生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_水不溶性グルコマンナンゲル粒子の製造法と用途
出願番号:1999154585
年次:2007
IPC分類:C08B 37/00,A61K 8/73,A61K 8/02,A61Q 1/14,A61Q 11/00


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高田 忠彦 JP 3932473 特許公報(B2) 20070330 1999154585 19990602 水不溶性グルコマンナンゲル粒子の製造法と用途 清水化学株式会社 591050822 赤岡 迪夫 100060368 高田 忠彦 20070620 C08B 37/00 20060101AFI20070531BHJP A61K 8/73 20060101ALI20070531BHJP A61K 8/02 20060101ALI20070531BHJP A61Q 1/14 20060101ALI20070531BHJP A61Q 11/00 20060101ALI20070531BHJP JPC08B37/00 GC08B37/00 QA61K8/73A61K8/02A61Q1/14A61Q11/00 C08B 37/00 A61K 8/02 A61K 8/73 特開平11−032703(JP,A) 特開平06−321728(JP,A) 特開平06−239733(JP,A) 1 2000344801 20001212 5 20010730 關 政立 【0001】【本発明の分野および課題】本発明は、水不溶性グルコマンナン粒子の製造法と、化粧品添加用スクラブ剤としての該粒子の用途に関する。【0002】良く知られているように、グルコマンナンはコンニャクに含まれる高分子多糖類であり、水に溶解して粘稠なゾルを形成する。このゾルへアルカリを加えるとグルコマンナンの糖残基へ結合したアセチル基が脱離し、含水不可逆ゲルすなわちコンニャクとなる。【0003】コンニャクの原料となるコンニャク粉は、一般に乾燥したコンニャク芋スライスを粉砕し、風力選別により繊維、デンプン等の大部分の不純物を除去することによって製造される。得られたコンニャク粉は精粉と呼ばれる。【0004】特開平8−131097号は、コンニャク精粉をアルコール存在下に水で膨潤させ、アルカリ液に浸漬後加熱ゲル化させることよりなる微小コンニャク粒ゲルの製法が開示されている。得られるゲル粒子は粒径約0.5〜3mmの含水ゲルであり、含水ゲル粒子の状態で低カロリーダイエット飲料に添加される。【0005】本発明は、化粧品へ添加されるスクラブ剤として使用できる水不溶性グルコマンナンゲル粒子を提供することを課題とする。【0006】【課題の解決方法】低カロリーダイエット飲料へ添加される含水グルコマンナンゲル粒子の本態は、個々に独立した食用コンニャク粒子であるから、歯磨き、クレンジングフォーム等の研磨剤またはスクラブ剤としては使用できない。【0007】そこで本発明は、グルコマンナンを主成分とする粉末粒子をエタノール混液中で溶解することなく膨潤させ、アルカリとの反応によた膨潤粒子をゲル化し、脱水乾燥することを特徴とする水不溶性グルコマンナン粒子の製造法を提供する。【0008】他の面において、本発明はこの方法によって製造した水不溶性グルコマンナンゲル粒子よりなる化粧品添加用スクラブ剤に関する。【0009】本発明によって製造される水不溶性グルコマンナンゲル粒子は化粧品用スクラブ剤として適当な硬さと粒子径を有し、乾燥状態では硬い粒子であるが、水と接触すると若干吸水して適度に柔らかくなるがスクラブ剤として機能しなくなるほど柔らかくならない。そのため従来一般に使用されている無機質のスクラブ剤に比較して歯や皮膚の表面を損傷することがなく、膨潤した状態での粒子サイズおよび適度の柔らかさによるマッサージ効果が得られ、それに伴って洗浄後の夾快感が得られる。【0010】【好ましい実施態様】グルコマンナン粉末には荒粉と呼ばれる粗製コンニャク粉と、風選により繊維、デンプン等の不純物を除去した精粉と呼ばれる部分的に精製されたコンニャク粉と、精粉を凍結状態でまたエタノールを加えて湿式粉砕して得られる速溶性微粉末コンニャク粉と、例えばエタノール沈澱法により高度に精製されたグルコマンナン粉末などが知られている。本発明でいう「グルコマンナンを主成分とする粉末粒子」とは、荒粉を除く部分的または高度に精製されたグルコマンナン含有粉末粒子を意味する。【0011】グルコマンナンは水に可溶であるがエタノールには溶けない。そこで40〜50%のエタノールを含む水エタノール混液中にコンニャク精粉を浸漬すると粒子は水に溶解することなく膨潤する。この状態でアルカリによりゲル化させた含水ゲル粒子が先に引用した低カロリーダイエット飲料用の水不溶性コンニャクゲル粒子である。【0012】しかしながらこの方法により得られた飲用含水ゲルはそのままでは食用コンニャクと同程度に柔らかく、粒子サイズも大きいので化粧品用スクラブ剤として機能しない。【0013】本発明にあっては、先に定義したグルコマンナンを主成分とする粉末粒子を40〜50%のエタノールを含む水エタノール中に浸漬し、膨潤させた状態でアルカリによりゲル化する。使用し得るアルカリはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、またはカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物等である。水酸化カルシウムの水溶液(石灰水)が好ましい。その後ゲル粒子を液体から分離し、良く洗浄した後約105℃の温度で乾燥することにより、スクラブ剤として好適な水不溶性グルコマンナンゲル粒子が得られる。乾燥前にクエン酸のような無害な有機酸で過剰のアルカリを中和しても良い。【0014】膨潤状態でゲル化したグルコマンナン粒子は一旦乾燥すると硬いゲル粒子となり、水との接触により完全には乾燥前の元の含水ゲルの状態へは戻らないが、少なくとも表面は適度な柔らかを有し、粒子サイズにおいて原料グルコマンナン粉末粒子に匹敵する膨潤ゲル粒子になる。このことがこのゲル粒子を歯表面や皮膚を傷つけない化粧品用スクラブ剤として使用することを可能とする原理である。【0015】ここで「スクラブ剤」とは、歯磨ペーストの研磨剤としての使用を含む、歯や皮膚に付着した汚れを粒子の摩擦によって遊離し、洗い流すことを可能にする成分を意味する。【0016】【実施例】市販のコンニャク精粉1kgを50%エタノール水溶液8Lと飽和水酸化カルシウム水溶液(石灰水)1Lの混合液に加え、室温で約2時間攪拌し、ゲル化する。反応混合液を遠心し、得られた脱水ケーキを50%エタノール水溶液5Lに再懸濁し、30分以上攪拌した後再び遠心機により脱水し、必要あればこの操作を数回繰り返して良く洗浄する。必要あれば洗液中に適量のクエン酸を加え、過剰のアルカリを中和する。【0017】次にこのように洗浄、脱水したケーキを乾燥機中で105℃の温度で十分に乾燥し、乾燥した(無水)グルコマンナンゲル粒子を得る。【0018】次にこのグルコマンナンゲル粒子をスクラブ剤として使用したクレンジングフォームの処方例1および練り歯磨きの処方例2を示す。【0019】*1:N−ミリストイル−L−グルタミン酸、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、アルキルグルコシド等の界面活性剤*2:ホホバ油、ミリスチン酸等の油剤*3:パラオキシ安息香酸メチル*4:1,3−ブチレングルコール、濃グルセリン等の多価アルコール【0020】 主成分がグルコマンナンである粉末粒子を40〜50wt%のエタノールを含む水エタノール混液中で溶解することなく膨潤させ、アルカリとの反応によって膨潤した粒子をゲル化し、次いで脱水乾燥することにより、水との接触により完全には脱水乾燥前の元の含水ゲルの状態へは戻らないスクラブ剤に適した乾燥ゲル粒子を得ることを特徴とする、水不溶性グルコマンナンゲル粒子の製造法。


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