タイトル: | 特許公報(B2)_アミドスルホベタイン型界面活性化合物及び界面活性剤 |
出願番号: | 1999019945 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07C 309/14,A61K 8/46,A61Q 5/02,A61Q 5/12,C11D 1/92,B01F 17/00 |
村山 智洋 JP 4326056 特許公報(B2) 20090619 1999019945 19990128 アミドスルホベタイン型界面活性化合物及び界面活性剤 川研ファインケミカル株式会社 390003001 石田 敬 100077517 西舘 和之 100072109 戸田 利雄 100088269 西山 雅也 100082898 樋口 外治 100081330 村山 智洋 20090902 C07C 309/14 20060101AFI20090813BHJP A61K 8/46 20060101ALI20090813BHJP A61Q 5/02 20060101ALI20090813BHJP A61Q 5/12 20060101ALI20090813BHJP C11D 1/92 20060101ALI20090813BHJP B01F 17/00 20060101ALN20090813BHJP JPC07C309/14A61K8/46A61Q5/02A61Q5/12C11D1/92B01F17/00 C07C 309/00 A61K 8/00 C11D 1/00 B01F 17/00 CA/REGISTRY(STN) 特開平09−031041(JP,A) 特開平06−017091(JP,A) 特開平04−253953(JP,A) 特開平04−154755(JP,A) 特開平04−089468(JP,A) 特開平02−270856(JP,A) 5 2000219670 20000808 27 20060117 前田 憲彦 【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、アミドスルホベタイン型界面活性化合物並びにそれを含む界面活性剤、化粧料及び洗浄剤に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、カチオン・アニオン両界面活性剤の蛋白変性に対する高い緩和作用を有し、実用上十分な界面活性性能を有し、ヘモグロビン変性試験におけるスコアが著しく改善された、新規化学構造を有するアミドスルホベタイン型界面活性化合物並びにそれを含む界面活性剤、化粧料及び洗浄剤に関するものである。【0002】【従来の技術】昨今の洗浄剤配合物は、ますます皮膚に対する低刺激性を求められている。例えばラウリルサルフェートにオキシエチレン基を導入して得られるラウリルエーテルサルフェートは、蛋白変性試験などによればオキシエチレン基を有していないラウリルサルフェートに対して優位に低刺激であり、現在多数の洗浄剤組成物において広く使用されている。しかし、サルフェート系界面活性剤類を低刺激化するために挿入されるオキシアルキレン基の種類、量、連結方法、並びにその低刺激化効果には、限界があり、むしろカルボキシル基又は半極性基を親水基として有する界面活性剤の方が低刺激性の点からは有効である。例えば単にカルボキシル基が親油基に結合して形成された石鹸が有利であるが、石鹸は界面活性を示すpH領域がアルカリサイドにあり、さらに、硬水中においてその界面活性が極端に劣化するなどの欠点を有している。【0003】これらの欠点を解消するために、カルボキシル基を親水基として有する界面活性剤の改良研究が続けられ、例えば親水基を、蛋白変性の少ないアミノ酸で構成された界面活性剤(例えば特開昭63−2962号)、及びカルボベタイン類(例えば特開昭56−10156号)等が開発されてきた。しかしながら、これら従来の界面活性剤は、蛋白変性が小さいものであるが、尚不十分であり、更に蛋白刺激性が低く、実用上十分に高い界面活性を有する界面活性剤の開発が熟望されている。【0004】【発明が解決しようとする課題】 本発明は、蛋白質に対する刺激性が低く、カチオン又はアニオンによる蛋白質刺激を緩和する性能が高く、しかも実用上十分な界面活性を有するアミドスルホベタイン型界面活性化合物並びにそれを含む界面活性剤、化粧料及び洗浄剤を提供しようとするものである。【0005】【課題を解決するための手段】 本発明のアミドスルホベタイン型界面活性化合物は、 下記一般式(1):【化2】〔但し、式(1)中、R1 は、6〜22個の炭素原子を有する、無置換の、又は少なくとも1個のヒドロキシル基により置換された、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、 EOはオキシエチレン基を表し、 POはオキシプロピレン基を表し、 nは、1〜5の整数を表し、mは0又は1〜5の整数を表し、但し関係式n+m≧1を満足するものであり、 R2 及びR3 は、それぞれ互に独立に、1〜5個の炭素原子を含む、無置換の、又は1個以上のヒドロキシル基により置換された、アルキル基又はアルケニル基を表し、 前記−(EO)n−(PO)m−基において、−(EO)−基及び−(PO)−基は、任意の順序にランダム重合しているか、或は、それぞれがブロック重合して、形成された−(EO)n −基と−(PO)m −基とが、任意の順序に配置されている〕により表されるものである。 本発明のアミドスルホベタイン型界面活性剤は、前記式(1)において、n及びmの少なくとも一方の値が互に異る複数のアミドスルホベタイン型界面活性化合物の混合物を含むものである。 本発明のアミドスルホベタイン型界面活性剤において、前記式(1)の、PO基の付加モル数mが0であり、かつEO基の付加モル数nの平均値n1が、関係式0<n1≦5を満足するとき、nの値がn1−1〜n1+1の範囲内にある式(1)の化合物の合計重量の、前記式(1)の化合物の混合物の全重量に対する比が、50%以上であることが好ましい。 本発明の化粧料は、前記本発明のアミドスルホベタイン型界面活性化合物を含むものである。 本発明の洗浄剤は、前記本発明のアミドスルホベタイン型界面活性化合物を含むものである。【0006】【発明の実施の形態】 本発明者らは、低刺激性界面活性剤として知られている従来のアミドスルホベタイン型界面活性化合物に注目し、これにオキシアルキレン基を導入する事により、従来のアミドスルホベタイン型界面活性化合物の界面活性能力を損なう事なく、それよりも低刺激性を向上させ得ること、及びカチオンの蛋白変性を緩和し得ることを見出し、本発明を完成した。【0007】 本発明に係るアミドスルホベタイン型界面活性化合物は、一般式(1)により表される一群の化合物である。【化3】【0008】 式(1)において、R1 は、6〜22個の炭素原子を有する、無置換の、又は少なくとも1個のヒドロキシル基により置換されてた、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、例えばC8 −C18アルキル基、又はC14〜C18アルケニル基、並びにヒドロキシル基含有C8 〜C18アルキル基又はC14〜C18アルケニル基などから選ぶことができる。 EOはオキシエチレン基を表し、またPOはオキシプロピレン基を表す。 nは、1〜5の整数を表し、mは0又は1〜5の整数を表し、但し関係式(n+m)>1を満足するものである。 R2 及びR3 は、それぞれ互に独立に、1〜5個の炭素原子を含む、無置換の、又は1個以上のヒドロキシル基により置換された、アルキル基又はアルケニル基を表し、例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシメチル及びヒドロキシエチル基などから選ぶことができる。 前記−(EO)n−(PO)m−基において、−(EO)−基及び−(PO)−基は、任意の順序にランダム重合しているか、或はそれぞれがブロック重合して、形成された−(EO)n −基及び−(PO)m −基が、任意の順序に配置されているものである。【0009】 式(1)の化合物は、例えば下記方法により製造することができる。 先ず、一般式(2)により表される高級アルコール:【化4】(但し、式(2)中、R1 は前記定義の通りである)に、エチレンオキサイド、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合させるか、或はポリエチレングリコール又はポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとを縮合させて下記式(3)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを合成する。【化5】(但し、式中、EO,PO,n及びmは前記定義の通りである。)【0010】 一般に、前記ポリオキシアルキレン基の導入には、一般にエチレンオキサイド又はエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの付加重合が用いられる。この付加重合にはアルキレンオキサイドと高級アルコールとを、塩基触媒、酸化マグネシウム−アルミニウム複合酸化物触媒、焼成ハイドロタルサイト触媒、又は脱水ハイドロタルサイト触媒の存在下に反応させる方法が用いられる。触媒として、脱水ハイドロタルサイトを用いると、得られる反応生成物中のオキシアルキレン基の付加モル数分布が狭くなり、ナロー度の高いものが得られる。 式(3)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルは市販されているものを用いてもよい。【0011】式(3)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを酸化し、或はそれにモノクロル酢酸を反応させて、式(3)の化合物の末端第一級アルコール基をカルボキシル化するか、或は末端第一級アルコール基にメチレンカルボキシル基を縮合させ、それによって、一般式(4)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸:【化6】を合成する。式(4)中のR1 ,EO,PO,n及びmは前記定義の通りである。上記酸化法を用いる場合、式(3)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの末端第一アルコール基が酸化されるから、この末端基は−EO−Hであることが必要であり、かつこの場合、式(3)の化合物中のEOの付加モル数n′は所望式(4)の化合物のEOの付加モル数nに対し、n′=n+1を満たすように設定しておけばよい。【0012】 次に、式(4)の化合物に、一般式(5)で示されるジアミン化合物:【化7】〔但し、式(5)中、R2 及びR3 は前記定義の通りである〕を既知方法により脱水縮合反応させて、式(6)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸アミドアミン:【化8】を合成する。式(6)中、R1 ,EO,PO,n,m,R2 ,R3 は前記定義の通りである。【0013】 次に、一般式(7)で表されるクロル(ヒドロキシ)プロピルスルホン酸:【化9】を、例えば下記方法、すなわち、エピクロルヒドリンに、亜硫酸水素ナトリウム及び微量の塩基を、冷却しつつ徐々に添加し、エピクロルヒドリンを開環し、−SO3 H基を導入して合成する。このクロル(ヒドロキシ)プロピルスルホン酸は、前記開環反応水溶液から再結晶により捕集してもよいし、この水溶液のまゝ下記の反応に使用してもよい。【0014】式(7)のクロル(ヒドロキシ)プロピルスルホン酸(又はそのアルカリ金属塩はアンモニウム塩)を、式(6)のエーテルカルボン酸アミドアミンに、式M−OHにより表される塩基(式中、Mはアルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す)の存在下に縮合させる。上記両性化縮合反応において、塩基(M−OH)の添加は、多段階に行うことが好ましく、それによって、クロル(ヒドロキシ)プロピルスルホン酸の加水分解を防止することができる。また、この両性化縮合反応の際、この反応系に、ヒドロキシエタンジスルホン酸などのキレート化合物を存在させるか、或は、この反応を窒素ガス雰囲気中で行うことにより、生成化合物の色相変化を防止又は低下させることができる。この反応により一般式(1)の目的アミドスルホベタイン型両性界面活性化合物が得られる。【0015】本発明の式(1)の化合物は、式(2)の高級アルコールに、アルキレンオキサイドを付加重合して、式(3)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを製造する際に、アルキレンオキサイドの付加モル数が、或る分布を有する。つまり、上記付加反応生成物は、オキシアルキレン基の付加モル数n及び/又はmにおいて、互に異る化合物の混合物である。上記アルキレンオキサイドの付加反応において、脱水ハイドロタルサイト類化合物を触媒として用いることによって、このオキシアルキレン基の付加モル数の分布を狭くし、所謂ナロー度を高くすることができる。従って、本発明の式(1)の化合物は、一般に、n及び/又はmの値において互に異る化合物の混合物として得られ、界面活性剤として使用される。【0016】本発明の界面活性剤において、PO基の付加モル数mが0であり、かつEO基の付加モル数nの平均値n1が、関係式0<n1≦5を満足するとき、nの値がn1−1〜n1+1の範囲内にある式1の化合物の合計量の、式(1)の化合物の混合物の全重量に対する比が、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。上記重量比が、50%以上であると、当該界面活性剤に含まれる式(1)の化合物のEO基数の分布が密になり、所謂ナロー度が高く、従って当該界面活性剤の品質が均一になる。【0017】本発明の界面活性剤は、その製造工程中の前記両性化(式(6)の化合物と式(7)の化合物との反応において、ハロゲン化アルカリ金属が副生する。このハロゲン化アルカリ金属が、食塩のように界面活性剤の用途、例えば洗浄剤としての用途に悪影響がなければそれを除去することなく使用してもよい。しかし、例えば界面活性剤に高分子化合物などを配合する際、ハロゲン化アルカリ金属の存在が悪影響を及ぼす場合にはそれを逆浸透膜処理、或は電気透析処理などにより除去してもよい。【0018】本発明の界面活性剤の特徴は、従来のスルホベタイン型両性界面活性剤の特徴を残しながら、ヘモグロビン変性試験において、従来に無い程低い変性率を示し、また第四級窒素原子含有界面活性剤及び硫黄原子含有アニオンの卵白変性を緩和する作用を有することにある。特に第四級窒素原子含有界面活性剤の卵白変性の緩和作用は、オキシアルキレンを導入しない形の脂肪酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロパンスルフォネートには見られなかった特性である。【0019】前記第四級窒素原子含有界面活性剤は、界面活性剤の分類においてはカチオン性界面活性剤に属するものであってその分子中に正の電荷を有しているため、蛋白質特に髪への吸着性を利用してヘアリンス剤等によく利用されている。また、一般的に、カチオン性活性剤には殺菌力がある事も知られている。例えば、塩化ベンザルコニウム液等の、いわゆる逆性石鹸と呼ばれるカチオン性界面活性剤は殺菌洗浄剤として広く用いられている。しかし、逆性石鹸等のカチオン含有界面活性剤組成物は、皮膚刺激の強い洗浄剤であり、長期間の使用による肌荒れは避けがたいことが知られている。これはカチオン界面活性剤が、蛋白質を変性させるほどの強い刺激性を有するためであって、この特性は、卵白に、逆性石鹸、ヘアリンス、ハンドソープ等のようなカチオン含有組成物又はカチオン性界面活性剤を単独に加えたとき、卵白中の水溶性蛋白質が変性を受け、白濁或は固化する現象により容易に検出することができる。このような蛋白変性はカチオン性界面活性剤のみならず一部のアニオン性界面活性剤、特に硫黄原子含有界面活性剤にもしばしば見られる現象である。本発明のポリオキシアルキレンアミドスルホベタイン化合物は、アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤の両者の卵白変性を緩和することが見出された。【0020】 卵白変性に対する緩和の効果の機構は、未だ明らかではないが、本発明のポリオキシアルキレンアミドスルホベタイン化合物がカチオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤(特に硫黄原子含有界面活性剤)と静電的に弱い会合状態を形成し、この会合体がカチオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤と蛋白質と接触及び反応を弱めているものと推察される。このような蛋白質刺激の緩和作用は、本発明のポリオキシアルキレンアミドスルホベタイン化合物と同様に、静電的会合を生ずるスルホベタイン部分を有し、しかし、オキシアルキレン部分を有していない従来のアミドスルホベタインには見られない性質である。【0021】また、カチオン界面活性剤に対し、当該活性剤自身の刺激を低減化する目的で、種々の改変が提案されている。このように提案された改質カチオンをここでは低刺激性カチオンと称する。低刺激性カチオンとしては、例えば下記式:【化10】の構造を有するもの(例えば三洋化成工業(株)製カチオンLQ)、及び下記式:【化11】の構造を有するカチオン(例えば味の素(株)製CAE)、及び【化12】の構造を有するカチオン(例えば味の素(株)製アミセーフ)、などが知られている。【0022】これらの低刺激性カチオンに対しても、本発明の式(1)のポリオキシアルキレンアミドスルホベタイン化合物は弱い会合状態を形成してその刺激を緩和することができる。更にこれらの低刺激性カチオンは、一般的に、毛髪などへの吸着量が従来の第四級窒素原子含有型カチオンに比べて弱く、このために、リンス剤中に含有させたときに、使用感に若干の不満足感を生ずることが多い。低刺激性カチオンに本発明の式(1)のポリオキシアルキレンアミドスルホベタイン界面活性剤を配合することにより、これらが弱い会合状態を形成するため、得られる界面活性剤組成物は、その使用感を変化させて、リンス剤の使用感を一層良好にすることが認められた。【0023】 本発明の化粧料及び洗浄剤は、それぞれ、本発明の前記界面活性化合物を含むものであって、このとき、界面活性化合物化粧品或は洗浄剤などに通常に用いられている他の成分、例えば、動物、植物、魚貝類、微生物由来の抽出物、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、被膜剤、紫外線吸収剤、消炎剤、金属封鎖剤、低級アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、合成樹脂エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、及び水などの1種以上を配合してもよい。【0024】前記動物、植物、魚貝類、微生物由来の抽出物は、たとえば茶エキス、アロエエキス、イチョウエキス、センブリエキス、ヨモギエキス、ニンニクエキス、オウゴンエキス、ローズマリーエキス、ニンジンエキス、ヘチマエキス、胎盤抽出物、乳酸菌培養抽出物、及び海草エキス等の抽出物、並びにそれらの薬効成分を精製したものを包含する。【0025】前記粉末成分としては、無機粉末、例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーキュムライト、炭酸マグネシウム、珪酸ジルコニウム、珪酸アルミニウム、珪酸バリウム、珪酸カルシウム、珪酸亜鉛、珪酸マグネシウム、珪酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、燐酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等)、及び窒化ホウ素等;有機粉末、例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、及びセルロース粉末が用いられる。また粉末成分は、無機顔料、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄、γ−酸化鉄、黄酸化鉄、黄土、黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、及び紺青等を包含する。【0026】さらに粉末成分は、パール顔料、例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔;金属粉末顔料、例えばアルミニウムパウダー、カッパーパウダー;有機顔料、例えば赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、青色404号;ジルコニウム、バリウム又はアルミキレートなどの有機顔料、例えば赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号、及び青色1号;及び天然色素、例えばクロロフィル、及びβ−カロチンなどを包含する。これらの粉末成分はそのまま用いてもよいが必要により、メチルハイドロジェンポリシロキサン又はシランカップリング剤等によるシリコーン処理、金属石鹸処理、パーフルオロアルキル燐酸ジエタノールアミン塩、又はパーフルオロアルキルシランなどによるフッ素処理などの疎水化処理を施されたものであってもよい。【0027】前記液体油脂としては、アボガド油、ツバキ油、グレープシード油、タートル油、マカディミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ヒマワリ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、及びトリイソパルミチン酸グリセリンなどを用いることができる。また前記固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核脂、硬化油、牛脚脂、モクロウ、及び硬化ヒマシ油などを用いることができる。【0028】前記ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、及びPOE水添ラノリンアルコールエーテルなどを挙げることができる。【0029】前記炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどを挙げることができる。また前記高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム脂肪酸、パーム核脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸などが挙げることができる。【0030】前記合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、及びクエン酸トリエチルなどを挙げることができる。【0031】前記シリコーンとしては、ジメチルシリコーンオイル類、たとえばメチルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、及び高重合度メチルポリシロキサン;環状ポリシロキサン類、たとえばデカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、及びテトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン;ポリエーテル変性シリコーン類、たとえば、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、及びジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体;アミノ変性シリコーン類、たとえばアモジメチコーン;並びにその他のメチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシ珪酸、3次元網目構造を形成しているシリコン樹脂、及びシリコンゴムなどを挙げることができる。【0032】前記アニオン活性剤としては、脂肪酸セッケン類、たとえばセッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、及びヤシカリセッケン;エーテルカルボン酸類、例えばPOEラウリルエーテルカルボン酸塩、及びPOP・POEエーテルミリスチン酸塩、高級アルキル硫酸エステル塩類、たとえばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、及びラウリル硫酸トリエタノールアミン;アルキルエーテル硫酸エステル塩類、たとえばPOEラウリル硫酸トリエタノールアミン、及びPOEラウリル硫酸ナトリウム;N−アシルアミノ酸塩類、たとえばラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルグリシンナトリウム、ラウロイル−β−アラニンナトリウム、ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジエタノールアミン、及びヤシ脂肪酸シルクペプチド;高級脂肪酸アミドスルホン酸塩類、たとえばN−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、及びPOEラウリルアミドエーテルスルホン酸ナトリウム:リン酸エステル塩類、たとえばPOEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸、及びPOEラウリルアミドエーテルリン酸ナトリウム;スルホコハク酸塩類、たとえば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、及びラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、たとえば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、及びリニアドデシルベンゼンスルホン酸;高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩類、たとえば硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム及びロート油などの硫酸化油;その他のα−オレフィンスルホン酸塩類、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩類、二級アルコール硫酸エステル塩類、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩類、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、及びカゼインナトリウムなどが挙げられる。【0033】前記カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩類、たとえば塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、及び臭化ラウリルトリメチルアンモニウム;ジアルキルジメチルアンモニウム塩類、たとえば塩化ジステアリルジメチルアンモニウム塩;アルキルピリジウム塩類、たとえば塩化セチルピリジウム、並びにその他のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩類、塩化ベンゼトニウム類、塩化ベンザルコニウム類などを挙げることができる。【0034】前記両性界面活性剤としては、アミドアミン系両性界面活性剤類、たとえば2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N−ラウロイル−N′−カルボキシメチル−N′−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、及びN−ヤシ脂肪酸アシル−N′−カルボキシエチル−N′−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム;アミド酢酸ベタイン型両性界面活性剤類、たとえばヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン;アミドスルホベタイン型両性界面活性剤類、たとえばラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン;アミンオキサイド型両性界面活性剤類、たとえばラウリルトリメチルアミンオキシド、及びラウリン酸アミドプロピルアミンオキシド、アルキル酢酸ベタイン型両性界面活性剤類、並びにアルキルスルホベタイン型両性界面活性剤類などが挙げられる。【0035】前記非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル類、たとえばモノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル及びモノイソステアリン酸グリセリル;ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、たとえばモノステアリン酸POEグリセリル、及びモノオレイン酸POEグリセリル;ポリグリセリン脂肪酸エステル類、たとえばモノステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、及びペンタステアリン酸デカグリセリル;ソルビタン脂肪酸エステル類、たとえばモノラウリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、及びモノオレイン酸ソルビタン;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、たとえばモノヤシ脂肪酸POEソルビタン、トリステアリン酸POEソルビタン、及びトリオレイン酸POEソルビタン;ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、たとえばモノラウリン酸POEソルビット、及びテトラオレイン酸POEソルビット;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、たとえばモノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、及びジステアリン酸ポリエチレングリコール;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、たとえばPOEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、及びPOEステアリルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、たとえばPOE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、及びPOE分鎖オクチルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアミン類、たとえばPOEステアリルアミン、及びPOEオレイルアミン;脂肪酸アルカノールアミド類、たとえばヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、及びパーム核油脂肪酸ジエタノールアミド;ポリオキシエチレンアルカノールアミド類、たとえばPOEラウリン酸モノエタノールアミド、POEヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、及びPOE牛脂脂肪酸モノエタノールアミド;並びにその他アセチレングリコール、POEアセチレングリコール、POEラノリン、POEラノリンアルコール、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POEフィトステロールPOEコレスタノール、及びPOEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物などを挙げることができる。【0036】上記配合成分の配合量には格別の限定はなく、適宜に設定することができる。【0037】【実施例】本発明を、下記実施例によりさらに説明する。下記実施例において、アルキレンオキサイド(EO及び/又はPO)の付加モル数に関し、「ナローレンジ」というのは、式(1)の化合物の混合物からなる界面活性剤において、エチレンオキサイド(EO)付加モル数nの平均値をn1とするとき、EO付加モル数がn1−1〜n1+1の範囲内にある式(1)の化合物の合計重量の、式(1)の化合物の混合物の全重量に対す比(ナロー度)が50%以上であることを意味し、「ブロードレンジ」とは、上記比(ナロー度)が50%未満であることを意味する。【0038】下記実施例に用いられたアルキレンオキサイド付加重合用触媒は、下記方法により調製されたものである。(1)含水ハイドロタルサイトの調製アルミン酸ソーダ水溶液60g、及び炭酸ナトリウム3.7gの混合物(Na=15.7g、Al=10.5g、CO3 =2.1g)をジムロート型冷却管を取りつけた4口フラスコに入れ、水で希釈して総重量を500gにした。この溶液に平均粒径3μmの酸化マグネシウム16.2gを加え、この混合物を100℃で15時間加熱した。このとき撹拌が125rpm で行われ昇温は、室温から100℃まで30分かけて行われた。反応終了後、混合液を室温まで冷却し、形成された含水ハイドロタルサイトの析出物を、吸引ろ過し、水洗した。得られた含水ハイドロタルサイト(39g)と、ろ液(1300g)とを、蛍光X線分析法、X線回折分析法、および誘導結合プラズマ発光分光分析法により分析したところ、ハイドロタルサイトの組成において、Mg/Al=2.0(モル比)であり、Naは含まれていないことが確認された。【0039】(2)脱水ハイドロタルサイトの調製上記含水ハイドロタルサイトを空気中190℃で2時間焼成して、アルキレンオキサイド付加反応用脱水ハイドロタルサイト触媒とを得た。(3)焼成ハイドロタルサイトの調製上記含水ハイドロタルサイトを、空気中500℃で2時間焼成して、アルキレンオキサイド付加反応用焼成ハイドロタルサイト触媒を調製した。【0040】実施例1(ナローレンジのPOE(3)ラウリルエーテルアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン30%水溶液の調製)(1)POE(3)ラウリルエーテル酢酸の調製200mlオートクレーブに、ラウリルアルコール62g、及び前記焼成ハイドロタルサイト0.6gを仕込み、窒素でオートクレーブ内を3回置換した後、エチレンオキサイド59gを導入し、150℃で反応を行った。反応開始から2時間後、圧力減少が止まったので、さらに1時間熟成を行い反応を終了させた。この反応液を室温まで冷却後、ハイドロタルサイト触媒をろ過分離して、ナローレンジのPOE(4)ラウリルエーテル121gを得た。このPOE(4)ラウリルエーテルのナロー度は65.1%であった。次に200mlオートクレーブに、前記ナローレンジのPOE(4)ラウリルエーテル40g、水60g、及び5%白金炭素触媒1gを仕込み、オートクレーブ内を窒素で3回置換した後、オートクレーブ中に酸素を送入し、酸素圧30kg/cm2 、110℃で4.5時間反応を行った。得られた反応液を室温まで冷却後、オートクレーブ内の酸素をブローした後オートクレーブを開放し、触媒をろ過水洗して分離し、ろ液を減圧乾燥して、ナローレンジのPOE(3)ラウリルエーテル酢酸41gを得た。【0041】(2)POE(3)ラウリルエーテルアミドプロピルヒドロキシスルホベタインの調製4つ口フラスコに、前記POE(3)ラウリルエーテル酢酸(38.00g:0.101mol )を入れ、窒素気流下N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(13.42g:0.131mol )を滴下した。得られた混合液を60℃に加熱し、2時間撹拌後撹拌を停止し一晩静置した。翌日この混合液を窒素気流下150〜160℃に加熱し4時間撹拌後、アミン除去のためにオートクレーブ内を0.5mmHgに減圧し更に1.5時間撹拌した。その後60℃まで放冷し、POE(3)ラウリルエーテルアミドプロピルジメチルアミン(46.17g:収率99%)を得た。【0042】次に、4つ口フラスコ中に、POE(3)ラウリルエーテルアミドプロピルジメチルアミン(46.10g:0.10mol )及び蒸留水(83.71g)を入れ、45℃に加熱し、そこへ予め調製しておいた40%クロロヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム水溶液(68.78g:0.14mol )を30分かけて滴下した。この混合液を65℃に昇温した後5%水酸化ナトリウム水溶液(0.76g)を添加し、70℃に昇温して1時間熟成した。その後この反応液に5%水酸化ナトリウム水溶液(0.22g)を添加して1時間熟成し、さらに5%水酸化ナトリウム水溶液(0.14g)を添加して2時間熟成した。次にこの混合液を80℃に昇温してさらに1時間熟成した。得られた反応液を40℃まで冷却後塩酸でpH値を7.0に調整して、POE(3)ラウリルエーテルアミドプロピルヒドロキシスルホベタインの30%水溶液を得た。【0043】実施例2(ブロードレンジのPOE(3)ラウリルエーテルアミドプロピルヒドロキシスルホベタインの調製)200mlオートクレーブに、ラウリルアルコール62g、及び触媒としてKOH0.6gを仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで3回置換した後、エチレンオキサイド59gを導入し、150℃で反応させた。反応開始から2時間後、圧力減少が止まったので、さらに1時間熟成を行い、反応を終了させた。この反応液を室温まで冷却後、不溶物をろ過分離して、ブロードレンジのPOE(4)ラウリルエーテル121gを得た。このブロードレンジのPOE(4)ラウリルエーテルのナロー度は40.2%であった。200mlオートクレーブに、前記ブロードレンジのPOE(4)ラウリルエーテル40g、水60g、及び5%白金炭素触媒1gを仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで3回置換した後、酸素を送入し、酸素圧30kg/cm2 、110℃で4.5時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、酸素をブローしてからオートクレーブを開放し、触媒をろ過水洗分離し、ろ液を減圧乾燥して、ブロードレンジのPOE(3)ラウリルエーテル酢酸41gを得た。【0044】次に4つ口フラスコに、前記ブロードレンジのPOE(3)ラウリルエーテル酢酸(38.00g:0.101mol )を入れ、窒素気流下N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(13.42g:0.131mol )を滴下した。この混合液を60℃に加熱し、2時間撹拌後撹拌を停止し一晩静置した。翌日この混合液を窒素気流下150〜160℃に加熱し、4時間撹拌後、アミン除去のため0.5mmHgに減圧し、更に1.5時間撹拌した。その後反応液を60℃まで放冷し、POE(3)ラウリルエーテルアミドプロピルジメチルアミン(46.17g:収率99%)を得た。次に4つ口フラスコに、前記POE(3)ラウリルエーテルアミドプロピルジメチルアミン(46.10g:0.10mol )と、蒸留水(83.71g)を入れ45℃に加熱し、それに予め調製しておいた40%クロロヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム水溶液(68.78g:0.14mol )を30分かけて滴下した。この混合液を65℃に昇温した後5%水酸化ナトリウム水溶液(0.76g)を添加し、70℃に昇温して1時間熟成した。その後さらに5%水酸化ナトリウム水溶液(0.22g)を添加し1時間熟成し、さらに5%水酸化ナトリウム水溶液(0.14g)を添加し2時間熟成した。得られた反応液を80℃に昇温してさらに1時間熟成した。この反応液を40℃まで冷却後塩酸でpH値を7.0に調整し、POE(3)ラウリルエーテルアミドプロピルヒドロキシスルホベタインの30%水溶液を得た。【0045】実施例3(ナローレンジのPOE(1)POP(1)ラウリルエーテルアミドプロピルヒドロキシスルホベタインの調製)200mlオートクレーブにラウリルアルコール62g、及び前記脱水ハイドロタルサイト0.6gを仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで3回置換した後、プロピレンオキサイド19gを導入し、150℃で反応させた。反応開始から3時間後、圧力減少が止まったので、さらに1時間熟成してPO付加反応を終了させた。この反応液を室温まで冷却後、これにエチレンオキサイド29gを導入し、150℃で反応を行った。反応開始から2時間後、圧力減少が止まったので、さらに1時間熟成してEO付加反応を終了させた。この反応液を室温まで冷却後、ハイドロタルサイトをろ過分離して、ナローレンジのPOE(2)POP(1)ラウリルエーテル111gを得た。そのナロー度は62.8%であった。次に200mlオートクレーブに、前記ナローレンジのPOE(2)POP(1)ラウリルエーテル40g、水60g、及び5%白金炭素触媒1gを仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで3回置換した後、酸素ガスを送入し、酸素圧30kg/cm2 、110℃で4.5時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、酸素をブローしてからオートクレーブを開放し、触媒をろ過水洗分離し、ろ液を減圧乾燥して、ナローレンジのPOE(1)POP(1)ラウリルエーテル酢酸41gを得た。【0046】次に4つ口フラスコに、前記POE(1)POP(1)ラウリルエーテル酢酸(41.00g:0.118mol )を入れ、窒素気流下N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(15.65g:0.153mol )を滴下した。この混合液を60℃に加熱し、2時間撹拌後撹拌を停止し一晩静置した。翌日この混合液を窒素気流下150〜160℃に加熱し4時間撹拌後、アミン除去のため0.5mmHgに減圧し、更に1.5時間撹拌した。その後この反応液を60℃まで放冷して、POE(1)POP(1)ラウリルエーテルアミドプロピルジメチルアミン(49.72g:収率98%)を得た。次に、4つ口フラスコに、前記POE(1)POP(1)ラウリルエーテルアミドプロピルジメチルアミン(47.50g:0.1mol )と蒸留水(87.9g)とを入れ、45℃に加熱し、これに予め調製しておいた40%クロロヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム水溶液(68.78g:0.14mol )を30分かけて滴下した。この反応液を65℃に昇温した後、5%水酸化ナトリウム水溶液(0.76g)を添加し、70℃に昇温して1時間熟成した。その後さらに5%水酸化ナトリウム水溶液(0.22g)を反応液に添加し、1時間熟成し、さらに5%水酸化ナトリウム水溶液(0.14g)を添加して2時間熟成した。得られた反応液を80℃に昇温してさらに1時間熟成し、40℃まで冷却し、塩酸でpH値を7.0に調整し、POE(1)POP(1)ラウリルエーテルアミドプロピルヒドロキシスルホベタインの30%水溶液を得た。【0047】上記実施例の化合物について下記試験を行った。(1)実施例1〜3の反応生成物の化学構造の同定試験実施例1で得られたPOE(3)アミドプロピルジメチルアミンオキサイド30%溶液を凍結乾燥させ、この固形分について、1H−NMR(CDCL3溶媒)及びIR(KBr−disk)により、その化学構造を同定した。図1に、1H−NMR測定により得られたチャートを示し、図2には、図1の化合物の吸収ピークと、上記化合物の化学構造との関係を示す。また、上記化合物のIR測定結果を図3に示す。図3により、この化合物について、2855及び2924cm-1にC−H伸縮が検出され、1669cm-1にアミド由来のC=O伸縮振動が検出され、1117cm-1にC−O伸縮振動が観察され、この化合物が、図2に記載の化学構造を有することが支持された。上記試験により実施例1により得られた化合物が図2に示された化学構造を有することが確認された。また、実施例2及び3において得られた化合物が、それぞれ、目的化学構造を有することが確認された。【0048】(2)起泡力試験実施例1の化合物(POE(3)LSB)及び比較のためのポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸(SLES)及びラウリルアミドヒドロキシプロピルスルホベタイン(LSB)の起泡力を下記方法により測定した。測定濃度:0.25純分重量%測定pH :7.0クエン酸・水酸化ナトリウムで調整測定温度:40℃の恒温測定結果 単位mm試験結果を表1に示す。【0049】【表1】【0050】表1により本発明の式(1)の界面活性化合物からなる界面活性剤は、従来のSLES及びLSBと同程度の起泡力を有し、かつ時間経過とともに、消泡する特性を有し、従ってすすぎ洗いの容易な界面活性剤である。【0051】(3)ヘモグロビン変性試験実施例1において得られた式(1)の化合物、POE(3)LSB及び比較のために、ラウリルアミドスルホベタイン(LSB)及びPOE(2)ラウリルエーテルサルフェートNa塩(SLES)のヘモグロビン変性特性を、粧技誌第28巻第4号(P.344〜,1995)に記載されている「ヘモグロビン変性試験法による、活性剤と眼刺激性の構造活性相関に関する研究」に記載されている方法を用いて測定した。【0052】実験操作和光純薬製ヘモグロビン(試薬特級80%以上)を、和光純薬製標準緩衝液(pH6.86)中に、濃度が0.05重量%になるように溶解してヘモグロビン緩衝液を調整した。別に被検物質をその有効成分が2重量%になるように蒸留水に溶解した。96穴マイクロプレート(イワキガラス製アッセイプレート)の第1列及び第2列に、被検物質2重量%溶液の100μlをマイクロピペットで注入し、第3列目以降に蒸留水100μlを同様に注入した。次に第2列目から順に、100μlづつを十分に撹拌しながらマイクロピペットに採り、次の列に注入するという2倍希釈法を繰り返した。但し最後の1列(第12列目)はコントロールとして蒸留水のまま残した。この一連の操作によって第一列目の2%被検物から第11列目の0.002%被検物にわたって、11濃度水準と、第12列目のコントロールの列が形成された。上記プレートの4行(A〜D行)の12列の穴に、標準緩衝液(pH6.86)を100μlづつ注入し、残りの4行(E〜H行)の12列の穴にヘモグロビン緩衝液を100μlづつ注入した。上記の操作を施したマイクロプレートを25℃において5分間インキュベートした後、東ソー社製マイクロプレートリーダー(MPR−A4iII)に装着し、20秒間のシェイキングの後、各穴の被検物の波長418nmにおける吸光度を測定した。各濃度水準で、N=4のデータが取得できたが、これらの数値の平均を算出し、その平均値を下記式に当てはめ、各濃度におけるHDR%を算出した。【0053】【数1】【0054】上記HDR%を表2に示す。【表2】【0055】表2の界面活性剤濃度と、HDR%との関係を図4に示す。図4において、濃度の増大によりHDR%の値が飽和する(頭打ちになる)のは、各界面活性剤のcmcが影響するものと考えられる。図4に示された結果より、本発明のPOE(3)LSBは、従来の界面活性剤に比較して、ヘモグロビン変性効果が著しく低いという特性を有している。【0056】(4)卵白変性の緩和効果試験アニオン(特に含む硫黄系アニオン)又はカチオンによる卵白の変性を、本発明の界面活性剤が緩和する効果を下記により試験した。本発明の界面活性剤として、実施例1のPOE(3)LSBを用い、比較界面活性剤としてLSBを用いた。【0057】卵白変性試験鶏卵の卵白を分離し均一になるように、気泡を巻き込まない程度に均一に撹拌した。この卵白からカラザその他の不溶性物質を50メッシュ金網で濾過除去した。次にこの卵白を50gビーカーにとり、刺激試験に供する界面活性剤サンプル1.5gを加え撹拌した。その後、この混合物を静置し、2分後に測色色差計で透過光量に比例するL値を読みとり、下記式により刺激値を算出した。刺激値=(LB−LS)/LB〔但し上式中、LBはブランク卵白のL値を示し、LSは界面活性剤サンプル添加後のL値を示す〕【0058】各測定サンプルのすべてには、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(MSTA)又はPOE(2)ラウリルエーテルサルフェート(SLES)が含有量0.075g一定に添加された。POE(3)ラウリルアミドスルホベタイン(POE(3)LSB)、または比較品としてポリオキシアルキレン未導入のラウリルアミドスルホベタイン(LSB)をMSTA又はSLESの仕込みモル数に対する比率モル%が、表3に示された値になるように添加した。例えばPOE(3)LSBの比率モル%が100%の時、卵白50gに対して卵白変性物質(MSTA、又はSLES)は0.075g一定量に配合され、POE(3)LSB或はラウリルアミドスルホベタイン(LSB)は、卵白変性物質(MSTA又はSLES)と当モル量になるように配合された。【0059】カチオン(MSTA)添加の場合の試験結果を表3に示す。【表3】【0060】また、表3における各界面活性剤濃度(モル%)と、卵白変性刺激値との関係を図5に示す。表3及び図5より、本発明のPOE(3)LSBが、カチオンによる卵白変性に対し、顕著な緩和作用を示し、その効果はカチオンに対するモル濃度40%程度で発現し、濃度100%において、カチオンによる卵白変性を、実質的に抑制できる。しかし比較界面活性剤LSBには、このようなカチオンによる卵白変性に対する緩和効果は全く認められなかった。【0061】アニオン(SLES)添加の場合の卵白変性試験結果を表4に示す。【表4】【0062】また、表4における各界面活性剤濃度(モル%)と、卵白変性刺激値との関係を図6に示す。表4、図6から明らかなように本発明のPOE(3)LSBは、濃度約30モル%から、アニオン(SLES)の卵白刺激に対する緩和効果を発現し、約60モル%以上においてアニオンの卵白刺激を完全に抑制した。LSBにも、アニオンSLESによる卵白刺激を緩和する効果が認められたが、その発現のためにはPOE(3)LSBよりも多量の添加を要した。【0063】実施例4下記組成の低刺激性殺菌ハンドソープを調製した。低刺激性殺菌ハンドソープの組成ラウリン酸 5.50%POE(3)LSB 30%水溶液(実施例1) 3.00%POE(3)ラウリルエーテルカルボン酸 30%溶液 3.00%塩化ベンザルコニウム 50%溶液 1.00%塩化ベンゼトニュウム 50%溶液 0.50%ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド 2.50%ヤシ脂肪酸イミダゾリウムベタイン 9.50%トリエタノールアミン pH=7.8とする量グリセリン 3.00%精製水 全量を100%とする量上記成分を混合し、この混合物を80℃まで加熱して均一に溶解させた後冷却した。この組成物においてPOE(3)LSBの配合量はカチオンに対して約74%モルである。本組成物を卵白変性試験に供したところ、その刺激値は25%であった。【0064】実施例5下記組成の低刺激性ボディシャンプーを調製した。低刺激性ボディシャンプーの組成ヤシ脂肪酸・アルギニン塩 4.00%POE(3)LSB 30%水溶液(実施例1) 15.00%塩化ベンザルコニウム 50%溶液 1.00%グリセリン 3.00%ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム塩 25% 20.00%ラウロイル−β−アラニンナトリウム塩 10.00%ラウリン酸ジエタノールアミン塩 4.00%クエン酸 pH=7.5とする量EDTA 2ナトリウム 0.20%精製水 全量を100%とする量上記成分を混合し、この混合物を80℃まで加熱して均一に溶解させた後冷却した。この組成物中のPOE(3)LSBの配合量はサルフェート及びカチオンに対して約49%モルである。本組成物を卵白変性試験に供したところ、その刺激値は42%であった。【0065】実施例6下記組成のパール光沢シャンプーを調製した。パール光沢シャンプーの組成ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 25.00%(SLES)25%溶液POE(3)LSB 30%水溶液(実施例1) 20.0%ラウリン酸−N−メチル−β−アラニンナトリウム塩 11.60%30%溶液エチレングリコールジステアレート 1.50%ステアリン酸モノエタノールアミド 0.50%椰子脂肪酸ジエタノールアミド 3.00%カチオン化セルロース 0.25%ピロクトンオラミン 0.75%メチルパラベン 0.20%プロピルパラベン 0.10%クエン酸 pH=6.0とする量EDTA 2ナトリウム 0.20%精製水 全量を100%とする量上記成分の混合物を80℃まで加熱して均一に溶解させた後冷却した。この組成物中のPOE(3)LSBの配合量はSLESに対して約58%モルである。本組成物を卵白変性試験に供したところ、その刺激値は13%であった。【0066】実施例7下記組成のヘアリンスを調製した。ヘアリンスの組成A.N−〔3−アルキルオキシ−2−ヒドロキシプロピル〕 1.50%−L−アルギニン塩酸塩 60%A.塩化トリメチルステアリルアンモニウムクロライド液 1.00%50%A.ミリスチン酸オクチルドデシル 1.00%A.2−エチルヘキサン酸セチル 2.00%A.セタノール 3.00%A.ベヘニルアルコール 1.00%A.卵黄油 0.50%B.POE(1)POP(1)LSB 30%溶液 5.00%(実施例3)B.カルボキシエチルセルロース 0.10%B.EDTA・2Na 0.10%B.ピロクトンオラミン 0.10%B.グリセリン 3.00%B.精製水 全量を100%にする量上記A成分(油相)と上記B成分(水相)とを別々に80℃まで加熱して溶解、或は懸濁させ、A成分液とB成分液とを80℃で混合乳化後冷却した。この組成物中のPOE(1)POP(1)LSBの配合量はカチオンに対して約74%モルである。本組成物を卵白変性試験に供したところ、その刺激値は33%であった。【0067】実施例8下記組成のヘアコンディショナーを調製した。ヘアコンディショナーの組成A.塩化トリメチルステアリルアンモニウムクロライド液 1.50%50%A.塩化ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド液 1.00%75%A.モノステアリン酸グリセリル 1.00%A.マカディミアナッツ油 3.00%A.セタノール 3.00%A.ビタミンE油 0.10%A.ジブチルヒドロキシトルエン 0.01%B.POE(1)POP(1)LSB 30%溶液 4.50%(実施例3)B.グリチルリチン酸ジカリウム 0.20%B.グリセリン 3.00%B.アモジメチコーン 1.00%B.メチルパラベン 0.20%B.精製水 全量を100%にする量上記A成分(油相)と上記B成分(水相)とを別々に80℃まで加熱して溶解させた。得られたA成分液とB成分液とを80℃で混合乳化した後冷却した。この組成物中のPOE(1)POP(1)LSBの配合量はカチオンに対して約74%モルである。本組成物を卵白変性試験に供したところ、その刺激値は32%であった。【0068】実施例9下記組成のヘアリンスを調製した。ヘアリンスの組成A.塩化トリメチルステアリルアンモニウムクロライド液 1.50%50%A.エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメ 2.00%チルアンモニウム 65%B.POE(1)POP(1)LSB 30%溶液 5.00%(実施例3)A.エステルIPM 1.00%A.セタノール 3.50%A.グレープシード油 0.50%B.ムコ多糖体液 0.10%B.ニンジンエキス 0.10%B.センブリエキス 0.10%B.メチルパラベン 0.20%B.精製水 全量を100%にする量上記A成分(油相)と上記B成分(水相)とを別々に80℃まで加熱して溶解させた。得られたA成分液とB成分液とを80℃で混合し乳化した後冷却した。この組成物中のPOE(1)POP(1)LSBの配合量はカチオンに対して約55%モルである。本組成物を卵白変性試験に供したところ、その刺激値は42%であった。【0069】実施例10下記組成の固形身体洗浄剤を調製した。固形身体洗浄剤組成N−パーム脂肪酸−L−グルタミン酸モノナトリウム 51.00%N−ラウロイルグリシンナトリウム塩 100% 20.00%ミリスチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 5.00%40%セタノール 7.00%POE(3)LSB 30%液(実施例1) 17.00%上記全成分をブレンドミキサーに仕込み、そぼろ状の混合物を調製し、これを3本ロール混練機に3回通し、さらに押し出し機から押出して洗浄剤バーを形成し、このバーを型打ち機で成形した。得られた組成物には、そのカチオン総量に対して約131%モルのPOE(3)LSBが含まれていた。この組成物を卵白変性試験に供したところ、その刺激値は12%であった。安定性の良い機械練り洗浄剤固形物が得られた。【0070】実施例11下記組成の台所用洗剤を調製した。台所用洗剤の組成塩化トリメチルステアリルアンモニウムクロライド液 10.00%50%SLES 20.00%POE(3)LSB 30%液(実施例1) 35.00%エタノール 3.00%プロピレングリコール 3.00%メチルパラベン 0.20%精製水 全量を100%にする量上記成分のうち、エタノールを除くすべての成分を混合し80℃まで昇温し溶解後冷却した。液温が50℃になったときエタノールを加え、更に冷却した。この組成物において、カチオン・アニオン総量に対して、71%モルのPOE(3)LSBが含まれていた。この台所用洗剤のリーナッツ洗浄力は90%以上であり、その卵白変性試験による刺激値は35%であった。【0071】【発明の効果】本発明のアミドスルホベタイン型界面活性化合物及び界面活性剤は、皮膚刺激性がないが、或はきわめて低いものであり、かつカチオン又はアニオン化合物による皮膚刺激を強く緩和し、抑制することができ、しかも、実用上十分に高い界面活性を有するものである。従って、本発明のアミドスルホベタイン型界面活性化合物及び界面活性剤は、人体皮膚に接触する洗剤、及び化粧料成分として、有用なものである。【図面の簡単な説明】【図1】本発明(実施例1)のアミドスルホベタイン型界面活性化合物の1H−NMR測定結果を示すチャート。【図2】図1のアミドスルホベタイン型界面活性化合物の1H−NMR解析結果と、本発明(実施例1)の化合物の化学構造との関連を表示した説明図。【図3】図1のアミドスルホベタイン型界面活性化合物のIR測定結果を示すチャート。【図4】本発明のアミドスルホベタイン型界面活性化合物及び比較界面活性剤のヘモグロビン変性試験における濃度とHDR%との関係を示すグラフ。【図5】本発明のアミドスルホベタイン型界面活性化合物及び比較界面活性剤の、カチオンによる卵白変性に対する緩和効果試験における濃度と、刺激値との関係を示すグラフ。【図6】本発明のアミドスルホベタイン型界面活性化合物及び比較界面活性剤の、アニオンによる卵白変性に対する緩和効果試験における濃度と刺激値との関係を示すグラフ。 下記一般式(1):〔但し、式(1)中、R1 は、6〜22個の炭素原子を有する、無置換の、又は少なくとも1個のヒドロキシル基により置換された、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、 EOはオキシエチレン基を表し、 POはオキシプロピレン基を表し、 nは、1〜5の整数を表し、mは0又は1〜5の整数を表し、但し関係式(n+m)>1を満足するものであり、 R2 及びR3 は、それぞれ互に独立に、1〜5個の炭素原子を含む、無置換の、又は1個以上のヒドロキシル基により置換された、アルキル基又はアルケニル基を表し、 前記−(EO)n−(PO)m−基において、−(EO)−基及び−(PO)−基が任意の順序にランダム重合しているか、或は、それぞれがブロック重合して、形成された−(EO)n −基と−(PO)m −基とが、任意の順序に配置されている。〕により表されるアミドスルホベタイン型界面活性化合物。 請求項1の前記式(1)において、n及びmの少なくとも一方の値が互に異る複数のアミドスルホベタイン型界面活性化合物の混合物を含む、アミドスルホベタイン型界面活性剤。 前記式(1)において、PO基の付加モル数mが0であり、かつEO基の付加モル数nの平均値n1が、関係式0<n1≦5を満足するとき、nの値がn1−1〜n1+1の範囲内にある式(1)の化合物の合計重量の、前記式(1)の化合物の混合物の全重量に対する比が、50%以上である、請求項2に記載のアミドスルホベタイン型界面活性剤。 請求項1に記載のアミドスルホベタイン型界面活性化合物を含む化粧料。 請求項1に記載のアミドスルホベタイン型界面活性化合物を含む洗浄剤。