生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_釣り糸等の耐摩耗試験機
出願番号:2000017293
年次:2009
IPC分類:G01N 3/56


特許情報キャッシュ

中崎 順仁 JP 4248719 特許公報(B2) 20090123 2000017293 20000126 釣り糸等の耐摩耗試験機 株式会社サンライン 591051966 森 寿夫 100114535 森 廣三郎 100075960 中崎 順仁 20090402 G01N 3/56 20060101AFI20090312BHJP JPG01N3/56 A G01N 3/56 特開平08−009850(JP,A) 特開平07−138810(JP,A) 実開平03−063842(JP,U) 実公昭35−001199(JP,Y1) 実開昭62−042054(JP,U) 特開平01−145546(JP,A) 特開2000−346773(JP,A) 特開2000−002641(JP,A) 特開平10−071547(JP,A) 特開昭60−197369(JP,A) 特開平08−304195(JP,A) 特開平02−084584(JP,A) 1 2001208663 20010803 9 20061109 福田 裕司 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、釣り糸、漁網用糸等、主として水中で使用される糸等の耐摩耗試験機に関するものである。【0002】【従来の技術】釣り糸を例にとると、水中に浸った状態で使用され、使用時に岩、コンクリート、釣り糸ガイド等に擦れる。そこで摩耗による釣り糸の劣化が生じ、長く使っていると破断の要因となる。水に浸漬される糸の耐摩耗試験を考えるとき、通常大気中で使用される糸の耐摩耗試験と同じでは正確な測定値が得られない。湿潤状態と乾燥状態では強伸度等の物理的性質が異なるし、大気中では糸の摩耗性に拘わらず、摩擦熱で切断されるため、本来の耐摩耗性が得られないからである。これまで釣り糸のように水中に浸った状態で使用される糸を対象として耐摩耗試験を行う装置はほとんど無く、糸を製造する各社が適当な方法又は装置を検討して試験を行っていた。従って測定方法もそれによって得られた測定値の表示も各社バラバラの状態にあった。【0003】【発明が解決しようとする課題】糸が空中にある場合はもちろんのこと、水中にあるときの状態でも耐摩耗試験を行うことができ、しかも、測定者によって誤差の生じない耐摩耗試験機を提供する。【0004】【課題を解決するための手段】 本発明の糸等の耐摩耗試験機は、試験対象の糸を研摩ブロックと往復運動機構により複数回摩擦接触させ、糸切れセンサにより糸切れを検出して、糸切れが生じるまでの往復回数で耐摩耗性を測定する方法を実現したものである。すなわち、試験糸が釣り糸、漁網用の糸等であって、該試験糸のほぼ中間付近の水中又は空気中で該試験糸と摩擦接触する研摩ブロックと、該試験糸の一端で該試験糸を繰返し引く往復運動機構と、該試験糸の他端に設けた荷重手段と、該試験糸の端部間に設けた糸切れセンサとからなり、研摩ブロックは水槽上部のベース板の下方に設けられた垂直方向ベースで上下動可能に取り付けられ、試験糸を研摩ブロックの両側で回転ガイドに係合すると共に研磨ブロックの下方から掛け回し、試験糸の研摩ブロックの同一部位で接触するのを避けるように糸道へトラバース装置を設け、糸切れに至るまでの摩擦接触回数を測定することを特徴とする釣り糸等の耐摩耗試験機である。【0005】このような耐摩耗試験方法を実現する耐摩耗試験機は、試験対象の釣り糸、漁網用糸等の試験糸と摩擦接触する研摩ブロックと、該試験糸の一端で該糸を繰返し引く往復運動機構と、該試験糸の他端に設けた荷重手段と、該試験糸の端部間に設けた糸切れセンサとからなる。ここにいう往復運動機構は試験糸を係止した状態で、所定長さ引いたり、元に戻したりする反復機能を有する構造であればよく、例えばモータの回転方向を定期的に変更するとか、カム機構を採用することができる。研摩ブロックは試験糸と接触して糸に摩耗を起こさせる機能を備えたもの、例えば砥石、研摩布等である。糸切れセンサにて糸切れが検出されると、往復運動機構による総往復回数で耐摩耗性を測定できる。荷重手段は試験糸を元に戻そうとする力を糸に与えるもので、一定の荷重を掛けることができる金属ブロックが好ましいが、バネのように荷重が掛かるもので代用することもできる。【0006】試験糸を研摩ブロックの両側でガイドに係合すると共に、試験糸の研摩ブロックの同部位で接触するのを避けるように糸道へトラバース装置を設けたことを特徴とする耐摩耗試験機とした。更に、試験糸を研摩ブロックの両側で回転ガイドに係合し、研摩ブロックを両回転ガイドが支持されたベース板に垂直方向ベースで上下動可能に固定し、前記両回転ガイドをベース板長手方向へ移動可能に設けてもよい。【0007】【発明の実施の形態】図1は本発明の耐摩耗試験機の実施例の正面図であり、図2は不使用時の同装置の正面図である。図3は図1中A−A断面図であり、図4は図1中B−B断面図である。本実施例の耐摩耗試験機1は水槽2の上に載置して使用することができる。水槽2は市販のものを使用することができるが、できれば水温調節機能を備えたものが好ましい。試験糸3のほぼ中間付近水中で摩擦接触する研摩ブロック4が、水槽2の上に載置されたベース板5に垂直方向ベース5aで上下動可能に取り付けられている。研摩ブロック4に試験糸3が触れて摩耗する。【0008】試験糸3は一端を繰返し引く往復運動機構6に突出させて設けた糸止め6aに係止されている。他端は荷重手段7と結ばれている。往復運動機構6は可逆回転モータによる定期的な台車の前進後退機構である。荷重手段7は金属製のブロックであって、いわゆる重量部材であって、試験糸3の太さ、強弱等によって荷重を任意に変更することができる。試験糸3の往復運動機構6と、荷重手段7との間に3個の回転ガイド8a〜8cがあり、試験糸3を適度に案内する。荷重手段7としてのウエイトを直接支持する回転ガイド8aは図中最右方に設けている。研摩ブロック4の左右上方に設けた回転ガイド8b,8cはベース板5の上部を摺動させて任意に移動させることができる。これによって試験糸3を抵抗なしに案内する。【0009】往復運動機構6と回転ガイド8cとの間に糸切れセンサ9を設けている。糸切れセンサ9は光電管式でもよいが、この例では感知針9aが水中使用糸に接触状態でなくなると糸切れと判断する。これにより往復回数で耐摩耗性を測定できる。【0010】次に上記本発明の水中使用糸の耐摩耗試験機を用いて測定した実施例を例示する。試験時の様子は図1にみられるが、糸径0.299mmのナイロン製釣り糸を試験糸3とし、荷重手段7として633.6gの金属製ブロックを用いてナイロン製釣り糸の試験糸3の端部に取り付け、研摩ブロック4に荒目砥石(WA砥粒#60)を用いて、糸速度2.16m/minでモータ駆動の往復運動機構6により115mm長の範囲を17回/minで往復研摩されるようにした。10回(n=10)試験した結果を表1に示す。平均は往復運動機構6が197.4回往復で糸切れを生じる結果となっている。【0011】【表1】【0012】図5〜図7は本発明の他の実施例を示しており、図5は正面図、図6は平面図、図7は左側面図である。この例に示す装置は複数本の試験糸3(この例では3本)の耐摩耗試験を同時に行うことができる。試験糸3を引く往復運動機構6として装置側面に縦方向に直動モータ10を設置している。直動モータ10の上下動軸上端に試験糸3の一端を連結し、装置反対側にまで張架した試験糸3の他端に荷重手段7を懸けている。試験糸3は回転ガイド8e、8d、8cと張架されたのち、水中又は空中にある研摩ブロック4に引っ掛け、水槽2から上方へ導くために8b、8aと張架したのち前記荷重手段7を懸けている。糸切れセンサ9は回転ガイド8eと8dとの間に設けている。【0013】耐摩耗試験中に試験糸3が研摩ブロック4の同一部位に接触するのを防止するために、試験糸3を研摩ブロック4の長手方向に移動させながら接触させるべく、糸道へトラバース装置11を設けている。トラバース装置11の構造は水槽2の上部左右へ進退杆12a,12bを設け、この進退杆12a,12bを同時に前後動可能にする支持杆13をモータ14により進退させるようにしている。試験糸3が進退杆12a,12bにそれぞれ設けられた糸保持環15を通されているので、進退杆12a,12bの進退によってトラバースするようにしている。なお、研摩ブロック4は上下方向に複数個設けて任意な位置のものの使用を可能にすると共に、回転ガイド8a、8b、8c等の設置も位置、数等適宜変更することができる。【0014】試験糸3を移動させる往復運動機構6は装置側面(図5左方)に縦方向に設置している。すなわち、直動モータ10の移動軸10aが装置本体側面で垂直方向、すなわち上下動する。上死点と下死点は任意に設定できるようにしており、そのために、移動軸10aへ上死点ブロック16aと下死点ブロック16bを設け、移動軸10aが試験糸3先端の荷重手段7の引きにより上昇する際には上死点ブロック16aが装置本体側面に設けられた上死点リミットスイッチ17aに接触するまで直動モータ10の運転が停止され、上死点ブロック16aが上死点リミットスイッチ17aに接触すると、一瞬停止の状態を維持した後に直動モータ10の運転が始まり、下死点ブロック16bが下死点リミットスイッチ17bに接触するまで移動軸10aが下降するようにし、この繰り返しによって試験糸3が進退し、往復研摩されるようにした。なお、この実施例の装置は、糸速度が3.2〜56.8mm/sec、糸道のトラバース速度1.0mm/sec、往復運動機構6によるストローク範囲100〜170mm、研摩ブロック4が25mmφの場合の接触角度56〜140°、同研摩ブロック4への試験糸3の接触長さ12.2〜30.5mmとした。上死点ブロック16aと下死点ブロック16bはいずれか一方のみでも同様な機能を発揮させることができる。【0015】この往復運動機構6により170mm長の範囲を56.8mm/secの速度で往復研摩されるようにし、試験糸の材質ナイロン(0.178mmφ)、荷重手段7の荷重200g、トラバース速度1.0mm/secで試験した結果を表2に示す。【0016】【表2】【0017】【発明の効果】本発明によって、水中で使用されたり、空気中で使用されたりする釣り糸や漁網用糸の正確な耐摩耗試験を、糸が水中にあるときや空中にあるときの状態で糸切れに至るまでの摩擦接触回数の測定によって実施できることとなった。しかも、測定者によって誤差の生じない耐摩耗試験機となっている。加えて、試験糸が研摩ブロックの同一部位に接触するのを防止するため測定値にバラツキがなく、研摩ブロックの偏摩耗も少ない。【図面の簡単な説明】【図1】本発明の耐摩耗試験機の正面図である。【図2】本発明の耐摩耗試験機の不使用時の同装置の正面図である。【図3】図1中A−A断面図である。【図4】図1中B−B断面図である。【図5】本発明の他の実施例の正面図である。【図6】本発明の他の実施例の平面図である。【図7】本発明の他の実施例の左側面図である。 試験糸が釣り糸、漁網用の糸等であって、該試験糸のほぼ中間付近の水中又は空気中で該試験糸と摩擦接触する研摩ブロックと、該試験糸の一端で該試験糸を繰返し引く往復運動機構と、該試験糸の他端に設けた荷重手段と、該試験糸の端部間に設けた糸切れセンサとからなり、研摩ブロックは水槽上部のベース板の下方に設けられた垂直方向ベースで上下動可能に取り付けられ、試験糸を研摩ブロックの両側で回転ガイドに係合すると共に研磨ブロックの下方から掛け回し、試験糸の研摩ブロックの同一部位で接触するのを避けるように糸道へトラバース装置を設け、糸切れに至るまでの摩擦接触回数を測定することを特徴とする釣り糸等の耐摩耗試験機。


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