生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_エッチングプロセスにおける混酸液の定量分析方法
出願番号:1999285414
年次:2006
IPC分類:G01N 31/16,G01N 21/82,G01N 30/88,G01N 31/00,H01L 21/308


特許情報キャッシュ

沢田 吏郎 谷地 文枝 大沼 光男 JP 3831557 特許公報(B2) 20060721 1999285414 19991006 エッチングプロセスにおける混酸液の定量分析方法 日本化成株式会社 000230652 岡田 数彦 100097928 沢田 吏郎 谷地 文枝 大沼 光男 20061011 G01N 31/16 20060101AFI20060921BHJP G01N 21/82 20060101ALI20060921BHJP G01N 30/88 20060101ALI20060921BHJP G01N 31/00 20060101ALI20060921BHJP H01L 21/308 20060101ALI20060921BHJP JPG01N31/16 ZG01N21/82G01N30/88 HG01N31/00 NG01N31/00 QH01L21/308 B G01N31/00〜31/22 G01N21/75〜21/83 G01N30/00〜30/96 H01L21/306〜21/308,21/465〜21/467 CAplus(STN) 特開平01−194120(JP,A) 特開2001−21548(JP,A) 1 2001108666 20010420 5 20040916 竹中 靖典 【0001】【発明の属する技術分野】本発明はエッチングプロセスにおける混酸液の定量分析方法に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、半導体回路の形成に使用するシリコンウェハーのエッチングには、各種の混酸液が使用されているが、その中の1つとして、フッ酸とリン酸とフルオロリン酸を含む混酸液(水濃度が通常10〜50重量%程度の水溶液)が知られている。斯かる混酸液はフッ酸とリン酸とを混合することにより得られ、フルオロリン酸はフッ酸とリン酸との反応生成物として存在する成分である。【0003】そして、フルオロリン酸は、シリコンウェハーのエッチング(反応)には直接関与せず、また、混酸液中の通常の水の濃度では加水分解されないものの、シリコンウェハーとフッ酸との反応によって水が生成し、混酸液中の水の濃度が増加するに従い、フッ酸とリン酸とに加水分解される。要するに、上記の混酸液においては、フッ酸がエッチングで消費され、且つ、それに伴ってフルオロリン酸から加水分解によりフッ酸が供給される。【0004】従って、上記の混酸液の場合、フルオロリン酸からのフッ酸をも含めた全体としてのフッ酸の濃度はエッチング能力を把握する観点から重要であり、また、これとは別に、フルオロリン酸およびリン酸の濃度は混酸液の品質管理の点から重要である。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、フッ酸とリン酸とフルオロリン酸とを含むエッチングプロセスにおける混酸液の分析方法であって、フルオロリン酸からのフッ酸をも含めた全体としてのフッ酸の濃度とフルオロリン酸およびリン酸の各濃度を求めることが出来る方法を提供することにある。【0006】【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨は、フッ酸とリン酸とフルオロリン酸とを含むエッチングプロセスにおける混酸液の分析方法であって、イオンクロマト法または加水分解前後の酸当量の差に基づく計算法によってフルオロリン酸の濃度を分析し、ドライアップ後の中和滴定法によってリン酸の濃度を定量分析し、加水分解後の合計酸当量からのリン酸当量の差し引き法または加水分解後の沈殿滴定法によってフッ酸の濃度を求めることを特徴とするエッチングプロセスにおける混酸液の定量分析方法に存する。【0007】【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の分析対象となる混酸液は、フッ酸とリン酸とフルオロリン酸とを含み、必要に応じて、他の成分を含む水溶液であり、水を含む上記の必須成分基準の一般的な組成(使用前の初期値)は次の通りである。すなわち、フッ酸の濃度は1〜20重量%、リン酸の濃度は10〜50重量%、フルオロリン酸の濃度は、エッチング目的によって異なるが通常0.1〜〜20重量%、水の濃度は10〜50重量%である。【0008】本発明において、フルオロリン酸の濃度分析は、イオンクロマト法または加水分解前後の酸当量の差に基づく計算法によって行われる。【0009】イオンクロマト法としては、例えば、カラムとして、表面がスルホン化されたスチレン・ジビニルベンゼン共重合体に第4級アンモニウム基を含有化合物のラテックスを分散処理して成るイオン交換樹脂(ダイオネックス社製「AS12A」)を使用し、バッファーとしてNa2CO3とNaHCO3の混合水溶液を使用する方法を採用することが出来る。【0010】加水分解前後の酸当量の差に基づく計算法(酸強度換算法)は、例えば、標準液として1N苛性ソーダを使用し、加水分解前後の分析試料の中和滴定を行い、その酸当量の差からフルオロリン酸の濃度を定量する方法である。例えば、フッ酸、リン酸、水から調製された混酸の場合、加水分解前においては3成分の酸が(フッ酸、フルオロリン酸、リン酸)存在し、加水分解後においては2成分の酸(フッ酸、リン酸)するが、中和滴定により、何れの混酸においても全酸の酸当量を求めることが出来る。そして、加水分解前後の酸当量の差(加水分前後の酸当量−加水分解前の酸当量)をフルオロリン酸によるものと見做してフルオロリン酸の濃度を求める。加水分解前後の酸当量の差をフルオロリン酸によるものと見做すのは次の考え方に基づく。【0011】(1)一般に、リン酸は3段階の解離が起こり、3価の酸として知られているが、中和滴定においては下記の2段階の反応が起こり、2価の酸として扱われている。従って、中和滴定においては、フッ酸は1価、フルオロリン酸は2価、リン酸は2価として、酸当量を計算することが出来る。【0012】【化1】H3PO4 +NaOH =NaH2PO4+H2O(pH2.9〜4.0)NaH2PO4+NaOH =Na2HPO4+H2O(pH2.9〜4.0)【0013】(2)3成分の酸(フッ酸、フルオロリン酸、リン酸)の混酸液を加水分解した場合、下記の反応式に示す様に、1モルのフルオロリン酸から1モルのフッ酸と1モルのリン酸が生成する。【0014】【化2】H2PO3F + H2O = HF + H3PO4【0015】ここで、中和滴定における、加水分解前後の酸当量数の変化を見ると、2当量の酸であるフルオロリン酸から、1当量であるフッ酸と2当量であるリン酸が生成している(合計3当量)。すなわち、フルオロリン酸の存在モル数(1モル)に相当する酸当量の差異(3−2=1当量)が生じている。従って、加水分解前後の酸当量の差をフルオロリン酸によるものと見做すことが出来る。【0016】実際、後記の実施例に示す様に、上記の酸強度換算法によるフルオロリン酸の分析値は、イオンクロマト法による定量分析と一致する。なお、混酸液中のフルオロリン酸の加水分解は、例えば160℃で1時間処理することにより完全に行われる。【0017】本発明において、フッ酸の定量分析は加水分解後の沈殿滴定法によって行われる。斯かる沈殿滴定法としては、例えば、標準液として0.1N硝酸アルミニウムを使用し、指示電極としてフッ素電極を使用する方法を採用することが出来る。【0018】本発明において、リン酸の濃度はドライアップ後の中和滴定法によって求める。ドライアップは煮沸水浴上で分析試料を加熱することにより行われ、これにより、不揮発性であるリン酸以外の酸が追い出される。中和滴定法は常法によって行われる。【0019】【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。【0020】実施例150重量%濃度のフッ酸6重量部、85重量%濃度のリン酸58重量部、水38重量部を混合し、フッ酸、リン酸、フルオロリン酸、水を含む混酸液を調製した。そして、次の手順で必要な分析を行った。【0021】(1)イオンクロマト法によるフルオロリン酸の定量分析:カラムとしてダイオネックス社製「AS12A」を使用し、溶離液のバッファーとしてNa2CO3とNaHCO3の混合水溶液を使用した。そして、上記の混酸液を適当な濃度に水で希釈し、イオンクロマト法にて分析を行った。フルオロリン酸の分析値は0.8重量%であった。【0022】(2)酸強度換算法によるフルオロリン酸の分析:先ず、上記の混酸液10gを160℃で1時間処理してフルオロリン酸の加水分解を完全に行った。次いで、100mlの容器に水約100mlを入れ、混酸液2g(又は加水分解液2g)を加え、自動滴定装置にセットし、1N苛性ソーダによって加水分解前後の分析試料の中和滴定を行った。そして、分解後の酸強度から分解前の酸強度を差し引き、その差をフルオロリン酸に換算した。フルオロリン酸の値は0.8重量%であった。【0023】(3)リン酸の定量分析:先ず、上記の混酸液3gを煮沸水浴上で2時間加熱してドライアップを行った後、残渣全量を200mlの容器に洗い流し、1N苛性ソーダによって中和滴定を行った。リン酸の分析値は48.7重量%であった。【0024】(4)沈殿滴定法によるフッ酸の定量分析:先ず、前記(2)と同様にしてフルオロリン酸の加水分解を完全に行った。次いで、100mlの容器に加水分解液6gを採取して100gに定容して分析試料を調製した。次いで、100mlの容器に分析試料20gを採取し、PH6.6の酢酸ナトリウム緩衝液10mlと特級エタノール20mlを添加し、自動滴定装置にセットし、指示電極としてフッ素電極を使用し、0.1N硝酸アルミニウムによって沈殿滴定を行った。その結果、フルオロリン酸からのフッ酸をも含めた全体としての混酸液中のフッ酸の濃度は、2.9重量%であった。【0025】(5)加水分解後の合計酸当量からのリン酸当量の差し引き法によるフッ酸の分析:先ず、前記(2)と同様にしてフルオロリン酸の加水分解を行い、加水分解後の酸当量を測定した。そして、前記(3)で求めたリン酸当量を差し引き、フッ酸濃度を算出した。フッ酸の濃度は2.9重量%であった。【0026】【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、フッ酸とリン酸とフルオロリン酸とを含むエッチングプロセスにおける混酸液の分析方法であって、フルオロリン酸からのフッ酸をも含めた全体としてのフッ酸の濃度とフルオロリン酸およびリン酸の各濃度を求めることが出来る方法が提供され、本発明の工業的価値は大きい。 フッ酸とリン酸とフルオロリン酸とを含むエッチングプロセスにおける混酸液の分析方法であって、イオンクロマト法または加水分解前後の酸当量の差に基づく計算法によってフルオロリン酸の濃度を分析し、ドライアップ後の中和滴定法によってリン酸の濃度を定量分析し、加水分解後の合計酸当量からのリン酸当量の差し引き法または加水分解後の沈殿滴定法によってフッ酸の濃度を求めることを特徴とするエッチングプロセスにおける混酸液の定量分析方法。


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