生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ホルムアルデヒド吸着組成物
出願番号:1999258479
年次:2010
IPC分類:B01D 53/14,B01J 20/22,G01N 31/22


特許情報キャッシュ

藤田 真夫 谷口 晃一 友安 功 中野 欣紀 久保 純一 JP 4471421 特許公報(B2) 20100312 1999258479 19990913 ホルムアルデヒド吸着組成物 レンゴー株式会社 000115980 鎌田 文二 100074206 東尾 正博 100084858 鳥居 和久 100087538 藤田 真夫 谷口 晃一 友安 功 中野 欣紀 久保 純一 20100602 B01D 53/14 20060101AFI20100513BHJP B01J 20/22 20060101ALI20100513BHJP G01N 31/22 20060101ALI20100513BHJP JPB01D53/14 AB01J20/22 AG01N31/22 121A A61L 9/00-9/22 B01D 53/14-53/18 B01J 20/00-20/34 G01N 21/00-21/01 G01N 21/17-21/61 G01N 31/00-31/22 特開昭61−264258(JP,A) 特開平05−034334(JP,A) 特開平11−047247(JP,A) 特開平11−128329(JP,A) 特開2000−279802(JP,A) 特開2001−017521(JP,A) 3 2001079389 20010327 7 20060612 神田 和輝 【0001】【発明の属する技術分野】この発明は、ホルムアルデヒドを吸着する組成物に関する。【0002】【従来の技術】環境中のホルムアルデヒド等の有害物質は、基準値以下の濃度にする必要がある。この有害物質を検知したり、除去する方法としては、種々の方法が知られている。例えば、数ppm程度のホルムアルデヒドを検知する方法として、硫酸ヒドロキシルアミン及びpH指示薬を濾紙に担持させたものを検知材として使用する方法が特開平7−55792号公報に開示されている。この硫酸ヒドロキシルアミンは、ホルムアルデヒドと反応して、濾紙中のpHを変化させ、濾紙の色を変えてホルムアルデヒドを検知するものである。【0003】【発明が解決しようとする課題】この方法は、しかしながら、検知材の発色が、数時間から数日間程度しか保持できず、それ以降はホルムアルデヒドを吸着して発色した色が褪色してしまう。このため、数日間、発色の確認をせずに放置しておくと、ホルムアルデヒドを吸着したかどうかの確認ができなくなる。【0004】そこで、この発明の課題は、検知材の発色した色を数日間から数カ月の長期間、保持することができるようにすることである。【0005】【課題を解決するための手段】この発明は、ホルムアルデヒドと化学反応する窒素含有化合物、多価アルコール及び発色剤を混合した組成物に、紫外線吸収剤及び酸化防止剤からなる安定化剤を添加することにより、上記の課題を解決したのである。【0006】所定の安定化剤を用いることにより、発色が安定化し、長期間その色が保持される。このため、数日間から数週間の長期間にわたって変色の確認をしなくても、変色を確認することが可能となる。【0007】【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明する。【0008】この発明にかかるホルムアルデヒド吸着組成物は、ホルムアルデヒドと化学反応する窒素含有化合物(以下、「ホルムアルデヒド吸着剤」と称する。)、多価アルコール及び発色剤を混合した組成物に、紫外線吸収剤及び酸化防止剤からなる安定化剤を添加した組成物である。【0009】上記ホルムアルデヒド吸着剤とは、ホルムアルデヒドと化学的な反応性を有する窒素化合物であり、酸性物質と付加物を形成することができるものである。酸性物質と付加物を形成することにより、ホルムアルデヒド吸着剤は、ホルムアルデヒドとの反応性が高くなる。また、上記ホルムアルデヒド吸着剤は、活性水素を有すれば、ホルムアルデヒドとの反応がより活性となるので、好ましい。このような例としては、ヒドラジン、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン等のヒドラジン類、ヒドロキシルアミン、ジシアンジアミド、メラミン、グアナミン、エチレンジアミン等のアミノ化合物、グリシン、アラニン、グルタミン酸等のアミノ酸類、尿素、バルビツール酸等のアミド類等があげられ、さらに、尿素、エチレン尿素、アミン、アミド、酸イミド、メラミン、ヒドラジド、アミノ酸等の結合や官能基等を分子内に有する高分子化合物をあげることができる。【0010】上記の中で、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン類は、数ppmのホルムアルデヒドを検知することができ、高感度であるものの、爆発性を有するものがあるので、それ以外のアミノ化合物、アミン酸類、アミド類等がより好ましい。【0011】上記酸性物質の例としては、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸、酢酸、シュウ酸等の有機酸等があげられる。【0012】上記多価アルコールは、同一分子内に水酸基を2個以上有するアルコールをいう。この多価アルコールは、ホルムアルデヒドの吸着剤としての働きを有し、ホルムアルデヒドとホルムアルデヒド吸着剤との反応を促進する役目を有する。また、上記発色剤により発色した色の安定化に寄与する。【0013】この多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリオキシアルキレングリコール等があげられる。【0014】上記発色剤とは、上記のホルムアルデヒド吸着剤がホルムアルデヒドと反応した際に脱離する酸性物質を検知して発色するものをいう。【0015】このような例として、メチルイエロー、メタニールイエロー、メチルオレンジ、ヘキサメトキシレッド、ペンタメトキシレッド、m−クレゾールパープル、チモールブルー、p−キシレノールブルー、テトラブロムフェノールブルー、ブロムクロルフェノールブルー、キナルジンレッド、2,6−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、ベンゾブルプリン4B、ディレクトパープル、ブロモフェノールブルー、コンゴーレッド、ブロモチモールブルー、メチルレッド、ロゾール酸、1,3,5−トリニトロベンゼン、トリニトロ安息香酸ナトリウム、インジゴカルミン、トリペオリン、ニトラミン、アリザリンイエローCG、アリザリンイエローR、ナインブルー、チモールフタレイン、フェノールフタレイン、o−クレゾールフタレイン、フェノールレッド、クレゾールレッド、チモールブルー等のpH指示薬があげられる。【0016】上記安定剤とは、上記発色剤の発色を安定化させ、この色が褪色するのを抑制するものであり、紫外線吸収剤及び酸化防止剤から構成される。【0017】上記紫外線吸収剤とは、紫外線を吸収してそのエネルギーを主として無害な熱エネルギーとして再輻射する物質をいう。この例としては、p−t−ブチルフェニルサリチル酸(以下、「BPS」と略する。)、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(以下、「DHMB」と略する。)、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド等があげられる。【0018】上記酸化防止剤とは、自動酸化物質に対し光や熱等の条件下おける酸素の作用を防止ないし抑制する性質をもつ有機化合物をいう。その例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール(以下、「BHA」と略する。)、トコフェロール、没食子酸プロピル(以下、「PGa」と略する。)等があげられる。【0019】上記のホルムアルデヒド吸着組成物には、上記の各成分にHLBが4以下の物質(以下、「固定化剤」と称する。)を添加したものが含まれる。HLBとは、分子内の親水基と疎水基とのバランスから決められた数値をいい、数が小さい程親油性が強いことを示す。また、この固定化剤は、上記他の成分やホルムアルデヒドと反応して発色反応を生じない。【0020】上記の固定化剤を用いることにより、発色剤の発色感度を増大させることができると共に、発色させた色を安定化させることができる。特に、常温で固体の固定化剤は、褪色をより遅延させる効果を有する。【0021】上記固定化剤としては、炭素数5以上の一価のアルコールや炭素数10以上の二価のアルコール等のアルコール、プロピレングリコールステアリン酸エステルに代表されるプロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンステアリン酸エステルやグリセリンオレイン酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル等があげられる。特に、室温で固体のステアリルアルコールやしょ糖ステアリン酸エステルが好ましい。【0022】上記のホルムアルデヒド吸着組成物は、任意の形態で使用することができる。例えば、これをシート状物に担持させることができる。【0023】上記シート状物とは、ホルムアルデヒド吸着剤に対して反応性を有さず、空隙率の高い紙状の担体をいう。これを用いることにより、発色剤による発色がより鮮明となり、取扱いが容易となる。【0024】上記シート状物の形態の例としては、織布、不織布、シート、マット等があげられる。このシート状物を形成する素材としては、セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、デンプン、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、カゼイン、コラーゲン、ポリアミド、ポリアクリル酸等があげられる。これらの素材は、このシート状物に担持されるものが、ホルムアルデヒド吸着剤や多価アルコール等の親水性物質であり、これらと親和性が高いので好ましい。【0025】【実施例】以下、この発明を実施例を用いて具体的に説明する。【0026】使用した薬品は次の通りである。▲1▼ホルアルデヒド吸着剤・尿素(宇部興産社製)・ジシアンジアミド(日本カーバイド社製)・フェノール(ナカライテスク社製)▲2▼多価アルコール・グリセリン(ダイセル化学社製)・プロピレングリコール(旭硝子社製)▲3▼発色剤・クレゾールレッド(関東化学社製)・メタニルイエロー(ナカライテスク社製)▲4▼固定化剤・ステアリルアルコール(花王社製、HLB=1.3)▲5▼紫外線吸収剤・DHMB(和光純薬工業社製)・BPS(ナカライテスク社製)▲6▼酸化防止剤・BHA(川口化学社製)・PGa(大日本製薬社製)【0027】(参考例1〜6) 1枚の濾紙(50×100mm/mm)に、表1又は表2に記載のホルムアルデヒド吸着剤200mg、多価アルコール100mg、発色剤0.03mg、紫外線吸収剤20mg、酸化防止剤2mgを85℃で加熱混合したものを含浸させた。【0028】これを50リットルテドラーバッグ内に貼り付けた後、ホルムアルデヒドガスを注入し、テドラーバッグ内のホルムアルデヒド濃度を0.3ppmに調整した。そのときの色調変化を表1又は表2に示す。また、一定時間内にテドラーバッグ内のホルムアルデヒド濃度を検知管にて測定した。その結果を表3に示す。【0029】なお、表1又は表2中の「褪色までの日数」で「褪色せず」とあるのは、2週間経過後、褪色していない場合をいう。【0030】(実施例1) 1枚の濾紙(50×100mm/mm)に、表2に記載のホルムアルデヒド吸着剤200mg、多価アルコール100mg、発色剤0.03mg、固定化剤1000mg、紫外線吸収剤20mg、酸化防止剤2mgを85℃で加熱混合したものを含浸させた。【0031】これを50リットルテドラーバッグ内に貼り付けた後、ホルムアルデヒドガスを注入し、テドラーバッグ内のホルムアルデヒド濃度を0.3ppmに調整した。そのときの色調変化を表2に示す。また、一定時間内にテドラーバッグ内のホルムアルデヒド濃度を検知管にて測定した。その結果を表3に示す。【0032】なお、表1中の「褪色までの日数」で「褪色せず」あるのは、2週間経過後、褪色していない場合をいう。【0033】(比較例1)紫外線吸収剤を使用しなかった以外は、実施例4と同様にして色調変化及びホルムアルデヒド濃度変化を測定した。その結果を表2及び表3に示す。【0034】(比較例2)酸化防止剤を使用しなかった以外は、実施例4と同様にして色調変化及びホルムアルデヒド濃度変化を測定した。その結果を表2及び表3に示す。【0035】(比較例3)ホルムアルデヒド吸着剤としてフェノール(非窒素含有化合物)を使用した以外は、実施例4と同様にして色調変化及びホルムアルデヒド濃度変化を測定した。その結果を表2及び表3に示す。【0036】【表1】【0037】【表2】【0038】【表3】【0039】結果 参考例1〜6、実施例1はいずれも、2週間たっても、発色した色調の褪色は見られなかった。これに対し、比較例1は、赤色が3日後に褪色した。また、比較例2は、赤色が2週間後に褪色した。なお、比較例3は、ホルムアルデヒド吸着による色調の変化が見られなかった。【0040】 48時間後のテドラーバッグ内のホルムアルデヒド残存量は、実施例及び参考例の場合は、0.02ppm以下とほとんど残存していなかったが、比較例3の場合は、0.05ppm残存していた。【0041】【発明の効果】この発明によれば、発色剤による発色が安定化するので、長期間その色が保持される。このため、数日間から数週間の長期間にわたって変色の確認をしなくても、変色を確認することが可能となる。 ホルムアルデヒドと化学反応する窒素含有化合物、ホルムアルデヒドを吸着する多価アルコール、及び発色剤を混合した組成物に、ホルムアルデヒドと上記窒素含有化合物とが反応した際に脱離する酸性物質を検知して発色した上記発色剤の発色を安定化させその色の褪色を抑制するために、紫外線吸収剤及び酸化防止剤からなる安定化剤、及びHLBが4以下でありかつ常温で固体である固定化剤を添加したホルムアルデヒド吸着組成物。 上記ホルムアルデヒドと化学反応する窒素含有化合物が活性水素を有する請求項1に記載のホルムアルデヒド吸着組成物。 請求項1又は2に記載のホルムアルデヒド吸着組成物をシート状物に担持させたホルムアルデヒド吸着組成物。


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