タイトル: | 特許公報(B2)_二酸化窒素ガスの検出方法および二酸化窒素ガスの検出装置 |
出願番号: | 1999320867 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,G01N31/00,G01N21/77 |
丸尾 容子 大山 孝 林 孝好 田中 融 JP 3648105 特許公報(B2) 20050218 1999320867 19991111 二酸化窒素ガスの検出方法および二酸化窒素ガスの検出装置 日本電信電話株式会社 000004226 山川 政樹 100064621 丸尾 容子 大山 孝 林 孝好 田中 融 20050518 7 G01N31/00 G01N21/77 JP G01N31/00 H G01N21/77 A 7 G01N 31/00 G01N 21/77 特開平09−274032(JP,A) 特開平08−220082(JP,A) 6 2001141713 20010525 15 20011004 竹中 靖典 【0001】【発明の属する技術分野】この発明は、二酸化窒素ガスの検出方法および二酸化窒素ガスの検出装置に関するものである。【0002】【従来の技術】現在、SO2,NOxによる環境への影響が問題とされている。SO2,NOxは化石燃料の燃焼により発生し、酸性雨や光化学スモッグの原因となっている。日本では、これらの汚染物質について、例えば大気中の二酸化窒素(NO2)濃度に環境基準が設定され、各地で常時監視局での自動測定法によるガス濃度測定が行われている。環境基準としては、1時間あたりの1日におけるNO2濃度の平均値が、おおよそ60ppb以下となっている。【0003】上記のNO2濃度を測定するガス濃度測定器は、数ppbの微量なガスの測定が可能であるが、高価で且つメンテナンスを必要とする。また、自動測定する場合には電力等膨大な経費がかかる上、電源や設置場所の確保が必要である等制約が多い。しかし、ガス濃度の分布調査や地球環境影響評価を精度良く行うためには、観測点を多くして全国規模で環境の監視を行う必要がある。このために、安価、小型、且つ使い方が簡便なガスセンサーあるいは簡易測定法(あるいはモニタリング装置)の蓄積的な利用が考えられる。【0004】現在、NO2などのガス濃度を測定するセンサーとして、半導体ガスセンサー、固体電解質ガスセンサー、電気化学式ガスセンサー、水晶発振式ガスセンサーなど幅広く開発が進んでいる。しかし、これらは短時間での応答を評価するために開発されたものであって、データの蓄積が必要な監視用に開発されたものは少ない。また、検出感度が1ppm程度であるために実環境の濃度(例えばNOxでは約10ppb)には対処できない。また、多くの場合、他ガスによる影響が無視できない。【0005】他に、検知管式気体測定器を使う方法があるが、この方法についても、測定する場所での短時間での測定を目的として開発されたものであり、蓄積的な使用は難しい。さらに、測定者が現場に行かなければならないこと、および色を読みとる際に個人差がでるなどの問題がある。また多くの場合、他ガスの干渉等または妨害が問題となる。上記ガスの簡易測定法としては、ポンプにより空気を取り込み、NOxガスをサンプリングバッグに直接捕集(直接捕集法)、固体の吸着剤で捕集(固体捕集法)、あるいは吸収液中に捕集(液体捕集法)し、集めたガスをガスクロマトグラフィで分析する方法が一般的である。【0006】しかし、いずれの方法もサンプルだけでなくポンプ等周辺機器の運搬が必要となり、観測点を多くして全国規模で測定を行うことが容易ではない。加えて、直接捕集法については、サンプリングバッグの大きさに限りがあるために、蓄積することが難しい。また、固体捕集法および液体捕集法については、捕集したガスを検出するための処理が必要等の問題があり、データの収集が容易ではない。また、いずれの方法も、捕集の後で分析を行うものであるため、時間ごとに変化する実際の環境における二酸化窒素ガスの濃度の時間変化を監視することが困難である。【0007】吸引等が必要でない簡便なモニタリングの方法として、環境測定用の受動式(パッシブ)サンプラーの利用が注目されている。NOx用の受動式サンプラーとしては、ナイトレーションプレート法やトリエタノールアミン(TEA)バッヂ法がある。風速、温度および湿度についての影響を検討し、定量性を検討している。一方、サンプリング後の測定は、サンプルを洗浄して溶液とし、イオンクロマトグラフィ、吸光光度法により分析する方法が一般的であった。しかし、これらのサンプラーは、回収した後で分析を行うまでに、洗浄等の手間がかかることが問題である。【0008】以上の問題点を解消する手法として、二酸化窒素ガスを、透明なマトリクス吸着剤である多孔体の孔中に吸着した検知剤と反応させた後、分光光度計により検知剤が吸着している多孔体からなる検知素子を透過する光の可視UV吸収スペクトルを測定し、二酸化窒素ガスの量を検出することを特徴とする二酸化窒素ガス検出装置が提案されている。この検出装置では、可視UV吸収スペクトルを測定するための光源として、小型で安定した光出力が得られ、かつ安価に入手できる、特定の波長の光を主に発するLEDを用いるようにしている。光源としてのLEDは、上記の検知剤と二酸化窒素ガスとが反応したときの検知素子の光吸収のピーク位置に合わせた波長の光、例えば波長530nmの発光が得られるものを用いる。【0009】【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の二酸化窒素ガス検出装置では、測定雰囲気の湿度が低い場合、特に、湿度が40%より低い状態で、精度よく二酸化窒素ガスの検出ができないという問題があった。湿度が40%以上ある状態では、上記の検知剤と二酸化窒素ガスとが反応したときの検知素子の光吸収のピーク位置はほとんど変化せず、ピークの高さが検知剤と反応した二酸化窒素の量に対応していた。ところが、測定雰囲気の湿度が40%より低い状態では、図14に示すように、検知剤と二酸化窒素ガスとが反応したときの検知素子の光吸収のピーク位置が変化する。上記のように特定波長のLEDを光源として用いる場合、検知素子の光吸収のピーク位置が変化すると、反応した二酸化窒素ガスの濃度と検知素子を透過した光の状態とが対応しなくなり、二酸化窒素ガスを精度よく検出できなくなる。【0010】本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、測定雰囲気の湿度が40%よりも低い場合であっても、より簡便に精度良く二酸化窒素ガスが検出できるようにすることを目的とする。【0011】【課題を解決するための手段】 本発明の二酸化窒素ガスの検出方法は、亜硝酸イオンと反応してジアゾ化合物を生成するジアゾ化試薬および前記ジアゾ化合物とカップリングしてアゾ色素を生成するカップリング試薬および酸との混合物を透明な多孔体の実質的に全ての孔中に配置した検知素子を用意するステップと、用意した検知素子の光透過率を測定して第1の透過率を求めるステップと、検知素子を測定対象の気体中に所定時間晒すステップと、測定対象の気体中に所定時間晒した検知素子の光透過率を測定して第2の透過率を求めるステップと、第1の透過率と第2の透過率の差により測定対象の気体中の二酸化窒素ガスの濃度を算出するステップと、検知素子を測定対象の気体中に所定時間晒したときの測定対象の気体の湿度を測定し、この測定した湿度により算出した二酸化窒素ガスの濃度を補正するステップとを備えるようにした。 この発明によれば、二酸化窒素ガスが存在する雰囲気に検知素子を晒すと、検知素子の孔内に吸着した二酸化窒素ガスによる亜硝酸イオンとジアゾ化試薬がジアゾ化してジアゾ化合物を生成し、このジアゾ化合物とカップリング試薬とがカップリングしてアゾ色素を生成し、検知素子に色がついて第1の透過率と第2の透過率に差が発生する。【0012】上記の発明において、多孔体の平均孔径は、ジアゾ化試薬およびカップリング試薬が入り込める以上の大きさで、加えて、20nm以下である。上記発明において、ジアゾ化試薬は、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェン,チアゾール等の複素芳香族化合物であって、1級アミノ基もしくはアセトアミド基を備えた化合物であり、カップリング試薬は、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェン,チアゾール等の複素芳香族化合物であって、1〜3級アミノ基もしくはアルコオキシ基もしくは水酸基を有する化合物である。【0013】また、本発明の二酸化窒素ガスの検出装置は、所定の波長の光を放出する発光部と、発光部の光放出面に受光面を対向して配置されて受光面が受光した光量に応じた電気信号を出力する光検出部と、発光部と光検出部との間に配置された検知素子と、この検知素子が配置された雰囲気の湿度を測定する湿度測定手段と、光検出部が出力した電気信号の状態を計測し、湿度測定手段が測定した湿度の値により計測した電気信号の状態を補正する電気計器とを少なくとも備え、検知素子は、透明な多孔体と、実質的に多孔体の孔内に配置されて亜硝酸イオンと反応してジアゾ化合物を生成するジアゾ化試薬と、多孔体の孔内にジアゾ化試薬とともに配置されてジアゾ化合物とカップリングしてアゾ色素を生成するカップリング試薬と、多孔体の孔内にジアゾ化試薬とともに配置された酸とから構成した。この発明によれば、検知素子の孔内に二酸化窒素ガスが浸入して二酸化窒素が吸着すると、この結果生成される亜硝酸イオンがジアゾ化試薬と反応してジアゾ化合物を生成し、生成したジアゾ化合物カップリング試薬がカップリングしてアゾ色素を生成し、検知素子に色がついた状態となる。一方で、発光部から放出された光は検知素子を介して光検出部に入射し、検知素子の色の変化が、光検出部の出力した電気信号の変化として電気計器に計測される。加えて、湿度測定手段が測定した湿度の値により、電気計測器に計測された信号が補正される。【0014】上記の発明において、多孔体の平均孔径は、ジアゾ化試薬およびカップリング試薬が入り込める以上の大きさで、加えて、20nm以下である。上記の発明において、ジアゾ化試薬は、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェン,チアゾール等の複素芳香族化合物であって、1級アミノ基もしくはアセトアミド基を備えた化合物であり、カップリング試薬は、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェン,チアゾール等の複素芳香族化合物であって、1〜3級アミノ基もしくはアルコオキシ基もしくは水酸基を有する化合物である。【0015】【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。本発明の二酸化窒素ガスの検出装置は、図1に示すように、例えば、所定の波長の光を発するLEDからなる発光部101からの発光光を、以降に説明する検知素子102に照射し、検知素子102の透過光を受光部103で受光する。この受光部103では、受光光を光電変換して信号電流を出力する。変換増幅部104では、受光部103より出力された信号電流を増幅して電流−電圧変換する。変換増幅部104で増幅された二酸化窒素ガスの検出濃度に対応する電圧信号は、A/D変換部105でデジタル信号に変換される。【0016】そして、この実施の形態では、検知素子102の近傍に湿度検出部107を備え、検知素子102の雰囲気の湿度を測定するようにした。湿度検出部107は、絶対湿度を測定する湿度計を用いるようにしてもよく、また、相対湿度を測定する湿度計を用いるようにしてもよい。また、比湿もしくは混合比を求めて湿度データとして用いるようにしてもよい。この、湿度検出部107で測定された湿度データは、出力検出部106に入力され、出力検出部106では、A/D変換部105から出力されたデジタル信号を、湿度データにより補正して出力する。【0017】図14に示したように、検知素子の雰囲気の湿度により、検知素子における光吸収特性が変化する。したがって、用いる検知素子の光吸収特性と湿度との相関関係を予め測定し、測定しておいた相関関係を出力検出部106に用意しておき、この相関関係を用いて測定された湿度データよりデジタル信号を補正すればよい。なお、湿度データとしては、絶対湿度を用いるようにしてもよく、相対湿度を用いるようにしてもよい。また、例えば、湿度データとして相対湿度を用いる場合、湿度検出部107は相対湿度計で構成してもよく、絶対湿度計と温度計とを組み合わせて構成してもよい。【0018】ここで、発光部101には、例えば、530nmの発光波長を有する緑色LEDを用いればよい。また、受光部103は、例えば、フォトダイオードである。このフォトダイオードとしては、例えば、190〜1000nmの波長に感度のあるものを用いればよい。また、発光部101と受光部103は、発光部分と受光部分とが対向して配置されている。また、発光部101,検知素子102,受光部103,変換増幅部104,A/D変換部105,出力検出部106,湿度検出部107は、電源となる二次電池とともに、例えば図2に示すような、12cm×6cm程度の面積を有する容器201内に配置され、通気口203が形成された板202で蓋がされ、遮光された状態で測定環境に配置される。【0019】上記の二酸化窒素ガスの検出装置は、例えば12cm×6cm程度の基板上内に、発光部として波長530nmの緑色の光を発するLEDと、このLEDの発光面に対向して受光面が配置されるように、受光部としてフォトダイオードを配置し、LEDとフォトダイオードの間に検知素子を配置し、LEDとダイオードには、端子板を介して直列に接続配置した2つの単3の二次電池から電源が供給される構成とし、電源の供給は、スイッチによりオンオフできるように構成すればよい。また、端子板を備えれば、端子板の端子を利用して回路を組み立てること容易にできるようになる。上記の構成において、フォトダイオードからの出力電流を電圧に変換した後、抵抗などを用いて出力電圧が、1桁(V)のオーダーとなるようにしてもよい。【0020】また、出力検出部106をメモリと演算処理部から構成し、メモリに格納された所定のプログラムによる演算処理部の処理で、湿度検出部107の出力結果でA/D変換部105の出力結果を補正するようにしてもよい。【0021】次に、上記の二酸化窒素ガスの検出装置における検知素子について詳細に説明する。まず、検知素子の作成に関して説明すると、図3(a)に示すように、ジアゾ化試薬として芳香族アミンであるスルファニル酸(sulfanilic acid:SA)とカップリング試薬としてN,N−ジメチルナフチルアミン(N,N-dimehtylnaphthylamine:DMNA)とを水とエタノールの混合液に溶解した検知剤溶液301を、容器302中に作製する。スルファニル酸の濃度は0.02mol/lとすればよい。【0022】次に、図3(b)に示すように、この検知剤溶液301に、平均孔径4nmの多孔質ガラスである多孔体303を浸漬する。この多孔体303は、コーニング社製のバイコール7930を用いればよい。このバイコール7930は平均孔径4nmである。また、多孔体303は、8(mm)×8(mm)で厚さ1(mm)のチップサイズとする。バイコール7930は硼珪酸ガラスであり、加熱することでアルカリ成分とシリコンを中心とする他の成分とを分離させ、過熱した状態で酸処理することでアルカリ成分を溶出させて多孔質体としたものである。このように製造過程で酸処理されているため、このバイコール7930の孔内は、酸性環境となっている。すなわち、バイコール7930の孔内には予め酸が存在した状態となっている。【0023】なお、多孔体の孔内が酸性状態となっていない場合は、前もって酸洗浄するなどのことにより、孔内を酸性環境として酸が存在した状態とすればよい。そして、酸洗浄により孔内を酸性とするときは、多孔体が、例えばpH1となっていればよい。なお、透明な多孔体としては、有機高分子からなる多孔体を用いるようにしても良い。上記の多孔体303を検知剤溶液301に2時間浸漬し、多孔体303の孔内に検知剤溶液を含浸させた後でこれを風乾し、図3(c)に示すように、窒素ガス気流中に半日間放置して乾燥し、検知素子303aを作製する。なお、上記では検知素子を板状としたが、これに限るものではなく、ファイバ状に形成するようにしても良い。【0024】次に、上記の検知素子を用いた二酸化窒素ガスの基本的な検出方法について説明すると、まず、図3(d)に示すように、検知素子303aの厚さ方向の吸光度を測定する。なお、図3(d)において、I0は入射信号光強度、Iは透過光強度である。次に、図3(e)に示すように、例えば、300ppbの濃度の二酸化窒素が存在する検出対象の空気304中に、検知素子303aを3時間程度晒す。そして、検知素子303aを検出対象の空気304中より取り出し、図3(f)に示すように、この検知素子303aの厚さ方向の吸光度を再び測定する。【0025】この2回の吸光度の測定(吸光光度分析)結果を図4に示す。透過光測定波長350nm以下は、検知素子を構成する多孔質ガラス(バイコール7930)自体の吸収があるために測定していない。図4では、検出対象の空気に晒す前の吸光度の測定結果を破線で示し、晒した後の吸光度の測定結果を実線で示す。まず、実線および破線ともに、水の吸収と思われる吸収が波長1350nm付近と1900nm付近にある。この吸収は、検出対象空気の湿度および検知素子の放置時間により変化した。従って、上記の検知素子を用いた二酸化窒素ガスの検出方法では、有効な測定波長範囲は350〜1000nmと判断される。【0026】そして、波長400〜600nmの特に530nm付近において、実線と破線との間に大きな変化が見られる。つまり、検出対象空気に晒した後の吸光度の測定では、波長530nmにおける吸収が発現している。従って、検出対象空気に晒すことで、検知素子中に、波長530nmの光吸収を有する新たな物質が生成されていることになる。そして、新たな生成物質は、スルファニル酸と亜硝酸イオンとが反応して生成したジアゾ化合物に、N,N−ジメチルナフチルアミンがカップリングして生成したアゾ色素と推定できる。二酸化窒素は、水に溶けることで亜硝酸イオンとなる。また、新たに出現した吸収のピークは1つであることから、他の副反応が起こっていないことが確認できる。【0027】前述したように、多孔体である検知素子は、まず、図5(a)に示すような、例えば平均孔径が20nm以下の孔501を複数備えた透明なマトリクス吸着剤である。そして、この検知素子(多孔体)502の孔501中には、ジアゾ化試薬とカップリング試薬とが酸とともに配置されている。そして、このような多孔体を空気中に晒すと、実際には、空気中の水分が孔内に吸着して薄い水の膜を作る。結果として、この多孔体である検知素子502の孔501内壁には、ジアゾ化試薬とカップリング試薬と酸が溶解している水溶液(検知剤溶液)の薄い膜503が形成された状態となっている。そして、孔501内に入ってきた二酸化窒素分子504は、検知剤溶液と出会って次に示すような2つの反応を起こすことになる。【0028】まず、図5(b)に示すように、二酸化窒素が水に溶解することで生成された亜硝酸イオン511と、ジアゾ化試薬であるスルファニル酸512とが反応(ジアゾ化)し、ジアゾ化合物513を生成する。そして、ジアゾ化合物513と、カップリング試薬であるN,N−ジメチルナフチルアミン514とがカップリングし、アゾ化合物(カップリング化合物)515を生成する。ここで、アゾ化合物(アゾ色素)は、一般に200〜2000nmの中のいずれかの波長域に光吸収を持っている。例えば、図5(c)に示したアゾ化合物515は、500〜550nm付近に吸収波長を有することが知られている。これは、図4に示した結果に一致する。【0029】従って、例えば、分光光度計(吸光光度計)により吸収スペクトルを測定すれば、アゾ化合物の検出(定量)を行うことができる。なお、ジアゾ化は、酸が2当量以上存在する中で、芳香族第一アミン(ArNH2)と亜硝酸イオン(NO2-)とが反応してジアゾ化合物(ArN2+)を作る反応である。このため、上述した反応は、基本的には二酸化窒素ガス以外では起こらない。ここで、この反応は、ArNH2+NO2-+2H+→ArN2++2H20という反応であるため、理論的には酸を2当量必要とする。すなわち、前述したように、多孔体の孔中に必要量の酸とともにジアゾ化試薬とカップリング試薬とを配置(担持)させておく必要がある。なお、上述した反応は、気相中でも起こり得るが、前述したように、実際の環境では水分がない状態が存在し得ないため、実質的に、検知素子の孔内には水の薄い膜が存在し、水溶液中で上述した反応が起こることになる。【0030】そして、前述したように、二酸化窒素ガスが吸着することで結果として生成したアゾ化合物を光吸収により測定することで、間接的に二酸化窒素ガスの測定を行うことができる。ここで、例えば、多孔体をアゾ化合物の光吸収波長域における光が透過する材料から構成すれば、二酸化窒素ガスを吸着させた多孔体(検知素子)の光吸収特性を測定することで、吸着した二酸化窒素ガスの検出が行えることになる。加えて、この実施の形態では、検知素子の雰囲気の湿度を測定し、測定した湿度データにより、測定した検知素子の光吸収特性を補正するようにしたので、より精度よく二酸化窒素ガスの検出が行えるようになる。【0031】二酸化窒素濃度が300ppbの空気中に、検知素子を3時間晒したとき、吸光度の測定の結果は、図4に示したように、波長530nmにおける吸光度の変化が0.1程度と高く、高感度なサブppmレベルの二酸化窒素ガスの検出ができている。測定は吸光光度計の薄膜測定用のホルダに、上記の検知素子を入れるだけであり、簡単に行うことができる。そして、吸光度の差と濃度との関係を求めれば、ppbレベルの定量が可能となる。感度指数として暴露量(濃度(ppb)×暴露時間(時間))当たりの最大吸収波長での吸光度変化を求めた。上記(図4)の場合、300ppbの二酸化窒素ガスの中に3時間暴露した際の吸光度変化は0.1であり、感度指数は1.1×10-4ppb-1・hr-1となり、非常に高い感度が得られる。【0032】ところで、ジアゾ化試薬として、例えば、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニルなどの芳香族またはチオフェン,チアゾールなどの複素芳香族で、1級アミノ基またはアセトアミド基を有する化合物を用いるようにしてもよい。また、カップリング試薬として、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニルなどの芳香族またはチオフェン,チアゾールなどの複素芳香族で、アミノ基(1〜3級),アルコオキシ基,あるいは,水酸基を有する化合物を使用してもよい。【0033】また、ジアゾ化試薬およびカップリング試薬を多孔体の孔中に導入する方法として、上述したように、両者を溶液として多孔体に含浸させて孔中に導入して乾燥する方法の他に、両者を蒸着して孔中に導入する方法、両者を溶融して孔中に導入する方法がある。これらの場合、前もって多孔体の孔中に酸を導入しておくことで、酸性環境とすればよい。また、両者を単独,もしくは,他の化合物と混合し、ゾルゲル法により多孔体を作製する際にジアゾ化試薬およびカップリング試薬を孔中に導入する方法がある。上記のように、多孔体の孔内にジアゾ化試薬およびカップリング試薬を備えた検知素子を用いれば、検出対象の二酸化窒素ガスの吸着面積が増大し、感度および蓄積容量を増大させることができる。【0034】また、検知素子を構成している多孔体が、おおよそ400〜1000nmの波長領域において、高い透過率を有しているので、検知素子の透過率を測定することで、二酸化窒素が検知素子に吸着することで生成されるアゾ色素による吸光度の変化を測定できる。したがって、検知素子を検出対象の空気に晒す前と晒した後とで検知素子の吸光度を測定することで、二酸化窒素ガスの検出が容易に行える。そして、吸光度の測定においては、単一ピークの変化を見ればよいので、測定が容易である。図6に示すように、測定対象の空気における二酸化窒素ガス濃度が高くなると、検知素子の所定の波長における光の透過率が低下していく。図6は、図1に示した発光部101の波長をおおよそ530nmとした場合である。【0035】ここで、検知素子を構成する多孔体をガラス(硼珪酸ガラス)から構成した場合、多孔体の平均孔径を20nm以下とすることで、可視UV波長領域(波長200〜2000nm)での透過スペクトルの測定において、可視光領域(350〜800nm)では光が透過した。しかし、検知素子に用いる多孔体の平均孔径が20nm以上となると、可視領域で急激な透過率の減少が観測された。【0036】上記の結果を図7に示す。図7では、点線が石英ガラスの透過率を示し、一点鎖線が硼珪酸ガラスからなる孔径2.5nmの多孔体の透過率を示し、実線が上述したバイコール7930の透過率を示し、破線が硼珪酸ガラスからなる孔径20nmの多孔体の透過率を示している。なお、一点鎖線と破線で示すサンプルは、ゲルテック社(GELTECH)製のものである。また、すべて、透過率測定方向の厚さは1mmとした。検知素子に用いる多孔体は、平均孔径が20nm以下としたほうがよい。また、350〜800nmの可視光領域で透明な多孔体を用いる。ところで、上述では、多孔体の比表面積は1g当たり100m2以上である。【0037】次に、二酸化窒素ガスの検知素子の他の作製方法について説明する。まず、ジアゾ化試薬としてスルファニルアミド(SFA)と、カップリング試薬としてN,N−ジメチルナフチルアミン(DMNA)とを、エタノールの混合液に溶解した検知剤溶液を作製する。ここで、スルファニルアミドの濃度は0.02mol/lとし、またN,N−ジメチルナフチルアミンの濃度は0.005mol/lとすればよい。次に、検知剤溶液に、平均孔径4nmの多孔体を浸漬する。この多孔体は、前述と同様に、コーニング社製のバイコール7930を用いればよい。このバイコール7930は平均孔径4nmである。また、多孔体は、8(mm)×8(mm)で厚さ1(mm)のチップサイズである。【0038】そして、この多孔体を検知剤溶液に2時間浸漬し、多孔体の孔内に検知剤溶液を含浸させた後でこれを風乾し、窒素ガス気流中に半日間放置して乾燥すれば、検知素子が作成できる。図8には、この検知素子を、測定対象の空気に晒す前と晒した後の吸収スペクトルを示した。破線は、晒す前の状態を示している。そして、実線が、300ppbの濃度の二酸化窒素ガスが存在する空気中に、上記の検知素子を3時間晒した後の結果を示している。図8から明らかなように、実線には、波長530nm付近に新しい吸収ピークが1つのみ現れている。【0039】図8に示した、530nm付近の吸収はスルファニルアミドがジアゾ化したジアゾ化合物とN,N−ジメチルナフチルアミンがカップリングした結果生成したアゾ色素によるものと考えられる。そして、吸光度の変化も0.1程度と高く、上記の検知素子を用いた二酸化窒素ガスの検出でも、高感度なppbレベルの二酸化窒素ガスの検出が可能なことがわかった。この検知素子の結果(図8)についても感度指数を求めると1.3×10-4ppb-1・hr-1となり、非常に高い感度が得られたことがわかる。【0040】図1の検知素子102を上記の方法により作成し、実際に二酸化窒素ガスの濃度を測定した結果(経時変化)を図12および図13に、白抜きの棒グラフで示す。図12は、湿度検出部107が検出した湿度データを用いた補正を行わない場合の測定結果であり、図13は、湿度検出部107が検出した湿度データを用いた補正を行った場合の測定結果である。図12,13において、太い実線は二酸化窒素ガスの測定環境における温度変化を示し、破線は湿度の変化を示している。また、白丸は、JIS法に定められた化学発光法により同時に二酸化窒素ガスの濃度を測定した結果である。なお、縦軸は、各々相対的な値を示している。【0041】化学発光法による二酸化窒素ガスの濃度測定に関して簡単に説明すると、まず、ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に還元し、この一酸化窒素にオゾンを反応させて二酸化窒素を生成させ、生成した二酸化窒素が励起状態より基底状態に移るときに発する光の量を光電子増倍管で測定するものである。図12から明らかなように、破線で示す湿度が低下した領域では、検知素子を用いた測定結果と化学発光法による測定結果が大きく異なっている。これに対し、図13に示すように、湿度を測定した結果で補正する場合、破線で示す湿度が低下した領域においても、検知素子を用いた測定結果と化学発光法による測定結果がほぼ同様となる。【0042】ところで、二酸化窒素ガスの検知素子の作成は、上記の方法に限るものではなく、以降に示す方法でも作製することができる。まず、ジアゾ化試薬としてアセトアニリド(AA)と、カップリング試薬としてN,N−ジメチルナフチルアミン(DMNA)とを、エタノールの混合液に溶解した検知剤溶液を作製する。ここで、アセトアニリド(AA)の濃度は0.02mol/lとし、またN,N−ジメチルナフチルアミンの濃度は0.005mol/lとすればよい。次に、上記の検知剤溶液に、平均孔径4nmの多孔体を浸漬した。この多孔体は、前述した検知素子の場合と同様に、コーニング社製のバイコール7930を用いればよい。このバイコール7930は平均孔径4nmである。また、多孔体は、8(mm)×8(mm)で厚さ1(mm)のチップサイズとすればよい。【0043】そして、この多孔体を検知剤溶液に2時間浸漬し、多孔体の孔内に検知剤溶液を含浸させた後でこれを風乾し、そして、窒素ガス気流中に半日間放置して乾燥すれば、検知素子として用いることができる。図9には、この検知素子を、測定対象の空気に晒す前と晒した後の吸収スペクトルを示した。破線は、晒す前の状態を示している。そして、実線が、300ppbの濃度の二酸化窒素ガスが存在する空気中に、上記の検知素子を3時間晒した後の結果を示している。図9に示すように、実線には、波長460nm付近に新しい吸収が現れた。この吸光度は0.03程度であるが、充分高感度なppbレベルの二酸化窒素ガスの検出が可能である。上記の検知素子の測定結果(図9)より感度指数を求めると3.3×10-5ppb-1・hr-1となった。【0044】次に、二酸化窒素ガスの検知素子の他の作製方法について説明する。まず、三角フラスコにカップリング試薬として0.0428gのN,N−ジメチル−1−ナフチルアミン(DMNA)をとり、これに100mlのエタノールを加えて溶解し、約0.0025mol/lの溶液を調整する。また、もう一つの三角フラスコに、ジアゾ化試薬として0.6888gのスルファニルアミドをとり、これに100mlのエタノールを加えて溶解し、約0.04mol/lの溶液を調整する。【0045】次に、上記の2つの溶液をそれぞれ10mlとって混合し、検知剤溶液を調整した。シャーレの中の検知剤溶液に検知剤溶液をシャーレに移し、シャーレの中の検知剤溶液に平均孔径4nmの多孔体を約2時間浸漬し、多孔体に検知剤溶液を含浸させる。この多孔体は、コーニング社製のバイコール7930を用いればよい。このバイコール7930は平均孔径4nmである。また、多孔体は、8(mm)×8(mm)で厚さ1(mm)のチップサイズとすればよい。次いで、検知剤溶液を含浸させた多孔体を、シャーレより取り出して24時間風乾して溶媒を蒸発させれば、検知素子として用いることができる。この検知素子は、目視では無色透明である。【0046】上記検知素子を、二酸化窒素濃度200ppbの乾燥窒素雰囲気中に晒したところ、目視の状態では検知素子の色が無色透明から桃色に変化した。この変化を吸光光度計で測定した結果、図10に示すように変化が観測された。図10では、初期の無色透明に見えた検知素子の測定結果を破線で示し、桃色に変化した状態の検知素子の測定結果を実線で示している。この変化は非可逆であった。また、二酸化窒素濃度を100ppb〜100ppmの範囲で変化させたところ、光吸収の強度が異なるだけで、ほぼ同様のスペクトル変化が見られた。【0047】次に、上記の検知素子を、二酸化窒素濃度が10ppbの大気(空気)に晒したところ、検知素子の吸光度に図11に示すような変化が観測された。図11では、初期の無色透明に見えた検知素子の測定結果を破線で示し、検体空気に晒した後の測定結果を実線で示している。そして、この変化も非可逆であった。以上示したように、上記の検知素子を用いても、二酸化窒素ガスの検出が可能であり、また、大気中における二酸化窒素ガスを検出することができる。【0048】【発明の効果】 以上説明したように、本発明では、まず、亜硝酸イオンと反応してジアゾ化合物を生成するジアゾ化試薬および前記ジアゾ化合物とカップリングしてアゾ色素を生成するカップリング試薬および酸との混合物を透明な多孔体の実質的に全ての孔中に配置した検知素子を用意する。そして、用意した検知素子の光透過率を測定して第1の透過率を求め、次いで、検知素子を測定対象の気体中に所定時間晒し、測定対象の気体中に所定時間晒した検知素子の光透過率を測定して第2の透過率を求める。次いで、第1の透過率と第2の透過率の差により測定対象の気体中の二酸化窒素ガスの濃度を算出し、一方で、検知素子を測定対象の気体中に所定時間晒したときの測定対象の気体の湿度を測定し、この測定した湿度により算出した二酸化窒素ガスの濃度を補正するようにした。【0049】この発明によれば、二酸化窒素ガスが存在する雰囲気に検知素子を晒すと、検知素子の孔内に吸着した二酸化窒素ガスによる亜硝酸イオンとジアゾ化試薬がジアゾ化してジアゾ化合物を生成し、このジアゾ化合物とカップリング試薬とがカップリングしてアゾ色素を生成し、検知素子に色がついて第1の透過率と第2の透過率に差が発生する。この透過率の差により求めた二酸化窒素ガスの濃度を、同時に測定した湿度の値により補正して二酸化窒素ガスの濃度とする。したがって、本発明によれば、測定雰囲気の湿度が40%よりも低い場合であっても、より簡便に精度良く二酸化窒素ガスが検出できるという優れた効果が得られる。【図面の簡単な説明】【図1】 この発明の実施の形態における二酸化窒素ガスの検出装置の構成を示す構成図である。【図2】 図1の二酸化窒素ガスの検出装置が納められる容器の概略的な構成を示す斜視図である。【図3】 検知素子の作成に関して示す説明図である。【図4】 検知素子を測定雰囲気に晒す前と晒した後の吸光度の変化を示す特性図である。【図5】 検知素子の構成を示す説明図および、検知素子内で起こる反応を示す説明図である。【図6】 検知素子における二酸化窒素濃度と透過率との関係を示す相関図である。【図7】 ガラスからなる多孔体と光学透過率の関係を示す相関図である。【図8】 検知素子を測定雰囲気に晒す前と晒した後の吸光度の変化を示す特性図である。【図9】 検知素子を測定雰囲気に晒す前と晒した後の吸光度の変化を示す特性図である。【図10】 検知素子を測定雰囲気に晒す前と晒した後の吸光度の変化を示す特性図である。【図11】 検知素子を測定雰囲気に晒す前と晒した後の吸光度の変化を示す特性図である。【図12】 検知素子を用いて湿度の補正なしに二酸化窒素ガスを測定した結果と化学発光法による二酸化窒素ガスの測定結果とを比較する特性図である。【図13】 検知素子を用いて湿度の補正をして二酸化窒素ガスを測定した結果と化学発光法による二酸化窒素ガスの測定結果とを比較する特性図である。【図14】 湿度による検知素子の光吸収特性の変化を示す特性図である。【符号の説明】101…発光部、102…検知素子、103…受光部、104…変換増幅部、105…A/D変換部、106…出力検出部、107…湿度検出部。 亜硝酸イオンと反応してジアゾ化合物を生成するジアゾ化試薬および前記ジアゾ化合物とカップリングしてアゾ色素を生成するカップリング試薬および酸との混合物を透明な多孔体の実質的に全ての孔中に配置した検知素子を用意するステップと、 前記検知素子の光透過率を測定して第1の透過率を求めるステップと、 前記検知素子を測定対象の気体中に所定時間晒すステップと、 測定対象の気体中に所定時間晒した前記検知素子の光透過率を測定して第2の透過率を求めるステップと、 前記第1の透過率と前記第2の透過率の差により前記測定対象の気体中の二酸化窒素ガスの濃度を算出するステップと、 前記検知素子を測定対象の気体中に所定時間晒したときの測定対象の気体の湿度を測定し、この測定した湿度により前記算出した二酸化窒素ガスの濃度を補正するステップと を備えたことを特徴とする二酸化窒素ガスの検出方法。 請求項1記載の二酸化窒素ガスの検出方法において、前記多孔体の平均孔径は、前記ジアゾ化試薬およびカップリング試薬が入り込める以上の大きさで、加えて、20nm以下であることを特徴とする二酸化窒素ガスの検出方法。 請求項1または2記載の二酸化窒素ガスの検出方法において、前記ジアゾ化試薬は、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェン,チアゾール等の複素芳香族化合物であって、1級アミノ基もしくはアセトアミド基を備えた化合物であり、前記カップリング試薬は、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェン,チアゾール等の複素芳香族化合物であって、1〜3級アミノ基もしくはアルコオキシ基もしくは水酸基を有する化合物であることを特徴とする二酸化窒素ガスの検出方法。 所定の波長の光を放出する発光部と、この発光部の光放出面に受光面を対向して配置されて前記受光面が受光した光量に応じた電気信号を出力する光検出部と、前記発光部と前記光検出部との間に配置された検知素子と、この検知素子が配置された雰囲気の湿度を測定する湿度測定手段と、前記光検出部が出力した電気信号の状態を計測し、前記湿度測定手段が測定した湿度の値により計測した電気信号の状態を補正する電気計器とを少なくとも備え、前記検知素子は、透明な多孔体と、実質的に前記多孔体の全ての孔内に配置されて亜硝酸イオンと反応してジアゾ化合物を生成するジアゾ化試薬と、前記多孔体の孔内に前記ジアゾ化試薬とともに配置されて前記ジアゾ化合物とカップリングしてアゾ色素を生成するカップリング試薬と、前記多孔体の孔内に前記ジアゾ化試薬とともに配置された酸とから構成されたことを特徴とする二酸化窒素ガスの検出装置。 請求項4記載の二酸化窒素ガスの検出装置において、前記多孔体の平均孔径は、前記ジアゾ化試薬およびカップリング試薬が入り込める以上の大きさで、加えて、20nm以下であることを特徴とする二酸化窒素ガスの検出装置。 請求項4または5記載の二酸化窒素ガスの検出装置において、前記ジアゾ化試薬は、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェン,チアゾール等の複素芳香族化合物であって、1級アミノ基もしくはアセトアミド基を備えた化合物であり、前記カップリング試薬は、ベンゼン,ナフタレン,ビフェニル等の芳香族化合物、もしくは、チオフェン,チアゾール等の複素芳香族化合物であって、1〜3級アミノ基もしくはアルコオキシ基もしくは水酸基を有する化合物であることを特徴とする二酸化窒素ガスの検出装置。