生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_モルタル組成物の選択方法
出願番号:2000046211
年次:2009
IPC分類:C04B 28/02,G01N 33/38,C04B 18/14,C04B 14/28,C04B 24/38,C04B 24/22,C04B 24/26,C04B 24/30


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倭 富士桜 柴 大介 佐藤 孝洋 代田 協一 浜田 大輔 JP 4372299 特許公報(B2) 20090911 2000046211 20000223 モルタル組成物の選択方法 花王株式会社 000000918 古谷 聡 100087642 古谷 馨 100063897 溝部 孝彦 100076680 持田 信二 100091845 倭 富士桜 柴 大介 佐藤 孝洋 代田 協一 浜田 大輔 20091125 C04B 28/02 20060101AFI20091105BHJP G01N 33/38 20060101ALI20091105BHJP C04B 18/14 20060101ALN20091105BHJP C04B 14/28 20060101ALN20091105BHJP C04B 24/38 20060101ALN20091105BHJP C04B 24/22 20060101ALN20091105BHJP C04B 24/26 20060101ALN20091105BHJP C04B 24/30 20060101ALN20091105BHJP JPC04B28/02G01N33/38C04B28/02C04B18:14 CC04B14:28C04B24:38 AC04B24:22 ZC04B24:26 EC04B24:30 AC04B24:30 Z C04B7/00-32/02 C04B40/00-40/06 C04B103/00-111/94 特開平11−278892(JP,A) 特開平5−8206(JP,A) 特開平9−156986(JP,A) 特開2001−64057(JP,A) 4 2001233655 20010828 8 20070110 永田 史泰 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、モルタル組成物に関する。【0002】【従来の技術】下水路や側溝に使用されるコンクリート製品は、その製造工程で高温での蒸気養生が行われるため、生コンクリートに較べて砂利等の粗骨材の割合が大きい。そのため、この分野に用いられるコンクリートは流動性が低くなり、通常、振動を加えることで充填性と製品の表面美観を確保している。【0003】高流動コンクリートは、無振動もしくは微振動によって充填できるが、上記のような粗骨材が多く配合される系で用いるためには、コンクリートの材料分離抵抗性と流動性を注意深くバランスさせることが要求される。【0004】しかし、従来の間隙通過性試験とスランプフローでは、各材料の配合の影響を適正に把握することができず、振動製品分野に適した高流動コンクリートを容易に製造することができなかった。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、振動製品分野において、充填性と表面美観を高い水準で両立する高流動コンクリートが得られるモルタル組成物を提供することにある。【0006】【課題を解決するための手段】本発明は、下記方法により測定された流下時間が10〜20秒であり、且つJIS R5201 10.7 フロー試験の方法(ただしタッピングは行わず、テーブル台は700mm×700mmを使用)により測定されたフロー値が250〜310mmであるモルタル組成物、及び該モルタル組成物を含有する、粗骨材の嵩容積率が51〜55%の高流動コンクリートに関する。<流下時間の測定方法>直径100mmの上部投入開口と、直径20mmの下部排出開口とを有する先細形状を備え、長さが300mmの筒(材質はステンレス鋼)からなる装置に、下部排出開口を閉じた状態でモルタル組成物を上部投入開口まで充填した後、下部排出開口を開いてモルタル組成物を流下させ、流下が終了するまでの時間(秒)を測定する。【0007】更に本発明は、水140〜190kg/m3、セメント250〜500kg/m3、細骨材750〜1000kg/m3及び嵩容積率が51〜55%となる量の粗骨材を混練してコンクリート組成物を製造するに際し、該コンクリート組成物から目開き5mmのふるいで粗骨材を分離して得られるモルタル組成物の上記方法により測定される流下時間が10〜20秒且つ上記方法により測定されるフロー値が250〜310mmとなるように、微粉体、水溶性高分子及び分散剤から選ばれる少なくとも1種を添加し混練する工程を有する振動成型用の高流動コンクリートの製造方法に関する。【0008】ここで、高流動コンクリートとは、「コンクリートライブラリー93 高流動コンクリート施工指針」(1998年、丸善(株)発行)の9頁に定義される「フレッシュ時の材料分離抵抗性を損なうことなく流動性を著しく高めたコンクリート」のことである。また、材料分離抵抗性とは、重力や外力等による材料分離作用に対して、コンクリート構成材料の分布の均一性を保持しようとするフレッシュコンクリートの性質のことである。この材料分離抵抗性が低いと表面美観の不良やコンクリート強度等の力学的物性の不均一が生じる。【0009】【発明の実施の形態】本発明は、高流動コンクリート中のモルタル組成物の特定の方法による流下時間とフロー値が特定範囲にある場合に、充填性と表面美観を高い水準で両立する振動成型用の高流動コンクリートが得られることを見出したものである。【0010】本発明における流下時間の測定に用いられる装置を図1に示す。図1(a)は該装置の側部からの概略図、(b)は平面からの概略図である。図1の装置は、上部投入開口1が内径100mm、下部排出開口2が内径20mm、長さLが300mmの先細形状の筒からなる。図1の装置は適当な支持手段で固定され、下部排出開口2をゴム栓や板等で閉じた状態でモルタル組成物を充填し、上部投入開口1の面で擦り切った後、下部排出開口2を開放してモルタルを自然流下させ、流下が終了するまでの時間を測定する。なお、本発明において、流下の終了とは、上部投入開口から目視で観察したときにモルタルの少なくとも一部に孔が確認される状態を言う。【0011】 本発明のモルタル組成物は、高流動コンクリートに好適であるが、かかる高流動コンクリートは、モルタル組成物の流動性だけでなく、材料分離抵抗性の尺度となる流下時間も適正に設計しなければならない。すなわち、無振動又は微振動下で、粗骨材や水のモルタル組成物からの分離を発生させないだけの十分な材料分離抵抗性を有すると共に、流動性を阻害するような過度の材料分離抵抗性とならないようにしなければならない。このような適正なモルタル組成物の材料分離抵抗性は、上記方法により測定される流下時間が10〜20秒、好ましくは12〜19秒の範囲にすることで得ることができる。モルタル組成物の流下時間が10秒以上であると、無振動又は微振動下の充填時に、粗骨材がモルタル組成物から分離せず、粗骨材同士の噛み合いが低減され、製品表面の残留気泡が少なくなったり、噛み合った骨材で形成される空間にモルタル組成物が流入して蜂の巣状の未充填部分となる、いわゆるジャンカの発生が抑制できる。また、モルタル組成物の流下時間が20秒以下であると、モルタル組成物の粘性が適正となり、フロー値が本発明で規定する上限近傍であっても、充填時にコンクリートに巻き込まれる気泡が抜けやすくなり、硬化後の表面への気泡の残留を抑制できる。【0012】モルタル組成物の流下時間は、微粉体及び水溶性高分子から選ばれる一種以上を配合しその配合量を調整することで制御できる。硬化遅延の抑制及び流下時間とフローの両立の観点からは微粉体の使用が好ましい。微粉体としては、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末、フライアッシュ、シリカヒューム、珪石粉等が挙げられる。好ましくは高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末である。また、水溶性高分子としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリオキシエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、多糖類誘導体(特開平3−285857号、特開平11−1355号等の多糖類)や特開平7−82251号の水溶性高分子が挙げられ、好ましくはセルロース誘導体である。これらの配合量は、セメントが250〜500kg/m3、水が140〜190kg/m3の場合、セメント+微粉体で450〜600kg/m3、特に500〜550kg/m3であることが好ましい。更に、総粉体量のうち、微粉体は50〜300kg/m3、特に100〜250kg/m3であることが好ましい。また、水溶性高分子は、水に対して0.001〜5重量%、特に0.05〜2重量%が好ましい。この範囲の微粉体量あるいは水溶性高分子量であると、材料分離抵抗性が適正化され、分散剤の使用量が徒に増加しないので好ましい。【0013】また、フロー値は、JIS R5201 10.7フロー試験の方法(ただしタッピングは行わず、テーブル台は700mm×700mmを使用)により測定される。粗骨材を含有するコンクリートを用いる場合において、無振動又は微振動の下で、モルタル組成物に被覆された状態で流動させるには、モルタル組成物の流動性の尺度であるフロー値が250〜310mmであることが必要で、更には270〜290mmであることが望ましい。フロー値が250mm以上であると、流動性がよく、無振動又は微振動下で充填しても、型枠端部に未充填部分が発生せず、また、このような部分を解消するための強い振動を必要とせず、高流動コンクリートで達成すべきメリットが維持される。また、フロー値が310mm以下であると、コンクリート全体の流動性が細骨材の表面水率によらず維持され、製造管理が容易となる。【0014】フロー値の調整には、公知の分散剤が使用できる。例えば、高性能分散剤として使用されるナフタレン系、メラミン系、アミノスルホン酸系、ポリカルボン酸系、ポリエーテル系等が挙げられる(コンクリート総覧:技術書院、1998年6月10日、第128〜130頁、高性能減水剤、高性能AE減水剤の欄参照)。分散剤の添加量は、フロー値が上記の範囲となる量で、且つセメントと微粉体の合計に対して、0.05〜2重量%が好ましい。【0015】以上の性状を満たす本発明のモルタル組成物を含有する高流動コンクリートは、振動製品用途に有用であるが、無振動から極めて低出力(0〜45Hz)の振動で充填が可能となり、騒音が解消されるばかりでなく、表面気泡や空隙の少ない製品表面を得ることができる。【0016】高流動コンクリートは、製造途中で蒸気養生工程が行われるため、ある程度の粗骨材量を必要とするが、粗骨材量が多いと、充填中に粗骨材同士が噛み合う確率が高くなり、未充填部分や表面気泡の発生原因となりやすい。そこで、本発明の高流動コンクリートでは、粗骨材の嵩容積率を51〜55%、更には52〜54%に設定し粗骨材量を下記式に従って決定する。なお、本発明において、粗骨材とは、JIS A−5383付属書1(レディミクスト用コンクリート骨材)に示す、川砂利、陸砂利、砕石等をいう。粗骨材量(kg/m3)=嵩容積率(%)×粗骨材実積率(%)×粗骨材比重×0.01ここで、粗骨材実積率はJIS−A1104に従い測定される。【0017】本発明の高流動コンクリートは、水140〜190kg/m3、セメント250〜500kg/m3、細骨材750〜1000kg/m3及び嵩容積率が51〜55%となる量の粗骨材を混練してコンクリート組成物を製造するに際し、該コンクリート組成物から目開き5mmのふるいで粗骨材を分離して得られるモルタル組成物が上記の流下時間とフロー値を満たすよう、微粉体、水溶性高分子及び分散剤から選ばれる少なくとも1種を添加し混練する工程を有する製造方法により得ることができる。上記セメント量は蒸気養生強度を確保するための好ましい範囲である。【0018】なお、流下時間、フロー値の調整は、別途少量配合実験により適正な配合量を求めたり、各コンクリート組成物に調整剤を添加して調整する等、何れの方法でもよいが、生産効率の点からは前者の方法が好ましい。【0019】本発明の対象となるコンクリートは、セメント類、細骨材、粗骨材を主成分とするものであるが、各種の添加剤(材)を使用することもでき、モルタル性状が所定範囲であればよい。例えば、AE剤、遅延剤、消泡剤、起泡剤、防水剤、防腐剤、各種セメント類等が挙げられる。更に、本発明の対象となるコンクリートは、モルタル組成物の性状が所定範囲であれば、コンクリートのタイプにも限定されず、例えば、気泡(軽量)コンクリート、重量コンクリート、防水コンクリート等に適用される。【0020】【実施例】表1に示す成分で調製した高流動コンクリートを用いて、以下の方法でモルタル性状、コンクリート製品の表面性を評価した。粗骨材の嵩容積率は53%として配合量を決定した。結果を表1に示す。なお、表1中のコンクリートを構成する成分は以下の通りであり、コンクリート中の空気量は1〜2%となるように消泡剤(消泡剤No21、花王(株)製、脂肪酸エステル系)を添加して調整した。W:水道水C:普通ポルトランドセメント(比重3.16)BS:高炉スラグ微粉末(エスメント4000(新日鐵高炉セメント(株))LS:石灰石微粉末(ネオフロー、清水工業(株))S:君津産陸砂(比重2.58)G:和歌山産砕石(比重2.60、実積率60.9%)MC:メチルセルロース(ダイセル170、ダイセル化学工業(株))M−1:マイティ150(花王(株)、ナフタレン系高性能減水剤)M−2:マイティ21HF(花王(株)、ポリエーテル系高性能減水剤)M−3:マイティ150V−2(花王(株)、メラミン系高性能減水剤)M−4:マリアリムAKM−60F(日油社製、ポリカルボン酸系高性能減水剤)M−5:アクアロックFC−600C(日本触媒社製、ポリカルボン酸系高性能減水剤)M−6:サンフローHS−700(日本製紙社製、アミノスルホン酸系系高性能減水剤)。【0021】(1)モルタル性状表1に示す成分で調製したコンクリートを目開き5mmの篩で篩分けして粗骨材を取り除いたものをモルタルサンプルとし、その流下時間を図1の装置を用いて、またフロー値をJIS R5201 10.7フロー試験の方法(ただしタッピングは行わず、テーブル台は700mm×700mmを使用)により測定した。図1の装置としては、上部投入開口径1が直径100mm、下部排出開口径2が直径20mm、長さLが300mmのもの(ステンレス鋼(SUS304)製)を使用し、流下時間は、該装置の下部排出開口2を閉じた状態でモルタル組成物を充填し、上部投入開口1の面で擦り切った後、該装置の下部排出開口2を開放してモルタル組成物を自然流下させ、上部投入開口から目視で観察したときにモルタルの少なくとも一部に孔が確認されるまでの時間(秒)を測定した。【0022】(2)コンクリート製品の表面性表1のコンクリートを鋼製型枠(縦×横×高さ=100mm×200mm×500mm)に入れ、テーブル振動機で20秒間振動した(振幅0.3mm、3300vpm、30Hz)。24時間後に型枠から脱型して、コンクリート表面1000cm2当たりの気泡の数を測定した。気泡の大きさは、▲1▼直径0.5mm以上5mm未満、▲2▼直径5mm以上10mm未満、▲3▼直径10mm以上の3つに分類して測定した。【0023】【表1】【0024】(注)MCの配合量はWに対する重量%であり、分散剤の配合量はC+BS+LSに対する重量%である。【0025】【発明の効果】本発明の流下時間及びフロー値を満たすモルタル組成物は、分離抵抗性に優れ、高流動コンクリートに用いた場合に製品の表面美観が向上できる。【図面の簡単な説明】【図1】モルタル組成物の流下時間の測定に用いられる装置の概略図【符号の説明】1…上部投入開口2…下部排出開口 モルタル組成物の流下時間を下記方法により、フロー値をJIS R5201 10.7 フロー試験の方法(ただしタッピングは行わず、テーブル台は700mm×700mmを使用)によりそれぞれ測定し、流下時間が10〜20秒且つフロー値が250〜310mmであるモルタル組成物を、高流動コンクリートの製造に用いる、モルタル組成物の選択方法。<流下時間の測定方法> 直径100mmの上部投入開口と、直径20mmの下部排出開口とを有する先細形状を備え、長さが300mmの筒(材質はステンレス鋼)からなる装置に、下部排出開口を閉じた状態でモルタル組成物を上部投入開口まで充填した後、下部排出開口を開いてモルタル組成物を流下させ、流下が終了するまでの時間(秒)を測定する。 高流動コンクリートの粗骨材の嵩容積率が51〜55%である、請求項1記載のモルタル組成物の選択方法。 高流動コンクリートが振動成型用である請求項2記載のモルタル組成物の選択方法。 水140〜190kg/m3 、セメント250〜500kg/m3 、細骨材750〜1000kg/m3 及び嵩容積率が51〜55%となる量の粗骨材並びに微粉体、水溶性高分子及び分散剤から選ばれる少なくとも1種を混練してコンクリート組成物を製造し、 該コンクリート組成物から目開き5mmのふるいで粗骨材を分離して得られるモルタル組成物について請求項1記載のモルタル組成物の選択方法を行い、モルタル組成物の流下時間が10〜20秒且つフロー値が250〜310mmであるコンクリート組成物を、振動成型用の高流動コンクリートとして用いる、振動成型用の高流動コンクリートの製造方法。


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