タイトル: | 特許公報(B2)_ホスフェートによって鎖延長化された生分解性ポリマー、組成物、物品、並びにその製造及び使用方法 |
出願番号: | 1998541948 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C08G 79/04,C08L 85/02,C08K 5/00,A61K 31/337,A61K 38/21,A61K 38/00,A61K 47/34,A61L 24/00,A61L 27/00 |
ハイ−クアン・マオ ツオング・ツアオ ジェームズ・ピー・イングリッシュ カム・ダブリュー・レオング JP 4170399 特許公報(B2) 20080815 1998541948 19980402 ホスフェートによって鎖延長化された生分解性ポリマー、組成物、物品、並びにその製造及び使用方法 ギルフォード ファーマシュウティカルズ インコーポレイテッド ジョンズ ホプキンス ユニバーシティ スクール オブ メディシン 田中 政浩 ハイ−クアン・マオ ツオング・ツアオ ジェームズ・ピー・イングリッシュ カム・ダブリュー・レオング US 08/832,217 19970403 20081022 C08G 79/04 20060101AFI20081002BHJP C08L 85/02 20060101ALI20081002BHJP C08K 5/00 20060101ALI20081002BHJP A61K 31/337 20060101ALI20081002BHJP A61K 38/21 20060101ALI20081002BHJP A61K 38/00 20060101ALI20081002BHJP A61K 47/34 20060101ALI20081002BHJP A61L 24/00 20060101ALI20081002BHJP A61L 27/00 20060101ALI20081002BHJP JPC08G79/04C08L85/02C08K5/00A61K31/337A61K37/66 ZA61K37/00A61K47/34A61L25/00 AA61L27/00 U C08G 79/04 A61K 31/00 - 38/21 A61K 47/34 特開平03−128938(JP,A) 特開平07−070295(JP,A) 特開平08−127648(JP,A) 特開平10−204274(JP,A) 特開昭63−128017(JP,A) 特開昭59−140230(JP,A) 38 US1998006380 19980402 WO1998044020 19981008 2001521561 20011106 33 20050401 佐々木 秀次 発明の背景技術1.発明の分野本発明は、生分解性ポリマー組成物、特にポリマーの主鎖にホスフェートとテレフタレートの両方のエステル結合を含み、インビボで無毒の残留物に分解されるそれらに関する。本発明のポリマーは、特に移植可能な医療器具や医薬導入システムに有用である。2.従来技術の説明生体適合性ポリマー材料は治療薬導入及び医薬移植器具への利用が拡大してきている。そのようなポリマーは生体適合性だけでなく、その治療上の価値が使い尽くされたときにこのポリマーを除去する必要性を排除する生分解性が望まれるときもある。医薬導入の従来技術、例えば頻繁な定期的投薬は多くの場合理想的ではない。例えば毒性の高い薬の頻繁な従来の投薬は、投薬の際最初の薬レベルが高く、しばしば有毒に近いレベルになり、続いてそれらの治療値レベル以下にできる投薬間の低い薬レベルになる。しかし、薬の導入がコントロールされている場合には予測されたやり方で長期間コントロールされた放出によってより容易に治療に有効であるが有毒ではない薬のレベルに維持することができる。もし、生分解性医療器具が薬の導入又は他のコントロールされたシステムとしての使用を意図しているのであれば、ポリマーキリヤーの使用は治療薬をコントロールされたやり方で局所的に導入する1つの有効な手段である。Langerら.,“Chemical and Physical Structures of Polymers as Carriers for Controlled Release of Bioactive Agents”,J.Macro.Science,Rev.Macro.Chem.Phys.,C23:1, 61−126(1983)参照。その結果、要求される薬の全量が少なくなり、有毒な副作用を最小限にすることができる。ポリマーは、治療薬を局所的に放出を維持させるキャリヤーとして使用されている。Leongら.,“Polymeric Controlled Drug Delivery”,Advanced Drug Delivery Reviews,1:199〜233(1987);Langer,“New Methods of Drug Delivery”,Science,249:1527〜33(1990);Chienら.,Novel Drug Delivery Systems(1982)参照。このような導入システムは治療効果の増進と全体としての毒性の減少の可能性を提供する。非生分解性マトリックスでは、治療薬を放出するステップはこのマトリックスの内部への水の拡散、治療薬の溶解、及びこのマトリックスのチャンネルを通じてのこの治療薬の拡散放出からなる。その結果、溶解状態にある治療薬の平均滞留時間は、それが起こるであろうマトリックスのチャンネルの通過がもはや必要なくなる生分解性マトリックスよりも非生分解性マトリックスのほうが長くなる。多くの薬剤は半減期が短いので、治療薬はそれが放出される前に非生分解性マトリックスのなかで分解されあるいは不活性化されることがある。これは、多くの生物学的巨大分子や比較的小さいポリペプチドにとって特に重要である、何故ならこれらの分子は一般的に加水分解的に不安定であり、またポリマーマトリックスの透過率が低いので。実際のところ、非生分解マトリックスにおいては、多くの生体巨大分子が凝集あるいは沈殿してキャリヤーマトリックスの拡散放出に必要なチャンネルを塞いでしまう。これらの問題は、拡散放出に加えてポリマーマトリックスの分解による治療薬のコントロールされた放出をもたらす生分解性マトリックスの使用によって緩和される。可能な生分解性材料として研究された合成ポリマーのクラスの例には、ポリエステル(Pittら.,Biodegradable Drug Delivery Systems Based on Aliphatic Polyesters:Application to contraceptives and Narcotic Antagonists”,Controlled Release of Bioactive Materials.19〜44(Richard Bakerらed.,1980);poly(amino acids)及びシュードポリアミノ酸(Pulapuraら.,“Trends in the Development of Bioresorbable Polymers for Medical Applications”,J.of Biomaterials Appl.,6:1, 216〜50(1992);ポリウレタン(Bruinら.,“Biodegradable Lysine Diisocyanate-based Poly(Glycolide-co-ε Caprolactone)-Urethane Network in Artificial Skin”,Biomaterials,11:4, 291〜95(1990);ポリオルトエステル(Hellerら.,“Release of Norethindrone from Poly(Ortho Esters)”,Polymer Engineering Sci.,21:11, 727〜31(1981);及びポリアンハイドライド(Leongら.,“Polyanhydrides for Controlled Release of Bioactive Agents”,Biomaterials 7:5, 364〜71(1986)が含まれる。医療用の移植材料として使用される生分解性物質の具体例には、ポリラクチド、ポリグリコライド、ポリジオキサノン、ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)、ポリ(グリコライド−コ−ポリジオキサノン)、ポリアンハイドライド、ポリ(グリコライド−コ−トリメチレンカーボネート)、及びポリ(グリコライド−コ−カプロラクトン)がある。ポリホスフェート、ポリホスホネート及びポリホスファイトと呼ばれるホスフェート結合を有するポリマーが知られている。Penczekら.,“Phosphorus-Containing Polymers”,Handbook of Polymer Synthesis,Part B,Chapter 17, 1077-1132(Hans R.Kricheldorf ed.,1992)参照。それぞれリン原子に結合されている異なる側鎖を有するこれらの三つのクラスの化合物のそれぞれの構造は次の通りである。これらのポリマーの多用性は反応の多重性が知られているリン原子の多用性から来ている。その結合は3P軌道や各種の3S−3P混成軌道を含み、d軌道も受け入れられるのでspd混成軌道もまた可能である。こうして、これらのポリホスホエステルの物理化学的性質はRまたはR’基のどちらかを変えることによって容易に変えることができる。このポリマーの生分解性は基本的にこのポリマーの主鎖における生理学的に不安定なホスホエステル結合によるものである。主鎖や側鎖を操作することによって広範囲の生分解率を得ることができる。Kadiyalaら“Poly(phosphoesters):Synthesis,Physicochemical Characerization and Biological Response”,Biomidical Applications of Synthetic Biodegradable Polymers,Chapter 3:33-57(Jeffrey O.Hollingers ed.,1995)。ポリホスホエステルの付加的特徴は官能側基を利用しうることである。リンは5価になりうるので、薬の分子あるいは他の生物学的活性物質をこのポリマーに化学的に結合させることができる。たとえば、−o−カルボキシル基を持っている薬を加水分解可能なエステル結合を介してリンに結合させることができる。この主鎖におけるP−O−C基はポリマーのガラス転移温度も下げ、さらに重要なことに特性決定と処理に望ましい普通の有機溶剤への溶解性を与える。Friedman,米国特許第3,4442,982号明細書は、エステル部として次の非対称基を有するポリホスホエステルポリマーを開示している。Friedmanのポリマーは加水分解、熱、光に対して安定であると言及されている(Column 1,Lines 42-44 and Column 3,Lines 74-75)。Starckら,カナダ特許第597,473号明細書は、ポリ(ホスホネート)およびリンの混入は得られるポリマーを不燃化させると言われていると開示している(Column 6,Lines 1-2)。Engelhardtら,米国特許第5,530,093号明細書は、ホスホエステルおよびエステル繰り返し単位と幅広い種類の重縮合構造を有する多数の繊維仕上げ組成物を開示している。StarckらおよびEngelhardtらのエステル部分は次のように配向している。−O−CO−R3−CO−O−こうして、生分解性材料の製造と他の生医学的適用に特に適する、本発明のポリ(ホスホエステル−コ−エステル)化合物のような材料の必要性が存在している。発明の要約本発明の生分解性ポリマーは、式IまたはIIに示される繰返しモノマー単位よりなる。式中:Xは−O−または−NR’−であり、このR’はHまたはアルキルであり、M1およびM2はそれぞれ独立して(1)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基または(2)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖のオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−脂肪族基であって、これらのオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−は水素原子がとれて二価になってもよく、Yは−O−、−S−または−NR’−であり、Lは炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基であり、RはH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式基またはヘテロシクロオキシであり、x:yのモル比は約1であり、n:(xまたはy)のモル比は約200:1と1:200の間であり、そして、q:rのモル比は約1:99と99:1の間である。別の態様においては、本発明は、次の組成よりなる生分解性ポリマー組成物よりなる。(a) 少なくとも1つの生物学的に活性な物質と、(b) 式IまたはIIで示される繰返しモノマー単位を有するポリマー本発明のさらに別の態様においては、式IまたはIIの生分解性ポリマー又は前記のポリマー組成物よりなる、移植、注入あるいはその他の体内の全体もしくは一部に配置されるのに有用な物品よりなる。さらに別の態様においては、本発明は次のステップよりなる生分解性ポリマーの製造方法をもくろんでいる。(a) 式III、IVまたはV式中、M1、M2およびXは上記に定義したとおりである。を有する複素環式化合物と式H−Y−L−Y−H式中、YおよびLは上記に定義したとおりである。を有する開始剤とを反応させて以下に示した式VIまたはVII式中、X、M1、M2、Y、L、x、y、qおよびrは上記に定義したとおりである。を有するプレポリマーを生成させ、(b) さらに式VIまたはVIIの該プレポリマーを式VIII「halo」はBr、ClまたはIであり、Rは上記に定義したとおりである。を有するホスホロジハリデートを反応させて式IまたはIIの該ポリマーを生成させる。本発明の別の態様においては、次のステップよりなる生物学的に活性な物質のコントロールされた放出をもたらす方法よりなる。(a) この生物学的に活性な物質を式IまたはIIで示される繰り返しモノマー単位を有する生分解性ポリマーと組み合わせて混合物を形成させ、(b) この混合物を固形成形品にし、そして、(c) この固形品を少なくとも一部は生物学的液体に接触するように、予め選択された部位にインビボで移植あるいは注入する。【図面の簡単な説明】図1は本発明のポリマーについてグラフの形で表したGPC分析の結果を示す。図2Aおよび図2Bは本発明の二つのポリマーの示差走差熱量計データを示す。図3は溶媒蒸発法によって製造された本発明のポリマーの微小球の外見を示す。図4Aおよび図4BはPBS中、37℃、8日間に亘って本発明の二つのポリマーから加工されたディスクの重量損失(4A)とMwの変化(4B)を示す。図5は室温で1ヶ月間空気に晒された後の本発明の二つのポリマーのMwの変化を示す。図6は本発明のポリマーP(LAEG-EOP)の1H-NMRスペクトルを示す。図7は本発明のポリマーP(LAEG-EOP)の31P-NMRスペクトルを示す。図8は本発明のポリマーの室温での貯蔵性を示す。図9は本発明のポリマーP(LAEG-EOP)の微小球の細胞毒性を示す。図10Aおよび図10Bは本発明の二つのポリマーから加工されたディスクのインビトロにおける重量損失(10A)とMwの変化(10B)を示す。図11Aおよび図11Bは本発明の二つのポリマーから加工されたディスクのインビボにおける重量損失(11A)とMwの変化(11B)を示す。図12は本発明のポリマーの生体適合性データを示す。図13は本発明のポリマーの微小球の放出率に及ぼす成形方法の効果を示す。図14は本発明のポリマーの微小球からのリドカインおよびシスプラティンの放出率を示す。図15はFITS-BSAを含有する本発明のポリマーの微小球体の外見を示す。図16は本発明のポリマーの微小球からのリドカイン放出率を示す。図17は本発明のポリマーの微小球からのリドカイン放出率を示す。発明の詳細な説明本発明のポリマーここで使用されている“脂肪族”の用語は、直鎖、分岐あるいは環状のアルカン、アルケンあるいはアルキンを意味する。本発明のポリ(ホスホエステル−コ−エステル)ポリマーにおける好ましい脂肪族基は1から10個の炭素を有する直鎖又は分岐アルカンであり、好ましくは炭素原子が1から7個の直鎖アルキン基である。ここで使用されている“アリール”の用語は、4n+2のπ電子を有する不飽和環状炭素化合物を意味する。ここで使用されている“複素環式”の用語は環の1以上の原子が炭素以外、例えば窒素、酸素あるいは硫黄である、飽和又は不飽和の環式化合物を意味する。本発明の生分解性ポリマーは式IまたはIIで示される繰返しモノマー単位からなる。式中、Xは−O−または−NR’−であり、ここのR’はHまたはアルキルである。Lは、重合、又はポリマーの生分解反応を阻害しない限り、炭素原子数1〜20を有する如何なる2価の分岐鎖または直鎖の脂肪族基であってもよい。具体的には、Lはメチレン、エチレン、1,2−ジメチルエチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、2,2−ジメチル−プロピレン又はtert−ブチレン、n−ペンチレン、tert−ペンチレン、n−ヘキシレン、n−ヘプチレン等のアルキレン基;非阻害性置換基で置換されたアルキレン、例えばヒドロキシ、ハロゲンまたは窒素置換アルキレン;エテニレン、プロペニレン、2−(3−プロペニル)ドデシレン等のアルケニレン基;およびエテニレン、プロピニレン、1−(4−ブチニル)−3−メチルデシレンのようなアルキニレンであってもよい。しかしながら、好ましくは、Lは独立して分岐鎖または直鎖のアルキレン基、より好ましくは、炭素原子数1〜7のアルキレン基である。なお一層好ましくは、Lはエチレン、メチル置換メチレン基、より好ましくは、エチレン基である。式におけるM1およびM2はそれぞれ独立して(1)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基または(2)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖のオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−脂肪族基のいずれかであって、これらのオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−は水素原子がとれて二価になってもよい。いずれの場合も、分岐鎖または直鎖の脂肪族基は重合、共重合またはポリマーの生分解反応を阻害しない、炭素原子数1〜20、好ましくは、炭素原子数1〜7を有する如何なる2価の脂肪族基部分であってもよい。具体的には、M1およびM2のいずれかが炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基であるときは、それは例えば、メチレン、エチレン、1−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、n−プロピレン、トリメチレン、イソプロピレン、2,2−ジメチル−プロピレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、tert−ペンチレン、n−ヘキシレン、n−ヘプチレン、n−オクチレン、n−ノニレン、n−デシレン、n−ウンデシレン等のアルキレン基;n−プロペニレン、2−ビニルプロピレン、n−ブテニレン、3−エチルブチレン、n−ペンテニレン、4−(3−プロペニル)ヘキシレン、n−オクテニレン、1−(4−ブテニル)−3−メチルデシレン、2−(3−プロペニル)ドデシレン、ヘキサデセニレン等のアルケニレン基;エチニレン、プロピニレン、3−(2−エチニル)ペンチレン、n−ヘキシニレン、2−(2−プロピニル)デシレン等のアルキニレン基;または非阻害性置換基、例えばヒドロキシ、ハロゲンまたは窒素基で置換されたアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基、例えば例えば2−クロロ−n−デシレン、1−ヒドロキシ−3−エテニルブチレン、2−プロピル−6−ニトロ−10−ドデシニレン等であってもよい。M1またはM2が炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖のオキシ脂肪族基であるときは、それは、例えば2価のアルコキシレン基、たとえばエトキシレン、2−メチルエトキシレン、プロポキシレン、ブトキシレン、ペントキシレン、ドデシルオキシレン、ヘキサデシルオキシレン等であってもよい。M1またはM2が分岐鎖または直鎖のオキシ脂肪族基であるときは、好ましくは、それは、式−O−(CH2)a−、式中aは1から7である、を有している。M1またはM2が炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖のオキシ脂肪族基であるときは、それはまた、例えばジオキシアルキレン基、例えばジオキシメチレン、ジオキシエチレン、1、3−ジオキシプロピレン、2−メトキシ−1、3−ジオキシプロピレン、1、3−ジオキシ−2−メチルプロピレン、ジオキシ−n−ペンチレン、ジオキシ−n−オクタデシレン、メトキシレン−メトキシレン、エトキシレン−メトキシレン、エトキシレン−エトキシレン、エトキシレン−1−プロポキシレン、ブトキシレン−n−プロポキシレン、ペンタデシルオキシレン等であってもよい。M1またはM2が分岐鎖または直鎖のジオキソ脂肪族基であるときは、好ましくは、それに式−O−(CH2)a−O−または−O−(CH2)a−O−(CH2)b−式中、aおよびbのいずれも1から7である。を有するものである。M1またはM2のいずれかが炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖カルボキシ脂肪族基であるときは、それは、例えば2価のカルボン酸エステル、例えばギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸アリル、アクリル酸t−ブチル、酪酸n−ブチル、クロロ酢酸ビニル、2−メトキシカルボニルシクロヘキサノン、2−アセトキシクロヘキサノン等の二価のラジカルであってもよい。MまたはM2が分岐鎖または直鎖カルボキシ脂肪族基であるときは、好ましくはそれは式−O−CHR2−CO−CHR3−式中、R2およびR3はそれぞれ独立してH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式基またはヘテロシクロオキシである。を有する。M1またはM2のいずれかが炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖アミノ脂肪族基であるときは、それは−CH2NH−、−(CH2)2N−、−CH2(C2H5)N−、−n−C4H9NH−、−t−C4H9NH−、−CH2(C3H7)N−、−C2H5(C3H7)N−、−CH2(C8H17)N−等の2価のアミンあってもよい。M1またはM2が分岐鎖または直鎖アミノ脂肪族基であるときは、好ましくはそれは式−(CH2)aNR’−式中、R’はHまたは低級アルキルである。好ましくは、M1および/またはM2は式−O−(CH2)a−式中、aは1乃至7である。を有するアルキレン基であり、最も好ましくは2価のエチレン基である。特に好ましい態様では、M1およびM2の両方とも存在する。M1およびM2は同一の化学体でない。そして、M1およびM2はそれぞれn−ペンチレン、酢酸メチルの2価基である。本発明のポリマーにおけるRは、H、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式基またはヘテロシクロオキシ残基である。有用なアルキルR’の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、−C8H17等の基;非阻害性置換基、例えばヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシまたはニトロで置換されたアルキル;対応するアルコキシ基;そして生物学的に活性な物質と共役してペンダントの薬剤導入シムテムを形成するアルキルを包含する。Rがアリール基または対応するアリールオキシ基であるときは、一般的に炭素原子数が約5から約14、好ましくは、炭素原子数が約5から12を含み、そして任意に互いに連合する1以上の環を含んでもよい。特に適当な芳香族基の例は、フェニル、フェノキシ、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル等を包含する。Rが複素環式またはヘテロシクロキシである場合には、それは典型的には約5から14の環形成原子、好ましくは約5から12の環形成原子と、1以上の異種原子を含む。適する複素環式基の例には、フラン、チオフェン、ピロール、イソピロール、3−イソピロール、ピラゾール、2−イソイミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,5−オキサトリアゾール、1,2,3−ジオキサゾール、1,2,4−ジオキサゾール、1,3,2−ジオキサゾール、1,3,4−ジオキサゾール、1,2,5−オキサトリアゾール、1,3−オキサチオール、1,2−ピラン、1,4−ピラン、1,2−ピロン、1,4−ピロン、1,2−ジオキシン、1,3−ジオキシン、ピリジン、N−アルキルピリジニウム、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−オキサジン、1,3,2−オキサジン、1,3,5−オキサジン、1,4−オキサジン、o−イソオキサジン、p−イソオキサジン、1,2,5−オキサチアジン、1,2,6−オキサチアジン、1,4,2−オキサジアジン、1,3,5,2−オキサジアジン、アゼピン、オキセピン、チエピン、1,2,4−ジアゼピン、インデン、イソインデン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、チオナフテン、イソチオナフテン、インドール、インドレニン、2−イソベンザゾール、1,4−ピリンジン、ピランド[3,4−b]−ピロール、イソインダゾール、インドキサジン、ベンゾキサゾール、アンスラニル、1,2−ベンゾピラン、1,2−ベンゾピロン、1,4−ベンゾピロン、2,1−ベンゾピロン,2,3−ベンゾピロン、キノリン、イソキノリン、12,−ベンゾジアジン、1,3−ベンゾジアジン、ナフチリジン、ピリド[3,4−b]−ピリジン,ピリド[3,2−b]−ピリジン、ピリド[4,3−b]ピリジン、1,3,2−ベンゾキサジン、1,4,2−ベンゾキサジン、2,3,1−ベンゾキサジン、3,1,4−ベンゾキサジン、1,2−ベンズイソキサジン、1,4−ベンズイソキサジン、カルバゾール、キサントレン、エクリジン、プリン等が含まれる。好ましくは、Rが複素環式またはヘテロシクロキシの場合には、それがフラン、ピリジン、N−アルキルピリジン、1,2,3−及び1,2,4−トリアゾール、インデン、アントラセンおよびプリン環よりなる群から選ばれる。特に好ましい態様においては、Rはアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基またはヘテロシクロオキシ基であり、特に好ましくは、1から7個の炭素原子を有するアルコキシ基である。最も好ましくは、Rはエトキシ基である。n:(xまたはy)のモル比は、ポリマーに望まれる生分解可能性と放出性に大きく依存して変化するが、典型的には約1:200と200:1との間で変化する。好ましくは、x:yの比は約1:100から約100:1まで、最も好ましくは、約1:50から約50:1までである。q:rのモル比は、ポリマーに望まれる生分解性と放出性に大きく依存して変化するが、典型的には約1:200と200:1との間で変化する。好ましくは、q:rの比は約1:150から約150:1まで、最も好ましくは、約1:99から約99:1までである。x:yのモル比は、ポリマーに望まれる生分解性と放出性に大きく依存して変化するが、典型的には約1である。生分解性ポリマーはインビボでの療法の間に分解しうるという点で非生分解性ポリマーとは異なっている。これは、一般的にはそのポリマーのモノマーのサブユニットまでの破壊を含んでいる。原理的には、ポリホスホエステルの究極の加水分解産物はホスフェート、アルコール及びジオールであり、それらの全ては無毒になりうるものである。この加水分解の中間のオリゴマー産物は異なる性質を持っているかも知れないが、移植や注入を意図している生分解性ポリマーの毒性は、例え明らかに見掛け上無害のモノマー構造物から合成されたとしても、一般的には1又はそれ以上のインビトロ毒性分析の後に決定される。典型的な毒性検定は、次の方法でGT3TKB癌細胞のような生きている癌細胞を用いて実施される。ポリマー試料の約100〜150mgを1M NaOH20mL中で37℃で1〜2日間つまり完全な分解が観察されるまで分解される。次いで、その溶液を1M HClで中和する。分解されたポリマー生成物の種々異なった濃度の約200μLを96ウエル組織培養板に置き、ヒト胃癌細胞(GT3TKB)を104/ウエル密度で接種する。分解されたポリマー生成物をGT3TKB細胞と共に48時間培養する。検定の結果を、相対成育%対組織培養ウエル中の分解ポリマー濃度としてプロットすることができる。本発明の生分解性ポリマーは好ましくはそれ自身が生体適合性を有するのに充分に純粋であり、生分解の際に生体適合性を残している。“生体適合性”は生分解産物やポリマーが無毒であり、血管の多い組織に移植されあるいは注入されたときに最小限の組織への刺激をもたらすにすぎない。本発明のポリマーは成形や処理を容易にするために1以上の一般の有機溶媒に溶けることが好ましい。一般の有機溶媒にはクロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、酢酸エチル、DMAC、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドなどの溶媒が含まれる。このポリマーは上記の溶媒の少なくとも1つに溶けることが好ましい。ポリ(ホスホエステル−コ−エステル)ポリマーの合成ポリホスフェートを製造する最も普通の一般反応は下記の式によるホスホロジクロリデートとジオールの間の脱塩酸反応である。大部分のポリホスフェートは、適当に置換されたジクロライドとジオールとの縮合によっても得られる。ポリホスフェートは、グリコールから二段縮合反応によって製造されている。グリコールと反応させるのに20%モル過剰量のジメチルホスファイトが使用され、次いで高温によってオリゴマー中のメトキシホスホニル末端基を除去する。溶融重縮合の利点は溶媒と多量の他の添加剤の使用を避けて精製をより簡単にできることである。それはまた、適度に高分子量のポリマーを提供することができる。しかしながら、しばしばある程度厳密な条件が要求され、直鎖酸分解(もし水が存在していれば加水分解)をもたらす。もしポリマーの主鎖が高分子ラジカルの再結合が続いて起こる水素原子引抜きや酸化を受けやすい場合には、架橋反応のような望ましくない熱で引き起こされる副反応もまた起こりうる。これらの副反応を最少限にするために重合反応はまた溶液中で行なうことができる。溶液重縮合反応はプレポリマーとリン成分の両方が共通の溶媒に溶けることが必要である。一般的には塩素化有機溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタンあるいはジクロロエタン等が使用される。溶液重合は等モル量の反応体と化学量論量の酸受容体、通常はピリジンやトリエチルアミン等の第三アミンの存在下で行われなければならない。次いで、生成物は一般的には非溶媒による沈殿で溶液から分離され、当業者が知っている常法、例えば希HCIのような酸性水溶液洗浄などによって塩酸塩を除去することにより精製される。反応時間は溶融重合より溶液重合のほうが長くなりやすい。しかしながら、全体としてより温和な反応条件を用いることができるので、副反応を最小限にすることができ、より敏感な官能基をポリマーに組み込むことができる。溶液重合法の欠点は高分子量の達成、例えば20,000より大きいMwにあまり適当でないことである。高分子量ポリマーを高い反応速度で得たいときには界面重縮合法を用いることができる。温和な条件によって副反応を最小限にすることができる。溶液法に本質的なジオールとジクロリデートの間の化学量論的な当量への高分子量の依存性もまた除かれる。しかしながら、酸クロライドの加水分解がアルカリ性水相で起こりうる。水に対していくらかの溶解度をもっている感受性ジクロリデートは一般的には重合よりむしろ加水分解される。クラウンエーテルや第三アンモニウムクロライドのような相移動触媒を、イオン化されたジオールを界面へ移動させて重縮合反応を容易にするために使用することができる。界面重縮合後のポリマーの収率と分子量は反応時間、モノマーのモル比率、混ざり合わない溶媒の容量比率、酸受容体の種類、及び相移動触媒の種類と濃度によって影響される。本発明の好ましい態様においては、式IまたはIIの生分解性ポリマーは次のステップからなる方法によって製造される:(a) 式III、IVまたはV式中、M1、M2およびXは上記に定義したとおりである。を有する複素環式化合物と式H−Y−L−Y−H式中、YおよびLは上記に定義したとおりである。を有する開始剤とを反応させて以下に示した式VIまたはVII式中、X、M1、M2、Y、L、x、y、qおよびrは上記に定義したとおりである。を有するプレポリマーを生成させ、そして(b) さらに式VIまたはVIIの該プレポリマーを式VIII「halo」はBr、ClまたはIであり、Rは上記に定義したとおりである。を有するホスホロジハリデートを反応させて式IまたはIIの該ポリマーを生成させる。第1反応ステップ(a)の機能は、開始剤を使用して式III、IVまたはVの複素環式化合物の環を開環することである。有用な式III、IVまたはVの複素環式化合物の例は、カプロラクトン、カプロラクタム、グリシン無水物のようなアミノ酸無水物、シクロアルキレンカーボネート類、ジオキサノン類、グリコリド類、ラクチド類等が包含される。本発明の化合物が式Iを有する場合は、M1を含む式IIIの複素環式化合物の一つだけを用いてステップ(a)における式VIのプレポリマーを製造してもよい。本発明の化合物が式IIを有する場合は、そのときはステップ(a)においてM1を含む式IIIの複素環式化合物とM2含む式IVの複素環式化合物とを組み合わせて使用してもよい。あるいは、本発明の化合物が式IIを有する場合は、M1およびM2の両方を含む式Vの複素環式化合物の一つをステップ(a)に使用することができる。適当な開始剤の例は少なくとも2個の活性水素を含む幅広い種類の化合物(H−Y−L−Y−H)式中、Lは結合基で、上記に定義されており、Yは−O−、−S−、または−NR”、このR”は上記に定義されているとおりである、が包含される。結合基Lは直鎖基、例えばアルキレンでよいが、これはまた1以上のさらなる活性水素を含む基で置換されていてもよい。例えば、Lはおのおのが−OH、−SH、または−NH2のような活性化された活性水素部位を生ずる、1以上の追加的なアルキル基で置換された直鎖アルキレン基であってもよい。この方法においては、分岐した活性水素開始剤を用いて種々の分岐したポリマーを製造して、得られるポリマーが所望とする性質を有するように設計することができる。しかしながら、分岐したポリマーを酸塩化物と反応させるときは、架橋したポリマーになって了う。反応ステップ(a)は、使用する溶媒、反応体の副反応の形成しやすさ、および触媒の存在に応じて幅広い温度で行うことができる。しかしながら好ましくは、反応ステップ(a)は融解条件の約0から約+235℃までの温度で行われる。カチオン性またはアニオン性の触媒のいずれかを用いてある程度低い温度が可能であろう。反応ステップ(a)に要求される時間もまた、用いられる反応の種類と所望とする分子量によって巾広く変えることができる。しかしながら、好ましくはこの反応ステップ(a)は約1時間から7日の間の期間に亘って行われる。一方、この反応ステップ(a)は塊状でも、溶液でも、界面重縮合でも、あるいは他のいかなる好都合な重合方法でもよい。好ましくは、この反応ステップ(a)は融解条件下で行われる。特に有用な式Vのプレポリマーの例は次のものが包含される。(i) ポリカプロラクトンから得られたOH−末端プレポリマーH-[-O(CH2)5-CO-]x-O-CH2-CH2-O-[-CO-(CH2)5-O-]y-H;(ii) ポリカプロラクタム(ナイロン6)から得られたNH−末端プレポリマーH-[-NH-(CH2)5-CO-]x-NH-CH2-CH2-NH-[-CO-(CH2)5-NH-]y-H;(iii) ポリラクチドから得られたOH−末端プレポリマーH-[-OCH(CH3)-CO-]x-O-CH2-CH2-O-[-CO-CH(CH3)-O-]y-H;および(iv) ポリトリメチレンカーボネートから得られたOH−末端プレポリマーH-[-O(CH2)3-O-CO]x-O-CH2-CH2-O-[-CO-O-(CH2)3-O-]y-H特に有用な式VIのプレポリマーの例は次のものが包含される。(i) ラクチドおよびグリコリドから得られたOH−末端コポリマー(ii) ラクチドおよびカプロラクトンから得られたOH−末端コポリマー(iii) グリコリドカプロラクトンから得られたOH−末端コポリマーステップ(b)の重合反応の目的は、(i)ステップ(a)の結果製造されたプレポリマーと、(ii)連続するホスホリル化された単位からなるポリマーを生成させることにある。結果として得られるブロックコポリマーは、特にコントロールされた放出媒体として用いるのに適している微結晶構造を有している。本発明の重合ステップ(b)は、通常ステップ(a)の温度よりもやや低い温度で行われるが、用いる重合反応の種類、1以上の触媒の存在、所望とする分子量および反応体の望まない副反応のしやすさによってやはり大きく変わりうる。融解条件が使用されるときは、温度は約0〜150℃から変わりうる。しかしながら、重合ステップ(b)が溶液重合反応で行われるときには、一般的に約−40と100℃との間の温度で行われる。典型的な溶媒にはメチレンクロライド、クロロホルムあるいは多種の不活性有機溶媒が含まれる。ステップ(b)の重合に要求される時間もまた、所望とする物質の分子量と、一般的に、所望の完結の度合まで進行させる反応に使用される多かれ少なかれ厳密な条件の必要性によって巾広く変えることができる。しかしながら、一般的には、重合ステップ(b)は約30分から24時間の間で行われる。特に、溶液重合反応が用いられるときには、酸受容体を重合ステップ(a)の間に存在させることが望ましい。特に適当なクラスの酸受容体は、第三級アミン、例えばピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、置換アニリンおよび置換アミノピリジンである。最も好ましい酸受容体は置換アミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(“DMAP”)である。式IおよびIIのポリマーは、沈殿、不混和性溶媒による抽出、蒸発、濾過、結晶化等の常法によって反応混合物から単離される。しかしながら、一般的には、式IおよびIIののポリマーは該ポリマーの非溶媒あるいは部分溶媒、例えばジメチルエーテルや石油エーテルの溶液を急冷することによって単離と精製の両方が行なわれる。生分解性と放出性式IおよびIIのポリマーは、生分解時のポリマーのホスホエステル結合の加水分解の作用として少なくとも1部がコントロールされた、インビボでの生物学的に活性な物質の放出速度によって通常特徴づけられる。尚、この放出される生物学的に活性な物質はリン側鎖R’に共役してペンダント医薬導入システムを形成させてもよい。さらに、他の因子もまた重要である。生分解性ポリマーのインビボでの寿命はまたその分子量、結晶化度、生物学的な安定性及び架橋度によって変わる。一般的には、分子量が大きくなる程、結晶化度が高くなる程、そして生物学的な安定性が大きくなる程、生分解は遅くなる。従って、側鎖の構造は生物学的に活性な物質からなる組成物の放出挙動に影響を及ぼす。例えば、リン側鎖をより親油性に、より疎水性にあるいは嵩ばった基へ変えることにより分解プロセスをスローダウンさせるであろうことが期待される。こうして、嵩ばった芳香族側鎖よりも小さな脂肪族基側鎖をもたせることによって、ポリマー組成物からの放出が通常速くなる。ポリマー組成物式IおよびIIのポリマーは、いずれも単独で用いることも、各種の有用な生分解性材料を形成する生物学的に活性な物質をさらに含む組成物として用いることもできる。例えば、式IおよびIIのポリマーをたとえ生物学的に活性な物質が存在していなくても、生体吸収性縫合剤、骨や結合組織の傷をなおす整形外科の器具や骨セメント、分解性あるいは非分解性織物用の積層物あるいは移植可能な器具用のコーティングの製造に使用することができる。しかしながら、この生分解性ポリマー組成物は、(a) 少なくとも1つの生物学的に活性な物質と(b) X、M1、M2、Y、L、x、y、q、rおよびnが上記に定義された通りである式IまたはIIに示された繰返しモノマー単位を有するポリマーの両方からなっているものが好ましい。本発明の生物学的に活性な物質は組成物の目的によって巾広く変わる。この活性物質は単一物質あるいは、物質の組合せとして記載されていてもよい。この導入システムは、コントロールされた放出速度を有する導入システムをつくり出す水溶性の低い生物学的に活性な物質のほか水溶性の高いものも用いられるように設計されている。“生物学的に活性を有する物質”の用語は特に限定されるものではなく、薬物、ビタミン、ミナラル補給、病気の治療、予防、診断、療養又は緩和に使用される物質あるいは身体の構造や機能に影響を与える物質、あるいは予め定められた生理的な環境に置かれた後に生物学的活性になりあるいは活性が増加するプロ(前の)医薬を含む。有用な生物学的に活性な物質の広いカテゴリーの限定されない例には次の拡大された治療のカテゴリーが含まれる。同化剤、制酸薬、抗喘息薬、抗コレステロール血症及び抗脂質薬、抗凝固剤、抗痙攣剤、抗下痢剤、抗吐剤、抗感染症剤、抗炎症剤、抗うつ剤、抗嘔吐剤、抗新生物剤、抗肥満症剤、解熱及び鎮痛剤、抗ケイレン剤、抗トロンボチック剤、抗尿酸血症剤、抗アンギナ剤、抗ヒスタミン剤、抗咳嗽剤、食欲抑制剤、生物学的製剤、脳拡張剤、冠状拡張剤、充血除去剤、利尿剤、診断剤、赤血球造血剤、去痰剤、胃腸鎮静剤、過血糖症剤、睡眠薬、低血糖症剤、イオン交換樹脂、緩下剤、ミネラル補給剤、粘液溶解剤、筋神経薬、血管拡張剤、精神療法剤、鎮静剤、興奮剤、甲状腺及び抗甲状腺剤、ウテリン弛緩剤、ビタミン、及びプロ医薬。これまでの述べたカテゴリーから有用な生物学的に活性な物質の具体的な例は次のものを含む。(a)抗新生物剤例えばアンドロゲンインヒビター、抗代謝産物、細胞毒性剤、及びイムノモジュレーター;(b)抗咳嗽剤例えばデキストロメトルファン、デキストロメトルファン臭素酸塩、ノスカピン、カルベタペンタンクエン酸塩及びクロルフェジアノール塩酸塩;(c)抗ヒスタミン剤例えばクロルフェニラミンマレイン酸塩、フェニンダミン酒石酸塩、ピリラミンマレイン酸塩、ドキシラミンコハク酸塩、及びフェニルトロキサミンクエン酸塩;(d)充血除去薬例えばフェニルエフェリン塩酸塩、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、シュードエフェドリン塩酸塩、及びエフェドリン;(e)各種のアルカロイド例えばコデインリン酸塩、コデイン硫酸塩及びモルヒネ;(f)ミネラル補給剤例えば塩化カリウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、並びにその他のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩;(g)イオン交換樹脂例えばコレストリルアミン;(h)抗不整脈剤例えばN−アセチルプロカインアミド;(i)解熱剤及び鎮痛剤例えばアセタミノフェン、アスピリン及びイブプロフェン;(j)食欲抑制剤例えばフェニルプロパノールアミン塩酸塩又はカフェイン;(k)去痰剤例えばガイフェネシン;(l)制酸剤例えば水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム;(m)生化学製剤例えばペプチド、ポリペプチド、蛋白及びアミノ酸、ホルモン、インターフェロン又はサイトカイン、及び他の生物活性ペプチド性化合物、例えばhGH、tPA、カルシトニン、ANF、EPO及びインシュリン;並びに(n)抗感染症剤例えば抗菌剤、抗ウィルス剤、防腐剤及び抗生物質。好ましくは、生物学的に活性な物質は多糖類、発育因子、ホルモン、抗脈管形成因子、インターフェロン又はサイトカイン及びプロ医薬からなる群より選ばれる。より詳しくは、有用な生物学的に活性な物質の限定されない例には次の治療のカテゴリーが含まれる。非ステロイド系抗炎症薬、阿片剤働筋及びサリチル酸塩のような鎮痛薬、H1−ブロッカーやH2−ブロッカーのような抗ヒスタミン剤、駆虫剤、抗無気症剤、抗生物質、アミノグリコシド抗生物質、抗菌抗生物質、セファロスポリン抗生物質、マクロライド抗生物質、各種のβ−ラクタム抗生物質、ペニシリン抗生物質、キノロン抗生物質、スルホナミド抗生物質、テトラサイクリン抗生物質、抗マイコバクテリア剤、抗マラリア性抗原生動物剤、抗ウイルス剤、抗レトロウイルス剤、疥癬剤及び尿の抗感染剤等の抗感染剤、アルキル化剤、窒素マスタードアルキル化剤、ニトロソウレアアルキル化剤、抗代謝物質、プリン類縁抗代謝物質、ピリミジン類縁抗代謝物質、ホルモン性抗新生物剤、天然抗新生物剤、抗生物質天然抗新生物剤及びビンカアルカロイド天然抗新生物剤などの抗新生物剤、抗コリン性剤、抗ムスカリン性抗コリン性剤、エルゴットアルカロイド、副交感神経刺激興奮剤、コリン性働筋副交感神経刺激興奮剤、コリンエステラーゼ阻害剤副交感神経刺激興奮剤、交感神経遮断剤、α−ブロッカー交感神経遮断剤、β−ブロッカー交感神経遮断剤、交感神経興奮剤及びアドレナリン性働筋交感神経興奮剤などの自律神経剤;心臓血管剤、例えば抗アンギナ剤、β−ブロッカー抗アンギナ剤、カルシウム−チャンネルブロッカー抗アンギナ剤、ニトレート抗アンギナ剤、抗不整脈剤、心臓グリコシド抗不整脈剤、クラスI抗不整脈剤、クラスII抗不整脈剤、クラスIII抗不整脈剤、クラスIV抗不整脈剤、抗高血圧剤、α−ブロッカー抗高血圧剤、アンギオテンシン転換酵素インヒビター(ACEインヒビター)抗高血圧剤、β−ブロッカー抗高血圧剤、カルシウムチャンネルブロッカー抗高血圧剤、中枢作用アドレナリン性抗高血圧剤、利尿剤抗高血圧剤、末梢血管拡張剤、抗高血圧剤、抗脂血症剤、胆汁酸隔離抗脂血症剤、HMG-CoAレダクターゼインヒビター抗脂血症剤、筋変力症剤、心臓グリコシド筋変力症剤、及びトロンボリティック剤;皮膚剤、例えば抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、コルチコステロイド抗炎症剤、かゆみ止剤/局所麻酔薬、局所抗感染症剤、抗菌局所抗感染剤、抗ウイルス局所抗感染剤及び局所抗新生物剤;電解及び腎剤、例えば酸性化剤、アルカリ性化剤、利尿剤、カルボニックアンヒドラーゼインヒビター利尿剤、ループ利尿剤、浸透性利尿剤、カリウム回避利尿剤、チアジド利尿剤、電解質置換、及び尿酸尿剤;酵素、例えばパンクレアチン酵素及びトロンボリティック酵素;胃腸剤、例えば抗下痢剤、抗吐剤、胃腸用抗炎症剤、サリチル酸塩胃腸用抗炎症剤、抗酸抗潰瘍剤、胃酸ポンプインヒビター抗潰瘍剤、胃粘膜抗潰瘍剤、H2ブロッカー抗潰瘍剤、胆石症剤、消化薬、催吐剤、緩下剤及び軟便化剤、並びにプロカイネテック剤;一般の麻酔薬、例えば吸入麻酔薬、ハロゲン化吸入麻酔薬、静脈注射麻酔薬、バルビツール酸塩静脈注射麻酔薬、ベンゾジアゼピン静脈注射麻酔薬、及び阿片働筋静脈注射麻酔薬;血液剤、例えば抗貧血剤、造血剤抗貧血剤、凝固剤、抗凝固剤、止血凝固剤、血小板インヒビター凝固剤、トロンボリティック酵素凝固剤、及び血漿増量剤;ホルモン及びホルモン調節剤、例えば堕胎薬、副腎剤、コルチコステロイド副腎剤、アンドロゲン、抗アンドロゲン、抗糖尿病剤、スルホニルウレア抗糖尿病剤、抗低血糖症剤、経口避妊薬、プロゲスチン避妊薬、エストロゲン、受精剤、分娩促進剤、上皮小体剤、脳下垂体ホルモン、プロゲスチン、抗甲状腺剤、甲状腺ホルモン、及び陣痛剤;免疫生化学剤、例えばイムノグロブリン、免疫抑制剤、トキソイド、及びワクチン;局所麻酔薬、例えばアミド局所麻酔薬及びエステル局所麻酔薬;筋骨格剤、例えば抗痛風抗炎症剤、コルチコステロイド抗炎症剤、金化合物抗炎症剤、免疫抑制剤抗炎症剤、非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)、サリチル酸塩抗炎症剤、骨格筋弛緩剤、筋神経ブロッカー骨格筋弛緩剤、及び逆筋神経ブロッカー骨格筋弛緩剤;神経剤、例えば抗痙攣剤、バルビツール酸塩抗痙攣剤、ベンゾジアゼピン抗痙攣剤、抗片頭痛剤、抗パーキンソン病剤、抗めまい剤、阿片働筋剤、及び阿片拮抗剤、眼科薬、例えば抗緑内障剤、β−ブロッカー抗緑内障剤、縮瞳性抗緑内障剤、散瞳症剤、アドレナリン性働筋散瞳症剤、抗ムスカリン性散瞳症剤、眼科用麻酔薬、眼科用抗感染剤、眼科用アミノグリコシド抗感染症剤、眼科用マクロライド抗感染症剤、眼科用キノロン抗感染症剤、眼科用スルホナミド抗感染症剤、眼科用テトラサイクリン抗感染症剤、眼科用抗炎症剤、眼科用コルチコステロイド抗炎症剤、及び眼科用非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs);精神病剤、例えば抗ウツ剤、複素環式抗ウツ剤、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOIs)、選択性セロトニン再摂取阻害剤(SSRIs)、トリサイクリック抗ウツ剤、抗躁病剤、抗精神病剤、フェノチアジン抗精神病剤、不安除去剤、鎮静剤、及び催眠薬、バルビツール酸塩鎮痛剤と催眠剤、ベンゾジアゼピン不安除去剤、鎮痛剤と催眠剤、並びに精神刺激剤;呼吸剤、例えば抗咳嗽剤、気管支拡張剤、アドレナリン性働筋気管支拡張剤、抗ムスカリン性気管支拡張剤、去痰剤、粘液除去剤、呼吸器抗炎症剤、及び呼吸器コルチコステロイド抗炎症剤;毒物学製剤、例えば解毒薬、重金属拮抗質/キレート化剤、物質濫用剤、阻止物質濫用剤、中止物質濫用剤;ミネラル;並びにビタミン、例えばビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンK。上記のカテゴリーにおける有用な生物学的に活性な物質の好ましいクラスは、次のものを含む。(1)非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、無痛覚薬、例えばジクロフェナック、イブプロフェン、ケトプロフェン、及びナプロキセン;(2)阿片働筋無痛覚薬、例えばコデイン、フェンタニル、ハイドロモルホン、及びモルフィネ;(3)サリチル酸塩無痛覚薬、例えばアスピリン(ASA)(腸溶性ASA);(4)H1ブロッカー抗ヒスタミン剤、例えばクレマスチン及びターフェナジン;(5)H2ブロッカー抗ヒスタミン剤、例えばシメチジン、ファモチジン、ニザジン、及びラニチジン;(6)抗感染症剤、例えばムピロシン;(7)抗無気性抗感染症剤、例えばクロラムフェニコール及びクリンダマイシン;(8)抗菌性抗生物質抗感染症剤、例えばアンホテリシンb、クロトリマゾール、フルコナゾール、及びケトコナゾール;(9)マクロライド抗物質抗感染症剤、例えばアジスロマイシン及びエリスロマイシン;(10)各種のβ−ラクタム抗生物質抗感染症剤、例えばアズトレオナム及びイミペネム;(11)ペニシリン抗生物質抗感染症剤、例えばナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、及びペニシリンV;(12)ノロン抗生物質抗感染症剤、例えばシプロフロキサシン及びノルフロキサシン;(13)テトラサイクリン抗生物質抗感染症剤、例えばドキシサイクリン、ミノサイクリン、及びテトラサイクリン;(14)抗結核性抗マイコバクテリア性抗感染症剤、例えばイソニアジド(INH)、及びリファムピン;(15)抗原生動物性抗感染症剤、例えばアトバクオン及びダプソン;(16)抗マラリヤ性抗原生動物抗感染症剤、例えばクロロキーネ及びピリメタミン;(17)抗レトロウイルス性抗感染症剤、例えばリトナビア及びジドブジン;(18)抗ウイルス性抗感染症剤、例えばアサイクロビア、ガンシクロビア、インターフェロンアルファ、及びリマンタジン;(19)アルキル化抗新生物剤、例えばカルボプラチン及びシスプラチン;(20)ニトロソウレアアルキル化抗新生物剤、例えばカルムスチン(BCNU);(21)抗代謝性抗新生物剤、例えばメトトレキセート;(22)ピリミジン類縁抗代謝性抗新生物剤、例えばフルオロウラシル(5−FU)及びゲムシタバイン;(23)ホルモン性抗新生物剤、例えばゴセレリン、ロイプロライド、及びタモキシフェン;(24)天然抗新生物剤、例えばアルデスロイキン、インターロイキン−2、ドセタキセル、エトポサイド(VP−16)、インターフェロンアルファ、パクリタキセル、及びトレチノイン(ATRA);(25)抗生物質天然抗新生物剤、例えばブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、及びミトマイシン;(26)ビンカアルカロイド天然抗新生物剤、例えばビンブラスチン及びビンクリスチン;(27)自律神経剤、例えばニコチン;(28)抗コリン性自律神経剤、例えばベンズトロピン及びトリヘキシフェニジル;(29)抗ムスカリン性抗コリン性自律神経剤、例えばアトロピン及びオキシブチニン;(30)エルゴットアルカロイド自律神経剤、例えばブロモクリプチン;(31)コリン性働筋副交感神経刺激興奮剤、例えばピロカルピン;(32)コリンエステラーゼインヒビター副交感神経刺激興奮剤、例えばピリドスチグミン;(33)α−ブロッカー交感神経遮断剤、例えばプラゾシン;(34)β−ブロッカー交感神経遮断剤、例えばアテノロール;(35)アドレナリン性働筋、例えばアルブテロール及びドウブタミン;(36)心臓血管剤、例えばアスピリン(ASA)(腸溶性ASA);(37)β−ブロッカー抗アンギナ剤、例えばアテノロール及びプロプラノロール;(38)カルシウム−チャンネルブロッカー抗アンギナ剤、例えばニフェジピン及びベラパミル;(39)ニトレート抗アンギナ剤、例えばイソソルバイドジニトレート(ISDN);(40)心臓グリコシド抗不整脈剤、例えばジゴキシン;(41)クラスI抗不整脈剤、例えばリドカイン、メキシレチン、フェニトイン、プロカインアミド、及びキニジン;(42)クラスII抗不整脈剤、例えばアテノロール、メトプロロール、プロプラノロール、及びチモロール;(43)クラスIII抗不整脈剤、例えばアミオダロン;(44)クラスIV不整脈剤、例えばディルチアゼム及びベラパミル;(45)α−ブロッカー抗高血圧剤、例えばプラゾシン;(46)アンジオテンシン転換酵素インヒビター(ACEインヒビター、抗高血圧剤、例えばカプトプリル及びエナラプリル;(47)β−ブロッカー抗高血圧剤、例えばアテノロール、メトプロロール、ナドロール、及びプロパノロール;(48)カルシウム−チャンネルブロッカー抗高血圧剤、例えばディルチアゼム及びニフェジピン;(49)中枢作用アドレナリン性抗高血圧剤、例えばクロニジン及びメチルドーパ;(50)利尿薬抗高血圧剤、例えばアミロライド、フロセマイド、ハイドロクロロチアジド(HCTZ)、及びスピロノラクトン;(51)末梢血管拡張剤抗高血圧剤、例えばヒドララジン及びミノキシジル;(52)抗脂肪血症剤、例えばゲムフィブロジル及びプロブコル;(53)胆汁酸隔離抗脂肪血症剤、例えばコレスチラミン;(54)HMG-CoAレダクターゼインヒビター抗脂肪血症剤、例えばロバスタチン及びプラバスタチン;(55)筋変力症剤、例えばアムリノン、ドウブタミン、及びドーパミン;(56)心臓グリコシド筋変力症剤、例えばジゴキシン;(57)トロンボリティック剤、例えばアルテプラーゼ(TPA)、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ、及びウロキナーゼ;(58)皮膚科用薬剤、例えばコルチシン、イソトレチノイン、メトトレキセート、ミノキシジル、トレチノイン(ATRA);(59)皮膚科用コルチコステロイド抗炎症剤、例えばベタメタソン及びデキサメタゾン;(60)抗菌性局所抗感染症剤、例えばアムホテリシンB、クロトリマゾール、マイコナゾール、及びニスタチン;(61)抗ウイルス性局所抗感染症剤、例えばアサイクロビル;(62)局所抗新生物剤、例えばフルオロウラシル(5−FU);(63)電解及び腎剤、例えばラクチュロース;(64)ループ利尿剤、例えばフロセミド;(65)カリウム回避利尿剤、例えばトリアムテレン;(66)チアジド利尿剤、例えばハイドロクロロチアザイド(HCTZ);(67)尿酸尿症剤、例えばプロベネシド;(68)酵素例えばRNアーゼ及びDNアーゼ;(69)トロンボリティック酵素、例えばアルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼ;(70)抗吐剤、例えばプロクロルペラジン;(71)サリチル酸性胃腸用抗炎症剤、例えばスルファサラジン;(72)胃酸ポンプインヒビター抗潰瘍剤、例えばオメプラゾール;(73)H2−ブラッカー抗潰瘍剤、例えばシメチジン、ファモチジン、ニザチジン、及びランチジン;(74)消化薬、例えばパンクレリパーゼ;(75)プロカイネティック剤、例えばエリスロマイシン;(76)阿片働筋静脈注射麻酔薬、例えばフェンタニル;(77)造血剤抗貧血剤、例えばエリスロポエチン、フィルグラスチム(G-CSF)、及びサルグラモスチム(GM-CSF);(78)凝固剤、例えば抗ヘモフィリック因子1−10(AHF 1-10);(79)抗凝固剤、例えばワルファリン;(80)トロンボリティック酵素凝固剤、例えばアルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼ;(81)ホルモン及びホルモン調節剤、例えばブロモクリプチン;(82)堕胎薬、例えばメトトレキセート;(83)抗糖尿病剤例えばインシュリン;(84)経口避妊薬、例えばエストロゲン及びプロゲスチン;(85)プロゲスチン避妊薬、例えばレボノルゲストレル及びノルゲストレル;(86)エストロゲン例えば共役エストロゲン、ジエチルスチルベストロール(DES)、エストロゲン(エストラジオール、エストロン、及びエストロピペイト);(87)受精剤、例えばクロミフェン、ヒトコリオニックゴナダトロピン(HCG)、及びメノトロピンズ;(88)上皮小体剤例えばカルシトニン;(89)脳下垂体ホルモン、例えばデスモプレッシン、ゴセレリン、オキシトシン及びバソプレッシン(ADH);(90)プロゲスチン、例えばメドロキシプロゲステロン、ノルエチンドロン、及びプロゲステロン;(91)甲状腺ホルモン、例えばレボチロキシン;(92)免疫生化学剤、例えばインターフェローベーター−1b及びインターフェロンガンマ−1b;(93)イムノグロブリン、例えば免疫グロブリンIM、IMIG、IGIM及び免疫グロブリンIV、IVIG、IGIV、;(94)アミド局所麻酔薬、例えばリドカイン;(95)エステル局所麻酔薬、例えばベンゾカイン及びプロカイン;(96)筋骨格コルチコステロイド抗炎症剤、例えばベクロメタゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ハイドロコルチゾン及びプレドニゾン;(97)筋骨格抗炎症免疫抑制剤、例えばアザチオプリン、サイクロホスファミド、及びメトトレキセート;(98)筋骨格非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、例えばジクロフェナック、イブプロフェン、ケトプロフェン、ケトルラック、及びナプロキャン;(99)骨格筋弛緩剤、例えばバクロフェン、サイクロベンザプリン、及びジアザパム;(100)逆筋神経ブロッカー骨格筋弛緩剤、例えばピリドスチグマイン;(101)神経剤、例えばニモジピン、リルゾール、タクリン及びチクロピジン;(102)抗ケイレン剤、例えばカルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリギン、フェニトメン、及びバルプロイン酸;(103)バルビツール酸塩抗ケイレン剤、例えばフェノバルビタール及びプリミドン;(104)ベンゾジアゼピン抗ケイレン剤、例えばクロナゼパム、ジアゼパム及びロラゼパム;(105)抗パーキンソン病剤、例えばブロモクリプチン、レボドーパ、カルビドーパ、及びペルゴライド;(106)抗めまい剤、例えばメクリジン;(107)阿片働筋剤、例えばコデイン、フェンタニル、ハイドロモルホン、メタドン、及びモルヒネ;(108)阿片拮抗剤、例えばナロキソン:(109)β−ブロッカー抗緑内障剤、例えばチモロール;(110)縮瞳性抗緑内障剤、例えばプロカルピン;(111)眼科用アミノグリコシド抗感染症剤、例えばゲンタマイシン、ネオマイシン、及びトブラマイシン;(112)眼科用キノロン抗感染症剤、例えばシプロフロキサシン、ノルフロキサシン、及びオフロキサシン;(113)眼科用コルチコステロイド抗炎症剤、例えばデキサメタゾン及びプレドニソロン;(114)眼科用非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)、例えばジクロフェナック;(115)抗精神病剤、例えばクロザピン、ハロペリドール、及びリスペリドン;(116)ベンゾジアゼピン不安定除去剤、鎮痛剤と催眠薬、例えばクロナゼパム、ジアゼパム、ローラゼパム、オキサゼパム及びプラゼパム;(117)精神刺激剤、例えばメチルフェニデート及びペモリン;(118)抗咳嗽剤、例えばコデイン;(119)気管支拡張剤、例えばテオフィリン;(120)アドレナリン性働筋気管支拡張剤、例えばアルブテロール;(121)呼吸器コルチコステロイド炎症剤、例えばデキサメタゾン;(122)解毒剤、例えばアルマゼニル及びナロキソン;(123)重金属拮抗質/キレート化剤、例えばペニシラミン;(124)阻止物質濫用剤、例えばジスルフィラム、ナルトレキゾン、及びニコチン;(125)中止物質濫用剤、例えばブロモクリプチン;(126)ミネラル、例えば鉄、カルシウム、及びマグネシウム;(127)ビタミンB化合物、例えばシアノコバラミン(ビタミンB12)及びニアシン(ビタミンB3);(128)ビタミンC化合物、例えばアスコルビン酸;並びに(129)ビタミンD化合物、例えばカルシトリオール。これまで述べてきたものに加えて、次のあまり一般的でない薬もまた使用できる。クロルヘキシジン;油中エストラジオールサイピオネート;油中エストラジオールバレレート;フルルビプロフェン;フルルビプロフェンナトリウム塩;イベルメクチン;レボドーパ;ナファレリン;及びソマトロピン。さらに、次の新薬も使うことができる:リコンビナントベータグルカン;牛イムノグロブリン濃縮物;牛スーパーオキシドジスムターゼ;フルオロウラシル、エピネフリン、及び牛コラーゲンからなる調剤;リコンビナントヒルジン(r−Hir)、HIV-1イムノゲン;ヒト抗−TAC抗体;リコンビナントヒト成長ホルモン(r-hGH);リコンビナントヒトヘモグロビン(r-Hb);リコンビナントヒトメカセルミン(r-IGF-1);リコンビナントインターフェロンベータ−1a;レノグラスチム(G-CSF);オランザピン;リコンビナント甲状腺刺激ホルモン(r-TSH)及びトポテカン。さらにまた、次の静脈内の産物も使用しうる:アサイクロビルナトリウム塩;アルデスロオイキン;アテノロール;ブレオマイシン硫酸塩、ヒトカルシトニン;サルモンカルシトニン;カルボプラチン;カルムスチン;ダクチノマイシン、ダウノルビシンHCL;ドウセタキセル;ドキソルビシン(HCL);エポエチンアルファ;エトポサイド(VP−16);フルオロウラシル(5−FU);ガンシクロビルナトリウム塩;ゲンタマイシン硫酸塩;インターフェロンアルファ;ロイプロライド酢酸塩;ナペリジンHCL;メタドンHCL;メトトレキセートナトリウム塩;パクリタキセル;ラニチジンHCL;ビンブラスチン硫酸塩;及びジドブジン(AZT)。なおさらに次に記するペプチド、蛋白、他の大きい分子もまた使用することができる。例えば、突然変異体、類縁体を含むインタロイキン1から18;インターフェロンα、βおよびγ;黄体化ホルモン放出ホル(LHRH)及び類縁体、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)、形質転換成長因子−β(TGF−β)、繊維芽細胞成長因子(FGF)、潰瘍壊死因子α及びβ(TNF−α&β)、神経成長因子(NGF)、成長ホルモン放出因子(GHRF)、表皮成長因子(EGF)、繊維芽細胞成長因子相同因子(FGFHF)、肝細胞成長因子(HGF)、インシュリン成長因子(IGF)、侵入禁止因子ー2(IIF−2)、骨形成蛋白1−7(BMP1−7)、ソマトスタチン、チモシン−α−1、γ−グロブリン、スーパーオチシドジスムターゼ(SOD)、補体因子。あるいはこの生物学的に活性な物質は放射線感受性体、例えばメトクロプラミド、センサミドヌはニューセンサミド(Oxigen製);プロフィロマイシン(Vion製);RSR13(Allos製);チミタク(Agouron製)、エタンダゾール又はイオベングアン(Nycomed製;ガドリニウムテキサフィリン(Pharmacyclics製);BuDR/Broxinek(NeoPharm製);IPdR(Sparta製);CR2412(Therapeutic製);LIX(Terrapin製)等であってもよい。特に好ましい態様において、この生物学的に活性な物質は治療薬又はプロ医薬、最も好ましくは、化学療法剤及び他の抗新生物剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗黴剤、抗炎症剤及び抗凝固剤からなる群より選ばれた医薬である。最も好ましくは、この生物学的に活性な物質はパクリタキセルである。この生物学的に活性な物質は治療に有効な量が使用される。この生物学的に活性な物質の有効な量は、用いる物質によるけれども、約1%から約65%の生物学的に活性な物質の量がこの導入システムに容易に組み込まれ、コントロールされた放出を行なう。治療に効能のあるレベルに使用される量がより少なくてすむ生物学的に活性な物質もある。薬剤として受け入れられるキャリヤーは広範囲の材料から調製することができる。特に限定されないが、そのような材料には希釈剤、結合剤及び接着剤、滑剤、崩壊剤、着色料、増量剤、芳香剤、甘味料、及びその他の各種の材料、例えば特定の医薬組成物をつくるためのバッファー及び吸着剤などが含まれる。移植及び注入用に設計された導入システムその最も簡単な形態は、生分解性治療剤導入システムはポリマーマトリックスに治療剤が分散されているものである。この治療剤は、一般的には、ポリマーマトリックスがインビボで体外へ排出される溶解性産物へ生分解されるに従って放出される。特に好ましい態様においては、移植、注入に使用され、あるいは体内に全部あるいは1部が配置される物品が本発明の生分解性テレフタレートポリマー組成物からなっている。この組成物の生物学的に活性な物質及び本発明のポリマーは物質なマトリックスを形成してもよく、あるいは生物学的に活性な物質がポリマーのなかに何らかの方法でカプセル化されていてもよい。例えば、生物学的に活性な物質がまず微小球のなかにカプセル化され、次に、少なくとも微小球構造体の1部が維持されるやり方でポリマーと組み合わせる。あるいは、生物学的に活性な物質が、本発明のポリマーに溶解されるというよりはむしろ小さな液滴として分解されるのに充分な程ポリマーに対して不活性であってもよい。如何なる形でもよいが、この組成物の物質性にかかわりなく、生物学的に活性な物質のインビボでの放出速度が生分解の際にこのポリマーのホスホエステル結合の加水分解の機能として少なくとも1部がコントロールされたままであることが好ましい。好ましい態様においては、本発明の物品は動物の体内への移植あるいは注入用につくられる。特に重要なことは、このような物品か血管の多い組織に移植されあるいは注入されたときに組織への刺激が最小限になるということである。構造用医療器具として、本発明のポリマー組成物は、この組成物がインビボで無毒の残留物に分解するということに加えて、適用するのに充分な特定の化学的、物理的及び機械的な性質を有する物理的な形を提供する。典型的な構造用医療物品には、整形外科用固定器具のような移植材、心室の分流器、分解性織物用積層物、薬キャリヤー、生物吸収縫合材、火傷用包帯、他の移植器具に設けられる被覆材等が含まれる。整形外科用物品には、本発明の組成物は負傷した骨や結合組織の修復に有用と思われる。例えば生分解性多孔性材料を骨成形蛋白に加えて、平らで大きな分節の欠損に有用な骨の分岐を形成させることができる。血管分岐への適用では、布の形の生分解性材料を組織の内方への生長の促進に使用することができる。本発明のポリマー組成物は、例えば腹部の外科での組織のゆ着を防止する仮のバリヤーとして使用することができる。一方、神経再生物品では、生分解性支持マトリックスを細胞の接合や増殖を安易にするために使用することができる。このポリマー組成物を神経再生用のチューブに成形すれば、例えばこのチューブ状物品は機能回復の方向の軸索の伸長の幾何学的なガイドとして役立たせることもできる。医薬導入器具としては、本発明のポリマー組成物は生物学的に活性な物質を隔離しうるポリマーマトリックスを提供し、この物質の予測できるコントロールされた導入を提供できる。このポリマーマトリックスは無毒な残留物に分解される。生分解性医療用移植器具と薬導入産物はいくつかのやり方でつくることができる。このポリマーは溶融させて通常の押出成形や射出成形によって加工することができ、あるいはこれらの産物を適当な溶媒に溶解してその器具に成形し、続いて溶媒を蒸発や抽出で除去することによって作製することもできる。一旦医療用移植物品が設置されると、それは少なくとも一部が生物学的液、例えば血液、内部臓器分泌物、粘膜、髄液等と接触状態にされなければならない。実施例[実施例1] ポリ(L−ラクチド−コ−エチルホスフェ−ト)[ポリ(LAEG-EOP)]の合成(3S)−cis−3,6−ジメチル−1,4−ジオアン−2,5−ジオン(L−ラクチド)(アルドリッチ ケミカル会社から入手し、酢酸エチルを用いて再結晶、昇華、再び酢酸エチルを用いて再結晶した)20g(0.139モル)およびエチレングリコール(99.8%、無水、アルドリッチから入手)を乾燥アルゴンで満たされた250mLの丸底フラスコに入れた。フラスコを真空下に閉じ、140℃に加熱された炉に入れた。フラスコを時々振とうさせながらこの温度で48時間保持した。次いで、フラスコを乾燥アルゴンで充満し、135℃に加熱した油浴中に入れた。アルゴン気流下、攪拌しながらエチルホスホロジクロリデート1.13gを添加した。1時間攪拌後、系に低真空(約20mmHg)をかけ、一夜放置した。仕上げ前の1時間、高真空をかけた。冷却後、ポリマーをクロロホルム200mLに溶解し、1リットルのエーテルに2回クエンチし僅かに灰色がかった白色沈殿とし、真空下に乾燥した。得られたポリマーは、図6、図7に示すように目的とする生成物ポリ(L−ラクチド−コ−エチルホスフェート)[P(LAEG-EOP)]であることがNMR分光学によって確認した。[実施例2] P(LAEG-EOP)の諸性質(xまたはy)/n=10:1のP(LAEG-EOP)を実施例1において上述したように調製した。得られたポリ(ホスホエステルーコーエステル)ポリマーをポリスチレンを標準として用いてGPCによって分析し、得られたグラフは図7に示すように、Mw33,000、Mn4800と確定した。粘度をクロロホルム(CH3Cl)中、40℃で測定し、0.315dL/gと測定した。ポリマーは酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N−メチルピドリドン、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドに可溶であった。ポリマーは脆いフィルムを形成し、Tgは図2A、図2Bに示すようにDSCによって51.5℃と測定された。[実施例3] ポリ(L−ラクチド−コ−ヘキシルホスフェ−ト)[ポリ(LAEG-HOP)]の合成EOP(エチルホスホロジクロリデート)の代わりにヘキシルホスホロジクロリデート(「HOP」)を用いた以外は、実施例1に記載された方法によって、次の構造を有する2番目のポリ(L−ラクチドーホスフェート)についても製造した。[実施例4] P(LAEG-EOP)およびP(LAEG-HOP)の諸性質実施例1のホスホエステルーコーエステル重合体、P(LAEG-EOP)および実施例3のポリマー、P(LAEG-HOP)の重量平均分子量(Mw)は図1に示したように、測定標準としてポリスチレンを用いてゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によって先ず測定した。各サンプルを室温の大気に晒したまま周囲無保護貯蔵容量試験を行った。1ヶ月後、各ポリマーのMwを再度測定した。その結果(図5にプロットした)、P(LAEG-EOP)のMwは無保護周囲条件の1ヶ月後約1/3減少したが、P(LAEG-HOP)のMwはかなり一定に止まり、わずかな増加さえ示した。図8も参照。次いで、各ポリマーから50℃、200MPa.の圧力で圧縮成型によって分解研究用のディスクを作成した。ディスクは直径4mm、厚さ1.5mm、重量40mgであった。分解研究はディスクを0.1MのPBS(pH7.4)4mL中、37℃に入れて行った。反復試料を8日迄異なった時点で取り除き、蒸留水で洗浄し、一夜真空下で乾燥した。試料を重量損失、分子量変化(GPC)について分析した。それらの結果を図4A、図4B、図10Aおよび図10Bに示す。P(LAEG-EOP)およびP(LAEG-HOP)のいずれのポリマーもは好都合な分解プロファイルを示した。[実施例5] P(LAEG-EOP)のインビボ生体適合性P(LAEG-EOP)、そして参考試料として生体適合性であると知られている乳酸とグリコール酸のコポリマー[「PLGA(RG755)」]から、それぞれポリマー薄片100mgを形成した。これらの薄片を麻酔をかけられた成育SPFスプラグードウレイ(Sprague-Dawley)系ラットの右肢筋肉層間に挿入した。所定時間に薄片を取り出した。そして周辺の組織は次の得点を用いて認定された病理学者によって組織病理学分析用に用意された。組織病理学分析の結果を下記表8に示す。図12についても参照。ホスホエステルコポリマーP(LAEG-EOP)はPLGA参考薄片によって示されたのと同様な許容生体適合性を有することが示された。[実施例6] 微小球の調製塩化メチレンを溶媒に用いる溶媒蒸発(二段乳化double emulsion)法によってP(LAEG-EOP)から微小球を調製した。その結果を図3に示す。[実施例7] 理論上10%の充填レベルのFITC-BSAを含有するコポリマー微小球の調製P(LAEG-EOP)100mgの塩化メチレン1mL溶液にFITC-BSA溶液100mL(水に溶解して100mg/mL)を添加し、氷の上で15秒間超音波によって乳化させた。得られた乳化液を直ちに5%NaClの1%ポリビニルアルコール(PVA)溶液の渦5mLに注ぎ、渦を1分間保持した。次いで、このように形成した乳化液を5%NaClの0.3%PVA溶液20mLに注ぎ、激しく攪拌させた。イソプロパノールの2%溶液25mLを添加し、その混合物を1時間攪拌し続けて完全な抽出を行った。得られた微小球を3000Xgの遠心分離によって集め、水で3回洗浄し、凍結乾燥した。第2水層として5%NaCl溶液又は更にPEG8000を1%含む5%NaCl溶液を用いて異なった配合の微小球を作成した。混合物を一夜攪拌することによって溶媒を蒸発する溶媒蒸発によって微小球を形成させる他の技術を使用した。[実施例8] カプセル化効率および充填レベルの評価微小球を0.5%NaOHで一夜加水分解させた後、FITCを検定してFITC-BSAの充填レベルを測定した。FITC-BSAの量は、FITC-BSA一連の0.5N NaOH溶液を造ることによって描かれた標準曲線と比較した。微小球のカプセル化効率は、蛍光分析法によって溜まったFITC-BSA量を溶液中の初量と比較することによって測定した。カプセル化効率(%)および充填レベル(%)を下記表1に示す。[実施例9] コポリマーの細胞毒性P(LAEG-EOP)を含有する微小球を異なった濃度で96−ウエル組織培養板に添加した。次いで、人胃癌細胞(GT3TKB)を104細胞/ウエルの割合で接種した。そして、細胞をウエル中の微小球と共に37℃、48時間培養した。細胞増殖率をMTT検定法によって分析し、その結果を図9に示したように、相対成育%対組織培養ウエル中のコポリマー微小球濃度としてプロットした。[実施例10] 成形方法の微小球からのFITC-BSA放出効果本発明の重合体微小球50mgを、PBS10mLを入れたバイアル中に懸濁し、バイアルを培養器中で37℃、220rpm.の回転率で振とうさせた。上澄み液を種々の時点で取り、放出したFITC-BSAの量を492nm、分光光度計によって分析した。その結果を図13に示したように、微小球からのFITC-BSAの累積放出%対時間としてプロットした。[実施例11] 非溶媒層としてポリビニルアルコールを用いてリドカインを含有するP(LAEG-EOP)微小球の調製600mLビーカー中でPVA1.05gと脱イオン水210mLと合わせて脱イオン水溶液中のポリビニルアルコール(PVA)0.5%w/v溶液を調製した。その溶液を1時間攪拌し、濾過した。塩化メチレン7mL中にポリマー630mgとリドカイン70mgとを合わせ、渦によって混合してポリマー/薬剤溶液を調製した。PVA溶液をオーバーヘッドミキサーを用いて500rpm.で混合し、これにポリマー/薬剤溶液を滴下した。30分の混合後、冷脱イオン水200mLを攪拌しているPVA溶液に添加した。得られた混合物を全体で3.5時間攪拌した。形成した微小球を濾別、脱イオン水で洗浄し、一夜凍結乾燥した。このようにしてリドカイン4.2%w/wを充填させた微小球を得た。約10mgの微小球を37℃、振とう機上のホスフェート緩衝食塩水(0.1M,pH7.4)に入れ、きちんとサンプリングした。その結果を図16に示したように、放出したリドカイン%対日数時間としてプロットした。[実施例12] P(DAEG-EOP)の調製ポリ(L−ラクチド−コ−エチルホスフェ−ト)のd,lラセミ混合物[「P(DAEG-EOP)」]を実施例1に記載したP(LAEG-EOP)と同様な方法で調製した。[実施例13] 非溶媒層としてシリコン油を用いてリドカインを有するP(DAEG-EOP)微小球体の調製「スパン−85」の商品名でアルドリッチから商業的に入手し得るソルビタンートリオレエート2%が、400mLビーカー中で「スパン−85」3mLとシリコン油150mLとを合わせ、500rpm.にセットしたオーバーヘッド攪拌機を用いて混合することによって調製された。上記実施例9で調製した重合体400mgおよびリドカイン100mgを塩化メチレン4.5mLに溶解してP(DAEG-EOP)ポリマー/薬剤溶液を調製した。得られたポリマー/薬剤溶液をシリコン油/スパン混合物に攪拌しながら滴下した。この混合物を1時間15分攪拌した。このようにして形成した微小球を濾別、石油エーテルで洗浄してシリコン油/スパン混合物を除去し、一夜凍結乾燥した。このようにしてリドカイン7.6%w/wを充填した微小球を得た。約10mgの微小球を37℃、振とう機上のホスフェート緩衝食塩水(0.1M,pH7.4)に入れ、きちんとサンプリングした。その結果を図17に示したように、放出したリドカイン%対日数時間としてプロットした。[実施例14] マウス腹腔におけるポリ(ホスホエステル)微小球の生物適合性本発明の生分解性ポリ(ホスホエステル)微小球の生体適合性を次のとおり試験した。凍結乾燥したポリ(L−ラクチド−コ−エチルホスフェ−ト)微小球30mg/mLの3試料を調製し、第1番目の試料は75ミクロンより大きい直径を有し、第2番目の試料は75〜125ミクロンの範囲内の直径を有し、そして第3番目の試料は125〜250ミクロンの範囲内の直径を有する。各試料を開始体重25gの雌マウス1グループ18匹に腹腔内注入した。各グループの動物を2,7,14日並びに1,2,3ヶ月に秤量、殺し、剖検した。剖検時に検出した障害は0は処置に対して何らの反応を示さず、4は処置に対して激しい反応を示すことを以て0から4の等級で等級をつけた。炎症障害は腹腔表面あるいは脂肪組織内で微小球と連合しているところに限って観察され、異物単離およびカプセル化には適応した。中皮過形成と局部ないし多局部的に支持する腹膜脂肪織炎2〜7日目に観察されたが、大食細胞浸潤、炎症性巨大細胞の形成並びに後期の殺しでの微小球の繊維状カプセル化によって徐々に分解された。連合した炎症反応と共に微小球の肝臓および横隔膜への時折の付着も見られた。微小球に関連した障害は腹腔または胸器官内で見られなかった。研究期間に亘って検出された微小球は初期の殺しでは透明に見えたが、後期では体内では結晶性物質と発展した。体成育に何らの効果は観察されなかった。腹膜反応は微小球にじかに隣接している場所に限って観察されたが、主要な胸または腹腔器官にはっきりとした有害効果は全く伴わなかった。本発明はこのように記されていることから、同様なことが種々の方法で変更し得よう。そのような変更は本発明の精神および範囲から逸脱したものと見做されるべきではなく、あらゆるそのような変更は次のクレームの範囲内に包含するものと意図している。 1.式IまたはII式中、Xは−O−またはR’がHまたはアルキルである−NR’−であり、M1およびM2はそれぞれ独立して(1)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基または(2)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖のオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−脂肪族基であって、これらのオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−は水素原子がとれて二価になっていてもよく、Yは−O−、−S−または−NR’−であり、Lは炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基であり、RはH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式基またはヘテロシクロオキシであり、x:yのモル比は1であり、n:(xまたはy)のモル比は200:1と1:200の間であり、そして、q:rのモル比は1:99と99:1の間である。にて示される繰返しモノマー単位よりなる、生分解前および生分解時に生体適合性を有する生分解性ポリマー Rがアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基またはヘテロシクロオキシ基である請求項1のポリマー Rが1から7の炭素原子数を有するアルコキシ基である請求項1のポリマー M1およびM2の各々が分岐鎖または直鎖のアルキレン基である請求項1のポリマー M1およびM2のうちの少なくとも一つが、式−CHR2−CO−O−CHR3−式中、R2およびR3はそれぞれ独立してH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式基またはヘテロシクロオキシである。を有する請求項1のポリマー Xが−O−である請求項1のポリマー M1およびM2の各々がアルキレン基またはアルコキシレン基であり、Lがアルキレン基であり、Xが−O−であり、そしてRがアルコキシ基である請求項1のポリマー n:(xまたはy)のモル比が100:1と1:100の間にある請求項1のポリマー 式IまたはII式中:Xは−O−またはR’がHまたはアルキルである−NR’−であり、M1およびM2はそれぞれ独立して(1)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基または(2)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖のオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−脂肪族基であって、これらのオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−は水素原子がとれて二価になっていてもよく、Yは−O−、−S−または−NR’−であり、Lは炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基であり、RはH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式基またはヘテロシクロキシであり、x:yのモル比は1であり、n:(xまたはy)のモル比は200:1と1:200の間であり、そして、q:rのモル比は1:99と99:1の間である。にて示される繰返しモノマー単位よりなる、生分解前および生分解中、生体適合性を有する生分解ポリマーの製造方法であって、(a) 式III、IVまたはV式中、M1、M2およびXは上記に定義したとおりである。を有する複素環式化合物のうちの少なくとも1種と、式H−Y−L−Y−H式中、YおよびLは上記に定義したとおりである。を有する開始剤とを反応させて下記に示した式VIまたはVIIのプレポリマーを生成させ、式中、X、M1、M2、Y、L、x、y、qおよびrは上記に定義したとおりである。(b) さらに式VIまたはVIIの該プレポリマーを式VIII「halo」はBr、ClまたはIであり、Rは上記に定義したとおりである。を有するホスホロジハリデートを反応させて式IまたはIIの該ポリマーを生成させる工程かるなる前記生分解性ポリマーの製造方法 M1およびM2の各々がアルキレン基またはアルコキシレン基であり、Lがアルキレン基であり、Xが−O−であり、そしてRがアルコキシ基である請求項9の方法 請求項1のポリマーからなる移植可能な器具用のコーティング材 次の成分からなる生分解性ポリマー組成物:(a) 少なくとも一つの生物学的に活性な物質および(b) 式IまたはII式中、Xは−O−またはR’がHまたはアルキルである−NR’−であり、M1およびM2はそれぞれ独立して(1)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基または(2)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖のオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−脂肪族基であって、これらのオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−は水素原子がとれて二価になっていてもよく、Yは−O−、−S−または−NR’−であり、Lは炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基であり、RはH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式基またはヘテロシクロキシであり、x:yのモル比は1であり、n:(xまたはy)のモル比は200:1と1:200の間であり、そして、q:rのモル比は1:99と99:1の間である。にて示される繰返しモノマー単位よりなる、生分解前および生分解時に生体適合性を有する生分解性ポリマー Rがアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基またはヘテロシクロオキシ基である請求項12のポリマー組成物 Rがアルコキシ基である請求項12のポリマー組成物 M1およびM2のうちの少なくとも一つが、式−CHR2−CO−O−CHR3−式中、R2およびR3はそれぞれ独立してH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式基またはヘテロシクロオキシである。を有する請求項12のポリマー組成物 Xが−O−である請求項12のポリマー組成物 M1およびM2は各々アルキレン基またはアルコキシレン基であり、Lがアルキレン基であり、Xが−O−であり、そしてRがアルコキシ基である請求項12のポリマー組成物 n:(xまたはy)のモル比が100:1から1:100まである請求項12のポリマー組成物 生物学的に活性な物質が多糖類、発育因子、ホルモン、抗脈管形成因子、インターフェロン又はサイトカイン及びこれら物質のプロ医薬よりなる群から選ばれる請求項12のポリマー組成物 生物学的に活性な物質が治療薬またはプロ医薬である請求項12のポリマー組成物 該医薬が抗新生物剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗炎症剤及び抗凝固剤からなる群より選ばれる請求項20のポリマー組成物 抗新生物剤がパクリタキセルである請求項21のポリマー組成物 該生物学的に活性な物質と該ポリマーは均一なマトリックスを形成している請求項12のポリマー組成物 移植、注入あるいは別の手段によって体内に全体的にまたは部分的に配置されるのに有用な物品であって、次の成分からなる生分解性ポリマー組成物からなる物品:(a) 少なくとも一つの生物学的に活性な物質および(b) 式IまたはII式中、Xは−O−またはR’がHまたはアルキルである−NR’−であり、M1およびM2はそれぞれ独立して(1)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基または(2)炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖のオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−脂肪族基であって、これらのオキシ−、カルボキシ−またはアミノ−は水素原子がとれて二価になっていてもよく、Yは−O−、−S−または−NR’−であり、Lは炭素原子数1〜20を有する分岐鎖または直鎖の脂肪族基であり、RはH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式基またはヘテロシクロオキシであり、x:yのモル比は1であり、n:(xまたはy)のモル比は200:1と1:200の間であり、そして、q:rのモル比は1:99と99:1の間である。にて示される繰返しモノマー単位よりなる、生分解前および生分解時に生体適合性を有する生分解性ポリマー Rがアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基またはヘテロシクロキシ基である請求項24の物品 Rがアルコキシ基である請求項24の物品 M1およびM2のうちの少なくとも一つが、式−CHR2−CO−O−CHR3−式中、R2およびR3はそれぞれ独立してH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式基またはヘテロシクロキシである。を有する請求項24の物品 Xが−O−である請求項24の物品 M1およびM2は各々アルキレン基またはアルコキシレン基であり、Lがアルキレン基であり、Xが−O−であり、そしてRがアルコキシ基である請求項24の物品 生物学的に活性な物質が多糖類、発育因子、ホルモン、抗脈管形成因子、インターフェロンまたはサイトカイン及びこれらの物質のプロ医薬よりなる群から選ばれる請求項24の物品 生物学的に活性な物質が治療薬またはプロ医薬である請求項24の物品 該医薬が抗新生物剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗凝固剤及びこれらの物質のプロ医薬からなる群より選ばれる請求項24の物品 抗新生物剤がパクリタキセルである請求項24の物品 該生物学的に活性な物質と該ポリマーは均一なマトリックスを形成している請求項24の物品 該生物学的に活性な物質が該ポリマー内でカプセル化されている請求項24の物品 該物品が微小球である請求項24項の物品 該物品が分解性織物の積層物に形成されている請求項24の物品 該物品が吸収性の縫合剤、骨障害の修復用材料または移植器具の被覆材に形成されている請求項24の物品