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タイトル:特許公報(B2)_アンチモン化合物およびその製造方法
出願番号:2000031799
年次:2010
IPC分類:C07F 9/90,C07B 61/00,C07C 45/46,C07C 49/76


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小林 修 河本 一郎 JP 4491892 特許公報(B2) 20100416 2000031799 20000209 アンチモン化合物およびその製造方法 住友化学株式会社 000002093 中山 亨 100113000 小林 修 河本 一郎 20100630 C07F 9/90 20060101AFI20100610BHJP C07B 61/00 20060101ALN20100610BHJP C07C 45/46 20060101ALN20100610BHJP C07C 49/76 20060101ALN20100610BHJP JPC07F9/90C07B61/00 300C07C45/46C07C49/76 A C07F 9/90ー19/00 C07B 61/00 C07C 45/46 CAplus(STN) REGISTRY(STN) JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) JCHEM(JDreamII) 仏国特許出願公開第02756279(FR,A1) 特開昭59−066449(JP,A) 特開平05−320089(JP,A) 特開平10−230167(JP,A) Bulletin of the Chemical Society of Japan,Vol.70, No.6,p.1421-1426 (1997). 2 2001226389 20010821 6 20060915 安田 周史 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアンチモン化合物に関する。【0002】【従来の技術】スカンジウム トリフルオロメタンスルホネート、ハフニウム トリフルオロメタンスルホネート等に代表される希土類金属等のトリフルオロメタンスルホン酸塩が、フリーデルクラフツ反応において、触媒として優れた性能を示すことが知られている。【0003】しかしながら、かかる希土類金属等のトリフルオロメタンスルホン酸塩の製造原料である希土類金属化合物等は比較的高価であり、また入手性という点でもやや問題があり、工業的という観点からは、必ずしも十分満足しうるものではなく、より工業的に有利な触媒の開発が望まれていた。【0004】【発明が解決しようとする課題】このような状況のもと、本発明者らは、より工業的に有利なフリーデルクラフツ反応の触媒について鋭意検討したところ、アンチモン ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドに代表される新規なアンチモン化合物が、触媒として優れた性能を有することを見出し、本発明に至った。【0005】【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般式(1)(式中、Aは酸素原子、窒素原子または炭素原子を表わす。Aが酸素原子の場合、Rfは炭素数2〜10のペルフルオロアルキル基を、nは1を表わし、Aが窒素原子の場合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは2を表わし、Aが炭素原子の場合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは3をそれぞれ表わす。)で示されるアンチモン化合物またはその水和物を提供するものである。【0006】【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。一般式(1)【0007】で示される新規なアンチモン化合物の式中、Aは酸素原子、窒素原子または炭素原子を表わし、Aが酸素原子の場合、Rfは炭素数2〜10のペルフルオロアルキル基を、nは1を表わし、Aが窒素原子の場合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは2を表わし、Aが炭素原子の場合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは3をそれぞれ表わす。【0008】炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基等が挙げられる。【0009】かかる一般式(1)で示される新規なアンチモン化合物としては、例えばアンチモン ペンタフルオロエタンスルホネート、アンチモン ヘプタフルオロプロパンスルホネート、アンチモン ノナフルオロブタンスルホネート、アンチモンウンデカフルオロペンタンスルホネート、アンチモン トリデカヘキサンスルホネート、アンチモン ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、アンチモンビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、アンチモン ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)アミド、アンチモン ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)アミド、アンチモン ビス(ノナフルオロブタンスルホニルン)アミド、アンチモン ビス(ウンデカフルオロペンタンスルホニルン)アミド、アンチモン ビス(トリデカフルオロヘキサンスルホニル)アミド、アンチモン ビス(ヘプタデカフルオロオクタンスルホニル)アミド、【0010】アンチモン トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタイド、アンチモン トリス(ペンタフルオロエタンスルホニル)メタイド、アンチモン トリス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)メタイド、アンチモン トリス(ノナフルオロブタンスルホニル)メタイド、アンチモン トリス(ウンデカフルオロペンタンスルホニル)メタイド、アンチモン トリス(トリデカフルオロヘキサンスルホニル)メタイド、アンチモン トリス(ヘプタデカフルオロオクタンスルホニル)メタイド等が挙げられる。【0011】かかる一般式(1)で示されるアンチモン化合物は、一般式(2)(式中、Xはハロゲン原子、アセチル基、トリフルオロアセチル基、フェニル基またはナフチル基を表わす。)で示されるアンチモン類と一般式(3)(式中、A、Rfおよびnはそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)で示される化合物を反応させることにより製造することができる。【0012】上記一般式(2)で示されるアンチモン類としては、例えばトリフルオロアンチモン、トリクロロアンチモン、トリブロモアンチモン、トリヨードアンチモン、アンチモン アセテート、アンチモン トリフルオロアセテート、トリフェニルアンチモン、トリナフチルアンチモン等が挙げられる。【0013】上記一般式(3)で示される化合物としては、例えばペンタデカフルオロメタンスルホン酸、ヘプタデカフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペンタデカフルオロエタンスルホニル)イミド、ビス(ヘプタデカフルオロプロパンスルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、ビス(ウンデカフルオロペンタンスルホニル)イミド、ビス(トリデカフルオロヘキサンスルホニル)イミド、ビス(ヘプタデカフルオロオクタンスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホン)メタン、トリス(ペンタフルオロエタンスルホン)メタン、トリス(ヘプタフルオロプロパンスルホン)メタン、トリス(ノナフルオロブタンスルホン)メタン、トリス(ウンデカフルオロペンタンスルホン)メタン、トリス(トリデカフルオロヘキサンスルホン)メタン、トリス(ヘプタデカフルオロオクタンスルホン)メタン等が挙げられる。【0014】一般式(3)で示される化合物の使用量は、特に制限されない。【0015】一般式(2)で示されるアンチモン類と一般式(3)で示される化合物の反応は、無溶媒で行ってもよいが、通常は溶媒の存在下に実施される。溶媒としては、例えばヘキサン、へプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラフルオロ−1,2−ジブロモエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等の単独または混合溶媒が挙げられる。かかる溶媒の使用量は特に制限されないが、実用的には、一般式(2)で示されるアンチモン類に対して、100重量倍以下である。【0016】本反応は、一般式(2)で示されるアンチモン類と一般式(3)で示される化合物を混合すればよく、その混合順序は特に限定されない。【0017】反応温度は、通常−100〜200℃である。【0018】上記反応は、例えば窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。【0019】反応終了後、濾過、濃縮、抽出等の通常の後処理を行うことにより、一般式(1)で示されるアンチモン化合物を取り出すことができる。【0020】かかる一般式(1)で示されるアンチモン化合物は、その製造条件により、無水物または水和物として得られる。【0021】かかる一般式(1)で示されるアンチモン化合物は、芳香族化合物とアシル化剤との反応(いわゆるフリーデルクラフツ反応)の有効な触媒であり、例えば芳香族化合物、アシル化剤および一般式(1)で示されるアンチモン化合物を混合し、所定温度で反応させることにより、芳香族ケトン類が得られる。【0022】【発明の効果】本発明の新規なアンチモン化合物は、フリーデルクラフツ反応において優れた触媒活性を示すため、有機合成上極めて有用である。【0023】【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。【0024】実施例1アルゴン雰囲気下、反応容器に、ノナフルオロブタンスルホン酸1.46gおよびジクロロメタン14mLを加えた後、内温−78℃に冷却し、攪拌しながらトリフェニルアンチモン0.61gを加えた。徐々に室温まで昇温し、室温で4.5時間攪拌、保持した。その後、減圧下で溶媒留去し、薄褐色粘ちょうな物質を得た。該物質をジクロロメタン5mLで溶解させ、ヘキサン10mLを加えて、再沈殿させた。析出した固体を濾別し、ヘキサン5mLで洗浄し、減圧下、室温で2時間乾燥させ、アンチモン ノナフルオロブタンスルホネートの灰白色粉体1.10gを得た(元素分析にて、2.87水和物として検出された)。元素分析値:Calcd.;C:13.46%,H:0.54%、Found;C:13.39%,H:0.54%【0025】実施例2アルゴン雰囲気下、反応容器に、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.90gおよびジクロロメタン8mLを加えた後、内温0℃に冷却し、攪拌しながらトリフェニルアンチモン0.40gを加えた。徐々に内温40℃まで昇温した後、同温度で4時間攪拌、保持した。その後、室温まで冷却し、減圧下で溶媒留去した。得られた固体を減圧下、室温で1時間乾燥させ、アンチモン ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドの淡黄色粉体0.97gを得た。13C−NMR(CD2Cl2):δ=119.1ppm(q,J=321.4Hz)【0026】実施例3実施例2において、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.90gに代えて、等モルのトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンを用いる以外は実施例2と同様に実施することにより、アンチモン トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタイドを得ることができる。【0027】参考例1アルゴン雰囲気下、反応容器に、m−キシレン2.61g、n−ヘキサノイル クロリド0.11gおよびアンチモン ノナフルオロブタンスルホネート0.083gを加え、内温100℃で24時間攪拌、保持した。室温まで冷却し、飽和食塩水およびジエチルエーテルを加え、抽出処理した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄で得られた水層は先の抽出処理で得られた水層と混合し、ジエチルエーテルで抽出処理した。得られたエーテル層を先の有機層と混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムを濾別後、濃縮処理し、黄色オイル4.53gを得た。ガスクロマトグラフィにより分析したところ、1−(2,4−ジメチルフェニル)−ヘキサ−1−オンが収率76%で生成していた。【0028】参考例2参考例1において、m−キシレン4.05g、n−ヘキサノイル クロリド0.17gおよびアンチモン ノナフルオロブタンスルホネート0.122gを用いた以外は、参考例1と同様に実施して、1−(2,4−ジメチルフェニル)−ヘキサ−1−オンを収率69%で得た。 一般式(1)(式中、Aは酸素原子、窒素原子または炭素原子を表わす。Aが酸素原子の場合、Rfは炭素数2〜10のペルフルオロアルキル基を、nは1を表わし、Aが窒素原子の場合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは2を表わし、Aが炭素原子の場合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは3をそれぞれ表わす。)で示されるアンチモン化合物またはその水和物。 一般式(2)(式中、Xはハロゲン原子、アセチル基、トリフルオロアセチル基、フェニル基またはナフチル基を表わす。)で示されるアンチモン類と一般式(3)(式中、Aは酸素原子、窒素原子または炭素原子を表わす。Aが酸素原子の場合、Rfは炭素数2〜10のペルフルオロアルキル基を、nは1を表わし、Aが窒素原子の場合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは2を表わし、Aが炭素原子の場合、Rfは炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基を、nは3をそれぞれ表わす。)で示される化合物を反応させることを特徴とする一般式(1)(式中、A、Rfおよびnはそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)で示されるアンチモン化合物の製造方法。


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