生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_インドール誘導体の製造法
出願番号:2000098393
年次:2011
IPC分類:C07D 209/04


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浪江 賢一 高橋 康弘 JP 4681097 特許公報(B2) 20110210 2000098393 20000331 インドール誘導体の製造法 大日本印刷株式会社 000002897 平木 祐輔 100091096 藤田 節 100118773 島村 直己 100101904 浪江 賢一 高橋 康弘 20110511 C07D 209/04 20060101AFI20110414BHJP JPC07D209/04 C07D 209/00-209/96 CA/REGISTRY(STN) CASREACT(STN) 特開昭63−174970(JP,A) 特開昭57−091973(JP,A) Robin D. Clark,Synthesis of Protected Indoles from N-(tert-Butoxycarbonyl)-2-alkylanilines,Synlett,1990年,No.4,207-208頁 5 2001288168 20011016 12 20061130 鈴木 智雄 【0001】本発明はインドール誘導体の新規な製造法に関するものである。【発明が属する技術分野】インドール誘導体は医農薬の中間体として極めて重要な化合物である。【0002】【従来の技術】4位置換インドール類は、医薬、農薬、電子材料等の原料として重要である。この化合物の製造法としては、▲1▼3位置換アニリンから合成された3位置換フェニルヒドラジンを経てFischer反応によりインドール環を形成し、次いで脱炭酸反応を行なう方法{J.Org.Chem.30,3457(1965)}や▲2▼2位置換−6−ニトロトルエンを原料としスチレン誘導体を経てTiCl3を触媒として閉環する方法{Chem.Pharm.Bull.,29(3),726,(1981)}、▲3▼またはPdやNi触媒を使用して還元閉環を行なう方法(US 3976639)▲4▼同じく2位置換−6−ニトロトルエンを原料としてフェニルエタノール誘導体、インドリンを経てインドールを得る方法{J.Heterocyclic.Chem.,25(2),361,(1988)}、▲5▼2−アミノー6位置換トルエンを原料としてイミデート誘導体を経てインドール環へ閉環する方法{Orgnic.Synthesis.,65,146(1987)}、▲6▼o−ニトロフェニルピルビン酸エステル誘導体を経てインドール環へ閉環するライサート法{Ber.,30,1030、(1897)}などが知られている。【0003】しかしながら、これら従来の方法においては原料および反応率、反応操作において次の欠点が挙げられる。▲1▼の方法ではFischer反応による閉環の際の位置選択性が低く、収率が低いという大きな問題がある。▲2▼の方法では触媒として用いるTiCl3は空気または水分との接触により発火する恐れがある等の危険性を有し取り扱いが困難で、且つ低収率であるため工業的製造法としては好ましくない。▲3▼の方法では高価な貴金属触媒の使用およびその処理に問題が残る。▲4▼の方法で使用するパラホルムアルデヒドは劇物、劇薬で有害性があり、大量使用は好ましくない。▲5▼の方法は反応操作が煩雑であり、反応、品質の再現性を得ることが難しく、▲6▼の方法はo−ニトロフェニルピルビン酸エステル誘導体の合成が容易ではなく、また、還元閉環、加水分解さらに脱炭酸と工程が長いことが問題である。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者はかかる課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、2−アミノ−6位置換トルエンを原料に、このアミノ基を一旦アシル化剤でアシル化した後に、これを有機溶媒中でN,N−ジメチルホルムアミドジアルキルアセタール類と有機2級アミンの存在下(または非存在下)反応する事により、アシル化、閉環の単純な反応の二工程で、面倒な廃棄物の放出もなく、しかも好収率でほぼ定量的にインドール誘導体が生成することを見い出し、本発明に至った。【0005】すなわち、本発明の方法は、一般式(1)【化1】[式中R1は、ニトロ基、シアノ基、C1―C6置換又は無置換アルキル基、C2−C6置換又は無置換アルケニル基、C2−C6置換又は無置換アルキニル基、置換又は無置換アリール基、C1―C6アルコキシ基、置換又は無置換アリールオキシ基、ホルミル基、ハロゲン、モノ―もしくはジ―(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)置換アミノ基、ヒドロキシ基、モノ―もしくはジ―(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)置換アミド基、N−置換もしくは無置換(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)カルバモイル基、無置換もしくはモノ―もしくはジ―もしくはトリ(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)置換ウレイド基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)カルボニル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシカルボニル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシスルホニル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)チオカルボニル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシチオカルボニル基、チオール基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)チオ基、無置換もしくはモノ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)スルファモイル基無置換又はモノ―もしくはジ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルもしくは置換又は無置換アリール)スルホンアミド基、無置換又はモノ―もしくはジ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルもしくは置換又は無置換アリール)オキシスルホニルアミノ基、無置換又はモノ―もしくはジ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルもしくは置換又は無置換アリール)オキシカルボニルアミノ基、カルボキシル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシカルボキシル基、C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシスルホキシル基、C3―C6置換又は無置換シクロアルキル基、置換又は無置換アラルキル基、O原子又はS原子あるいはN原子を少なくとも1個含む5員もしくは6員置換又は無置換複素芳香環O原子又はS原子あるいはN原子を少なくとも1個含む5員もしくは6員置換又は無置換複素飽和環を表す。式中R2、R3、R4はそれぞれ同一または異なって、水素原子、ニトロ基、シアノ基、C1―C6置換又は無置換アルキル基、C2−C6置換又は無置換アルケニル基、C2−C6置換又は無置換アルキニル基、置換又は無置換アリール基、C1―C6アルコキシ基、置換又は無置換アリールオキシ基、ホルミル基、ハロゲン、モノ―もしくはジ―(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)置換アミノ基、ヒドロキシ基、モノ―もしくはジ―(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)置換アミド基、N−置換もしくは無置換(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)カルバモイル基、無置換もしくはモノ―もしくはジ―もしくはトリ(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)置換ウレイド基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)カルボニル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシカルボニル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシスルホニル基(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)チオカルボニル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシチオカルボニル基、チオール基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)チオ基、無置換もしくはモノ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)スルファモイル基、無置換又はモノ―もしくはジ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルもしくは置換又は無置換アリール)スルホンアミド基、無置換又はモノ―もしくはジ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルもしくは置換又は無置換アリール)オキシスルホニルアミノ基、無置換又はモノ―もしくはジ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルもしくは置換又は無置換アリール)オキシカルボニルアミノ基、カルボキシル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシカルボキシル基、C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシスルホキシル基、C3―C6置換又は無置換シクロアルキル基、置換又は無置換アラルキル基、O原子又はS原子あるいはN原子を少なくとも1個含む5員もしくは6員置換又は無置換複素芳香環、O原子又はS原子あるいはN原子を少なくとも1個含む5員もしくは6員置換又は無置換複素飽和環を表す。また、R2とR3もしくはR3とR4は互いに結合して5又は6員環を形成してもよい。式中R5は水素原子、ニトロ基、シアノ基、C1―C6置換又は無置換アルキル基、C2−C6置換又は無置換アルケニル基、C2−C6置換又は無置換アルキニル基、置換又は無置換アリール基、C1―C6アルコキシ基、置換又は無置換アリールオキシ基、ホルミル基、ハロゲン、モノ―もしくはジ―(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)置換アミノ基、ヒドロキシ基、モノ―もしくはジ―(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)置換アミド基、N−置換もしくは無置換(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)カルバモイル基、無置換もしくはモノ―もしくはジ―もしくはトリ(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)置換ウレイド基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)カルボニル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシカルボニル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシスルホニル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)チオカルボニル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシチオカルボニル基、チオール基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)チオ基、無置換もしくはモノ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)スルファモイル基、無置換又はモノ―もしくはジ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルもしくは置換又は無置換アリール)スルホンアミド基、無置換又はモノ―もしくはジ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルもしくは置換又は無置換アリール)オキシスルホニルアミノ基、無置換又はモノ―もしくはジ―N置換(C1―C6置換又は無置換アルキルもしくは置換又は無置換アリール)オキシカルボニルアミノ基、カルボキシル基、(C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシカルボキシル基、C1―C6置換又は無置換アルキルあるいは置換又は無置換アリール)オキシスルホキシル基、C3―C6置換又は無置換シクロアルキル基、置換又は無置換アラルキル基、O原子又はS原子あるいはN原子を少なくとも1個含む5員もしくは6員置換又は無置換複素芳香環、O原子又はS原子あるいはN原子を少なくとも1個含む5員もしくは6員置換又は無置換複素飽和環を表す。]で表されるトルイジン類をアシル化剤(ここで使用するアシル化剤とは、カルボン酸のカルボキシル基から−OHを除いて誘導される基だけでなく、硫酸、硝酸、燐酸のような無機酸もしくはカルバミン酸、炭酸、スルホン酸、ホスホン酸のような有機酸から−OHを除いて誘導された基も含む、広義の酸から―OHを除いて誘導された基の意味である。)と反応させる事により得られる下記一般式(2)【化2】[式中R1、R2、R3、R4、R5は前記と同一である]で表されるN−アシル体を有機溶媒中、N,N−ジメチルホルムアミドジアルキルアセタール類と有機2級アミンの存在下(または非存在下)反応する事を特徴とする下記一般式(3)【化3】[式中R1、R2、R3、R4、R5は前記と同一である]で表されるインドール誘導体の製造法を提供するものである。【0006】本発明はインドール誘導体を製造するに際し、アシル化、閉環の二工程で行なうものであり、面倒な廃棄物の放出もなく操作性も向上して、しかも好収率で目的物が得られるので工業上の利用価値が極めて高い。【0007】本発明の製造方法を詳細に説明する。本発明では、まずアシル化剤を用いてトルイジン類のN−アシル化を行なう。本発明の製造法で用いる原料であるトルイジン類は一般式(1)で表される化合物である。そのような化合物としては、例えば、以下のような化合物が挙げられる。【0008】【化4】【0009】【化5】【0010】【化6】【0011】【化7】【0012】【化8】【0013】【化9】【0014】【化10】【0015】【化11】【0016】【化12】【0017】【化13】【0018】【化14】【0019】【化15】【0020】【化16】【0021】本発明に使用されるアシル化剤としては、酢酸、無水酢酸、アセチルハライドベンゾイルハライド、p−トルエンスルホン酸ハライド、ハロゲノ炭酸エチル、ハロゲン化ジエチルカルバミル、シンナモイルハライド、2−フロイルハライドプロピオニルハライド、メタンスルホニルハライド、ジエチルリン酸ハライド等が挙げられる。特に工業的見地から無水酢酸、アセチルクロライドの使用が有利である。【0022】アシル化剤の使用量はトルイジン類に対して0.1倍モルから10倍モル、好ましくは等モルから1.2倍モルの範囲である。等モル以下では原料残が多量に残ってしまい実用的ではなく、1.2倍モル以上では副反応(ジアシル化)が起こるので好ましくない。【0023】本発明のアシル化反応においては反応溶媒を使用する事が好ましく、反応溶媒としては通常アシル化反応に使用される溶媒が用いられる。その具体例としては酢酸エチル、酢酸メチル、ジオキサン、CCl4,CHCl3,CH2Cl2、THF、ヘキサン、リグロイン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンアセトン、トルエン、ベンゼン、キシレン、アセトニトリル等が挙げられるが、好ましくはアセトン、トルエン、アセトニトリルである。これらは単独あるいは2種以上の混合系でも用いられる。【0024】アシル化反応の反応溶媒の使用量はトルイジン類の種類により一定しないが、通常1〜100倍(容量)、好ましくは2〜10倍(容量)の範囲である。【0025】アシル化反応の反応温度は特に制限はないが好ましくは10℃〜100℃の範囲である。10℃以下では反応速度が小さく実用的ではなく、100℃以上では副反応(ジアシル化)が起こるので好ましくない。【0026】反応時間はトルイジン類の種類あるいは反応温度等によって一定しないが、通常は0.1乃至10時間である。【0027】このようにして得られた一般式(2)で示されるN−アシル体は、反応液を一般的な濾過、抽出または/かつ濃縮、蒸留することによって単離される。【0028】一般式(2)で示されるN−アシル体は閉環反応によりインドール誘導体へと変換される。本発明の閉環反応においては反応溶媒を使用することが好ましく、反応溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級脂肪族アルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソロブ、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、ジオキサン、DMF、DMSO(ジメチルスルホキシド)、CCl4、CHCl3,CH2Cl2、THF、ヘキサン、リグロイン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、トルエン、ベンゼン、キシレン、アセトニトリル等が挙げられるが、好ましくはDMF、DMSO、トルエン、キシレン等の高沸点溶媒である。【0029】閉環反応の反応溶媒の使用量はN−アシル体の種類により一定しないが、通常1〜100倍(容量)、好ましくは2〜10倍(容量)の範囲である。【0030】閉環反応に使用されるN,N−ジメチルホルムアミドジアルキルアセタール類としては、N,N−ジメチルホルムアミドビス{2−(トリメチルシリル)エチル}アセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジベンジルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジ−t−ブチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジシクロヘキシルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジネオペンチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられるが、特に工業的見地からN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールの使用が有利である。【0031】このN,N−ジメチルホルムアミドジアルキルアセタール類の使用量はN−アシル体に対して0.1倍モルから10倍モル、好ましくは等モルから1.5倍モルの範囲である。等モル以下では原料残が多量に残ってしまい実用的ではなく、1.5倍モル以上では経済性を考慮すると好ましくない。【0032】閉環反応に使用される有機2級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジアリルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、3、3’−イミノジプロピオニトリル、イミノジ酢酸、エチレンイミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジフェニルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾール、トリアゾール等が挙げられるが、特に工業的見地からジエチルアミン、ジイソブチルアミン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、モルホリン、ピロリジンの使用が有利である。【0033】この有機2級アミンは反応性により使用しなくても良い場合もあるが、使用する場合は使用量に特に制限はないが、好ましくは等モルから1.5倍モルの範囲である。反応性により等モル以下でも問題ないが、1.5倍モル以上では経済性を考慮すると好ましくない。【0034】閉環反応の反応温度は特に制限はないが好ましくは50℃〜150℃の範囲である。50℃以下では反応速度が小さく実用的ではなく、150℃以上では副反応が起こるので好ましくない。【0035】反応時間はN−アシル体の種類あるいは反応温度等によって一定しないが、通常は0.1乃至10時間である。【0036】このように本発明で得られた一般式(3)で示されるインドール誘導体は反応液を一般的な濾過、抽出または/かつ濃縮、蒸留することによって単離される。所望により公知方法例えばカラムクロマト、蒸留、再結晶等により精製することが可能である。【0037】【実施例】以下に、実施例を掲げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。【0038】比較例1攪拌機、還流冷却器、温度計の備わった200mlフラスコに、2−アミノ−6−ニトロトルエン30.4g(0.2mol)、N,N−ジメチルホルミアミドジメチルアセタール35.7g(0.3mol)、ピロリジン21.3g(0.3mol)およびDMF150mlを仕込んだ後、内温100℃で3時間攪拌した。その後、濃縮し、濃縮残渣をガスクロマトグラフィーマススペクトロメーターで分析したところ、痕跡の4−ニトロインドールを得た。【0039】実施例1攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートの備わった200mlフラスコに、2−アミノ−6−ニトロトルエン45.6g(0.3mol)およびアセトニトリル90mlを仕込んだ後、室温攪拌下、滴下ロートに入れた無水酢酸33.7g(0.33mol)を約10分で添加した。添加終了後、放冷攪拌中に60℃近くまで昇温があり、この時点で結晶が析出した。内温が室温まで戻った時点から1時間氷冷し、濾過することにより、ガスクロマトグラフィー純度100.0%の2−(N−アセチルアミノ)−6−ニトロトルエン50.7gを得た。2−アミノ−6−ニトロトルエンに対する2−(N−アセチルアミノ)−6−ニトロトルエンの収率は87.1%であった。【0040】実施例2攪拌機、還流冷却器、温度計の備わった500mlフラスコに、2−(N−アセチルアミノ)−6−ニトロトルエン48.5g(0.25mol)、N,N−ジメチルホルミアミドジメチルアセタール44.6g(0.375mol)、ピロリジン26.6g(0.375mol)およびDMF250mlを仕込んだ後、内温100℃で7時間攪拌した。その後、濃縮し、褐色のオイルを得た。このオイルをメタノール−水混合溶媒で再結晶し、ガスクロマトグラフィー純度100.0%の4−ニトロインドール33.0gが得られた。2−(N−アセチルアミノ)−6−ニトロトルエンからの収率は86.8%であった。融点206〜207℃。【0041】実施例3攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートの備わった200mlフラスコに、2−アミノ−6−クロロトルエン42.6g(0.3mol)およびアセトニトリル90mlを仕込んだ後、室温攪拌下、滴下ロートに入れた無水酢酸33.7g(0.33mol)を約10分で添加した。添加終了後、放冷攪拌中に60℃近くまで昇温があり、この時点で結晶が析出した。内温が室温まで戻った時点から1時間氷冷し、濾過することにより、ガスクロマトグラフィー純度100.0%の2−(N−アセチルアミノ)−6−クロロトルエン46.9gを得た。2−アミノ−6−クロロトルエンに対する2−(N−アセチルアミノ)−6−クロロトルエンの収率は85.2%であった。【0042】実施例4攪拌機、還流冷却器、温度計の備わった500mlフラスコに、2−(N−アセチルアミノ)−6−クロロトルエン45.9g(0.25mol)、N,N−ジメチルホルミアミドジメチルアセタール44.6g(0.375mol)、ピロリジン26.6g(0.375mol)およびDMF230mlを仕込んだ後、内温100℃で7時間攪拌した。その後、濃縮し、褐色のオイルを得た。このオイルを蒸留により精製し、ガスクロマトグラフィー純度100.0%の4−クロロインドール31.5gが得られた。2−(N−アセチルアミノ)−6−クロロトルエンからの収率は83.2%であった。沸点129〜130℃/4mm。【0043】【発明の効果】本発明法によれば、入手困難である置換基を有するインドール誘導体を短い工程で、しかも、位置選択的に収率良く製造することができ、これによってその工業的な製造が可能になり、その製造コストの大幅な低減を図る事ができる。 下記一般式(1) [式中R1は、ニトロ基又は塩素原子を表す。 式中R2、R3、R4は、水素原子を表す。 式中R5は水素原子を表す。] で表されるトルイジン類をアシル化剤(ここで使用するアシル化剤とは、無水酢酸又はアセチルクロライドを表す。)と反応させる事により得られる下記一般式(2) [式中R1、R2、R3、R4、R5は前記と同一であり、Aは前記アシル化剤によって付加された基である]で表されるN−アシル体を有機溶媒中、有機2級アミンの存在下で、N,N−ジメチルホルムアミドビス{2−(トリメチルシリル)エチル}アセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジベンジルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジ−t−ブチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジシクロヘキシルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジネオペンチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドから選択される化合物と反応させる事を特徴とする下記一般式(3) [式中R1、R2、R3、R4、R5は前記と同一である]で表されるインドール誘導体の製造法。 R1がニトロ基である請求項1記載のインドール誘導体の製造法。 N−アシル体を得るために使用するアシル化剤が無水酢酸である請求項1記載の製造法。 一般式(2)で表されるN−アシル体を、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応させる請求項1記載の製造法。 有機2級アミンがピロリジンまたはピペリジンである請求項1記載の製造法。


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