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タイトル:特許公報(B2)_ヨウ素化芳香族化合物の製造方法
出願番号:1999128739
年次:2009
IPC分類:C07C 17/12,C07C 25/22,C07C 209/74,C07C 211/56


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新藤 太一 藤井 哲 久保 紳二 JP 4367996 特許公報(B2) 20090904 1999128739 19990510 ヨウ素化芳香族化合物の製造方法 富士フイルムファインケミカルズ株式会社 000175607 高松 猛 100115107 矢澤 清純 100132986 萩野 平 100073874 佐々木 清隆 100081075 深沢 敏男 100066429 添田 全一 100093573 新藤 太一 藤井 哲 久保 紳二 20091118 C07C 17/12 20060101AFI20091029BHJP C07C 25/22 20060101ALI20091029BHJP C07C 209/74 20060101ALI20091029BHJP C07C 211/56 20060101ALI20091029BHJP JPC07C17/12C07C25/22C07C209/74C07C211/56 C07C 17/12 C07C 25/00 C07C 25/02 C07C 25/125 C07C 25/13 C07C 25/18 C07C 25/22 特公昭35−000624(JP,B1) 特開平07−233106(JP,A) 1 2000319209 20001121 8 20060314 野口 勝彦 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ヨウ素化芳香族化合物を低コストかつ高純度で製造する方法に関する。【0002】【従来の技術】ヨウ素化芳香族化合物は、電子写真や有機エレクトロルミネッセンス素子等に使用される有機感光体、染料、農薬、医薬品等の製造において、重要な中間体として用いられている。ヨウ素化芳香族化合物は、一般的には対応する芳香族アミノ化合物をサンドマイヤー(Sandmeyer)反応で合成するか(Bull.Soc.Chem.,VOL7,634(1940))、芳香族化合物を直接ヨウ素化することにより合成することができる。しかし、サンドマイヤー反応の場合、用いる芳香族アミノ化合物は毒性の強いものが多く、反応後の後処理も煩雑で収率も低いため工業的な製造方法としては好ましくない。【0003】一方、芳香族化合物を直接ヨウ素化する方法は、芳香族化合物とヨウ素化合物とを反応させる際に、一般に酸化剤と、必要に応じて反応溶媒、酸触媒が使用される。従来、使用される酸化剤としては、過酢酸を用いる方法(J.Am.Chem.Soc.,VOL90,6187(1968)、J.Chem.Soc.Perkin I,180(1972))、ヨウ素酸を用いる方法(Ann.,VOL634,84(1960))、過ヨウ素酸を用いる方法(日本化学雑誌,92(11),1021(1971))、硝酸銀、硫酸銀等の銀塩やトリフルオロ酢酸銀を用いる方法(J.Am.Chem.Soc.,VOL73,1362(1951)、Tetrahedron Lett.,VOL30(29),3769(1989)、Synth.Commun.,VOL20(6),877(1990))が知られているが、これら酸化剤は高価であり、また廃液の処理も必要となるため高コストとなる。また、酸化剤として、二酸化窒素を用いる方法(特開昭63−56928号)や硝酸を用いる方法(J.Org.Chem.,VOL42(25),4049(1977))も知られているが、これらを使用した場合には芳香族ニトロ化合物が副生し、精製が困難であること、反応系からの酸化窒素ガスの発生や、副生する芳香族ニトロ化合物には毒性の強いものもあり、公害対策的にも困難を伴うこと、等の問題点がある。更に、過酸化水素を用いる方法(特開昭63−91336号)や過硫酸塩を用いる方法(特開昭49−14527号)も知られているが、取り扱いに注意を要したり低収率である。【0004】また、モノヨウ素化反応のようにヨウ素化合物に対して大過剰の芳香族化合物を使用する場合(特開平7−233106号)、後処理において残存する芳香族化合物を分離する必要があるが、芳香族化合物が高沸点の場合には特別な設備を使用した固体蒸留等の分離操作が高コストの原因となっていた。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、毒性の強い原料を使用せずに、しかも副生物を実質的に生成させることなく、低コストで高純度なヨウ素化芳香族化合物を製造する方法を提供することにある。【0006】【課題を解決するための手段】 本発明によれば、下記のヨウ素化芳香族化合物の製造方法が提供されて、本発明の上記目的が達成される。(1)芳香族化合物とヨウ素化合物とを、酸化剤としての塩素酸ナトリウム又は塩素酸カリウムの存在下で、反応させることを特徴とするヨウ素化芳香族化合物の製造方法であって、 該芳香族化合物が、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ジフェニル、ターフェニル又はフルオレンであり、 該ヨウ素化合物が、ヨウ素、ヨウ化水素酸、ヨウ化カリウム、又はヨウ化ナトリウムであることを特徴とする、ヨウ素化芳香族化合物の製造方法。【0007】【発明の実施の形態】 以下に本発明を更に詳しく説明する。尚、本発明は特許請求の範囲に記載の構成を有するものであるが、以下、その他についても参考のため記載した。 本発明の製造方法において、ヨウ素化される芳香族化合物としては、特に制限はないが、例えば、従来より直接ヨウ素化法によりヨウ素化が行われている芳香族化合物を挙げることができる。具体的には、トルエン、メシチレン、アニリン、アニソール等の置換ベンゼン類;ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン等の縮合多環式芳香族化合物;ジフェニル、ターフェニル、フルオレン、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン等の縮合していない複数個の芳香族環を有する芳香族化合物;ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール等の複素環芳香族化合物等が挙げられる。勿論、芳香族化合物は上記の具体例に制限されない。【0008】本発明において使用されるヨウ素化合物としては、上記芳香族化合物をヨウ素化し得るものであれば特に制限されないが、ヨウ素、ヨウ化水素酸、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等を好ましく挙げることができる。なかでも、ヨウ素の使用が反応が速いのでより好ましい。【0009】芳香族化合物とヨウ素化合物の使用割合は、芳香族化合物1分子にヨウ素を導入する個数によって適切に選択される。芳香族化合物をモノヨウ素化する場合には、ジヨード体の生成を抑制するために、芳香族化合物がヨウ素化合物の等倍モル以上使用される。あまり芳香族化合物の割合が多いと、精製工程、例えば晶析法による分離精製において未反応の芳香族化合物が残ってしまうので、好ましくは1.5〜4.0倍モル、より好ましくは2.0〜3.0の範囲で使用される。芳香族化合物をジヨウ素化する場合には、芳香族化合物がヨウ素化合物の好ましくは0.4〜0.7倍モル、より好ましくは0.5〜0.6倍モルの範囲で使用される。芳香族化合物をトリヨウ素化する場合には、芳香族化合物がヨウ素化合物の好ましくは0.1〜0.5倍モル、より好ましくは0.3〜0.4倍モルの範囲で使用される。【0010】本発明の製造方法に用いられる酸化剤としての塩素酸塩としては、特に制限されないが、一般に市販されている塩素酸ナトリウムおよび塩素酸カリウムが好ましく使用され、より安価な塩素酸ナトリウムの使用がより好ましい。これらは、1種単独でまたは2種を組み合わせて使用することができる。酸化剤として塩素酸塩を使用することにより、反応が極めて短時間で終了し、通常反応時間は0.5〜1.0時間で済む。なお、酸化剤として、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、過塩素酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩等を用いた場合、反応時間が著しく延長され、工業的でない。塩素酸塩は、上記ヨウ素化合物のヨウ素原子1モル当たり、好ましくは0.15〜1モルの範囲で用いられ、より好ましくは0.17〜0.4モルの範囲で、さらに好ましくは0.18〜0.33モルの範囲で用いられる。塩素酸塩が少ない場合は反応時間が延長され、多い場合には収率が低下する。酸化剤としての塩素酸塩は、反応系に存在する、もしくは反応により生成するヨウ化水素やヨウ素塩を酸化し、効率よく芳香族化合物のヨウ素化を行う作用をするものと推定される。【0011】本発明の製造方法においては、特に触媒を必要としないが、必要に応じて酸触媒を使用すると反応がより短時間で終了するので好ましい。酸触媒としては、硫酸、塩酸、硫酸と硝酸の混酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸等の有機酸;過酢酸、過硫酸塩等の過酸化物;強酸性イオン交換樹脂等の固体酸触媒が使用される。なかでも、硫酸およびp−トルエンスルホン酸が好ましく、硫酸が安価で反応も短時間で終了するのでより好ましい。これら酸触媒は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。酸触媒の量は、使用される塩素酸塩に対して好ましくは2.0当量以上用いられ、より好ましくは2.3〜2.7当量の範囲で用いられる。使用量が塩素酸塩に対して2.0当量未満であると顕著な反応促進効果はなく、多すぎると酸廃液の処理にコストがかかるため工業的な製造方法として好ましくない。【0012】ヨウ素化反応は、所定量の芳香族化合物、ヨウ素化合物、酸化剤としての塩素酸塩、さらに必要に応じて酸触媒、反応溶媒を加えて加熱撹拌することにより行われる。反応中はヨウ素が昇華し反応器に付着してくるので、ヨウ素の析出を防ぐために反応溶媒を用いて、加熱還流させながら反応するのが好ましい。反応溶媒としては、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン等のハロゲン系炭化水素溶媒;ニトロベンゼン、ニトロトルエン等の芳香族ニトロ化合物;酢酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸が使用される。好ましい反応溶媒は、沸点120℃以下のハロゲン系炭化水素、酢酸、酢酸と水の混合溶媒、およびこれら溶媒の3成分系の混合溶媒である。溶媒量は芳香族化合物1モルに対して、好ましくは10〜2000mlの範囲で、より好ましくは50〜1200mlの範囲で使用される。少な過ぎると反応器に昇華したヨウ素結晶が残り収率の低下を招いたり、多すぎると生産性が低下し高コストとなる。反応は好ましくは130℃以下、より好ましくは40〜120℃で行われる。【0013】反応後は、例えば以下の(I)〜(III)の工程からなる後処理に付されて、粗生成物が高収率で取得される。勿論、後処理の方法はヨウ素化芳香族化合物の種類に応じて適切な方法が採用され、下記の工程からなる後処理方法に限定されない。(I)反応液をトルエン、酢酸エチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等の有機溶媒で抽出する工程。(II)上記(I)の工程で得られたヨウ素化芳香族化合物を含有する溶液中に微量残存するヨウ素をチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄して除去し、更に水洗する工程。(III)下記(i)〜(iii)のいずれかを行う精製工程。(i)工程(II)で洗浄された溶液を減圧蒸留する。(ii)工程(II)で洗浄された溶液中で晶析する。(iii)工程(II)で洗浄された溶液にアルコール、アセトニトリル、ヘキサン等の有機溶媒を添加して晶析する。【0014】例えば、モノヨウ素化反応のように、反応系内に未反応の芳香族化合物が多量に残存し、後処理において未反応の芳香族化合物とヨウ素化芳香族化合物とを分離する必要がある場合において、生成したヨウ素化芳香族化合物が低沸点の場合には上記(III)−(i)工程の操作により目的物を単離できる。生成したヨウ素化芳香族化合物が高沸点化合物の場合には、上記(III)−(ii)工程もしくは上記(III)−(iii)工程の操作が選択され、晶析温度と晶析時間を最適化して目的物を晶析させることで単離できる。これにより高コストとなる特別な設備での固体蒸留操作は不要であり、同様に高収率で高品質な粗結晶が得られる。得られた粗結晶は、電子材料用素材中間体としての使用に際しても十分な品質であり、低コストでヨウ素化芳香族化合物を得ることができる。【0015】【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、純度の評価は高速液体クロマトグラフィー(HPLCと略記する)によった。【0016】実施例1(2−ヨードフルオレンの合成)300mlの四つ口フラスコに氷酢酸90ml、水90mlを仕込み、強撹拌下に更にフルオレン41.6g(0.25モル)、ヨウ素12.7g(0.10モル)、塩素酸ナトリウム1.93g(0.018モル)、濃硫酸4.5mlを加え、85〜90℃で30分間、更に95〜100℃で30分間加熱還流させた。反応後、トルエン55mlを添加して抽出し、次に有機層に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液50mlを加え洗浄した。更に有機層を20%食塩水50mlで洗浄後、メタノール216ml添加した。内温25〜30℃で2時間晶析後濾別した。得られた粗結晶をメタノール76mlで洗浄後乾燥して白色結晶として目的物を24.8g(収率84.8%)得た。HPLC分析(カラム YMC−A−312、検出UV 254nm、流量1.0ml/min、溶離液 メタノール/水=9/1、緩衝液 トリエチルアミン、酢酸各0.1%)の結果、フルオレン/2−ヨードフルオレン/2,7−ジヨードフルオレン=1.3%/98.4%/0.02%であった。なお、図1に、上記晶析における混合溶媒(トルエン50mlとメタノール216ml)でのフルオレンと2−ヨードフルオレンの溶解度温度依存性がグラフとして示されている。このグラフより、晶析温度を25〜30℃とすることにより、最小限の収率損失で未反応のフルオレンと2−ヨードフルオレンを効率良く分離することができることが分かる。【0017】実施例2(1−ヨードナフタレンの合成)200mlの四つ口フラスコに氷酢酸72ml、水72mlを仕込み、強撹拌下に更にナフタレン25.6g(0.2モル)、ヨウ素8.9g(0.07モル)、塩素酸ナトリウム1.54g(0.014モル)、濃硫酸3.6mlを加え、85〜90℃で30分間、更に95〜100℃で30分間加熱還流させた。反応後、トルエン44mlを添加して抽出し、次に有機層に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液40mlを加え洗浄した。更に有機層を5%食塩水40mlで洗浄後、減圧蒸留して0.5Torrで内温78〜80℃の留分を分取し微黄色液体として目的物を17.3g(収率85.3%)得た。HPLC分析(カラム YMC−A−312、検出UV 250nm、流量1.0ml/min、溶離液 アセトニトリル/水=8/2)の結果、1−ヨードナフタレンの純度は97.6%であった。【0018】実施例3(トリス(4−ヨードフェニル)アミンの合成)300mlの四つ口フラスコに1,1,2−トリクロロエタン72mlを仕込み、強撹拌下に更にトリフェニルアミン8.59g(0.035モル)、ヨウ化カリウム16.6g(0.10モル)、塩素酸カリウム2.33g(0.019モル)、p−トルエンスルホン酸一水和物8.4g(0.044モル)を加え、105〜110℃で30分間、更に110〜115℃で30分間加熱還流させた。反応後、内温10℃以下で一夜間晶析後濾別して、得られた粗結晶をトルエン40mlとメタノール100mlで洗浄後乾燥し、微黄色結晶として目的物を23.2g(収率88.0%)得た。HPLC分析(カラム YMC−A−312、検出UV 300nm、流量1.0ml/min、溶離液 メタノール/テトラヒドロフラン=99/1)の結果、トリス(4−ヨードフェニル)アミンの純度は99.5%であった。【0019】比較例1〜11実施例1において使用した塩素酸ナトリウムを、下記表1に示す酸化剤に変更し、2−ヨードフルオレンを合成した。酸化剤を変更した以外は実施例1と同様に操作し反応時間、収率、HPLCによる純度を評価した。結果を表1に示す【0020】【表1】【0021】上記実施例および比較例から明らかなように、酸化剤に塩素酸塩を使用した場合には著しく反応時間が短縮でき、収率も他の酸化剤より優れている。更に塩素酸塩、特に塩素酸ナトリウムは従来使用されている酸化剤と比較して安価であることから極めて実用的な製造方法である。【0022】【発明の効果】本発明の製造方法によれば、電子写真や有機エレクトロルミネッセンス素子等に使用される有機感光体や染料、農薬、医薬品等の製造において重要な中間体であるヨウ素化芳香族化合物を、毒性の強い原料を使用せずに、しかも副生物を実質的に生成させることなく、高純度且つ低コストで製造することができる。【図面の簡単な説明】【図1】 実施例1の晶析溶媒系におけるフルオレンおよび2−ヨードフルオレンの溶解度の温度依存性を示すグラフである。 芳香族化合物とヨウ素化合物とを、酸化剤としての塩素酸ナトリウム又は塩素酸カリウムの存在下で、反応させることを特徴とするヨウ素化芳香族化合物の製造方法であって、 該芳香族化合物が、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ジフェニル、ターフェニル又はフルオレンであり、 該ヨウ素化合物が、ヨウ素、ヨウ化水素酸、ヨウ化カリウム、又はヨウ化ナトリウムであることを特徴とする、ヨウ素化芳香族化合物の製造方法。


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