生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_履帯部品の摩耗試験方法および摩耗試験装置
出願番号:2000019525
年次:2008
IPC分類:G01N 3/56


特許情報キャッシュ

竹野 裕之 中島 正弘 横溝 正二郎 畠山 誠司 丹羽 清和 JP 4079569 特許公報(B2) 20080215 2000019525 20000128 履帯部品の摩耗試験方法および摩耗試験装置 トピー工業株式会社 000110251 田渕 経雄 100083091 竹野 裕之 中島 正弘 横溝 正二郎 畠山 誠司 丹羽 清和 20080423 G01N 3/56 20060101AFI20080403BHJP JPG01N3/56 F G01N 3/00-62 実開昭62−001150(JP,U) 特開平10−260122(JP,A) 特開平06−018390(JP,A) 2 2001208664 20010803 7 20050526 森 竜介 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、履帯(無限軌道帯)部品の摩耗試験方法および摩耗試験装置に関する。【0002】【従来の技術】履帯部品の摩耗試験には、従来、つぎの2種類がある。1.グラインディング摩耗試験機による試験図6に示すように、履帯部品(ピンまたはブッシュ)と同材質で形状がリング状の2つの試験片1、2を互いに押し付け、接触させながら互いに異なる回転数で回転させる。試験片間には砂3を投入し、その摩擦により摩耗させ、評価する。2.実車走行による試験組み付け前に各履帯部品(ピンおよびブッシュ)について寸法を計測する。その後組み付け、パワーショベル等の建設機械に履帯を装着し、実車走行(約1200時間、実現場作業と同等の作業(走行、掘削、旋回)を繰り返す)を行う。その後、履帯を解体後、各部品の走行前後の寸法、形状を比較し、摩耗状態を評価する。【0003】【発明が解決しようとする課題】実際にピン、ブッシュの摩耗に影響を及ぼすと考えられる要因は、以下の通りである。イ.ピン、ブッシュの材質および硬さロ.ピン、ブッシュ間のクリアランスハ.ピン、ブッシュ間の潤滑ニ.シールの性能ホ.土砂の種類上記1.、2.の従来履帯部品の摩耗試験には、つぎの問題がある。1.グラインディング摩耗試験この試験では、▲1▼ 上記イ.のピン、ブッシュの材質および硬さ特性に係わる摩耗試験しか行うことができない。▲2▼ 実車走行時と同等の摩耗現象を再現することができないため多面的評価が困難である。2.実車走行試験この試験では、▲1▼ 時間(約1200時間)を要する。▲2▼ 費用(人件費)がかかり、広大な場所を要する。本発明の目的は、短時間で、しかも室内の試験で、実車試験と対応した摩耗現象を再現できる履帯部品の摩耗試験方法および摩耗試験装置を提供することにある。【0004】【課題を解決するための手段】 上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。(1) 2駒のリンクを、下部のリンクの上端部に嵌装したブッシュに上部のリンクの下端部に嵌装したピンを挿通することにより、直列に、連結した試験材を下部のリンクの上端部に嵌装したブッシュの中央部を受け治具で受けるようにして摩耗試験装置にセットし、 上部から加圧シリンダーにより、実車走行時にリンクベルト片側に加わる作用力に相当した試験荷重を試験材の上部のリンクに加え、 モーターの回転をクランク機構によりクランク運動に変換して下部のリンクに伝え、実車走行時リンクベルト1回転で単一リンクが屈曲移動する量に相当した量の強制屈曲運動を下部のリンクに行わせる、履帯部品の摩耗試験方法。(2) 2駒のリンクを、下部のリンクの上端部に嵌装したブッシュに上部のリンクの下端部に嵌装したピンを挿通することにより、直列に、連結した試験材により履帯部品の摩耗試験を行う摩耗試験装置であって、 下部のリンクの上端部に嵌装したブッシュの中央部を受ける受け治具と、 実車走行時にリンクベルト片側に加わる作用力に相当した試験荷重を試験材の上部のリンクに加える加圧シリンダーと、 実車走行時リンクベルト1回転で単一リンクが屈曲移動する量に相当した量の強制屈曲運動を下部のリンクに行わせる、モーターおよび該モーターの回転をクランク運動に変換して下部のリンクに伝えるクランク機構と、からなる履帯部品の摩耗試験装置。【0005】上記(1)の履帯部品の摩耗試験方法および(2)の履帯部品の摩耗試験装置では、試験材が2駒のリンクからなるので、室内試験となり、広大な場所が必要でなく、かつ、短時間の摩耗試験が可能である。また、加圧シリンダーで上部リンクに荷重を加えるとともに、下部リンクを強制屈曲運動させるので、実車試験と対応した摩耗現象を再現できる。【0006】【発明の実施の形態】本発明実施例の履帯部品の摩耗試験装置を図1−図5を参照して説明する。本発明実施例の履帯部品の摩耗試験装置10は、2駒のリンク12をピン13とブッシュ14で連結した試験材11により履帯部品の摩耗試験を行う摩耗試験装置である。2駒のリンク12は、下部のリンクの上端部に嵌装したブッシュに上部のリンクの下端部に嵌装したピン13を挿通することにより連結される。【0007】本発明実施例の履帯部品の摩耗試験装置10は、2駒のリンク12の連結部のブッシュ中央部を受ける受け治具15と、実車走行時にリンクベルト片側に加わる作用力に相当した試験荷重を試験材11の上部のリンク12に加える加圧シリンダー16と、実車走行時リンクベルト1回転で単一リンクが屈曲移動する量に相当した量の強制屈曲運動を下部のリンク12に行わせる、モーター17および該モーター17の回転をクランク運動に変換して下部のリンク12に伝えるクランク機構18と、からなる。【0008】摩耗試験装置10は、さらに架台19と、受け治具15を支持しかつ架台19に軸受20を介して回転可能に支持される回転治具21と、上部のリンク12の上端部に嵌装したブッシュに加圧シリンダー(油圧シリンダー)16からの荷重をかける押し治具22と、加圧シリンダー16と押し治具22との荷重伝達経路の途中に設けられたロードセル23と、下部のリンク12の下端部に嵌装された連結ピン34の外周に嵌装された軸受24と、軸受24に回動可能に連結された横連結棒25と、横連結棒25とクランク機構18とを連結する縦連結棒26と、を有する。履帯24と下部リンク12との間にはカラー35が設けられている。縦連結棒26は架台19に支持された支点27まわりに回動可能である。モーター17の回転は、クランク機構18により縦連結棒26の支点27まわりの回動に変換され、さらに横連結棒26を介して回転治具21および受け治具15の軸受20軸芯まわりの揺動に変換される。【0009】2駒のリンク12を連結しているピン13およびブッシュ14の部分、および受け治具15は、泥水28を入れるタンク29内にあり、タンク29に泥水28を入れた時には、2駒のリンク12を連結しているピン13およびブッシュ14の部分、および受け治具15は、泥水中に浸漬して、泥水中での試験も行うことができるようになっている。タンク29内にはエアーを穴から噴出できる管30が設けられており、泥水をエアバブリングにより攪拌できるようになっている。また、2駒のリンク12を連結しているピン13およびブッシュ14の部分、および受け治具15に、砂31を供給するホッパー32と、供給された砂が落下した時に砂を受ける砂受けボックス33が設けられている。【0010】試験材11にかける荷重の調整は、加圧シリンダー(油圧シリンダー)16の油圧回路の圧力をリリーフ弁にて調整することにより行う。圧力が設定値に達したら、加圧シリンダー16の油圧回路の油圧ポンプ・モーターを停止し、圧力が低下したら起動する。また、下部のリンク12の揺動角度は、図示例では一定で40°としたが、揺動角度可変としてもよい。縦連結棒26における支点27位置を可変とすることにより、揺動角度を可変とすることができる。【0011】つぎに、本発明実施例の履帯部品の摩耗試験方法を、図1〜図5を参照して、説明する。本発明実施例の履帯部品の摩耗試験方法は、2駒のリンク12をピン13とブッシュ14で連結した試験材11をブッシュ中央部を受け治具15で受けるようにして摩耗試験装置10にセットする工程と、上部から加圧シリンダー16により、実車走行時にリンクベルト片側に加わる作用力に相当した試験荷重を試験材11の上部のリンク12に加える工程と、電動モーター17の回転をクランク機構18によりクランク運動に変換して下部のリンク12に伝え、実車走行時リンクベルト1回転で単一リンクが屈曲移動する量に相当した量の強制屈曲運動を下部のリンク12に行わせる工程と、からなる。【0012】摩耗試験は、試験材11の2駒のリンク12をピン13とブッシュ14で連結している部分を、泥水28に浸漬せずかつ砂31を供給しない状態で、または泥水28に浸漬し砂31を供給しない状態で、または泥水28に浸漬せずかつ砂31を供給した状態で、または泥水28に浸漬しかつ砂31を供給した状態で、行う。このように多様な状態の試験を行うことができるとともに、実車走行を模擬した状態の試験を行うことができる。【0013】【発明の効果】請求項1の履帯部品の摩耗試験方法および請求項2の履帯部品の摩耗試験装置によれば、試験材が2駒のリンクからなるので、室内試験となり、広大な場所が必要でなく、かつ、短時間の摩耗試験が可能である。また、加圧シリンダーで上部リンクに荷重を加えるとともに、下部リンクを強制屈曲運動させるので、実車試験と対応した摩耗現象を再現できる。【図面の簡単な説明】【図1】本発明実施例の履帯部品の摩耗試験装置の正面図である。【図2】本発明実施例の履帯部品の摩耗試験装置の側面図である。【図3】図1のうち試験材とその近傍の拡大正面図である。【図4】図2のうち試験材とその近傍の拡大側面図である。【図5】図1のピン、ブッシュ、受け治具の拡大側面図である。【図6】従来の摩耗試験の拡大側面図である。【符号の説明】10 摩耗試験装置11 試験材12 リンク13 ピン14 ブッシュ15 受け治具16 加圧シリンダー17 モーター18 クランク機構19 架台20 軸受21 回転治具22 押し治具23 ロードセル24 軸受25 横連結棒26 縦連結棒27 支点28 泥水29 タンク30 管31 砂32 ホッパー33 砂受けボックス34 連結ピン35 カラー 2駒のリンクを、下部のリンクの上端部に嵌装したブッシュに上部のリンクの下端部に嵌装したピンを挿通することにより、直列に、連結した試験材を下部のリンクの上端部に嵌装したブッシュの中央部を受け治具で受けるようにして摩耗試験装置にセットし、 上部から加圧シリンダーにより、実車走行時にリンクベルト片側に加わる作用力に相当した試験荷重を試験材の上部のリンクに加え、 モーターの回転をクランク機構によりクランク運動に変換して下部のリンクに伝え、実車走行時リンクベルト1回転で単一リンクが屈曲移動する量に相当した量の強制屈曲運動を下部のリンクに行わせる、履帯部品の摩耗試験方法。 2駒のリンクを、下部のリンクの上端部に嵌装したブッシュに上部のリンクの下端部に嵌装したピンを挿通することにより、直列に、連結した試験材により履帯部品の摩耗試験を行う摩耗試験装置であって、 下部のリンクの上端部に嵌装したブッシュの中央部を受ける受け治具と、 実車走行時にリンクベルト片側に加わる作用力に相当した試験荷重を試験材の上部のリンクに加える加圧シリンダーと、 実車走行時リンクベルト1回転で単一リンクが屈曲移動する量に相当した量の強制屈曲運動を下部のリンクに行わせる、モーターおよび該モーターの回転をクランク運動に変換して下部のリンクに伝えるクランク機構と、からなる履帯部品の摩耗試験装置。


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