生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_イオン化塩の製造方法
出願番号:2000043328
年次:2010
IPC分類:C01D 3/04,A23L 1/237,A61K 33/14,B01J 19/08,C01D 3/14


特許情報キャッシュ

▲高▼松 邦明 大原 成子 JP 4540170 特許公報(B2) 20100702 2000043328 20000221 イオン化塩の製造方法 ▲高▼松 邦明 595075458 大原 成子 595075469 河野 登夫 100078868 ▲高▼松 邦明 大原 成子 JP 1999047191 19990224 20100908 C01D 3/04 20060101AFI20100819BHJP A23L 1/237 20060101ALI20100819BHJP A61K 33/14 20060101ALI20100819BHJP B01J 19/08 20060101ALI20100819BHJP C01D 3/14 20060101ALI20100819BHJP JPC01D3/04 ZA23L1/237A61K33/14B01J19/08 JC01D3/14 Z C01D 1/00-17/00 特開平10−201446(JP,A) 特開平10−206321(JP,A) 特開平05−017129(JP,A) 特開平02−002830(JP,A) 特開昭59−116123(JP,A) 1 2000313617 20001114 9 20070119 岡本 恵介 【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、調味料、化粧品原料及び医薬品原料等として用いられるイオン化塩の製造方法に関する。【0002】【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 従来、塩化ナトリウムは、工業用、医療用及び調味料等の食用として広く用いられている。 しかし、味は塩辛いのみであり、その塩辛さも鋭いものであった。そこで、円やかで味わい深い食感を有した塩が求められていた。 また、空中にプラスイオンが多く存在する場合、人体において血液及びリンパ液等の体液、並びに気の流れが悪くなり、血圧上昇、血糖増加、血管収縮及び利尿抑制等の生体作用が生じ、その結果、細胞の活性が減じ、人は興奮しやすくなり、不快感があり、不眠になり、食欲が減退する等の症状が現れ、美容上のトラブル、健康障害及び疾病が誘発されることが知られている。そこで、プラスの静電気を中和し、又はマイナスに転じさせて美容上のトラブル、健康障害及び疾病の発生を防止するために、マイナスイオンが発生する機能が付加された空気清浄機等の種々の機器、寝具(布団、枕)及び衣類等が開発されている。 しかし、この機器等からは大気中にマイナスイオンが拡散し、人体に直接作用するマイナスイオンの量は少なく、十分に機能していないという問題があった。 本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、従来の塩化ナトリウムの塩辛みの鋭さが緩和され、円やかな食感を有するとともに、人体に直接マイナスイオンを供給して体液等の流れを良くし、血圧下降、血糖減少、血管拡張及び利尿促進等の生体作用を生じさせることができるイオン化塩の製造方法を提供することを目的とする。【0003】【課題を解決するための手段】 第1発明のイオン化塩の製造方法は、塩化ナトリウムを、静電気軽減除去装置により負電荷を与えられた石英坩堝に投入し、長さ1.5m、直径8cmのガラス管に、石英坩堝、銅板、コード及び静電気軽減除去装置を備えるマイナスイオン化装置により負電荷を与えられた粒状又は粉末状のSi又はSiOx(0<x≦2)が封入された静電気軽減除去手段を、100坪の敷地の四隅及び中央の地下5mの深さの位置に埋設した場所で、その後、500〜700℃で、30分〜2時間焼成することを複数回繰り返すことを特徴とする。 ここで、マイナスイオン化とは、負電荷を与えられることを意味する。 本発明の製造方法においては、負電荷を与えられた石英坩堝に塩化ナトリウムを投入することにより負電荷が塩化ナトリウムに移行して、塩化ナトリウムは負電荷を帯びた状態になり、さらに静電気軽減除去手段が埋設された場所でこれを焼成するので、イオン化が固定され、経時的に帯電量が減少するのが抑制される。 塩化ナトリウムにマイナスイオンが与えられると、不純物として含まれていた臭化ナトリウムの臭素が遊離する等して組成が変化し、塩辛みの鋭さが緩和される。 また、この塩化ナトリウムを医療用又は食用として用いることにより、人体にマイナスイオンが直接供給されて、体液等の流れが良くなり、血圧下降、血糖減少、血管拡張及び利尿促進等の生体作用が生じて細胞が活性化される。【0006】【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係るイオン化塩の製造に適用するマイナスイオン化装置を示す斜視図である。マイナスイオン化装置は、石英坩堝5、銅板6、コード7及び静電気軽減除去装置8を備えたものである。静電気軽減除去装置8は、特開平11−87086号公報に開示されている。開口面の内径が略40cm、高さが略40cmの石英坩堝1の開口側外縁部及び底部が、それぞれ銅板6及びコード7を介して静電気軽減除去装置8に接続されている。静電気軽減除去装置8を作動させ、石英坩堝5にマイナスイオンを3時間程度供給し、石英坩堝5から正の静電気を十分に除去した後、塩化ナトリウム(食塩)1を1kg、開口側から石英坩堝5に投入し、静電気軽減除去装置8を作動させた状態で、所定時間(3〜15分)放置し、食塩1をマイナスイオン化させる。【0007】次に、前記食塩を焼成する。図2は、この実施形態において適用する静電気軽減除去手段としてのイオン棒9(特許第2896762号)を示す立体図である。このイオン棒9は、長さ1.5m、直径8cmのガラス管91に、粒状又は粉末状の5〜6kgの珪素(Si)92を封入、密閉したものである。Si92は、予め、前記マイナスイオン化装置により、マイナスイオン化、すなわち負電荷を与えられている。図3は、食塩1を焼成する建物及び敷地を示す側面図であり、図4はその平面図である。100坪の敷地12の中央部に、建物11(底面3.6m×9.0m)が建てられている。敷地12の四隅と中央(建物11の中央)には、地下5mの深さに、前記イオン棒9がその長手方向を上下方向に一致させて、埋設されている。建物11の中央部には電気炉13が配置されている。【0008】上述のようにしてマイナスイオン化された食塩1を石英坩堝5から陶器製の坩堝14に移し、これを、電気炉13に入れ、500〜700℃で、30分〜2時間焼成する。坩堝14は直方体状であり、底面30cm×30cm、高さ20cmである。この坩堝14も石英坩堝5と同様にして予めマイナスイオン化されている。【0009】前記マイナスイオン化及び前記焼成は1回でもよいが、これを複数回行った場合、さらにイオン化の程度が高まった食塩を得ることができる。イオン化前の食塩を通常の場所で焼成した場合、焼成の回数が増加するのに従って食塩が茶色く変色するのに対し、上述の方法でマイナスイオン化及び焼成を繰り返した場合、マイナスイオン化及び焼成の回数が増加するのに従って、イオン化塩の白さと輝きとが増すことが観察されている。この高イオン化塩は、低イオン化塩と比較して塩辛みの鋭さがより緩和されている。また、高イオン化塩の飽和食塩水を作製し、10分〜1時間放置した場合、透明である上層、若干不透明である中間層及び少し白濁した下層の三層に分層するが、上層の水溶液を注射液及び点眼液等に使用したとき、肩こり等の症状が軽減したり視力が向上する等の良好な結果が得られることが確認されている。【0010】なお、イオン棒9のガラス管91の長さ及び直径、並びにSi92の量は、建物11及び敷地12の大きさ等により適宜選択すればよい。イオン棒9の埋設位置、深さ及びその個数も、建物11及び敷地12の大きさ及び形状等を考慮して適宜選択する。そして、この実施形態においては、ガラス管91にSi92を封入しているが、SiOxを封入してもよい。この場合、xは、1.0<x≦2.0であるのが好ましい。【0011】以上のようにして得られたイオン化塩及びイオン化前の塩について、静電電位を測定した。図5はその結果を示すグラフである。図中、低イオン化塩は前記マイナスイオン化及び焼成を1回行ったものであり、高イオン化塩は前記マイナスイオン化及び焼成を複数回行ったものである。それぞれの塩各1gを日本スタティック(株)製ファラデーケージの中に入れ、日本スタティック(株)製静電電位測定器SV−77Aにより静電電位を測定した。図中のON及びOFFは計測の開始及び終了を示す。測定条件は、室温20℃、湿度20%である。図5より、イオン化の程度が増加するのに従い、負の帯電量の絶対値が大きくなっていることが判る。【0012】図6〜図9はイオン化塩について遠赤外分析を行った結果を示すグラフであり、図10及び図11はイオン化前の塩について遠赤外分析を行った結果を示すグラフである。図6、図8及び図10は1cm当りの波数と遠赤放射率との関係を示すグラフであり、図7、図9及び図11は波長と遠赤放射強度との関係を示すグラフであり、理想黒体(理論値)のグラフを波線で示している。そして、図6及び図7のイオン化塩は低イオン化塩であり、図8及び図9は高イオン化塩である。【0013】図6〜図11のグラフより、イオン化前の塩に見られた波長3μm及び6μmのピークがイオン化塩では見られなくなっており、イオン化塩では波長9μmのピークが見られることが判る。また、イオン化塩では、波数3600cm-1から1300cm-1までの間は遠赤放射率は20%前後で略アルミニウム等の金属のグラフと一致している。遠赤放射率は、イオン化前の塩は58.8%、低イオン化塩は29.7%、高イオン化塩は27.7%である。また、波長9μmの遠赤放射率は、低イオン化塩は46.6%、高イオン化塩は32.0%である。以上の結果より、イオン化の前後で結晶構造等に変化が生じたことが判り、また、イオン化の程度が高くなるのに従い、波長9μmの遠赤放射率が低くなることが判る。波長9μmの遠赤放射率が33%以下であるイオン化塩は、上述したように、より塩辛みの鋭さが緩和されており、医療用又は化粧品原料として用いた場合は、人体により多くマイナスイオンを供給することができる。【0014】次に、前記高イオン化塩及びイオン化前の塩について、その成分を分析した結果を表1に示す。分析は蛍光X線分析法により行った。【0015】【表1】【0016】表1より、前記イオン化塩はイオン化前の食塩と比較して、臭素の含有量が0.24%から0.017%に減じていることが判る。これは食塩にマイナスイオンが付与されたことにより、不純物として含まれていた臭化ナトリウムの臭素が遊離したためと考えられる。【0017】本発明のイオン化塩は、従来の塩の塩辛みの鋭さが緩和されており、円やかで味わい深い食感を有している。従って、このイオン化塩をジュース等の飲物及び漬物等の食品に添加したり、煮物等を調理するときに使用すると、味が円やかになる。また、このイオン化塩を食することにより、人体にマイナスイオンが直接供給されて、体液等の流れが良くなり、血圧下降、血糖減少、血管拡張及び利尿促進等の生体作用が生じる。このイオン化塩は食用のみではなく、医療用又は化粧用原料として用いることができ、人体に直接マイナスイオンを供給することができる。【0018】【発明の効果】以上、詳述したように、第1発明による場合は、食塩にマイナスイオンが与えられているので、不純物として含まれていた臭化ナトリウムの臭素が遊離する等して組成が変化し、塩辛みの鋭さが緩和されている。従って、円やかで味わい深い食感を有しており、このイオン化塩をジュース等の飲物及び漬物等の食品に添加したり、煮物等を調理するときに使用すると、味が全体的に円やかになる。また、このイオン化塩を医療用又は食用として用いることにより、人体にマイナスイオンが直接供給されて、体液等の流れが良くなり、血圧下降、血糖減少、血管拡張及び利尿促進等の生体作用が生じて細胞が活性化される。【0020】 本発明による場合は、負電荷を与えられた石英坩堝に食塩を投入することにより負電荷が食塩に移行して、食塩は負電荷を帯びた状態になり、さらに静電気軽減除去手段が埋設された場所でこれを焼成するので、イオン化が固定され、経時的に帯電量が減じるのが抑制される。従って、イオン化塩の性状が維持される。【図面の簡単な説明】【図1】本発明に係るイオン化塩の製造に適用するマイナスイオン化装置を示す斜視図である。【図2】本発明のイオン化塩の製造に適用するイオン棒を示す立面図である。【図3】本発明のイオン化塩の製造において、食塩を焼成する建物及び敷地を示す側面図である。【図4】図3の平面図である。【図5】イオン化前の塩、低イオン化塩及び高イオン化塩の静電電位を測定した結果を示すグラフである。【図6】低イオン化塩の遠赤外線分析を行った結果を示すグラフであり、波数と遠赤放射率との関係を示すグラフである。【図7】低イオン化塩の遠赤外線分析を行った結果を示すグラフであり、波長と遠赤放射強度との関係を示すグラフである。【図8】高イオン化塩の遠赤外線分析を行った結果を示すグラフであり、波数と遠赤放射率との関係を示すグラフである。【図9】高イオン化塩の遠赤外線分析を行った結果を示すグラフであり、波長と遠赤放射強度との関係を示すグラフである。【図10】イオン化前の食塩の遠赤外線分析を行った結果を示すグラフであり、波数と遠赤放射率との関係を示すグラフである。【図11】イオン化前の食塩の遠赤外線分析を行った結果を示すグラフであり、波長と遠赤放射強度との関係を示すグラフである。【符号の説明】1 食塩5 石英坩堝8 静電気軽減除去装置9 イオン棒11 建物12 敷地 塩化ナトリウムを、静電気軽減除去装置により負電荷を与えられた石英坩堝に投入し、長さ1.5m、直径8cmのガラス管に、石英坩堝、銅板、コード及び静電気軽減除去装置を備えるマイナスイオン化装置により負電荷を与えられた粒状又は粉末状のSi又はSiOx(0<x≦2)が封入された静電気軽減除去手段を、100坪の敷地の四隅及び中央の地下5mの深さの位置に埋設した場所で、その後、500〜700℃で、30分〜2時間焼成することを複数回繰り返すことを特徴とするイオン化塩の製造方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る