生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_除毛剤組成物
出願番号:2000073539
年次:2008
IPC分類:A61K 8/73,A61K 8/46,A61K 8/19,A61Q 9/04


特許情報キャッシュ

杉本 憲一 JP 4031173 特許公報(B2) 20071026 2000073539 20000316 除毛剤組成物 クラシエホームプロダクツ株式会社 306018365 杉本 憲一 20080109 A61K 8/73 20060101AFI20071213BHJP A61K 8/46 20060101ALI20071213BHJP A61K 8/19 20060101ALI20071213BHJP A61Q 9/04 20060101ALI20071213BHJP JPA61K8/73A61K8/46A61K8/19A61Q9/04 A61K 8/00-8/99 A61Q 1/00-99/00 特開平02−300112(JP,A) 特開昭59−122501(JP,A) 特開昭50−046845(JP,A) 1 2001261537 20010926 6 20060213 ▲高▼岡 裕美 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、除毛剤組成物に関し、詳しくは、除毛性能に優れ、皮膚に対する刺激が少なく、保存安定性に優れた除毛剤組成物に関する。【0002】【従来の技術】手、足の産毛や脇毛等の体毛は女性においては、ムダ毛と呼ばれ、それらを目立たなくする或いは除去することがエチケットとして一般に行われている。このムダ毛を処理する方法としては、剃刀等を用いて剃ったり、粘着テープで物理的に抜いたり、或いは化学的な脱色により毛髪のブリーチを行う方法等がとられている。【0003】また、チオグリコール酸等のメルカプト化合物を用いた除毛剤も広く使用されており、これは、毛髪中のシスチン結合を切断することにより毛髪を柔軟化させて除毛する方法である。従来、この種の除毛剤においては、メルカプト化合物とアルカリ剤を使用することは公知であり、アルカリ剤を用いて高いpHとすることにより、毛髪を膨潤させ、チオグリコール酸カルシウム等のメルカプト化合物の活性を高めているのが一般的である。通常、アルカリ剤としては、水酸化カルシウムが配合されることが一般的であり、さらに乳化剤を使用して、油分を配合し、水酸化カルシウムやチオグリコール酸のカルシウム塩を乳化して使いやすいものとされている。これらの除毛剤は、長期保存することによって、微細なカルシウム塩が析出したり、硬度の高い針状物質が乳化物から遊離したりする現象が起こりやすいことから、このような現象を防止する方法として、チオグリコール酸と特定のアルカリ剤及び油性物質よりなる除毛剤組成物(特開平5−170624号公報)が示されており、安定性と機能性の向上が試みられてきた。【0004】従来のこのようなクリーム状の除毛剤は、除毛しようとした部位にクリームを塗布し、一定時間放置後に拭き取る操作を行うものであり、塗布後の放置時間は、毛髪の強度や太さ等によって個人差がある。従来のクリーム状の除毛剤においては、除毛しようとする毛髪がクリームに隠れてしまい、毛髪が軟化して拭き取るタイミングが判りにくいために、塗布後の放置時間が足りないと十分に脱毛することが出来なかったり、逆に長い時間放置しすぎて皮膚トラブルを発生する等の欠点を有していた。そこで、処理している毛髪の状態が観察でき、除毛完了した状態がわかれば、除毛処理に失敗することもないことから、除毛処置の実施しやすい除毛剤組成物が強く望まれていた。【0005】本発明は、このような実情のもとでなされたものであって、その目的は、除毛性能に優れ、皮膚に対する刺激が少なく、かつ保存安定性に優れた除毛剤組成物を提供することにある。【0006】【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、メルカプト化合物と水溶性アルカリ剤からなる除毛剤組成物に、特定のエーテル化度を有するカルボキシメチルセルロースを配合することによって、上記目的を達成することを見出し本発明を完成した。【0007】 すなわち、本発明は、メルカプト化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びそのリン酸塩から選ばれる一種又は二種以上の水溶性アルカリ剤、エーテル化度が1.0以上のカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を含有することを特徴とする透明な除毛剤組成物を提供するものである。【0008】【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。【0009】本発明に用いられるメルカプト化合物としては、チオグリコール酸、システイン、アセチルシステイン、チオ尿素、チオ乳酸等が挙げられ、また、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ塩が挙げられる。これらメルカプト化合物の中から、一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。好ましいメルカプト化合物は、チオグリコール酸及びその塩類である。メルカプト化合物の配合量は2.0〜10.0質量%(以下、単に%と略する)であって、好ましくは3.0〜5.0%である。メルカプト化合物が2.0%より少ないと除毛性が極端に悪くなる場合があり、一方10.0%より多いと皮膚への刺激が強くなる場合があり好ましくない。【0010】本発明に用いられる水溶性アルカリ剤は、水に透明に溶解する無機及び有機アルカリであって、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等の無機アルカリ、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、アルギニン等の有機アルカリが挙げられる。また、これら水溶性アルカリ剤の中から、一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。好ましい水溶性アルカリ剤としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム及びそのリン酸塩である。これら水溶性アルカリ剤の配合量は、通常0.5〜20%であり、好ましくは1.0〜10%である。また、除毛剤組成物のpHが11〜13.5の範囲になるように配合することが好ましい。pHが11よりも低いと除毛性が悪くなり、除毛するのに時間を要する場合があり、またpHが13.5を超えると皮膚への刺激が強くなる場合があり好ましくない。【0011】本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩は、セルロースの多価カルボキシメチルエーテルのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩であり、エーテル化度が1.0以上のものである。エーテル化度が1.0未満であると、透明性に欠け濁りを生じ、本発明の目的を達成できない。そして、エーテル化度が2.0以上であると更に好ましい。また、本発明におけるカルボキシメチルセルロースの金属塩とは、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等であり、工業的に広く製造されているナトリウム塩が最も一般的に使用される。また、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩もナトリウム塩と同様に本発明において優れた性能を示す。【0012】カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩の配合量は、0.5〜20%が好ましく、更に好ましくは、2.0〜10%である。0.5%より少ないと組成物を皮膚に塗布した際に流れ落ちてしまい、衣服を汚す等の問題点を生じる場合があり、また20%を超えると製造上溶解することが困難であったり、メルカプト化合物の毛髪内部への浸透性が阻害される場合があり好ましくない。【0013】また、本発明の除毛剤組成物には、通常の化粧料に用いられる他の成分、例えば、水、香料、エタノール、多価アルコール等のアルコール類、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤等の界面活性剤、防腐剤、紫外線防止剤、金属封鎖剤、ビタミン類、植物抽出エキス、コラーゲン加水分解物等の動物抽出物、油剤、防腐剤、保湿剤、抗炎症剤、色剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することが可能である。【0014】本発明の除毛剤組成物は、上記からも明らかなように、除毛性能に優れ、皮膚に対する刺激が少なく、保存安定性に優れた除毛剤組成物であって、その形態は、ミスト状、ローション状、クリーム状、ジェル状、エアゾール状等が挙げられるが、好ましい形態としては、皮膚表面から垂れ落ちなく、除毛処置の実施しやすい透明状ジェル状である。【0015】【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例に先立って各実施例で採用した試験法及び評価法を説明する。【0016】(1)除毛性の評価方法ガラス板上に人毛を10本固定し、その人毛に除毛剤組成物を塗布し最初の1本が縮れてから、最後の1本が縮れるまでの時間を測定する。これらの測定は30℃の恒温室にて実施する。尚、以下の基準で評価を行った。○:時間が5分以上15分未満△:時間が15分以上30分未満×:時間が30分以上【0017】(2)安全性(皮膚刺激性)の評価方法専門パネラー10名を用いて上腕内側部に5gの試料を直径3cmの円の大きさで塗布し、20分そのままの状態にし、その後水洗いし、1時間経過後の皮膚の状態を観察し、以下の基準により評価を行った。○:紅斑を認めた人が0人△:紅斑を認めた人が1人以上3人未満×:紅斑を認めた人が3人以上【0018】(3)外観、保存安定性の評価方法除毛剤組成物をガラス瓶に充填して、目視にて外観を観察した。また、45℃の恒温槽に3カ月間保存し、以下の基準により評価を行った。○:外観に異状もなく粘度低下を起してない△:やや粘度低下ややや分離を認める×:粘度低下や分離を認める【0019】実施例1〜4及び比較例1〜7表1に示す組成の除毛剤組成物を常法により調製し、除毛効果、皮膚刺激、外観、保存安定性を調べた。結果を表1に示す。【0020】【表1】【0021】表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜4の除毛剤組成物は、除毛効果、皮膚刺激、外観、保存安定性のいずれも評価が高かった。これと比較して、本発明の必須成分のいずれかを配合していない比較例1,2及び4の除毛剤組成物は、いずれかの評価項目において劣っていた。また、水溶性でないアルカリ剤(水酸化カルシウム)を配合した比較例3は、除毛効果や皮膚刺激の評価が劣り、外観においても透明性を示さなかった。また、エーテル化度の低いカルボキシメチルセルロースを配合した比較例5及び他の高分子化合物を配合した比較例6,7の除毛剤組成物はいずれの評価項目においても劣っていた。【0022】実施例5常法により下記組成で除毛剤組成物を調製し、除毛効果、皮膚刺激、外観、保存安定性を評価した。その結果、実施例5は、いずれの特性も優れており良好であった。【0023】【0024】実施例6常法により下記組成で除毛剤組成物を調製し、二重構造のエアゾール容器に充填し、ついで窒素ガスを充填してエアゾールタイプの除毛剤組成物を得た。除毛効果、皮膚刺激、外観、保存安定性を評価した。その結果、実施例6は、いずれの特性も優れており良好であった。【0025】【0026】【発明の効果】本発明の除毛剤組成物は、除毛効果に優れ、皮膚に対する刺激が少なく、除毛中の毛髪状態がわかる透明なジェル状であって、かつ保存安定性に優れる顕著な効果を発揮するものである。 メルカプト化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びそのリン酸塩から選ばれる一種又は二種以上の水溶性アルカリ剤、エーテル化度が1.0以上のカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を含有することを特徴とする透明な除毛剤組成物。


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