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タイトル:特許公報(B2)_カルボキシ酸誘導体及びその製造方法
出願番号:1999293288
年次:2005
IPC分類:7,C07C69/608,C07C67/10,C07C69/75,C07C69/753


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セオ ドンチュル キム セオジュ パク ジョーヒュオン キム ジャエヨング JP 3608149 特許公報(B2) 20041022 1999293288 19991015 カルボキシ酸誘導体及びその製造方法 コーリア クムホー ペトロケミカル カンパニーリミテッド 598076214 中村 和年 100097906 セオ ドンチュル キム セオジュ パク ジョーヒュオン キム ジャエヨング KR 1999-P-27670 19990709 20050105 7 C07C69/608 C07C67/10 C07C69/75 C07C69/753 JP C07C69/608 C07C67/10 C07C69/75 C07C69/753 7 CA(STN) REGISTRY(STN) 米国特許第5532106(US,A) Tetrahedron,1995年,Vol.51,No.2,p.5807-5812 4 2001039928 20010213 13 20000918 吉住 和之 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、カルボキシ酸誘導体及びその製造方法に係るもので、詳しくは酸により容易に分解される保護基を導入した下記の化学式1(化4)で示される新規なカルボキシ酸誘導体及びその製造方法に関する。【0002】化学式1【化4】前記式において、R1及びR2は上述のようである。【0003】【従来の技術】電子材料のレジストに添加剤又は主成分として用いられるカルボキシ酸化合物は、レジストのエッチング耐性とパターンプロファイルを向上させる役割をする。【0004】このような役割をするカルボキシ酸誘導体の一例は、t−ブチル基を保護基として導入したt−ブチルデオキシコレート(t−butyl deoxycholate)又はt−ブチルリトコレート(t−butyl lithocholate)などが知られている(Proc.SPIE3049,84,1997)。【0005】【発明が解決しようとする課題】しかるに、このようなカルボキシ酸誘導体を含むレジストは、非露光部で塩基性水溶液に対する不溶性を満足させることができず、酸により容易に分解されないという問題点がある。【0006】結果的に、最終パターン形成のため現像液で現像するとき、非露光したレジスト部位が食刻されることにより、パターンプロファイルが落ちる要因として作用している。【0007】本発明の目的は、上述した従来のカルボキシ酸誘導体を主成分及び添加剤として含むレジストの耐エッチング性とパターンプロファイルを向上させるためのものであって、従来のt−ブチルエステル化合物に比べて酸により容易に分解され、塩基性水溶液では溶解されない新規なカルボキシ酸誘導体を提供することにある。【0008】また、本発明の他の目的は、上述のような新規なカルボキシ酸誘導体を製造する方法を提供することにある。【0009】【課題を解決するための手段】このような目的を達成するため本発明に係るカルボキシ酸誘導体は、下記の化学式1(化5)で示されることを特徴とする。【0010】化学式1【化5】前記式において、R1は炭素数1〜20の直鎖状、側鎖状、又は環状のアルコキシ基で、R2は炭素数1〜40の非置換又はヒドロキシ基、エステル基、エーテル基に置換された直鎖状、側鎖状、或いは環状のカルボキシ基である。【0011】また、本発明は、次の化学式2で示されるハロゲン化合物と、次の化学式3で示されるカルボキシ酸化合物とを塩基性触媒の存在下で反応させて前記化学式1で示されるカルボキシ酸誘導体を製造する方法にもその特徴がある。【0012】化学式2R1−CHX2前記式において、R1は上述のようであり、XはF、Cl、Br又はIである。【0013】化学式3R2−H前記式において、R2は上述のようである。【0014】【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。【0015】本発明に係るカルボキシ酸誘導体の製造方法は、化学式2で示されるハロゲン化合物と化学式3で示されるカルボキシ酸化合物とを溶媒で溶かした後、撹拌しながら塩基性触媒を徐々に注入して反応させる1段階反応である。【0016】このとき、用いられる塩基性触媒としては、一般の1次、2次又は3次アミン類、ピリジン類、有機金属類、或いは金属類のうちいずれか一つを用いても変わらない。しかし、電子材料として使用する場合、金属不純物を最小限に維持させなければならないので、金属類の触媒よりも有機塩基性触媒のアミン誘導体が好ましい。【0017】本発明に係るカルボキシ酸誘導体の製造方法は、化学反応式1(化6)で示される。【0018】(化学反応式1)【化6】前記式1において、R1、R2及びXは上述のようである。【0019】本発明に係る前記化学式2で示されるハロゲン化合物は、上述で定義したように、1,1−ジハロアルカン(1,1−dihaloalkane)又は1,1−ジハロアルキルアルキルエーテル(1,1−dihaloalkyl alkyl ether)である。具体的な化合物の例は、ジブロモメタン(dibromomethane)、1,1−ジブロモプロパン(1,1−dibromopropane)、1,1−ジクロロメチルメチルエーテル(1,1−dichloromethl methyl ether)及び1,1−ジクロロメチル2−ノルボルニルエーテル(1,1−dichloromethyl 2−norbornyl ether)などがある。これらのうちで、1,1−ジブロモプロパンは、別のハロゲン化合物よりも反応性が少し劣るという短所がある。【0020】本発明で用いられる前記化学式3で示されるカルボキシ酸において、上述で定義したような大部分の作用基は反応進行に影響を与えない。カルボキシ酸の作用基の具体的な例を挙げると、ヒドロキシ基、エステル基、エーテル基、アミド基、エポキシ基、アミノ基、ハロゲン基、ラクトン基、無水物基、亜硫酸塩基などが挙げられる。これらの作用基は、カルボキシ酸内に場合によっては一つ以上が存在しても、反応には影響を与えない。【0021】反応温度は、通常−80〜150℃で進行されるが、温度が低すぎれば撹拌がよく進めないという問題点がある。反対に、その反応温度が高すぎれば、副生成物が生成されることもある。一方、反応時間は0.5〜15時間の以内が好ましい。【0022】前記化学式3で示されるカルボキシ酸の使用量は、前記化学式2で示されるハロゲン化合物に対し1.5〜3.0当量、好ましくは1.8〜2.2当量が適切である。【0023】このような化合物を用いてカルボキシ酸誘導体を製造するにあたって、反応溶媒としてはジクロロメタン、クロロフォルム、四塩化炭素、アセトニトリル、酢酸エチル、エチルエーテル、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エタノール、メタノール、イソプロパノール、又はアセトンなどが使用できる。これらの溶媒のうちジクロロメタンとジメチルホルムアミドが好ましい。【0024】ところが、化学式2で示されるハロゲン化合物と化学式3で示されるカルボキシ酸を溶かすことができるか、又はこれらの出発物質を溶かすことはできないけれど反応生成物が溶ける溶媒であれば、特別な制限はない。【0025】このような方法により合成されたカルボキシ酸誘導体を用いて基礎樹脂と酸発生剤、そして若干の添加剤を用いてフォトレジスト組成物を製造することができる。【0026】ここで、カルボキシ酸誘導体はエッチング耐性、接着性、パターンプロファイル、解像度、露光エネルギなどを向上させる役割をする。【0027】本発明により新規合成されたカルボキシ酸誘導体のうち、デオキシコール酸(deoxycholic acid)誘導体が強酸により分解されるメカニズムは、下記の化学反応式2のようである。【0028】(化学反応式2)【化7】前記化学反応式2において、デオキシコール酸誘導体は、塩基性水溶液に対する溶解度が極めて低いが、酸により分解されて生成されたデオキシコール酸の場合は、塩基性水溶液に対する溶解度が非常に高い。【0029】このような原理を化学増幅形レジストに用いると、非露光部位では塩基性水溶液に対する溶解抑制剤の役割をするが、露光部位ではデオキシコール酸が生成されて塩基性水溶液に対する溶解促進効果がある。【0030】【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳しく説明するが、本発明が実施例に限定されるものではない。【0031】実施例1シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gをジメチルアセトアミドに溶かした後、10gのα,α−ジクロロメチルメチルエーテルを0℃で徐々に注入した。注入が終わった後、同じ温度で19.4gのトリエチルアミンを徐々に付加し、次いで、同じ温度で1時間の間撹拌した後、常温に昇温させて2時間の間撹拌した。反応が終わると、エチルアセテートで反応物を希釈させた後、過量の蒸留水で3度に亘って洗浄し、炭酸カリウム水溶液で再び洗浄した後、蒸留水で洗浄した。有機層を分離して硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過した。残余液に含まれている溶媒を真空蒸留で完全に除去して25gの(化8)で示される化合物 (I) を得た。【0032】【化8】実施例2前記実施例1と同じ方法によりカルボキシ酸誘導体を製造するが、但し、シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gの代わりに4−tert−ブチルシクロヘキサンカルボキシ酸32.1gを用いて32gの(化9)で示される化合物(II)を得た。【0033】【化9】実施例3前記実施例1と同じ方法によりカルボキシ酸誘導体を製造するが、但し、シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gの代わりにノルボルナンカルボキシ酸 24.4gを用いて26gの(化10)で示される化合物(III) を得た。【0034】【化10】実施例4前記実施例1と同じ方法によりカルボキシ酸誘導体を製造するが、但し、シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gの代わりにノルボルナンカルボキシ酸 24.0gを用いて24gの(化11)で示される化合物(IV)を得た。【0035】【化11】実施例5前記実施例1と同じ方法によりカルボキシ酸誘導体を製造するが、但し、シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gの代わりに2−ノルボルナン酢酸26.8gを用いて27gの(化12)で示される化合物(V)を得た。【0036】【化12】実施例6前記実施例1と同じ方法によりカルボキシ酸誘導体を製造するが、但し、シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gの代わりに1−アダマンタンカルボキシ酸(1−adamantane carboxylic acid)31.4gを用いて28gの(化13)で示される化合物(VI)を得た。【0037】【化13】実施例7前記実施例1と同じ方法によりカルボキシ酸誘導体を製造するが、但し、シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gの代わりに1−アダマンタン酢酸(1−adamantane acetic acid)33.8gを用いて31gの(化14)で示される化合物(VII)を得た。【0038】【化14】実施例8前記実施例1と同じ方法によりカルボキシ酸誘導体を製造するが、但し、シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gの代わりにリソコール酸(lithocholic acid)65.5gを用いて59gの(化15)で示される化合物(VIII)を得た。【0039】【化15】実施例9前記実施例1と同じ方法によりカルボキシ酸誘導体を製造するが、但し、シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gの代わりにデオキシコール酸(deoxycholic acid)68.3gを用いて60gの(化16)で示される化合物(IX)を得た。【0040】【化16】実施例10前記実施例1と同じ方法によりカルボキシ酸誘導体を製造するが、但し、シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gの代わりにヒオデオキシコール酸(hyodeoxycholic acid)68.3gを用いて63gの(化17)で示される化合物(X)を得た。【0041】【化17】実施例11前記実施例1と同じ方法によりカルボキシ酸誘導体を製造するが、但し、シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gの代わりにコール酸(cholic acid)71.8gを用いて60gの(化18)で示される化合物(XI)を得た。【0042】【化18】実施例12前記実施例1と同じ方法によりカルボキシ酸誘導体を製造するが、但し、シクロヘキサンカルボキシ酸22.3gの代わりにデオキシコール酸(deoxycholic acid)68.3gと、α,α−ジクロロメチルメチルエーテル10gの代わりにα,α−ジクロロメチル2−ノルボルナンメチルエーテル(α,α−dichloromethyl 2−norbornanemethylether)18gとを用いて59gの(化19)で示される化合物(XII)を得た。【0043】【化19】【0044】実験例1、2および比較実験例1、2次の表1に示したような成分を溶かして0.2μm膜のフィルタで濾過してレジスト液を得た。残りの液をシリコンウエハに回転塗布した。該塗布されたウエハを110℃で60秒の間加熱した後、実験例1と比較実験例1はArF露光機(exposure system)を用いて露光した後、110℃で60秒の間加熱した。前記ウエハを水酸化水溶液で60秒の間現像乾燥させて陽性レジストパターンを得た。【0045】ここで、エッチング耐性はノボラックを基礎としたI−lineレジストに対する相対的な数字である。【0046】実験例2と比較実験例2は、Nikon KrF stepperで露光して得た結果である。【0047】【表1】【0048】【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るカルボキシ酸化合物にハロゲン化合物を添加して縮合させて得た誘導体は、酸により容易に分解されると共に塩基性水溶液には溶解されず、大きい単分子化合物として製造することができるし、これをフォトレジスト組成物に添加する場合は、非露光部位では溶解抑制剤として作用して残膜率を改善させ、露光部ではカルボキシ酸が発生して溶解を促進させる促進剤として作用することにより、レジストのパターンプロファイルを向上させ得るという効果がある。 次の化学式1(化1)で表示されるカルボキシ酸誘導体。化学式1前記式において、R1は炭素数1〜20の直鎖状、側鎖状、又は環状のアルコキシ基で、R2は炭素数1〜40の非置換又はヒドロキシ基、エステル基、エーテル基に置換された直鎖状、側鎖状、或いは環状のカルボキシ基である。 下記のような化合物(化2)、(化3)からなる群から選ばれるものであることを特徴とする請求項1に記載のカルボキシ酸誘導体。 下記の化学式2で示されるハロゲン化合物のうちから選ばれた1種以上の化合物と、下記の化学式3で示されるカルボキシ酸化合物のうちから選ばれた1種以上の化合物(前記化学式2で示されるハロゲン化合物に対して1.5〜3.0当量)とを塩基性触媒の存在下で−80〜150℃で0.5〜15時間の間反応させて請求項1の化学式1で示されるカルボキシ酸誘導体を製造する方法。化学式2R1−CHX2前記式において、R1は請求項1のようであり、XはF,Cl,Br又はIである。化学式3R2−H前記式において、R2は請求項1のようである。 塩基性触媒としては、アミン類、ピリジン類、有機金属類および金属類のうちから選ばれる単独又は2種以上の混合物を用いることを特徴とする請求項3に記載のカルボキシ酸誘導体の製造方法。


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