タイトル: | 特許公報(B2)_新規ppGppシンセターゼおよび着目のタンパク質の改良生産のための発現系 |
出願番号: | 1999503608 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C12N 15/09,C12N 1/21,C12N 9/12,C12P 21/02,C12R 1/125,C12R 1/07,C12R 1/08,C12R 1/09,C12R 1/10 |
アンデルソン,イエンス テンネ エーリッチ,スタニスラス デュスコ JP 4368951 特許公報(B2) 20090904 1999503608 19980619 新規ppGppシンセターゼおよび着目のタンパク質の改良生産のための発現系 ノボザイムス アクティーゼルスカブ 500586299 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 中村 和広 100108903 渡辺 陽一 100117019 武居 良太郎 100150810 アンデルソン,イエンス テンネ エーリッチ,スタニスラス デュスコ DK 0726/97 19970620 20091118 C12N 15/09 20060101AFI20091029BHJP C12N 1/21 20060101ALI20091029BHJP C12N 9/12 20060101ALI20091029BHJP C12P 21/02 20060101ALI20091029BHJP C12R 1/125 20060101ALN20091029BHJP C12R 1/07 20060101ALN20091029BHJP C12R 1/08 20060101ALN20091029BHJP C12R 1/09 20060101ALN20091029BHJP C12R 1/10 20060101ALN20091029BHJP JPC12N15/00 AC12N1/21C12N9/12C12P21/02 CC12N15/00 AC12R1:125C12R1:07C12N1/21C12R1:07C12R1:125C12R1:08C12R1:09C12R1:10 C12N 15/00 - 15/90 C12N 1/21 C12N 9/12 C12P 21/02 UniProt/GeneSeq GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq MEDLINE/CAplus/BIOSIS/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) PubMed Biotechnol. Bioeng., 1997年 2月, vol.53, no.4, p.379-386 Mol. Microbiol., 1997年10月, vol.26, no.1, p.65-79 Nature, 1997年11月, vol.390, no.6657, p.249-256 J. Bacteriol., 1988年, vol.170, no.12, p.5642-5646 J. Biochem., 1984年, vol.95, no.3, p.895-897 FEMS Microbiol. Lett., 1989年, vol.58, no.2-3, p.125-128 Gene, 1994年 3月, vol.140, no.1, p.91-96 J. Biol. Chem., 1988年10月, vol.263, no.30, p.15699-15704 Mol. Gen. Genet., 1993年10月, vol.241, no.1-2, p.129-140 J. Bacteriol., 1994年10月, vol.176, no.19, p.5949-5957 Mol. Microbiol., 1996年 1月, vol.19, no.2, p.357-368 15 DK1998000261 19980619 WO1998059043 19981230 2002504829 20020212 32 20050620 戸来 幸男 発明の分野本発明は、新規ppGppシンセターゼおよび前記新規ppGppシンターゼの使用を含むグラム陽性菌中での着目のタンパク質の改良生産のための発現系に関する。発明の背景グラム陽性菌中では、細胞膜と細胞壁を横切って分泌タンパク質が輸送され、次いで細胞外培地中に放出される。グラム陽性菌、例えばB.サチリス(B. subtilis)、B.アミロリクファシエンス(B. amiloliquefaciens)、B.リヘニフォルミス(B. licheniformis)はタンパク質を分泌する能力が高く、実際、多数のバシラス菌細胞外酵素が工業的に利用されている。多数のタンパク質がグラム陽性細胞の分泌機構に関与している。WO 94/19471はバシラス属の分泌機構に関与しているPrsAタンパク質を記載しており、更にPrsAタンパク質の過剰発現を必要とする着目のタンパク質の細胞該タンパク質(exoprotein)の分泌を増強するための発現系を記載している。Dedhia他〔Biotechnology and Bioengineering 53: 379-386(1997)〕は、ppGppシンセターゼ(relA)を野性型量よりも少量発現するグラム陰性E.コリ株を記載している。そのようなグラム陰性E.コリ株は、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)タンパク質の改良生産を提供する。発明の要約本発明が解決しようとする課題は、グラム陽性菌、例えばバシラス菌株中での着目のタンパク質の改良生産のための発現系を提供することである。この課題は、バシラス種であるB.サチリス由来(配列番号1)およびB.アミロリクファシエンス由来(配列番号3)のクローン化された新規DNA配列に基づいており、両配列ともppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドをコードする。本明細書中に開示する新規のDNA配列情報は、例えば標準PCR技術によりグラム陽性菌から類似DNA配列をクローニングするのに利用できる。例えば、本明細書中の実施例を参照のこと(下記参照)。このDNA配列情報は、グラム陽性菌中での少なくとも1つの着目のタンパク質の改良生産のための発現系を作製する可能性を提供し、ここで前記グラム陽性菌はppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドを野性型量よりも少量発現している。従って、第一の面では、本発明は、単離されたポリヌクレオチド分子であって、(a) ppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドをコードし且つ配列番号1のヌクレオチド21からヌクレオチド2222までに示されるヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子;(b) (a)の種同族体;(c) 配列番号2のアミノ酸残基1からアミノ酸残基734までのアミノ酸配列に対して少なくとも70%同一であるppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子;(d) (a),(b)または(c)に相補的な分子;および(e) (a),(b),(c)または(d)の縮重ヌクレオチド配列、から成る群より選ばれた単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明の第二の面では、発現ベクターであって、次の作用可能に連結された要素:転写プロモーター;DNA配列であって、(a) ppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドをコードし且つ配列番号1のヌクレオチド21からヌクレオチド2225までに示されるヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子;(b) (a)の種同族体;(c) 配列番号2のアミノ酸残基1からアミノ酸残基734までのアミノ酸配列に対して少なくとも70%同一であるppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子;(d) (a),(b)または(c)に相補的な分子;および(e) (a),(b),(c)または(d)の縮重ヌクレオチド配列から成る群より選ばれたDNAセグメント;および転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターが提供される。本発明の第三の面では、上述の発現ベクターが導入されている培養細胞であって、前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する培養細胞が提供される。本発明の第四の面は、(a) 配列番号2のアミノ酸残基1からアミノ酸残基734までに示されるアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド分子;および(b) (a)の種同族体、から成る群より選ばれたppGppシンセターゼ活性を有する単離されたポリペプチドを提供する。本発明の別の面では、別のポリペプチドと共に本発明の精製されたポリペプチドを含んで成る組成物が提供される。本発明の更に別の面では、上述の発現ベクターが導入されており、それによってDNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する細胞を培養し、そして前記ポリペプチドを回収することを含んで成る本発明のポリペプチドの生産方法が提供される。更に別の面では、本発明は、グラム陽性菌における少なくとも1つの着目のタンパク質の改良生産のための発現系であって、本発明のポリペプチドを野性型量よりも少なく発現するグラム陽性菌を含んで成る発現系に関する。最後の面では、本発明はグラム陽性菌における少なくとも1つの着目のタンパク質の改良生産方法であって、i)本発明の発現系を培養し;そしてii)生じた培養ブロスまたは発現系から前記着目のタンパク質を精製することを含んで成る方法に関する。定義本発明を更に詳細に記載する前に、まず下記の用語を定義することにする。「種同族体」という語は、「オルトログ(ortholog)」および/または「パラログ(paralog)」を包含するものである。「オルトログ」という語は、異なる種由来の類似ポリペプチドまたはタンパク質に対する相同性を有する1つの種より得られるポリペプチドまたはタンパク質を意味する。「パラログ」という語は、同じ種由来の別個のポリペプチドまたはタンパク質に対する相同性を有する特定の種より得られるポリペプチドまたはタンパク質を意味する。「発現ベクター」という語は、転写に備える追加のセグメントに作用可能に連結された着目のポリペプチドをコードするセグメントを含んで成る、直鎖状または環状のDNA分子を意味する。そのような追加のセグメントは、プロモーターおよびターミネーターを包含し、そして所望により1もしくは複数の複製開始点、1もしくは複数の選択マーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナルなどを含んでもよい。発現ベクターは、通常はプラスミドDNAもしくはウイルスDNA由来であり、または両方の要素を含んでもよい。本発明の発現ベクターは、便利には組換えDNA技術にかけることができる任意の発現ベクターであることができ、ベクターの選択は該ベクターを導入しようとする宿主細胞にしばしば依存するだろう。よって、ベクターは自己複製性ベクター、即ちその複製が染色体の複製から独立している染色体外存在物として存在するベクター、例えばプラスミドであることができる。あるいは、ベクターは、宿主細胞中に導入すると宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、そしてそれが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであってもよい。本明細書中でポリペプチドまたはタンパク質の発現に関して用いられる「組換え発現」または「組換え発現された」という語は、当該技術分野での標準定義に従って定義される。タンパク質の組換え発現は、通常はすぐ上に記載した発現ベクターを使って実施される。「単離された」という語は、ポリヌクレオチド分子に用いる場合、そのポリヌクレオチドが生来の遺伝環境から分離されており、従って他の外来のまたは望ましくないコード配列を含まず、そして遺伝子操作されたタンパク質生産系での使用に適当な形態であることを意味する。そのような単離された分子は、生来の環境から分離されておりそしてcDNAおよびゲノムクローンを包含するものである。本発明の単離されたDNA分子は、それらが普通は関連している他の遺伝子を含まないが、天然の5′および3′非翻訳領域、例えばプロモーターやターミネーターは含んでもよい。関連した領域の同定は、当業者に明らかであろう(例えば、Dynan & Tijan, Nature 316:774-78, 1985を参照のこと)。「単離されたポリヌクレオチド」という語は、代わりに「クローン化ポリヌクレオチド」と称することもできる。タンパク質に用いる場合、「単離された」という語は、タンパク質がその生来の環境以外の状態で見つかることを表す。好ましい形態では、単離されたタンパク質は他のタンパク質、特に別の相同タンパク質〔即ち、「相同不純物」(下記参照)〕を実質的に含まない。タンパク質を高度に精製された形、即ち、SDS-PAGEにより測定した時に80%より高純度に、より好ましくは95%より高純度に精製された形で提供することが好ましい。「相同不純物」という語は、本発明のポリペプチドが最初に得られる相同細胞より生じる任意の不純物(例えば、本発明のポリペプチド以外の別のポリペプチド)を意味する。特定の微生物に関連して本明細書中で用いる「から得られる」という語は、ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドが特定の源によりまたはその源由来の遺伝子が挿入されている細胞により生産されることを意味する。「作用可能に連結された」という語は、DNAセグメントに言及する時、それらのセグメントが意図する目的に合わせて機能するように、例えば転写がプロモーターで開始し、そしてコード配列を経由してターミネーターの方へと進行するように、それらのセグメントが配置されていることを意味する。「ポリヌクレオチド」という語は、5′末端から3′末端の方に読まれるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖ポリマーを意味する。ポリヌクレオチドはRNAとDNAを包含し、そして天然源より単離されてもよく、試験管内で合成されてもよく、または天然分子と合成分子の組合せから調製されてもよい。「ポリヌクレオチド分子の相補体」という語は、参照配列に比較して相補的な塩基配列と逆の配向を有するポリヌクレオチド分子を意味する。例えば、5’ATGCACGGG 3’配列は5’CCCGTGCAT 3’に相補的である。「縮重ヌクレオチド配列」という語は、1または複数の縮重コドンを含むヌクレオチドの配列を意味する(ポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチド分子に比較して)。縮重コドンは異なるヌクレオチドトリプレットを含むが、同じアミノ酸残基をコードする(即ち、GAUトリプレットとGACトリプレットは各々Aspをコードする)。「プロモーター」という語は、RNAポリメラーゼの結合と転写の開始に備えるDNA配列を含む遺伝子の一部分を意味する。プロモーター配列は常にではないが一般に、遺伝子の5′非コード領域中に見つかる。「分泌シグナル配列」という語は、より長いポリペプチドの一成分として、それが合成される細胞の分泌経路を通してより長いポリプチドを差し向けるポリペプチド(「分泌ポリペプチド」)をコードするDNA配列を表す。グラム陽性菌中での着目のタンパク質の改良発現のための「発現系」という語は、本発明のppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドを野性型量よりも少量発現するグラム陽性菌を表す。着目のタンパク質は、例えば組換え発現されたタンパク質であることができる。すぐ上に記載したような発現系に関して本明細書中で用いる「野性型量」という語は、本発明のポリペプチドの発現レベルの野性型(生来の)量、即ち、グラム陽性菌が少量の前記ポリペプチドを発現するように改変される前の発現レベルの量を意味する。「細胞外タンパク質」という語は、着目の細胞から分泌されるタンパク質を意味する。細胞外タンパク質は一般に、上述した分泌シグナル配列を含んで成る。「ppGppシンセターゼ」という語は、当該技術に従って定義されるppGppシンセターゼを意味する。ppGppの合成は、E.コリ中では少なくとも2つのやり方により支配される〔Dedhia他, Biotechnology and Bioengineering 53: 379-386(1997)〕。E.コリ中のrelA遺伝子によりコードされる酵素ppGppシンセターゼI(PSI)(EC 2.7.6.5)は、アミノ酸欠乏に対する緊縮応答の間のppGpp合成を担う(Block, R., Haseltine, W.A., 1974.“In Vitro synthesis of ppGpp and ppGppp.”747-761頁, M. Nomura, A. TissieresおよびP. Lengyel編, Ribosomes.Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor N.Y.)。一次炭素源の個渇により細菌の増殖が遅くなる場合、緊縮応答はrelA遺伝子に依存しない経路によって活性化される(Hernandez, V.J., Bremer, H., 1991.“E. Coli ppGpp synthetase II activity requires spoT.”J. Biol Chem. 266:5991-5999)。spot遺伝子によりコードされる第二のppGppシンセターゼII(PSII)は、ppGpp合成を触媒する働きをする(Hernandez, V.J., Bremer, H., 1991.“E. Coli ppGpp synthetase II activity requires spoT.”J. Biol. Chem. 266: 5991-5999)。本明細書中で用いる「ppGppシンセターゼ」は、上述のようなppGppシンセターゼI活性を有する酵素(EC 2.7.6.5)および/またはppGppシンセターゼII活性を有する酵素の両方を包含するものである。あるいは、「ppGppシンセターゼ」は「(p)ppGppシンセターゼ」と呼称することもできる。「ppGppシンセターゼ遺伝子」は、ppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA配列を包含するものである。発明の詳細な説明別の関連配列を得るための本発明の配列の使用方法:本発明のppGppシンセターゼをコードするポリヌクレオチド配列に関して本明細書中に開示される配列情報は、別の相同ppGppシンセターゼを同定するための手段として利用することができる。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使って、様々な微生物源から、特に異なるバシラス種から別の相同ppGppシンセターゼをコードする配列を増幅させることができる。更なる詳細は下記の実施例に記載される(下記参照)。活性試験アッセイ:ppGppシンセターゼ活性を有する本発明のポリペプチドは、当該技術分野で知られる標準の試験法に従って、例えばイオン対逆層高性能液体クロマトグラフィーによるヌクレオチド分離後に254nmでのUV吸収を使って、ppGppシンセターゼ活性について試験することができる。更なる詳細については、Baracchini他〔Mol. Gen. Genet.(1988)213: 379-387〕を参照されたい。本発明の発現系の使用により生産される着目のタンパク質は、前記着目のタンパク質に関する標準の活性アッセイによって活性試験することができる。特に、着目のタンパク質が酵素である場合、多数の関連する酵素活性アッセイが技術の現状において記載されている。当業者には、例えば特に着目のタンパク質に関する有用なアッセイを同定するのは日常的な作業である。ポリヌクレオチド:本発明の好ましい態様によれば、本発明の単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも中緊縮性条件下で、配列番号1またはそれに相補的な配列の同様な大きさの領域にハイブリダイズするだろう。特に、本発明のポリヌクレオチドは、少なくとも中緊縮性条件下で、好ましくは下記に詳述するような高緊縮性条件下で、配列番号1の21〜2222位に示される配列を含んで成る二本鎖DNAプローブにハイブリダイズするだろう。ヌクレオチドプローブと相同DNAまたはRNA配列との中緊縮性または高緊縮性でのハイブリダイゼーションを測定するのに適当な実験条件は、DNA断片またはRNAを含有するフィルターを5×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム, Sambrook他, 1989)中に10分間予備浸漬してハイブリダイズさせ、そして該フィルターを5×SSC,5×デンハーツ溶液(Sambrook他, 1989), 0.5%SDSおよび100μg/mlの変性させて音波処理したサケ精子DNA(Sambrook他, 1989)を含有する溶液中で予備ハイブリダイゼーションさせ、次いで10ng/mlの濃度のランダムプライムド〔Feinberg, A.P. & Vogelstein, B.(1983)Anal. Biochem. 132: 6-13〕32P−dCTP−標識(比活性>1×109cpm/μg)プローブを含有する同溶液中で約45℃にて12時間ハイブリダイゼーションさせることを含む。次いで該フィルターを少なくとも60℃(中緊縮性)、より好ましくは少なくとも65℃(中/高緊縮性)、更に好ましくは少なくとも70℃(高緊縮性)、更により好ましくは少なくとも75℃(超高緊縮性)において、2×SSC, 0.5%SDS中で30分間ずつ2回洗浄する。それらの条件下でオリゴヌクレオチドプローブがハイブリダイズした分子をX線フィルムを使って検出する。上述したように、本発明の単離されたポリヌクレオチドはDNAとRNAを包含する。DNAおよびRNAを単離する方法は当該技術分野で周知である。全RNAは、グアニジンHCl抽出に続きCsCl勾配遠心(Chirgwin他, Biochemistry 18: 52-94, 1979)による単離を使って調製することができる。ポリ(A)+RNAは、AvivおよびLederの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69: 1408-1412, 1972)を使って全RNAから調製される。相補的DNA(cDNA)は既知の方法を使ってポリ(A)+RNAから調製される。次いで本発明のppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、例えばハイブリダイゼーションまたはPCRにより同定される。本発明は更に、異なる細菌株からの相同ポリペプチドおよびポリヌクレオチド(オルトログおよびパラログ)を提供する。特に着目されるのは、バシラス種、例えばバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・ロータス(Bacillus lautus)、バシラス・スリンジェンシス(Bacillus thuringiensis)、バシラス・クラウシイ(Bacillus clausii)または特にバシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)をはじめとするグラム陽性菌からのppGppシンセターゼポリペプチドである。配列番号1に示される本発明のポリヌクレオチドは、バシラス・サチリス株168(NCIB 10106)より得られる。本発明のppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドの種相同体は、本発明により提供される情報と組成物を従来のクローニング技術と組み合わせて使ってクローニングすることができる。例えば、該タンパク質を発現する細胞型より得られたmRNAを使ってcDNAをクローニングすることができる。mRNAの適当な入手源は、本明細書中に開示される配列からデザインしたプローブを用いてノーザンブロットを探査することにより同定することができる。次いで陽性細胞のmRNAからライブラリーを調製する。次いで様々な方法により、例えば完全もしくは部分的なcDNAを用いてまたは開示の配列に基づいて調製した縮重プローブの1もしくは複数セットを用いて探査することにより、本発明のppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドをコードするcDNAを単離することができる。cDNAは、本明細書中に開示された配列からデザインしたプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応、即ちPCR(Mullis, 米国特許第4,683,202号明細書)を使ってクローニングすることもできる。追加の方法では、cDNAライブラリーを使って宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションせしめることができ、そしてrelA-Bacに対する抗体を使ってまたはppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドに関する活性試験により、着目のcDNAの発現を検出することができる。同様な技術をゲノムクローンの単離に適用することもできる。ポリペプチド:本発明は、配列番号2のポリペプチドに実質的に相同である単離されたppGppシンセターゼポリペプチドおよびそれらの種相同体(パラログまたはオルトログ)も提供する。「実質的に相同」という用語は、配列番号2に示される配列またはそれのオルトログもしくはパラログに対して少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチドを示すために本明細書中で用いられる。そのようなポリペプチドは、配列番号2の配列またはそれのオルトログもしくはパラログに対して、より好ましくは少なくとも90%同一、最も好ましくは95%以上同一であろう。配列同一性%は、例えばGCGプログラムパッケージに提供されたGAP(Program Manual for the Wisconsin Package, Version 8, 1994年8月, Genetics Computer Group, 575 Science Drive, Madison, Wisconsin, USA 53711)〔Needleman, S. B. & Wunsch, C.D.(1970), Journal of Molecular Biology, 48:443-453〕のような当業界で既知のコンピュータープログラムを使って常法により決定される。GAPはポリペプチド配列比較のために次の設定:GAP生成ペナルティー3.0およびGAP延長ペナルティー0.1を使って行われる。ポリヌクレオチド分子の配列同一性は、DNA配列比較のために次の設定:GAP生成ペナルティー5.0およびGAP延長ペナルティー0.3を使って同様な方法により決定される。実質的に相同のタンパク質およびポリペプチドは、1または複数のアミノ酸置換、欠失または付加を有するものとして特徴付けられる。それらの変更は、好ましくは重要でない性質のもの、即ち保存的アミノ酸置換(表2参照)あるいはタンパク質またはポリペプチドの活性や折り畳みに有意な影響を及ぼさない他の置換;小規模の欠失、典型的には1〜約30アミノ酸の欠失;および小規模のアミノ末端またはカルボキシ末端の伸長、例えばアミノ末端メチオニン残基の付加、約20〜25残基までの小さなリンカーペプチドの付加、または精製を促進する小規模の伸長(アフィニティー標識)、例えばポリヒスチジン領域、プロテインA(Nilsson他, EMBO J. 4:1075, 1985; Nilsson他, Methods Enzymol. 19: 3, 1991)の付加である。一般的記載についてはFord他, Protein Expression and Purification 2: 95-107, 1991を参照のこと。これは参考として本明細書中に組み込まれる。アフィニティー標識をコードするDNAは供給業者(例えば. Rharmacia Biotech, Piscataway, NJ; New England Biolabs, Bevery, MA)より入手可能である。20種類の標準アミノ酸に加えて、非標準アミノ酸(例えば4−ヒドロキシプロリン、6−N−メチルリジン、2−アミノイソ酪酸、イソバリンおよびα−メチルセリン)により、本発明のポリペプチドのアミノ酸残基を置換してもよい。限定数の非保存的アミノ酸、遺伝暗号によりコードされないアミノ酸、および非天然アミノ酸、によりアミノ酸残基を置換してもよい。「非天然アミノ酸」は、タンパク質合成後に修飾されておりそして/またはそれらの1もしくは複数の側鎖中に標準アミノ酸のものとは異なる化学構造を有する。非天然アミノ酸は化学的に合成できるが、好ましくは市販されているものであり、そのような非天然アミノ酸としてはピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−および4−メチルプロリン、並びに3,3−ジメチルプロリンが挙げられる。本発明のppGppシンセターゼポリペプチド中の必須アミノ酸は、当該技術分野で既知の方法、例えば部位特異的突然変異誘発またはアラニンスキャニング突然変異誘発(Cunningham & Wells, Science 244: 1081-1085, 1989)に従って同定することができる。後者の技術では、分子中のあらゆる残基のところで単一のアラニン変異を導入し、そして生じた変異体分子を生物活性(即ちppGppシンセターゼ活性)について試験して、分子の活性にとって決定的であるアミノ酸残基を同定する。Hilton他, J. Biol. Chem. 271:4699-4708, 1996も参照されたい。核磁気共鳴、結晶学、電子回析または光親和性標識のような技術により測定された構造の物理分析を、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異と組み合わせることにより、リガンドレセプターの部位または他の生物学的相互作用も決定することができる。例えば、de Vos他, Science 255:306-312, 1992 ; Smith他, J. Mol. Biol. 224:899-904, 1992; Wlodaver他, FEBS Lett. 309:59-64, 1992を参照のこと。必須アミノ酸の本質は、本発明のポリペプチドに関連するポリペプチドとの相同性の分析から推測することができる。突然変異誘発、組換えおよび/または鎖入替え(shuffling)の既知方法に続いて、Reidhaar-Olson(Science 241: 53-57, 1988)、Bowie & Sauer(Proc. Natl, Acad. Sci. USA 86:2152-2156, 1989)、WO 95/17413またはWO 95/22625により開示されたような関連のスクリーニング手順を使って、多重アミノ酸置換を構築および試験することができる。簡単に言えば、それらの著者らは、ポリペプチド中の2以上の位置を同時に無作為にし、または異なる突然変異の組換え/入替え(WO 95/17413, WO 95/22625)に続いて、機能についてポリペプチドを選択し、次いで変異型ポリペプチドを配列決定して各位置に許容される置換のスペクトルを決定する方法を開示している。使用できる他の方法としては、ファージ表示(例えばLowman他, Biochem. 30:10832-10837, 1991; Ladner他,米国特許第5,223,409号;Huse, WIPO Publication WO 92/06204)および領域特異的突然変異誘発(Derbyshire他, Gene 46:145, 1986 ; Ner他, DNA 7: 127, 1988)が挙げられる。上記に開示される突然変異誘発法および/または鎖入替え法を、高処理量の自動化スクリーニング法と組み合わせて、宿主細胞中のクローン化変異型ポリペプチドの活性を検出することができる。活性ポリペプチドをコードする変異型DNA分子を宿主細胞から回収し、そして最新型装置を使って迅速に配列分析することができる。それらの方法は、着目のポリペプチド中の個々のアミノ酸残基の重要性を迅速に決定できるようにし、そして未知の構造を有するポリペプチドに適用することができる。上述の方法を使って、当業者は、配列番号2のアミノ酸残基1〜734の配列に実質的に相同であり且つ野性型タンパク質のppGppシンセターゼ活性を保持している様々なポリペプチドを同定および/または調製することができる。タンパク質の生産:全長タンパク質、それの断片および融合タンパク質を包含する本発明のポリペプチドは、常用技術に従って遺伝子操作された宿主細胞中で生産させることができる。適当な宿主細胞は、外因性DNAにより形質転換またはトランスフェクトせしめることができ且つ培養により増殖させることができるものであり、そのような宿主細胞としては細菌細胞、真菌細胞、および培養された高等真核生物細胞が挙げられる。真菌細胞、特にグラム陽性菌の培養細胞が好ましい。バシラス属からのグラム陽性細胞、例えばバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・ロータス(Bacillus lautus)、バシラス・スリンジェンシス(Bacillus thuringiensis)、バシラス・クラウシイ(Bacillus clausii)または特にバシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)が好ましい。クローン化DNA分子を操作しそして様々な宿主細胞中に外因性DNAを導入する技術は、Sambrook他, Molecular Cloning: A Laboratory Manual , 第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989 ; Ausubel他編, Current Protocols in Molecular Biology, John & Sons, Inc., 1987 ; および“Bacillus subtilis and Other Gram-Positive Bacteria”, Sonensheim他, 1983, American Society for Microbiology, Washington D.C.により開示されている。これらは参考として本明細書中に組み入れられる。一般に、本発明のppGppシンセターゼポリペプチドをコードするDNA配列は、発現ベクター中では、通常は転写プロモーターやターミネーターといった、それの発現のために必要とされる遺伝要素に作用可能に連結される。ベクターは普通、1もしくは複数の選択マーカーまたは1もしくは複数の複製開始点も含むだろう。しかし、当業者は、ある系の中の別個のベクター上に選択マーカーを提供し、そして外因性DNAの複製を宿主細胞ゲノム中への組み込みにより提供できることを認識するだろう。プロモーター、ターミネーター、選択マーカー、ベクターおよび他の要素の選択は、当業者の技術レベルの範囲内での日常的作業である。多数のそのような要素が文献中に記載されており、販売業者より入手可能である。宿主細胞の分泌経路へとポリペプチドを指し向けるために、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列またはプレ配列としても知られる)が発現ベクター中に提供される。分泌シグナル配列は、ポリペプチドのものであってもよく、または別の分泌タンパク質に由来してもよく、または生体内で新規合成されるものであってもよい。分泌シグナル配列は正しい読み枠でDNA配列に連結される。分泌シグナル配列は通常は着目のポリペプチドをコードするDNA配列の5′側に置かれるが、シグナル配列によっては着目のDNA配列の任意の場所に置かれてもよい(例えば、Welch他,米国特許第5,037,743号;Holland他,米国特許第5,143,830号を参照のこと)。形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞は、栄養素と特定の宿主細胞の成長に必要な他の成分を含有する培地中で常用手順に従って培養される。合成培地や複合培地といった様々な適当な培地が当該技術分野で周知であり、それらは一般に炭素源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミン類およびミネラル類を含有する。培地は、必要とされるなら、増殖因子または血清を含んでもよい。増殖培地は一般に、例えば薬剤選択によって、あるいは発現ベクター上に担持されたまたは宿主細胞中に同時トランスフェクトされた選択マーカーにより補完される必須栄養素の欠損によって、外来的に添加されたDNAを含有する細胞について選択するだろう。タンパク質の単離:発現された組換えポリペプチド(またはキメラポリペプチド)は、分別および/または常用の精製方法と培地を使って精製することができる。試料の分別には、硫酸アンモニウム沈澱および酸またはカオトロピック剤抽出を用いることができる。典型的な精製工程としては、ヒドロキシアパタイト、サイズ排除、FPLC、および逆相高性能液体クロマトグラフィーが挙げられる。適当なアニオン交換体としては、デキストラン誘導体、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド、専用シリカなどが挙げられる。PEI, DEAE, QAEおよびQ誘導体が好ましく、DEAE Fast-Flow Sepharose(Pharmacia, Piscataway, NJ)が特に好ましい。代表的なクロマトグラフィー母材としては、フェニル、ブチルまたはオクチル基で誘導体化されたもの、例えばPhenyl-Sepharose FF(Pharmacia)、Toyopearl butyl 650(Toso Haas, Montgomeryville, PA)、Octyl-Sepharose(Pharmacia)など;またはポリアクリル酸樹脂、例えばAmberchrom CG 71(Toso Haas)などが挙げられる。適当な固体支持体の例としては、それらを使用する条件下で不溶性である、ガラスビーズ、シリカ系樹脂、セルロース樹脂、アガロースビーズ、架橋アガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、架橋ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。それらの支持体は、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基および/または炭水化物成分によるタンパク質の付着を可能にする。カップリング化学の例は、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、ヒドラジド活性化、並びにカルボジイミドカップリング化学のためのカルボキシルおよびアミノ誘導体である。それらおよび他の固体支持体は当該技術分野において周知であり、広範囲に使用されており、そして供給業者より入手可能である。特定の方法の選択は日常的作業の範囲内であり、選択される支持体の性質により一部は決定される。例えば、Affinity Chromatography : Principles & Methods , Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988を参照のこと。タンパク質を>80%純度にまで、より好ましくは>90%純度にまで、更に好ましくは>95%純度にまで精製するのが好ましく、ほぼ完全に純粋な状態、即ち、混入する巨大分子(特に別のタンパク質および核酸)に関して99.9%より大きい純度であり、且つ感染物質と発熱性物質を含まないのが特に好ましい。好ましくは、精製されたタンパク質が他のタンパク質、特に細菌起源の、特にグラム陽性菌起源の別のタンパク質を実質的に含まない。純度はSDS-PAGEにより決定される。本発明のポリペプチドまたはその断片は、化学合成を通して調製することもできる。本発明のポリペプチドは単量体であっても多量体であってもよく;グリコシル化された形であってもグリコシル化されていない形であってもよく;pegylatedでもnon-pegylatedでもよく;そして開始メチオニンアミノ酸残基を含んでいてもいなくてもよい。ポリヌクレオチド/ポリペプチドの使用:本発明のppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドに関する本明細書中に開示する情報は、下記に詳述するようにグラム陽性菌における着目のタンパク質の改良生産のための発現系を作製するのに不可欠である。グラム陽性菌中での細胞外タンパク質の分泌を増強するための発現系:本発明の一観点は、少なくとも1つの着目のタンパク質の改良生産のための発現系であって、本発明のポリペプチドを野性型量よりも少なく発現するグラム陽性菌を含んで成る発現系に関する。好ましくは、着目のタンパク質が細胞外タンパク質である。好ましくは「少なくとも1つの着目のタンパク質の改良生産のための発現系」という表現は、すぐ下に記載する1つまたは複数の改良された性質を有する発現系を指す。本発明の発現系の改良された性質としては、醗酵ブロス中に蓄積した着目のタンパク質の量、時間単位あたり細胞塊あたりの着目のタンパク質の生産、醗酵ブロスが泡を形成する傾向の減少、醗酵ブロスの粘度の減少、生産宿主により生産されたタンパク質生成物の分解の減少、生産生物が溶解する傾向の減少(自己溶解の減少)、生産培養物中の高生産力の細胞の比率の増加、醗酵中の色素または着色化合物の形成の減少、より容易で且つ効率的な回収工程を可能にし、よって回収率の向上をもたらす改良された醗酵ブロス、のいずれかの点から測定される、増殖培地を利用する改良された能力、より高い細胞密度に増殖する能力、最少培地中で増殖する能力、生産宿主の芽胞形成の欠損、着目のタンパク質の増加発現が挙げられる。上述したように、本発明のrelA-Bacポリペプチドは、ppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドである。生産生物において野性型ppGpp量よりも少量を発現することの利点は、以下のことである:ppGppは真正アラルモンであり、即ち、正常増殖条件下ではその濃度が非常に低く〔P. Neubauer他, J. of Biotechnology(1995)43:195-204〕、生物を飢餓または別のストレス要因に暴露するとppGppの細胞内濃度が急速に増加する。細胞内ppGpp濃度が増加するとリボソームRNA(rRNA)濃度が減少し、それは下記の結果を引き起こす:・翻訳の減少、およびそれによる所望のタンパク質生産の減少。・mRNAに負荷されるリボソームの数が減少するために与えられたmRNAがより不安定になり、保護されたmRNAを少量しか与えず、それがより高いヌクレアーゼ活性に至る。・メッセンジャーRNA鎖の伸長速度の減少〔U. Vogel他, J. of Biological Chemistry(1997)272:12265-12271〕。従って、着目のタンパク質の改良生産用の発現系を得るためには、前記着目のタンパク質を発現させるのに用いる生産細胞において野性型量よりも少量のppGppシンセターゼを発現させることが有利である。グラム陽性菌中で少量の着目のポリペプチドを発現させることができる多数の技術が、特にバシラス属の好ましいグラム陽性菌について当該技術分野で既知である(Bacillus subtilis and other Gram-Positive Bacteria, Sonensheim他, 1993, American Society for Myclobiology, Washington D.C.)。本発明のppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドを少量発現させるのに適した技術がとしては、本発明のppGppシンセターゼ遺伝子(それの全コピーまたは一部コピー)の欠失または他の破壊(例えば正しい読み枠の破壊による)、ppGppシンセターゼ遺伝子(例えばぐらむ陽性菌の染色体状の)から転写されたmRNAに対するアンチセンスmRNAを使ったppGppシンセターゼ遺伝子の先端の切り取り(例えば終止コドンの導入による)、および/または例えば弱いプロモーターを使った、発現を増加させるための調節要素の改変といった技術が挙げられる。更なる詳細については、Sambrook他(1989)Molecular cloning: A laboratory manual, Cold Spring Harbor lab., Cold Spring Harbor, NY ; Ausubel, F.M.他編“Current protocols in Molecular Biology”, John Wiley and Sons, 1995 ; Harwood, C.R. & Cutting, S.M.編,“Molecular Biological Methods for Bacillus”, John Wiley and Sons, 1990を参照されたい。本明細書中に提供されるDNAおよび/またはアミノ酸配列情報に基づけば、グラム陽性菌において本発明のppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドを野性型量より少量で発現させるための特定の方法の選択は当業者の日常的作業の範囲内である。本発明のppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドの発現の減少の程度を測定するために、任意の関連のppGppシンセターゼ活性アッセイ/試験を使うことができる〔適当なアッセイは本明細書中に記載される(上記参照)〕。グラム陽性菌細胞の改変前と後で、ppGppシンセターゼ活性を有する本発明のポリペプチドの生産量を測定し、そして未改変の野性型(対照)細胞に比較して発現の減少の程度を求めることができる。本発明のppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドの発現の減少度は、好ましくは2分の1の発現、より好ましくは4分の1の発現、更により好ましくは10分の1の発現であり、最も好ましくは、ppGppシンセターゼ活性を有する本発明のポリペプチドの発現が完全に破壊される。好ましくは、本発明のppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドは、バシラス種、例えばバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・ロータス(Bacillus lautus)、バシラス・スリンジェンシス(Bacillus thuringiensis)、バシラス・クラウシイ(Bacillus clausii)、または特にバシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)より得られたポリペプチドである。本発明の発現系のグラム陽性菌は、「タンパク質の生産」(上記参照)の項目において宿主細胞について記載した常法により培養することができる。好ましくは、グラム陽性菌はバシラス種、例えばバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・ロータス(Bacillus lautus)、バシラス・スリンジェンシス(Bacillus thuringiensis)、バシラス・クラウシイ(Bacillus clausii)またはバシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)である。グラム陽性菌に関して、着目のタンパク質は相同タンパク質でも非相同タンパク質でもよい。好ましくは、着目のタンパク質が組換え発現される。着目のタンパク質はどんな着目のタンパク質であってもよい。しかしながら、好ましくは着目のタンパク質が細胞外タンパク質、特にプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、ガラクトシダーゼ、プルラナーゼ、セルラーゼ、グルコースイソメラーゼ、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、CGTアーゼ(シクロデキストリングルコノトランスフェラーゼ)、フィターゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、ラッカーゼ、キシラナーゼ、細菌タンパク質毒素、微生物表面タンパク質、ウイルスタンパク質、または薬用タンパク質である。着目のタンパク質、好ましくは着目の細胞外タンパク質の改良発現の程度を測定するために、着目のタンパク質(例えば細胞外タンパク質)に相当する任意の関連する活性アッセイ/試験を使用することができる。着目のタンパク質の改良発現の程度は、本発明のポリペプチドをより少量発現するように菌株を改変する前のグラム陽性菌中のタンパク質の生産レベルに比較して測定される。本発明の発現系の使用は、少なくとも1つの着目のタンパク質の少なくとも2倍の改良生産、好ましくは少なくとも1つの着目のタンパク質の少なくとも4倍の改良生産、そして特により好ましくは少なくとも1つの着目のタンパク質の少なくとも10倍の改良生産をもたらす。着目のタンパク質は標準手順により、例えば「タンパク質の単離」の項目に記載の標準手順により単離することができる。本発明は更に、グラム陽性菌中における少なくとも1つの着目のタンパク質の改良生産方法であって、i)本発明の発現系を培養し;そしてii)生じた培養ブロスからまたは発現系から前記着目のタンパク質を精製することを含んで成る方法にも関する。好ましい態様では、前記培養がフェドバッチ醗酵として行われる。フェドバッチ醗酵は、特に着目のタンパク質の大規模工業生産のための標準の醗酵方法である。フェドバッチ醗酵は、BASIC Biochemical Engineering(Bungay, Henry R. BASIC Biochemical Engineering,第2版, Troy編, BiLine Associates, 1993)中に「その濃度が或る設定値より下になった時に栄養素を添加する」という種類の系として一般的に記載されている。一般に栄養素の添加はコンピューターにより精密に制御される。供給材料の添加の好ましい制御方法は、醗酵槽または反応器内の栄養素それ自体の濃度をモニタリングすることである。栄養素が常に醗酵槽中に過剰に存在しすぎないようにするために、栄養素は数回に分けて添加される。栄養素が過剰に存在すると、それは細胞の増殖を抑制する可能性がある。制御方式で栄養素を添加することにより、過負荷になることなく、高い生産率で反応が進行することができる。適当なフェドバッチ醗酵の例は、Neubauer, P.他(1995, J. of Biotechnology 43, 197-198頁)により記載されている。この好ましい態様を裏付ける理論は、タンパク質合成に直接関与するもの(例えばRNAポリメラーゼ、伸長因子および開始因子)の大部分の細胞内含量が、栄養素やエネルギーの飢餓の結果として減少されそしてrelA遺伝子によりコードされる(p)ppGppシンセターゼによって媒介されるということである〔Dedhia, N.他(1997)Biotechnology and Bioengineering 53(4)p.379-386〕。それにより、本発明のppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドの発現が減少したグラム陽性菌を使うことによって、そのようなフェドバッチ醗酵における着目のタンパク質の生産が向上するだろう。あるいは、前記培養を例えば後述する標準醗酵技術のうちの1つを使って実施することができる:バッチ醗酵:バッチ醗酵では、接種後、基質成分の1つが消費されそして阻害剤が蓄積されるまで、細胞が増殖されるだろう。連続培養:下記の標準技術の1つによる。ケモスタットに栄養素を一定速度で供給する;タービドスタットを使って供給速度をフィードバック調節し、培養物の濁度を一定に維持する。細胞濃度が設定値より低くなった時、タービドスタットのコントローラーの供給速度を遅くして、細胞増殖が濁度を回復できるようにする。設定値を越えたら、供給速度を早めて細胞濃度を希釈する;またはナスタット、ニュートリスタットまたはオーキソスタット(これらの名前は同義である)が培地を供給して因子を一定に維持する。本発明を下記の非限定例により更に説明する。材料と方法一般的な分子生物学的方法:特に断らないかぎり、DNA操作と形質転換は分子生物学の標準法に従って実施した〔Sambrook他(1989)Molecular cloning: A laboratory manual, Cold Spring Harbor lab., Cold Spring Harbor, NY ; Ausubel, F.M.他編,“Current protocols in Molecular Biology”. Johnn Wiley and Sons, 1995 ; Harwood, C.F. & Cutting, S.M.編,“Molecular Biological Methods for Bacillus”. John Wiley and Sons. 1990〕。DNA操作用の酵素は製造業者の取扱説明書に従って使用した。DNA操作用酵素特に断らないかぎり、全てのDNA操作用酵素、例えば制限エンドヌクレアーゼ、リガーゼなどはNew England Biolabs, Inc.より入手した。実施例実施例1:異なるバシラス菌より得られた別のppGppシンセターゼの同定コロニー上でのPCR反応。10μg/mlのカナマイシン、10mMリン酸カリウムpH7.0および0.4%グルコースを含有するLB寒天プレート上で18時間インキュベートしておいた再単離したコロニーを、96℃で5分間加熱した1×PCR緩衝液(Super Taq TMDNAポリメラーゼ)中に懸濁し、そして20,000×gで2分間回転させた。上清からの5μlを鋳型として、製造業者(Enzyme Technologies Ltd.)の指示に従って、下記の様々なプライマーとSuper Taq TMDNAポリメラーゼを使ったPCR反応(30サイクル)において使用した。反応用のプライマー。配列番号1に示したB.サチリスrelA-Bac配列に対して同一性を持つオリゴヌクレオチド組成(下線を引いたもの)を有するDNAプライマー(プライマー#104775〜#104780)を使って、B.サチリス、B.アミロリクファシエンス、B.レンタスおよびB.リヘニフォルミスからDNA断片を増幅させた。位置は配列番号1に示したDNA配列に関するものである。下線が引かれていないプライマー配列は、制限酵素消化のための適当な部位を含むクローニング用のリンカー配列である。B.サチリスのrelA-Bac遺伝子の5′末端用のプライマー(センスプライマー):B.サチリスのrelA-Bac遺伝子の中間部の3′末端用のプライマー(アンチセンスプライマー):B.サチリスのrelA-Bac遺伝子の3′末端用のプライマー(アンチセンスプライマー鎖):PCRプライマーの分析。B.サチリス、B.アミロリクファシエンス、B.リヘニフォルミスおよびB.レンタスからのPCR生成物を、臭化エチジウムを含有する0.7 %アガロースゲル上で分析して、DNAが存在するかどうかを調べ、そして存在するならそのDNAのサイズを概算した。期待されるサイズのPCR生成物を得た。B.アミロリクファシエンス:プライマー104775と104777を使った場合、PCR断片サイズ約980bp。B.レンタスクファシエンス:プライマー104775と104777を使った場合、PCR断片サイズ約980bpと約680bp。両PCR断片を使ってB.レンタスppGppシンセターゼを更にクローニングすることができる。B.リヘニフォルミス:プライマー104776と104778を使った場合、PCR断片サイズ約800bp;そしてプライマー104776と194779を使った場合、PCR断片サイズ約1900bp。PCR増幅DNA断片を配列決定し、そしてこの配列情報を利用して本発明のB.アミロリクファシェンス、B.リヘニフォルミスおよびB.レンタスのppGppシンセターゼをクローニングする。このクローニングは当該技術分野で周知の標準手順に従って実施する。B.アミロリクファシエンスの全長ppGppシンセターゼのクローニングプライマー104775と104777(上記参照)に加えてPCR(アンチセンス)プライマー113554を使って増幅せしめた約980bpのサイズを有するB.アミロリクファシエンスPCR断片を使って、B.アミロリクファシエンスからのPCR断片を得、それを製造業者のプロトコールに従って自動DNA配列決定装置上でDNA配列決定した。このDNA配列と対応する成熟タンパク質配列を配列番号3と4にそれぞれ示す。実施例2:相同性/推定の根拠本発明の一部は、ppGppシンセターゼ活性を有し且つ別の微生物ppGppシンセターゼに対する相同性を有するポリペプチドをコードする、バシラス・サチリスより得られた新規ポリヌクレオチド配列の発見に基づいている。このポリペプチドをrelA-Bacと命名した。本発明のppGppシンセターゼ活性を有する新規ポリペプチドを定義する基準は、最初に本発明の新規relA-Bac配列に対する相同配列について公知のデータベースGeneBank(EMBL, Heidelberg)を検索することにより同定された。本明細書中に更に詳述される(上記参照)常用の%配列同一性プログラムを使って決定した、従来技術の既知ppGppシンセターゼ遺伝子に対するrelA-BacのDNA配列(配列番号1)の同一性を下表Iに示し、そして対応するアミノ酸配列同一性を表IIに示す。今まで例示目的で本発明の特定態様を記載してきたけれども、上記から本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更をなし得ることは理解されよう。従って、本発明は添付の請求の範囲による以外は限定されない。更に、本願の優先権を主張するデンマーク国特許出願第0726/97号明細書中および本願に伴う要約書中の開示は参考として本明細書中に組み込まれる。配列表中の記載配列番号1は、ppGppシンセターゼ活性を示すポリペプチドをコードするDNA配列を含んで成る、本発明の単離されたポリヌクレオチド配列を示す。該ポリペプチドはrelA-Bacと命名され、バシラス・サチリス株より得られる。配列番号2は、本発明のrelA-Bacポリペプチドのアミノ酸配列を示す。配列番号3は、ppGppシンセターゼ活性を示すポリペプチドをコードするDNA配列を含んで成る、本発明の単離されたポリヌクレオチド配列を示す。該ポリペプチドはrelA-BacIIと命名され、バシラス・アミロリクファシエンス株より得られる。配列番号4は、本発明のrelA-BacIIポリペプチドのアミノ酸配列を示す。配列表(2) 配列番号1に関する情報:(i)配列の特徴:(A)配列の長さ:2278塩基対(B)配列の型:核酸(C)鎖の数:一本鎖(D)トポロジー:直鎖状(ii)配列の種類:cDNA(iv)配列の起源:(A)生物名:relA-Bac(B)株:バシラス・サチリス(ix)特徴:(A)特徴を表す記号:CDS(B)存在位置:21..2222(xi)配列の記載:配列番号1:(2) 配列番号2に関する情報:(i)配列の特徴:(A)配列の長さ:734アミノ酸(B)配列の型:アミノ酸(D)トポロジー:直鎖状(ii)配列の種類:タンパク質(xi)配列の記載:配列番号2:(2) 配列番号3に関する情報:(i)配列の特徴:(A)配列の長さ:2239塩基対(B)配列の型:核酸(C)鎖の数:一本鎖(D)トポロジー:直鎖状(ii)配列の種類:cDNA(iv)配列の起源:(A)生物名:relA-BacII(B)株:バシラス・アミロリクファシエンス(ix)特徴:(A)特徴を表す記号:CDS(B)存在位置:21..2225(xi)配列の記載:配列番号3:(2)配列番号4に関する情報:(i)配列の特徴:(A)配列の長さ:735アミノ酸(B)配列の型:アミノ酸(D)トポロジー:直鎖状(ii)配列の種類:タンパク質(xi)配列の記載:配列番号4: 少なくとも1つの着目の細胞外タンパク質を組換え生産するグラム陽性細菌であって、前記着目のタンパク質が、グアノシンテトラホスフェート、ppGppによってその複製が阻害される発現ベクターを使用することによって生産されないことを条件として、ppGppシンセターゼ活性を有し、かつ配列番号2からなるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドを野生型量よりも少量発現するように改変された、前記細菌。 バシラス属に属する、請求項1に記載のグラム陽性細菌。 バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・ロータス(Bacillus lautus)、バシラス・スリンジェンシス(Bacillus thuringiensis)、バシラス・クラウシイ(Bacillus clausii)、又はバシラス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)種に属する、請求項2に記載のグラム陽性細菌。 上記少なくとも1つの着目のタンパク質が、上記着目のタンパク質をコードするDNAセグメントを含む発現ベクターを使用することによって組換え生産される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のグラム陽性細菌。 上記ベクターが上記細菌のゲノムに組み込まれている、請求項4に記載のグラム陽性細菌。 前記着目のタンパク質が酵素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のグラム陽性細菌。 前記酵素が、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、ガラクトシダーゼ、プルラナーゼ、セルラーゼ、グルコースイソメラーゼ、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、シクロデキストリングルコノトランスフェラーゼ、フィターゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、ラッカーゼ、又はキシラナーゼである、請求項6に記載のグラム陽性細菌。 前記着目のタンパク質が、細菌タンパク質毒素、微生物表面タンパク質、ウイルスタンパク質、又は薬用タンパク質である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のグラム陽性細菌。 ppGppシンセターゼ活性を有する上記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸残基1〜アミノ酸残基734からなるアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のグラム陽性細菌。 ppGppシンセターゼ活性を有する上記ポリペプチドが、配列番号2の残基1〜残基734からなるアミノ酸配列を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のグラム陽性細菌。 上記細菌が、該細菌中のppGppシンセターゼをコードする遺伝子の調節要素を変更すること又は該細菌中のppGppシンセターゼをコードする遺伝子を突然変異させることによって、上記細菌中のppGppシンセターゼをコードする遺伝子の部分的又は完全な欠失を行うことにより、ppGppシンセターゼ活性を有するポリペプチドを野生型量よりも少量発現するように改変されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のグラム陽性細菌。 ppGppシンセターゼをコードする遺伝子が、前記遺伝子の正しいリーディングフレームを破壊すること又は前記遺伝子中に停止コドンを導入することによって突然変異させられている、請求項11に記載のグラム陽性細菌。 上記ppGppシンセターゼが、配列番号1のヌクレオチド21〜ヌクレオチド2222からなるヌクレオチド配列を含む遺伝子によってコードされる、請求項1〜12のいずれか1項に記載のグラム陽性細菌。 着目の細胞外タンパク質を組換え生産するための方法であって、以下のステップ:i)請求項1〜13のいずれか1項に定義されたグラム陽性細菌を培養すること;及びii)前記着目のタンパク質を精製すること、を含む、前記方法。 上記培養がフェドバッチ発酵として実施される、請求項14に記載の方法。