、Fe:94ppb、Zn:12ppbであり、K、Al、Cr、Cu、Ni、Pbについては20ppb以下、遊離塩素112ppbであった。【0025】実施例2メタクリル酸の代わりにアクリル酸108gを仕込んで実施例1と同様の操作を行ったところ、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルモノアクリレート70gを得た。3−ヒドロキシ−1−アダマンチルモノメタクリレート中の金属不純物は、Na:65ppb、Ca:28pb、Mg:9ppb、Fe:97ppb、Zn:11ppbであり、K、Al、Cr、Cu、Ni、Pbについては20ppb以下、遊離塩素118ppbであった。【0026】比較例1反応液をアルカリ洗浄として水酸化ナトリウム水溶液840gで1回洗浄した後、イオン交換水375gで5回洗浄した以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた3−ヒドロキシ−1−アダマンチルモノメタクリレート中の金属不純物はNa:150ppbであった。【0027】【発明の効果】本発明により、金属不純物をほとんど含まないアダマンチル(メタ)アクリレート類を得ることができる。 硫酸触媒の存在下、1,3−アダマンタンジオールを(メタ)アクリル酸と反応させた後、反応液を水酸化ナトリウムによるアルカリ洗浄および硫酸による酸洗浄を行った後水洗操作を行うことを特徴とする3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。 水洗廃水の電気伝導度が10mS/m以下になるまで水洗を繰り返す請求項1記載の製造方法。 水洗廃水の電気伝導度が5mS/m以下になるまで洗浄した反応器を反応に用いる請求項1記載の製造方法。


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