タイトル: | 特許公報(B2)_アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法 |
出願番号: | 2000127655 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07C 407/00,C07C 409/08,C07C 409/10 |
牧 野 隆 弘 若 月 春 己 JP 4271341 特許公報(B2) 20090306 2000127655 20000424 アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法 三井化学株式会社 000005887 鈴木 俊一郎 100081994 牧村 浩次 100103218 牧 野 隆 弘 若 月 春 己 20090603 C07C 407/00 20060101AFI20090514BHJP C07C 409/08 20060101ALI20090514BHJP C07C 409/10 20060101ALI20090514BHJP JPC07C407/00C07C409/08C07C409/10 C07C 407/00 C07C 409/08 C07C 409/10 JSTPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) CiNii 特許ファイル(PATOLIS) 特開昭51−128931(JP,A) 特開昭54−132540(JP,A) 特開昭54−132539(JP,A) 特公昭54−009185(JP,B1) 特開昭54−005927(JP,A) 化学プロセス集成,株式会社東京化学同人,1970年 3月 3日,第1版第1刷,p.601 有機合成化学協会誌,1977年,35(2),p.138-146 ケミカルエンジニヤリング,1989年,34(11),p.869-873 6 2001302623 20011031 8 20060227 近藤 政克 【0001】【発明の技術分野】本発明は、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法に関し、さらに詳しくは、アルキルベンゼンを分子状酸素含有ガスを用いて酸化してアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法に関する。【0002】【発明の技術的背景】アルキルベンゼン、たとえば少なくとも1個のイソプロピル基がベンゼン環に結合したアルキルベンゼンであるクメンあるいはシメンと酸素とを反応せしめてベンゼン環に結合したイソプロピル基のα位の炭素原子に−OOH基が結合したクメンハイドロパーオキサイドあるいはシメンハイドロパーオキサイドなどのアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造することは周知である。このようなアルキルベンゼンパーオキサイドは、ラジカル開始剤として、またフェノールあるいはクレゾールなどのフェノール類の製造における中間体として極めて有用な物質である。【0003】アルキルベンゼンと分子状酸素含有ガスとを反応せしめる酸化工程においては副反応を極力抑制するために、アルキルベンゼンの全量が酸化される前に反応を中断し、次いで、酸化生成物の蒸留によってアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを濃縮し、アルキルベンゼンを回収する。回収されたアルキルベンゼンは、酸化工程を経ていない新しいアルキルベンゼンと混合して再び酸化工程へ循環される。【0004】上記方法で製造されたアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドからフェノール類を製造し得るが、この場合、通常アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの濃厚溶液を酸触媒の存在下に開裂反応を行なってフェノール類とアセトンを得るとともに、アルキルベンゼンを回収する。回収されたアルキルベンゼンは、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの濃縮工程で回収されたアルキルベンゼンと同様、再びアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド製造のため、アルキルベンゼンの酸化工程へと循環される。【0005】ところで、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドたとえばクメンハイドロパーオキサイドの製造に際し、クメン酸化反応器に供給されるクメンは、クメンの酸化反応をし易くするため酸化反応器手前の熱交換器で予熱している。【0006】原料のクメンは、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等の水溶液で洗浄されるため、クメン酸化反応器に供給されるクメンには、微量のナトリウム塩たとえば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が含まれている。その結果、この微量のナトリウム塩が熱交換器内で析出し、熱交換能力が低下するという問題が生じていた。【0007】したがって、クメン等のアルキルベンゼンに含まれているアルカリ塩(ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、またはバリウム塩等のアルカリ土類金属塩)の熱交換器内での析出を抑制して熱交換器の熱交換能力の低下を防止することができるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法の出現が望まれている。【0008】【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、クメン等のアルキルベンゼンに含まれているアルカリ塩(ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、またはバリウム塩等のアルカリ土類金属塩)の熱交換器内での析出を抑制して熱交換器の熱交換能力の低下を防止することができるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法を提供することを目的としている。【0009】【発明の概要】本発明に係るアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法は、アルキルベンゼンを分子状酸素含有ガスを用いて酸化してアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法において、アルカリ塩を含むアルキルベンゼンを水洗浄せずに、もしくは水洗浄した後アルキルベンゼンタンク、熱交換器に供給し該熱交換器による予熱を経て酸化工程へ送る際に、前記アルカリ塩を含むアルキルベンゼンをアルキルベンゼンタンクから熱交換器に供給するために設けられているアルキルベンゼン供給管に水を供給し、該アルキルベンゼンとともに熱交換器に供給することを特徴としている。【0010】前記アルキルベンゼンとして、少なくとも1個のイソプロピル基がベンゼン環に結合したアルキルベンゼンを用いることができる。前記アルカリ塩は、通常、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種のナトリウム塩である。アルキルベンゼン中にナトリウム塩が含まれているのは、原料アルキルベンゼンにアルカリ水溶液を接触させるに際し、水酸化ナトリウムおよび/または炭酸ナトリウムの水溶液が好ましく用いられるからである。【0011】熱交換器内でのアルカリ塩析出の抑制をより効果的するためには、前記の水洗浄しない、もしくは水洗浄した後のアルキルベンゼンにおけるアルカリ塩含量は、0.05重量%以下であることが好ましい。【0012】前記アルキルベンゼンタンクと熱交換器との間に設けられているアルキルベンゼン供給管に供給する水の量は、0.05重量%以下のアルカリ塩を含むアルキルベンゼン100重量部に対し、0.3〜0.7重量部となる量であることが好ましい。【0013】前記熱交換器におけるアルキルベンゼンの予熱温度が70〜100℃であることが好ましい。【0014】【発明の具体的説明】本発明に係るアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法について具体的に説明する。【0015】本発明に係るアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法では、アルカリ塩を含むアルキルベンゼンを水洗浄せずに、もしくは水洗浄した後、アルキルベンゼンタンクに供給する。そして、このアルカリ塩含有アルキルベンゼンをアルキルベンゼンタンクから熱交換器に供給するために設けられているアルキルベンゼン供給管に水を供給し、アルキルベンゼンとともに熱交換器に供給する。【0016】本発明で用いられるアルキルベンゼンとしては、少なくとも1個のイソプロピル基がベンゼン環に結合したアルキルベンゼンが好ましく用いられ、具体的には、クメン、p-シメン、m-シメン、p-ジイソプロピルベンゼン、m-ジイソプロピルベンゼン、トリイソプロピルベンゼンなどが挙げられる。中でも、クメン、p-シメン、m-シメンが好ましく、特にクメンが好ましい。【0017】本発明においては、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する際の原料として、前記したアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの濃縮工程で回収されたアルキルベンゼン、または前記したハイドロパーオキサイドからフェノール類を製造した際に回収されるアルキルベンゼンを用いることができる。これらの回収アルキルベンゼンは、酸化工程で生じた副生物、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの開裂工程で生じた副生物およびフェノール類などの不純物が存在する。【0018】これらの回収アルキルベンゼンを使用するに際して、通常同時に、酸化工程を経たことのない新しいアルキルベンゼンも使用される。予め新しいアルキルベンゼンと回収アルキルベンゼンとを混合してから、前記の炭酸塩水溶液および/または水酸化物水溶液による接触操作を行ない、酸化工程へ供給してもよい。【0019】上記のアルカリ塩含有アルキルベンゼンのアルカリ塩は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の塩(炭酸塩、水酸化物)であり、主として、原料アルキルベンゼンにアルカリ水溶液を接触させる際に用いられるアルカリ水溶液に由来するアルカリ塩である。したがって、上記の「アルカリ塩を含むアルキルベンゼンを水洗浄せずに、もしくは水洗浄した後」とは、原料アルキルベンゼンにアルカリ水溶液を接触させた後、水洗浄せずに、もしくは水洗浄した後という意味である。【0020】原料アルキルベンゼンにアルカリ水溶液を接触させるに際し、炭酸塩水溶液のpHは11〜14が好ましく、さらに好ましくは12.5〜14である。炭酸塩水溶液としては、具体的には、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、重炭酸リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどの水溶液が挙げられる。これらの中でも、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムの水溶液が好ましい。特に炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムの水溶液が好ましく用いられる。また、これらの水溶液のpH調整のために、強アルカリ性物質、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどを適当量混合してもよい。特に好ましい炭酸塩水溶液は、水と炭酸ナトリウムを混合して、あるいは水と重炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムとを混合してpHが11〜14となるように調製した水溶液である。【0021】炭酸塩水溶液は、回収アルキルベンゼンたとえば回収クメン1kgに対して、5〜2000gの量で使用され、常温ないし100℃の温度で10分間ないし2時間接触させる。【0022】原料アルキルベンゼンと上記のような炭酸塩水溶液との接触方法は、回分式、連続式のいずれでもよいが、工業的には連続式が好ましい。接触する際の装置としては、通常用いられる装置たとえば攪拌翼の装備された容器が使用される。【0023】また、本発明においては、原料アルキルベンゼンに炭酸塩水溶液を接触させた後、さらにpHが12.5以上の水酸化物水溶液(アルカリ水溶液)を接触させることが好ましい。【0024】水酸化物水溶液としては、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムなどの水溶液が挙げられる。これらの中でも、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液が好ましい。特に水酸化ナトリウム水溶液が好ましく用いられる。【0025】水酸化物水溶液のpHは12.5以上、さらに好ましくは13以上である。水酸化物水溶液のpHが12.5未満であると、後工程のアルキルベンゼンの酸化工程において、酸化速度が低下し、副生物の生成抑制効果が充分でない。【0026】水酸化物水溶液は、回収アルキルベンゼン1kgに対して、5〜2000gの量で使用され、常温ないし100℃の温度で10分間ないし2時間接触させる。アルキルベンゼンと上記のような水酸化物水溶液との接触方法は、回分式、連続式のいずれでもよいが、工業的には連続式が好ましい。接触する際の装置としては、通常用いられる装置たとえば攪拌翼の装備された容器が使用される。【0027】なお、本発明においては、原料アルキルベンゼンに上記の水酸化物水溶液を接触させた後に、さらに上記の炭酸塩水溶液を接触させることもできる。また、原料アルキルベンゼンに、水酸化物水溶液または炭酸塩水溶液のいずれか一方のみを接触させることもできる。【0028】本発明において熱交換器内でのアルカリ塩析出の抑制をより効果的するためには、上記の水洗浄しない、もしくは水洗浄した後のアルキルベンゼンにおけるアルカリ塩含量は、0.05重量%以下であることが好ましい。【0029】アルキルベンゼンタンクと熱交換器との間に設けられているアルキルベンゼン供給管に供給する水の量は、0.05重量%以下のアルカリ塩を含むアルキルベンゼン100重量部に対し、通常0.1〜1.0重量部であるが、0.3〜0.7重量部となる量であることが好ましい。【0030】アルカリ塩を含むアルキルベンゼンが熱交換器に供給される手前で、このアルキルベンゼン供給管に上記のように少量の水を供給することにより、熱交換器内でアルキルベンゼン中に含まれているアルカリ塩(アルカリ金属の水酸化物または炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩)の析出を抑制することができ、熱交換器の熱交換能力の低下を防止することができる。【0031】次に、上記のようにして熱交換器に水とともに供給されたアルキルベンゼンは、熱交換器において70〜100℃(予熱温度)に加熱することが好ましい。このように、アルキルベンゼンを酸化工程へ送る前に加熱しておくことにより、アルキルベンゼンの酸化工程においてアルキルベンゼンの酸化を促進することができる。【0032】上記のようにして加熱されたアルキルベンゼンは、酸化工程に送られ、分子状酸素含有ガスにより酸化され、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドが生成される。【0033】本発明でアルキルベンゼンを酸化するために用いられる分子状酸素含有ガスとしては、具体的には、純酸素、空気などが挙げられる。本発明で使用されるアルキルベンゼンの酸化方法は、アルキルベンゼンと分子状酸素含有ガスとを常温ないし120℃の温度で常圧ないし高圧下で接触せしめ、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの濃度が5〜40重量%程度になった後、反応槽から反応生成物(アルキルベンゼンハイドロパーオキサイド)を抜き出す。【0034】酸化反応で副生する酸性物質の悪影響を避けるため反応槽に水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムなどのアルカリの水溶液を供給する方法は周知であるが、この方法を本発明の酸化工程に用いてもよい。【0035】この酸化工程で酸化されなかったアルキルベンゼンは、回収され、再びアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造に際して原料アルキルベンゼンとして使用されるが、この回収アルキルベンゼンの中には、微量のアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドが存在している場合がある。このアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドは、酸化工程でのアルキルベンゼンの酸化反応の開始剤となり得るが、低温で酸化を行なう場合などでは分解速度の速い過酸化物を開始剤として添加することもできる。【0036】酸化工程で得られた溶液は、通常減圧蒸留によって、アルキルベンゼンとアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドとに分離される。この分離は、減圧蒸留以外の方法を採用して行なってもよい。【0037】【発明の効果】本発明に係るアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法によれば、クメン等のアルキルベンゼンに含まれているアルカリ塩(ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、またはバリウム塩等のアルカリ土類金属塩)の熱交換器内での析出を抑制して熱交換器の熱交換能力の低下を防止することができる。【0038】【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。【0039】【実施例1】図1に示すクメンハイドロパーオキサイドの製造プロセスのフローチャートに示すように、クメンを分子状酸素含有ガスにより酸化して得た酸化生成物(クメンとクメンヒドロペルオキシドとの混合物)を減圧蒸留して得た未反応クメン(a)70重量%、上記減圧蒸留によって得られた濃縮クメンハイドロパーオキサイドを硫酸によりフェノールとアセトンに分解しフェノールとアセトンを回収した後に回収されたクメン(b)8重量%、およびクメン酸化工程を経ていないいわゆる新しいクメン(c)22重量%よりなる混合クメン100重量%を、0.1重量%濃度の炭酸ナトリウム水溶液(1)と連続式で接触(混合)させ、タンク2に送った。この接触に際してはラインミキサー1を使用した。【0040】炭酸ナトリウム水溶液(1)と接触させた混合クメンは、タンク2内で静置し炭酸ナトリウム水溶液(1)と分離した後、さらに1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液(2)と連続式で接触(混合)した。この接触に際してはポンプ3およびラインミキサー4を使用した。【0041】水酸化ナトリウム水溶液(2)で処理した混合クメンは、タンク5に送られ、タンク5内で静置し微量の水を分離し、クメンタンク6に送った。静置した混合クメン中のナトリウム濃度は0.0001重量%以下であった。【0042】次いで、アルカリ処理後の40℃の温度になった混合クメンをクメンタンク6から熱交換器7に送り、熱交換器7にて80℃に予熱した後酸化反応器8に供給した。クメンタンク6から熱交換器7へ混合クメンを供給するためのクメン供給管9の途中で混合クメンに対して0.3重量%の割合で水を供給した。このような方法で、クメンハイドロパーオキサイドの製造を続けたところ、運転開始から300日経過後も熱交換器7内でのアルカリ塩の析出はなく、熱交換器の能力低下は見られなかった。【0043】【比較例1】実施例1において、クメンタンク6から熱交換器7へ混合クメンを供給するためのクメン供給管9の途中で混合クメンに対して0.3重量%の割合で水を供給しなかった以外は、実施例1と同様にして行なった。その結果、クメンハイドロパーオキサイドの製造の運転開始から180日経過後に、熱交換器7内でアルカリ塩が析出し、熱交換器の能力低下が見られた。【図面の簡単な説明】【図1】図1は、実施例1におけるクメンハイドロパーオキサイドの製造プロセスのフローチャートである。【符号の説明】1、4 ・・・・ ラインミキサー2、5 ・・・・ タンク3 ・・・・ ポンプ6 ・・・・ クメンタンク7 ・・・・ 熱交換器8 ・・・・ 酸化反応器9 ・・・・ クメン供給管 アルキルベンゼンを分子状酸素含有ガスを用いて酸化してアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法において、アルカリ塩を含むアルキルベンゼンを水洗浄せずに、もしくは水洗浄した後、アルキルベンゼンタンク、熱交換器に供給し該熱交換器による予熱を経て酸化工程へ送る際に、前記アルカリ塩を含むアルキルベンゼンをアルキルベンゼンタンクから熱交換器に供給するために設けられているアルキルベンゼン供給管に水を供給し、該アルキルベンゼンとともに熱交換器に供給することを特徴とするアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。 前記アルキルベンゼンが、少なくとも1個のイソプロピル基がベンゼン環に結合したアルキルベンゼンであることを特徴とする請求項1に記載のアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。 前記アルカリ塩が、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種のナトリウム塩であることを特徴とする請求項1に記載のアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。 前記の水洗浄していない、もしくは水洗浄した後のアルキルベンゼンにおけるアルカリ塩含量が、0.05重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。 前記アルキルベンゼンタンクと熱交換器との間に設けられているアルキルベンゼン供給管に供給する水の量が、0.05重量%以下のアルカリ塩を含むアルキルベンゼン100重量部に対し、0.1〜1.0重量部となる量であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。 前記熱交換器におけるアルキルベンゼンの予熱温度が70〜100℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。